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 やっぱり劇場は最高ですなあ……。
 先週、わたしは新幹線をカッ飛ばして兵庫県宝塚市の「宝塚大劇場」へ日帰り遠征してきたわけだが、本日は東京日比谷の「東京宝塚劇場」へ行ってきた。もちろん、現在絶賛公演中の花組公演『はいからさんが通る』を鑑賞するためであります。
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 今回のわたしの席は結構前だったけど上手側のはじっこでありました。でも全く鑑賞の妨げはなく、大変観やすかったと思う。しかしアレっすね、先週の大劇場は、かなり座席でおしゃべりに興じる淑女の皆さんが多かったけれど、今日の東京は全く静かでありました。いや、別におしゃべりしてもいいと思うけど、大劇と東宝はやっぱりずいぶん違うな、とは感じたっす。
 というわけで、本公演は新・花組TOPスター柚香光さん(以下:ゆずかれー)の大劇場お披露目公演なわけで、本来の予定は5月だったかな、5カ月遅れの東京お披露目であります。しかし実はこの『はいからさんが通る』という演目は、ゆずかれー君は2017年に梅田ドラマシティと日本青年館で演じており、たぶん珍しいと思うけれど、いわゆる「再演」がお披露目演目に選ばれたわけで、それってどうなの?的な思いは、若干わたしの中にあった。とはいえ、2017年版は公演を観に行ったわけではなく、スカイ・ステージの放送で観ただけだったし、確かに面白く、なんといってもゆずかれー君の「伊集院少尉」はそのビジュアルからして最高であり、実際、まったく文句はないけれど……まあ、「またやるんだ?」的な思いがあったのは事実であります。
 なので、わたしとしては、今回の『はいからさん』に関しては、このところわたしが猛烈に激推ししている音くり寿さん(おと くりす。以下:くりす)と、この公演の後に雪組へと組替えとなって雪組のTOP娘役就任が発表されている朝月希和さんをじっくり見つめよう、とか考えていたのである。
 しかし、だ。サーセン! オレが間違ってました!!
 やっぱり、3年の歳月は、確実に人を成長させますなあ! 主役のゆずかれー君、そしてヒロインの華優希ちゃんともに、2017年からさらにレベルアップしているのは間違いないすね。マジ最高でした!

 というわけで。『はいからさんが通る』といえば、もう様々なメディアに展開された有名作品で、なんと1979年にはテレビドラマとして宝塚歌劇の生徒が出演したものが放送されてたそうだが、わたしは原作漫画は読んでいないし、アニメも観ていない。若干変化球だけど、わたしの年代だと、1987年12月に公開された南野陽子さん主演の実写映画版でお馴染みなのであります。その映画で伊集院忍少尉を演じたのは、ローマ人でお馴染みの阿部寛氏ですよ。懐かしいですなあ。
 まあ、そんなことはともかく。上記の動画の通り、宝塚版『はいからさん』は、現在の宝塚歌劇が誇るイケメン、ゆずかれー君がおっそろしくカッコ良く伊集院忍少尉を演じているわけです。男のわたしから見ても、スーパー超イケメンであり、完璧なる伊集院少尉でありました。素晴らしいじゃあないですか。わたしは、ゆずかれー君に関しては、歌がなあ……とか思っているけれど、やはり、わたしの評価としては、ゆずかれー君の最大の強みは、繊細かつ心情あふれた演技=芝居そのものであり、今回の、いろいろとつらい目に遭う伊集院少尉の苦悩だったり、そんな伊集院少尉の心の癒しである紅緒にむける微笑みだったり、もう、パーフェクト! に表現されていたように思います。やっぱり、ゆずかれー君が芝居の人だというわたしの評価は揺るがないす。そしてやっぱり、とにかくスタイルがいいので、ダンスが素晴らしく優美であるのも間違いないでしょうな。確実に、TOPスターとして真ん中で踊る技量を備えているのも間違いないす。フィナーレの、純白衣装でのデュエットダンスは、ホント美しかったですなあ! おそらく、宝塚歌劇を観たことがない淑女が、今回の『はいからさん』を観たら、一発でゆずかれー君の虜となり、ズカファンまっしぐらになることとと思います。3年前と比較しても、確実に成長し、実に美しくカッコ良かったです。
 そしてヒロイン、花村紅緒を、前述の通り花組TOP娘役の華 優希さんが演じているわけですが、物語の主人公は、明確にこの紅緒なわけで、華ちゃんのウルトラ超熱演ぶりは、本当に素晴らしかったです。3年前との比較で言えば、わたしには華ちゃんの方が、より一層その成長を感じだっすね。ちょっと前までの華ちゃんと比べても、ずっと成長したようにも思います。つうかもう、今回の熱演は、本作をもって華ちゃんの代表作と言って差し支えないすね。それほど、華ちゃん演じる紅緒は、完璧なる「はいからさん」でありました。怒る紅緒、酔っぱらう紅緒、歌って踊る紅緒、そして、決意に満ちた表情の紅緒。どれも素晴らしく魅力的でありました。あえて言うなら、現在の宝塚歌劇団娘役の中でも、華ちゃん以外にはできなかった、素晴らしい「はいからさん」でした。お見事だったと存じます! そういや、草履が脱げちゃったのも、実に「はいからさん」っぽくて、とても可愛かったね。美穂圭子さんにそっと持ってきてもらって、ゆずかれー君のアドリブで大ウケだったから、結果オーライですw
 で。あとは、各キャラとキャストごとに短くまとめようと思います。
 ◆音くり寿ちゃん as 北小路環:何かとアクティブなお嬢様、環を演じたのは、100期生の音くり寿ちゃんです。わたしはそもそも星組イチオシなので、実は花組の若手はあまり詳しくないんすけど、ちょっと前に、スカイ・ステージで放送されていた、「La Belle Voix~娘役の美しき歌声」って番組がありまして、全5回で、各組の「歌自慢」な若手娘役が3人出演して、歌ってくれる番組だったんですが、わたし、実はこの番組の花組の回で、初めて音くり寿ちゃんを明確に知りました。いやあ、とにかく美声。すっごくイイ!! とあの番組以来、もう大ファンですよ。あの番組で歌っていた「タカラジェンヌに栄光あれ」がもう何度でも聞きたくなるぐらい素晴らしくて、マジ度肝を抜かれたんですが、そのくり寿ちゃんが今回、環の役が付いたと知って、わたしはもう、超うれしかったす。そしてくり寿ちゃん演じる環は最高でしたなあ! 歌も演技もダンスも、超イイ!! 3年前の環は、もう退団してしまったしろきみちゃんで素晴らしかったけれど、まあとにかく、今回のくり寿ちゃんも全く引けを取らない素晴らしさでした。エトワールも担当していて、その美声にしびれまくったす。現在の娘役さんたちは、意外と背の高い方が多いですが、くり寿ちゃんは結構ちびっ子ですね。だがそれがいい!! 今後も激プッシュしていきたい所存であります! 最高でした!
 ◆朝月希和さん as 花乃屋吉次:亡き夫が伊集院少尉の元部下であり、柳橋の芸者として生きる凛とした女性。そんな吉次姐さんを今回演じたのが、前述の通りこのあとで雪組TOP娘役に就任することが発表されている朝月希和さん。恥ずかしながらわたしは今まで朝月さんのことをほとんどよく知らなかったんですが、非常に美人ですなあ。96期生だったとは全然知らなかったす。これで96期生4人目のTOP娘役の誕生すね。今回、あまり歌が聴けなかったけれど、ラストの短いショー的部分ではすごい存在感あるダンスぶりで、目に付いたすね。まあ、花組(8年間)→雪組(2年間)→花組(数カ月)→雪組と組替えすることになるわけで、その心の整理は大変だと思うけれど、頑張っていただきたいですな。とにかく、美人ですよ。完璧憶えたので、雪組へ行っても応援いたしたく存じます。
 ◆瀬戸かずやさん(以下:あきら) as 青江冬星:親が銀行を経営していて、何気におぼっちゃまなんだけど、その道に背を向けて自ら出版社を経営する冬星。極度の女嫌いの自称「男尊女卑」な男だが、ヒロイン紅緒をやさしく(?)癒す、伊達男。3年前は鳳月杏さん(以下:ちなつ)が演じた役ですが、ちなつさんが月組に戻ってしまったので、今回はあきらさんが演じる。まあ、サーセン、あきらさんには大変恐縮ですが、わたし個人としては、ちなつさんの冬星の方が好みっす……。
 ◆永久輝せあさん(以下:ひとこ) as 高屋敷要:少尉の友人であり作家。でも、物語的にはコイツ、結構ヒドイ野郎じゃないすか? そして出番もちょっと少なめです。演じたのは、雪組から花組へと移って初めての大劇場公演となった、ひとこ君。ふと思ったんだけど、どうせだったら、マイティーの鬼島と、高屋敷と役をチェンジするか、日替わりの役替わりでもよかったんじゃね? とか無責任に感じたっす。だって、高屋敷があんまり目立たないんだもの。。。まあ、ひとこ君も間違いなく将来のTOP候補だから、今後ますますのご活躍を祈念いたします。
 ◆水美舞斗さん(以下:マイティー) as 鬼島軍曹:伊集院少尉の部下でワイルド系軍人。鬼島を救うために少尉は行方不明になってしまったため、鬼島は少尉とその許嫁である紅緒のためにいろいろ行動してくれるナイスガイ。演じたのは3年前と同じくマイティーが再登板。どうせなら高屋敷もマイティーが役替わりで演じたら面白かったのにな。つうかですね、鬼島軍曹は、ロシアの戦地で少尉に紅緒の写真を見せてもらって、「ええ~~!? こ、これは……(微妙だぞ)……」的に、軽く紅緒の容姿をディスるんすけど、おい君ィ! 華ちゃん紅緒は超かわいいじゃんか!! 「じ、実物は可愛いんだ!」って、少尉、それ、フォローになってないぞ!w しかしこのBlogで何度も書いてますが、マイティーはホントにここ数年でグッと色気と存在感が増しましたなあ。大変良いと思います。
 とまあ、キャスト&キャラについては以上かな。

 で、最後にひとつ、自分用メモとして記しておきたいのだが……。
 何度も書いていますが、わたしは星組がイチオシで、礼真琴さん(以下:こっちん)のファンクラブに入って5年、なのに、こっちんのお披露目公演は3回観に行くチケットを買えたものの、3回ともすべて休演となってしまい、観ることが出来なかったのです。とてもとても残念で、ホントにしょんぼりでありました。
 そんなこっちんと、今回のゆずかれー君は同じ95期の同期入団ですが、かなりいろいろと違う面があって、そもそも年齢も違う(※宝塚音楽学校は、同じ年に入学しても、中卒で入学した人と高卒で入学した人では、最大3歳の違いがある)わけです。
 こっちんは、正確にはわたしは知らないけれど、高校1年か2年終わりでの入学だし、ゆずかれー君は中卒での入学なので、少なくとも1歳か2歳は年齢が違うはず(※なので、年齢も逆算すればだいたいわかる、けどそんなのは野暮なので計算しません)。そして、こっちん最大の魅力が「歌」とキレのあるダンスであるのに対して、ゆずかれー君は歌が若干アレで芝居の人。
 さらに言うと、こっちんは若干小柄で、顔も童顔&かわいらしい系であるのに対して、ゆずかれー君は背もすらっとしていて、彫の深いローマ人系の美形。ついでに、入団時の成績はこっちんが95期首席であり、ゆずかれー君は20番ぐらいだったかな。どうも、いろいろなインタビューなどを見ても、音楽学校時代のこっちんとゆずかれー君は、同期とはいえそれほど仲良しチームだったわけではないみたいすね。
 こう考えると、かなり対照的な二人だけれど、時を同じくしてTOPスターに登極した偶然(?)は、きっと今後、二人にとって大きい絆になるんじゃなかろうか、という思いがします。こっちんは、何かのインタビューで、早くから新公主演とか抜擢されてきた自分の苦労を一番分かってもらえるのは、同じく抜擢されてきた柚香光だ、なんてことをおっしゃってましたな。一緒の仕事をしたことは少なくても、常に分かり合える、常に心がつながっている、二人。こっちんのお披露目を観ることが出来なかったのはホント痛恨というかしょんぼりだけど、かれー君の見事な伊集院少尉を観ることが出来て、本当に良かったと思うす。
 えーと、なんか無駄に長くなったけど、何が言いたいかというと、要するに、こっちん、かれー君、TOP就任、本当におめでとう!! ってことです。ある意味、TOP就任は「終わりの始まり」ではあるのは間違いないと思う。就任早々アレだけど、わたしは二人のこれからを、全力の拍手で応援し続けたいと思います。

 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「私はきっと少尉が生きていると信じています! だから帰ってくるその日まで、少尉を迎えるために、この家を守っていきます。それが私の! 少尉の妻の務めです!
 今回は、少尉の「ええ。好きですよ」とか、編集長の「全部忘れさせてやる」などのイケ台詞も多かったのですが、やっぱり一番は、1幕ラストの紅緒のセリフにしました。この時の華ちゃんの表情は最高だったすね。本当に成長したなあ、と我ながら偉そうに感じたっす。普段の華ちゃんは大人しめな女性ですが、あの気迫あふれる芯の強さは本当にお見事でした。

 というわけで、結論。

 しかしまあ、ようやく、生の舞台観劇ができるようになりつつあって、ホントにうれしいですな。そして花組第27代目TOPスターに就任した柚香光さんの大劇場お披露目公演『はいからさんが通る』は、大変面白く、かれー君の繊細な芝居が心に響くお話でありました。そして相手役の華 優希さんも、とても芝居が見事だったすね。フィナーレの二人のデュエットダンスの美しさも際立ってましたなあ。あの空間は、本当に生の観劇に限りますね。映像には記録されない、空間を支配する空気みたいなものは、生の劇場でないと味わえない、極めて貴重なものだとつくづく感じました。観劇が当たり前じゃあなかった数カ月。そして今後も続く様々な規制。それでも、わたしは可能な限り劇場へ行って、素晴らしいパフォーマンスに拍手を送り続けたく存じます。こっちん、そしてかれー君、本当にTOP就任おめでとう!! 以上。

