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いやあ、宝塚歌劇は本当に最高っすねえ!
 というわけで、昨日わたしは現在日比谷の東京宝塚劇場で絶賛上演中の星組公演『めぐり会いは再び~next generation/Gran Cantante!』を観てまいりました。劇場にいる3時間だけは、地獄の介護生活を忘れさせてくれるわけで、今のわたしのほとんど唯一の生きがい、であります。
 ところで。
 わたしは2010年に初めて宝塚歌劇を観劇し、それは柚希礼音さんのTOP2作目の作品だったのですが、その時わたしは、柚希さんのあまりのカッコ良さに、男のわたしが観てもこれはすごい! と一発KOされ、以来、すっかり宝塚歌劇にはまったという経緯がありまして、今回、わたしが昨日観に行った作品は、2011年と2012年に柚希さん主演で上演された『めぐり会いは再び』シリーズの第3弾なわけです。
 当然、わたしはその前2作を両方とも劇場で観ており、しかも!前作(2作目)で登場したキャラクターの10年後、という設定なわけで、さらにもう一つ、当時は若手スターだった礼真琴さん(以下:こっちん)が、満を持してのTOPスターとして、第3作を主演として演じるわけで、長くなりましたが何を言いたいかというと、これもう、超超期待の作品であり、何があろうとも、絶対に観に行くべき作品だったわけです。
 しかし……近年マジでチケットを取るのが難しくなっているし、とにかく観たい!ので、いつもは東京宝塚劇場での観劇がメインのわたしでも、まずは兵庫県宝塚市の宝塚大劇場へ遠征すべき作品であるのは間違いなく、宝塚友の会のチケット申し込みで無事に大劇場のチケットを購入したのです。。。が、またしても! もう、マジ残念なことに! またしても! COVID-19による上演中止で、わたしの大劇場遠征は夢と消えたのでした。そしてさらに、東京でのチケットは、完全なる全滅で、えっ!? おれ、マジで観られないの!? うそでしょ!? やっべえ! どうしよう!? とうろたえることになったのでした。
 ですが、やっぱり持つべきものはヅカ友ですねえ……。わたしは周りの人々に、ヅカファンであることを全く隠しておらず、つうかむしろ、宝塚歌劇のすばらしさを会う人会う人皆さんに話しているキモイおっさんなんですが、2カ月ぐらい前、税理士の先生と打ち合わせしている時に、なんかの拍子で「いやあ、次の星組公演はチケット全滅で、マジ鬱っすよ……わたし星組イチオシなのに、もう何もかも、全くやる気にならねえっすわ……」とかどうでもいい話をしていたところ、数日後にその税理士さん、の元部下のヅカ好き淑女の方、のお友達の方、という全く面識のない方からチケットが譲ってもらえそうですがどうします!? というご連絡をいただいたのでした。
 まさにめぐり会いですよ!と見当違いの大感動でわたしは勿論、即レスでチケットを譲っていただくことにし、昨日観に行くことができたわけです。今週末、千穐楽なので、ホントにギリギリ観られて嬉しかったです。本当にありがとうございました! でもオレのバカ!!! 昨日、会社から直接劇場に行ったんすけど、双眼鏡持って行くの忘れた!! アホ!! ホント自分が嫌になるっす。。。
めぐりあい
 というわけで、無駄にどうでもいいことが長くなりましたが、『めぐり会いは再び~next generation』であります。最初に申し上げた通り、本作は第2作目から10年後、第2作目で登場したとある伯爵家の次男坊、ルーチェくんのその後を描いたお話であります。すごく珍しいというか、同じ役の10年後を本当に10年経った時点で演じるなんてなかなかないことだと思います。
