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 いやあ……ホント宝塚歌劇は最高っすね!
 と、いつも同じことを書いておりますが、わたしは昨日の土曜日、母の昼食介護を兄に託して、日比谷の東京宝塚劇場にて、雪組公演を観てまいりました。劇場にいる3時間だけは、マジですべてを忘れさせてくれる、わたしにとっては大変貴重でかけがえのないひと時であります。
 わたしはそもそも星組イチオシなわけですが、このところ宝塚歌劇友の会のチケット神は、わたしにそっぽを向いてチケットを与えてくださらず、以前書いた通り正月の花組公演、その次の月組公演はチケット全滅でありました。なので、わたしは一番大好きな星組公演だけは見逃すわけにはゆかぬ! と思って、星組公演の大劇場公演(=知らな人はよく「大阪」と言いますが、「兵庫」の宝塚市です)のチケを申込み、無事に当選し、5/14(土)に遠征を予定しておりました……が、ご存知の通りCOVID-19による公演中止と相成り、さらに東京の星組公演もチケット全敗、という憂き目に遭っておりました。
 まあ、肝心な時に限って運がないのがわたくしであります。。。
 順番を記すと…
 1-2月の花組@東京:全滅。観ること叶わず。
 2-3月の月組@東京:全滅。だけど美しきズカ友の淑女にお誘いいただき観劇できた。
 4-5月の宙組@東京:友会当選2階席。ネバセイは最高でした!
 5-6月の雪組@東京:友会当選2階席。これが昨日観てきた作品
 6-7月の星組@東京:5月の大劇チケは当選したものの公演中止。東京チケ全滅。
 7-9月の花組@東京:次の花組は友会で当選しました! しかもSS席! やったー!
 てな感じですが、わたし、常日頃からヅカ愛好家であることを隠しておらず、星組全滅を嘆いてテンションどん底なオーラをまとって仕事をしていたところ、日ごろ懇意にしているお方の元部下、のお友達の方、という全く面識のない方からチケを1枚融通してもらえそうで、何とか観劇出来そうです。持つべきものはヅカコネクションですなあ! 皆さんありがとう!
 さてと。前置きが無意味かつ長くなりましたが、雪組公演『夢介千両みやげ/Sensational!』であります。
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 知らない人は知らないし、知ってる人には常識ですが、雪組は「和物の雪組」と称されるように、日本モノが得意な組であり、今回の作品は江戸人情モノでありました。恐らく知らない人は、時代劇でミュージカル!? とビビるかもしれませんが、ヅカファンなら納得の作品であります。
 まあ、一言で言うと……最高だったすね! ちょっと笑えるし、なにより主人公が実にイイ奴! なのです。物語を簡単にまとめると、小田原の庄屋の息子がいて、超金持ちなわけなんだけど、親から1000両もらって、その金をもって、華のお江戸で「道楽修行」をするというものです。これだけだと、金持ちのクソガキの道楽なんて、ふざけんな! と思うことでしょう。
 わたしも実は、最初にあらすじをみた時は、なんじゃそりゃあ!? 親の金でだとう? ざけんな! とか思いました。しかし、その金の遣い方がですね、なかなか悪くないんですな。生粋のお人よしで、かかわっていく人々も極悪人は少数で、なんつうか、気持ちいいんすよ。わたしも、金で解決できることは金でカタをつける男なので、まあ、わたしは自分で稼いだ金ですが、日ごろから世間にゃロクな奴がいねえ、とか思っているわたしにとっては、夢介くんのお江戸修業は大変気持ちのいいお話であったと思います。
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 宙組も2階席だったけど、2階でも結構見やすいすね。ドセンターだったのも良かったす。
 というわけで、物語の主なキャラと、演じたたジェンヌたちを箇条書きでまとめてみようと思います。
 ◆夢介:主人公。小田原の庄屋さんの跡取り息子で金持ち。超イイ奴。何気に腕っぷしも強く、喧嘩も臆せず、どうしても話の分からん悪党はブッ倒す!な男。基本的にもめごとは金で解決できるならさっさと、気前よく金を遣うが、一応夢介ルールはあって、何でも金、ではない。ある意味現実的な社交術ではある。けど正直なところわたしは、序盤は「なんだコイツ」と思っていました……が、後半になるころには、コイツ、やっぱすげえイイ奴じゃん、と思うようになりました。なんつうかなあ、心持ちがまっとうというか、要するに、優しいというよりもド真面目、なんすよね。そして、そのせいなのか、そこらじゅうの女子から超モテるのが実に腹立たしいすね笑。オレも真面目な男なんだけどなあ。
 演じたのは当然雪組TOPスター彩風咲奈さん。わたし的には、謎の小田原訛りが東北訛りっぽく聞こえて、なんか若干、変なの? とは思いました。とはいえ、彩風さんもTOP2作目、順調に芝居も歌もダンスもTOPの力量を見せてくれてますな。大変結構だと思います。
 ◆お銀:通称「オランダお銀」と呼ばれる女掏摸。江戸に向かう途中の夢介に目をつけて、金をかっぱらおうと思ったところでお侍に捕まりかける、が、夢介が「その金はその人にあげたもんだから、盗みじゃねえっすよ」的に助け、結果、夢介にぞっこんLOVEとなって一緒に江戸に出て、押しかけ女房として世話を焼くことに。演じたのはこちらも当然雪組TOP娘役の朝月希和さん。なんか、色気もあっていいっすね。夢介がモテまくるので、いちいち「キーッ! 悔しい!!」とイライラする姿が大変可愛いと思います。わたし、「キーッ!」と発声する女子を、漫画以外で初めて見ました笑。 しかしアレっすよね、夢介が出会う女子の順番がもし違ってたら、お銀ちゃんは選ばれてなかったのだろうか?? なんか、夢介のお銀ちゃんへのLOVE感情が、あっしにゃあ、イマイチよく分からなかったっす。
 ◆三太:お銀の幼馴染(?)の少年で、掏摸仲間。なかなか世間を分かってる現実的BOYで、幼い妹と弟の世話をみている苦労人。この妹が、超言葉遣いが丁寧で頭が良さそうで、すげえ印象に残るナイスキャラだったすね。で、三太は夢介を危なっかしいと思いつつ、姉のようなお銀の相談相手になったり、いろいろ気の回るできた弟分でありました。演じたのは、本公演から雪組生として新たな道を歩み出した元宙組の和希そらくん。ずっとこのBlogで書いてきたように、わたしは宙組でそらくんを一番応援してきたので、雪組に異動になったことに、少しばかり心を痛めておりました。。。が、全く心配はないようですね。そらくんは和物も似合いますねえ! つうか、和物というか和服が似合う、と言った方がいいかな。夢二もとっても雰囲気あって良かったからねえ~。そらくんはもともと女子としても凄い美人なので、色気も漏れまくってますな。これからもそらくんを応援いたしたく存じます。
 ◆総太郎:飛脚問屋・伊勢屋のダメ息子。イケメンでいわゆるチャラ男くん。金を持ってる夢介にたかって遊ぼうとするどうしようもないだめんず野郎。語尾は「~でゲス」というのがいちいち笑っちゃいます。そんな語尾をつけて話す奴、マジでいるんだ? と、こちらも漫画以外で初めて見た笑。演じたのは、雪組きってのイケメン、朝美絢さん。あーさも月組から雪組に移ってもうずいぶん経ちますな。あーさの場合も、雪組への組替えは正解だったんでしょうな。正2番手として、ますますの活躍を期待し、今後を見守りたいすね。
 ◆浜次:芸者さんできっぷのいい姐さん。総太郎の借金を軽く返済した夢介に近づき、金を狙うが、夢介のイイ人振りに惚れてしまう2番目の女性。もし夢介が最初に出会った女性が浜次姐さんで、結婚して! と言ったら受け入れてたんだろうか? 演じたのは96期生の妃華ゆきのさん。ごめんなさい。。。今までほぼノーチェックでしたが、かなりの美人っすね! つうかわたし、今回初めて、雪組の娘役はすげえ美人ぞろいで充実してんなあ、と今さらなことを思いました。もっとちゃんとチェックして勉強いたしたく存じます!
 ◆春駒太夫:女手妻師。夢介に惚れちゃう3番目の女性。演じたのは95期生の愛すみれさん。非常に大人な色気のあるイイ女、を好演されていたと思います。いやあ、とても美しいっすね。
 ◆お滝&悪七:お滝は長唄の師匠。100期生の希良々さん。つうか、そうか、100期生ももう新公卒業してるのかな? あっという間だなあ。そして悪七はお滝の亭主。本名は七五郎で、元々は船頭。ヤクザの仲間で、お滝に美人局的なことをさせてる悪い奴だが、夢介のまっとうなハートに触れて改心する憎めない?野郎。演じたのは、星組時代からわたしはずっと応援してきた98期の綾凰華くん。あやなくんはこの公演での退団を発表しており、わたし、ここ数年で一番ショックな退団発表でした。。。まさかだよ……本当に。とても残念だけど、恐らくは、現在はもう完全に吹っ切れたというか、すがすがしい気持ちなんだろうと想像しますが、やっぱり、我々には想像の付かない苦悩の末の決断だったのでしょう。でもまだまだ若いし、なにしろあやなくんは素で美人だから、びっくりするような美女に戻ると思います。芸能活動は続けるのかなあ。。。続けるなら応援したいっすね! 続けなくても、あやなくんの今後を応援したい気持ちっすね。いやあ、本当に淋しいよ。。。『阿弖流為』の母礼は見事だったよ。あやなくんに幸あれ、と願わずにはいられないっすね。。。
 ◆お松:総太郎の家の伊勢屋に奉公するお女中さん。総太郎に惚れられて、孕まされるも捨てられ、死のうとしたところを夢介に助けられる。総太郎、マジでお前最悪でゲスね! で、このお松ちゃんを演じたのは99期生の野々花ひまりちゃん。下級生時代から路線を歩んで来たのに、もうベテラン枠に入りつつあるのが気になるっすね。。でもひまりちゃんの演技はとってもいいし、雪組には欠かせない娘役ですよ。応援してます!
 ◆お糸:元々手妻公演を行っている春駒座で春駒太夫の付き人だったが、実家の蕎麦屋のお父さんが亡くなり、ばくちの借金と引き換えに、総太郎と結婚させられそうになって困っていたところを夢介に助けられる。演じたのは宙組からやってきた夢白あやちゃん103期生。もう組替えして2年近く経つのか。。あやちゃんも超路線なわけだけど、彼女は可愛い系というより美人系っすね。すっごい細いので、背が高く見えるっすね。
 ◆金の字:のちに、遠山の金さん、でお馴染みのお奉行様になる若者。夢介と何度も出会い、その人柄に一目を置く。演じたのは雪組の次世代ホープ、縣千くん101期生。バウ主演も控えているし、まあ、もう縣くんが将来TOPになるのは間違いないでしょうな。それがいつになるのかわからないけれど、間にあーさを挟むとしても、2025年の大阪万博の頃に雪組TOPスターになっているのは間違いないような気がしますね。やっぱり凄い存在感ですよ。正直、わたしはちゃんと縣くんの歌を聞いたことがあまりないので、歌がうまいのか知らないのですが、まあ間違いなく、TOPスターになるでしょうな。なんつうか、オーラがもう違うっすね。間違いなく本物の器っすよ。
 最後に、わたしが凄い気に入った三太の妹、お鶴を演じた花束ゆめちゃんについて書いておこう。わたし、ずっと首席で入団した時からゆめちゃんに注目してます。すっごい可愛いと思うんだけどなあ。Wikiのページすら見当たらないし、もっと注目されてほしいっす!
 で。ショー『Sensational!』であります。
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 今回、わたしはもうずっとあやなくんとそらくんを双眼鏡で追っておりました。そらくんのダンスのキレは、相変わらず抜群で素晴らしかったし、あやなくんがソロで歌った歌、わたしはもうホントグッときました。最初は星で、今は雪で……。。。本当に淋しいすねえ……。なんつうか、宝塚歌劇は我々観客にとっては夢の時間だけれど、演者のみなさんにとっては本当に厳しい世界なんだということを、今回のあやなくんの退団で改めて実感したっす。あやなくんの輝きを、わたしはしっかり目に焼き付けました。あやなくんには本当に幸せになってもらいたいなあ。。。

 てなわけ、もう書いておきたいことはないかな、大丈夫かな?
 それでは最後に、いつもの「今回のイケ台詞」をご紹介して終わりにしたいと思います。
 ※「イケ台詞」=わたしが、かーっ! カッコええ!と感動した台詞のこと
 「おら、道楽は金で買う。けんど、女房は金で買わねえ。心で買うって決めてるだ!」
 この台詞は結構最初の方で、江戸に着いた夢介とお銀ちゃんのやり取とりで夢介が言うセリフなんすけど、わたし、この台詞で、なんだよ、こいつただの金持ちお坊ちゃんじゃねえじゃん! と夢介を認めました。なかなかカッコいいセリフだと存じます。

 というわけで、結論。

 昨日観た雪組公演『夢介千両みやげ/Sensational!』は、日ごろ地獄の介護生活を送っているわたしにとっては最高の3時間でありました。ほんと、劇場にいる間は家のことは全く考えなかったね。やっぱり宝塚歌劇は最高です! 『夢介千両みやげ』は実に面白く、笑えて素晴らしい作品でありました。なんつうか、ふざけたコメディーではあるけれど、たまにこういう作品があってもいいと思うっす。わたし的には、雪組前作の『CITY HUNTER』よりずっと面白かったすね。そして無事雪組生として活躍を始めた和希そらくんの色気あふれるたたずまいとダンスのキレは、雪組随一だと思うし、この公演で退団してしまう綾凰華くんの最後の輝きも、目に焼き付けました。素晴らしいジェンヌが退団してしまうのはいつも淋しいけれど、今回は本当に、やけに寂しくてたまらないす。またどこかの舞台で会いたいっすね。それまで、しばらくのさよなら……か。ともあれ、宝塚歌劇はマジ最高っす! 以上。

