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 先日の土日に、わたしの愛用する電子書籍販売サイト「BOOK☆WALKER」において、かなり還元率の高いコインバックフェアを実施していたため、ほほう、ならばごっそり買ってやろうじゃないか、と面白そうな本を求めて渉猟していたわたしであるが、結果的に20冊近く買った作品のうち、おっと、これって、確か秋からテレビドラマ化されるアレじゃね? と思って買って読んでみた漫画がある。
 それは、日本人女優の中でわたしが現在TOPクラスに好きな、高畑充希ちゃん主演でドラマ化されるという作品である。あれっ? なんだ、既にスペシャルドラマで放送されていて、秋からは連ドラになるってことか? な~んだ、全然知らんかったわ。

 というわけで、わたしが買って楽しんだ漫画、それは阿部 潤先生による『忘却のサチコ』という作品であります。上に貼った動画を見て、そしてこちらのコミックス(1)巻のカバーをご覧ください。なかなかイイ感じに再現されているみたいですな。

 現在、最新巻は第(10)巻まで刊行されているようで、スピリッツに絶賛連載中らしいが(読んでないから知らん)、とりあえずわたしは(1)巻だけ買って読んでみたところ、大変面白かったので、すぐに(5)巻まで一気に買って読んでみた。これはですね、相当イイすねえ! 主人公・幸子さんがかなり可愛いす。
 物語は、わたしの嫌いな小学館から各巻の1話分が試し読みで提供されているので、そちらを読んでいただいた方が早いだろう。URLをメモっておこう。https://shogakukan.tameshiyo.me/9784091866707
 簡単にお話をまとめると、結婚式当日、というか式の最中に、花婿に逃げられてしまった佐々木幸子さんが、傷心を抱きつつ入った店で食べた飯がウマすぎて、何もかも忘却の境地に至り、以降の毎話、つい、なにかにつけてふと思い出してしまう元彼氏のことを忘れるために、おいしい物をモリモリ喰う、というのが基本のストーリーである。
 幸子さんは、元彼氏のことだけじゃなくて、仕事のイライラを忘れるためだったり、まあ、いろんな理由からとにかく毎回食べまくるのだが、そんな幸子さんの心の葛藤もなにもかもすべて、「おいしい」というご飯への感動とともに忘却の彼方にーーーとなるわけです。そしてそんな、無我の境地に至った幸子さんの表情で物語は締めくくられるのがお約束となっている。↓こんな表情。
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 まあ、以上の説明だけだと面白さが全く伝わらないと思うので補足すると、要するに佐々木幸子さんが非常に魅力的な、カワイイ女子なのです。というわけで、主人公・幸子さんについてわたしが知り得たことをいくつか挙げてみよう。
 ◆超ド真面目な幸子さん。
 幸子さんは、中学館という出版社のデキる編集部員(小説誌)なのだが、とにかく何かにつけ大げさなほど丁寧でド真面目であり、まあ、一言で言えばかなり常識からぶっ飛んでいる女子である。その結果、いろいろ不器用なのだが、何事にも過剰に全力投球&ド直球であるため、無法天に通ず、的に、担当している作家先生も、編集部のみんなも、幸子さんのことが大好きなのである。もちろん読者たるわたしも幸子さんの魅力にハマったわけだが、空気を読み過ぎて、一周回って読んでない、みたいな、斜め上の行動を取る、ある意味すっとぼけな幸子さんは大変可愛いと思う。よく会社の椅子に正座して仕事をしていて、作家のためならコスプレも辞さない全力プレーが身上。
 ◆お堅い表情ととろける笑顔のギャップがGOOD
 幸子さんは、基本的に常に全力、であるため、その表情も常にキッ!としていて、常にある種の「怒り顔」ではある。しかし、おいしい物をいただいている時の幸子さんのとろけた表情が大変良いのです。まったく本人に自覚はないと思いますが、間違いなく男なら誰しも、そのギャップにグッとくると思う。もはや変態でサーセン。ちなみに幸子さんの上司たる編集長や、担当しているとある作家も、何かにつけ大好きな幸子さんを狙ってる下心満載の変態だが、まあ、男ならやむないでしょうな。可愛すぎる幸子さんは罪な女ですよ……。
 ◆幸子さんのスタイル&ファッション
 常にタイトミニのスーツに準じる服を着ていて(クローゼットに1週間のローテーションがキッチリセッティングされている)、何気にかなり胸はデカい(一緒に温泉に行った先輩女子編集部員曰く「すっごい美乳」らしい)。まあ、こんな人、小説の編集者にいるわけねーよ、という若干のファンタジー的存在である。髪型は肩にかかるぐらいのボブで、前髪は眉ぐらいでパッツン(に近い)。もちろん黒髪。もう最強に理想的じゃねーか、と思う男は世にゴマンといると思います。もちろんわたしもその一人ですが、残念ながら現実には存在しないことも理解しております。
 ◆幸子さんの好み
 幸子さんは高倉健さんが大好き。とりわけ、『幸せの黄色いハンカチ』が大好きらしい。不器用なんで……。
 ◆幸子さんの家族
 どうも実家暮らしなのかな? お母さんは全く普通な常識人のため、幸子さんのぶっ飛んだド真面目さがやや心配のご様子。母は幸子さんのことを「コッちゃん」と呼んでいて、結婚式の事件以来、大丈夫かこのコは、と幸子さんのことを心配している。まあ、大丈夫じゃないんですけどね。