↓ これっすね! おおっと、配信で観られるんだ。なんて便利な世の中!
はいからさんが通る
丹波哲郎
2018-12-25

 わたしは正真正銘の男、れっきとしたおっさんだけど、2010年に初めて「宝塚歌劇」を生で鑑賞し、そのあまりのカッコ良さに、一発KOを食らって以来、すっかりハマってしまったわけだが、それからもう11年が経過した。ズカ用語でいうところの「研11」であります。
 そんなわたしなので、もう何年も前から、ズカ友の美しきお姉さま方とお話しすると、「あなた、いつスカステに入るのかしら? スカステは素晴らしいわよ、おほほ」と、完全に平民を憐れむような貴族めいた調子で話を振られることが何度もあった。だがわたしは、その話になるといつも「いやー、いまどきSD画像じゃあ、入る気にならないっすよ……ハイビジョン化されたら即入るっすけどね……」とか返答していたのだが、今を去ること2年前の2018年の秋、ついにその「スカステHD画質放送」が始まったのである。
 ええと、説明しなくてもいいすよね? 「スカステ」とは、CSの宝塚歌劇専門チャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」のことであります。有料放送であり、月額2,700円+税かな、逆に言うと「たったの」約3,000円払うだけで、一日中宝塚歌劇の公演やオリジナルコンテンツが見放題なわけで、「スカステ」はある意味、ズカファンなら一度は加入を検討する憧れのチャンネルなのです。
 で。
 わたしは2018年秋にスカステHD化が発表された時には(たしか東京宝塚劇場に置いてあるスカステプログラムで初めて知った)、非常に興奮し、マジかよ、とうとうオレもスカステデビュー、初舞台を踏む日が来たみたいだな……!! と喜び勇んで、視聴契約申し込みをしたのである。わたしは10年以上前からスカパーのJ-SPORTSを契約して、毎年ツール・ド・フランスなどを楽しんでいるので、Webでの契約申し込みは1分で完了、あとはスクランブル解除を待つばかりで、わたしはわくわくしてテレビの前で待っていたのだが……いざ、観られるようになってから、初めて、極めて大変な事態に気が付いた。
 な、なんと!! わたしの家(2階建て一軒家)の環境では、どういうわけか「スカステ」だけが、電波の強度が低く、たまーーーにきれいに映ることはあっても、基本、もうザーザーのブロックノイズだらけであったのだ。うそだろ!? これってどういうこと!?? なんだよこれ!!
 電波状態を調べると、たしかに、スカステを中継しているトランスポンダ(CS-16番)だけ、入力値が恐ろしく低い。ほかのチャンネルは全く平気なのに!!! HOLY SHIT!!
 なので、わたしはいろいろ調べた。アンテナ自体は地上デジタル放送移行時(2007年)に付け替えたので、悪くないはず。そもそもWOWOWもJ-SPROTSも全く問題ないし。だとすると……と思いついたのは、わたしの家のアンテナケーブルの配線状況だ。まず第一に、5部屋ぐらいに分岐してるので、電波強度が落ちるのも当たり前な状況であることが判明、さらに屋根裏に潜ってケーブル自体をチェックすると、「4Cケーブル」で配線されていることが分かった。4Cは家庭用配線としては一般的だが、パワー不足なのは明らかで、「4Cで5分岐か……こいつは確かに……アカンかもな……」という結論に至り、要するにもう、わたしの家でスカステを快適に観るには、ケーブルの配線からやり直さんとダメ、であることがよく分かった。
 こ、こいつは……ハードル高いぞ……
 というわけで、わたしは2018年11月にスカステ契約をしたものの、2019年1月にはもう契約解除してしまったのである。
 もちろん、近所の電器屋に、いっそ4K8Kに対応した新しいアンテナ&ケーブルにチェンジしたいのだが……と依頼はしてみたが、
 1)すべてのケーブル配線やり直しは超手間がかかる
 2)現状、BSアンテナは屋根の上に立っているので、作業は危険を伴うし超大変
 3)結果として10万以上はかかると思ってくれ
 4)しかも電器屋業界では「スカステが映らない!」というのはよく聞く話で、アンテナ&ケーブルを変えたからと言って確実に映るか保証できない。
 5)実際、ケーブルテレビに加入するのが一番手っ取り早い
 と、まるで気合の入っていない、チキンSHITなふざけたことを言い出したので(しかもあきらかに、めんどくせー、やりたくねー的態度で言いやがったので軽く殺意を抱いた)、使えねえ野郎だな……と心の中で思いつつ、じゃあ、ちょっと考えますわ……とその電器屋とは絶交することにした。実は10年以上前はわたしの家もケーブルテレビに加入していたのだが、なんか結構高いので解約し、地上波デジタル開始時に地上波UHFアンテナ&BSパラボラアンテナを屋根に設置していたのである(方角の問題でBSパラボラは屋根の上以外選択肢がなかった)。そもそも、ケーブルテレビのSTB経由では、録画予約の方法が非常にめんどくさかったという大いなる弱点があったので、わたしとしてはケーブル加入という選択肢はゼロである。
 次に、そうだ、今は光回線でイケるんじゃね? といろいろ調べてもみた。が、どうやらやっぱり、どれもわたしの希望する通りにはならないようで、結論として「ちくしょう、ダメだ! これはもう、あきらめるしかねえ……」という考えに至り、放置してしまっていたのだ。後に、大いに後悔することも知らずに……。

 そして時は過ぎ……2020年3月、世界はコロナに包まれた……のであります。

 多くの淑女たちが愛し、そしてわたしも愛する宝塚歌劇だけでなく、すべての演劇や映画は劇場の門を閉ざし、公演中止、公開中止となってしまったのであった。。。
 わたしは4公演6枚のチケットがパーとなったが、ヅカファンとしては軽い方で、わたしの周りでも10枚近いチケットがただの紙になってしまった方も多く、誰も想像してなかった事態に、ただただ、しょんぼりとうなだれるしかなかったのである。
 しかし――。
 緊急事態宣言が発出される少し前の3月19日。この日わたしは、その翌日の3/20(祝)に東京宝塚劇場へ観に行くはずだった雪組公演『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』が果たして上演されるだろうか、とハラハラして発表を待っていたのだが、結果はアウト、残念ながら中止と発表され、深い悲しみに暮れた……のだが、さらに、なんと、千秋楽の3/22(日)は、「当日の公演の有無に関わらず、それをTAKARAZUKA SKY STAGEにて生中継いたします」という驚愕の発表が同時にあったのであります。
 
 つまり、当時の情勢的には、公演実施は既に難しかったわけで、それでも、無観客でも上演を実施し、ライブ中継する! という発表がなされたのだ。
 このお知らせが発表された時はもう、うぉおおい! マジかよ! すげえ!!! とわたしは正直感動しました。すごい。やってくれんなあ、さすがだよ! という思いがあふれるわけだが、この時ほどわたしはスカステ加入に向け、アンテナ&ケーブル設置作戦を放置してしまっていたことを後悔した瞬間はなかったすね……本当にアホだった。。。あの時、頑張っていたら観ることが出来たのに……。。。この時ほど、「世界の! すべて~が~! 闇に~! 沈んだあ~!!」というロミオ並みの絶望を味わったことはなかったすね。
 というわけで、わたしは決心した。もう悩んだり迷ったりしている場合じゃねえ。やる。オレはやる。クソ電器屋に頼ったりしない。オレは、自分で屋根に登ってBSアンテナとケーブルを交換してやる!! 上等だぜ!! 「俺を踏みつけた奴ら~ 嘲笑った貴婦人~! 今こそ神の裁きが下るぞ~ぉ~!!」と、我ながら意味不明な怒りのようなパワーで、もう頭の中では「マダム・ギロチン」が鳴りっぱなしである。
 と勇ましく決心してみたものの、ここから先が長かった……。まず、機材の入手に時間がかかり、到底2日後には間に合わない。つまり、歴史的なライブ中継はもう絶望だということがすぐ判明した。機材をすぐにポチっても、在庫なしなものもあって届くのはいつになるか不明であったのだ。
 ならばもう、じっくり腰を据えてやってやろうじゃねえか……というわけで、機材選定もかなり調べて真面目に検討し、結局、かなり多くの物品を準備することとした。
 ◆まずはアンテナ本体

 あ、くそ! わたしが買った時より4000円ぐらい安くなってやがる! しかも取り寄せだったのに今は在庫アリかよ! おのれ! それまで家についてるアンテナは45cmのモノだったので、それよりイイやつ、ということで50cmのDXアンテナ謹製のコイツを選択。当然4K8K対応品。
 ◆そしてケーブル
 
 前述の通り、従来のケーブルは4Cだったので、今回は5Cを選択。長さは、いろいろ実測して30mをチョイス。結果的には10mほど余ったけど、逆に言うと20mだとぴったり過ぎてヤバかったかも。4Cと5Cは何が違うかというと、端的に言えば太さが違うのだが、それによって電波の減耗率がちょっとだけ違うんだな。おまけに、将来的にWOWOWが4K化されてのBS左旋になった時の高周波数にも対応しないと意味がないので、最低でも5Cが必要だった。その上の7Cにしようかとも思ったのだが、7Cにするとすごく太くて、ケーブルの取り回しが難しくなるのであきらめた。
 ◆買ってよかった!! と感動したものその(1)

 これがなかなか売ってるところがなくて、調べたらヤマダ電機赤坂見附店に在庫アリ、というのでわざわざ買いに行った。BSアンテナを自分でつけたことがある人(なんて少ないか)ならご存じの通り、BSアンテナの取り付け位置、具体的には仰角と方位角は超シビアで、ちょっとでもズレると受信できないのです。その正しい角度は、東京の場合仰角38.1度、方位角224.4度(南西)と明確なんだけど、作業中にそれの角度にキッチリ合わせないといけないわけで、この「レベルチェッカー」がそれを示してくれるわけです。これは必須ですよ。仮締めして、そろーりそろーりと動かして、レベルチェッカーが最大反応してくれるポジションを探すわけですが、実に簡単にセット出来ました。
 ◆買ってよかった!! と感動したものその(2)

 これは「ケーブルストリッパー」というものです。何に使うか、ズカ淑女で知ってる人がいるとは思ないけど、説明すると、アンテナケーブルというものは、いわゆる「同軸ケーブル」というもので、テレビやレコーダーにブッ挿す先っちょに「F栓」というコネクターを取り付ける必要があるわけですが、その時、ケーブルを覆っているビニール皮膜をはがして、中心線の銅線をむき出しにする作業があるんすよ。これは、慣れてるわたしはハサミがありゃ2分で加工できるんだけど、長さとか結構シビアで、おまけに、屋根の上で作業しないといけないので、2分もかけたくないわけです。そんな時、この「ケーブルストリッパー」を使うと、15秒ぐらいで、規定の長さで、しかもつるっときれいに、ケーブルの先っちょを加工してF栓を取り付けることが出来るんだな。最初は別に要らねえ、ハサミがありゃ十分、とか思ってたけど、使ってみたら超簡単&超便利で感動したっす。
 ◆そして配線方法を考える。
施工前アンテナ配線
 調べてみると、そもそもBSアンテナの電波は、屋根の上で地デジ電波と混合器で合体させられていて、テレビやレコーダーの直前で分波器で分離されていた。こりゃアカン、そりゃ電波も弱いわけだ……というわけで、新しく取り付けるBSアンテナの電波は、わたしの部屋に直結しよう、と決断した。ただ、ほかの部屋でBS-NHKとか観られなくなるのは困るので、そうだ、ならば、今の配線をそのまま生かして、新BSアンテナの電波を屋根で2分派して、1つをわたしの部屋へ直行させ、もうひとつを従来配線に接続しよう、と思い立った。つまり↓↓こういうことです。
施工後新アンテナ配線
 というわけで、調べも進み、方針も決定し、機器も続々到着して、いよいよ決行! の時が迫ってきた、のだが、これだけの事実を見極め、計画を立てている段階で、わたしは実はどんどんと不安が募っていた。ズバリ、マジでこれ、オレひとりでできんのかな!? という根本的な問題である。
 ◆ケーブルを部屋から屋根に、どう持っていく?問題
 調べる前からわかっていたことだが、わたしの部屋は、もう10年以上前に、光回線を引き込むための穴があるのだ。これは家を建ててくれた棟梁に頼んで空けてもらったのだが、壁面の屋根と触れる付近と、部屋の天井の片隅に、直径15mmほどの穴が空いており、光回線は外からこの穴を通って屋根裏経由でわたしの部屋に入ってきている。これを使うしかねえ、とは思ったものの……かなりヤバい作業になることは明白であった。そもそも、わたしは3mとかの業者が使うようなハシゴのようなものは持ってない。なので、屋根からケーブルを垂らして、この穴に入れて、それを屋根裏経由でオレの部屋に垂らす……という作業はまず不可能だ。なので、逆に、先に部屋に配線してから、それを屋根にあげるしかねえのでは? でもどうやって? つうか、屋根裏をオレが入って、ケーブル垂らしたり出来んのかな?? という問題があったのだ。
 しかし! 渡れない河であろうと、登れない山であろうと、僕は諦めたりはしない!! ひとかけらの勇気が僕にある限り!!
 なので、わたしは次のような計画とした。そして実際それでうまくいった。
ケーブル
 【STEP-01】
 まずは屋根裏に潜入だ。屋根裏へのアクセスは、隣の和室の押し入れの上、の天袋からアクセスできるのだが、まず、入るのがすごい難しい。天袋は40cm~50cmの高さしかないし、そもそも位置も高い。それをよじ登って体をななめにして、腹筋と腕力で気合で体を入れて、ベニヤを置いて蓋をしてあるだけの穴に頭を突っ込む……と、屋根裏へ侵入できた。そしてまず、わたしの部屋の直上の「穴」の位置へと進む……のだが、当然埃まみれだし、梁や柱がいっぱいあって、一番端っこの目立たない位置に棟梁が空けてくれた「穴」が、あとちょっと、というところにあって、手が届かない!! 当然屋根は斜めに傾斜してるので、端っこほど狭いわけです。でも、ケーブルが若干固いので、ちょっと離れてても入れられるか……届いた! 入った! よっしゃ、5mぐらい垂らすぜ! という環境下で、超汗だくになりながら、なんとかケーブルを5mほど、わたしの部屋に垂らすことに成功。もちろんわたしは山に登る男なので、ヘッドライトは普通に持ってます。
 【STEP-02】
 そして次は、ケーブルの反対側を今度は壁の「穴」に向かって全部外に垂らす作業だ。もちろんケーブルは丸まった癖がついているし、残り20mほどのケーブルを、ちょっとずつ、外に向かって出すのだが、この壁の「穴」の位置も、超絶妙に遠いし、直径も15mmと書いたけど、実際は5Cケーブルがやっと通るぐらいの小ささだ。なので、癖がついているケーブルをスムーズにスイスイ出せるものではなく、ホント、5cmぐらいずつ、を×400回繰り返すという作業だ。マジでめげそうになったすね……この作業は。とにかく大汗かいたっすわ。この無間地獄作業は所要時間1時間ぐらいはかかったね。
 【STEP-03】
 この段階の前に、屋根に登って新アンテナ設置、という作業があるのだが、その時に、わたしが持っている山用の9mm×30mのザイルをアンテナの場所から、壁からケーブルを垂らしたあたりを狙って地上へ投げる! 1発で決まらず3回目で成功しました。投げた時、絡まらないでうまくほどけるようにまとめておくのも技の一つなんすけど、つうか、普通の人はザイルなんて持ってないよね。
 【STEP-04】
 そして再び下に降りて、地上で壁からぶら下がってるケーブルと、投げたザイルをきっちり結ぶ。この時、ケーブルがとんでもなくぐしゃぐしゃで、それを直すのが大変だった……。そして再び屋根に登り、ザイルを引っ張り上げて、ケーブルを手繰り寄せて、ケーブルのたるみを取るよう調節して、台風で吹っ飛ばないよう数カ所結束バンドで止めて……仕上げにちょうどいい長さに切断し、切断面をケーブルストリッパーで加工して、F栓を取り付けて……完了!!
 とまあ、こんな工程を踏んだ。のだが、本当に大変だったなあ……つうか、屋根に登るのが意外と怖いというか、危険だったね……。。。
 ◆屋根に登るのはやっぱり危険かもね。
 わたしは高いところは、好きではないけど苦手ではないので、まあ、普通に登ったのだが、最初はやっぱり、ちょっと立ち竦みますな。最初に登って状況を調べた時は、かなりおっかなびっくりだったけど、結局都合5回ぐらいは登ったのかな、最後の方は全然気にならなくなったす。でも、やっぱり危険だね。特に風の強い時はマジでやめといた方がいいだろうな。
 そしてアンテナ取り付け作業は、想像より簡単であった。予想では、相当きつくボルト類は止められてるのかな、と思ったけど、常識の範囲内で余裕で取り外せたし。それよりも、新アンテナや工具類をどうやって屋根の上に運ぶか? の方が悩んだかも。最初の頃は両手を使わないと登れなかったので、とても手に持って運べそうになかったのだが、いざ、よし、新アンテナを運ぼう、って時は片手で行けたので、大丈夫でした。工具類はすべてカバンに入れて肩から斜め掛けしてたので大丈夫だったす。
 そして実際の取り外し&取り付けは15分ぐらいでできたし、角度調整もアンテナチェッカーのおかげで数分で済んだし、ケーブルの加工・接続も数分で終わったす。
 ◆そしてとうとう! キターー!!
 すべてが終了し、ついに明瞭なきれいな画質でスカステが映った時の感動は忘れられないですなあ! わたしはスカパー歴は10年以上なので、実は5月に、長期加入者特典で(ほぼ)全チャンネルが15日間無料で見られる機会があって、それを作業する当日に申込み、スカステを観られるようにしておいたのです。それがなかったら、実験というか、実際に映るかどうかわからないので。なので、この特典の使える時期がやってくるまでの時間を、調査と検討、資材調達に費やしたのだが、本当に永かった……。調べてみると、スカステを中継しているトランスポンダCS-16番の電波強度レベルは、以前は最大35ぐらいでたまにゼロになったりと安定せず、とても観られたものではなかったのだが、新アンテナ&新ケーブルにチェンジした後は、安定してレベル65ぐらいを維持している。これはほかのチャンネルも同じで、WOWOWはレベル65だったのが68ぐらいまで強化されました。ついでに、せっかく4K8K対応にしたので、4Kレコーダーも衝動買いしてやりましたよ。すでにテレビは4Kパネルのモノだった(けど4Kチューナーはついてない)ので、4Kレコーダー導入でNHK-4K放送も観られるようになったし、Ultra-HD Blu-rayもHDR再生可能になりました。そして6月に入ってすぐスカステ本契約も締結し、晴れて、スカステ堪能生活が本格始動いたしました! やったぜ!! わーーい!!!


