先日、愛用している電子書籍販売サイト「BOOK☆WALKER」から、コインバックフェアやりま~す的なメールがポロリンと来たので、おっと、ナイスタイミングだぜ!! と全巻まとめ買いした漫画がある。実はその2日前に、偶然、そのサイトで無料配布している漫画が何点かあって、それを眺めていて見つけて1巻を無料でもらい、コ、コイツは妙な中毒性があるぞ!? と大変に気に入り、よーし、次のフェアでまとめ買いしてくれるわ!! と心に決めていた作品であったのだ。なので、そう思って2日後にフェアが来るとは、わたしにとってBOOK☆WALKERはなかなか分かってるストアであり、大層気に入っている。もう購入冊数835冊まで来たぞ。
 というわけで、わたしが全7巻を一気に買って揃えた漫画とは、↓これです。

 タイトルは、『野田ともうします』。講談社の公式サイトで試し読みが出来るので、読んでもらったほうが早いかな。こちらの公式Webサイトの、「お試し読み」をクリックしてみてください。
 埼玉にあるのに「東京平成大学」という名のFランク大学の、文学部ロシア文学科に通う、地味な女子大生の物語である。これがまた、いちいちわたしのつぼにはまる、実に楽しく面白い漫画で、実はわたしはまったく知らなかったのだが、もうこの漫画は完結済みであり、既にラジオドラマやなんとNHKにおいて実写ドラマ化されていたのであった。こういう面白い漫画をまったく知らなかったとは、実にもったいないことをしたというか、まだまだわたしのアンテナも大した事ねえな、と若干しょんぼりである。はーーーー。もっと早く出会いたかったよ……野田さん……。あー……だめだ、動画を貼りつけておきたかったが、違法動画しかないな……ま、ちょっと検索すれば、NHKの実写版(1話5分と短い、が、漫画も1話4Pぐらいなので完全漫画通りに実写化されている)が出てくるので、観たい人は自己責任でご自由に。
 で。
 この漫画を読んで面白いと思うかどうかは、ひとえに主人公の「野田さん」を気に入るかどうかがすべてであろう。というわけで、以下に、「野田さん」がどんな面白ガールなのかを箇条書きであげつらってみることにしたい。
 ◆1巻開始時は、大学1年生、18歳、群馬県出身(群馬のどこかは不明)。群馬愛が激しく、海なし県であることに若干のコンプレックスあり(?)。何かと、ものの例えが群馬オリジナル。
 ◆現在通っている大学は所沢らしき埼玉にある「東京平成大学」。本来、野田さんは地元の国立大学(=群馬大学?)を受験するはずだったが、受験の数日前に交通事故にあって、退院したとき受験できる大学がそこしかなかったため、底辺Fラン大学に入学することになった。
 ◆趣味は読書。ただ、実は子供の頃に、ちょっと本を読んでいたら両親が「まあこの子は本が好きなのね!」と勘違いして、無理やり本ばかりプレゼントされて、仕方なく本好きになった。
 ◆外見はまったくもって地味。だけど、本人は恐ろしく好奇心旺盛でアクティブで、どこにでも行くし、まったく人怖じすることがない、ウルトラ・マイペース・ガール。
 ◆ファミレス「ジョリーズ」にでバイトをしている。まったく制服は似合っていない。
 ◆住んでいるアパートは、野田さん以外全員一人暮らしのおばあちゃん。
 ◆17歳年上のお兄さんがいる。野田さんにそっくりな超真面目人間。
 ◆兄からは、群馬が誇る文豪田山花袋の『蒲団』は読んではならぬ、と禁じられている。