 まだまだ他にも幸子さんの魅力的なところはいっぱいあるのだが、これ以上書くとどんどん変態度が増すのでこの辺にしておこう。この幸子さんを高畑充希ちゃんが演じるなんて、相当ぴったりというか、かなり期待できるような気がしますね。連ドラ版の放送が大変楽しみにであります。ただ、高畑充希ちゃんが可愛いのは間違いないし、幸子さんにも雰囲気は似てるので最高なんですが、幸子さんの何気にセクシーなBODYは、ちょっと再現するのは難しいかもしれないすな……。

 しかし思うに、最近、こういった「ド真面目すぎてズレている」主人公の漫画や小説をよく見かけるような気がしますね。ま、最近じゃなくて昔からあるパターンというべきかな……。また、本作はある種のグルメ漫画でもあり、いわば『孤独のグルメ』的でもあって、そういう意味では、売れる要素をきっちりと掴んでいる作品なんでしょうな。絵も非常に丁寧できれいだし、取材もキッチリされていて、毎回登場する料理の描写もとてもいいし、非常に漫画力の高い作品だと思う。わたしの大好きな有楽町のロメスパの名店、「ジャポネ」も、たしか「ジャンボ」と名を変えて登場してたすね。「ジャポネ」の大盛りを軽く平らげる幸子さん……これは「ジャポネ」を知ってる人なら、すげえ、と思うと思います。小食のわたしには到底食えない量ですよ、あれは。あと、幸子さんは極めて頻繁に出張で地方へ出かけるのだが、まあ、小説の編集者でここまで出張が多い人はまずいないだろうな……しかしそこを否定すると物語は成り立たないので、ファンタジーとしてまったくアリ、だと思います。
 というわけで、もう(10)巻まで発売されている作品ので、超今さらすぎるけど、わたしはこの『忘却のサチコ』という作品が大変気に入りました。まだ(5)巻までしか買って読んでいないので、この後、果たして幸子さんを振った元婚約者が登場してくるのか、そして(4)巻から登場してきた新入社員のゆとり小僧は、少しはましなガキになっていくのか(今のところ典型的ゆとり小僧のクソガキ)、そのあたりも大変楽しみにしたいと思う。

 というわけで、結論。
 ふとしたきっかけで買ってみた漫画『忘却のサチコ』という作品は、映像化されるだけあって確かな面白さを備え、漫画としての出来も非常にクオリティの高い作品である、と思う。大変面白かったので、続刊も買って読みたいと存じます。そして、幸子さんを演じる高畑充希さんの芝居ぶりも、楽しみにしたいと思う。これは期待が高まりますな。大変結構なお点前でした。あと、最後にこんなことを言うのは超今さらなんですが、本作は、ある意味、男目線からの、こんな女子がいたら最高なんだけどなあ、的な男のためのファンタジー漫画なのかもしれず、女性が読んで面白いのか、正直分かりません。根拠はありませんが、女性が読んだら、若干イラッとする可能性があるかも……どうだろうな……分からないので、女性にはお勧めしないでおきます。以上。

↓ ちょっとこれは、すでに放送されたスペシャルドラマを見ておかないとマズいすかね……超気になるっす。

 というわけで、ごくあっさり年は明け、2018年となった。
 年末の大みそかは、わたしは一歩も家を出ずに、せっせと掃除などしていたのだが、午後からは、ずっと放置しっぱなしだったHDDレコーダーの中身をせっせとBlu-rayに焼いて移す作業に忙殺され、12時間ぐらいかかって13枚の50GBのBD-DL-REへ、これはとっとこう、という作品を移す作業をしていた。
 だいたい、BR-DLには、作品の長さにもよるけれど、わたしがいつもWOWOWを録画する録画モードで8本から9本ぐらいの映画が保存できるのだが、焼くのに1時間半から2時間弱かかる。なので、その間は「録画したはいいけどまだ観ていない」作品をぼんやり観る時間に費やしてみたのだが、何を観よう? と思って、そうだ、これにするか、と1番に再生を始めた作品が、2016年9月に公開された『怒り』という邦画である。なお、WOWOWで放送されたのはその1年後の2017年9月だったようだ。
 そして観終わった今、結論から言うと、役者陣の熱演は素晴らしかった。これはもう間違いなく、キャスト全員の熱は十分以上に感じられた。けれど、物語的に、3つのエピソードが交錯する形式であるのはいいとして、そのうちの2つは実は全く本筋に関係ない、という点はちょっと驚きだったし、肝心の、キャラクターそれぞれが抱く「怒り」の伝わり具合が少し弱いというか……うまく言えないけれど、天衝く怒り、身を引き裂かれんばかりの怒り、我を忘れんばかりの怒り、というものを描いた作品とは少し趣が違っていて、わたしの想像とは結構違うお話であったのに驚いたのである。
 というわけで、以下ネタバレまで触れる可能性があるので、気になる人は読まないでください。まあ、もうとっくに公開された作品なので今更ネタバレもないと思うけれど。