↓ やっぱり『阿弖流為』は最高だと思います。原作小説も最高です。



 わたしは小学校低学年から毎週月曜日は「週刊少年ジャンプ」を読み、当時は兄貴が買ってきたものだったが、中学生の後半ぐらいからは自分で買って読むようになった。そして今現在も、電子版を毎週買って読んでいるわけで、もう、わたしのジャンプ歴は40年を超えてるのではないかと思う。
 そんなわたしなので、愛する宝塚歌劇で「CITY HUNTER」を上演するというニュースを知った時、マジでとても驚いた。もうすでに、宝塚歌劇では「るろうに剣心」の上演実績があって、ジャンプの漫画を宝塚化する前例があったわけだが、まさかあの、「CITY HUNTER」に目をつけるとは、まさしく想像の斜め上を行ってると思わざるを得なかった。なにしろ、「CITY HUNTER」は下ネタバリバリなのだ。だ、大丈夫かよ……? と思ったのはわたしだけではないだろう。しかし、その後徐々にビジュアルも発表されて行くに従って、おおっと!? こ、この再現力はさすが宝塚歌劇! と思わせるクオリティの高さを見せつけてくれ、期待と興奮も高まって行ったわけだが、それでもやっぱり、どうなんじゃろうか? という思いもぬぐえずにいたのである。
 というわけで、そんなドキドキを胸に抱きながら、わたしは日比谷に向かったわけである。しかも本公演は、新たな雪組TOPスターに登極した彩風咲奈さんと、同じくTOP娘役に登極した朝月希和さんのTOPコンビ大劇場お披露目公演だ。そういや先々代の雪組TOPコンビ、早霧せいなさんと咲妃みゆさんの大劇場お披露目の時も『ルパン三世』だったわけで、状況的にはちょっと似ているのだが、まあ、とにかく、コイツは早く観たいぜ!! と思っていたわけです。
 チケットは、いつも通り宝塚友の会の会員限定先行抽選で無事ゲット、しかもまたも前から3列目(の下手側ブロック)という良席がわたしに舞い降りてきており、ホント、友会のチケット神には感謝の祈りをささげる毎日であります。ありがとう、チケット神様! これからも善行を重ねて、徳を積む毎日を過ごそうと存じます!
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 というわけで、『CITY HUNTER』であります。
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 まあとにかく、まずビジュアル表現はもう完璧と言ってよかろうと思う。わたしが一番ドキドキしていた「海坊主」も、お見事だったとしか言いようがないほど、完璧でしょう。さらに、コミック作品が宝塚化される時、わたしが一番素晴らしいと思うのは、いつも、タイトルロゴや(アニメ化された際の)テーマ曲を、きっちりとそのまま使うことにあると思う。
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 これは、業界人ならばわかると思うけれど、様々な権利関係の処理が必要な、きわめて「めんどくさい」事柄だ。たとえば、「ルパン三世」なら、絶対にあの「ルパンだだ~~(ルパン・サ・ザード~~)!」が使われないと、全く話にならんわけで、宝塚歌劇団はきちんとそういった権利処理もクリアしているのが本当にすごいと思う。これは、おそらく元のコンテンツホルダーにとって、宝塚歌劇で上演されることがとても光栄で嬉しいことなんだと思う。だからすごく協力してくれているのではなかろうか。
 そして、わたし的には、『CITY HUNTER』をやるならば、絶対に、『GET WILD』がかかってくれないとダメだろ、と思っていたのだが、きっちりと劇中で彩風さんが熱唱するシーンが組み込まれていて、わたしはもう、その点だけでも素晴らしかったと申し上げたくなりました。
 が、しかし……。
 観劇後の今は、お話的には、正直イマイチだったかな……とわたしは思っています。ちょっとですね……エピソードを盛り込みすぎているというか、お話がまっすぐ進まないというか、ごちゃついてる感じを受けました。これは大変残念で、結果的にメインキャラの活躍が減ってしまっているように思えたっす。女優と息子のエピソード、亡国の姫のエピソード、主人公・冴羽遼自身のエピソード、海坊主やミック、親友の槇村とその妹、香とのエピソード、などなど、盛り込みすぎたように思います。まあ、宝塚歌劇の演目では、役が少ないといろいろと困ることになるので、仕方なかったかもしれないけれど、もうチョイ、メインに絞った方が良かったのではなかろうか。。。
 とはいえ、最初に書いた通り、ビジュアルは素晴らしいし、なにより「GET WILD」が聞けただけでもわたしは満足であります。では、いつも通り各キャラと演じたジェンヌをまとめてまいりましょう。
 ◆冴羽遼:新宿の厄介ごとを解決する街の「スイーパー=掃除屋」。腕はピカイチだが、超女好きのダメ人間、と思われているけれど、実際はそんなことはなくド真面目。背景はいろいろあるけれど、今回一見さん向けに説明しすぎてたかもしれないすね。ちなみに、物語の舞台は、ジャンプ連載当時と同じく80年代に設定されております。そうじゃないと「新宿駅の掲示板にXYZの伝言を残して依頼を行う」という設定ができないもんね。つうか、30代でももはや「駅の伝言板」の存在を知らんでしょうな。。。
 で、演じたのは勿論、新たなる雪組TOPスター、彩風咲奈さん。彩風さんと言えば、わたしには八重歯が見分けるポイントだったけど、数年前に削って差し歯にしたのか、八重歯はなくなっちゃいましたな。わたしは結構好きだったのに、まあ、やむないことなんでしょう。実はわたしは彩風さんに対してそれほど詳しくないままこれまで観てきたので、演技の人なのかな、と思っていたけれど、どうやら一番の持ち味はダンスなのかもしれないすね。はっきり言うと『CITY HUNTER』は脚本的にアレだったけれど、ショーの『Fire Fever!』は超最高だったす。雪組生全員(?)によるロケット(ラインダンス)は圧巻だったすねえ!! だって、男役も彩風さん以外、あーさ含め全員が金ぴかのだるま姿だぜ? こ、こんなの初めて! とわたしは圧倒されたっす。素晴らしかった! Fire, Fever~! という主題歌も良かったし、彩風さんのダンスもキレてるし、『Fire Fever!』の方は最高でした。
 ◆槇村秀幸:元刑事で、遼の元パートナーで故人。エンジェル・ダストという合成麻薬の事件で殺されちゃうものの(その話が原作では泣けるんすよ……)、今回の宝塚版では、幽霊的存在としてチョイチョイ登場してました。演じたのは、元星組生で98期の綾 凰華くん。扱い的には雪組3番目、のはずだけど、101期の縣くんにバウ主演は先を越されちゃったし、おまけに96期の和希そらくんが雪組に異動してくることが発表されているし、綾くんの今後が心配でならないす。。。実は女子としての素顔も大変可愛いお方なんすけどね。。。
 ◆槇村香:槇村の妹で現在の遼の「パートナー」で物語のヒロイン。演じたのは当然、新生雪組TOP娘役の朝月希和さん。コミックの香はいつもデニムのミニスカだけど、雰囲気はとても良かったすね。朝月さんも、わたしは実際今まであまり注目してこなかったので詳しくないですが、最近だと花組の時の『はいからさん』で演じた吉次姐さんはとても良かったですね。花→雪→花→雪、と波乱?に満ちた異動を強いられてきたけれど、報われて本当に良かったね。これで96期からTOP娘役は4人目となったわけで、しかも研12でのTOP就任はすごいことだと思います。とっても綺麗な顔立ちで、和美人ですな。歌もわたしはほぼ初めてソロをちゃんと聞いたような気もします。ダンスもいいし、非常にレベルの高いお方ですね!
 ◆ミック:US時代の遼のパートナー。コミック原作だと、かなり大変な目に遭うけれど、本作では特にそういった部分はなく、明るいアメリカ人でした。そして演じたのが、ついに!! 2番手羽根を背負うこととなった95期きっての美形の一人、朝美 絢さま(以下:あーさ)ですよ! いやー、ついにあーさが2番手だなんて、本当に胸が熱くなるっすねえ! 以前このBlogでも書いたけれど、わたしは過去2回、ばったり月組時代のあーさに出会ったことがあって(1回目はバウが終わった後の帰り道、もう1回は確か東京での星組公演の客席で、ちゃぴと一緒に観劇してました)、その美貌で、グラサン&帽子スタイルだったけれど、一発で「あーさだ!!」と分かったほどっす。ちゃぴは、その後で、あ、隣にいるのはちゃぴじゃね?と遅れて気が付いたっす。これでもし、のちにあーさもTOPになったとしたら、大変な事態ですよ。それに、どうやら花組&雪組&星組はそろって95期生が2番手になるわけで、すごいすね! ああ、マジで今年はタカスペやってほしかったなあ!!
 ◆海坊主こと伊集院隼人(ファルコン):遼と同じく元傭兵で凄腕の男。現在は喫茶キャッツアイの店主としての表の顔を持ち、かなり頻繁に遼を助けてくれたりもする頼りになる男。コミック原作ではその名の通りスキンヘッドの坊主でガチムチ系マッチョマン。女子と猫に弱いという弱点アリ。そして宝塚版で演じたのは雪組の御曹司と言っていいでしょう、101期の縣千くん。さすがに坊主にはできないけれど、バンダナを巻いてる設定はとても見事だったすね。常に着用しているグラサン(=原作では目が悪いために着用していて、確か失明に至ったと思う)を外すと、「キラキラタカラヅカ系」な目をしているそうです。あのシーンは笑っちゃいました。縣くんも、ショーでは本来の縣くん通り、まさしくキラッキラでしたね。バウ主演も控えているし、順風満帆ですな。
 ◆美樹:少女時代に海坊主に救われ、海坊主が大好きな元スイーパー。現在は海坊主と共に喫茶キャッツアイを営んでいる。演じたのは、残念ながら本作が退団公演となってしまった98期の星南のぞみさん。星南さんも、ゆくゆくはTOP娘になるのかなあ、と思っていたけれど、退団ということで大変淋しいすね。。。その美貌はTOPクラスの美人なんだけど。。。早くから抜擢されてきたけど、ここ数年、役が今一つだったので、早めの決断に至ったんですかねえ。。。まあ、退団後も素晴らしい人生を歩んでほしいですなあ。とてもとても残念す。。。
 ◆野上冴子:警視総監を父に持つ敏腕刑事。警官時代の槇村の同僚で、超美人。演じたのは、この後で月組に異動することが発表されている99期の彩みちるさん。まさかみちるちゃんが月組とは、発表された時は驚いたすねえ……月組はとても戦力が充実しているので、みちるちゃんの入る余地があるんだろうかと余計な心配をしたほどっす。わたし的には、みちるちゃんで一番印象深かったのは、『凱旋門』の時のユリアかなあ。あーさと恋人同士で、とっても健気で可愛かったすね。みちるちゃんは、わたしとしては基本ロリ系に分類していたけれど、今回の冴子のようなセクシー系お姉さまもイケるんすね。そこがちょっと発見でした。
 あーーもう長すぎるから以上にしておきます。が、一つだけ。本来なら本作には専科の英真なおき理事が出演されるはずだったのに、体調不良で休演となってしまったのが、わたしとしては大変心配です。わたしはそもそも星組イチオシの男なので、元星組組長のじゅんこさんは大好きなんすけど……どうか早い回復をお祈りしております! また劇場でお目にかかりたいっす!!

 よし、それでは最後に、いつもの「今回のイケ台詞」をご紹介して終わりにしたいと思います。
 ※「イケ台詞」=わたしが、かーっ! カッコええ!と感動した台詞のこと
 「オレといたら、命がいくつあっても足りねえぞ」
 「その時はあんたが守ってくれるんでしょ?」
 「バカ、一緒に戦うんだよ!」
 「そうよね、わたしたちは二人でシティーハンターなんだから!」
 今回は、最後の二人の決め台詞的なこれにしました。まあ、めでたしめでたし、な終わり方で良かったと思います。新TOPコンビに幸あれ!ですな!

 というわけで、結論。

 新生雪組の始まりとなる大劇場公演『CITY HUNTER』ですが、まあ、正直、脚本に難アリかな、と思いました。ちょっとゴチャっとしてしまったように思えたのですが、それでも、さすがのビジュアル表現はお見事だし、ついにTOPスターに登極した彩風咲奈さんと、おなじく研12にしてTOP娘役に就任した朝月希和さんのコンビはとても良かったと思います。つうかですね、今回はショー『Fire Fever!』が最高でしたね! このコンビはダンスで魅せるコンビなのかな。今後の活躍が楽しみっすね! しかしそれにしても、日々全くいいことがなく、絶望的な毎日に、明日あたり世界が滅亡しねえかなあ、とか思っているわたしでも、宝塚歌劇の劇場にいる3時間だけは、本当にすべて忘れさせてくれますな。おっといけねえ、毎回おんなじこと書いてるな。。。もうオレ、ダメかも……いや、ダメじゃあない! オレには宝塚歌劇がある!!! いやあ、宝塚歌劇って、マジ最高っすね!! 以上。

↓ 海坊主は本当はこういう顔です。
シティーハンター 3巻
北条司
コアミックス
2015-06-08

 はあ……ホントにすげえなあ……というのが、真っ先に口から出た感想であります。
 なんのことかって? わたしは今週の火曜日、平日の昼間に会社を抜け出し、日比谷へ赴き、宝塚歌劇を鑑賞してきたのだが、その感想であります。ええと、言っときますがすべての予定を調整してきっちり仕事に影響ないようにしているので、誰にとがめられるいわれもありませんよ。そもそも、もはやわたしは誰の指揮監督下にもないし。
 なんでまた平日の昼間に行ったかというと、理由はもう明確で、現在日比谷で上演中の雪組公演は、現在の宝塚歌劇団において最強のTOPスターコンビの退団公演で、全くチケットが獲れず、平日なら獲れるかも? と淡い期待を持って宝塚歌劇友の会の抽選に申し込んだところ、1枚獲れたから、であります。
 もう、ここ数年、どんどんとチケット争奪の戦いは熾烈を極め、最近になって、そうだよ、おれ、平日の昼に行けばいいじゃん! と気が付いたのだが、今回の雪組公演は、退団公演というブーストもあるのか、本当に全然獲れないわけで、友会がわたしに用意してくれたのは久しぶりの2階席でありました。遠いけど、舞台全体を観られるので、まあ、十分アリっす。
SNOW202104
 しかし前回も書いたけど、この入場時に発行されるチケットはカッコ良くていいですね! これは友の会の会員証を非接触リーダーにかざすと発行されるものなので、友の会会員の証と言えるかもしれないね。ちなみに、2階の6列目というのは、S席の一番後ろの通路ぞいですが、ほぼド・センターで、意外と観やすかったですな。
 というわけで、雪組公演『fff―フォルティッシッシモー/シルクロード~盗賊と宝石~』であります。

 前半の『fff』がミュージカル、後半の『シルクロード』がレビューショーという2本立てなわけですが、もう内容の紹介はナシでいいかな。。。一言だけ言うならば、『fff』は、いろいろと話題作を発表してズカ淑女たちの注目を集めている上田久美子先生(以下:うえくみ先生)の作品なわけですが、正直、わたしはうえくみ先生の作品は、それほど好きではないです。まずもって、90分の短い時間内では描き切れないスケールがあるように思うし(その点では2幕物の『FLYING SPA』は観てないのでのちのちのスカステ放送が楽しみっす)、やっぱり、ちょっと変化球すぎるような気がするんすよね。今回の『fff』も、やっぱり変化球と言わざるを得ない物語構成で、もちろん面白い、けれど、なんつうかなあ……小劇場作品的なアート性だったり、文学性とでも言えばいいのかな……まあ、実際に物語は見事な着地を見せるので、それはそれで素晴らしいけれど……なんつうか、うーん、うまく言えないけれど、とにかくうえくみ先生の作品は、独特な味のある作品だと思う。クセが強いんじゃあ、ってやつですな。
 物語としては、Ludwig van Beethovenによる交響曲第5番「運命」の誕生秘話、というもので、同時代人であるナポレオンへのあこがれと失望(?)や、Johann Woifgang von Goetheとの邂逅なども描かれ、そこに「運命」を擬人化した謎の女を配置した非常に変化球的な、興味深い物語となっている。ドイツ文学科を修めたわたしは、まさしくGoetheと同時代人の作家を研究していたので、この時代はよく知っているつもりだが、あらためて、この三人の生年と没年をメモしておこう。
 ・Beethoven:1770/12/16(?)ボンにて生→1827/03/26ヴィーンにて没
 ・Goethe:1749/08/28フランクフルトにて生→1832/03/22ヴァイマールにて没
 ・ナポレオン:1769/08/15コルシカにて生→1821/05/05セントヘレナ島にて没
 どうですか。この3人の同時代人たちの生年没年を知ってると、結構今回の物語はより面白くなると思うな。
 というわけで、各キャラと演じたジェンヌを紹介しながら感想をメモしていこう。
 ◆Beethoven:ご存じ偉大なる作曲家にして気難し屋なイメージがある孤高の天才。もちろん演じたのは、本作品をもって退団してしまう、雪組TOPスター望海風斗さん(以下:のぞ様)。
 思えば、わたしがはじめてのぞ様を「なんだこの人、すげえ!!!」と知ったのは、2014年のルキーニだったのですが(あの当時はまだ花組公演はほとんど観に行ってなかったので知らなかった)、あのルキーニはわたし的には最強のルキーニで、山崎育三郎氏ルキーニよりも、わたしはのぞ様の方が素晴らしかったと思うすね。間違いなく、のぞ様は現役最強歌唱力の持ち主だし、また演技力も現役最強と言って差し支えないのではなかろうか。『壬生義士伝』や『ファントム』……思い出深いすべての公演で、のぞ様は最強だったすね。
 そして今回も、もうグレイト、素晴らしくブラボ―としか言いようがないですよ。のぞ様の退団は本当に淋しいですね。。。チケットは獲れないかも、と思ってたけれど、観に行けてホント嬉しかったです。のぞ様の歌は、生で聞くとより一層迫力があるし、誇張でも何でもなく、ビリビリと我々の体に響き、鳥肌が立ちますね。まあ、もう既に退団後の仕事も決まっていて、それはおそらく本来なら去年の夏にこの公演が上演されるはずだった(=COVID-19によって公演延期があった)ため、その去年退団を前提にした仕事だったのだろうと思うけど、次の日曜日に退団してもう3週間後?には新たな舞台に立つ、なんて、凄いというか、異例中の異例でしょう。
 でも、ファンとしては、退団後すぐにまたのぞ様と会えるのはうれしいですな。もちろんそのチケットは獲れるはずがないほど超激戦で、わたしも勿論買えませんでしたが、配信もされるので家で見ようかしら、とは思ってます。が、やっぱりのぞ様の歌声は、生じゃないとなあ。。。。でもまた、退団後ののぞ様にまた会いに行きたいですな。
 もうとにかく、言えることは、「(のぞ様の歌と演技は)はあ……ホントにすげえ!!」の一言であります。心からの拍手でわたし的しばしのお別れを告げられてよかったす。
 ◆謎の女:わたしは比較的最初の方で謎の女の正体に見当がついたんすけど、ま、それは書かないでおこう。その謎はともかく、演じた真彩希帆さん(以下:きぃちゃん)の歌&芝居はマジ最高だったですなあ! 主人公にしか見えない、小悪魔的女の子、なんて設定は、もう少年漫画そのもので、きぃちゃんの可愛らしさや気の強そうな、いわゆるツンデレめいたキャラは実によかったと思います。
 現役最強歌唱力ののぞ様には、同じく最強歌唱力のきぃちゃんしか相手役は勤められなかったでしょう。そのきぃちゃんも一緒に退団されてしまうのは、淋しいけど、これはもう、万雷の拍手をもって、笑顔で見送るしかないっすよ。きぃちゃんには、本当ならわたしの最大の贔屓である礼真琴さん(以下:こっちん)の相手になってほしかったけれど、今後も繰り返し『鈴欄』を観て、こっちん×きぃちゃんを妄想しようと思います。
 それにしても、きぃちゃんの退団後の活動がすごく楽しみですね。きぃちゃんのはじける笑顔に、また会いに行きたいっすな。ここ10年ぐらいではナンバーワン……かは分からないけど、歴史に残る見事な娘役だったと思います。最高でした!
 ◆ナポレオン:演じたのは雪組正式2番手の彩風咲奈さん(以下:さきちゃん)。ナポレオンと言えば、星組推しのわたしは当然レジェント柚希礼音さんを思い出すわけですが、今回の戴冠式の時の衣装、アレって、柚希さんとねねちゃんが着た衣装かな? そんなことが気になったす。
 さきちゃんは次期雪組TOPスターに決定しているわけですが、おそらくは、最強コンビの次ということで、我々には想像も及ばないようなすごいプレッシャーを感じてらっしゃるかもしれないですが、間違いなく、歌唱力もグイグイ上がっているし、さきちゃんらしいTOPとして、堂々と舞台の真ん中に立ってほしいと思います。
 しかしそのTOPお披露目作品が、あの『CITY HUNTER』ってのは驚きですなあ。ジャンプを30年以上買い続けているわたしには、えっ、アレをやんの!? とすごい驚いたっす。下ネタはイケるんだろうか……そして期待の若手、縣千くんは、どんな「海坊主」を演じるんだろうか……ビジュアル発表が超楽しみっすね!
 ◆Goethe:かの文豪ゲーテを演じたのは、本作をもって退団してしまう彩凪翔さま。翔さまの退団も、ホントに淋しいすねえ。。。これまでの翔さまの演じたキャラがいろいろ思い出されますなあ……。ガトガトガト~の武田観流がもはや懐かしいですなあ……。バウの『ウェルテル』はわたしはスカステでやっと観たクチなんすけど、翔さまの今回2回目のゲーテ、目に焼き付けました。本当にお疲れさまでした!
 ◆ゲルハルト・ヴェーゲラー:Beethovenの幼馴染?で医師の青年。演じたのは、美貌のあーさでお馴染み朝美絢さん。しかし、のぞ様去りし雪組の2番手は、あーさになるのでしょうか? 宝塚人事に関してあれこれ考察めいたことには興味ないですが、あーさが2番手になって、そののちTOPになるのであれば、95期4人目として、超期待したいですな。以前も書いたけど、わたし、あーさを大劇場の前とオフ日にちゃぴと一緒に東京宝塚劇場に来ていた場面に出くわしたことがあるのですが、サングラスをかけてても、私服でも、もう明らかにあーさで、見間違いようのないカッコ良さでした。歌も本当にどんどんうまくなってますね。今後が楽しみであります!
 ◆ほか、わたしとしては次期TOP娘役に決まっている朝月希和さんや、わたしイチオシの星組から雪組に異動した綾 凰華くんをはじめとする皆さんを見つめつつの観劇だったんすけど、中でも、やはり今回退団されてしまう笙乃茅桜さんをとりわけずっと目で追っていました。
 わたしが初めて笙乃さんのダンスがすげえ! と気が付いたのは、もうホント笙乃さんには申し訳ないけど『ファントム』の時のファントムダンサーズの一人として、なので、すっごい遅いんすよね……もっと前から注目してくべきだったと深く反省しています。笙乃さんのそのダンス力は、もう、劇団随一だったのではないかしら。今回も、『fff』でも『シルクロード』でも、非常に目立ってましたね! 役名があったのかよくわからないけど、常に舞っておられた美しいお姿は忘れません!
 