 主人公ルーチェくんは、お姉ちゃん大好きっ子で王都に留学中、という設定でしたが、どうやら王都で無事に大学は卒業したものの……友人レグルスの探偵事務所に居候としてグダグダな毎日を送っている様子。さらに、前作で名前だけ出てきた恋人のアンジェリークとは、現在も付き合っているものの全然進展してない、つうかむしろケンカしてよろしくない状態らしい。そんな中起こる、次期国王の座をめぐる陰謀に、ルーチェくんは巻き込まれて……てなお話でありました。
 そんなドタバタなお話も、ナレーションというか各キャラクターのセリフによって、ガンガンと状況は説明され、ああ、そういうことね、と分かりやすくお話は展開し、最後は当然めでたしめでたしで終わる物語は、観ていて大変楽しめましたし、最後にルーチェくんが男らしくキメるシーンはとてもカッコよく、わたしとしては非常に面白かったと結論付けたく存じます。
 というわけで、各キャラクターと演じた皆さんをご紹介しましょう。キャラがすげえ多いんだよな……でもとりあえず書き始めてみよう。
 ◆ルーチェ・ド・オルゴン:オルゴン伯爵家の次男。ちなみにお兄ちゃんを1作目で演じたのは涼紫央さんですな。インテリ毒舌家のカッコいいお兄ちゃんでした。そして大好きなお姉ちゃんを前2作で演じたのは、当時のTOP娘役の夢咲ねねちゃんです。まあ、そんな兄姉のいるルーチェくんは、基本的にお坊ちゃまくんで甘えっ子なわけですが、演じたこっちんに非常にぴったりなお役だと思います。とりわけ、今回はお衣装が非常にカッコ良かったですなあ! あの黄色(金色?)のロングコートと帽子が超似合ってましたね! 最高であります!
 ◆アンジェリーク:ルーチェの彼女であり、実は国王の娘(=王女)。とある事情があって、王の甥であるローウェル侯爵の娘として育てられる。強気でイケイケな攻め系女子のため、グズグズしているルーチェにイラつきMAX! 演じた舞空瞳ちゃんの強気系女子はとってもかわゆい!!! いいっすねえ! 非常に良かったと思います! やっぱり、なこちゃんは演技巧者ですなあ。芝居・歌・ダンスの三拍子そろった素晴らしいTOP娘役だと思います。
 ◆レグルス:ルーチェの大学時代の友人で、親から引き継いだ探偵事務所を経営する若者。非常にイイ奴。演じたのはこっちんと同期の瀬央ゆりあさんですが、ついに! せおっちが2番手羽を背負った姿にわたしはもう大感動であります! 良かったねえ! でも、ありちゃんが公演に参加したら、その2番手羽はありちゃんに行ってしまいそうな気もする……けど、せおっちは紛れもなく、今の星組の2番手ですよ。歌も公演ごとに上達しているし、ダダ洩れる色気も2番手として十分すぎる器だと思います。素晴らしかったす!
 ◆ティア:女優志望の大学時代の友人。レグルスが好き。レグルスもティアが好き。たぶん。結構イケイケグイグイ系女子。演じたのは有紗瞳ちゃん。くらっちとしては、なんとなく珍しく激しい系女子だったすね。とても良いと思います! 歌も芝居も非常にうまいっすね!
 ◆セシル:新人劇作家。なんと師匠は前2作で現在の宙組TOPスター真風涼帆さんが演じたことでもおなじみのエルモクラート先生。エルモクラート先生はたしかルーチェのお兄ちゃんの友達だったよね。で、今回その弟子のセシルを演じたのは天華えまくん。ぴーすけも、なんかここ数作で歌がすごくうまくなったような気がしますね。同期が退団することが多くなってきたけど、ぴーすけにはまだまだ頑張ってほしいっす!
