というわけで、NY滞在記その(3)なんですが、すでに、DAY-02,03の観劇記は書いてしまったので、ちょっと時をさかのぼって、NY滞在2日目のDAY-02の朝から夕方までの行動記録です。夜、『WICKED』を観るという予定はあるものの、それまでは特に決めていない。ので、NYで絶対に行きたいところとしてわたしの中では上位に位置するものから片付けていこうという方針のもと、まずはThe Metropolitan Museumへ行くことにした。
 TIMES SQUAREからだと、ちょっと東に行ってMadison Ave.から地下鉄で北上するのがいいのだと思うが、ここはひとつ、5thAve.をブラブラと歩いていくことにした。まあ、3.5㎞ってとこかな? もうチョイあるか。いずれにせよ40分程度である。なのでまずは50th St.まで北上してから5thAve.まで東に移動すると、Radio City Music Hallの看板が見えてくる。その横には、巨大クリスマスツリーとスケートリンクでおなじみのRockfeller Centerや、その先にはSt. Patrick教会があって、さまざまな映画でもおなじみの街並みにちょっと、ああ、オレ、ここ知ってるわ、という妙な感慨がわく。
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 ↑有名なクリスマスツリーは、まさに今、飾りつけ中。スケートリンクは整備中だった。
 で、5thAve.に出て、北上するとすぐにMuseum of Modern Art、通称MoMAで知られるニューヨーク近代美術館の近くを通るが、帰りに行くことにしてまずはスルー。北上を続けると、程なくしてCentral Parkが見えてきた。このまま5thAve.を北上するだけでThe Metropolitan Museumには行けるけれど、まあ、そりゃCentral Parkの中を歩きますわな。というわけで、公園内に入場。これが思ったより上ったり下りたりのアップダウンが多く、なんかとにかく広かった。入ってすぐのところに動物園があるのだが、特に用はなく、わたしの場合Central Parkというと、Jodie Fosterの『The Brave One』や『Cloverfield』といった映画で出てくる、「橋」ですな。『The Brave One』では、Jodie Fosterと恋人が橋の下の暗がりでチンピラに絡まれてズタズタにされるし、『Cloverfield』では万策尽きた主人公と恋人が最期を遂げるのも橋の下、である。なので、あの橋はどこだろうな……と思いながら歩いていた。けど、橋がいっぱいあって、ちょっと特定できなかった。
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 例えばこんなの↑。
 あるいは↓こんなの。下のこれは、『Cloverfield』っぽいけどどうだろう?
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 で、5thAve.をまっすぐ行けば10分ぐらいで行けるのに、公園内を無駄に遠回りなどして歩いたので、30分ぐらいはかかったかな、やがて右側(東側)に、巨大な建物が見えてきた。ここが今日のオレ的メインのThe Metropolitan Museumですな。
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  ちなみにわたしは公園内を歩いていたので、ここか、と建物が見えてから、表のエントランスまでぐるっと回るのだけで10分以上かかったと思う。なので、素直に5thAve.から行った方が楽ですよ。で、さっそく入場、したいのだが、入場料は大人25$と書いてあるから25$出しているのに、受付女子はペラペラペラと何か言っている。なんなんだお前さっさとしろよ、とイラッとしたのだが、どうも、こんなにいらないわ、と言ってるらしい。は? という顔でいたら、20$は突っ返された。なので5$で入場。あとで調べてみると寄付制なのか、任意らしい。あのさ、世界中から観光客が来るんだから、そういうことは書いとけよな、と後で思った。思いっきりAdult:25$ って書いてあったのに、なんだったんだ一体。ま、ともかく5$で入れたのは素晴らしいので許してやることにして、さっそく入場し、鑑賞開始。
 しかし、これがまた広い!! たぶん、日本の美術館の常識ではまったく比べ物にならない規模で、全体の構造すら頭に入ってこない。今オレ、どこにいるの? と異常に方向感覚の発達したわたしでも、本当に迷う。完全に迷路になっており、私のお目当ての作品は一体どこになるのか分からない。もちろん、入場時にMAPをもらったのだが、ROOMナンバーだけのMAPなので、どこに何があるのかさっぱり分からないのがホントにまいった。
 なので、とりあえずは、絵画のある部屋を片っ端から捜索するしかねえ、という方法で歩き回った。すると、いよいよ出て来ましたよ、すごいのが。しかも、これはもう海外では常識なのかもしれないけど日本では非常識なことに、撮影OKなんですな、みんなバシャバシャ写真撮ってるし! そして、柵とかガラスケースとかもなくて、基本的に、手に触れられるぐらい接近できる。ので、わたしも遠慮なく撮影させてもらった。
 とにかくいっぱい撮ったので、わたしがグッときたものだけ紹介しよう。
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 ↑これはちょっと読めないか。こういうふうに、部屋が四方でつながっていて、迷路のようになっている。こうした塊が、各フロアで4つぐらいあるのかな。わたしが一番好きなゴッホは、一番奥のROOM823と826にたぶん10点以上あった。
 ↓これがゴッホ。
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 ↓これはルノアール。ルノアールも10点ぐらいある。
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 ↓これはピカソだね。
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 ↓これは、わたしが好きなターナー。ターナーも5~7点ぐらいはあったかも。
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 ↓そしてこれはクリムト。今回この絵が一番気に入った。クリムトといえば、もっと退廃的というか妖艶な女性画が有名だけれど、こんなポップでキュートな作品もあったんだね。現代っぽくて可愛くない?
