はーーー。やれやれ。わたしは今、京都にいる。
 朝、6時00分東京発のぞみ1号で新大阪までぶっ飛ばし、すぐにJR在来線に乗り換えて宝塚へ。その後、夕方に三宮に移動し、神戸ビーフなどを食す。そして京都に移動して、とあるホテルにチェックインし、まずはひとっ風呂浴びて、今、ホテルの恐ろしく遅いWi-Fiにイラつきながら、これを書いている。なので、正直疲れて眠くてたまらない。ゆえに、やれやれ、である。
 さて。というわけで、今日は約1年ぶりの「ムラ巡礼」をしてきたのである。
 何のことかわからない? なるほど。まあ、要するに、ヅカファンにとっての聖地、兵庫県宝塚市に存在する、宝塚歌劇団の本拠地「宝塚大劇場」周辺を「ムラ」と呼んでいるのだが(実はその由来は良く知りません) 、その聖地たる「ムラ」へ公演を観に行くことを「巡礼」とわたしは勝手に呼んでいるのである。わたしのムラ巡礼は、ちょうど1年前、わたしが一番応援していた柚希礼音さん、通称ちえちゃんの卒業公演以来である。
 なので、普通の日本語で言うと、「今日わたしは兵庫県宝塚市へ宝塚歌劇団の公演を観に行ってきました」という意味である。じゃあ最初からそう言えよと言わないでいただきたい。疲れてやれやれ、だけど、日頃冷静沈着で常に落ち着きのある男としておなじみのわたしとしては、これでも超ハイテンションなのである。
 そして現在、宝塚大劇場で上演されている演目は、↓これ。
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 もはや説明はいらないだろう。週刊少年ジャンプのファンには当然おなじみだし、すでにアニメや実写映画版も制作され、それぞれ大人気となった『るろうに剣心』が、とうとう愛する宝塚歌劇団においていミュージカル化されたのである。 
 東京での公演は4月からなので、ちょっくらお先に観てきましたよ、という、若干の自慢も含まれていることは否定できないが(誰に自慢しているのかわたしも良くわからんけれど)、まあ、結論から言うと最高でした。だいたい、ポスタービジュアルからしてカッコ良すぎであり、それに、ちょっと↓の動画をご覧くださいませよ。まあ、かっこいいこと甚だしいじゃあありませんか。

 というわけで、制作が発表されたのが去年の10月ぐらいで、もうその時からわたしのまわりのヅカファンのお姉さまたちはかなり盛り上がっていて、当然わたしも、こいつは強力なのが来たぞ、と大変期待していた。なので、これは東京に来るまで待つのではなく、「ムラ」に巡礼すべきなのでは? とお姉さまたちに提案してみたところ、そうだそうだ、と賛成多数でわたしの提案は承認可決され、そして今日、始発ののぞみで遠征するに至ったわけである。