 ◆アニス:メカが得意な理系女子。大学時代の友人。セシルが好き。セシルもアニスが好き。たぶん。ぶっ飛びマッドサイエンティスト系女子だけど、ラストではその発明品が大活躍! 演じたのは102期生、なこちゃんと同期の水乃ゆりちゃん。今回は抜擢と言っていいのではないかしら。正直今までそれほど注目はしてこなかったけど、可愛いっすね、ゆりちゃん。若干ハイテンション演技のキンキン声系だったけど、普通なゆりちゃんを過去作で探してチェックしようと思います。
 ◆レオニード:前2作にも登場したローウェル侯爵の姪。ルーチェのお兄ちゃんが大好きで、男装してまで押し掛けたグイグイ系女子。無事にお兄ちゃんと結婚し(たんだっけ?)、現在は「恋愛アドバイザー(?笑)」として活躍中。演じたのは、これがついに卒業作となってしまった、いつも可愛い音波みのりさん。はあ……はるこさんが退団なんて……ホント淋しいっす。。。いつも、どんな作品でも、可愛いはるこさん。もっと舞台で輝くはるこさんを観ていたかった。。。今回は一瞬だけ、なつかしい男装姿も見せてくれて、最高に可愛かったす! マジ双眼鏡を忘れた自分が腹立たしい。。。はるこさんをガン見したかった。。。
 ◆フォション:初めて登場したレオニードの兄。そもそもレオニードが男装してたのは、この兄を騙ってなりすますための変装だったわけわけですが、今回ついにご本人が初登場。演じたのは、わたしが何気に大好きなこっちんに次ぐ95期次席のひろ香祐くん。ひーろーくんはホントに実力のあるお方なんだけど、残念ながら大劇場作品ではあまり見せ場をもらえないことが多かったのですが、今回はかなりセリフも歌もあって、とてもうれしいです。ショーでもかなり目立ってたね! こっちんが安心して背中を任せられる、頼れるお方ですよ!
 ◆ユリウス:ルーチェくんの実家オルゴン伯爵家につかえる執事。前2作から引き続き登場。前2作で結婚したプルニギョン(=演じたのは紅ゆずるさま)とリゼット(=演じたのは白華れみさん)の双子の子供と王都で待ち合わせていたため、今作でも登場。演じたのは、3作連続で同じ天寿光希さん。天寿さんも今回退団で、淋しいすね。。。
 ◆アージュマンド(アンヌ):アンジェリークの侍女であり、ボディガードとして腕も立つ忍び系女子。演じたのは103期生の瑠璃花夏ちゃん。いい役が付いてよかったね! るりちゃんはスカステの番組とかで観る限り、かなり可愛くて歌も上手そうで、ひとつ前の公演で新公初ヒロインも経験して、今後の活躍に期待ですな。
 ◆宰相オンブル:今回の悪い人。演じたのは花組からの転校生綺城ひか理くん。もう星組に来て2年か。いつまでも転校生と言ってちゃダメか。サーセン!
 ◆ロナン:オンブルの息子。父親の悪事に加担させられるちょっと可哀想な奴。演じたのは、ついにバウ主演が決まった星組の次世代スター候補の極美慎くん。きわみくんは、もうビジュアルは最強クラスなので、とにかく歌を頑張ってほしいすね。
 ◆ジュディス:ロナンの恋人で大司教の娘。彼女も悪事に加担せざるを得ず……お気の毒。。。演じたのは、99期とベテランになりつつある歌ウマの小桜ほのかちゃん。ちょっと役柄的に出番が少なかったのは残念だったなあ。。
 ◆カストル:ユリウスが王都で待ち合わせしてた双子のお兄ちゃんの方。演じたのは、ウルトラサラブレット&修造の娘でお馴染み稀惺かずとくん。105期生ってことは研4か。そろそろ役もついてきて、今回は台詞もそれなりに多かったね。でも、アレなのかな、ちょっと背が低い?のかな? 今回も子供の役でした。どう育っていくか、大変楽しみっすね。
 ◆ルベル:コソ泥3人組のリーダー格(?)。演じたのは、わたしが次世代の本命と思っている天飛華音くん。かのん君はマジこれからグイグイ成長すると思います。とても楽しみです!
 ◆マダム・グラフィス:前2作から引き続き登場。もちろん演じたのも、前2作と同じ、元星組長にして現在は専科の万里柚美さま。ゆずみさんはいつ見てもホントお綺麗な淑女ですなあ。70期生だから、たぶんわたしより年上なのは間違いないはずだけど、いつまでも衰えないその美貌は見惚れますね!