  ふー、とまあ、とりあえず以上かな。そして最後はいつもの「今回のイケ台詞」をご紹介して終わりにしたいと思います。
 ※「イケ台詞」=わたしが、かーっ! カッコええ!と感動した台詞のこと
 「生きることが苦しみでも、オレはお前という運命を愛するよ!」
 今回はやっぱり、ラストのこのセリフでしょうなあ。カッコ良かったですねえ!! そしてここでののぞ様ときぃちゃんは最高に美しかったですなあ! ホント、望海風斗と真彩希帆のこれからに栄光あれ! と思ったす。のぞ様、きぃちゃん、本当にお疲れ様でした!

 というわけで、結論。
 最強の歌唱力を誇る雪組TOPコンビがついに退団の時を迎えてしまいました。本当にチケット難で、観られないかもなあ、と覚悟していたけれど、わたしにチケットを与えたもうた友の会の神様に感謝いたします! のぞ様、きぃちゃん、そして翔さまや笙乃さんをはじめとする退団なさる皆さんの最後の舞台、しかと見届けさせていただきました。ブラボー! もうその一言っす。最高に素晴らしかったと思います。そして卒業後の活躍も、心よりお祈りいたします。女性としてののぞ様は、きっと美しいでしょうなあ! きぃちゃんも、どこか、ちゃんとした大きな事務所に入って、これからも舞台上で活躍してほしいですね。城田君のファントム、再演があったら次はきぃちゃんの出番かもしれないすね。のぞ様は芳雄君と仲がいいし、きぃちゃんともども、いろんなミュージカルに出演してほしいなあ。次に会えることを楽しみに待ってます! また会いに行くよ! 以上。

↓ のぞ様ルキーニ、みちこフランツ、そしてみりおトート。わたし的には最強の布陣だったと思うす。あー、くそう、のぞ様トート&みりおシシィのドリーム公演、生で観たかったなあ!
『エリザベート ―愛と死の輪舞―』 [Blu-ray]
北翔海莉
宝塚クリエイティブアーツ
2014-11-06

 わたしは正真正銘の男、れっきとしたおっさんだけど、2010年に初めて「宝塚歌劇」を生で鑑賞し、そのあまりのカッコ良さに、一発KOを食らって以来、すっかりハマってしまったわけだが、それからもう11年が経過した。ズカ用語でいうところの「研11」であります。
 そんなわたしなので、もう何年も前から、ズカ友の美しきお姉さま方とお話しすると、「あなた、いつスカステに入るのかしら? スカステは素晴らしいわよ、おほほ」と、完全に平民を憐れむような貴族めいた調子で話を振られることが何度もあった。だがわたしは、その話になるといつも「いやー、いまどきSD画像じゃあ、入る気にならないっすよ……ハイビジョン化されたら即入るっすけどね……」とか返答していたのだが、今を去ること2年前の2018年の秋、ついにその「スカステHD画質放送」が始まったのである。
 ええと、説明しなくてもいいすよね? 「スカステ」とは、CSの宝塚歌劇専門チャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」のことであります。有料放送であり、月額2,700円+税かな、逆に言うと「たったの」約3,000円払うだけで、一日中宝塚歌劇の公演やオリジナルコンテンツが見放題なわけで、「スカステ」はある意味、ズカファンなら一度は加入を検討する憧れのチャンネルなのです。
 で。
 わたしは2018年秋にスカステHD化が発表された時には(たしか東京宝塚劇場に置いてあるスカステプログラムで初めて知った)、非常に興奮し、マジかよ、とうとうオレもスカステデビュー、初舞台を踏む日が来たみたいだな……!! と喜び勇んで、視聴契約申し込みをしたのである。わたしは10年以上前からスカパーのJ-SPORTSを契約して、毎年ツール・ド・フランスなどを楽しんでいるので、Webでの契約申し込みは1分で完了、あとはスクランブル解除を待つばかりで、わたしはわくわくしてテレビの前で待っていたのだが……いざ、観られるようになってから、初めて、極めて大変な事態に気が付いた。
 な、なんと!! わたしの家(2階建て一軒家)の環境では、どういうわけか「スカステ」だけが、電波の強度が低く、たまーーーにきれいに映ることはあっても、基本、もうザーザーのブロックノイズだらけであったのだ。うそだろ!? これってどういうこと!?? なんだよこれ!!
 電波状態を調べると、たしかに、スカステを中継しているトランスポンダ(CS-16番)だけ、入力値が恐ろしく低い。ほかのチャンネルは全く平気なのに!!! HOLY SHIT!!
 なので、わたしはいろいろ調べた。アンテナ自体は地上デジタル放送移行時(2007年)に付け替えたので、悪くないはず。そもそもWOWOWもJ-SPROTSも全く問題ないし。だとすると……と思いついたのは、わたしの家のアンテナケーブルの配線状況だ。まず第一に、5部屋ぐらいに分岐してるので、電波強度が落ちるのも当たり前な状況であることが判明、さらに屋根裏に潜ってケーブル自体をチェックすると、「4Cケーブル」で配線されていることが分かった。4Cは家庭用配線としては一般的だが、パワー不足なのは明らかで、「4Cで5分岐か……こいつは確かに……アカンかもな……」という結論に至り、要するにもう、わたしの家でスカステを快適に観るには、ケーブルの配線からやり直さんとダメ、であることがよく分かった。
 こ、こいつは……ハードル高いぞ……
 というわけで、わたしは2018年11月にスカステ契約をしたものの、2019年1月にはもう契約解除してしまったのである。
 もちろん、近所の電器屋に、いっそ4K8Kに対応した新しいアンテナ&ケーブルにチェンジしたいのだが……と依頼はしてみたが、
 1)すべてのケーブル配線やり直しは超手間がかかる
 2)現状、BSアンテナは屋根の上に立っているので、作業は危険を伴うし超大変
 3)結果として10万以上はかかると思ってくれ
 4)しかも電器屋業界では「スカステが映らない!」というのはよく聞く話で、アンテナ&ケーブルを変えたからと言って確実に映るか保証できない。
 5)実際、ケーブルテレビに加入するのが一番手っ取り早い
 と、まるで気合の入っていない、チキンSHITなふざけたことを言い出したので(しかもあきらかに、めんどくせー、やりたくねー的態度で言いやがったので軽く殺意を抱いた)、使えねえ野郎だな……と心の中で思いつつ、じゃあ、ちょっと考えますわ……とその電器屋とは絶交することにした。実は10年以上前はわたしの家もケーブルテレビに加入していたのだが、なんか結構高いので解約し、地上波デジタル開始時に地上波UHFアンテナ&BSパラボラアンテナを屋根に設置していたのである(方角の問題でBSパラボラは屋根の上以外選択肢がなかった)。そもそも、ケーブルテレビのSTB経由では、録画予約の方法が非常にめんどくさかったという大いなる弱点があったので、わたしとしてはケーブル加入という選択肢はゼロである。
 次に、そうだ、今は光回線でイケるんじゃね? といろいろ調べてもみた。が、どうやらやっぱり、どれもわたしの希望する通りにはならないようで、結論として「ちくしょう、ダメだ! これはもう、あきらめるしかねえ……」という考えに至り、放置してしまっていたのだ。後に、大いに後悔することも知らずに……。

 そして時は過ぎ……2020年3月、世界はコロナに包まれた……のであります。

 多くの淑女たちが愛し、そしてわたしも愛する宝塚歌劇だけでなく、すべての演劇や映画は劇場の門を閉ざし、公演中止、公開中止となってしまったのであった。。。
 わたしは4公演6枚のチケットがパーとなったが、ヅカファンとしては軽い方で、わたしの周りでも10枚近いチケットがただの紙になってしまった方も多く、誰も想像してなかった事態に、ただただ、しょんぼりとうなだれるしかなかったのである。
 しかし――。
 緊急事態宣言が発出される少し前の3月19日。この日わたしは、その翌日の3/20(祝)に東京宝塚劇場へ観に行くはずだった雪組公演『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』が果たして上演されるだろうか、とハラハラして発表を待っていたのだが、結果はアウト、残念ながら中止と発表され、深い悲しみに暮れた……のだが、さらに、なんと、千秋楽の3/22(日)は、「当日の公演の有無に関わらず、それをTAKARAZUKA SKY STAGEにて生中継いたします」という驚愕の発表が同時にあったのであります。
 
 つまり、当時の情勢的には、公演実施は既に難しかったわけで、それでも、無観客でも上演を実施し、ライブ中継する! という発表がなされたのだ。
 このお知らせが発表された時はもう、うぉおおい! マジかよ! すげえ!!! とわたしは正直感動しました。すごい。やってくれんなあ、さすがだよ! という思いがあふれるわけだが、この時ほどわたしはスカステ加入に向け、アンテナ&ケーブル設置作戦を放置してしまっていたことを後悔した瞬間はなかったすね……本当にアホだった。。。あの時、頑張っていたら観ることが出来たのに……。。。この時ほど、「世界の! すべて~が~! 闇に~! 沈んだあ~!!」というロミオ並みの絶望を味わったことはなかったすね。
 というわけで、わたしは決心した。もう悩んだり迷ったりしている場合じゃねえ。やる。オレはやる。クソ電器屋に頼ったりしない。オレは、自分で屋根に登ってBSアンテナとケーブルを交換してやる!! 上等だぜ!! 「俺を踏みつけた奴ら~ 嘲笑った貴婦人~! 今こそ神の裁きが下るぞ~ぉ~!!」と、我ながら意味不明な怒りのようなパワーで、もう頭の中では「マダム・ギロチン」が鳴りっぱなしである。
 と勇ましく決心してみたものの、ここから先が長かった……。まず、機材の入手に時間がかかり、到底2日後には間に合わない。つまり、歴史的なライブ中継はもう絶望だということがすぐ判明した。機材をすぐにポチっても、在庫なしなものもあって届くのはいつになるか不明であったのだ。
 ならばもう、じっくり腰を据えてやってやろうじゃねえか……というわけで、機材選定もかなり調べて真面目に検討し、結局、かなり多くの物品を準備することとした。
 ◆まずはアンテナ本体

 あ、くそ! わたしが買った時より4000円ぐらい安くなってやがる! しかも取り寄せだったのに今は在庫アリかよ! おのれ! それまで家についてるアンテナは45cmのモノだったので、それよりイイやつ、ということで50cmのDXアンテナ謹製のコイツを選択。当然4K8K対応品。
 ◆そしてケーブル
 
 前述の通り、従来のケーブルは4Cだったので、今回は5Cを選択。長さは、いろいろ実測して30mをチョイス。結果的には10mほど余ったけど、逆に言うと20mだとぴったり過ぎてヤバかったかも。4Cと5Cは何が違うかというと、端的に言えば太さが違うのだが、それによって電波の減耗率がちょっとだけ違うんだな。おまけに、将来的にWOWOWが4K化されてのBS左旋になった時の高周波数にも対応しないと意味がないので、最低でも5Cが必要だった。その上の7Cにしようかとも思ったのだが、7Cにするとすごく太くて、ケーブルの取り回しが難しくなるのであきらめた。
 ◆買ってよかった!! と感動したものその(1)

 これがなかなか売ってるところがなくて、調べたらヤマダ電機赤坂見附店に在庫アリ、というのでわざわざ買いに行った。BSアンテナを自分でつけたことがある人(なんて少ないか)ならご存じの通り、BSアンテナの取り付け位置、具体的には仰角と方位角は超シビアで、ちょっとでもズレると受信できないのです。その正しい角度は、東京の場合仰角38.1度、方位角224.4度(南西)と明確なんだけど、作業中にそれの角度にキッチリ合わせないといけないわけで、この「レベルチェッカー」がそれを示してくれるわけです。これは必須ですよ。仮締めして、そろーりそろーりと動かして、レベルチェッカーが最大反応してくれるポジションを探すわけですが、実に簡単にセット出来ました。
 ◆買ってよかった!! と感動したものその(2)