 今回のわたしの注目点は、それなりに長い『るろうに剣心』という作品を、果たしてどんな物語にまとめるのだろうか? という点にあった。キャストを観ると、斎藤一は当然出てくるとして、蒼紫様まで出てくる。まあ、今回のオリジナルキャラクターも登場するというから、物語も当然オリジナルストリーなんだろうとは思ったが、これがまた意外と、というと大変失礼だが、知らない人が見ても大丈夫なようにきれいにまとまっていて安心できた。ただ、逆に『剣心』が大好きな方には、どうしてもそれぞれのキャラクター造詣が浅く物足りないと感じるかもしれない。しかし、である。主人公である緋村剣心を始めとするキャラクターのカッコ良さは抜群であり、そういう点では昔からの剣心ファンが観ても、物語に入り込むことができるのではないかと思う。
 まあ、物語としての骨格は、おおむね実写映画版の第1作目と同じ流れと言っていいのではないかと思う。幕末期、「人斬り抜刀斎」と呼ばれた男、緋村剣心。島原で、とある新選組隊士とちょっとした因縁を持つのだが、今回のオリジナルキャラクターがその隊士、加納惣三郎である。この隊士は、かの大島渚監督の遺作となった『御法度』における主人公で、当時18歳の松田龍平氏が演じたことでも有名であろう。ま、そんな男と剣心が明治の世で再び出会い、死闘を演じるという話である。なので、左之助や蒼紫様はほとんどモブ扱いであった。斎藤一もやたらと剣心に協力的で、そんな辺りが原作や実写映画とちょっと違う趣である。もちろん、実写版映画では、佐藤健くんが演じる剣心、江口洋介氏の斎藤一、天下のイケメン伊勢谷友介氏の蒼紫様もしびれるカッコ良さだった。しかし、やはり宝塚スターの持つ独特の、人ならざる美しさといえばいいのかな、男では出せない美しさはやはり別次元のものがあると思う。結果、大満足であった。
 わたしは、何度もこのBLOGで書いている通り、星組イチオシのヅカファンである。なので、雪組の公演を観るのは、かなり久しぶりである。思い返すと、音月桂さんがTOPスター当時の『ロミオとジュリエット』以来なので(わたしにとっては、震災翌日の2011年3月12日に観に行った公演として忘れがたい)、約5年ぶりだ。だから今回の公演はほとんど初めて見るジェンヌさん達ばかりで、なるほど、これが今の雪組か、と改めて認識した。ただ、わたしとしては今回の公演で一番楽しみにしていたのは、オリジナルキャラクター加納惣三郎を演じた、望海星斗さん(通称:だいもん)である。彼女は花組時代に何度も観ており、その歌のうまさはピカイチであった。特にわたしにとって印象深いのは、2014年の『エリザベート』におけるルキーニ役である。めっぽうカッコ良く、歌も抜群に上手で、もうこの人男なんでしょ? と言いたくなるほどの存在感があった。現在の雪組TOPスター早霧せいなさん(通称:ちぎちゃん)も、もちろん美しく、ダンスの切れもTOPの実力にふさわしい素晴らしいジェンヌだが、わたしは今回はとにかくだいもんに釘付けである。歌が超上手い。いずれ確実に、だいもんもTOPまで上り詰めると思うが、その日が来るのを楽しみに待っていたい。
 また、今回、わたしがとても気に入ったのが、娘役TOPの咲妃みゆちゃん(通称:ゆうみ)である。いやはや、まあ、かわいい。とんでもなくかわいい。声がちょっと独特ですな。だが、それがいい。このゆうみちゃんは、今まで何度かTVの宝塚番組に出ているのを観たことがあって、前々から可愛いと思っていたが、舞台上で観るゆうみちゃんは最強クラスに可愛いジェンヌであった。最近、わたしは娘役にも興味が出てきたが、各組TOP娘役や2番手クラスはやっぱりみなさん、天使クラスですね。今後は、前にも書いたと思うけれど、娘役にも注目していきたい所存であります。
 2016/02/28追記;帰ってきて、書くのを忘れたことに気が付いた。今回のイケ台詞を発表します。今回は、実は台詞よりむしろ歌の歌詞にグッと来たのですが、まあ、やっぱりこれでしょうな。
 「(刀を抜いてキッ構えて)悪・即・斬!!!
 まあ、剣心ファンにはお馴染みの、元・新撰組三番隊隊長こと斎藤一の台詞ですね。これ、今回は歌にもなっててカッコいいですよ!!

 というわけで、なんだかまともなことを書いていませんが、眠くてたまらないので結論。
 宝塚歌劇団雪組による『浪漫活劇 るろうに剣心』は、たぶんヅカファンはもちろんのこと、ヅカを観たことのない人でも満足できる作品ではないかと思います。女性が観れば、そのあまりのカッコ良さに失神寸前になるであろうし、男が観ても、うおお、すげえ、と楽しめると思います。なお、東京でもわたしはまた観に行くと思います。以上。

↓まあ、それでもやっぱり、原作は読んでおいた方がより楽しめると思いますよ。