 というわけで、結論。
 はーーー……大変だったけど……一言だけ言うならば……。
 「フッ……何をやらせても完璧だぜ……!!!」

 以上であります!

↓ ずっと観たかった礼真琴さまのディナーショーが、来月、スカステの再放送で観られる!! やったー! ほかにも、TOPスター退団時のサヨナラショーとか、スカステオリジナル番組とか、もういつでもすべて観られるのがうれしすぎて最高です!

 2010年に初めて宝塚歌劇を体験してからすっかりハマり、10年が過ぎた。前回も書いたが、わたしはチケットをほぼ「宝塚友の会(=略して友会)先行抽選」で買っているわけだが、ここ数年、とにかくチケット難が続いており、とりわけ雪組は当たる方が珍しく、花組もここ数回獲れないでいる。
 そういう獲れなかったときは、わたしをズカ道に導いてくれた美しき師匠に相談すると、チケットを融通してくれることが多いのだが、前回の花組公演『カサノバ』は結局観ることが叶わず、見逃してしまったのであった。
 そんな中、ついに、現在の宝塚歌劇団TOPスターの中で(たぶん)最も人気の高い、花組TOPの明日海りおさん(以下:みりお)が退団を発表され、チケット争奪戦は激戦の様相を呈し、わたしも全敗、こりゃみりお氏のラストは見送れないかもな……と嘆いていたのである。みりお氏は2010年にわたしのズカ体験2回目であった月組公演で極めて強いオーラを放っていて、確実にこの人は将来TOPスターに上り詰めるであろうとずっと見つめてきた、思い入れのあるお方だ。そんなみりお氏のラストが見られないのは、痛恨極まりないわけで、わたしとしては本当にもう困っていたのである。
 が。
 1カ月ぐらい前、チケットぴあから何やらメールがポロリンと来たのである。そもそもぴあもe+も、まったくどうでもいいダイレクトメールが1日に10通近く送られてくるので、どうせそんなもんだろうと開くこともせずに削除……しようとしたところで、「抽選結果のお知らせ」という文字が目に入った。
 わたしはもういろんなチケットの抽選に申し込んでいるので、申し込んでいたことすら忘れていたのだが、なんじゃろか、どうせ「チケットはご用意できませんでした」のお知らせだろ!? と開いてみたところ、なんとなんと、花組公演が当選していたのである! わたし、ぴあで初めてズカチケットが当選したっす。奇跡はあるんですなあ!
 なので、うおっと、マジかよ、やったぜ! と小躍りし、セブンイレブンでの発券は翌日からとあるので、その翌日さっそく発券に行って観たところ……な、なんと! 奇跡はもう一つありました。
 なんと! なんとですよ!? 席が……!!! 奇跡の最前列!!!だったのです!!!!
 いやあ、マジでびっくりしたっすねえ! マジかよ!? とレジで声が出ちゃったす。ぴあで当選することだけでも信じられないのに、ましてや最前列だなんて、こんなことって、あるんですなあ!
 というわけで、その奇跡×2のチケットを握り締めて、昨日は日比谷に推参した次第であります。
saizenretsu
 ヅカファンなら、この写真でもうお判りでしょう。上手側のサイド席でありました。いやあ、その迫力は失神モノだったすねえ……ヤバかったす。まあ、おっさん客のソロ観劇で、なんだコイツ的に観られたかもしれませんが、いいんだよそんなこたぁ! そして思うに、わたしが友会で比較的よく当選するのは、ソロ観劇、すなわち1枚で申し込みをする点も、抽選には有利なんじゃねえかという気がしますね。

 というわけで、現在日比谷の東京宝塚劇場で絶賛公演中なのは花組であります。そしてTOPスター明日海りおさんの退団公演である『A Fairy Tale -青い薔薇の精-/シャルム!』という2本立てであります。
 まずはお芝居の『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』ですが、お話は19世紀のイギリス、とある貴族のお庭には精霊が住んでいて、その精霊たちは子供には見えるし交流もできる、けど、精霊界のルールとして、自分たちと交流した記憶を人間から奪う「忘却の粉」を振りかけないといけないらしい。しかし、薔薇の精であるエリュは、美しい心を持つシャーロットという少女にぞっこんLOVEってしまい(?)、忘却の粉をかけることを拒み、ルールを破ってしまう。その結果、そのお庭は荒廃し、エリュも「悲しみの色」である青に染まってしまう。それから数十年が過ぎ、あの美しかったお庭には植物が根付くことがなく、調査にやってきた植物学者の青年ハーヴィーはエリュと出会い、エリュからシャーロットの現在の居場所を探す依頼を受けるのだった……てなお話である。サーセン、いつも通りテキトーに端折りました。
 まあ、なんつうか、みりお氏はいわゆる「フェアリー系」であり、フェアリーを演じるのにはもうこれ以上ないキャスティングなわけですが、お話的には意外と現実的というか世俗の美しくない事情も絡んで、人とならざる存在のみりお氏と、人間としてしがらみ?のようなものにとらわれるハーヴィーを演じた花組2番手スター柚香光さん(以下:ゆずかれー)の対比が際立つお話でした。そしてヒロインであるシャーロットの出番が若干少ないのが少し残念だったかもっすね。
 というわけで、各キャラと演じたジェンヌを軽くメモしておこう。
 ◆エリュ:演じたのは当然みりお氏。これでみりお氏ともお別れかと思うと、ホントに淋しいすね。。。最前列で観るみりお氏は、本当に美しかったよ。約5年半の長期間、TOPスターとして本当に見事な舞台を見せてくれて、心からありがとうと申し上げたいすね。そして本当にお疲れ様でした。千穐楽まで、思いっきり駆け抜けてください。そして退団後は、美しい女優として活躍することを楽しみにしてますよ。わたし的には、みりお氏は、演技が一番の長所だと思うので、舞台で再び会いたいですな。
 ◆ハーヴィー:演じたのは次期TOPスターが決まっている、ゆずかれー君。そのビジュアルは最強レベルですが、歌がなあ……今回は比較的大丈夫だったと上から目線で申し上げたいけれど、ホント、今後の活躍を期待してますよ。わたし的にはゆずかれーくんも演技が一番の長所だと思ってます。しかしゆずかれー君は、わたしの贔屓である礼真琴さん(以下:こっちん)と同期なわけで、最年少TOPになるわけだが、その重圧は計り知れないものがあると想像するけど、負けずに頑張ってほしいすね。なんか、数年後、トート閣下を演じそうな気がするっすね。新公でもやってるし。まあ、ビジュアル的にはトート様が似合うでしょうなあ。
 ◆シャーロット:演じたのはこれがTOP娘役お披露目となる華優希さん(以下:はなちゃん)。ラストの老け役も見事でしたね。普段のはなちゃんは、わたし的にはかなり素朴系・ふんわり系のかわいい娘なわけですが、これからはTOP娘として、強い女性の役なんかも演じて行かなきゃイカンわけで、そんなはなちゃんを観るのを楽しみにしたいっすね。
 ◆ウィールドン夫人:シャーロットの母で庭園を愛していた美しい夫人。演じたのは城妃美伶さん(以下:しろきみちゃん)。しろきみちゃんも今回で卒業かあ……残念だなあ……元々わたしが一番応援している星組生だったしろきみちゃん。5回も新公ヒロインを務めてもTOPになれないんだもんなあ……やっぱり、97期というのは娘役にとって、タイミングが悪すぎたんだろうなあ……。。。きれいで歌もうまくて、こっちんの嫁にはいいんじゃないかと思ってたのだが……。こっちんロミオとしろきみちゃんジュリエットの新公はわたしは観たことがないので、いつか観てみたいす。まあ、一般人からするととんでもない美人なので、退団後の活躍を楽しみにしてますよ。どこかでまた会いに行くよ!
 ◆ニック:ウィールドン夫人に何となく恋心っぽいものを抱きつつ、夫人の愛した庭園を美しく管理する心優しい庭師の青年。演じたのは水美舞斗さん(以下:マイティー)。マイティーらしい、優しい役だったすね。ここ2年ぐらいでグイグイ存在感が増してきて、同期のゆずかれー君を支える重要な人材ですよ。星組の瀬央ゆりあさん(せおっち)もそうですが、番手的には2番手にはなれないのかなあ……同期ワンツーがあってもいいじゃん……
 で。後半はショー「シャルム!」であります。
Charme
 なんつうか、全くどうでもいいんだけど、映画オタクのわたしには、タイトルが『シャザム!』に似ているし、おまけに主題歌のメロディーも、なんかヒーローものの主題歌のようで、「シャルム!」と若干呪文めいた部分も、ちょっと変わったショーだったような気がします。
 公式Webサイトによると、「シャルム」とはフランス語で「魅力、色香、魔法、呪文」などを表す言葉だそうで、要するに英語のcharmのことらしいが、まさしく呪文でした。ほんのうっすらと、物語的な部分があるのはどのショーでもそうだけど、今回はなんつうか……うーん……なんといえばいいんだろう? あの魔法ステッキを持った魔法少女は何だったんだ!? いや、まあ、可愛かったからいいんだけど、ちょっと表現しにくいっす。
 まあ、いずれにせよ、最前列で観るショーの迫力はマジでヤバいすね。失神するかと思うぐらいのキラキラの大洪水で、溺れそうになったすわ。残念ながら、みりお氏の客席降りでは、握手できなかったす。超近くまで来てくれたんだけど……直前でふいっと帰っちゃったのが残念でした。そして、ゆずかーれくんの背中を、そっと押すみりお氏はなんか泣けたっすね。
 今回のショーでは、94期の羽立光来さん(芝居の方でシャーロットと結婚するいやーな奴を演じたお方)がわたしの真ん前に何度か来て、完璧にわたしに向けて目を合わせて微笑んでくださいました。わたしも、マジかよ、うおお! と満面の笑みで返したんですが、キモイおっさんでサーセンした! その愛称の通り、超ビック、身長178cmだって。おれより5cm以上デカいじゃん!

 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「眼には見えなくとも、わたしは、この庭で、ここに咲く花たちを見守り続けている。いつまでも……」
 今回は悩んだけど、まあ卒業に寄せたみりお氏の心情を現したこの台詞にしておきます。はあ、ほんとにみりお氏の退団の日が来てしまうんすねえ……TOPになることは、まさしく終わりの始まりなわけで、わが愛しのこっちんも、数年後には確実に卒業の日が来るんですなあ……おれ、泣かないでいられる自信ないっす……それを考えると、もう今から淋しいんすけど、どうしたらいいんでしょうか……。。。

 というわけで、結論。
 ついに来てしまったみりお氏の卒業公演。わたしは全くチケットが獲れず、これはマジで観られないかも……と半ばあきらめていたところでのぴあ当選、しかも最前列!という奇跡に恵まれたわけだが、とにかく最前列で観るショーのヤバさは、恐らく生涯忘れないだろうと思えるほどでした。そしてみりお氏のラストも、やっぱり忘れ得ないものとなるような気がします。まあ、内容的には若干不思議な感じだったけれど、その美しさはもう、みりお氏の宝塚人生ここに極まれりというものだったと結論付けていいのではなかろうか。しかし退団後の活躍も楽しみすねえ。みりお氏はやっぱり舞台が似合うと思うすね。映像系もイケると思うけど、やっぱり、舞台で輝くみりお氏にまた会いに行きたいですな。そして同じく卒業するしろきみちゃん……きっと卒業後も、様々な舞台で輝いてくれるでしょう。これからも、応援いたしたく存じます。残された花組の皆さん、ゆずかれーを先頭に、これからも走り抜けていただきたいと存じます。わたしは星組推しなので、まずはこっちんを一番応援しますけどね。以上。

↓ 観に行けなかったので、Blu-rayを買おうかと存じます。よく考えると、観に行くチケット代と値段あまり変わらんしね。ズカBlu-rayは結構あっさり品切れになるから、買える時に買わんと!!