 ◆エメロード:有名歌手でこれまで名前は出てきたお方で今回初登場。演じたのは、現役最強レベルの歌唱力をもつ専科の美穂圭子さま。とにかく、けいこさんの歌は圧倒的で、いつも言ってますが、けいこさんだけマイクのセッティングが間違ってんじゃね? というぐらいの圧倒的声量&美声。本当にお見事であります! ショーでこっちんとともに歌うシーンは圧巻でした。わたし、こっちんとけいこさんが一緒に歌うのを観たのは初めてかも?
 とまあ、こんな感じかな? はーーー長かった。。。
 そして後半はショー『Gran Cantante!!』であります。
カンタンテ
 わたしは、こちらのショーでは、もうずっと今回で退団してしまう華雪りらちゃんを探して見つめておりました。わたしの中では、娘役の中でいっちばん可愛いと思うりらちゃん。本当に残念だよ。。。そして、双眼鏡を忘れたわたしはマジで自分が許せない。。。でも! わたしの目には、りらちゃんはすぐわかったよ。あっ!出てきた! またいた! と、一人りらちゃんを見つめ、その可愛い姿を目に焼き付けてまいりました。ほんと淋しいなあ。。。でも、なぜ、なんでスカステで「Memories of 華雪りら」を制作・放送しないんだ! 番組プロデューサーを正座させて説教したいっす。あー、本当に淋しく思います。。。
 しかし、今回のショーを見て思ったんすけど、意外とぴーすけくんやきわみくんといった、若手メインシーンが増えてきましたね。せおっちはもう前からだけど、その次の世代をメインに持ってくるシーンは、これからを感じさせるものがあるし、一方では、こっちんの「いつか来る、おわり」が忍び寄って来ているのだと痛感させられるっすね。。。まあ、少なくとも2024年の大運動会までは、こっちん体制でお願いしたいっす。。

 てなわけ、もう書いておきたいことはないかな、大丈夫かな?
 それでは最後に、いつもの「今回のイケ台詞」をご紹介して終わりにしたいと思います。
 ※「イケ台詞」=わたしが、かーっ! カッコええ!と感動した台詞のこと
 「ユリウス……僕が国王になんてなれると思いますか……?」
 「当たり前です! オルゴン家の方々は誰だってどこに出したって恥ずかしくありません。わたしが保証します! 王国ぐらい、軽々と背負えますよ!」
 今回は、本作で退団してしまう天寿さん演じるユリウスが、TOPスターこっちん演じるルーチェくんに贈る言葉としてのセリフを選びました。なんというか、こっちんはもうTOPに就任して2年以上経過しているのに、どうしても性格的に自信満々な人間ではないわけで、天寿さんにこう言ってもらえたら本当にうれしいでしょうなあ。天寿さん、最後にこっちんの背中を押してくれてありがとう! 大変カッコいいセリフだと存じます。

 というわけで、結論。

 わたしはもう13年、宝塚歌劇を観続けており、ずっと星組推しなわけですが、肝心の星組公演のチケットがまるで獲れず、絶望していたところ、予想外のつながりで全く面識のない淑女からチケットを1枚譲っていただき、観ることが出来ました。大変大変感謝しております。そして千秋楽ギリギリのタイミングで観ることができた『めぐり会いは再び~next generation/Gran Cantante!』は、とても楽しく騒々しい、ドタバタ劇でしたが、大変大変楽しめました。しかしこの公演で退団してしまう3人をもう舞台出来ることができないと思うと、とても淋しいすね。。。特に音波みのりさんと華雪りらちゃんのお二人は、星組には欠かせない娘役でしたなあ。。。二人は本当に可愛いお方なので、退団後の人生に幸あれと願わずにはいられないす。そして我らがTOPスター礼真琴さんは、なんかどうしても少年っぽい役が似合ってしまいますね。。。歌の多いギャッツビーこそ、こっちんに演じてほしかったかもな。。。まあ、これから先、まだ時間はあると思うので、大人な役にもぜひ、挑戦してほしいと思うっす。とはいえ……必ず「いつか来る、おわり」のその日まで、全力でこっちんを応援いたしたく存じます。はあ……はるこさんとりらちゃんを双眼鏡でガン見したかった。。。今後は会社にも予備の双眼鏡を常備しようと存じます。オレのバカ!! 以上。