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 とまあ、とにかくもう、メジャークラスがゴロゴロ展示されており、もうわたしは近年まれに見るハイテンションで、嬉しくてたまらなかった。なので、どのくらいだろう、4時間ぐらいは観てたかもしれないな。グッズショップも入れればその後も1時間ぐらいいたので、疲れちゃったよ。他にも、わたしが余りにすごくて写真を撮るのを忘れたほど我を失って見入ってしまった部屋が二つあって、ひとつは、フェルメールの部屋。なんとフェルメールの作品が5点だったかな、まとめて展示してあった(1点は貸し出し中で不在。残念)。すげえなあホントに。そしてもう一つは、レンブラントルームだね。あの、レンブラントといえば誰もが思い出す、黒バックとの強烈な対照をもって描かれている人物画の数々が、四方の壁360度一面にズラーっと展示されている部屋があって、もう部屋のどこから観ても、全部の人物と目が合うという恐ろしいw 部屋があった。くそーーー写真撮り忘れたよ……。
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 ↑で、国旗は現在、半旗で掲げられている。
 もう、今日はこれで終わりでいいよと思うぐらいお腹いっぱいで、とても満足でした。なので、夜の『WICKED』まではもう何もしなくていいやと思うほどだったので、さっさと地下鉄でTIMES SQUAREに戻ろうと思ったが、そうだ、MoMAも近いんだから、やっぱ歩いて戻ろうと、今度は5thAve.を南下することにして、来るときに通りかかったMoMAに立ち寄った。MoMAは、その名の通り、Modern Art,すなわち近代美術専門なので、基本的には20世紀以降がメインとなる。なので、当然、わたしの大好きなマグリットもあるだろうな、と思って入場。ここは普通に25$入場料を取られた。そしてやっぱりMoMAも、非常に複雑な内部構造で、METほどでないにせよ、膨大な点数の美術作品が展示されている。わたしが訪れたときは、企画展でピカソの彫刻展をやっていたけど、まずは常設でマグリットはないかなーと順番に観ていると、あったよ、ありました。マグリットは、ダリなどのシュールレアリスムの作家と一緒に展示されていて、3点だったかな、ありました。
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 ↑典型的なマグリット作品だね。これは初めて見た。いや本当に素晴らしい。もちろん、MoMAにも、ゴッホ、セザンヌ、モネなどはあり、特にMoMAの「モネルーム」はすごくて、壁一面を使った横長の巨大な作品が2点あったり、とにかく充実していた。
 この後は、街中の有名な「LOVE」(←新宿にもあるアレ)とか「HOPE」のオブジェを探してみたり、「プラザホテル」の前を通ってみたりと、まあ無駄にうろうろしていたらあっという間に夕方になり、やっべえ!! 『WICKED』始まっちまう!! とあわててホテルに戻って、シャワーを浴びて一息ついて、劇場へ向かったのでありました。

 というわけで、結論。
 以前、東京の『モネ展』のときに書いた通り、わたしは絵画ではゴッホ・ターナー・マグリットが三大好きな作家であるが、NYではそれをいつでも観ることができるのであった。すげえ。
 なお、モネやルノアール、コローやピサロ、セザンヌ、ゴーギャンなども、それぞれ10点以上はMETにもMoMAにも展示されているので、美術好きは一度はNYに行ってみるといいと思います。特に、セザンヌとモネは超充実してます。

↓やっぱね、事前に予習しておくべきだったね。↓これはMETでも売ってました。
メトロポリタン美術館ガイド 日本語版
エリクセン・トランスレーションズ・インク
メトロポリタン美術館
2013-03