 これは「ケーブルストリッパー」というものです。何に使うか、ズカ淑女で知ってる人がいるとは思ないけど、説明すると、アンテナケーブルというものは、いわゆる「同軸ケーブル」というもので、テレビやレコーダーにブッ挿す先っちょに「F栓」というコネクターを取り付ける必要があるわけですが、その時、ケーブルを覆っているビニール皮膜をはがして、中心線の銅線をむき出しにする作業があるんすよ。これは、慣れてるわたしはハサミがありゃ2分で加工できるんだけど、長さとか結構シビアで、おまけに、屋根の上で作業しないといけないので、2分もかけたくないわけです。そんな時、この「ケーブルストリッパー」を使うと、15秒ぐらいで、規定の長さで、しかもつるっときれいに、ケーブルの先っちょを加工してF栓を取り付けることが出来るんだな。最初は別に要らねえ、ハサミがありゃ十分、とか思ってたけど、使ってみたら超簡単&超便利で感動したっす。
 ◆そして配線方法を考える。
施工前アンテナ配線
 調べてみると、そもそもBSアンテナの電波は、屋根の上で地デジ電波と混合器で合体させられていて、テレビやレコーダーの直前で分波器で分離されていた。こりゃアカン、そりゃ電波も弱いわけだ……というわけで、新しく取り付けるBSアンテナの電波は、わたしの部屋に直結しよう、と決断した。ただ、ほかの部屋でBS-NHKとか観られなくなるのは困るので、そうだ、ならば、今の配線をそのまま生かして、新BSアンテナの電波を屋根で2分派して、1つをわたしの部屋へ直行させ、もうひとつを従来配線に接続しよう、と思い立った。つまり↓↓こういうことです。
施工後新アンテナ配線
 というわけで、調べも進み、方針も決定し、機器も続々到着して、いよいよ決行! の時が迫ってきた、のだが、これだけの事実を見極め、計画を立てている段階で、わたしは実はどんどんと不安が募っていた。ズバリ、マジでこれ、オレひとりでできんのかな!? という根本的な問題である。
 ◆ケーブルを部屋から屋根に、どう持っていく?問題
 調べる前からわかっていたことだが、わたしの部屋は、もう10年以上前に、光回線を引き込むための穴があるのだ。これは家を建ててくれた棟梁に頼んで空けてもらったのだが、壁面の屋根と触れる付近と、部屋の天井の片隅に、直径15mmほどの穴が空いており、光回線は外からこの穴を通って屋根裏経由でわたしの部屋に入ってきている。これを使うしかねえ、とは思ったものの……かなりヤバい作業になることは明白であった。そもそも、わたしは3mとかの業者が使うようなハシゴのようなものは持ってない。なので、屋根からケーブルを垂らして、この穴に入れて、それを屋根裏経由でオレの部屋に垂らす……という作業はまず不可能だ。なので、逆に、先に部屋に配線してから、それを屋根にあげるしかねえのでは? でもどうやって? つうか、屋根裏をオレが入って、ケーブル垂らしたり出来んのかな?? という問題があったのだ。
 しかし! 渡れない河であろうと、登れない山であろうと、僕は諦めたりはしない!! ひとかけらの勇気が僕にある限り!!
 なので、わたしは次のような計画とした。そして実際それでうまくいった。
ケーブル
 【STEP-01】
 まずは屋根裏に潜入だ。屋根裏へのアクセスは、隣の和室の押し入れの上、の天袋からアクセスできるのだが、まず、入るのがすごい難しい。天袋は40cm~50cmの高さしかないし、そもそも位置も高い。それをよじ登って体をななめにして、腹筋と腕力で気合で体を入れて、ベニヤを置いて蓋をしてあるだけの穴に頭を突っ込む……と、屋根裏へ侵入できた。そしてまず、わたしの部屋の直上の「穴」の位置へと進む……のだが、当然埃まみれだし、梁や柱がいっぱいあって、一番端っこの目立たない位置に棟梁が空けてくれた「穴」が、あとちょっと、というところにあって、手が届かない!! 当然屋根は斜めに傾斜してるので、端っこほど狭いわけです。でも、ケーブルが若干固いので、ちょっと離れてても入れられるか……届いた! 入った! よっしゃ、5mぐらい垂らすぜ! という環境下で、超汗だくになりながら、なんとかケーブルを5mほど、わたしの部屋に垂らすことに成功。もちろんわたしは山に登る男なので、ヘッドライトは普通に持ってます。
 【STEP-02】
 そして次は、ケーブルの反対側を今度は壁の「穴」に向かって全部外に垂らす作業だ。もちろんケーブルは丸まった癖がついているし、残り20mほどのケーブルを、ちょっとずつ、外に向かって出すのだが、この壁の「穴」の位置も、超絶妙に遠いし、直径も15mmと書いたけど、実際は5Cケーブルがやっと通るぐらいの小ささだ。なので、癖がついているケーブルをスムーズにスイスイ出せるものではなく、ホント、5cmぐらいずつ、を×400回繰り返すという作業だ。マジでめげそうになったすね……この作業は。とにかく大汗かいたっすわ。この無間地獄作業は所要時間1時間ぐらいはかかったね。
 【STEP-03】
 この段階の前に、屋根に登って新アンテナ設置、という作業があるのだが、その時に、わたしが持っている山用の9mm×30mのザイルをアンテナの場所から、壁からケーブルを垂らしたあたりを狙って地上へ投げる! 1発で決まらず3回目で成功しました。投げた時、絡まらないでうまくほどけるようにまとめておくのも技の一つなんすけど、つうか、普通の人はザイルなんて持ってないよね。
 【STEP-04】
 そして再び下に降りて、地上で壁からぶら下がってるケーブルと、投げたザイルをきっちり結ぶ。この時、ケーブルがとんでもなくぐしゃぐしゃで、それを直すのが大変だった……。そして再び屋根に登り、ザイルを引っ張り上げて、ケーブルを手繰り寄せて、ケーブルのたるみを取るよう調節して、台風で吹っ飛ばないよう数カ所結束バンドで止めて……仕上げにちょうどいい長さに切断し、切断面をケーブルストリッパーで加工して、F栓を取り付けて……完了!!
 とまあ、こんな工程を踏んだ。のだが、本当に大変だったなあ……つうか、屋根に登るのが意外と怖いというか、危険だったね……。。。
 ◆屋根に登るのはやっぱり危険かもね。
 わたしは高いところは、好きではないけど苦手ではないので、まあ、普通に登ったのだが、最初はやっぱり、ちょっと立ち竦みますな。最初に登って状況を調べた時は、かなりおっかなびっくりだったけど、結局都合5回ぐらいは登ったのかな、最後の方は全然気にならなくなったす。でも、やっぱり危険だね。特に風の強い時はマジでやめといた方がいいだろうな。
 そしてアンテナ取り付け作業は、想像より簡単であった。予想では、相当きつくボルト類は止められてるのかな、と思ったけど、常識の範囲内で余裕で取り外せたし。それよりも、新アンテナや工具類をどうやって屋根の上に運ぶか? の方が悩んだかも。最初の頃は両手を使わないと登れなかったので、とても手に持って運べそうになかったのだが、いざ、よし、新アンテナを運ぼう、って時は片手で行けたので、大丈夫でした。工具類はすべてカバンに入れて肩から斜め掛けしてたので大丈夫だったす。
 そして実際の取り外し&取り付けは15分ぐらいでできたし、角度調整もアンテナチェッカーのおかげで数分で済んだし、ケーブルの加工・接続も数分で終わったす。
 ◆そしてとうとう! キターー!!
 すべてが終了し、ついに明瞭なきれいな画質でスカステが映った時の感動は忘れられないですなあ! わたしはスカパー歴は10年以上なので、実は5月に、長期加入者特典で(ほぼ)全チャンネルが15日間無料で見られる機会があって、それを作業する当日に申込み、スカステを観られるようにしておいたのです。それがなかったら、実験というか、実際に映るかどうかわからないので。なので、この特典の使える時期がやってくるまでの時間を、調査と検討、資材調達に費やしたのだが、本当に永かった……。調べてみると、スカステを中継しているトランスポンダCS-16番の電波強度レベルは、以前は最大35ぐらいでたまにゼロになったりと安定せず、とても観られたものではなかったのだが、新アンテナ&新ケーブルにチェンジした後は、安定してレベル65ぐらいを維持している。これはほかのチャンネルも同じで、WOWOWはレベル65だったのが68ぐらいまで強化されました。ついでに、せっかく4K8K対応にしたので、4Kレコーダーも衝動買いしてやりましたよ。すでにテレビは4Kパネルのモノだった(けど4Kチューナーはついてない)ので、4Kレコーダー導入でNHK-4K放送も観られるようになったし、Ultra-HD Blu-rayもHDR再生可能になりました。そして6月に入ってすぐスカステ本契約も締結し、晴れて、スカステ堪能生活が本格始動いたしました! やったぜ!! わーーい!!!


 というわけで、結論。
 はーーー……大変だったけど……一言だけ言うならば……。
 「フッ……何をやらせても完璧だぜ……!!!」

 以上であります!

↓ ずっと観たかった礼真琴さまのディナーショーが、来月、スカステの再放送で観られる!! やったー! ほかにも、TOPスター退団時のサヨナラショーとか、スカステオリジナル番組とか、もういつでもすべて観られるのがうれしすぎて最高です!

 わたしは平日はAM4時には起きる、完全朝型男なわけだが、それはもう高校生ぐらいからずっとそうで、わたしにとってはそれが普通で、勉強も仕事も朝が一番はかどるからそうしているのに、どうも、世の中的には、わたしの生き方は稀らしい。
 とはいえ、さすがに休日はAM6時近くまで寝ているわけだが、今日は、AM5時ごろ、なんか呼ばれた?ような気がして目が覚めた。「?」と思ってふとベットの横を見ると、我が家に住まう宇宙一カワイイ存在であるお猫さまが、「まだ起きなくていいの?」とでも言っているような顔でわたしを見上げていた。
 なんてかわいいんだ……と30秒ぐらい見つめ合い、しょうがねえ、と起きることにしたのだが、今度は、トーストとコーヒーを摂り、ふいーーとタバコを吸いながらPCを立ち上げたところ、立ち上げて60秒ぐらいでメールが来た。AM6時3分のことだ。今、仕事上でやり取りをしている弁護士先生からのメールで、うわ、こんな時間まで働いてるんだ!? とびっくりしながら、すぐさま「ありがとうございます!」的メールを返信して、さもわたしも仕事してた風を装い、すぐにクライアントへの報告メールを書き出し、それを送ったところで、次は布団を干し、洗濯をし、掃除機をかけ……などしたところでAM9時となり、母が美容室を予約したとか言うので、もう、おれ、今日は出かけるって言ったのに! と若干イラつきつつも母を美容室へ送り、美容室の方に、終わったらタクシー呼んでやって下さい、とお願いし、車で家に戻ってすぐに、チャリで駅に向かった。
 今日のわたしの目的地は有楽町、今日は愛する宝塚歌劇の観劇なのでありました。
 はーーー。要するに朝からえらい目に遭ったぜ、ということと、母の介護に疲れ果てたわたしのテンションはほぼどん底状態にあり、しょんぼりしながら東京宝塚劇場に赴いた背景を述べたかったわけだが、やっぱり宝塚は最高っすねえ! あの劇場の空間は、すべて嫌なことを忘れさせてくれますな、ホント。
 というわけで、現在東京宝塚劇場で絶賛上演中の雪組公演『壬生義士伝/Music Revolution!』は最高でありました。いやあ、泣けたっすねえ……! そしてまあキラキラでしたなあ……! マジ宝塚歌劇は最高であります!!

 というわけで、まずは『壬生義士伝』である。以前このBlogでも、映画版の『壬生義士伝』のレビューを書いたが、元々は浅田次郎先生の小説が原作だ。ま、あの小説を宝塚歌劇で上演しちゃうというのも凄い話であるが、それはともかく、わたしは宝塚歌劇の90分ほどの舞台で、あの物語を描けるのだろうか? と素朴に疑問を感じた。が、結論から言うと実に見事に、実に美しく舞台化されており、ズバリ言うと小説未読でも映画未見でも、十分楽しめる構成となっていたと言えよう。
 物語は幕末、津軽南部藩(※正式には盛岡藩)の下級武士が、飢饉や不作で貧しい生活に窮した末に、妻子を故郷に残して単身上洛、新選組に入隊して人殺しを仕事として、人斬りで稼いだ金を家族に送り続けた男の物語だ。
 なので、ほとんどの人物は実在の人物なのだが、本作で一番泣けるのが、様々な物語で有名な新選組三番隊組長の斎藤一と、南部藩を脱藩した主人公である吉村貫一郎の、二人の実に対照的な生き方だ。
 斎藤は史実はもう別として、本作では「帰る場所のない」「死にたがっている男」として、冷酷(?)でキレた男として描かれている一方で、吉村は逆に、「帰る場所があり」「絶対に死にたくない」と思っている。が、歴史は後の大正の時代まで斎藤は生き残り、吉村は戊辰戦争序盤で逝ってしまう。その皮肉な結末がグッとくるわけだ。さらに、どうやら架空の人物らしいが、吉村には故郷南部藩で竹馬の友と呼べる大野次郎衛門という男がいて、その親友・大野との心の交流が美しくまた残酷で、実に心打たれるエンディングとなっているのも大きなポイントだろう。
 そういった、こうなってほしいと望む未来がことごとくうまくいかず、まったく運命って奴は残酷だぜ、と思わせる悲劇的物語なのだが、実のところ、「運命」と簡単な言葉で表現するのはちょっと違うとわたしには強く感じられた。なぜなら、キャラクター達はみな、確実に納得の元に行動しており、別に何か天の配剤のような抗いがたいなにか、に操られたわけではないと思うからだ。吉村も斎藤も、そして大野も、自らの信念のもとに、自らの選択を行って、最終的に悲劇的な結末を迎えたのであって、おそらく、死した吉村の胸中には、無念や恨みのようなものはなく、ある種のすがすがしさというか、後悔めいた思いは全くなかっただろうと思う。恐らくそこが、この物語の美しさをより一層引き立てているのではなかろうか。
 まあ要するに、とても面白かったです。はい。
 というわけで、各キャラと演じたジェンヌをまとめておこう。ついでに、自分用備忘録として映画版で演じた役者名も記しておこう。
 ◆吉村貫一郎:主人公。南部藩下級武士から、脱藩して新選組に入隊。見かけはパッとしないが、剣の腕は最強レベルで剣劇指南。人斬りで稼いだ金で故郷の家族を養うことが目的のため、何かとお金ちょうだい的言動で、守銭奴と呼ばれているが、東北人独特の腰の低さと押しの強さで信頼を得る。
 映画版で演じたのは中井貴一氏。そして今回の宝塚版はもちろん雪組TOPスター望海風斗さん(以下:のぞ様)。とにかくのぞ様は、現役最強歌ウマなのはもうヅカファンなら誰しもが認めるだろうと思うが、わたしとしてはのぞ様は歌だけでなく、演技力も最強レベルだと思う。見事でしたなあ、のぞ様の貫一郎は。中井貴一氏も見事だったけれど、のぞ様も一歩も引けは取らないすね。映画版で感動した方に是非今回の宝塚版を見ていただきたいと思う。そしてやっぱりですね、歌が泣けるんすよ……主題歌が歌詞・曲ともに素晴らしかったし、のぞ様の歌声はやっぱり最強でした。グレイトであります。
 ◆斎藤一:『るろうに剣心』など様々な物語でお馴染みの冷酷でキレた男。映画版では佐藤浩市氏でしたが、今回の宝塚版では、わたしの審美眼では現役最強の美形である朝美絢さん(以下:あーさ)が、ウルトラカッコイイ斎藤一を演じて下さいました。今回わたしは凄いいい席で観る機会を得たのだが、もうあーさの美しさ、カッコ良さにはクラッとしますな。なんでも、先日のFNSうたの夏祭りでは、宝塚歌劇を知らない方々の間で「あの美形は誰!?」と話題になったそうですが、宝塚歌劇を愛する我々としては、もう声を大にして「あれこそ宝塚の誇る美形、あーさだぜ!!」と自慢したいすね。あーさは本当に芝居も、そして歌も! グイグイうまくなってますなあ。失礼ながら、こんなに歌がうまかったっけとか思うぐらいだったすね。実にカッコ良かったす!
 ◆しづ:吉村の妻で、脱藩した吉村を裏切り者と謗られる中、グッと耐えて耐えて夫の帰りを待つのだが……もうその姿にわたしもグッと来たっすわ。演じたのは、映画版では夏川結衣さんだが、宝塚版ではもちろん、雪組TOP娘役の真彩希帆ちゃん(以下:まあやきー)。まあやきーは、このBlogではいつも、ちょっと調子に乗った天真爛漫な明るさが持ち味と書いていますが、役柄としては今回のように、グッと耐える姿も多く、その眉間にしわを寄せた八の字眉のしょんぼりフェイスが最強にイイんすよ。そしてまあやきーの歌はもう、もはやちゃぴ卒業後は現役最強と言っていいでしょうな。歌、芝居、そして可愛らしい容姿、確実に現在の現役最強プリンセスだと思います。のぞ様とのコンビは、間違いなく現役最強歌ウマコンビでしょうな。たぶんヅカファンなら誰も否定しない事実ですよ、これは。
 ◆大野次郎右衛門:吉村の幼馴染であり、婿入りして出世したため、身分違いに。しづ大好きだったが、身分違いのため嫁取りを断念した過去も。なにかと吉村一家を気にかけていて助けてくれるのだが、彼は彼の忠義の元に、吉村に切腹を命じるという重要な役割を演じる。映画版では三宅裕司氏が演じたこの役を今回演じたのは、雪組正2番手の彩風咲奈さん(以下:さきちゃん)。実はわたしは、今回の物語でさきちゃんは斎藤一を演じるのかな? と思っていたのだが、2016年の宝塚版『るろうに剣心』でもさきちゃんは斎藤一を演じており、どうなるんだろうと思っていたら、大野の役が割り当てられ、結果的にはそれでよかったと思います。さきちゃんもまた、演技・歌、ともにどんどんレベルが上がってますね。今回もとても良かったと思います。ラストは泣けたっすね……。
 ◆沖田総司:ご存知新選組最強剣士の一人。映画版では堺雅人氏が演じ、今回は雪組のホープ、永久輝せあくん(以下:ひとこちゃん)が演じたのだが、まあ、沖田総司の世間的イメージ通りの、洒脱な感じで、本作ではあまり大きな役どころはない。しかし、そのひとこちゃんは先日花組への人事異動が発令されたので次の単独主演バウ公演全国ツアー(サーセン、間違えた)を最後に雪組を離れることに。雪組推しの方々は残念に思っているでしょうな……。
 ◆大野千秋:次郎衛門の息子で、吉村の長男とも仲良し。剣術はダメだが頭はよく、後に医者となる。今回演じたのは、綾凰華くん(以下:あやな)。わたしイチオシの星組から雪組へ移動してもう2年になるのかな、当時はとても残念に思ったが、雪組で地道に頑張ってます。あやなくんは、わたしの審美眼では、女子として実に可愛い顔つきで、何気にずっと応援しております。今後、着実にステップアップしてほしいすね。
 ◆土方歳三:ご存知新選組鬼の副長。あーあ、なにもかもめんどくせえ、とか言いながら、きっちり気を配っていろいろなことをやってくれる大人として描かれている。今回演じたのは、雪組の別格スターと言えばいいのかな、もはやベテランとなった彩凪翔さん。ポイントポイントでさりげなくカッコ良かったす。
 ◆松本良純:元将軍家侍医のち明治政府では陸軍軍医総監にして貴族院議員。映画では出てきたか覚えてないなあ。今回演じたのは専科の凪七瑠海さん(以下:かちゃ)。もう専科に移って3年か……。今回は意外とカチャの歌も多いし、ショーでも結構活躍の場面が多かったすね。
 とまあ、こんなところかな。
 で、後半はショー『Music Revolution!』であります。もう、『壬生義士伝』のしんみりムードを吹き飛ばすようなノリノリでキラキラなショーで、当然ながら最強歌ウマコンビの美しいハーモニーは最高だし、あーさはおっそろしくカッコイイし(しかもやっぱり確実に歌がうまくなってる!!)、あやなちゃんはやっぱりどう見ても女子として可愛いし男役としてもカッコ良く、まあ、要するに最高でありました。
 わたしは今回、まるでチケットが獲れず、観に行くことはかないそうにないので、なんならBlu-ray買うしかねえかなあ……とか思っていたのだが、やっぱりですね、ナマに限りますなあ! 生の迫力、生の感動はやっぱり代えがたいものがありますね。のぞ様とまあやきーのコンビは特にそう思うすね。あの歌ウマパワーは、マジ現役最強す。ほんと、チケット譲っていただきありがとうございました!>ズカ師匠!
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「貫一、喰え! 南部の米じゃ! さあ貫一、喰え! 喰わんか!!」
 これはラストの大野次郎衛門の慟哭ですが、ここは泣けたっすねえ……カッコ良かったよ、さきちゃん……。。。

