というわけで、帰国の日である。
 飛行機は9:15発のJFK→NRT直行便なので、6:45にホテルをチェックアウト。毎朝会う、ドアマンのおじさんがタクシーを捕まえてくれようとホテルの前でわたしと二人、タクシーが通るのを待つ。が、5分ぐらい待ったかな、なかなか来なかった。その間、おじさんといろいろと、14時間のフライトだって!? OH, MY! そいつはハードだね、オレには無理だな、いやいや、おじさんも日本来てみなよ、いい所だぜ、とかそんな話をしてたら タクシーがやってきて、手持ちにもう1$札がなかったので5$チップを渡して、じゃあね! とお別れした。
 タクシーは今回はFORDのぼろくてデカいセダンで、行き先をJFKのターミナル1とお願いして一路ぶっ飛ばす。これまた行きと同様に、マンハッタン内はひどい渋滞だったけど、トンネルを抜けるとだいたい70~75mile/hほどでぶっ飛ばし、45分ほどでJFKに到着。なお、タクシーのフロントシートの背中に液晶画面があって、いじってみたらナビ画面も呼び出すことが出来て、今どこを通ってるんだ? というのも見られた。どうやらこれは、どのタクシーにも標準装備っぽい。これは日本にも導入して欲しい機能だ。で、タクシーを見送りながら一服して、これから14時間タバコ吸えないのか、大丈夫かなと思ったのでチェックイン後にもう一服した。なお、JFKの構内には一切喫煙場所はないが、外に出ると灰皿が20mおきぐらいにあるので吸えます。
 チェックインは、よくわからん日本人おやじどもの集団がくっそもたもたしていて、20分ぐらいは待たされたかな。Webチェックインしてるから本当ならさっさと行けるんだけど、プリントアウトしてないのでチェックインカウンターに並んだ次第。自動チェックイン機ぐらい置いておいて欲しいが、見当たらなかった。で、保安所通過。実は、液体チェックで、持参した歯磨きとかは出しておいたのだが、果たしてお土産のコスメはどうなんだ? と若干不安に思いながら並んでいたらまったく大丈夫で、ごくあっさりゲート通過できた。しかし、ベルトを外せ、靴を脱げ、など、日本出国時よりちょっとだけ厳しかったかも。でも、別に不満はないです。それだけ神経質になる理由がありすぎるもの、この国は。
 で、小1時間ほど搭乗口付近でぼんやり待つ。JFKの保安ゲート通過後は、ターミナル1はお土産買うところもないぞ的な情報をWebで見かけたが、現在はまったくそんなことはなく、それなりにいろいろ店は入ってました。食い物も全然心配なし。でもわたしは、飛行機内でいっぱい食わされるだろうから、朝飯は抜きにしておいた。
 そして搭乗。帰りは通路側だったので、トイレも気兼ねなく行けるし足も投げ出せるので、行きより2時間長いけど快適だったかも。しかも、席も、行きは無料でプレミアム・エコノミーにアップグレードしてくれたので、座席自体は全然行きのほうが良かったのだが、快適感としては帰りのほうが楽だったな。隣には、ちょっとデカめのアメリカ人女性だったのだが、まあ、この人はおとなしくずっと本を読んでました。 
 帰りは、飛行機内で映画を観まくってやった。とりあえずタイトルだけ列挙して、内容のレビューはいずれそのうち書くことにしようと思う
 『Inside Out』:邦題「インサイド・ヘッド」。ピクサーアニメ。想像以上にちゃんと面白かった。さすがピクサー。
 『ANT-MAN』:2回目。何度観ても最高。
 『Mamma Mia!』:実はちゃんと観てないので、改めてしっかり見た。これは生ミュージカル観たいね。Amanda Seyfridちゃんがスーパー可愛い。単純な可愛さだけで言えば、オレ的かわいい女子TOP5にランクしているCute Girlである。歌も素晴らしかった。