花組宝塚大劇場公演 祝祭喜歌劇『CASANOVA』 [Blu-ray]
明日海りお
宝塚クリエイティブアーツ
2019-04-26

 以前も書いた通り、わたしが愛する宝塚歌劇団は、花・月・雪・星・宙の5組がそれぞれ公演を行っているわけだが、年に1回、毎年年末に各組TOPスターが梅田芸術劇場メインホールに集合して、合同の公演を行う機会がある。この公演は現在では『タカラヅカスペシャル』と呼ばれていて、昼と夜の2回公演を2日間、合計4回の舞台が繰り広げられるのである。
 ただし、そのタイミングで東京公演を行っている組は参加できないので、その東京公演組以外の4組+専科のスターたちから構成されているのである。ちなみに今年は宙組が東京公演中につき欠席、ということになっている。
 で。毎年、この『タカラヅカスペシャル』にはテーマがあるのだが、今年はどんなテーマかというと、公式Webサイトの文章を無断でパクッて説明すると――
「年に一度、専科、花、月、雪、星組で活躍中のスター達が集う夢の競演を、梅田芸術劇場より華やかに開催いたします。今年は、平成も最終年を迎えるにあたり、宝塚においても多くの変化のあった平成の30年間をフィーチャーしつつ、2018年の公演を振り返るコーナー等も含めた、バラエティ豊かな構成でお送りいたします。」
 ということだそうだ。えーと、ま、ズバリ言ってよくわからんと思うので、簡単まとめると、この平成最後の『タカスペ』は、この30年の歴史を振り返ります、てなことだと思う。実際、最初の方で説明があったのだが、今年はいろいろなメモリアルが重なったのだそうだ。
 ◆10年:現在の形で『タカラヅカスペシャル』となって10年目、だそうです。それ以前は「TCAスペシャル」という公演名で、場所も梅田じゃなかったりしたそうだが、その時代はわたしはよく知らないす。ちなみにTCA=タカラヅカ・クリエィティブ・アーツの略で、宝塚の映像音楽ソフトの管理販売をしてる子会社のことですな。
 ◆20年:今年は「宙組」が誕生して20年目なのです。それはつまり有楽町に暫定的に設置されたTAKARAZUKA1000days劇場から現在の日比谷の東京宝塚劇場のリニューアルが完成して、東京公演を通年公演を開始して20年、なんだそうだ。つうか、その宙組がタカスペ欠席ってどうなのよ……。
 ◆30年:あ、やべえ、なんだったか忘れた。なんか30年もあったはずだけど、サーセン、なんだっけ? 単に平成30年、ってことだっけ?
 ◆40年:宝塚大劇場の横にある、「宝塚バウホール」が出来て今年で40年なんですって。全然知らなかったわ。
 というわけで、以前は基本的に、「今年を振り返る」的な構成で、各組のその年の公演をパロディ化したドタバタ寸劇なんかもあったのだが、ここ数年は寸劇ナシの、歌を中心としたコンサートに近い構成になっていて、今年もそういう歌中心の真面目な?ショーであった。一応、今年のポスター画像を貼っておこう。
Screenshot
 で。
 この『タカスペ』で、おそらくファンが一番うれしいことは、普段観ることができない、組が違うスター同士が一緒に歌うシーンを観られることに尽きると思う。例えば月組のTOPスターと花組のTOP娘のデュエットとか、組が違う同期スターたちが共演するとかですな。なので、『タカスペ』をたしなむには、舞台に登場するスターの知識とか(誰だ?とか言っていてはダメなのです)、歌う歌の知識(この歌なんだっけ? とかも基本アウト)も持ち合わせていないとダメで、高度な宝塚知識が必要になる。つまり、ズカ道黒帯でないと、「おおっ、キター!」とか、いちいちキャッキャできないのである。わたしは2010年にヅカ道に入門して早9年。期で言うと96期生と同期。まだまだ精進が必要だが、一応、自称黒帯である。
 というわけで、わたしが今年の『タカスペ2018』で、一番「おおっ!」と燃えた(萌えた)のは、やっぱりですね、月組TOPスター珠城りょうさん(以下:たまきち)と、花組TOP娘役の仙名彩世さん(以下:ゆきちゃん)のデュエットであろうと思う。
 なぜグッと来たかというと、まず第一に二人は同期であり、そしてゆきちゃんは来年退団することが決まっているからであり、さらに言うと、二人の歩んでみた道が結構対照的だからだ。そんな二人が、最期のタカスペでデュエットを歌う。ここにグッとくるわけですよ。
 わたしは星組を一番応援しており、星組の2番手スター礼真琴さん(以下:こっちん)が一番好きで応援しているのだが、そんなわたしなのに、月組のたまきちくんが現役TOPスターの中では一番好きである。たまきちくんは94期生、こっちんが95期生なので、1期上、である。1期上、ということは、宝塚においては、同じ時期に音楽学校に在籍したということであり、つながりが大きい間柄だ。そしてゆきちゃんも94期生であり、おまけにゆきちゃんは94期生首席卒業である。こっちんも95期生首席なのだが、こっちんたち95期生からすると、1期上の首席、という存在はもう超憧れの先輩という感じだろうと思う。
 しかし、ゆきちゃんは首席とはいえ、実は華々しい経歴を誇っているわけではない。極めて高い技量を持った娘役であるのは間違いなく、とりわけその美声はわたしはとても好きだが、TOP娘に登極するまでは決して順調な道のりではなかった。新人公演ヒロインも経験できなかったゆきちゃん。そして一方では、同期たまきちくんは早くから抜擢が続き、入団9年目で月組TOPスターに登極。この9年目というのは、異例の速さだ。こんな、若干対照的な同期のTOPスター二人が、組の違いを超えて、退団前の最後のタカスペでデュエットする。そこに、とてもグッとくるというわけであります。さらに言えば、男役と娘役は、TOPになる時期が違っていて、男役が10年目とか遅いのに反して、娘役は普通は5年目とか、もっと早いわけですよ。なので、同期の男役と娘役が、同じ時にTOPでいる、という状況も、普通は結構まれなわけです。なので、たまきちくんとゆきちゃんの同期デュエットは、そういう意味でも、同じ時にTOPでいられた奇跡に乾杯! なわけですよ! いやあ、ほんとに、この1曲のためだけでも、ライビューに行って良かったと思ったす。
 まあ、わたしとしてはその他にもいろいろ見どころはあって、2時間はあっという間に終わってしまったような気がする。わたしが思ったことは、もう箇条書きでメモって終わりにしよう。
 ◆理事の歌声は……若干厳しいというか……むむむ……。。。
 ◆こっちんはさすがにカッコいい! その歌のパワーはやっぱり際立ってますなあ。
 ◆最強歌ウマTOPコンビ、望海風斗さん&真彩希帆ちゃんはさすがの歌力すねえ。
 ◆誰が何言おうと、わたしは星組推しとしてあーちゃんを応援します。かわゆい。
 ◆ゆずかれーは、確かにそのビジュアルは超強力だけど、歌は……むむむ……。
 ◆たまきちくんは最年少TOPだけあって、いじられますねw しかしこの人、ホントに女子としてかわいいと思うな。そしてわたしの大好きな歌、「蒼穹の彼方」は大変結構なお点前でした。ちえちゃんの熱唱を思い出すっすね。
 ◆せおっちはなんかホントに、この1年で成長しましたなあ。特に歌が。
 ◆こっちんと同期のせおっち(星)・れいこ(月)・あーさ(雪)・マイティー(花)といった各組3番手付近の活躍は大変喜ばしいすねえ。
 ◆わたしが娘役で一番応援している海乃美月ちゃんがちらちらと出演するとわたしのテンションは上がるわけですが、くっそう、ライビューだと見切れてる場面が多すぎて、ぐぬぬ……!
 以上であります!

 というわけで、結論。
 年に1回、年末恒例の『タカラヅカスペシャル』。わたしは今までWOWOWで放送されたものしか観たことがなかったけど、初めて、ライブで観てみた。ライブと言っても、劇場で生で観るわけではなく、映画館で上映されるいわゆる「ライブビューイング」だったわけだが、アレっすね、やっぱり画質も若干粗くて、静止してるといいんだけど、動いているともう顔が分からなくなるレベルで、なんつうか、もっと画質の向上をお願いしたいですな。そして今年の『タカスペ』は2時間であっさりおわってしまい。なんかあっという間だったすね。でもまあ、わたしとしてはそれなりに見どころもあって、大変楽しめましたとさ。以上。

↓ おお、今は配信もされてるんですな。2014年は宝塚100周年ということで、この年は東京公演組だった月組も中継でちゃんと参加して、結構楽しかったすね。しかしあれからもう4年経ったのか……はええなあ……。。。

 現在の宝塚歌劇団、花組TOPスターは、明日海りおさん(以下:みりお)である。わたしが初めてみりお氏を知ったのは、2010年の月組による『THE SCARLET PIMPERNEL』で、当時の世に言う「まさみり」時代のみりお氏が、悪役ショーヴランを龍真咲さんと役替わりで演じている時で、わたしはたまたまみりお氏がショーヴランを演じた回を見て、すげえこの人は光ってるなあ、と思ったわけだが、あれからもう8年が過ぎた。
 みりお氏はその後、2013年に月組から花組に異動になって、2014年に見事花組TOPスターとなったわけだが、それから数えてももう4年、まさしく今、円熟の時を迎えており、ズバリ言えば、もういつ退団の発表があってもおかしくないと、おそらく宝塚ファンは誰しも感じているだろうと思う。
 そんなみりお氏だが、わたしの主観で言えば、このお方は現在の5組のTOPスターの中では最強のビジュアルを持ち、とにかくルックスの美しさは随一であろうと思う。もちろん、歌も芝居もダンスも当然最高レベルにあるのだが、わたし的にはまずそのビジュアルが最強だ。異論はあるとは思うけれど、わたしはみりお氏のビジュアル、そしてその次に、芝居が非常に良い、と思っている。花組は2番手スター柚香光さん(以下:ゆずかれー)も、そのビジュアルは最強に近く、ここ1年ぐらいでメキメキと歌も良くなってきているので、TOP就任もいよいよ近いのだろうとは思っても、やっぱりみりお氏の放つ強力なオーラにはまだ届いておらず、わたしとしてはもうチョイ、みりお氏がTOPに君臨して、ゆずかれーくんの熟成を待ちたいのだが、果たしてどうなるのか、その人事は劇団首脳に聞かないとさっぱり分からん状態である。
 というわけで、わたしは昨日、現在日比谷で絶賛上演中の花組公演『MESSIAH −異聞・天草四郎−/BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』を観てきたのだが、なんとなくこの作品は、みりお氏の退団公演でもおかしくないような内容だったな……という気がしてならなかったのである。次の世に思いを託す天草四郎の姿に、妙にわたしは現在のみりお氏を重ねてしまったのだ。まあ、ズバリ考えすぎだと思うけど。

 というわけで、前半はミュージカル『MESSIAH −異聞・天草四郎−』である。ま、お話はもはや日本人的にはお馴染みの、天草四郎の物語だ。天草四郎と言えば、相当いろいろな作品で登場する人物だが、実際のところ結構謎の人物で、かなり伝説めいた人物としてもお馴染みだろう。そのような、空想の入り込む余地が多いために、多くのフィクション作品を生み出しているともいえるが、本作では、四郎は、倭寇、すなわち海賊の長だったという設定になっていて、彼自身はキリスト教徒ではなかったという面白い設定になっている。ではなぜ、一揆をおこし、それを率いたかというと、そこには支配層の圧政があり、また、民衆のキリスト教への妄信?とも言えそうな、ただただ、もはや神の救いに縋るしかないという絶望的な想いに、心動かされたから、と本作では描かれていた。
 わたしとしてはその物語に不満はないし、みりお氏の渾身の芝居ぶりも非常に見事だったと思う。また、本作はミュージカルと言っても歌は最小限であったのだが、最小限の歌の使い方が非常に効果的で、ソロ曲というより群衆とともに歌うようなシーンが多く、その迫力はとても素晴らしかったと思う。やっぱり、グッと来たっすね、歌のシーンは。そして、四郎に関しては、やけに衣装がカッコ良かったですな! 和服なのに、和服じゃないというか、なんなんだろう、肩パット的な逆三角形シルエットにカッコ良さを感じたのだろうか? 配色もいいし、四郎とリノの衣装は何か凄くカッコ良かったすね。男目線からすると、翻るマントは鉄板のカッコ良さす。
 そしてわたしが本作で、みりお氏以外に目についた役者を挙げるとしたら、やはりゆずかれーくんと、TOP娘役の仙名彩世さん(以下:ゆきちゃん)だろうと思う。
 まず、ゆずかれーくんが今回演じたリノ、別名山田右衛門作は、四郎とは逆に、敬虔なキリスト教信者だ。南蛮絵師として数々の宗教画を描き、ある意味民衆の信仰のよりどころとなっているマリア様の肖像(だっけ?)を描いた男で、島原の乱唯一の生存者と知られている人物だ。歴史上はWikiによると内通者だったようだが、ゆずかれーくんの芝居は、右衛門作の苦悩をとても見事に、そして美しく表現できていたように見えた。四郎から、お前は生きて、俺たちの真実を後世に伝えてくれ、と頼まれ、皆とともに死ぬことを許されなかった右衛門作。本作は、冒頭、江戸城に呼ばれた右衛門作が、島原で起きたことを時の4代将軍家綱に語り出すところから始まる(※島原の乱は、3代将軍家光の時代)。なので、四郎たちの戦いは、要するに回想シーンなわけだが、エンディングではまた江戸城の冒頭のシーンに戻り、とまあこういう次第であります、と繋がるわけで、そのラストで、家綱から優しい言葉をかけられたゆずかれーくんの、渾身の土下座にわたしはかなりグッと来たっすね。大変素晴らしかったと思う。歌もホント、毎回成長してますよ。TOPへ至る日は本当に近いのでありましょうな……きっと。なんというか、その想いを引き継ぐ的なところに、わたしはなんだかみりお氏の卒業公演っぽいと感じてしまったのだと思う。
 そしてゆきちゃんは勿論、物語のヒロインである流雨(るう)を演じたわけだが、やはりこのお方も、芝居と歌は超一級ですな。とりわけ、ゆきちゃんの声の美しさはTOP娘役の中でもわたしはナンバーワンだと思う。5人のTOP娘役の中で、94期と最年長。でもまだ大劇場2作目だし、きっとゆきちゃんはみりお氏と同時退団しちゃうんだろうと想像するけど、まだまだその美声は聞かせていただきたいですなあ……。本当に綺麗な歌声ですよ。お芝居もとても良かったと思います。
 それから、出番は少ないけれど、水美舞斗さん(以下:マイティー)も、グイグイと力をつけてますねえ。わたしが一番応援する星組で言うと、まさしく瀬央ゆりあさん(以下:せおっち)的立場だと思うけど、演じた松平信綱は、島原の民に同情を寄せながらも、徳川家第一、という筋の通った男をきっちりと、何気にカッコ良く演じていたと思うすね。マイティーもせおっち同様、次のTOPスター候補である95期の同期、ゆずかれーくんとこっちん(礼真琴さま)をしっかり支える貴重な人材として、活躍してほしいすね。
 で。後半はショー『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』である。
beautifulgarden
 こちらはもう、そのタイトルが表す通り、もうお花畑ですよ。何と言っても、花組、だもんな。そりゃあまあ、美しい花男、花娘の、文字通り百花繚乱ですよ。わたしは男なので、ラスト近くにある、ゆずかれーくん率いる若き花男たちのアイドル的パートには特に感じるものはないのだが、会場の淑女の皆さんはうっとりでありました。わたしとしては、やっぱりみりお氏とゆきちゃんのデュエットダンスが一番美しく感じたすね。いやあ、ホントにゆきちゃんの声は綺麗だなあ……と思います。願わくば、あと1年ぐらいはこのコンビでお願いしたいと存じます。
 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「バカげている! 生きている人間さえ救えぬ神が、あなた方の魂をぱらいそへ導けるとでも思っているのか!」
 今回は、踏み絵を踏んでも何も起こらないじゃないか、あんたたちの「神」はただ沈黙しているだけだ! という四郎の怒りに満ちた叫びを選びました。神の沈黙、これはキリスト教信者にしかわからない苦悩?なんでしょうな……生きてこそ、だと思うんだけどね……。ほんと、みりお氏は芝居が一番のような気がしますね。