↓ やっぱり予習しといた方がいいと思います。特に「2nd」は。


 もう30年前なのか……と、ちょっと調べてみて驚いたのだが、30年前、わたしは大学生から大学院生になるころで、すでに完全なる映画オタで、さらに言うと、わたしはドイツ文学科で戯曲を研究してたのだが、当時、わたしの専門外の「フランス戯曲」やShakespeare作品、さらにはロシア文学についても日本語で読めるものは結構かたっぱしから読んでいた時代があった。
 フランス戯曲と言えば、モリエールとかの喜劇が一番有名(かな?根拠ナシ)かもしれないが、わたしが読んで一番「コイツは面白い!」と思った作品が『CYRANO DE BERGERAC』という作品である。
 実はこの作品を読んでみたのは、大学生になったばかりの頃に観たハリウッド映画『ROXANNE(邦題:愛しのロクサーヌ)』が超面白くてグッとくるお話で、その原作に『CYRANO』という戯曲があることを知ったためだ。
 とにかく、主人公がカッコイイ。強いて言えばラオウ様的な? 強くて優しく、どんな困難の前でも決して自分の信念を曲げない主人公の生きざまに、まだクソガキだったわたしはもう、ぞっこん心酔(?)したのであります。
 で。わたしは『CYRANO』という作品は80年代終わりごろには知っていたのだが、その『CYRANO』が完璧に映画化された作品が今度公開される、というのをフランス語が堪能な哲学科の友達に教えてもらい、うおお、まじかよ、そりゃ観ないと! という勢いで当時渋谷のBunkamura単独で公開された映画を観に行ったのでありました。それが1991年のことだったらしい。そしてその時の前売り券の半券がこちらです。
CYRANO
 一応説明しておくと、わたしは映画オタなので、余人には全く理解されないような、ごみ同然のモノでも何でも収集しておく癖がある。ので、いまだ手元に30年前の映画の前売券の半券が残っているのだが、ご覧の通り、なんと3枚も持っていた。さっき思い出したけど、確かにわたし、渋谷に3回観に行ったすね。1回目は一人で。2回目はその哲学科の友人と。そして3回目は当時わたしが一番好きだった女子と、それぞれ観に行って、1回目はうっかり泣いてしまったぐらい好きな作品だ。ちなみにサントラCDも持っているぐらい、音楽も最高で、いまだに車で聴いたりしているし、とにかくこの映画は、わたしの生涯ベストに確実に入る作品であろうと思う。わたし、この映画を観て、「くっそう、オレは何でドイツ語を選んだんだ……フランス語にすりゃあ良かった……!!」と思ったことも思い出しました。とにかくセリフが流麗で、原語で読んでないから原作通りなのかわからないけど、要するに韻文で、発声すると美しい歌、のようにセリフが華麗なんですよ。現代的に言えば、ラップ的な? もう完璧な映画化で、完全フランス語な作品なのに、Wikiによればその年のアカデミー賞に5部門ノミネートされて、受賞したのは衣装デザイン賞だけかな、とにかく美しい!作品なのであります。もちろんフランス本国でのセザール賞は10部門受賞と、その当時大変話題になったりもしていて、わたしも映画版を観た後に興奮して指導教授に熱く感想を語ったところ、日本でもさんざん上演されてる戯曲だし、ひょっとしたら、世界で最も上演回数の多い作品かもしれないよ、なんてことを教えてもらったりした、思い出の多い作品なのであります。
 はい。以上は前振りであります。