 というわけで、本作は3つの物語からなっているのだが、わたしはその3つが最終的に美しく合流するのだろう、と勝手に勘違いしていた。けれど、ズバリ言うと全然そんなことはなく、ほぼ、3つの話は重ならない。あ、そうか、正確に言うと4つの物語、かな。
 1)八王子で起きた殺人事件の話。
 八王子の住宅街で、暑い夏の昼間に、一人の主婦が絞殺され、さらにその夫も包丁で刺し殺される。現場には、被害者の血で書いたと思われる「怒」の一文字が残されていた……という事件で、犯人は誰なんだ? というのがメインの本筋。
 2)房総のとある漁港での父娘のお話。
 一人の初老の男が歌舞伎町を行く。そして、とある風俗店で、身も心もボロボロになった少女を見つける。それは、男の娘だった。男は娘を房総の家に連れて帰り、また元の生活を送る。そしてそこには、数か月(?数週間)前に房総の漁港にふらりと現れた、素性は良くわからない、けど無口で真面目でよく働く青年がいた。娘はやがて、その青年と恋に落ちるが……てなお話で、つまりその青年が八王子の殺人事件の犯人なのか? と観客はずっと怪しみながら観ることになる。
 3)東京のとあるゲイの青年のお話。
 東京で、非常に派手で羽振りの良い青年が、なにやら男だらけのパーティーを楽しんでいる。そしてその青年はパーティーを抜け出し、一人ハッテン場のサウナ?で、一人の若い青年と半ば無理やり行為に至り、その青年を自宅の高級マンションに囲う生活を送るようになるが……というお話。ここでも、拾われた訳アリ風の青年が怪しい、と観客は思うことになる。
 4)沖縄での少女と少年と怪しい青年の話。
 どこまでも透けるような美しい海を行く小さなボート。舳先に乗る少女と、操縦する少年。二人は無人島へ行き、ひと時の休暇を楽しんでいるようだ。しかし、一人島内を散策する少女は、廃墟に住む謎の青年と遭遇する。その後何度も島に通い、心を通じさせていく少女と謎の青年。ある日、少女は少年と那覇で映画デートをしているときに、あの怪しい青年が那覇にいるのを見かけ、3人は仲良く飲むが、帰りに少女に大変な悲劇が襲い掛かる……というお話。もちろん、その謎の青年も怪しい、というわけで、観客としては、この3人の誰が犯人なんだ、というのが本作の表向きのポイントだ。

 わたしは、観ながら、これはひょっとすると時間がズレているのかな? と思いながら鑑賞していた。実はこの怪しい3人の青年は全部同一人物で、それぞれ何年前、とか、時間がズレているのかと思った。「犯人は顔を変えている」がという情報も出てくるし、そういうこと? と盛大に勘違いしながら観ていたわけだが、しかし、結局それはわたしの無駄な深読みであり、どうやら時間はすべて同時進行だったようだ。そして、犯人も明確に判明する。なので、犯人捜し、という表向きのポイントは、え、ああ、そうなんだ、で終わってしまうような気もする。
 そして、わたしはさきほど、この房総と東京と沖縄の3つの物語は交錯しない、と書いたけれど、それぞれに登場する「怪しい青年」は、それぞれの物語のキャラクターたちに、「ひょっとしてこの人はあの八王子の……?」と怪しまれてしまう事態に陥る。そういう意味では、3つの話につながりがあるのだが、各キャラたちは出会うことはなくそれぞれの物語に終始する。
 また、3つの物語のキャラクターたちは、何かに深い「怒り」を抱いているという共通点もあるにはあるわけだが……、やっぱりわたしは冷たい男なんだろうな……あっさり言ってしまうと、日頃まっとうに生きることを旨とし、そして比較的普通に家に育ち、殺人などという事件には幸いなことに縁のないわたしから観ると、キャラクターそれぞれの抱く「怒り」にはそれほど深い共感はできなかった。
 というのも、それぞれのキャラクターが抱く「怒り」は、そうなってしまった結果としての現在へ怒っているようにわたしには観えたのである。つまり、そうならないための努力をしてきたのだろうかこの人たちは? とわたしは感じてしまったのだ。
 もちろん、いかに冷たい男のわたしでも、彼らの運命を「自業自得だよ」とは思わない。東京で病に倒れた青年はもうどうしようもなかったろう。そして房総のつましく暮らす父娘も、頑張って頑張った結果なのだとは思う。そして沖縄の物語は大変痛ましいものだった。
 しかし、どうしても、避けられたのではないか、そうならない未来、も有り得たのではないかという思いが捨てきれない。とりわけ沖縄の少女に起きた事件は、回避できたはずだ。あまりに無防備すぎた。その無防備を責めることはできないし少女には何の罪もないのは間違いない。でも、やっぱりどう考えても、回避できたはずだと感じてしまうわたしがいる。しっかし、夜の那覇の街って、本当にあんなにもヒャッハーな危険地帯なのだろうか? だとしたらもう、一生沖縄には行きたくないな……。
 まあ、結局のところ、観客たるわたしが、あれは避けられたはずだと考えても、物語で起きてしまったことはもはや取り返しがつかず、本作はそういう、人間の犯してしまうちょっとした誤りが決定的に人生に影響してしまうのだ、ということを描きたかったのだとしたら、わたしは全力でこの物語を否定したいように思う。そんなの分かってるし、それならちゃんと、そういった怒りに対する癒しを描いてほしかった。そういう意味では、房総の話と東京の話はきちんと癒しが描かれていて文句はないけれど、沖縄の話は全く救いがなく、実に後味が悪いまま終わっている。ここがちょっとわたしとしては問題だと思う。