 というわけで、結論。
 チケットがまるで取れず、観劇をあきらめかけていたところで師匠からチケットを譲っていただき(しかも超いい席)、現在日比谷の東京宝塚劇場で絶賛公演中の雪組公演『壬生義士伝/Music Revolution!』を観ることが出来た。ズバリ言うと、わたしのヅカ歴の中でも最高レベルに近いもので、実に満足であります。とにかく音楽が良かったすねえ……そしてあの長い物語が見事に90分に凝縮されていたと思います。望海風斗様&真彩希帆ちゃんという現役最強歌ウマコンビの歌声は、うっかりすると魂が抜けて行ってしまうレベルですな。最高です! そして、わたしが推しているあーさも、実に成長著しく、芝居と歌のレベルはグンと伸びていると思うす。ショーでもカッコ良かったすねえ!! 全然関係ないのだが、開演アナウンス30秒前に、我が星組から今年卒業された、のぞ様と同期の元スターがさっそうと客席に降臨し、マジ興奮したっす。思わず隣の全く知らないご婦人と、笑顔をやり取りしちゃったよ。あーーー! か、かいちゃんだ! と普通に声が出ちゃったのはマナー違反だったかな……叫んだわけじゃないから許して……。お兄様は、今でもバリバリのオーラで、おっそろしく美人&イケメンでした。というわけで、日ごろ何かと世を儚むわたしとしては、そんな暗い気持ちを吹っ飛ばしてくれる宝塚歌劇は最高だと思います! 以上。

↓ 映画版も泣けるっすわ……。最高です。
壬生義士伝
中井貴一
2013-11-26

 まったく根拠はないけれど、おそらく世間一般的に、『オペラ座の怪人』と聞けば、Andrew Lloyd Webber男爵の作曲したあの曲「The Phantom of the Opera」を思い浮かべる人の方が圧倒的に多いのではなかろうかと思う。ええと、たぶん曲を聞けば誰でも知ってるアレです。
 わたしも、2004年版の映画は観たし、その後2010年だったかな、劇団四季の公演も観に行ったので、それなりに知ってるつもりだが、実は原作小説をちゃんと読んだことはない。そう、あの有名な『オペラ座の怪人』という物語は、ちゃんと原作小説が存在していて、Webber男爵の作曲したミュージカルは、いろいろある翻案Verの一つに過ぎないわけですな。
 一方で、宝塚歌劇を愛するわたしとしては、『ファントム』というタイトルでまったく違うVerの「オペラ座の怪人」を原作としたミュージカルが存在しており、しかもかなり人気が高い、ということは知っていたけれど、2010年にヅカ道に入門したわたしは、2011年に上演された花組Verを観に行かなかったので(当時はまだ星組作品だけしか観に行っていなかった)、まあ、いつか見たいもんだぜ、ぐらいにしか思っていなかった。
 わたしのヅカ道の師匠によれば、とにかく歌が素晴らしく、まさしくThis is Musicalな素晴らしい作品だそうで、このたび、現在の宝塚歌劇団で最強の歌ウマTOPコンビを擁する雪組での公演が決まった時は、おおっと、コイツは絶対観に行かねえとダメじゃん! と思ったものの、さすがに人気の演目であり、最強歌ウマコンビということで、まったく、本当にもう、まったくもって、チケットが獲れず、こりゃあライブビューイングしかねえなあ……と完全に諦めていたのが年末ごろの話である。しかし、わたしのヅカ師匠の美しきお姉さまが「あなた、だいもんのファントムを観ないなんて絶対ダメよ!」とチケットを1枚譲ってくれたので、昨日の17時にわたしは仕事を定時で切り上げ、じゃ、オレ日比谷行ってくらあ!と会社の若者たちにシュタッ!と手を振って、東京宝塚劇場へ向かったのであった。

 えーと。まず、感想としては、演じた雪組のパフォーマンスについて、そして歌についてと物語について、と3つに分かれるので、それぞれ綴っていこうと思う。順番は逆に書いた方がいいかな。まずは物語についてから行ってみるか。
 ◆同じだけど全く違う「オペラ座の怪人」
 わたしは観終わって、というか、1幕が終わった時に、激しく驚いていた。というのも、物語がわたしの知っている「オペラ座の怪人」と大筋は同じ、だけどまるで違う!のである。ラウルはどこ行った!?とか、わたしの知ってるWebber男爵版とは全然違う物語にわたしはとても驚いたのであった。まったくもって、へえ~!? である。
 物語としては、顔が先天性の奇形で醜い有様となっている男エリックが、パリのオペラ座(=ガルニエ宮)の地下洞窟(?)に住んでいて、上演演目に口出ししていたりと、オペラ座には幽霊(=Phantom)が住んでいる的な噂がある中、クリスティーヌという歌ウマ女子がエリックの指導によって歌唱力を増していく中、ほぼ狂えるエリックは破滅に向かってまっしぐらに……というものだ。サーセン。超はしょりました。
 この大筋は、Webber版も共通しているけれど、いろいろと、ことごとく、今回の「ファントム」は違っていて、恐らく大きく違うのは、エリックの父でありオペラ座の支配人でもある、キャリエールの存在ではないかと思う。今回のお話は、冒頭でキャリエールが支配人の職を解雇され、新たに別の支配人とその妻がオペラ座に着任するところから始まるのだが、この新支配人アラン・ショレが妻でプリマドンナのカルロッタの尻に敷かれていて(?)、おまけにそのカルロッタもなかなか香ばしいクソ女で、「そんな歌声でオレのオペラ座で歌うつもりかキサーマ!!」と、エリックの怒り爆発、となる展開である。
 まあ、はっきり言って、相当ツッコミどころは多い。また、エリックも余裕で人殺しをする完全なる狂人、にも見える。そしてわたしが本作で、一番、ええっ! そんな、嘘だろ!? とビックリしたのが、ヒロインであるクリスティーヌが、「どうかあなたの顔を見せて。大丈夫、愛があるから、平気よ」的な歌を歌ってから、エリックが、それなら……と恐る恐る仮面を取って素顔をさらすと……「ぎゃああああ!!!」と絶叫してクリスティーヌは逃げて行ってしまうのだ。一応、クリスティーヌはそのあとで、ごめんごめん、ちょっとびっくりしちゃった的に謝る(?)んだけど、まあ時すでに遅し、でしょうなあ……そのクリスティーヌ絶叫ダッシュで超ショックなエリックの暴走が止まらなくなるわけで、イケてない男のわたしとしては、なんだよ、結局「※ただしイケメンに限る」のかよ……ととても悲しく思った。エリック……お前が狂ってるのが悪いけど、あの全力ダッシュはヒドイよな……そりゃショックだったでしょうよ……つらかったろうて……。
 ◆歌に関してはまったくの別物
 これはもう、当たり前だけれど完全に別物で、わたしは初見なので全然知らない曲ばかりであった。わたしとしては、Webber版の方はCDを買って車で聞きまくっていたので聞きなれているせいもあるけど、Webber版の方がキャッチーというか、映像にも合いそうな気がして好きっすね。今回の『ファントム』の方は、もっと荘厳というか、重厚感のある感じがします。ライブの舞台に合うというか、これは生で聞かないとダメでしょうな。まあ、どちらもとてもドラマチックで、盛り上がりは素晴らしく、ヅカ師匠のおっしゃっていた「歌が素晴らしい」という評は間違いなかったと思う。そしてなにより、やっぱり現在の雪組TOPコンビがとにかく素晴らしすぎて鳥肌モンですよ!
 というわけで、以下はキャラごとにキャストについてもメモって行きます。
 ◆エリック:狂える「怪人」。演じたのは当然雪組TOPスター望海風斗さん(以下:のぞ様)。まあ、間違いなくのぞ様は現在の宝塚歌劇団最強のナンバーワン歌ウマでしょうな。すごいよ。とにかく、すげえ!としか言葉が出てこない。圧倒的なパフォーマンスは、他の誰にもできないでしょうな。わたしが一番応援している星組の礼真琴さん(以下:こっちん)も強力な歌ウマだけれど、のぞ様に半歩届いていないと認めざるを得ないと思う。たぶんそれは、テクニック的なものではなくて、やっぱり、発せられるオーラ的なものの差ではなかろうか。それを身に付けるには、もうチョイ、熟成が必要なんだろうな……と今回ののぞ様を見て思いました。ほんと、圧倒的。ウルトラグレイトでした。もちろんのぞ様は歌だけでなく、芝居もとても素晴らしくて、今回のエリックは自分の一人称を「僕」というのだが、その「僕」のニュアンスが、とてもさまざまで、子供のような弱弱しさを伴った「僕」にわたしはとてもグッと来たっすね。のぞ様は、女子としてもとても整ったお美しい方なので、最強の歌唱力と美貌と演技力で、きっと将来退団してもいろんな活躍が期待できると思うすね。ホント最高でした。
 ◆クリスティーヌ:街で歌っているところをお金持ちの伯爵にスカウトされオペラ座入りするも、意地悪なカルロッタに衣装係にされてしまう……が、その歌声を聞いたエリックにひとめぼれ(ひと声ぼれ)されて大特訓し、大抜擢されるに至るがカルロッタの嫉妬によって大変な目にあう気の毒な女子。そしてエリックの素顔を見て絶叫ダッシュで逃走という、男のわたしからすると若干、そりゃないよ、なお方。演じたのはもちろん雪組TOP娘役の真彩希帆ちゃん(以下:まあやきぃ)。まあやきぃも現在の娘役では最強の歌ウマで、のぞ様とのハーモニーは大変素晴らしかったですな。普段は若干調子に乗った明るさのある、完全陽キャラのまあやきぃですが、今回のあまり笑わないクリスティーヌもとても良く似合っていました。そして演技もとても上手で、言うことなしです。顔は可愛く歌は超上手、さらに芝居もハイクオリティと、極めて高いレベルのTOP娘役ですね。星組にずっといて、こっちんと一緒にTOPになってほしかったよ……。。。
 ◆キャリエール:オペラ座の前支配人でエリックの父。しかしわたしとしては、その過去が結構衝撃的でびっくりしたすね。結婚してたのに、エリック母と浮気して妊娠させて、バックレてたんですな、この人。語られるところによると、全く自分の意に反した結婚をしていたそうで、エリック母に惚れちゃったそうだが……ううーーむ……不倫&バックレはいただけないですなあ……まあ、エリックをきちんと面倒見てたからお咎めナシなんすかね……でも地下にある意味幽閉してたのは現代で言う虐待でもあって、悲劇を生み出した張本人と言ってもいいだろうと思う。演じたのは雪組の正2番手スター彩風咲奈さん(以下:さきちゃん)。うん、芝居も歌も大変良かったと思います。いわゆる若干の老け役なわけですが、とても良かったし、歌も相当レベルは上がってますなあ。さすがですね。キャラ的にはアレだけど、さきちゃんはお見事でした。
 ◆アラン・ショレ:キャリエールに代わって新たにオペラ座支配人に就任した男。物語的にはほぼ重要ではない。今回は役替わりがあったのだが、昨日ショレ演じたのは、美貌のあーさでお馴染み朝美絢さん(以下:あーさ)。わたしはショレという役がどんなものか知らなかったので、あーさがどの役でもいいやと思ってたんだけど、ショレは、芝居的にはおいしい、けど歌がない!ので、若干あーさ推しのわたしとしては、あーさがシャンドン伯爵を演じるVerの方を観たかったかも、とは思った。しかしまあ、昨日観たあーさショレは、なんか今までにないようなあーさの演技で、若干笑わせるような、なんつうか……すごく「小者」感溢れるダメ男でしたな。でも、ひげあーさは相変わらずのイケメンで大変良かったと思います。髭面のあーさは初めて見たかも? すね。
 ◆カルロッタ:ショレの妻でゴリ押しによってプリマに就任する今回の悪役。とにかく、細かいギャグめいた言動と、いやーーな性格で、わたしとしてはぶっ殺されても同情は沸かず、むしろざまあとしか思えないお方でした。演じたのは、ベテランの舞咲りんさんで、この方は……おっと、そうなんだ、85期なんだ? へえ、ちえちゃん(柚希礼音さん)と同期じゃん。さすがに大ベテランとして、歌も芝居もとてもクセがすごかったすね。お見事っす。
 ◆シャンドン伯爵:お金持ちでオペラ座のパトロン。クリスティーヌをスカウトしたイケメン。前述の通り、ショレとこの伯爵の2つの役を、あーさと彩凪翔さんが役替わりで演じているのだが、昨日のシャンドン伯爵は彩凪さんであった。出番はショレより少ない、けどソロ曲がある分おいしい、感じだろうか。彩凪さんの番手は若干不明確だけど、今後も頑張ってほしいですな。カッコ良かったです。
 まあ、メインキャストは以上な感じだが、ひとり、この人のダンスは超キレてる!!とわたしの目をくぎ付けにした方がいたのでメモしておこう。それは92期、彩凪さんと同期の笙乃茅桜(しょうの ちお)さんだ。今回は、エリックの従者(?)という謎のファントム・ダンサーズの一人で、たぶん一番ちびっ子で、髪がソバージュの黒ずくめの人、だったのだが、とにかく! すっごいダンスがキレてる!! 素晴らしかったすねえ!! いやあ、わたしはもうヅカ歴今年で10年なのに、初めて知ったかも。こんなダンスのすごいお方のことを知らなかったのが恥ずかしいす。若手なのかな、とか思っていたけど、パレードで降りてくるのがかなり後で、あれっ!? じゃあ結構なベテランか? と帰って来てからプログラムをチェックして初めて認識したっす。あのダンス力はホント素晴らしかった! 笙乃さんのダンスは今後もちゃんとチェックしようと思います。
 あと、今回は師匠手配のチケットでかなりいい席だったので、双眼鏡を持って行かなかったんだけど、やっぱり双眼鏡がないと、わたしレベルでは下級生の顔は分からんすな……わたしがひそかに応援している雪組の将来のヒロイン候補、潤花ちゃんを見つけられずしょんぼりっす。そして雪組の将来のTOP候補で、新公でエリックを演じる綾凰華くんはちゃんと見分けられました。あーあ……星組に今でもいてくれたら……将来楽しみだったのになあ。まあ、歌をもっともっと鍛えて、雪組の将来を背負えるスターになってほしいすね。