 ……アレッ!? なんか……一生懸命説明しようとあげつらっても、全然面白そうに思えないな……こりゃあイカン。この辺でもうやめて、何がわたしのハートを捉えたのかを説明する方向に変更しよう。
 わたしは、とにかく主人公の「野田さん」にもうぞっこんだ。とにかくおかしい。生真面目でいて、普通の人が持つさまざまな感情も持ち合わせており、笑ったり、密かに怒ったり、しょんぼりもすれば嫉妬もする。ファッションに興味がないわけでもない。実際のところ、ごく普通の女子大生と言ったっていいはずだ。
 それなのに妙におかしいのは、おそらく膨大な知識から来るひらめき力が常人とは違っていて、突拍子もない結び付けをするために、人と話が合わないのである。 しかし、彼女にはまったく悪意がなく、人を貶めようとするようなところは皆無であるため、常に全力で一生懸命であり、彼女の魅力に気づいた周りの人々は、どんどん彼女が好きになっていき、彼女のいない日常には、物足りなさをすら感じてしまうに至るのである。
 以下、その「野田さん」の魅力に引き込まれた主な友人たちを紹介しよう。この周りの人たちも大変面白い人が満載である。
 ◆ 部長:野田さんが入るサークル「手影絵サークル」の部長。3浪している4年生の先輩。常にお団子ヘアの女性。野田さんが大好きな、この人もちょっとおかしい人。NHK実写版では安藤サクラさんが演じた。すげえピッタリで笑える。埼玉生まれの埼玉育ち。海なし県の仲間。
 ◆副部長:同サークルの副部長。眼鏡&ヒゲの自称おしゃれ青年。実家暮らしでお母さんが面白い。一応常識担当だけれど、かなりおかしないい人。NHK実写版では越村友一氏が演じた。これまたぴったり。
 ◆重松さん:常にうつむいている、謎の女子。わたしはこの人が大好き。野田さんと同級生。一言もしゃべらないが、心の中は超・饒舌&毒舌。そして超・大金持ち。何でもお金で解決しようとする。実家は横浜で、大学近くの高級タワーマンション最上階に暮らす。何気におしゃれで可愛いが、とにかく常にうつむいており、心の中で突っ込みまくっている。そしてちびっ子なのに超・大食い。この点も非常におかしく、だいたい何かバリバリ食べてる。野田さんを観察するのが趣味。NHK実写版では小林涼子ちゃんが演じた。一切台詞がないのに、ものすごくピッタリ。この人は本当に最高です。
 ◆山本くん:チャラ男だが、野田さんのすがすがしさに心癒されている。頭は悪いが善人。酔うとすく全裸になる。漫画ではありがちなチャラ男だが、NHK版ではかなりイケメンに。演じたのは相馬圭祐くん。非常にいい奴で、周りの頭の悪い女子たちが野田さんの悪口を言うと、読者に成り代わって怒ってくれたりもする。
 ◆亀田さん:野田さんがバイトする「ジョリーズ」のバイトの仲間のおばさん。夫を亡くしている。一応常識担当だが、野田さんが大好きな仲間。実写版では池谷のぶえさんが演じた。漫画とはかなりビジュアルは違うけれど、テイストはまさしく亀田さんで大変いい。
 ◆富沢さん:同じくバイト仲間の元ギャル。だめんずの彼氏「つとむん」がいるが、常にお金を貢いでいて、一時期、二人は別れたりする。演じたのは元AKBの増田有華ちゃん。漫画よりもかなり可愛くなっている。

 まあ、レギュラーメンがーはこんな感じで、これらの人々に囲まれた大学生活を送るだけのお話で、別に山場もないし、ずっとしゃべっているだけの、いわゆる「部室話」系の漫画だ。
 おそらく、わたしが「野田さん」に惹かれたのは、こういった周りの人々とはちょっと違う点だと思う。
 野田さんは、その膨大な無駄知識を駆使して、あらゆる事象を自分なりの言葉で解釈して話すわけだが、わたしはそういう、自分の世界を持っていて、自分の言葉で一生懸命、どうでもいいことを熱く語る女子にはぐっと来てしまう。要するに、わたしは野田さんに惚れてしまったのである。ちなみに、野田さんを実写で演じたのは江口のりこさんという女優なのだが……髪型が!! 髪形が違うんだよ!! 野田さんは、耳を出しているのに!!! と、ちょっとだけ気に入らない点はあるのだが、おおむね野田さんっぽくて面白い。これは放送のときにチェックしたかったわ……。

 というわけで、結論。
 『野田ともうします』という漫画は、まったくもって今更なのだが、ホントにもう何度も爆笑させてもらった実に面白い漫画でありました。いやー、しかし本当に、いまさらこんな面白い漫画を見つけるとは、実に抜かってました。もうチョイ、漫画道にも精進しないとだめだな……と、改めて反省したいと思います。以上。

↓ 作者の柘植 文先生については正直まったく知らないのだが、これも超面白そうで、買うしかないかなと思ってます……。あーダメ、我慢できない。このBlogをUPしたら即買います。電子で。