 というわけで、なんだか非常に重い空気が全編に漂う映画であったと言えよう。しかし、とにかく役者陣の熱演は本当に素晴らしかったと、その点は心からの称賛を送りたい。以下にざっと素晴らしい演技を見せてくれた役者陣を紹介しておこう。
 ◆房総のお父さん:演じたのはハリウッドスターKEN WATANABEでお馴染みの渡辺謙氏。お父さんの背景はほとんど描かれないが、実直に真面目に生きてきた漁師(正確には漁業法人の代取)として実にシブい男であった。もう少し背景が分からないと、娘への気持ちが実際良くわからないように思った。
 ◆房総の娘:演じたのは、いつもは大変可愛いけれど今回はほぼノーメイクで熱演した宮崎あおいちゃん。精神が病んでしまったのか、何とも抜け殻のような儚さのある少女。薬もやらされてた風な描写であったが、正直やっぱり背景が良くわからない。なぜ歌舞伎町で風俗嬢をやっていたのかさっぱり不明。いや、なんか説明あったかな……あったとしても忘れました。そういった背景がわたしには良くわからず、彼女は果たしてこうならないような努力をしていたのだろうか? と思ってしまった。
 ◆房総に現れた素性が謎の青年:演じたのは松山ケンイチ氏。あまりセリフはない。つまりあまりしゃべらない=そのコミュニケーションロスが更なる悲しみを生んでしまったわけで、かと言って彼の背景からすれば容易に人を信用できるわけもなく、大変気の毒な青年。
 ◆東京の羽振りのいいゲイの青年:演じたのは妻夫木聡氏。わたしとしてはナンバーワンにいい芝居ぶりだったように感じた。ただ、描写として、ゲイを隠しているのか、気にしていないのか良くわからないし、病身の母を見舞う優しい青年であることは分かっても、謎の若者を囲うに至る心情は、実はわたしには良くわからない。最初の頃は若者を信用していなかったわけだし。淋しかったってこと? それならもうチョイ、仕事ぶりとか描いて、むなしい日々を送ってる的な描写がほしかった。
 ◆囲われるゲイの青年:演じたのは綾野剛氏。セリフは少ない。ラスト近くで、彼の秘密の暴露が行われるが、正直なーんだレベル。演技は素晴らしいけれど、やっぱり物語的に薄いような気がする。それよりも、ワンシーンのみの出演となった、青年の秘密を知る少女を演じた高畑充希ちゃんの演技ぶりが素晴らしくて、大変印象に残った。
 ◆沖縄の少女:演じたのは広瀬すずちゃん。大変印象的な表情が多く、この方は何気に演技派なのではないかと思う。大変素晴らしかったと絶賛したい。あまりに無防備なのは、すずちゃんの可憐な姿からも醸し出されており、ひどい目に合わせた物語には断固モノ申したい。とにかくすずちゃんの演技は非常に良かったと思う。
 ◆沖縄の少年:演じたのは佐久本宝君19歳。映画初出演らしい。演技ぶりは勿論まだまだだが、つらい役だったね。よく頑張りましたで賞。
 ◆沖縄の小島に隠棲する謎の青年:演じたのは森山未來氏。演技ぶりは大変素晴らしく、やはり森山氏のクオリティはとても高い。けれど、やっぱり脚本がなあ……キャラクター像が薄いと感じてしまった。最後の最後で明らかになる彼の秘密の暴露も、正直唐突だと思う。もう少し緻密な伏線が張り巡らされている物語を期待したのだが、なんだか……なーんだ、と感じてしまったのが残念す。

 というわけで、もうさっさと結論。
 年末に、WOWOWで録画しておいた映画を何本か観たのだが、一番最初に観たのが本作『怒り』である。公開されてもう1年以上経過しているが、やっと観てみた。内容的には、非常に重苦しい雰囲気が全編漂い、キャラクター達が抱く「怒り」も重いお話である。しかし、うーん、これは尺が足りないということなのだろうか? それぞれのキャラクターの背景までがわたしには汲み取れず、若干浅さ、薄さを感じてしまった。その結果、彼らの「怒り」にそれほど共感できず、で終わってしまったのである。ただし、それぞれの役者陣の熱演は本物で、実に素晴らしかったことは間違いない。犯人捜しが一つの軸であるはずなのに、どうもその軸がぶれているようにも思う。故に、最終的な種明かしも、わたしは若干なーんだ、で終わってしまったように思う。大変残念というかもったいなく感じた。これはアレか、原作小説を読めってことなのかな……どうも今回は小説を読んでみようという気になってません。何故なんだろう……要するに、そんな暗い話は今さら味わいたくないと逃げているってことなのかも。我ながら良くわかりませんが。以上。

↓ 同し吉田先生ののこちらの作品は、小説を読んでから映画を観ました。
悪人(上) (朝日文庫)
吉田 修一
朝日新聞出版
2009-11-06

悪人(下) (朝日文庫)
吉田 修一
朝日新聞出版
2009-11-06

 ミュージカルが大好きなわたしが、今、日本人女優で最も注目しているというか大好きなのは、高畑充希ちゃんである。実にかわいい。そして、実に歌が上手い。わたしの場合、女優でありながら情感あふれるドラマとしての歌を歌いこなせる女優は、それだけでもうグッとくる。全然関係ないが、この夏、現在Broadwayでも絶賛上演中の『Beautiful』というミュージカルが、帝劇でも上演されるのだが、大人気声優である水樹奈々嬢と、歌手として大活躍中の平原綾香嬢のWキャストで日本語版が上演されることになっており、わたしはもう平原綾香ちゃん主演Verでチケット確保済みだ。そちらも超楽しみである。
  というわけで、先日わたしは、↓この動画を観て、というより、この動画の『Day Dream Believer』という歌を聴いて、こりゃあ観に行かないとダメだな、と思ったのである。