 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「撃ってくれ! 早く……! 父さん……!!!」
 今回は、ラストのエリックの悲痛な叫びをイケ台詞に選びます。この、「父さん……!!!」というエリックの悲しみが胸に刺さったすねえ……エリックが狂っていたのはもう間違いないけれど、なにもあんな悲劇を味わうこともないだろうに……世の中イケメンが正義なんすかねえ……イケメンに生まれなかったわたしとしては、大変残念に思います。。。つらいすわ……。

 というわけで、結論。
 現在日比谷の東京宝塚劇場では、雪組による『ファントム』が絶賛上演中であります。まあ、わたしの知っているWebber男爵による『オペラ座の怪人』とは、まったくの別物、と結論付けてもいいような気がします。そして現在の雪組TOPスターコンビは最強の歌ウマコンビであり、演目としても『ファントム』はThis is Musical な素晴らしい作品で、その歌声はもう、生で観ないとダメというか、生でこその迫力はすさまじく、まさしく鳥肌モンでありました。まったくもってブラボー、それに尽きると存じます。のぞ様は間違いなく、現役最強の一人でしょうな。まあやきぃもまた同様に素晴らしい歌唱力は強力な武器っすね。星組推しのわたしでも、恐らく、現在の星組ではまず無理な演目だったと思うし、今現在で言うなら、花組のみりおちゃんとゆきちゃんなら出来たかも、ぐらい高度な歌唱力の要求される作品でありました。まあ、今後こっちんがその強力な歌唱力で素晴らしいTOPスターになる日を楽しみにしたいと存じます。別に急がなくていいんだよ……まだ熟成が必要だと思うので、なんならこっちんの前に、みやちゃんが短い期間でも良いので、星組TOPになってほしいす。と、感想が脱線したので、以上。

↓ これを買うべきか? と悩んだんすけど……。今回の雪組Verは、Blu-ray買ってもいいすね。後に伝説となり得る素晴らしいパフォーマンスでした。

 以前も書いた通り、わたしが愛する宝塚歌劇団は、花・月・雪・星・宙の5組がそれぞれ公演を行っているわけだが、年に1回、毎年年末に各組TOPスターが梅田芸術劇場メインホールに集合して、合同の公演を行う機会がある。この公演は現在では『タカラヅカスペシャル』と呼ばれていて、昼と夜の2回公演を2日間、合計4回の舞台が繰り広げられるのである。
 ただし、そのタイミングで東京公演を行っている組は参加できないので、その東京公演組以外の4組+専科のスターたちから構成されているのである。ちなみに今年は宙組が東京公演中につき欠席、ということになっている。
 で。毎年、この『タカラヅカスペシャル』にはテーマがあるのだが、今年はどんなテーマかというと、公式Webサイトの文章を無断でパクッて説明すると――
「年に一度、専科、花、月、雪、星組で活躍中のスター達が集う夢の競演を、梅田芸術劇場より華やかに開催いたします。今年は、平成も最終年を迎えるにあたり、宝塚においても多くの変化のあった平成の30年間をフィーチャーしつつ、2018年の公演を振り返るコーナー等も含めた、バラエティ豊かな構成でお送りいたします。」
 ということだそうだ。えーと、ま、ズバリ言ってよくわからんと思うので、簡単まとめると、この平成最後の『タカスペ』は、この30年の歴史を振り返ります、てなことだと思う。実際、最初の方で説明があったのだが、今年はいろいろなメモリアルが重なったのだそうだ。
 ◆10年:現在の形で『タカラヅカスペシャル』となって10年目、だそうです。それ以前は「TCAスペシャル」という公演名で、場所も梅田じゃなかったりしたそうだが、その時代はわたしはよく知らないす。ちなみにTCA=タカラヅカ・クリエィティブ・アーツの略で、宝塚の映像音楽ソフトの管理販売をしてる子会社のことですな。
 ◆20年:今年は「宙組」が誕生して20年目なのです。それはつまり有楽町に暫定的に設置されたTAKARAZUKA1000days劇場から現在の日比谷の東京宝塚劇場のリニューアルが完成して、東京公演を通年公演を開始して20年、なんだそうだ。つうか、その宙組がタカスペ欠席ってどうなのよ……。
 ◆30年:あ、やべえ、なんだったか忘れた。なんか30年もあったはずだけど、サーセン、なんだっけ? 単に平成30年、ってことだっけ?
 ◆40年:宝塚大劇場の横にある、「宝塚バウホール」が出来て今年で40年なんですって。全然知らなかったわ。
 というわけで、以前は基本的に、「今年を振り返る」的な構成で、各組のその年の公演をパロディ化したドタバタ寸劇なんかもあったのだが、ここ数年は寸劇ナシの、歌を中心としたコンサートに近い構成になっていて、今年もそういう歌中心の真面目な?ショーであった。一応、今年のポスター画像を貼っておこう。
Screenshot
 で。
 この『タカスペ』で、おそらくファンが一番うれしいことは、普段観ることができない、組が違うスター同士が一緒に歌うシーンを観られることに尽きると思う。例えば月組のTOPスターと花組のTOP娘のデュエットとか、組が違う同期スターたちが共演するとかですな。なので、『タカスペ』をたしなむには、舞台に登場するスターの知識とか(誰だ?とか言っていてはダメなのです)、歌う歌の知識(この歌なんだっけ? とかも基本アウト)も持ち合わせていないとダメで、高度な宝塚知識が必要になる。つまり、ズカ道黒帯でないと、「おおっ、キター!」とか、いちいちキャッキャできないのである。わたしは2010年にヅカ道に入門して早9年。期で言うと96期生と同期。まだまだ精進が必要だが、一応、自称黒帯である。
 というわけで、わたしが今年の『タカスペ2018』で、一番「おおっ!」と燃えた(萌えた)のは、やっぱりですね、月組TOPスター珠城りょうさん(以下:たまきち)と、花組TOP娘役の仙名彩世さん(以下:ゆきちゃん)のデュエットであろうと思う。
 なぜグッと来たかというと、まず第一に二人は同期であり、そしてゆきちゃんは来年退団することが決まっているからであり、さらに言うと、二人の歩んでみた道が結構対照的だからだ。そんな二人が、最期のタカスペでデュエットを歌う。ここにグッとくるわけですよ。
 わたしは星組を一番応援しており、星組の2番手スター礼真琴さん(以下:こっちん)が一番好きで応援しているのだが、そんなわたしなのに、月組のたまきちくんが現役TOPスターの中では一番好きである。たまきちくんは94期生、こっちんが95期生なので、1期上、である。1期上、ということは、宝塚においては、同じ時期に音楽学校に在籍したということであり、つながりが大きい間柄だ。そしてゆきちゃんも94期生であり、おまけにゆきちゃんは94期生首席卒業である。こっちんも95期生首席なのだが、こっちんたち95期生からすると、1期上の首席、という存在はもう超憧れの先輩という感じだろうと思う。
 しかし、ゆきちゃんは首席とはいえ、実は華々しい経歴を誇っているわけではない。極めて高い技量を持った娘役であるのは間違いなく、とりわけその美声はわたしはとても好きだが、TOP娘に登極するまでは決して順調な道のりではなかった。新人公演ヒロインも経験できなかったゆきちゃん。そして一方では、同期たまきちくんは早くから抜擢が続き、入団9年目で月組TOPスターに登極。この9年目というのは、異例の速さだ。こんな、若干対照的な同期のTOPスター二人が、組の違いを超えて、退団前の最後のタカスペでデュエットする。そこに、とてもグッとくるというわけであります。さらに言えば、男役と娘役は、TOPになる時期が違っていて、男役が10年目とか遅いのに反して、娘役は普通は5年目とか、もっと早いわけですよ。なので、同期の男役と娘役が、同じ時にTOPでいる、という状況も、普通は結構まれなわけです。なので、たまきちくんとゆきちゃんの同期デュエットは、そういう意味でも、同じ時にTOPでいられた奇跡に乾杯! なわけですよ! いやあ、ほんとに、この1曲のためだけでも、ライビューに行って良かったと思ったす。
 まあ、わたしとしてはその他にもいろいろ見どころはあって、2時間はあっという間に終わってしまったような気がする。わたしが思ったことは、もう箇条書きでメモって終わりにしよう。
 ◆理事の歌声は……若干厳しいというか……むむむ……。。。
 ◆こっちんはさすがにカッコいい! その歌のパワーはやっぱり際立ってますなあ。
 ◆最強歌ウマTOPコンビ、望海風斗さん&真彩希帆ちゃんはさすがの歌力すねえ。
 ◆誰が何言おうと、わたしは星組推しとしてあーちゃんを応援します。かわゆい。
 ◆ゆずかれーは、確かにそのビジュアルは超強力だけど、歌は……むむむ……。
 ◆たまきちくんは最年少TOPだけあって、いじられますねw しかしこの人、ホントに女子としてかわいいと思うな。そしてわたしの大好きな歌、「蒼穹の彼方」は大変結構なお点前でした。ちえちゃんの熱唱を思い出すっすね。
 ◆せおっちはなんかホントに、この1年で成長しましたなあ。特に歌が。
 ◆こっちんと同期のせおっち(星)・れいこ(月)・あーさ(雪)・マイティー(花)といった各組3番手付近の活躍は大変喜ばしいすねえ。
 ◆わたしが娘役で一番応援している海乃美月ちゃんがちらちらと出演するとわたしのテンションは上がるわけですが、くっそう、ライビューだと見切れてる場面が多すぎて、ぐぬぬ……!
 以上であります!

 というわけで、結論。
 年に1回、年末恒例の『タカラヅカスペシャル』。わたしは今までWOWOWで放送されたものしか観たことがなかったけど、初めて、ライブで観てみた。ライブと言っても、劇場で生で観るわけではなく、映画館で上映されるいわゆる「ライブビューイング」だったわけだが、アレっすね、やっぱり画質も若干粗くて、静止してるといいんだけど、動いているともう顔が分からなくなるレベルで、なんつうか、もっと画質の向上をお願いしたいですな。そして今年の『タカスペ』は2時間であっさりおわってしまい。なんかあっという間だったすね。でもまあ、わたしとしてはそれなりに見どころもあって、大変楽しめましたとさ。以上。

↓ おお、今は配信もされてるんですな。2014年は宝塚100周年ということで、この年は東京公演組だった月組も中継でちゃんと参加して、結構楽しかったすね。しかしあれからもう4年経ったのか……はええなあ……。。。

 わたしが宝塚歌劇を愛していることはもう周囲の人々にもお馴染みだが、まあ、なんつうか、誰もが知っている「宝塚歌劇団」であっても、ファンでないと知らないことは数多く、5つの組の名前さえ、恐らくは一般的な常識ではないかもしれない。わたしは5つある組の中で、星組が一番好きで応援しているわけだが、もちろんのこと全ての組の公演を可能な限り観に行っているし、別の組に対して、アンチ的な感情は一切持っていない。むしろわたしは、舞台で頑張る全てのタカラジェンヌを応援しているし、それは、真ん中に立つTOPスターから舞台はじの端役の方まで、皆が全員、明らかに努力し、真摯に己を磨くその姿に、胸が熱くなるからだ。やっぱりですね、生で見ると、ホント、応援したくなるんすよ。頑張れ!って。 ま、完全にわたしの視線は舞台で頑張る娘を応援するお父さんめいた眼差しなんだろうと思うが、なんか文句ありますか?
 そんな風に、全員を応援するわたしでも、そりゃあ当然、より一層熱いまなざしを送る「贔屓」は各組に存在するわけだが、まず、ファンクラブに入ってまで応援している星組の礼真琴さん(以下:こっちん)は完全に別格として、他にも何人も、この組の公演を観る時はこの人に超注目する、という方がいる。いつか、この方が真ん中に立つ時の感動をオレは待ってるぜ、それまで全力で応援させていただくッ!みたいな、若いジェンヌの青田買いめいた応援姿勢がズカファンの基本だと思うのだが、その応援している方が、TOPに立てず退団してしまったりすると、猛烈にしょんぼりしてしまうのである。実は先週、わたしがここ3年ぐらいずっと応援していた方が、次の娘役TOPは大丈夫だよな……? と思っていたのに、残念ながらTOP就任できず、という残念なお知らせが発表された。それは月組の海乃美月さん(以下:うみちゃん)のことである。うみちゃんは新人公演ヒロイン3回、外箱ヒロイン3回、エトワール2回、と、TOP娘役への通過儀礼を順調にこなし、次のTOP娘役は、わたし個人としてはもう確実……だよね? と応援してきたのだが、残念なことに月組の次期TOP娘役は、2期後輩の美園さくらさん(以下:さくらちゃん)に決まってしまった。マジでホント残念だよ……さくらちゃんが悪いわけでは決してなく、むしろさくらちゃんは首席卒業の優等生、その実力は折り紙付きだ。一言で言うなら、うみちゃんにとってはタイミングが悪かった、そしてさくらちゃんにとっては絶好のタイミング、だったのだろうと思う。そうとしか言いようがなく、わたしはこの1週間、ずっとしょんぼりしている。まあ、うみちゃんは退団するわけではなく、TOP娘役の地位を得られなくとも、今後も頑張ってくれると思うし、応援も今まで以上にしたいと思うけれど、なんつうか……ため息が止まらないというか……はあ……ホント残念すわ……こうなったら、入団以来ずっと過ごしてきた月組から組替えして、どこか別の組でTOP娘役として活躍してくれないかなあ……はあ……つらいす……。。。
 とまあ、以上はまったくの余談である。わたしは昨日の会社帰りに、日比谷へ赴き、現在絶賛上演中の雪組公演『凱旋門/Gato Bonito!!』を観てきたのだが、今回のうみちゃんのことがなんだか頭から離れず、真ん中で光り輝くTOPスターだけでなく、周りでしっかりと支える、ひどい言葉で言えば「その他大勢」のみんなの頑張りというか、すべてをかけた舞台づくりに改めてグッと来たというか、たとえTOPスターになれずとも全力を尽くす宝塚歌劇団の団員たちの姿に、妙に胸が熱くなったのである。まあ要するに一言でいうと、いやあ、宝塚歌劇はやっぱり最高っすね、ということであります。そして今回の『凱旋門/Gato Bonito!!』は、文句なく大変楽しめたっす。最高でした。