 というわけで、結論。
 現在日比谷にて絶賛公演中の花組公演、『MESSIAH −異聞・天草四郎−/BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』は、当然歴史通り悲劇的なお話で、会場の淑女の皆さんはくすんくすんと泣かれている方も多く、物語的にかなりグッとくるお話であった。歌は最小限だったけれど、その歌のシーンも非常に良かったすね。群衆とのハーモニーでグググッと盛り上がるのは、ハートに響きますなあ! とても良かったと存じます。本当に、明日海りおさんの芝居はもう円熟期、大変お見事でした。確かに、柚香光さんの技能はぐんぐん向上し、そりゃもう、次のTOPは決まりでしょう。でも、でも、まだまだ、みりお氏のもとで研鑽をしてほしいすね。すっごい悪党を一度演じてほしいすなあ……。あとは歌も、相当レベルは上がってきているのは間違いない、けど、さらに上を目指してほしいす。いずれにせよ、花組の今も、これからも、まあ、盤石なんでしょうな。みりお氏とゆきちゃんがあとどのくらいの任期か分からないけれど、最後まで応援いたしたく存じます。以上。

↓ 天草四郎と言えば、わたしが真っ先に思い出すのはやっぱりこれっす。沢田研二氏が最高す。






 とりあえず、手抜きとして経緯を昨日の記事をパクって貼っておこう。
 おとといの2月25日の日曜日、わたしは宝塚歌劇の公演を2本ハシゴして観てきた。というのも、本命の花組による大劇場公演『ポーの一族』のチケットが全然取れず、久しぶりに、こりゃあ観られないか、と半ば諦めていたのだが、ある日、宝塚歌劇の公式Webサイトに、とあるチケットの販売に関する告知が出ていて、どうせ当たりっこないんでしょうよ……と思って申し込んだ「W観劇チケット」なるものが当選したから、であります。
 そのチケットは、わたしが見逃すかもと危惧した花組公演『ポーの一族』@東京宝塚劇場のチケットと、赤坂ACTシアターにて開催される星組公演『ドクトル・ジバゴ』のチケットがセットになったもので、11時からの『ジバゴ』@赤坂、15時半からの『ポー』@日比谷の二本立て、というわけである。
 まあ、ズバリ言えば、『ジバゴ』のチケットの売れ行きが渋かったための、いわゆる一つの抱き合わせ商法であることは否めないだろう。わたしも、星組を一番応援している身とは言え、実はあまり見たいとは思ってはいなかったので、まあ、いいか、ぐらいのテンションであったのだが、結論から言うと、わたしとしては『ポー』よりも、『ジバゴ』の方がずっと面白く、楽しめたのである。
 というわけで、今回は『ポーの一族』についてしたためたいと思う。思いっきりもう書いてしまった通り、わたしとしては『ポー』より『ジバゴ』の方が面白かったかな……その理由についてをメインに書こうと思っています。今のところは。

 というわけで、上記動画の通り、その美しさ、極上である。萩尾望都先生による原作コミック『ポーの一族』は、もはや説明のいらない名作であろうと思う。男のわたしですら、もう数十年前に読んだことのある作品だ。永遠の時を生きる、不老不死の存在「バンパネラ」の少年エドガーの数奇な運命を描いた短編連作的なお話で、一つ一つのお話は続き物ではなく、かなり時代が飛ぶし、長編で一つの物語を追うものではなく、その時どきのエドガーを描いた傑作コミックだ。
 なので、わたしは一体、どのようなミュージカルになるのであろうか? と興味津々でおり、観る前にわたしが抱いていた注目点は、以下の2点にあった。
 1)一体どのエピソードを?
 わたしは、今回は原作コミックのどこかのエピソードに絞っているのではないかと想像していた。どうやら登場人物としてアランも出てくるようなので、まあきっと、アランがバンパネラとなるエピソードではないかしら、と勝手に想像していたのだが、まあ結論からすると半分あっていたというか、全然違っていました。本作は、エドガーがバンパネラになる時の冒頭のエピソードと、アランの話と、それからメリーベルの話、ポーツネル男爵消滅の話、と意外なほど盛りだくさんでわたしは少し驚いた。というのも、観終わった今、わたしは果たして「原作未読の人」が理解できたのだろうか? とかなり懐疑的だからである。ホント、観に行く前に電子書籍で全巻揃えて予習しといてよかったわ……と思う。これは……原作知らないと、特に1幕は相当分からんのではなかろうか。
 2)メリーベルの天使具合や如何に?
 メリーベルというのは、エドガーの妹で、基本的にメリーベルが超可愛い天使でないと、話はおかしくなってしまうはずだ、とわたしは考えていた。なにしろ、エドガーは可愛くてたまらない妹を守るためにバンパネラとして生きることを受け入れるのだし、アランだってメリーベルの可愛らしさにぞっこんとなるわけで、実際のところ、一番の重要キャラだとわたしは思っていたので、果たして本作でのメリーベルは、どれだけ天使クラスに可愛いだろうか、と期待していたのである。この点に関しては、まずビジュアル面では全く問題ナシ、というか、まあとにかくかわいいのは間違いなかろう。ただ、重要人物なのに今一つ、メリーベルの心情が心に響かず、歌もそれほど多くなくて、その点では若干残念に思った。
 そうなのです。ズバリ言うと、わたしとしては本作、ミュージカル版『ポー』は、ちょっとイマイチだったのです。その理由は、おそらく歌にあって、どうも歌がグッと来なかったのだ。これは、キャストの問題ではなく、歌の歌詞とメロディーそのものに対する感想で、その結果、どうも心に響かなかったんすよね……。
 確かに、キャストは超絶に美しく、衣装も華やかで、歌声もとってもとってもイイ! のは間違いないと思う。その点では、もう何の文句もなく、パーフェクトだと言ってもいいぐらいだ。でも、歌なんすよ……問題は。物語が複雑、というよりはしょりすぎなのか、説明不足なのか、若干判定に悩むけれど、とにかく、一見さんお断りな物語展開だったように思えたのだが、それを、歌でカバーしてほしかったんすよね……わたしとしては。わたしはいつも、初めて宝塚歌劇を観る人でもこの作品は楽しめただろうか、という点を重要視しているのだが、ちょっと『ポー』に関しては、宝塚未体験の人を連れて行く気にはなれなかったような気がします。
 というわけで、文句はもうこの辺にして、演じたキャスト陣絶賛コーナーに移ろう。
 ◆エドガー:14歳でバンパネラとなる美少年。演じたのは、もちろん花組TOPスター明日海りおさん(以下:みりおちゃん)。まあ、みりおちゃんの美しさはこの世のものとは思えない美しさで、人ならざる存在としてのエドガーは超ピッタリですな。みりおちゃんはあとどのくらい、TOPでいてくれるだろうか……もう就任3年半か。あと1年半ぐらいは卒業しないでほしいすね。わたし的には、エンディングのミニ・ショー(2幕モノの終わった後のアレってなんと言うんでしょう?正式名称あるんすか? パレードとは違うもんな)でのみりおちゃんの、青系の燕尾?がすげえカッコ良かったと思う。ああ、ひょっとしたら、わたしが宝塚男役に魅かれるのは、大人なカッコ良さであって、エドガー的な子供、エドガー的な美しさじゃないのかもな……それでイマイチに思ってしまったのかもしれないな……ま、いずれにせよ、みりおちゃんの美しさはもう別格で、その点では最強でした。
 ◆アラン:絶望の淵に出会ったエドガーに魅かれ、バンパネラとなることを受け入れる、これまた美少年。演じたのは、もちろん花組の誇る美形、柚香光さん(以下:かれー)。かれー君の美しさも、もはや完璧で、今回は悩めるエドガーの苦悩も非常に上手に表現できていたと思う。かれー君の課題である歌も、回を重ねることにどんどん良くなっていることも認めよう。次期花組TOPはもう完璧にかれー君で決まりであろう。わたしが一番好きな星組の礼真琴さん(以下:こっちん)と同期の95期生なわけだが、なんか……こっちんより先にかれー君がTOPになる可能性も十分あるような気がしてきましたな……まったく根拠はありませんが。そうなったら、こっちんファンとしては実に遺憾だが、まあ、受け入れざるをえまい。いいもん、こっちんの方が断然歌が上手いもん! と子供のような拗ね方をしておきたく存じます。ともあれ、今回のかれー君は、事実上初めての2番手扱いということで、実に美しく、芝居も確かで大変良かったと存じます。
 ◆シーラ・ポーツネル男爵夫人:エドガーの名目上の母親(勿論全く血縁ではない)。元々、人間の時に、バンパネラだったポーツネル男爵に恋をして、自ら志願して男爵にバンパネラにしてもらった女性。大変気の毒な最期を……。わたしは、『ポー』が宝塚で上演されることを知って、一番最初に思ったのは、はたして花組TOP娘役の仙名彩世さん(以下:ゆきちゃん)が演じるのはどのキャラクターだろう? という疑問だったのだが、まあ、順当?にシーラでした。そして今回歌では一番ゆきちゃんの美声が目立っていたような気がしますね。やっぱりゆきちゃんは歌もうまいし芝居もイイですなあ! さすがの実力者だと思います。素晴らしかったす。
 ◆ポーツネル男爵:エドガーを養子とするバンパネラ。原作では意外とよくエドガーと口論になる。演じたのは瀬戸かずやさん(以下:あきら)。わたしは、あきらさんがダメとは決して思わないが、どうしても、もし半年前に宙組へ異動になってしまった芹香斗亜さん(以下:キキちゃん)が今もなお花組であったなら、この男爵の役はキキちゃんが演じていただろうな、と想像してしまうし、そしてキキちゃん演じる男爵は超絶にカッコ良かっただろうな……と思わずにはいられないす。花組で一番応援していたキキちゃん……宙組は次の次か。また早く会いたいす……。
 ◆メリーベル:エドガーの妹。超絶に可愛い。演じたのは華優希ちゃん(以下:はなちゃん)。100期生ということで、まあいわゆる抜擢と言えるのだろう。そのビジュアルは大変可憐でありました。しかしまあ、ホントに可愛いすね。「おとめ」によれば読書が趣味で肉とチョコが好きなんですと。いくらでも食わせてやるっつーの。ちょっと今後の成長を注目したいすな。
 とまあ、こんな感じでしょうか。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「僕はもうおしまいだ……誰か助けて! メリーベル、メリーベルに会いたい……!」
 今回は、ラスト間近の、アランの悲痛な叫びを選びました。この絶望感が非常にグッと来たすね。かれー君、お見事でした!