 どうですか? 聴きましたか? 超良くないすか? 最高ですなあ、もう。歌声がなんともイイじゃあないですか! というわけで、三連休最終日、わたしはアニメ映画『ひるね姫~知らないワタシの物語~』を観るためにTOHOシネマズ日本橋へ参上した次第である。
 今日は、観終った後で午後からちょっと会社に行って仕事しようと思ったので日本橋へ観に行ったのだが、9時15分からの上映なのに、開場が9時で、今日はただでさえ他にも多くの作品を見るために集まったお客さんで場内はすざまじく大混雑であり、あともうチョイ、10分でも15分でも早く開場すればいいのに、実に腹立たしく思った。チケット販売/Web予約引き換えの列整理も全くないし、もう完全無秩序。わたしもイライラしてたら、どっかのおっさんがとうとうブチ切れたらしく、スタッフに激怒りしてたのを見かけたけど、まあ、残念ながらあの場にいた大半の人が、おっさんの怒りに同意していたと思う。わたしはTOHO日本橋でこういった状況を何度も見かけているが一向に改善されない。ホント、ダメなシネコンだと思う。新宿ピカデリーの次に行きたくないシネコンだ。
 ところで。なんでこんなどうでもいいことから書き始めたかというと、第一に大変不愉快だったこと、そして第二に、映画『ひるね姫』がわたしの趣味に合わず、残念ながらイマイチだったからだ。歌は最高なのになあ……なんか音響的に平べったくて立体感がなく、せっかくの充希ちゃんの歌も平板に聞こえて心の底から残念だ……。音量も足りないし、アレならうちのハイレゾオーディオの方が断然上じゃんか……。
 というわけで、本作『ねむり姫』に対して、わたしは結構がっかりしている。
 物語は、説明するのがちょっと厄介なのだが、実は単純で、夏休みの前日、父を警察に連行された倉敷に住む女子高生・ココネが、その謎のカギとなるタブレットを守りながら、父の連行された東京へ赴き、亡き母の残した秘密を知る、というような物語だ。
 で、なぜ厄介かというと、ココネの見る夢と現実が交互に語られる形式になっており、それぞれはちゃんと理解できるものの、どうもその関連がよく分からないのである。
 まず、現実世界の方は、正確に言うと、別に女子高生がなぞ解きをするわけではなく、ある意味勝手に謎は解ける?し、父の容疑も、警察的には証拠不十分なのか?勝手に解放される。そして、ポイントとなる、ココネが見る夢の方なのだが、その夢自体は面白いし映像的にも大変良いのだが、肝心の物語の役割としては、「?」である。寝てるはずなのに、なんで主体たる女子高生の体が移動しているのか、特にラストの宙づりになってた状況というのも、わたしはよく分からなかった。
 要するに、物語として、なんか変というか、繋がりが悪いのだ。とりわけ夢と現実の関係性が、情緒的な部分では、なるほど、そういうことかと分かるものの、実際的な、というべきか、現象的?というべきか、なぜそんな夢を見るようになったのかも分からないし、どうして一緒に東京に向かう幼馴染モリオも同じ夢を見るのかとか、そういった実際面での説明は一切ない。
 確かにスーパーナチュラルな出来事に対して、いちいちその理由がは説明されなくてもいいのかもしれないけれど、あまりに出来すぎているし、現実の出来事があまりに普通すぎて、なんだか妙に相性が悪いような気がした。なんか……なんか変というか、しっくりこないように感じてしまったのである。
 夢の中の、ロボットバトルも、正直なんのこっちゃ、である。確かに映像としての画は美しくかっこいいデザインですよ。でも、意味あったのアレ? せっかく舞台は倉敷で、父の名前もモモタローなんだし、夢の中で襲ってくる存在も鬼、と呼ばれているのだから、わたしはてっきり桃太郎的な展開、すなわち、きびだんごや猿・犬・雉が出てきて大活躍、かと思ったのに、まるで一切そういう展開はなかった。たぶん、キーキャラのぬいぐるみのジョイが、桃太郎の世界観からはみ出ているのが問題なのだと思う。父モモタローの友人に雉田さん、佐渡さんという名が出てくるだけであった。意味なくねすか? 舞台が倉敷であった意味も全くなかったと言える。東京の女子高生でよかったじゃん。どういうこと?
 確かに、倉敷の美しい風景は、また聖地巡礼の地になるような、とてもいいところだったけれど、肝心の物語がなあ……わたしは四国お遍路をした男なので、倉敷から高松まで車ですぐだってのは知っているけれど(作中で悪者が倉敷からすぐに高松空港に移動するシーンがあるのです)、まあ、大半の人は、言われれば、あ、そうかと分かるだろうけど、すぐには気付かず、不親切だろうね。とりわけゆとりKIDSたちにはさっぱり地理感もわかないのではなかろうか。
 
 というわけで、物語的にはちょっと問題ありのような気がする。音響も若干迫力が足りない。もちろん、美しい画と、表情豊かなキャラクター、そして充希ちゃんの声、そういった素晴らしい点はもちろん数多くあるけれど、お話がなあ……ちなみに声の出演としては、充希ちゃんのほかにもかなり豪華。お父さんのモモタローが江口洋介氏、そしておじいさんを、桃太郎侍でお馴染みの高橋英樹氏が演じている。ここで桃太郎を持ってこなくても……受け狙いか? と思いきや、高橋氏の声優ぶりがやけに渋くてカッコ良かった。実に堂々とした声優ぶりだったと思う。

 というわけで、もうだらだら書いてもしょうがないので結論。
 大好きな高畑充希ちゃんの歌う『Day Dream Believer』に魅かれ観に行ってきた『ひるね姫~知らないワタシの物語~』という映画であるが、キャラクターの表情などはとても良かったのだが、ズバリ、お話自体がイマイチであった。物語が夢と現実のつながりがイマイチピンとこないのが実に残念。そしてわたしが一番残念なのが音響設計で、せっかくのエンディングの『Day Dream Believer』がちょっと平板で、もっと立体感溢れる設計をしてほしかったと思う。もちろん、充希ちゃんの歌声は最高です。最高だけに、実にもったいなかったと思う。ホントは超面白かったと絶賛したかったのになあ。以上