 『海街diary』:これも公開時は原作漫画を読んでいなかったので見逃していたが、非常に良かった。綾瀬はるかちゃんの幸薄いしっかり者の長女も素晴らしいし、明るく元気で男運のない次女を演じた長澤まさみちゃんも非常に可愛かった。ちょっと不思議ちゃん風な三女の夏帆ちゃんも甘えっこらしい三女を好演していたし、そこにやってくる広瀬すずちゃんも芝居はド下手だけど、雰囲気やたたずまいは悪くない。原作も読んでみたくなった。

 というわけで、行きと違ってリラックスして14時間を過ごし、日本に帰国した。
 帰ってきて思うのは、やっぱ日本はきれいだなとしみじみ思う。空気もNYより断然きれいな感じがする。今回はじめてのUSAで、いろいろなことを知って勉強になったことがいっぱいあるので、オレ的備忘録として列挙しておこう。

 ■NYは物価が高い。
 いやびっくりした。ちょっと飯を食うと余裕で20$以上はする。1000円以下で一人飯を気楽にする場所なんて、ほぼない。いや、あるんだろうけど、観光客には分からん。ボッチ野郎のわたしとしては非常に困る街であった。どうも、たいていの人は路上の屋台とかDeliでテイクアウトする場合が多いようだが、路上の屋台はなんか汚ねえし、これ、いつからずっと並べてんだよみたいな謎肉とかプレッツェルばかりだし、とてもわたし的には食欲をそそるものではなかった。また、みやげ物も、日本ならば、こりゃ800円ぐらいかな、と思って値札を観ると15.99$とか当たり前だし、地下鉄だって均一料金とはいえ、2.75$でしょ? それって330円とかだもんな。高いよやっぱり。そうだ、それと、お金の話だと、50$札以上はいらないね。いちいち偽札チェックされるし、マジかよって顔をされることもあった。今後行くときは20$札以下だけにしようと思った。一番使ったのが20$札という気がする。20$、10$、5$をいっぱい持っていくほうがいいな。コインは積極的に使ったのに、結構残ってしまった。頼むから、コインに何セントなんだか数字を入れてくれ。最初は分からんよアレじゃ。あと、消費税は別に文句はないけれど、税込み表示にしてもらえませんか? レジで一瞬ビビるので。
 ■NYは汚い。
 散々書いたけど、汚いよ、やっぱり。この汚いというのは2つの方向性があって、不衛生だという方向の汚いと、散らかっている・不揃いという方向の汚いの両方で言えると思う。きちっとしてないんだよな。車道と歩道の段差に溜まってる謎の茶褐色液体とか、道のデコボコとか、吸殻とか、とにかく全面的に掃除したくなった。やりなおし! と市長に命じたいところだ。あと、どうも建物がことごとく薄汚い。外壁の掃除をあまりしてないように見受けられる。古い建物は特にそう。マンハッタンは戦火に遭っていないし、地震もないから、古い建物がすごく多いけれど、それならそれで、ちゃんときれいにして大切にしなよ、と思った。
 ■NYはファッションセンスがダサい
 住宅街もオフィス街も行ったけれど、はっきり言ってダッサイ服装が目立つ。ぜんぜんおしゃれじゃない。そもそも、男女共に肥満がすげえ多いので、ちっともかっこよくない・可愛くない。これはちょっとショックだった。あと、どうでもいいけど傘差せよな。最終DAY-04は一時雨交じりだったのだが、基本みんなノーガードでびしょぬれ。みんなフード大好きだね。これは晴れでもそうだけど、なんでパーカーのフードを皆かぶってるわけ? 寒いのか? なんなんだキミたち。
 ■治安について
 少なくとも、わたしが行動した範囲内では、ここはヤバイというところは数箇所程度で、基本全然大丈夫。どこでも別に怖くなかった。だけど、結局のところ、場所というより人間なので、どこだってヤバイ奴はいるだろうから、バカみたいにはしゃいで目立つようなことをせず、警戒レーダーは常にオンで歩くべきでしょうな。これは日本だって同じことです。そういう、地元チンピラより、あの国はテロリストという最悪の相手がいるので、警官・軍人はそこら中で見かける。基本的にどこの建物にも、入り口にコワモテの黒人青年がいますね。彼らは意外と愛想いいから、怖がらなくてぜんぜん大丈夫。Good Morning, Sirとか、出る時もHave a good day, Sirとか言ってくれるよ。