 その、わたしの大好きな作品『シラノ・ド・ベルジュラック』が、わたしの愛する宝塚歌劇で上演される日が来たのであります!! やっほう! コイツは絶対観ないと!! と鼻息荒く、チケットもすぐに師匠に譲ってもらって入手したのだが……実はそもそもは東京では6月に赤坂ACTシアターだったかな、で上演される予定だったのに、COVID-19感染拡大によって上演はすべて中止となってしまったのでありました。超しょんぼりしたっす。。。しかし、その後の状況の変化によって、東京での上演は行われないものの、梅田芸術劇場シアタードラマシティにて、たった14公演だけ、上演されることとなったのでありました。
 わたしとしては、大好きな『シラノ』を観ないわけにはゆかぬ!! と思い、宝塚友の会でのチケット申し込みを行い、奇跡の3列目! という良席チケットをゲットしたので、やったーー! わーい! とか喜んでいたものの、折しも感染拡大は続き、果たして、わたしは大阪へ行って良いのだろうか……と正直悩みました。が、結論としては、完全防備体制で昨日、のぞみをぶっ飛ばして行ってきた次第であります。まあ、新幹線はほぼガラガラだったし、一人なので誰ともしゃべらず、マスクを外すこともなく、事あるごとに持参の消毒スプレーで手を殺菌していたので、出来ることはすべてやった、と思いたいものです。※自分用メモ:8:30ぐらいののぞみで大阪へ。11時過ぎころ到着。梅芸へ直行、14時半過ぎぐらいに終わり、すぐ大阪駅から新大阪を経て15時07分ののぞみで東京へ、と、思い返すと昼飯も食わなかったし、マジで誰とも一言もしゃべらなかったような気がするな。。。
 ともあれ。わたしは梅芸メインホールに1回だけ行ったことがありますが、ドラマシティは初めてでした。
ドラマシティ
 なんか、劇場の大きさとしては、東京で言うと青年館ぐらいなんすかね? ステージの幅がやっぱり少し小さいかな、こじんまりした感じだったと思います。そして、こちらがプログラムであります。なお、こちらも土曜日に日比谷のキャトルで先に買ったので、梅田では買ってません。遠征の際は、どうしてもプログラムが邪魔になるので、そういう時は先にキャトルで買っておくものよ、とヅカ友の超美人の淑女に教えていただいていたので、きちんとその教えを守ったっす。そうだよ、おれ、昨日、まったく財布触ってないわ。新幹線での飲み物はSuicaで買ったしな。
シラノ
 さてと。本公演は、「星組公演」となっていますが、ご覧の通り、主人公のシラノを演じるのは、宝塚歌劇団が誇るレジェンド、専科の轟悠さんであります。常々、轟さんは「理事」と呼ばれておりましたが、その理事職も先日お辞めになり、現在は「特別顧問」という職についてらっしゃいますので、わたしも今後は「顧問」と呼ばせていただこうと存じます。
 で、その顧問演じるシラノですが、シラノはそもそも、鼻がデカくてブサメンであることがコンプレックスになってるわけで、重要なファクターなんすけど……もう、どこからどう見てもカッコイイ、超イケメンなんですけど、どうしたらいいんすかもう! やっぱり顧問はカッコいいすねえ! 立ち姿からして、超・キマッており、また今回は衣装も実に美麗で、非の打ちどころがなかったすね。顧問に関しては、結構厳しい意見をお持ちのヅカ淑女が多いですが、わたしはやっぱりすごい人だと思うし、カッコ良さは別格だと思います。確かに、歌のパワーは落ちているのかもしれない、けど、はっきり言って存在感は完全に別次元ですよ。現在の5人のTOPスターすら凌ぐと思うすね。そして、そんな顧問にはシラノという役は超ピッタリでした。
 ただですね、今回の上演は、お話的に正直かなりはしょられていて、若干駆け足展開だったのが残念です。普通の宝塚歌劇の大劇場作品は、2幕モノだと90分∔60分、あるいは80分∔70分、みたいに2時間半がデフォルトなんすけど、今回は75分∔50分=2時間5分とちょっと短めでした。ホントはもっともっと、カッコいいんすよ。なお、ラストの「心意気だ!」で終わるのは原作通りなので、元々の原作や映画を知らない人は、あそこで終わるのはちょっとびっくりしたかもしれないすね。そういう意味でも、本公演を観る淑女の皆さんは、きちんと原典を予習していただきたいと思ったす。