↓ 充希ちゃんの歌う『Day Dream Believer』だけは、もうずっと永遠に聴いていたいと思います。
ひるね姫 オリジナルサウンドトラック
サントラ
ワーナーミュージック・ジャパン
2017-03-15
 

 世にはいろいろなことをいう人々がいて、インターネッツなる銀河にはさまざまな情報が満ち溢れているのだが、「落ちモノ」なるジャンルが小説や漫画に存在することをご存知だろうか。
 語源としては、どうやら宮崎アニメの名作『天空の城ラピュタ』に由来するのではないかと推察するが、要するに「ある日、美少女が空から落ちてきた」的な、Boy Meets Girl な作品を称して、「落ちモノ」とくくるわけである。『ラピュタ』を観たことのない日本人はもはや稀であろうから、分かりますよね? 冒頭、空から落ちてくるシータを、屋根の上でトランペットを吹いていたパズーがキャッチする、あの名シーンだ。
 ああいった、唐突ともいえる出会いに、あこがれ、心ときめかない男は、まあ、普通はいないと思う。もちろん、誰だってそりゃあファンタジーだと分かっているし、ありえないよそんなの、なんて言うことは、野暮の極みというか、『キャプテン翼』の話で盛り上がってるのに突然物理学の話を持ち出すようなもので、そういう野暮な空気を読めない人間とは付き合わないことをおススメしたい。まあ、つまらん奴でしょうよ、きっと。
 というわけで、わたしが今日観てきた映画は、「ある日玄関先に、スーパー・イケメンが行き倒れてた」というファンタジックな場面に遭遇した女子のお話、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』である。まさしく女子向け「落ちモノ」であり、これがまた大変素敵な物語なのであった。以下、ネタバレ全開です。

 物語は、ほぼ上記予告で語られる通りである。原作小説が出たのが、2009年、かな。だからもう7年前か。わたしは有川先生の作品はすべて発売されたらすぐに読んでいるので、読んだのも7年前である。なので、若干細部の記憶は怪しいが、今回の映画はほぼ原作通りだったと思う。
 空気感も大変に好ましく、主題歌の歌詞の通り、「あなたをつつむすべてが~やさしさで溢れ」ているわけで、実にいい。うら若き女子が見れば、「いいなぁー」と思うだろうし、男が、ましてやわたしのようなおっさんが観ても、「ええのう……」と、つぶやかざるを得ない。この空気を作り出した二人の主人公の芝居振りは大変素晴らしかったとわたしは思う。
 わたしの場合、もともと、女子のしょんぼり顔愛好家なので、今回の高畑充希ちゃんのしょんぼりフェイスは最高級にグッと来た。主人公の「さやか」ちゃんは、都内で不動産会社に勤務する一人暮らしの24歳の女子だ(※充希ちゃん本人も24歳だそうですな)。やたらとあたりの強い、部長と呼ばれる上司に、日々しょんぼりな毎日を送っている。まあ、こんな上司にめぐり合ってしまったら、そりゃあ、毎日しょぼーんとしてしまうのも無理はない。大勢のいる前で叱責したり、あまつさえ、大声である。大体、世の女子の大半が一番苦手とするものが、「男の大声」だ。これは全世界の女性に申し上げたいですが、大声でがなる男の9割がたはクソ野郎なので、近づかないほうがいいですよ。部下だったり、お店の店員さんだったり、とりわけ自分より立場の低い人間に対してがなる男は、これはもう100%クズなので、そういう場合は、そいつより上の人を味方につけるに限ります。わたしはもう、会社で自分より上の人の方が少なかったので、心底思うけれど、そういう奴は確実に、上には弱腰ですよ。わたしの部下にはキツイ文句を言うくせに、わたしが出て行くとコロッと態度が変わる小者ばっかりだったからね。とにかく、この物語の主人公のさやかちゃんは、日々、ずっとしょんぼりしている。その様が、非常に良いとわたしは感じた。わたしはもともと、高畑充希ちゃんは可愛いと思っているし、歌も上手で大好きな女優の一人だが、今回のその、しょんぼりフェイスで、さらに好きになった。この人は……いい。大変魅力的である。
 ちなみに、なぜわたしが、そういったしょんぼり女子が好きか。それは、そういった女子が笑顔になると、ウルトラ可愛いからだ。要するに、「オレがキミを笑顔にしてやんぜ!!」と、妙にわたしの内面が燃えてくるのである。まあ、若干変態じみていることは否定できないが、そういうことです。
 しかし、である。既におっさんのわたしの場合、そこにはあまり恋愛感情めいたものはないし、実際下心もほとんどない(あくまで、ほとんど。ゼロじゃあない)。おまけに、別にそれはわたしが優しいからでもない。純粋に、このしょんぼりGirlが笑ったら、可愛いだろうな、と思うだけなので、わたしとしては大変残念なのだが、わたしの周りの先輩のお姉さんたちには「あんたはタチが悪い」と叱られてしまうことになるのである。曰く、「付き合う気もないのに、優しくしちゃダメよ!! 勘違いされちゃうでしょ!!」というわけである。はーーー。まったくもって難しい世の中である。ま、わたしの話はどうでもいいや。
 で。日々うなだれているさやかちゃんは、ある日、自宅前で腹ペコで一歩も動けないという青年「いつき」君と出会うことで、徐々に笑顔を取り戻していく。なにしろ、カッコイイし、料理も出来るし、やたらとハイスペックで、本人の言うとおり「しつけが行き届いている」スーパー・イケメンだ。そりゃあ、惚れますよ。そりゃあもう、間違いナシ、であろう。だが、お互い苗字も知らない、過去も知らない、極論すれば何も知らない状態である。そして、いつき君は、充希ちゃんという極めて可愛い女優の演じるさやかちゃんと同居しているにもかかわらず、一切手を出さない。まったくもってしつけの行き届いたイケメン君である。この、ちょっとした緊張感が物語的に最初のポイントとなる。下衆な言葉で言ってしまうと、「いつ二人はヤっちまうんだ?」という、一線を越えるタイミングである。ここはもう、書かないでおきます。たぶん、女性が観ても男が観ても、大変いい流れで、原作でもわたしはここを読んで、もうおじいちゃん的視点から、「若いもんはええのう……」とほほが緩んでしまった。
 というわけで今回、スーパー・ハイスペック・イケメンを演じたのが、EXILE一族の若き王子様の岩田剛典くん27歳だ。もう、完全にこの人には勝てない。と、普通の男なら全面降伏せざるを得ない、本物のスーパー・ハイスペック・イケメンである。まあカッコイイ。そもそも、わたしのような不細工野郎が女子になにをしてあげったって、「どうせ <※イケメンに限る>でしょ」という世の真理が存在していることを承知しているので、わたしも特に下心なく、気後れもなく、女子に接することが出来ているわけだが、彼のようなイケてる男が、ちょっとでも女子に優しく接したらもう大変だろうな、とまったくもって大きなお世話だが、心配になる。なので、果たして、この物語において、いつき君には最初から下心があったのかどうか、その点にわたしは少し興味がある。正直、わたしにはわからない。が、たぶん、彼にはまったくその気はなかったのではないかと想像する。おそらくは、さやかちゃんとふれあい、日々を共に過ごす中で、しょんぼり顔だったのがどんどん笑顔になっていき、その笑顔に徐々に惚れて行ったのだと思う。男としては、そうなんだろうとわたしは勝手に想像している。
 だが、実際分からないのは、さやかちゃんの方だ。彼女は、イケメンを前に、やっぱり一目ぼれ的感情はあったのだろうか? まあ、あったんでしょうな。少なくとも好意がなければ、部屋に入れないよね。だとすると、はあ……やっぱり「※ただしイケメンに限る」というのは真実なんだなあ、とブサメン歴40数年のわたしとしては残念に思うほかなかろう。やっぱりね……。いいよ。もうそれ、知ってたし!! と強がっておくことにするか……。あーあ……イケメンに生まれてきたかった……。
 そして物語は、いつき君の突然の失踪で、大きな山場を迎えるのだが、いつき君失踪後のさやかちゃんの暮らしぶりが、わたしは原作の中で一番好きな、そして最も切ない部分だ。ここでの充希ちゃんもとても良かった。冒頭でクソ上司に対してしょんぼりしているよりも、いつき君を喪ったさやかちゃんのしょんぼり振りの方が、より痛ましくて、わたしなら絶対に放っておかないような、淋しそうな表情は、大変にグッと来た。なので、最後に再会し、幸せな笑顔でエンディングを迎えた充希ちゃんは、より一層、可愛く見えたと思います。