 というわけで、結論。
 名作コミックの宝塚化、ということで注目されている花組公演『ポーの一族』を観てきたのだが、その美しさは格別で、大変素晴らしい舞台だったことは間違いないのだが、どうもわたしは今回、歌にあまりグッと来なかったような気がしてならない。結果、若干イマイチだったかも? という気にすらなってしまっており、ひょっとすると、根本的な原因は、わたしがそれほど原作の『ポーの一族』に思い入れがないせいなのかもしれない。しかし原作未読で物語は理解できたのだろうか? なんとなく、一見さんお断りな気もする。どうなんでしょう、そこんところは。ま、いずれにせよ、みりおちゃんの美しさはますます持って磨きがかかっており、TOPとしてまだまだ、そのお姿を拝見したいものだと思う。そして事実上2番手となったかれー君の、2番手羽を背負った姿も早く見たいすね。でも、かれー君よ、くれぐれもこっちんより先にTOPにならないでくれよな。そこは譲りたくないんすよ……サーセン。そして、やっぱりキキちゃんの存在は花組で非常に大きかったんじゃないかなあ、てなことを思ったのでありました。以上。

↓ 全5巻かな? 結構すぐ読めます。観る前に絶対予習しといた方がいいすよ。

 わたしが宝塚歌劇を初めて観たのが2010年2月の星組公演で、以来すっかりハマり星組を一番応援しているわけだが、2回目に観た宝塚歌劇が同年6月の月組公演『スカーレット・ピンパーネル』であったことは、このBlogでも何度も書いているので、賢明なる読者の方にはお馴染みだろう。その頃の月組は、霧矢大夢さんがTOPになったばかりであり、その下に龍真咲さん(通称:まさお)と明日海りおさん(通称:みりお)のお二人がダブル2番手として活躍されていたことはヅカファンなら周知の事実だ。世にいう「まさ・みり」時代である。このお二人は、この頃ほとんどいつも役替わりで、同格扱い?だったように思うが、学年が2つ上のまさお(87期)の方が、実力も人気も、みりおちゃん(89期)にまさっていたような気がする。まさおはその後2012年に月組TOPに就任し、去年の9月に退団して今やすっかり女子力をUPさせて可愛い美人シンガーとなっているが、わたしは、最初に観た『スカーレット・ピンパーネル』が、たまたま、みりおショーヴランの回だったこともあり、7年前から断然みりお派である。みりおちゃんはその後花組へ移動になり、2014年の宝塚100周年の年にTOPスターとなって、今なお花組を背負う現役最古参TOPスターとして活躍している。おそらく、わたしの審美眼によれば、みりおちゃんは現在の5組のそれぞれのTOPスターの中で一番の美貌の持ち主で、とにかくその小顔といい、そのビジュアルは最強であろう。実に美しいお方だ、と毎回わたしは見惚れるわけである。
 というわけで、わたしは昨日の夜、日比谷の東京宝塚劇場へ推参し、絶賛上演中の花組公演『邪馬台国の風/Santé!! ~最高級ワインをあなたに~』を観てきたのだが、結論から言うとみりおちゃんの美しさはますます磨きがかかっており、その美貌に敵なし、とうっとりすることになったのである。まあ、そりゃあもう大変なお美しさであった。

 ところで、ちょっと最初に余計な豆知識を付け加えておくと、現在の宝塚歌劇は、各TOPスターの卒業や新TOPスターのお披露目などが相次いでおり、かなり顔ぶれが変わりつつある。そこでまとめとして、各組の状況を自分用に簡単にまとめておこう。
TOPスター 娘役TOP
花組 明日海りお
(みりお:89期)
ビジュアル最強
仙名彩世
(ゆきちゃん:94期)
月組 珠城りょう
(たまきち:94期)
若きプリンス
愛希れいか
(ちゃぴ:95期)
元男役の最強プリンセス
雪組 望海風斗
(だいもん:89期)
最強歌ウマ
真彩希帆
(まあやちゃん:98期)
星組 紅ゆずる
(紅子先輩:88期)
最強コメディエンヌ
綺咲愛里
(あーちゃん:96期)
宙組 朝夏まなと
(まぁ様:88期)
→次の公演で退団
真風涼帆
(ゆりか:92期)
元・星組の御曹司
不在
→次期娘TOPとして
星風まどか
(まどかちゃん:100期!)
 なるほど、改めてまとめてみるとすっかり変わったなあ……。コンビの学年差も様々ですのう。月組のたまちゃぴの1コ違いが異例ってことか、やっぱり。なんでこんなまとめをしてみたかというと、今回の花組公演は仙名彩世さん(ゆきちゃん)の娘TOP就任1作目のお披露目であり、実はわたし、ゆきちゃんのことをあまりよく知らなかったからである。花組ファンの皆さんサーセン。ゆきちゃんというと、わたしの印象に残っているのは北翔海莉さん(みっちゃん)主演の『風の次郎吉』での「手妻の幸」かな、WOWOWの放送で観ましたが、大変可愛かったすねえ。
 で。まずは”古代ロマン”『邪馬台国の風』である。
 わたしとしては、ゆきちゃんのヒロインぶりを堪能することよりも、まあ花組を観る時はいつもそうなのだが、実はわたしの愛する星組から2012年に花組へ異動になった芹香斗亜さん(通称:キキちゃん)のことを注目することに重点を置いていた。キキちゃんは先日結構突然に宙組への異動人事が発令され、えっ!マジかよ!! と思っていたのである。わたしとしては、無事に2番手として活躍を続け、みりおの次はキキちゃんでいいんだよね? まさか柚香光さん(ゆずかれー)に抜かされるとか、ないよね? とドキドキしていたので、この人事にはホントしょんぼりしたけれど、考えてみると、次期宙組TOPが決定している真風涼帆さん(ゆりかちゃん)とは、お互い元星組で仲がいいし、確かにキキちゃんの長身は、宙組にすげえ合ってんじゃね? という気もするので、キキちゃんの花組生としての最後の大劇場公演(10月にACT公演があるのでそれが花組生ラスト)を見届けてくれるわ!という気持ちで、昨日は日比谷に推参したわけである。
 お話の方は、まあ、結構スピーディーな展開であれよあれよとお話が進むが、それでもわたしとしては十分楽しめた。古代の日本における、後に女王・卑弥呼となる少女と、一人の青年とのラブロマンスで、そりゃあもうみりおちゃんの美しさは抜群だし、やっぱりゆきちゃんも歌が上手いすね。なかなかお似合いだとお見受けした。そして肝心のキキちゃんも、2番手スターとして悪役をきっちりと、そして美しく演じ切り、ラストは若干あっけないけれど、キキちゃんの芝居・歌はさらに良くなっているじゃあないかと嬉しくなった。
 この公演でわたしがちょっと驚いたのは、全然予習していなかったから、に過ぎないのだけれど、専科から二人のベテランが参戦していて、そのお二人が登場した時は結構びっくりしてしまった。まずは先代・大巫女を演じた美穂圭子さんが完全に場を持って行くいつもの超美声で劇場を支配するシーンはすげえ、と思ったし、そしてさらにマギーさんでお馴染みの星条海斗さんが悪役サイドのボスとして登場した時は、おっと! マギーさんじゃないすか! とさらに驚いた。ちなみにこのお二人、ショーの方でも大活躍で、これほどショーで専科スターがバリバリに出てくるのは珍しいような気がした。ショーでの圭子さんの「愛の賛歌」は鳥肌モンですよ。ホントに、一人だけマイクのセッティングがおかしいんじゃね? と思うほど圧倒的な声量で、このお方の歌は毎回本当にすごいと思う。
 そして驚いたことがもう一つあって、わたしはですね、ゆずかれー君のファンの方には大変申し訳ないのだが……かれー君の方が美貌で人気も高い(たぶん)が故に、キキちゃん応援団としては、ちっ! とか思ってたわけです。確かに、かれー君の美しさは抜群だし、とにかくダンスのキレ、とりわけ指先までの美しさは悔しいけどキキちゃんより上か……でも芝居と歌はキキちゃんの方が上だもんね! とか思ってたわけです。それがあなた! なんだよ、かれー君の歌がすげえ進化してるじゃないですか! いやー、かれー君の歌が上手くなってて、それがわたしは実は一番驚いたことであった。
 そして、今回の公演のある意味本命である、ショー、”レビュー・ファンタスティーク”『Santé!! ~最高級ワインをあなたに~』で、わたしの驚きはさらに上増しされたのである!
sante
 オープニングの5人の美女! 特にキキちゃん! なんだよ、すっげえ美人じゃあないですか!!! わたしはキキちゃんの女装は(女性に女装というのもおかしな話だけど)初めて観ると思う。よく、年末のタカスペとかでなんちゃって女装をみるけれど、キキちゃんの女装は、わたしは初めてじゃないかなあ。そして、おっそろしく綺麗で美人であった。男のわたしとしては、キキちゃんは5人の中で一番きれいで可愛かったね。これは単にわたしの趣味の話かもしれないけれど、かれー君より女装は可愛い! やった! キキちゃんにかれーに勝る点がもう一個増えた! と喜ぶわたしであった。この女装の後は、通常の男装の麗人に戻ったキキちゃんですが、一人、明るい金髪で、もやはわたしの眼には、銀髪でお馴染みの吉川晃司先輩にしか見えなかったすねえ! 男がみてもカッコイイ! 
 そして、このショーではみりおちゃんまで女装を披露してくれ、たぶんみりおちゃんの女装もわたしは初めてなんじゃないかと思う。このお方は、もう既に最初から美しいので、男のわたしから見ると女装も全く違和感なく、妖艶でセクシー、かつ可愛い! ので、わたしとしては大興奮のショーで大変楽しめました。なお、わたしは東京では初めて2階席だったので、Santé!! は出来ませんでした。超残念! 初めての2階席は2列目のド・センターだったので、心配してたよりも全然観やすかったす。
 というわけで、毎度お馴染みの、「今回のイケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思った台詞のこと。
 「この邪馬台の国に風が吹くとき、それはどこかでわたしがあなたを想っているときだ……!!
 今回は、やっぱり一番ラストのみりおちゃんのこのセリフでしょうな。タイトルの意味がはっきり分かる、大変にカッコイイセリフでした。こう言ってみたいもんすねえ! 今後勝手にパクらせて使わせてもらいます!

 というわけで、結論。
 みりお政権第3次コンビのお披露目となる花組公演『邪馬台国の風/Santé!! ~最高級ワインをあなたに~』を東京宝塚劇場で堪能してきたが、どうもインターネッツ上ではイマイチな評判のような気もするけれど、わたしは大変楽しめた。でも、キキちゃんとみりおちゃんをずっと観ていたため、肝心のゆきちゃんの印象が……ごめんよ……次回はゆきちゃんもしっかり見つめて応援したいと存じます。そして宙への異動辞令が発令されてしまったキキちゃん……宙に行っても、応援し続けます! 女装が大変失礼ながら予想外のお美しさで最高でした。みりおちゃんは歌・ダンス・芝居、すべてが円熟期にあり、その美しさはやっぱり格別であるのはもはや言うまでもなかろう。かれーよ、花の将来は美しい君に任せたぜ! でも、わたしが最も愛する礼真琴ちゃん(こっちん・かれーと同期)より先にTOPになったらダメだぞ! 以上。

↓ この中の記事で、だいもんが「一番共演してみたいジェンヌは?」の質問に、こっちんをあげてくれたのがうれしいす!
宝塚GRAPH(グラフ) 2017年 08 月号 [雑誌]
宝塚クリエイティブアーツ
2017-07-20

 宝塚歌劇を愛するわたしであるが、星組を一番応援しているわけで、実際のところ、他の組に対しては若干テンションは通常というか、それほど熱狂的ではない。一応可能な限り全組の公演を楽しんでいるものの、去年暮れの雪組公演はチケットが取れず、見逃してしまった。そして年が明けて東京宝塚劇場では花組公演『雪華抄/金色の砂漠』が始まったのだが、今回はチケットを得ることができたので本日の15時半の回に馳せ参じたわけである。
  花組と言えば、今や最古参TOPスターとなってしまった明日海りおさん(通称:みりおちゃん)が率いており、円熟期にあると言っていいような気がする。いつまでみりお政権が続くかわからないけれど、この度、今回の作品をもって相手役の花乃まりあちゃん(通称:かのちゃん)が退団することとなった。ここ数年、娘役にも興味の出てきたわたしとしては、かのちゃんはちょっと癖のある顔立ちだけれど、間違いなくかわいいし、TOP娘役としてどんどん歌も芝居も良くなってきただけに、大変淋しい限りである。わたしはとくにかのちゃんの声が好きで、とりわけ気の強い下町娘的なキャラが大好きなのだが、今回は王女ということで、実に激しい役であった。今日は、もうずっと、かのちゃんを双眼鏡で見つめ、かのちゃんの最後の舞台を見守ってきたのである。そして結論から言うと、超最高でした。かのちゃん、君は本当に成長したと思うよ。本当に素晴らしかったぜ。

 今回の2本立ては、珍しくショーが先にある。しかも和物のショーで、いわゆる「チョンパ」、すなわち、暗転から拍子木がチョーーーンと鳴って照明がパッと付くと、キャスト全員が舞台に揃っているという開幕である。まあとにかく絢爛で華やかなショーだ。このショーでは、やっぱり3番手の柚香光ちゃん(通称:れいちゃん)の美しさが際立ってましたね。当然前々から、その恐ろしく小さい顔、恐ろしく細く長い手足など、れいちゃんの美しさは目立っていたわけだが、今日じっくり見て、改めてこの人は凄いと思った。今日、やけにわたしの目を引いたのは、手の、指先まで行き届いた所作の美しさだ。和モノということで、とりわけその指先まで神経が通っている美しさは際立っていたと思う。踊りのキレもいい。やっぱりこの人の魅力は顔だけじゃねえ、人気が高いだけはある、と納得の舞であったと思う。本当は、わたしは星組推しとして、元星組で花組へ異動になった2番手の芹香斗亜ちゃん(通称:キキちゃん)の方を応援したいのだが、指先までの所作の美しさでは、残念ながられいちゃんの方が上か、と若干悔しく思った。
 そして、後半は芝居『金色の砂漠』である。こちらは、全く予習していなかったので、そのストーリーの激しさに驚くこととなった。すっげえお話で、マジびっくりしたよ。そしてこちらの芝居では、とにかくかのちゃんとキキちゃんが素晴らしかった。ちょっとだけキャラ紹介しておこう。
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 ◆ギィ
 演じたのは当然みりおちゃん。砂漠の王国(?)の第1王女に仕える奴隷。奴隷の身ながら第1王女を愛している。実は前王の息子だが、本人はそのことを知らず、物語の後半にその秘密が明かされる。そして復讐者となって現王を弑し、タルハーミネの前に再び現れる。
 ◆タルハーミネ
 演じたのはかのちゃん。第1王女。ギィを使役するが、彼女もまた本当はギィが大好き。しかし、誇り高すぎてギィへの愛よりも王国の利益を取ることに。そして友好を結ぼうとする国の王子の求婚に応じ、ギィに死罪を通告する。そして後半、復讐者となって再び現れたギィに対して、彼女が取った行動は――というラストが見どころ。
 ◆ジャー
 演じたのはキキちゃん。第2王女に仕える奴隷。第2王女はジャーが大好きで、お互い相思相愛の二人。なので、第2王女は国のためとはいえ、異国の男からの求婚を受けたくないけれど、ジャーに諭されて、求婚を受けることに。そしてジャーも、変わらず仕える。後半、実は彼はギィの弟で、彼もまた前王の息子であることが判明するが、兄であるギィについて行かず、愛する第2王女の元を離れず王国に残る。
 ◆テオドロス
 演じたのはれいちゃん。タルハーミネに求婚する、友好国の王子。ギィを嫌っているわけではないが、常に付き従う様子に戸惑う。悪い奴ではない。ギィとタルハーミネが実は魅かれあっていることに(たぶん)気付いている。そして復讐者となって現れたギィの出した条件をあっさり飲み、故郷へ帰っちゃう。
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 というわけで、お話は奴隷と王女様のお話で、ギィも王女様もかなり激しい性格で、お互い大好きなのに誇りや立場が邪魔して結ばれず、最終的には二人ともに破滅する悲劇的なお話である。
 もう何度でもいうが、わたしとしてはかのちゃんの芝居が本当に素晴らしかったと思う。前半のギィを愛しながらも奴隷扱いし、ついに結ばれるも王の前で奴隷を死刑に処すことを宣言せざるを得なくなるくだりは、渾身の演技だったと思う。そして復讐者として再び現れたギィに屈服せず、砂漠へ逃れ、最後はギィとともに息絶えるシーンなんかは、これまでの集大成と言っていいだろう。正確なセリフは憶えられなかったが、ギィ、というか、みりおちゃんに抱かれながら、「あなたと出会えて本当に幸せだった」的なセリフを言うタルハーミネは、まさしくかのちゃん本人そのままの言葉だったんじゃないかと思う。本当にお見事でした。
 そして第2王女に仕える奴隷、ジャーを演じたキキちゃんも、素晴らしい芝居だったと思うな。歌も良かったすねえ。少なくとも、歌と、芝居ぶりはれいちゃんより上だと思うな。優しいジャーは、今回のお芝居の中では唯一の救いだったように思う。結局、ジャーがただ一人、自分以外の、自分が愛する人の幸せを優先した、いい人だったね。キキちゃんのイメージが重なるような気もしますな。なんか、今後ますますキキちゃんを応援したいと思った。しかし、今の、雪組の望海風斗さん(通称:だいもん)以外の各組の2番手は、わたしが最も愛する星組の礼真琴さん(通称:こっちん)は当たり前として、宙組の真風涼帆さん(通称:ゆりかちゃん)も、月組の美弥るりかさん(通称:みやちゃん)も、そして花組のキキちゃんも、この3人は揃って元星組だもんな。星組推しのわたしとしては大変うれしい状況ですよ。この中でも、若干地味なキキちゃん。どんどん歌もうまくなっているし、キキちゃんがいつかTOPとなれる日が来ると信じて、応援したいと思います。
 というわけで、毎度お馴染みの、「今回のイケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思った台詞のこと。
 「憎しみよりも、今は大切なものがあるのだ!!
 今回は非常に印象的な台詞が多くて、非常に悩んだのだが……敢えてキキちゃんのカッコいいセリフを選びました。キキちゃん、どうかれいちゃんに負けないよう頑張って! 応援してるぜマジで!