 では以下、そのほかのキャストについて短くまとめて終わろうと思います。
 ◆ロクサーヌ:シラノの従妹の超美人。実際、男のわたしからすると、なんだよ、結局イケメン好き、男は顔なのかよ、と非難したくなる女子だけれど、ラストに至る流れですべて許します。男はやっぱり中身で判断してほしいす、とブサメンのわたしとしては願いたいところであります。で、今回のロクサーヌを演じたのは、99期生の小桜ほのかちゃん。歌うまとしてもお馴染みですな。今回も勿論、素晴らしい歌声を聞かせてくれました。芝居もいいですねえ! わたし、なんか今回のほのかちゃんを見ていて、元雪組TOP娘役の咲妃みゆちゃんに似てるように感じました。まあ、ゆうみちゃんレベルにはまだチョイ鍛錬が必要かもしれないけれど、十分その力はあると思うので、今後ますますの活躍を願いたいし応援したいすね。
 ◆クリスチャン:超イケメン、だけど文才がなく、シラノにラブレターの代筆をお願いすることに。でも、ただの頭の悪いイケメンではなく、シラノとロクサーヌの気持ちにも気が付ける心を持つ。馬鹿ではない。演じたのは、ますます色気と実力が高まっている瀬央ゆりあ君。せおっちは研9ぐらいからホントにグイグイ成長してきていて、今回はとりわけ歌がとっても良かったすね。見た目の華やかさも増しているし、わたしとしては、素直に星組2番手にしてあげたい気持ちす。人気実力ともに全く問題ないと思うんだけどなあ。とにかくカッコ良かった。今回は3列目(1列目は販売してないので事実上2列目)の超いい席で、生声も聞こえたし、キラキラオーラも溢れまくってるのが最高でした。
 ◆ド・ギッシュ伯爵:一応、本作では悪い人。結婚してるのにロクサーヌの美貌にぞっこんで愛人にしようとしたり、ロクサーヌがクリスチャンが大好きと知るや、クリスチャンとシラノを戦場に送ったりして、基本嫌な奴(だけど後に改心する)。演じたのは、91期首席のみっきぃでお馴染みの天寿光希さん。みっきぃさんも美しいですなあ。嫌な奴のお芝居もお手の物すね。大変結構だったと存じます。
 ◆ラグノオ:パリの街のパン屋さん(つうかパティシエ)で、詩を愛する男で、貧乏な詩人たちに店のパンやケーキをふるまったりしている男。シラノとも仲良し。映画版などでは、ラグノオは太っちょなおっさんなんだけど、なんと今回ラグノオを演じたのは、星組の期待の若手スター、極美慎くんですよ! 恐ろしくカッコいいラグノオでビビったわ。極くんも非常にキラキラしておりましたね。
 あと一人、わたしとしては、物売り娘とかいろいろな役で舞台に登場してくれた華雪りらちゃんをメモしておきたいです。りらちゃんはホント可愛いので、すぐわかるっすね。セリフも何気に多かったし、大変目立っていてうれしく感じました。
 あと、そういや本作は、エンディング後にパレード的ショーがついていて、ほのかちゃんと顧問のデュエットダンスも美しかったし、せおっちやみっきぃさん、極くんや若手たち男役勢揃いの群舞もきらびやかでありました。つうか、マジでほのかちゃんの歌はきれいですなあ。そしてせおっちの歌唱力がものすごく向上してるのを感じたっすね。2番手の実力は間違いなくあると思うんだけどなあ。。。まあ、とにかく、星組推しとしては、次の『ロミオ&ジュリエット』が楽しみでしょうがないですな。わたし、当然、税込55,000円の「ロミジュリBOX」買ったすよ! わたしが生で観たのは2011年雪組版と2013年星組版の2回なんすけど、ずっと観たかった新人公演版「珠城りょうさま×ゆうみちゃん」「礼真琴さま×しろきみちゃん」の2つをとうとう見ることが出来て、超最高でした! 来年2月からの新生星組版で、せおっちや極くんの活躍を超超期待したいすね! 希望としては、せおっち=ティボルト、極くん=マーキューシオのVerが観たいですねえ! そしてこっちんとわたしが呼ぶ礼真琴さまのお披露目公演を結局生で観られなかったわたしとしては、羽を背負ったこっちんを観て泣こうと存じます。