 というわけで、結論。
 『植物図鑑 運命の恋、ひろました』は観ていてとてもうらやましくなるような、非常に素敵な恋愛ドラマであります。原作ファンも、キャストのファンも、ぜひ劇場で観ていただきたいと思う。わたし的には、大変楽しめました。以上。

↓ わたしとしては、どこでロケをしたのか凄く知りたいんだよな……あれは荒川の土手かな? どこの河原なんだろう。コイツにはロケマップが収録されているようなので、チッ……買うしかねえ、か……。




 以前、このBLOGにて、『Life after Beth』という映画を取り上げたとき、Anna Kendrickちゃんが可愛い、ということを書いた。非常に特徴ある顔立ちで、好みは分かれそうな気がするが、わたしとしてはそのちびっ子ぶりとやけにグラマラスなBODY、そして何より、歌がうまいという点で、極めてわたし好みである。彼女はそもそも13歳でBroad Wayミュージカルに出演してTony賞候補にもなった、バリバリ歌える女優であることもよく知られている。
 そういえば、顔はまったく似ていないが、現在のNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」のヒロインで、最近とみに活躍の目立つ高畑充希ちゃんも、やけにCMでは歌っている姿を見かけるが(しかも上手い)、彼女も幼少の頃からミュージカルが大好きで、高校生になった16歳から6年間、ミュージカル『ピーターパン』で鍛えたバリバリ歌える日本ではちょっと珍しい女優である。歌手としても音楽活動を続けており、そんなところは、なんとなく、これまたわたしの大好きな松たか子ちゃんに似ているような気もする。そんなわけで、最近、高畑充希ちゃんが大好きであります。
 ま、そんなわたしの好みはどうでもいいとして、昨日の夜、わたしがWOWOWで録画したものをぼんやり観た映画『THE LAST FIVE YEARS』は、2001年初演のシカゴでの公演を経て、Off-Broadwayでも上演された Musicalを映画化した作品で、主演のAnna Kendrickちゃんが非常に可愛いヒロインを演じてくれた作品であった。