 というわけで、結論。
 花組公演『雪華抄/金色の砂漠』は、和モノのショーから始まる珍しい構成であったが、お芝居の「金色」は恐ろしく激しいお話で、物語としてもとても面白かった。もちろんTOPスターみりおちゃんの魅力あふれた作品だが、これが退団公演となるかのちゃんの芝居がすさまじく、迫力もあり。まさしく花乃まりあという素晴らしいTOP娘役の集大成ともいうべき、渾身の芝居ぶりが印象的な作品であった。また、いつも地味といわれがちなキキちゃんも、芝居・歌ともに素晴らしく、わたしは今後もキキちゃんを応援するぜ、と改めて思う作品であった。がんばれキキちゃん!カレーに負けるな! 以上。

↓ つーかですね、わたしの愛するこっちんのショーヴランがとうとう……!!  超・胸熱!!! 
 

 わたしが愛する宝塚歌劇は、まったく知らない人は当然知らないと思うが、月・花・雪・星・宙の5組あり、その組ごとに公演を行っている。中でもわたしは、2010年に初めて宝塚歌劇を観に行ったのが星組で、その時のTOPスター柚希礼音さん(通称:ちえちゃん)にぞっこんLOVEとなり、以来、ずっと星組をイチオシとして応援しながら、ほかの組の公演もたまに観る、という感じで宝塚歌劇を楽しんでいる。ま、ここ数年はほとんどの組の「大劇場公演」を日比谷に観に行っているわけだ。
 で。これから書こうと思っていることを理解するために、まず以下の2点を知ってもらいたいのだが、これまたヅカファンなら常識だけど、そうでない人は全く知らないと思う点がいくつかある。
 まず1つ目は、宝塚歌劇に属する役者(=ジェンヌ)には、実は5つの組に属していない、いわばフリーのジェンヌも数は多くないが存在している点だ。彼女たちは、「専科」所属と呼ばれ、明確な基準があるのかわたしは良くわかっていないが、キャリアを積んで、TOPを経験して、専科へ移ることもあるし、各組所属の中でもベテランになって、「(先に後輩がTOPに就任したので、この先)TOPにはもうなれないかも」という人材が専科に移る、という場合が多いような気がする。ただし、専科のジェンヌは、確実に芸達者で、歌・芝居・ダンスが素晴らしい皆さんが多く、劇団がこのまま卒業させてしまうには惜しいと思うようなジェンヌが専科となるように思う。彼女たちは、専科に移ると、各組の公演に言わば助っ人として出演して、作品を引き締める重要な役割を演じている場合が多い。
 そしてもう一つは、いわゆる「大劇場公演(宝塚と日比谷の専用劇場での公演)」以外にも、全国を回るツアー公演や、東京と大阪(や名古屋・福岡)だけの、一般劇場での公演もあって、都内や近郊で言うと、赤坂ACTシアターや横浜のKAAT、あるいは文京シビックホールなどが最近の定番劇場となっている。なお、かつては神宮の日本青年館も定番劇場の一つだったのだが、2020年の東京オリンピックへ向けた準備のため、2015年4月に閉館してしまった(その代替え劇場として文京シビックホールなんかが最近の定番)。わたし的には、日本青年館は、いろんなコンサートや『テニスの王子様ミュージカル』を散々観た劇場として思い入れがあるのだが、もう解体されちゃった。淋しいのう……。

 というわけで、いつも通り無駄な前置きが長くなったが、昨日、わたしは夜、WOWOWで録画しておいた宝塚歌劇の作品を観たのだが、これがまた非常に良くて、大興奮したわけである。
 タイトルは、『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』。2015年の1月に、大阪のシアタードラマシティと東京の日本青年館にて行われた作品であり、「花組特別公演」とは銘打たれているが、主演は、花組スターではなく、当時専科に在籍し、この時すでに、わたしの愛する星組の次期TOPスターに就任することが発表されていた北翔海莉さんであった。そして、わたしはますます北翔海莉さん、通称みっちゃんのことが好きになったのである。これはホント、生で観たかったわ……。
jirokiti
 探したけど動画はないみたいなので、ポスター画像を貼ってみた。
 この作品は、もうポスターから一目瞭然の通り、いわゆる「和モノ」であり、題材も、日本人なら誰でも知っている「ねずみ小僧・次郎吉」のお話である。わたしが観た、WOWOWで放送されたものは、2015年1月26日の日本青年館の公演で、千秋楽、であったようだ。

 で。みっちゃんである。わたしは、今回『風の次郎吉』を観て、改めて、みっちゃんの技量にほれぼれとし、また、みっちゃんの人柄の良さにもとても魅かれたわけで、現在宝塚大劇場にて公演中の作品で退団することとなってしまったことを、心の底から淋しく思う限りである。ああ、せめてもう1~2公演、みっちゃんの雄姿に見とれ、歌声を堪能したかったものだ……ああ……出会うのが遅すぎたのが残念だ……。

 以前、このBlogで、みっちゃんが星組のTOPスターに就任した最初の大劇場公演『GUYS&DOLLS』について書いた時にも記したが、その当時、実はわたしは、恥ずかしながらみっちゃんのことをよく知らなかったのである。どうもすれ違っていて、専科に移る前の月組や宙組に在籍していた当時のみっちゃんを観たことがなく、専科移動後に、星組の『ナポレオン』や花組の『エリザベート』に出演した時しか観たことがなく、名前と顔が一致していなかった。そのため、星組のTOPに就任することになって、わたしのヅカ師匠に、ええと、誰でしたっけ? なんて失礼なことを言ってしまい、「何を言ってるの!!! あなた、この前のみりおちゃんの『エリザ』は観たでしょ!? あの時のフランツよ!!! 現役ジェンヌの中でも歌・ダンス・お芝居、三拍子そろった素晴らしい実力派よ!!!」と激しく叱られ、土下座する勢いで謝ったことがある。
 そして、我が星組のTOPとして、ちえちゃん去りし星組を見事にまとめ上げている姿を観て、そしてその歌声や芝居ぶりにすっかりみっちゃんのファンとなったわたしだが、わたしの主観では、みっちゃんは現在のTOPスターの中で、歌・ダンス・芝居の技量はナンバーワンだと思っている。たぶんその実力のほどは、ほかの組のファンの方であろうと、認めるものなのではなかろうかと思うので、わたしが、みっちゃんas NO.1を主張しても、それほど怒られないと思う。「何言ってるの!! うちのまぁさまの方が上に決まってるでしょ!! でも、北翔さんが上手なのは認めるわ」みたいな。
 とにかく、歌が上手い。本作『次郎吉』では、三味線まで弾いてくれる。前作『こうもり』の時のショーではピアノも弾いてくれた。つまり、とにかく芸達者なのである。この点は、マジで現役TOP最強だと思うな。芝居ぶりもお見事で、みっちゃんは、コミカルタッチも、シリアスなところもきっちりと演じてくれる稀有なジェンヌだと思う。この点も、わたし主観では、現役TOP最強だと思う。
 わたしのヅカ師匠は、みっちゃんについて、とにかく巧い、強いて難を挙げるとしたら、お化粧が良ければ、と言っていたことがあった。これは、正直男のわたしにはわからんことなのだが、曰く、若干、昭和感があって、キラキラ感が足りない、のだそうだ。そういうもの? なんすかね? この辺は良くわからないけれど、TOP就任後は、グッと良くなった、とヅカ歴数十年の師匠も言っていたので、現在はその点ももはや瑕疵にはなるまいとわたしは思っている。
 思うに、みっちゃんはおそらく退団後、何でもできる素晴らしい女優になるのではなかろうか。まだ退団後どうする、と言う話は聞かれないし、もちろんまだそんな話をする段階ではないが、わたしはみっちゃんの素顔もとても美人だと思うし、髪を伸ばしたり、衣装も変わると、想像以上の美人女優になりそうな気がする。でも、みっちゃんはとにかく、歌っていてほしいので、女優といってもミュージカル方面や、歌手として活躍してほしいと心から願っている。

 そして人柄の良さ、なのだが、今回わたしが観たWOWOW放送は、千秋楽だったからなのかもしれないが、宝塚の公演としては珍しくカーテンコールを4回ぐらいやってくれた(普段の公演は、幕が下りるとそこで終わりで何度も幕が上がるようなことはない)。
 その中で、みっちゃんは何度も、スタッフや花組のみんなに感謝を伝えながら、話をしてくれたわけだが、その中で、ひとつとても印象深い話があった。みっちゃんは、こんなことわざを、常に忘れないようにしているんですと。
 ≪尺蠖(しゃっかく)の屈(かが)めるは伸びんがため≫
 これは、しゃくとり虫がグググッと縮むのは、その後でぐいいーーと伸びるため、という意味で、つまり「将来の成功のために一時の不遇に耐えることのたとえ」だそうだ。
 これを聞いたら、だれでもみっちゃんのこれまでの軌跡を思い浮かべるよね。この『次郎吉』を最後に、星組へ移ってTOPに就任したみっちゃん。そして現在、キラキラと輝いているみっちゃん。はあ……もっとずっと観たかったよ……。なんだか寂しくて、わたしは昨日、一人部屋で観ながら、「……たぶんオレ……次の、最後のみっちゃんの星組公演観たら……泣くな。間違いなく……」とつぶやくに至ったのである。
 
 というわけで、結論。
 現在の星組TOPスター北翔海莉さんが、専科時代に主演した『風の次郎吉』という作品を昨日観て、あらためて、北翔海莉は現役最高TOPスターである、という認識を深めたわたしである。なお、本作は花組公演であり、 瀬戸かずやさん演じる「遠山金四郎」もカッコ良かったし、ちょっと出番は少ないけど、現在の花組3番手(?)のイケメンでお馴染みの柚香光ちゃんも、相変わらずやけにカッコイイ悪い奴として出演しており、大変楽しめる作品であった。次にわたしがみっちゃんに会いに行くのは、10月の頭だが、最後の公演、今からもう淋しくてなりません……千秋楽は出待ちしたいぐらいの勢いで、最後まで応援したいと思います。以上。

↓ どうでもいいけど、DVDじゃなくてBlu-rayで発売してほしいのだが……。わたしがSKY-STAGEに加入していない理由はただ一つ。いまどきHD放送じゃないなんて……HD化されたら、即・加入すると思うな。
OH! Edo Night Show 『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』 [DVD]
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2015-04-15
 

 というわけで、現在日比谷の東京宝塚劇場で絶賛上演中の花組公演を、昨日、久しぶりに平日夜の回で観てきた。
 いつも一緒に観に行くヅカ友の若い娘っ子たちは、立派な社畜なので、キミたちは平日の18時に日比谷にいることが可能なのかい? と聞いてみたところ、「何をおいても絶対に行きます(意訳)」的なことを揃って言っていたので、さいですか、なら遅れるなよ、と思っていたら、ちゃんと開演20分前には現れた。感心感心、まったくもって社畜乙、である。つか、何をおいてもヅカ優先、という態度はわたし個人としては大変好ましいが、オレが君たちの上司だったら、若干仕事ぶりが心配である。ま、優秀と言われる若者なので、大丈夫と信じたい。
  というわけで、昨日観た花組の演目は、『ME AND MY GIRL』である。
 ヅカファンには大変おなじみで、もう何度も再演されている有名な作品だが、ヅカ歴6年のわたしは今回が初めてである。Wikiによると、わたしがヅカにはまってからの6年間にも再演されているそうで、あれっ!? じゃあ、なんでオレ、観てねえのかしら? と思ったら、どうやら大劇場公演としては8年ぶりらしく、一番最近の2013年月組版は、梅田芸術劇場公演だったようで、ああ、じゃあ観てねえわ、とさっき知った。なるほど。ついでに言うと、元々はブロードウェーではなくて、ロンドン・ミュージカルらしいですな。へえ~。
 そしてわたし的に初めてとなった『ME AND MY GIRL』であるが、有名作品だけあって、やはり一度はどこかで聞いたことのあるような楽曲が多く、実に明るく楽しい物語で、当然歌も素晴らしく、また、現在の花組による役者陣の熱演も大変良くて、結論から言うと非常に満足だったのである。が、しかし……今回はちょっとだけ、文句があり、若干残念に思うこともあったのが、わたし的結論だ。