 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。あ、一つ思い出した。シラノやクリスチャンが所属する軍の部隊なんすけど、若い衆が来ていたユニフォームのような青いカッコイイ衣装、ありゃ『ALL FOR ONE』の制服の流用だろうか?? デニムっぽい青に胸に黄色の十字架の服なんですが、実はシラノもダルタニアンも、二人とも「ガスコン(=ガスコーニュ地方出身の男)」であることを誇りに思っていて、共通してるわけで、時代もほぼ同じだし、制服が同じでも実は全く問題ないというか、あり得る話なので、わたしとしてはあの服が似てた(あるいは流用だった)のは、まったくアリ、だと思いました。

 さて、では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「(迫りくる「死」に向かって)すべてを持っていくがいい。だがな! たった一つだけ、お前には奪えないものがある。それをオレは、折り目もつけず、きれいなまま、持っていくんだ。それは……オレの……心意気だ!」
 今回は、ちょっと前後が分からないと意味不明だと思いますが、有名なシラノのラストのセリフです。わたしがぼんやり憶えてるものなので、完全ではないと思いますが、要するにシラノは、権力だったり、理不尽だったり、妥協だったり、いろんな「敵」に対して、常に「ノン!」と言って生きてきたわけで、どんなにみじめな最期であろうと、「自分のハート」は誰にも渡さないで死んでいくぜ、というセリフなわけです。ああ、くそう、うまく説明できねえなあ! とにかくカッコイイの!文句は言わせません!!

 というわけで、結論。

 わたしにとって、フランスの戯曲『CYRANO de BERGERAC』という作品は、数ある世界の戯曲の中でもTOP3に入るぐらい大好きな作品だが、その「シラノ」が、ついに! 我が愛する宝塚歌劇団において上演される日が来た!! わたしはその報に接し、非常なる喜びを抱き、絶対観に行きたい!! と思っていたのだが……6月に予定されていた東京公演は中止となり、深い悲しみを味わったものの……この度、ようやく大阪は梅田芸術劇場シアター・ドラマシティのみで上演されることとなった。この作品はわたしにとって極めて特別であり、いかなる困難があろうと観に行きたい作品であり、自分としては感染対策としてできることはすべてやる、という方針で観に行ってまいりました。感想としては、ええ、そりゃあもう、最高でしたとも! 轟顧問のシラノは抜群に良かったし、せおっちのクリスティアンも実にイケメンでありました。歌もすっごい良かったよ! ホントにせおっちは腕が上がりましたね! そして小桜ほのかちゃんの美声も最高でした。要するにですね、遠征してホント良かったです! 超満足! 以上。

↓ わたしはこの映画、たぶん30回ぐらい観てます。レーザーディスクも持ってたよ。今はNHK-BSで放送されたのを録画したのがわたしの宝物っす。
シラノ・ド・ベルジュラック ジェラール・ドパルデュー [Blu-ray]
リュディヴィーヌ・サニエ
IVC,Ltd.(VC)(D)
2014-10-24

↓そしてこちらはまだ買えるみたいすね。
シラノ・ド・ベルジュラック (岩波文庫)
エドモン・ロスタン
岩波書店
1951-07-05

↓そしてこちらも、とても笑えて泣ける超名作です。
愛しのロクサーヌ (字幕版)
マイケル・J・ポラード
2013-11-26

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