 しかし、お話は、結構シリアス(?)と言うべきか、二人の男女の出会いと、5年間に渡る関係が終わるまで、を描いたもので、冒頭は上記予告にある通り、別れを悲しむヒロインの歌から始まる。ちなみにこの映画、ほぼ台詞部分はなく、全編、歌、である。
 物語としては、小説家の彼氏(後の夫)Jamieと、舞台女優を目指す彼女(後の妻)Cathyの付き合いはじめから結婚、そして破局までをたどるもので、複雑な話ではない。ただ、構成として、Cathyは破局からだんだん過去にさかのぼって思い出をたどるのに対し、Jamieは付き合いはじめから破局までをたどっていくという、若干分かりにくい面があって、はっきり言えば、この映画では時系列が非常に分かりづらくなってしまっていて、ズバリ、失敗している思う。
 だが、その構成にこそ意味があって、男と女ではものの考え方や想いの捕らえ方が違うことを意図した構成であるので、ストレートに過去から順に追ってしまっては、実にありきたりな退屈なものになってしまうのは目に見えている。だからこそ、CathyとJamieの思考の違いを表す物語の構成がきわめて重要なのだが、残念ながら機能不全であるとわたしは観た。実にもったいない。
 なので、わたしから見るとこの物語は、結果的には、要するにゆとりカップルのすれ違いね、の一言で終了である。Jamieは作家としてデビューし、どんどん売れっ子になって、パーティーなどにも呼ばれ、世間でも名声を得ていくのに反し、Cathyはいつまで経ってもうだつの上がらない生活を送り、その「格差婚」が二人の愛を壊してしまうというものであるので、男のわたしとしては、若干、Cathyのイラつきが理解できない。途中で出てくるように、Cathyは、とにかく自分の主張が強く、Jamieの話を聞かない場面があって、Jamieが、5分でいいからオレの話を聞け!! とキレるシーンがあるが、男からすれば、そりゃそうだとうなづけてしまう。どう観ても、成功したオレに嫉妬してんのか? としか思えない。
 しかし、である。おそらくは、女性から見ると、なに逆ギレしてんのよ!! と、火に油を注ぐことになることはまず間違いなかろう。その心理は、残念ながら男のわたしには理解不能だが、そう受け取るのが女性である、という事実は、世の真理として既に了解しているので、わたしのようなベテランのおっさんなら、分かった分かったごめんなさい、よしよし、オレが悪かった、Cathyは可愛いね、よしよしごめんよ、と抱きしめて、まったく意に沿わない慰めを余裕で口にすることが可能なので、おそらくは、破局までは至らずに済むんじゃねえかな、と無責任に思った。
 ま、若いってそういうもんですな、というのがおっさんとしての感想である。
 わたしは、正直音楽にはあまり興味がなく、それは周りの人にもよく知られている事実で、No Music, 全然OK Life と発言したこともあって、それはわたしの言動録でもちょっと有名なのだが、それはあくまで、いわゆる歌手の歌う歌単体での話であって、物語るMusicalはまったく別物だと思っている。いや、もちろん、まったく別物でなく、わたしの認識がゆがんだ間違ったものであることは承知している。けれど、なぜかわたしには自然と成立している事実なのだ。だから、歌手が歌う歌にはほとんと心動かされることはないが、Musicalで物語の一部として歌われる歌には、非常にグッと来てしまう。要するに、3分とか5分の歌単体だけでは物足りないのだ。その背景まできちんと語られないと、わたしにはピンと来ない、ということのようだ。歌にもわたしは物語を要求したいのである。まあ、わたしのようなおっさんが、10代や20代の恋だの愛だのを聞かされても、鼻で笑うしかなく、どうにもならないわけで、それを、きちんと物語として、歌ってもらわないと感情移入は到底出来ないわけであります。あれ!? なにが言いたいか分からなくなってきたな。ええと、つまり、だからわたしはMusicalが好きだということと、本作の物語はMusicalとしてきちんと背景を語ってくれたけれど、わたしのようなおっさんには、ゆとりカップル乙、としか思えなかった、が、やっぱりAnna Kendrickちゃんは激かわええ、ってことでいいのかな。はい、そういうことです。
 最後に、主役二人と監督をちょっとだけまとめておこう。
 まずCathyを演じたAnna Kendrickちゃんについては、もう散々書いたからいいか。1985年生まれの現在30歳。今年の誕生日で31歳か。メリケン女優にしては、凄いちびっ子なんだよな……だがそれがいい。Geroge Clooney主演の『Up in the Air』(邦題:マイレージ・マイライフ)でアカデミー助演女優賞にノミネートされた時はまだ22歳かそこらか。非常に印象に残るいい芝居でした。あの映画は非常におススメです。かなりグッと来ます。
 そして相手のJamieを演じたのがJeremy Jordan君31歳。彼もMusicalが主体で、映画にはほとんど出ていない人ですな。芝居振りは普通でしたが、歌は抜群にうまかったです。Tony賞にもノミネートされたことがあるそうで、このところはTVドラマでの活躍が多いようですね。どうなんだろう、まあ、イケメン……でしょうな。
 で、監督は、Richard LaGravenese氏という男で、これまでにわたしが観た映画で言うと『P.S. I LOVE YOU』を撮った監督だそうだ。へえ。元々脚本家なんすね。本作でも脚本も書いたようだが……うーーん……全編歌だし、もともとのMusicalがある作品だから、彼の脚本家としての役割がどんなものだったのか、ちょっと想像できないが……ちょっと分かりにくかったなあ……もう少し何とかなったような気もするのだが……若干残念です。

 というわけで、結論。
 本作の物語やその構成には、わたしはあまり感じ入るものはなかったのだが、とにかく二人の歌は素晴らしい。特に、Anna Kendrickちゃんの歌声は極めて上物である。素晴らしいね、この人の歌は。そしてやっぱり、大変に可愛い。わたしなら、絶対にCathyを怒らせるようなことはしなかっただろうし、愛が壊れることもなかっただろうな、と、いつもの言うだけ詐欺をもって結論としたいと思います。以上。

↓ Anna Kendrickちゃんを見るならやっぱりこれか。恥ずかしながらわたし、まだ観てないんす。先日WOWOWで放送があったのを録画したので、近々に観てみます。
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↓ 「2」もありますぜ。
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