 宝塚歌劇団は、毎公演、結構多くの動画をYou Tube上にUPしてくれるのだが、今回はこの動画を貼りつけておこう。
 まず物語は、男版『My Fairlady』と呼ばれているように、とある高貴な血を引く、けれど、下町暮らしの青年が、その血ゆえに裕福な家系の遺産相続人となってしまい、その血にふさわしい立ち振る舞いやマナーなどを叩き込まれ、そして、予期せず身分違いの恋となってしまった同じく下町暮らしの女性との恋模様も描かれるものである。
 しかし、正直に言えば、わたしの予想とは全然違う物語で、わたしはズバリ、主人公の青年ビルには最後まで共感できなかった。なにしろ、最後までほとんど何も努力もしないし覚悟もしない。ほぼすべてテキトーというか、ちゃらんぽらん系のゆとり青年だからだ。だが、一方、恋のお相手のサリーは非常に健気でいじらしく、わたしは今回、わたしはほとんどずっと、サリーの味方として、ビルには甚だしく説教したい気分であった。お前、ちょっとまず黙れ、そしてここに来て正座しろ!! と怒鳴りつけたい気分である。わたしはてっきり、ビルが一生懸命努力して頑張る話かと思ってたのに、全然違ってました。この、ビルというキャラクターへの反感? というか、どうも好きになれなかったのが、わたしの文句その(1)である。
 が、ビルはまあズバリどうでもいいとして、今回はとにかく歌がいい!! ついうっかり、周りを気にせずいつの間にか鼻歌を歌ってしまいそうな、危険なレベルの明るい曲である。その点ではやっぱり楽しくて素晴らしい作品であったと思う。
 
 というわけで、本作は主人公の青年ビルはとんでもないゆとり乙なクソガキだったわけだが、もちろん演じるのは、当然現在の花組TOPスター、明日海りおさん(通称:みりおちゃん)である。いや、ほんとにみりおちゃんは可愛いし、いいんすよ。ギャグも非常に頑張っていたし、帽子を使った細かい芸もさまざまに見せてくれる。しかし、みりおちゃんはとてもいいんだけれど、今回はなんかずっとふざけっぱなしで、正直、真面目に生きることを旨とするわたしには、ギャグがくどいというか長すぎて、残念ながらあまり笑えなかった。何度も、いいからちゃんと話を聞けよこの野郎!! と思ってしまったのは、わたしがクソ真面目すぎるからなんだろうか?
 わたしは過去の公演と比較できないので、過去のビルがどんなだったかわからない。ただ、思うに、この作品は普通に男性キャストも入る普通のミュージカルも上演されているわけで、ビルを普通に男が演じたらどうなんだろうというのは、どうにも想像がつかない。男が、あのテキトー男、ビルを演じたらどうなるんだろう? 面白いのかな? 男版を観たことがないので、ちょっと想像がつかないが、現時点のわたしが言えることは、テキトー男を実際に男が演じたら、わたしはますますイラついていたのではないかと言う気がする。テキトー男というものは、高田純次氏のようなおっさんならばアリ、なのだが、若い男が演じたらふざけんなコノヤロー!! と思ってしまうのではなかろうか。なので、あくまで可愛らしく女性が演じる宝塚版だからこそ、やっぱり楽しいのではなかろうか。くれぐれも言っておきたいが、みりおちゃんは最高です。1幕ラストでの客席降りで、わたしのすぐ横を駆け抜けていったみりおちゃんは、失神ものの可愛さであった。ホントに顔がちいせえなこの人、とまあ、天使クラスであったのはもう、言うまでもなかろうと思う。

 さて、今回、わたしが一番注目だぜ、と事前にチェックしていたのは、実はTOPスターのみりおちゃんではなく、3番手(?)スターの柚香 光さん(ゆずか れい、通称:れいちゃん)である。前回の花組公演の時にも書いたが、まあとにかく美形であり、現在の花組ではTOPのみりおちゃんに次ぐ小顔の美形だと思うが、いつも男役の彼女が、今回は完全に女性のジャッキー役である(ちなみに役替わりで、別Verでは髭ダンディな弁護士役。そしてちなみに前回の『新源氏物語』でも六条御息所という女性を演じた)。なので、れいちゃんの女子振りも堪能してくれるわ!! という勢いで昨日は劇場に向かったわけだが、まあ、これが恐ろしく綺麗で、期待以上の素晴らしさでだった。たしかにデカい(171cm)けど、いいですなあ。非常に色気アリで、大変眼福でありました。元々声が低く、大変極上のハスキー美女ですね。しかもなんというか彫が深いというのか、長身もあいまって、ハリウッド女優のようでした。なんとなく、Anne Hathaway嬢に似ているような気がしますな。最高です。れいちゃんは、わたしイチオシの星組の礼 真琴ちゃん(通称:ことちゃん)と同期の95期。今後大変期待できますね。二人が揃ってTOPとなる日が楽しみですな。
 また、今回一番わたしのハートをつかんだのは、上にも書いた通り、超健気なヒロイン・サラを演じた花乃まりあさん(通称:かのちゃん)でありました。かのちゃんは歌もいいですね。今回彼女の歌のほうが断然目立っていたと思う。また、2幕のクライマックス(?)の、ロンドンまでサラを追ってきたビルが、サラの家の前で観る幻のあのダンス、せりから上がってきてぐるーーりと回る、あのシーンがわたし的に一番グッと来ました。今の各組娘役TOPの皆さんは、全員とてもイイですな。大変それぞれの個性があって、中でもかのちゃんについてはわたしは今まであまり注目していなかったのだが、『カリスタ』の時や、今回のような、若干育ちが悪い、けど、主人公を想う健気な少女を演じたらTOPクラスに可愛いと思います。大変よい芝居振りでした。
 それから、いつもあまり触れないけれど、2番手の元・星組の芹香斗亜さん(通称:キキちゃん)は、初めての老け役なのかな、ちょっと微妙に面白おじさんのジョン卿を非常に堅実にそして楽しく演じてくれていたし、あと、弁護士のパーチェスターを演じた鳳真由さんも、今回が退団公演となってしまったけれど、大変笑わせてもらった。今回、パーチェスターが一番笑えて面白かったと思う。
 ただ、これはわたしの文句その(2)なのだが……今回はですね、SS席5列目での観劇だったわけなんですが、せっかく超いい席だったのにですね……今回、「銀橋」がほとんど使われてない!!! ことが大変残念に思うわけです。はーーーせっかく5列目なのに……銀橋で歌うシーンがほぼなかったのが、超残念で、ここは大変僭越ながら、なんだよ……ちぇっ。と、文句を言わせていただくこととしたい。残念でした……。
 それでは最後に、毎度お馴染みの、今回のイケ台詞の発表です。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思った台詞のこと。
 「残念だが、わたしはこれから戦争を始めるところなのさ
 今回はビルに感情移入できず、ラスト近くのジョン卿のさりげなくカッコイイ台詞をチョイスしました。これは、サラの家の前から立ち去るときに、娼婦めいた女性の誘惑をさらっとかわす時の台詞で、さあ、これから、サラのためにいっちょ一肌脱ぐか。という決意の台詞です。キキちゃん、大変良かったと思います。ところで、ジョン卿がサラの上流階級暮らしのコーチとしてある男を紹介しよう、名は「ヒギンス教授」とういうのだがね、なんていうシーンは、ちょっと驚きのギャグでした。えっ!! あんたヒギンス教授と友達なんだ!? とびっくりしたわw

 というわけで、結論。
 はっきり言って主人公ビルはダメなゆとり小僧ですが、ヒロイン・サラはとても可愛いし、とにかく楽曲がノリノリである。1幕ラストや、カーテンコールの時の劇場全体を包むノリノリ感は、非常に楽しく、結果としてビルのテキトーな調子の良さがこの雰囲気を作り上げていることは間違いないので、まあ、いっか。と最終的にはわたしも許してやることにしたい。散々文句を言っといてアレですが。ま、わたしの好みとしては、コメディーとしては『こうもり』の方が面白かったっす。以上。

↓ 予約しました。もう何度でも観たいすね。最高です。早く発売日になんねーかな。
 

 ご存知の方にとっては常識だが、知らない人ために説明しておくと、わたしが愛する「宝塚歌劇団」は、星組、花組、月組、宙組、雪組の5つの組からなり、それぞれが年に2回、大劇場公演を行う。大劇場公演とは、宝塚大劇場→東京宝塚劇場という順番でそれぞれ約1ヶ月ずつ行う公演を指すものだが、その傍ら、若手を中心とした「バウ劇場公演」や、「全国公演」という地方を回る公演、あるいは名古屋・大阪・福岡限定の短めの公演をこなしており、さらに、TOPスターになると単独コンサートがあったり、2番手3番手クラスだとディナーショーなどもある。なので、基本的には1年中、どこかでどこかの組の公演を観ることができる。チケット争奪戦は大変だけれど。
 何が言いたいかというと、宝塚歌劇の皆さんは、ホントに忙しいということである。
 公演はもちろん、当然その稽古もみっちり入るので、休みはそりゃあるんだろうけど、まあ大変な毎日を送っていることと思う。その結果として、我々に見せてくれるパフォーマンスは、やはりプロとして素晴らしいものになるわけだ。それに比べれば……我々リーマンなんて、楽な商売だと思うよ。
 というわけで、現在東京宝塚劇場は、花組が公演中である。今回の演目は、『新源氏物語』。わたしも昨日の昼の部を観てきた。
 なお、これもヅカファンには常識だが、知らない人もいると思うので蛇足ながら付け加えると、宝塚歌劇の演目は、いわゆる「1本もの(2幕モノ)」と「2本もの(1幕のミュージカル+レビューショーの2本立て)」という区分がある。
 「1本もの(2幕もの)」は、2幕のミュージカルで、上演時間約3時間。間に30分の休憩時間アリ、という長いお話のミュージカルである。例えば、有名かつ人気のある『エリザベート』などはこちらにあたる。そして、昨日わたしが観てきた『新源氏物語』は、もう一方の「2本もの」にあたる。上演時間は、約1時間半。今回の『源氏』はちょっと長くて1時間45分ぐらいはあったかな。まあ、その短いミュージカルと、いわゆる「ショー」と呼ばれる歌&ダンスで魅せてくれるレビューの2本立て公演である。

 『新源氏物語』は、3回目の再演だそうであるが、ヅカ歴約6年の駆け出しファンであるわたしは、もちろん初めての観劇である。なので、今回のわたしの興味は、あの長い源氏物語をどう1時間半にまとめて構成するのだろうか? という点にあった。もちろん、TOPスターである明日海りお(通称:みりおちゃん)さんの美しさは、わたしとしては現在のTOPスターの中で一番好きなので、まったく不安はない。わたしも久しぶりの日本モノなので、非常に楽しみに劇場へ向かったわけである。
 まあ、とにかくみりおちゃんの顔の小ささといったら、毎度ながら驚く。わたしがみりおちゃんを初めて観たのは、月組時代の『スカーレット・ピンパーネル』でのショーヴランだったと思う。現在の月組TOPの龍 真咲(通称まさお)さんとのダブル2番手時代から何度もみりおちゃんには出会っているのだが、毎回、まず最初に思うのは、「ほんっとこの人は顔が小さいなー可愛いなー」というものである。とにかく、月組時代から、まさおと共に、いずれこの人はTOPに至るんだろうと思っていたが、2年前かな、花組に異動になって、去年いよいよTOPに登りつめた美人である。星組イチオシのわたしでも、ずっと気になる存在だったみりおちゃん。和装を観るのは初めてであったが、まあ、素晴らしいの一言。さすがに和装なので、派手なダンスはないが、非常に美しかった。
 ちなみに、わたしは毎回、宝塚歌劇を観に行くと、わたしが選ぶ「今回のイケ台詞」を一緒に観劇した先輩お姉さまたちに披露するのだが、今回は……ちょっと悩んで
「共に罪に落ちましょう。あなたと二人なら、どんな地獄も楽しそうだ」
 にしておきました。ホントは台詞で毎回選ぶのだが、今回は歌の出だし部分です。サーセン。正確にはちょっと言葉が違うかも。
 なお、この台詞は、母(正確には継母)である藤壺に言う(歌う)結構最初の方の場面で出てきます。
 つまり、ですね。今回の『源氏』は、この台詞が結構はじめの方に出てくることから分かる方もいるかもしれないが、最終的には、頭中将の息子の柏木と女三宮に子供が出来るところまで、と時間軸的には源氏物語のだいぶ最後の方まで物語が進んだのである。わたしはまた、須磨に流されるあたりまでかなと思っていたので、これは全く想定外だった。なので、ちょっと言葉は悪いけれど、その副作用としてかなり物語ははしょられていて、駆け足展開であるといわざるをえないだろう。
 しかし、間をつなぐ物語はコーラスで歌われて説明されるので、ちゃんと観ていれば十分物語は理解できると思う。ので、まあ問題なしだと思うが、一応は、源氏物語の最低限の知識があった方が楽しめるのは間違いなかろうと思います。夕顔とか空蝉とか明石の方などは出てこなかったけど、紫の上を見初める有名なシーンでは、「いぬき」がちゃんと出てきて、わたしとしては、ああ、ここはちゃんとやるんだ、と変に感心しました。紫の上を連れて行きたい源氏が、「いえ、決して不届きな(?正確な台詞忘れた)理由ではありません」と言い訳するシーンは、つい笑ってしまった。お前、思いっきり不届きな理由だろうが!! 完全に事案発生だぞw ただしイケメンは許されるのか……ブサメンのわたしとしては実に憤懣やるかたなしである。
 というわけで、源氏物語のストーリー展開を知っている人には、かなり、ああ、こう来たか、とか、なるほど、という構成で、わたしとしては大変楽しめた。もし、源氏に詳しくない方がいたら、公式Webサイトにある人物相関図だけ、事前に頭に入れておいた方がいいと思います。今回の公演では、わたしが花組ではみりおちゃんの次に推している柚香光(ゆずか れい。通称れいちゃん)も、いつも通り非常に美しかった。この人も、おっそろしく顔が小さい、超・美人である。わたしイチオシの星組で、わたしが非常に推している礼 真琴ちゃんと同期で、いずれこの二人もTOPに登極する日もやってくるでしょうな。あと5年ぐらい後ですかね……楽しみに待っていよう。なお、礼真琴ちゃんも、前回の公演で娘役を演じていたが(本来はれっきとした男役スター)、今回の柚香 光ちゃんも、なんと「六条御息所」という女性を演じていたので驚いた。ええと、源氏物語の中では有名な、生霊になって葵の上を呪い殺す、あの激しく教養ある女性ですな。詳しくは、Wikipediaでも見といてください。なお、柚香 光ちゃんは柏木も演じていますので、2役での出演です。

 というわけで、結論。
 花組公演『新源氏物語』は、和モノとしては宝塚初心者にも分かりやすく、また衣装も非常に絢爛で美しく、万人にお勧めできる作品であった。まあ、最低限の人物関係は頭に入れて観るのがよいと思います。歌もなかなか良いですよ。そして、全く触れませんでしたが、ショーも華やかで、超キラキラです。その点でも、初心者にも十分楽しめると思います。以上。

↓しかし……星組推しのわたしとしては、これはマストアイテムですかね……。礼真琴ちゃんの歌う「Let it go」は聴かずにはいられないよな……。買うしかないか……。
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V.A
WALT DISNEY RECORDS
2016-01-06

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