 まずはミュージカル・プレイ『凱旋門』である。わたしは映画版も観ていないし原作小説も読んでいないので、まったくお話を知らずに観たのだが、大変興味深いお話であった。
 時は1938年。大戦への予兆に不安な毎日を送るパリが舞台である。そして登場人物は、ファシズムから逃げてきたドイツ人・イタリア人・スペイン人や、ロシア革命から逃げてきたロシア人青年だ。彼らはきちんとしたパスポートを所持しているわけではなく、見つかれば強制退去させられる運命にあり(※一部キャラはちゃんとパスポートを持ってるので大丈夫)、自由なパリであってもどこか陰に隠れたような生活を送らざるを得ないというのが基本設定だ。そんな彼らが、時代の奔流に流されながらも、愛を見つけ、必死に生きようとするさまを描いた物語である。
 ズバリ言うと、恐らくこの物語は男と女ではかなり感想が違うような気がした。わたしはモテない男として長年生きているので、主人公ラヴィックの気持ちはやけにリアルに理解できるし、一方のヒロイン・ジョアンの言動に関しては、正直良くわからないところが多い。ただ、双方ともに、わたしから見ると、なんでだよ!? どうしてお前は……という言動をとってしまい、ハッピーエンドとはならないで物語は終わる。しかし恐らく女性がこの作品を観ると、たぶん物語は、まあそうなるわな、という納得の進行なんじゃないかという気もするわけで、その男と女の考え方の違いが、恐らくはこの物語の中心にあるようにわたしには思えた。まったく……ラヴィック……お前って奴は……まったく世の中ままならねえなあ……。というのがわたしの感想である。
 というわけで、キャラ紹介と演じたジェンヌをメモしておこう。
 ◆ラヴィック:ドイツ人外科医でパリに亡命中(というか不法難民)。もぐりの医師として働き、その腕は確かで、パリの病院からの依頼も多く信頼されている。どうやら過去に、ドイツでひどい目に遭って拷問され、恋人を亡くしている。そのため、いわゆる「もう恋なんてしない」的なかたくなさがあるが、イタリアからの亡命者、ジョアンと出会って運命の歯車が回り出す。超客観的に見れば、基本的にネガティブ野郎のウジウジ野郎だが、男としては、許してやってほしいと思う。男は大抵こういう生き物なんすよ……。演じたのは、専科の「理事」でお馴染み轟悠さん。一部では、雪組大劇場公演に理事が主役ってどういうことだ、と憤っている方も多いらしいが、わたしとしては全然アリ。ピシッとした立ち姿はさすが理事です。でも、やっぱり歌力は、若干アレなんすかね……。なんつうか、今年初めに理事が演じた『ドクトル・ジバゴ』と若干キャラが似てるような気がしますな。ちなみに理事が雪組TOPスターだった2000~2001年(17~18年前!)に本作は上演されていて、今回はその再々演、しかも役は同じという珍しい公演となっている。
 ◆ボリス:バーのドアマンとして働く亡命ロシア人。ラヴィックの親友。この人はちゃんと正式なパスポートを持っているので、こそこそする必要がない。そしてロシア人のくせに、恐らく一番のリアリストで、しっかりしている。本作ではボリスは狂言回しとして舞台に出てくる機会も多い。演じたのは、雪組TOPスター望海風斗(以下:だいもん)さん。とにかく歌ウマ。だいもんの歌はホントしびれるすな。その歌唱力は現役ナンバーワンだと思う。最高でした。なお、TOPスターなのに主役じゃない、という作品は、珍しいけど過去にもあることだし、歌が多く、結構おいしい役だったようにも思えた。なので、わたしとしてはボリス=だいもんはアリ、です。むしろだいもんがラヴィックをやったら若干アレだったような……だいもんはウジウジ野郎よりはボリス的キャラの方が似合ってるような気がする……けど、いや、やっぱりだいもんラヴィックも全然アリか? だいもんは何でもできるスーパーTOPなので、だいもんラヴィックも観たかったかも、すな。
 ◆ジョアン:イタリアからの亡命者。ジョアンはパスポート持ってたのかな? サーセン、設定忘れました。ともあれ、ジョアンは一緒にイタリアからやってきた男が死に、絶望に打ちひしがれてパリをふらふらしているところでラヴィックに出会い、出会って推定3分で死んだ男のことを忘れ、ラヴィックを愛するようになる。そしてボリスの勤めるバーで歌手デビューし、チャラい生活を愛するように。―――と書くとかなりわたしの主観バリバリな、若干の悪意がこもってしまうけれど、サーセン、そうとしか見えないんすよ、男からすると。しかし、女性目線に立って想像するに、彼女はただ単に生きることに一生懸命なだけで、過去の男を3分で忘れるのも女性としては当然の行為なんだろう、と思う。たぶん。男としては……キツイっすわ……。演じたのはもちろん雪組TOP娘役の真彩希帆さん(以下:まあやきー)。その可愛さ、ちょっと調子に乗った明るさ、そして歌のうまさと演技力は現役TOP娘役の中でも随一だと思う。大変可愛いですよ、まあやきーは。歌も見事だし、芝居も良かったですな。まあ、若干暗ーい影のあるお話だけど、まあやきーの天性の明るさは意外とキャラに合ってたように思います。お見事でした。
 ◆ハイメ:スペイン動乱からパリへ逃げてきた元軍人。砲弾を受けて足を怪我し、ラヴィックに治療を受けたことがある。演じたのは美貌のあーさでお馴染み朝美絢さん。役柄的にはあまり目立たないはずなのに、その華のある美貌は、どうしても舞台上で目立ちますな。あーさはほんとキレイな整ったお顔ですよ。あ、初演の時のハイメはとうこさんでお馴染み安蘭けいさんが演じたんすね。そうだったんだ。なるほど。
 ◆ユリア:ハイメの彼女で同じくスペイン人。フランスにバイオリン留学をしていたため正規のパスポートを持ってる。演じたのは99期の彩みちるさん。わたしはこの方を今までほぼ意識したことがなかったけれど、可愛いですなあ!? オレの眼はまったく今まで節穴でした。今後注目したいと存じます。
 ほかにも大勢の雪組メンバーが本作を作り上げてくれましたが、長いのでとりあえず以上にしておきます。そして後半はショー、『Gato Bonito!!』であります。
Gatobonito
 「Gato Bonito」ってのは、ポルトガル語で「美しい猫」という意味だそうだ。まあ、Gato=Cat、bonito=beautiful、ということなんだろうと思うが、本作のサブタイトル「~ガート・ボニート、美しい猫のような男~」が示す通り、猫をモチーフとした大変キラキラショーであった。いわゆる「黒塗り」のラテンショーである。なんでも、雪組TOPスターだいもん様は、猫っぽいと言われるようで、そのイメージを具現化してみました的な作品なわけだが、わたしとしては、雪組で猫顔といえばそりゃあやっぱりあーさだろ、と思うわけで、わたしはずっとあーさを双眼鏡で追っておりました。今回もあーさは女装(女性に女装というのはかなりおかしいというか変けどそうとしか言いようがない)がありましたな。男のわたしとしては大変な俺得であります。
 そして、今回のわたしの席は、20列目、前のブロックの一番後ろで通路に面しており、しかも下手側ブロックだったのです。何が言いたいか、観た人なら分かりますね? そうです! わたしの30cm後ろを「黒猫のタンゴ」を歌うだいもん様が通ったのです! 一瞬聞こえた生声にもう大興奮! 最高でした! やっぱり細っそいし、顔も小さいし、華奢ですなあ……。『凱旋門』では抑え目なキャラだっただいもん様は、ショー『Gat Bonito!!』ではハジケまくり、とにかくキラキラでありました。マジ興奮したっす。
 
 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「あの鳩たちは、いつまたこの街に戻って来るだろう……」
 今回は、ナチスがチェコへ侵攻したことが報じられ、迫りくる戦争への不安の中、街から鳩がバサバサバサっと飛んで行ってしまう(照明でうまーく表現されている)シーンで、主人公ラヴィックが言うこのセリフにしました。まあ、ヨーロッパにいる限り安全な場所はもう無くなってしまったわけで、アメリカに逃げるしかなかっただろうな……あの場面では……。戦後、ラヴィックとボリスが再び再会できたことを祈りたいすね……。

 というわけで、結論。
 このところ、なんとなくわたしの身の回りでは、しょんぼりするようなことばかりが起きていて、ホント、わたし自身暗ーい気持ちでいたのだが、やっぱり宝塚歌劇を観に行くと、気分もアガりますな。まあ、今回の雪組公演『凱旋門』は、そんなわたしの気分に同調するような暗ーいお話ではあったけれど、まあ、ちょっとだけ元気が出たっすわ。そしてショー『Gato Bonito!!』は大変キラキラしたショーであり、黒塗りメイクはちょっとギラギラ感がアップするっすね。なんか元気ももらったような気がします。結論としてはですね、いやあ、宝塚歌劇は本当にいいっすね! であります。以上。

↓ 原作小説の著者、Erich Maria Remark先生は、「西部戦線異状なし」でお馴染みのドイツ人で、1938年にアメリカに亡命した方です。読んでみたい。
凱旋門(上)
エーリッヒ・マリア・レマルク
グーテンベルク21
2015-03-04

凱旋門(下)
エーリッヒ・マリア・レマルク
グーテンベルク21
2015-03-04

 今日から仕事始めの会社も多いと思うが、わたしの会社は明日からである。というのも、ホントは今日からにしようと思ったのだが、今日、1月4日は、うっかり愛する宝塚歌劇のチケットが幸運なことに宝塚友の会の抽選で当選してしまったため、今日は休みとして、2018年最初の宝塚歌劇を観劇してきたのであります。
 というわけで、現在日比谷の東京宝塚劇場で絶賛上演中なのは、雪組公演『ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~/SUPER VOYGER―希望の海へ―』というミュージカルとレビューショーの2本立てである。本公演は、新たなる雪組TOPコンビの大劇場お披露目公演であり、かつ、現役最強の歌ウマと言われる望海風斗さん(以下:だいもん)と、これまた歌ウマな真彩希帆ちゃん(以下:まあやちゃん)の二人にふさわしく、かの元・宙組TOPスター和央ようかさんの旦那としてもおなじみのフランク・ワイルドホーン氏の楽曲による作品で、わたしはもう、今日は大変に期待して日比谷に向かったのであった。
 わかりやすく言うとわたしの脳内では、最強歌ウマ(だいもん+まあやちゃん)×ワイルドホーン氏の楽曲=超最高に決まってるじゃねえか! という計算式が成立していたわけです。そして観終わった今言えることは、この事前のわたしの計算に間違いはなく、全て計算通り! な素晴らしい作品で、大いに楽しめたのでありました。いやあ、ホント、だいもんの歌ウマぶりはもう分かり切っていることであったが、まあやちゃんがこれほどまでに歌えるとは、ちょっと想像以上でわたしは大満足であります。あんなにちびっ子(※公式では164cmなのでそれほどちびっ子ではない)で超華奢なのに(ウエストの細さが普通の人の首ぐらいしかない!)、真彩ちゃんにはホントやられたというか、現在の娘役TOPとしては、もちろんナンバーワンは月組のちゃぴちゃんであることは揺るがないとは思うけれど、歌だけに限っては、まあやちゃんはちゃぴに比類する凄い娘役であるとわたしの中で認識を新たにする必要がありそうだ。それほど、素晴らしかったです。 
 その実力のほどは、↑この動画でも明らかであろうと思う。これはマジで生で観た方がいいすね! 本作は、久しぶり? に歌率の高い作品で、数多くの歌を味わえる作品であった。
 まずは、作品について触れる前に、去年後半からかなり顔ぶれの変わった各組のTOPスター及びTOP娘役など、備忘録としてまとめておこうと思う。今現在、宝塚歌劇の各組は、以下のような陣容となっている。
TOPスター TOP娘役 2番手スター、主な新公主演経験者、
わたしの注目する娘役
花組 明日海りお
(みりお・89期)
月→花
2014年5月~
最強ビジュアル
仙名彩世
(ゆきちゃん・94期)
すっと花
2017年2月~
柚香光/95期/かれー/ずっと花/新公主演3回
瀬戸かずや/90期/あきら/ずっと花/新公主演1回

月組 珠城りょう
(たまきち・94期)
ずっと月
2016年9月~
最年少プリンス
愛希れいか
(ちゃぴ・95期)
ずっと月
2012年4月~
最強プリンセス
美弥るりか/89期/みやちゃん/星→月/新公主演1回
月城かなと/95期/れいこさん/雪→月/新公主演3回
暁千星/98期/ありちゃん/ずっと月/新公主演3回
海乃美月/97期/うみちゃん/ずっと月/新公ヒロイン3回
雪組 望海風斗
(だいもん・89期)
花→雪
2017年7月~
最強歌ウマ
真彩希帆
(まあやちゃん・98期)
花→星→雪
初舞台は月、組周りで宙も経験ありで全組制覇と珍しい歌ウマ娘
2017年7月~
彩風咲奈/93期/さき/ずっと雪/新公主演5回
朝美絢/95期/あーさ/月→雪/新公主演2回
永久輝せあ/97期/ひとこ/ずっと雪/新公主演4回
綾凰華/98期/あやな/星→雪/新公主演1回
星組 紅ゆずる
(紅子先輩・88期)
ずっと星
2016年11月~
意外と泣かせる最強コメディエンヌ
綺咲愛里
(あーちゃん・96期)
ずっと星
2016年11月~
意外な低音ボイスがイイ
礼真琴/95期/こっちん/ずっと星/新公主演3回
 ※わたしが一番応援しているお方。超歌ウマ。
七海ひろき/89期/かい/宙→星/新公主演1回
天華えま/98期/ぴーすけ/ずっと星/新公主演2回
極美慎/100期/きわみしん/ずっと星/新公主演1回
 ※今の星組若手でわたしのイチ推し。
星蘭ひとみ/101期/せーらちゃん/新公ヒロイン1回
宙組 真風涼帆
(ゆりか・92期)
星→宙
2017年11月~
長身の御曹司
星風まどか
(まどちん・100期)
ずっと宙
2017年11月~
芹香斗亜/93期/キキ/ちゃん星→花→宙/新公主演4回
愛月ひかる/93期/あいちゃん/ずっと宙/新公主演4回
蒼羽りく/93期/りく/ずっと宙/新公主演3回
桜木みなと/95期/ずんちゃん/ずっと宙/新公主演2回
 とまあこんな感じだと思う。わたしは星組イチ押しなわけだが、各組ともに2番手3番手ぐらいまで充実してきましたな。そして今回わたしが大絶賛しているまあやちゃんは、2年チョイ? わが星組にも所属していたことがあって、歌ウマであることは知っていたけれど、とにかく今回のヒロインは素晴らしかったと思う。
 というわけで、本作『ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』だが、物語は宝塚の様々な作品に登場するロベスピエール閣下の栄光と挫折を描くもので、あの革命に燃えていた正義の男が、如何にして世界史史上最初のテロリスト=恐怖政治家になったのか? という物語だ。
 ロベスピエールと言えば、革命を指導する正義サイドに描かれたり、恐怖政治によって人々を処刑しまくる悪役サイドのボスとして描かれたり、作品の視点によってさまざまなわけだが、彼自身を主人公とする物語は今回が初めてではなかろうか。いずれにせよ、革命初期と後半ではかなり人物像に違いがあるのは間違いなく、その、いわば「ダークサイドに堕ちる」きっかけが本作で一番のキーになるのだろうとわたしは想像していたわけだが、本作では、その陰にタレーランをはじめとする陰謀めいた動きがあったという解釈となっている。
 タレーランと言えば、LEGEND柚希礼音さん(以下:ちえちゃん)主演の『ナポレオン』において、北翔海莉さん(以下:みっちゃん)が演じた、あの杖を突いている足の悪い外務大臣のことで、どうやら歴史上はタレーランは本作の舞台となる1793年から1794年にはイギリスに亡命して(その後アメリカに渡って)いたのでフランスにいたことはないはずだが(フランスに帰国したのは1796年)、どうやら本作では、実はタレーランの陰謀が、という物語になっている。わたし的にはもう、ちえちゃんナポレオンでのみっちゃんが超素晴らしかったので、悪役とは思いたくないのだが、今回のタレーランは悪い人でしたねえ! まあ、こういう歴史の誤用は、フィクションとしては十分アリ、だとわたしは思った。
 というわけで、またフランス革命について書きだすと超長くなるのでやめておきます。以前『スカーレット・ピンパーネル』の時に書いた長い記事はこちらですので、興味があればどうぞ。まあ、宝塚作品では様々に取り上げられる事件なので、一度整理しておくと物語がもっと面白くなると思いますよ。
 で。とにかく本作では、だいもん&まあやちゃんの歌ウマコンビによる素晴らしい曲が堪能できるわけだが、この二人以外でわたしがグッと来たジェンヌを以下列挙しておこう。
 まずは、礼儀として、本作で退団を発表されている専科の沙央くらまさん(以下:こまちゃん)を挙げねばなるまい。わたしは2010年から宝塚歌劇を嗜むようになったわけだが、こまちゃんとの最初の出会いは、2011年の雪組版『ロミオとジュリエット』だったと思う。あの作品で、ジュリエットの乳母を演じたこまちゃんがやけに目立っていて、以来ずっと顔と名前の一致するジェンヌの一人だったのだが、とうとう退団の時が来てしまった。乳母の「ロミオなんざ、パリス伯爵に比べたら雑巾ですよ!」という台詞がわたしには忘れられないす。今回のこまちゃんは、ミュージカルでもソロがあったし、ショーの方でも明確なソロパートがあって、送り出す的雰囲気もあってとても嬉しかったす。一番長く過ごした雪組で卒業を迎えられて、ホント良かったと思った。
 次は、本公演から雪組大劇場デビューとなった、月組からやってきた美貌のあーさ、こと朝美絢さんだ。やっぱりこの人は美しい、ホント美人ですな。ソロ曲もあったと思います(確か)。わたしはあーさに、1度はムラで、1度は日比谷でばったり出会ったことがあるけれど、何というか、顔の造詣が超整っているというか、何度も言いますが美人ですよ。サングラスしてても一発で、あっ!あーさだ!と分かるレベルでしたな。入れ替わりで雪から月へ移動したれいこさんこと月城かなとさんも美人ですが、わたしの好みとしては実はあーさの方が上です。今後のあーさの雪組での活躍に期待したいですな。歌もかなり良くなって、大変素晴らしいジェンヌだと思いますね。今回演じた役柄は、フランス革命では重要人物のサン=ジュスト。あ、本人も美貌だったんだ。そりゃあ―さにピッタリですな!
 次は、とうとう雪組の2番羽を背負うに至った彩風咲奈さん(以下:さきさん)だ。応援されている皆さんは、今回の2番羽を背負って大階段を下りてくるさきさんの姿に感無量でしたでしょうな。このお方は、八重歯で分かります。何気に背も高く、新公主演も5回も経験しているし、ようやく明確な2番手として、今回は歌もかなり堪能できました。いずれ確実にTOPになれると信じて応援したいすね。今回の役柄としては、これまた意外と様々な作品にも登場するジョルジュ・ダントン。泣ける最期でしたなあ。
 最後にもう一人。タレーランとともに陰謀をめぐらす? ロラン夫人を演じたのが、いつもは男役の彩凪翔さん。わたしはキャストを予習していなかったので、最初のころ、おかしい、彩凪さんがいねえぞ? とか思ってたオレのバカ! なんと今回は思いっきり夫人で最初から出てた! ことに途中で気が付いた。声からしてきっと普段は男役の方だろうと思っていたけれど、彩凪さんだったとは。見抜けなかったわたしはヅカオタ失格です……!

