はー。参った。すげえ映画だった。
 ちょっと前に、WOWOWで放送されたこの映画、まあ観る前からかなりのドイヒーであろうことは想像ついていたが、とりあえずネタとして録画しておくかと軽いノリであったが、いざ観てみたところ、まさしくキング・オブ・ドイヒー。これは本当に頭痛がしてくるほどヒドイ映画であった。
 この映画が日本で劇場公開されたのか、そんなことも調べるのがアホらしいほどなのでどうでもいい。恐らくは(?)、いわゆるビデオストレートだと思うが、わたしが先日、夜、ぼんやりと見たのが『アナコンダVS殺人クロコダイル』というスーパーY級映画である。

 一応、わたしは世に言うB級映画ハンターでもあるので、愛のあるトンデモムービーに対してハナから否定するつもりはない。しかし限度ってモノもあるわけで、コイツは久しぶりにひどくて、思わず最後まで観てしまった。これはもう、B級じゃ済まされないですな。C級でもない。まあZ級と言わないまでも、その一歩手前のY級ぐらいであろう。 じゃ、なんでそんな、タイトルからして地雷臭ぷんぷんのネタムービーを見たわけ? という非難は当然わたしも受けるべきであろう。なので言い訳をさせていただくが、わたしがこの映画をわざわざ録画までして観た理由は、2つある。
 1つは、この作品がこれまたスーパーD級映画としてお馴染みの『Lake Placid』(邦題:『UMA レイク・プラシッド』)と、同じくスーパーE級映画『Anaconda』(邦題はそのまま『アナコンダ』)のまさかのクロスオーバー作品であり、その両方を観ているわたしとしては、ちょっと、な、なんだってー!? と思うに十分な企画であることだ。この両作は、実は何気にキャストが豪華で、ここに書くのもめんどくさいので、気になる方は上記タイトルのリンク先を観ておいてください。
 で、もう1つの理由は、おそらくはフルCGで描かれるであろうと思われる、アナコンダとクロコダイルのCGの出来をちょっと確認しておきたかったためだ。一応、腐ってもメリケン映画であり、ひょっとしたら物語はクソつまらなくても、CGは凄いかもしれない。と、根拠なく思ったからである。

 しかし。残念ながらわたしのごくわずかな期待は、完膚なきまでに打ち砕かれ、脚本(=物語)もひどい、演出もド素人レベル、役者の芝居も学芸会並、そして、一縷の希望をかけたCGの出来も、これなら日曜日の朝のスーパーヒーロータイムのほうが断然上でしょうな、というヒドイ出来であった。がっかり。
 あまりにひどくて、せめて、無駄にいっぱい出てくるメリケン女子どものお色気シーンぐらいは充実してんだろうなぁ? そこんとこ頼むぜ!? と思いながら観ても、全然たいしたことのない水着シーンのみで、ポロリもなし。しかもまったく可愛くない。その寒々しさは、目も当てられないほどである。
  とにかく、一体全体、この映画はどれだけの予算が投入されて、どれだけ回収できたのだろうということが気になったので、いろいろ調べてみたものの、全然データナシである。どうやらはやり、この作品は劇場公開は日本でもUS本国でもされておらず、完全にビデオムービーのようですな。だとすると、きっと予算規模は1億もないだろう。恐らくロケも、1週間あれば十分だろうし、ぶっ壊す車とCG代がちょっとかかる程度であろうと思われる。果たしてそれを回収できたかというと……これは根拠ナシだが、おそらく赤字ではないと思う。日本でのビデオ発売権だけでもそれなりだろうし、WOWOWだって放送権を得るのに100万ぐらいは払ったのだろうか? もっと安いのかな。いずれにせよ、それなりに海外収入もあって、何とかなったのではなかろうか。
 結果として黒字なら、こんなヒドイ出来でも、製作陣としては勝ちである。黒字であって欲しいと、わたしは心から祈りたい。でないと……関わった人々が可哀相すぎるので……。

 というわけで、短いけど結論。
 『アナコンダVS殺人クロコダイル』は、久しぶりに観るヒドイ映画であった。あまり映画愛も感じられないし、とにかく演出・演技とも素人レベル。せめてCGだけは凄いクオリティを見せて欲しかったが、これまたかなり低品位。要するに、見るべきところが皆無でありました。以上。

↓こっちはまだ、ちゃんと鑑賞に堪えるんですけどね……。両方とも、「2」「3」は本当にヒドイですがw
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