 というわけで、後半はショー『SUPER VOYGER―希望の海へ―』である。これがまた大変ノリノリで、おまけにTOPコンビの歌も素晴らしく、大変楽しめたのでありました。
yukigumi
 実はわたしはおとといの1月2日にNHK-BSで本レビューショーが放送されていたのをちゃんと観て予習していったので、開演前にキャトルで公演プログラムを買う時に、3分ほど迷ったんすよね……何を迷ったか、お分かりですよね? そうです。ポンポンです。買わねえとダメなんじゃねえかなあ……と、ホント悩んだんすよ? でも、でも……既にアラフィフのおっさんがポンポンを振り回してはしゃいでいる図を想像すると、ああそりゃあイカン! と自分却下となってしまったのであります。
 しかしですね……結論を言っていいですか?
 この作品を観に行く人は、絶対買っていくべきです! 絶対その方が楽しいと思いますよ! 買わなかったオレのバカ!! ↓この動画で、ちょっと練習していくことを強くお勧めします! このセンターのお方が、わたしが上でさんざん美人だと言っているあーささんこと朝美絢さんです。お綺麗でしょ?

 というわけで、だいもんこと望海風斗さんのTOPお披露目を祝う、素晴らしいショーで大満足でありました。
  では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「それがあなたの理想?」
 「いや、願いだ。願いは未来だ。理想は思い出と共にある」
 今回は、少し前半にあるこのセリフを選びました。今回は歌も多くて、他にもかなりカッコイイセリフが多かったけれど、願い、希望は未来だというセリフがわたしは今回一番グッと来たっすね。みんなのためを思って戦ってきた、けれど、最後はダークサイドに堕ち、断頭台の露と消えたロベスピエール。彼を単純な悪党とは、やっぱり思えないですな……。大変グッと来た物語でありました。

 というわけで、結論。
 現役最強の歌ウマと言われる望海風斗さん。いよいよ雪組TOPスターとしての大劇場お披露目となった『ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~/SUPER VOYGER―希望の海へ―』をさっそく日比谷にて観てきたが、期待にたがわぬ素晴らしい作品であった。そして、相手のTOP娘役、真彩希帆ちゃんの期待以上の歌のすばらしさに、もう大興奮である。いやー、ホント良かったすねえ! ショーの方も、とてもだいもんのお披露目を祝う雰囲気もアリ、一方ではきっちりとこまちゃんの卒業を見送る雰囲気もあって、大変良かったと思います。しかし、とにかく今回、わたしとしてはまあやちゃんの歌にKOされたわけで、まあやちゃん……恐ろしい娘! と思いました。以上。

↓ 大学時代、この「ダントンの死」をドイツ語で読みました。翻訳しているお方が、もう亡くなってしまったけどわたしの指導教授でした。このダントンが、本作で出てくるジョルジュです。

 何度もこのBlogで書いていることだが、わたしは宝塚歌劇を愛してやまない、珍しい男の一人である。まあ、いまさらその魅力について書くことはしないが、中でも、わたしは星組が一番好きである。なので、星組の公演は、何度だって行けるものなら行きたいし、実際、2回3回と観に行くこともまれではない。が、知らない人は知らないだろうが、知っている人は知っている通り、宝塚歌劇には5つの組があり、他の組、星組以外の公演はどうなのよ、と言われると、勿論ほかの組の公演もわたしは可能な限り観に行くが、まあ、大抵は1回しか行かないのが現実だ。そもそもチケットの入手からして困難だし。正確に言うなら、1回しか行けない、のが実情である。
 というわけで、わたしは全組公演を観るつもりは満々ではあるのだが、そんなわたしが一番縁がない組が雪組、である。そもそも、雪組は現在4公演連続かな?確か全回満席を達成しており、その人気はとても高く、実はわたしも、観たくてもチケットが取れないことがあるのだ。大変残念なことに。
 全回満席、これがどれだけすごいことか、分かりやすく数を計算してみようか。
 まず、公式Webサイトによると、本拠地宝塚市の「宝塚大劇場」の座席数は2,550席。そして日比谷の「東京宝塚劇場」の座席数は2,065席だそうだ。で、公演回数は、演目によって違うのだが、貸し切り公演や新人公演を含め、だいたい45公演としておこうか。てことは、宝塚で2,550×45=114,750、そして日比谷で2,065×45=92,925、合計で207,675人の動員、ということになる。それが本当に一瞬で完売となるのだから、ホントすげえと思う。ただ、熱心なファンの淑女の皆さんは、ホントにもう何度も観に行くのが当たり前なので、ちょっと興味があって観に行きたいな、と思うような「初心者」ではとうていチケットが取れない状況にあり、その結果ファン層拡大の妨げになっている部分も否めず、かといって、そういう何度見来てくれる「強力なコアファン」を捨てることも出来ず、劇団としては、まあ、嬉しい悩みだろう。会社経営の観点からすると、「ロイヤルカスタマー」を最も大切にするのがブランド管理面では当然王道だが、かと言って門戸を狭めてしまえばブランドの永続性は低くなってしまうわけで、どちらをとるか、極めて悩ましく、だからこぞ、「TAKARAZUKA SKY STAGE」という専門放送局を持って、広く手軽に楽しめるメディアを運営する意義もあるわけだ。ちなみに、わたしは「SKY STAGE」には加入してません。だって! いまどきSD画像で観れるかっつーの! HD放送になったら問答無用で加入するけれど、まあ、そうなったら今度はBlu-ray等のDiskが売れなくなると思っているのだろう。でも、わたしが経営に参加していたら、SKY STAGEの料金をちょっと値上げしてでも、HD放送に踏み切るね。なぜなら、Diskメディアに将来があるとは思えないし、ファンはSKY STAGEの放送やBlu-rayでの視聴よりも、生で、ライブで、劇場で公演を観ることの興奮ときらめきの方が、比べ物にならないほど格段に上だということは、誰しもが感じ、理解しているからだ。いくらハイビジョン画質で公演を放送しようとも、劇場の動員が減ることはないはずだ。それよりむしろアーカイブとしての需要の方が多いことは間違いないだろう。
 と、まあ、どうでもいいことを書き連ねてみたのだが、昨日の夜、わたしは日比谷に推参し、現在東京宝塚劇場で絶賛上演中の雪組公演『幕末太陽傳 / Dramatic "S"!』を観てきた。雪組TOPスターとして2年9カ月(?)の日々を過ごした早霧せいなさん(通称:ちぎちゃん)と、同時に娘役TOPに就任し、苦楽を共にしてきた咲妃みゆさん(通称:ゆうみちゃん)の二人そろっての退団公演である。こういう、男役と娘役のTOP二人が同時に退団することを、俗に「添い遂げ退団」と呼ぶのだが、色々なところで観られる二人の熱い関係は、同時退団という形で幕を引くのが一番なんでしょうな、やっぱり。先に結論から言うと、正直、ミュージカル『幕末太陽傳』は、面白くなかったとは言わないけれど、ちょっと退団公演としてはどうなんだろう、という気がしたものの、やっぱりショー『Dramatic "S"!』には、もうこの二人には劇場で会えないんだなあ……という淋しさが募ってしまい、わたしは帰り道、やけに淋しくてなんかつらく感じたのである。はあ……ちぎちゃんにゆうみちゃん、どうか千秋楽まで、全力で駆け抜けておくれ……と親戚のおじさん風に、とてもしみじみ思うわたしであった。

 さてと。何から書くか……冒頭に記したように、わたしは雪組が一番縁がなく、「ちぎ・みゆ」コンビを観るのは、去年の『るろうに剣心』以来なので、1年以上ぶりである。いや、だって取れないんだもの、チケットが。去年後半の『ケイレブ』も取れなかったし、まあ、人気絶大のTOPコンビである。WOWOWの「宝塚プルミエール」やMXの「TAKARAZUKA Cafe Break」などでお見かけする二人のアツアツ振り(つかむしろゆうみちゃんの一方通行気味なちぎ愛)は、ヅカファンならば誰しも知る仲であろうと思う。そんな二人が添い遂げ退団するのは、ある意味自然な流れなのだが、この時期である理由は、わたしには正直良くわからない。もうちょっとと言う気もするし、ここが引き際、といわれれば、なるほど、と思うしかない。その点は、二人の心のうちにしか正解はないだろう。劇団としても、毎公演完売させる二人には、まだもうちょっと続けてほしい、と思うのが自然だろうと思う。
 しかし、だ。わたしが良くわからんのが、どうして本公演『幕末太陽傳』をとても大切な「退団公演」に選んだのか、という点だ。もちろん、冒頭に記した通り、面白くなかったわけでは決してない。けどですね……はっきり言って超地味ですよ。歌も少ない、立ち回りが派手にあるわけでもない、無音の部分すらもある。ズバリ、二人の芝居にすべてかかっているわけで、確かにちぎ・みゆコンビは抜群の演技力を誇るTOPコンビだが、もうチョイ、送り出す感があっても良かったんじゃねえかなー、と漠然と思ったのである。
 お話は、フランキー堺氏や石原裕次郎氏の名演で知られるあの映画(わたしが観たのは30年以上前なのでもう完璧内容を忘れている)の舞台化なわけだが、どうやら元は落語の演目だそうだ。まったく知らなかったが、実はわたしは昨日、久し振りのSS席ドセンターで、非常に素晴らしい席で観る幸運に恵まれたのだが、わたしのすぐ前には、とある有名落語家が、おそらくはご夫婦で観劇されていて、まあ、そういうことなんでしょうな、と思った。
 いずれにせよ、内容としてはコメディで、主人公・居残り佐平治を演じたちぎちゃんは、ひょうひょうとした男を大変見事に演じていたし、気の強い女郎おそめを演じたゆうみちゃんはとってもかわいかった。映画で石原裕次郎氏演じた高杉晋作を、次期TOP就任が決定している望海風斗さん(通称:だいもん)がカッコ良く演じてくれたのももちろん素晴らしかった。また、大変な目に合う(笑)貸本屋の金ちゃんを演じる、この公演で退団を発表されている鳳翔大さんも、正直出番は少ないけれど一番笑わせてくれたし、この『幕末太陽傳』という作品自体を、わたしはとても楽しめたのは間違いない。なんだけど……退団公演なんだから、もうチョイ派手に、そしてもっと泣かせるお話にしてあげたかったなあ……なんて部外者のわたしが偉そうに思うのが、正直な感想である。でも、まあ、ある意味通常運転、なところに意味があるんすかねえ……。
 一方、ショーの『Dramatic"S"!』である。こちらはさすがにラストということで、歌詞も結構グッと来るものがありましたねえ……愛する人のイニシャルはSですよ……。とりわけ素晴らしいのは、ロケットの後の、「Snow Troupe絆」と、ラストのデュエットダンスでしょうなあ……。本当に泣けてきましたねえ、あそこでは。どうでもいいけれど、わたしと一緒に行ったズカ友のおばちゃん&女子たちは、一人はわたしよりヅカ愛の深い可愛い女子なのだが、他のおばちゃん&女子は、まるでヅカ道素人で(わたし以上に観に行っているはずなのに!)、「Snow Troupe絆」の「緑色」の衣装の意味が分かっておらず、終演後に「あのですねえ、雪組は緑なんすよ!各組にはテーマカラーがあるの!わたしの愛する星組は青なんすよ!」と軽くキレたら、ええー知らなかった―とか抜かしやがって、もうちょっとちゃんと勉強してほしいものだ、つかもうこの人たちと観に行くのヤダ、と軽い絶望を感じました。
 そしてラストのデュエットダンス、ショパンの別れの曲に歌詞を乗せて、しかもカゲソロで、現役最強クラスの歌ウマなだいもんを起用するとは、なんて豪華で美しく、そして悲しく切ないんでしょう……とわたしはとても胸にジーンときました。えーと、一応言っときますが、わたしはもうアラフィフといわざるを得ない40代後半のおっさんですけど、まあ、とにかくもう、なんというか淋しいす。とても……。

 というわけで、わたしはもうちぎ・みゆの見納めをしてしまったわけだが、二人はきっと、役者として芝居が大変素晴らしいお方なので、退団後も、まあ一息ついてからでいいので、活躍していただきたいすね。わたし、ゆうみちゃんの芝居というか声が大好きなので、退団後、舞台に出るならば必ず観に行くよ。まずは東京公演、最後まで悔いなく駆け抜けておくれ。そして、またいつの日か、素晴らしいお芝居を見せてくれることを願ってやみません。ちぎ・みゆコンビに幸あれ。わたしは深くそう思いました。
 おっと、忘れるところだった! というわけで、毎度お馴染みの、「今回のイケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思った台詞のこと。
 「地獄も極楽もあるもんか! おいらはまだまだ生きるんでぃ!!
 今回は、やっぱり一番ラストのこのセリフでしょうな。退団したからといっても、これからもずっと、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることを、心から願います。応援してるよ!

 というわけで、結論。
 稀代のTOPコンビ、雪組の早霧せいなさんと咲妃みゆさんの退団公演となる『幕末太陽傳 / Dramatic "S"!』を東京宝塚劇場にて見届けてきたが、正直、『幕末太陽傳』はアリではあるけれど、退団公演としてもう一本、何かスペシャルなものを用意してほしかったと思うのが正直な感想だ。でもまあ、そのスペシャル感はショーの『Dramatic"S"!』に滲み出ていたので、これでいいのかもしれないすね。そして、そういえばこの『Dramatic"S"!』は、だいもんのプレお披露目の全国ツアーで『"D"ramatic S!』として再演されるわけで、くっそう、やっぱりチケット申し込みすりゃあよかった、と超今さら後悔しております。しかし、はーーーーホント、淋しいすねえ……ちぎ・みゆにもう会えないなんて……退団まで、そして退団してからも、二人に幸あらんことを、心から祈ります。これからも応援しますよ! 以上。

↓ うーん、やっぱり予習しといたほうが良かったのかもなあ……。今は配信でいつでも観られるんだから、観とけばよかったかも……。


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