 ■言葉
 意外とわたしレベルの英語でも十分通じる。また、相手の言うことは、だいたい分かる。けれど、あくまでだいたいで、後で、あ、そういう意味だったかと気づくことが多くて、ちゃんと勉強してくりゃ良かったと思うことしきりであった。もちろんだが、日本語はまったく通じません。あと、ヘッドセットで通話しながら歩いている奴がすっげえ多い。大げさじゃなくて。しかも怒鳴り散らしながらなんてのも普通にいて、一瞬、え、オレ? とビビる。電話を手に持ってるわけじゃないので、最初は、何なんだコイツ独り言か? と思ったら、みんな電話してました。変なの。
 ■コンビニ事情
 これもわたし的にはちょっと意外だったのだが、いわゆる、日本的なチェーン展開コンビはほとんどない。たまーに、7-11を見かける程度。もちろん自動販売機の類は一切ない。その代わり同じような役割の、ローカルpharmacyとか路上キオスクはそこら中にあるので、たとえば飲み物に困るようなことは全くない。だけど、物価が前述のように高いので、pharmacyでちょっと飲み物と食べ物を……なんて買い物するとすぐに10$を超える。また、全て半端なセント単位がつくので、面倒くさがってるとどんどんコインが増えてホントに不便。台湾みたいにIC地下鉄カードで買い物で切れば楽なのに。また逆に、路上キオスクでもちっこいATMが付いていて、どこでも現金が下ろせるのも良く分からん。現金嫌がるくせに。圧倒的に遅れてると思う。
 ■単位
 いいかげん、メリケン国も国際標準にしていただきたい。mileとかyardとかftとか、ozとかlbとか、あんたたちだけだぞ使ってんのは。ぱっと見で直感的に分からないからやめて欲しい。いちいち、えーと、と計算しないと正確にわからないのは若干イラッとする。
 ■匂い
 お前らな……シャワーだけでなく、ちゃんと風呂入れ! コロンで匂いごまかすのやめろ。どこへ行ってもコロン臭がきついのは勘弁して欲しい。
 ■HOME LESS
 日本と違って、小奇麗なHOME LESSが多かった。みな、ダンボールにメッセージが書いてあって、I'm Hungry……とか書いてあったけど、日本の生粋の家なき人々とは違って悪臭ぷんぷんな方々は見かけなかった。不思議。なんか皆、小奇麗だったのが印象的であった。
 ■車
 圧倒的にTOYOTA車が多い。わたしの印象では、TOYOTA>>HONDA>NISSAN>SUBARU>MERCEDES・BMW・MAZDA>FORD>HYNDAIみたいな感じ。タクシーも、プリウスとカムリが一番多いと思うな。なにげにSUBARUが多いのは意外だった。AudiやVolkswagenはたまーにしか見かけず。まあ、これは車を必要としないマンハッタンだったから、なんだろうな。
 ■電源コンセント
 まったく日本と同じと思っていい。イマドキのACアダプター類はマルチ電圧対応だから問題なし。コンセントの形も同じでこの点は大変ありがたかった。 
 ■時差ボケ
 どういうわけか、わたしの場合はほぼナシ。その地の夜に眠り、その地の朝に起きる。着いた当日ぐらいかな、夕方に眠くなったのは。帰国してからも全く問題なし。なんでなんだろ?
 ■人々
 はっきり言って、基本的にみな、事務的かつ無関心。言いようによっては、冷たいといっても言いすぎじゃないと思う。そんな中で、親切かつ丁寧で好感が持てたのは、ホテルスタッフ全員と、一部の劇場スタッフと、コスメ店の女子ぐらいかな。特にホテルはとても心地よかったのが、今回一番感じたところである。でも、ホテル代も高かったなー。航空券以上だもんな。1泊400$以上するのはびっくりしたけど、まあ、それだけの対応をしてくれたと思うことにしたい。
 わたしが宿泊したホテルは、Casablanca Hotelという小規模な古いところだったのだが、とても丁寧でした。それに2階にラウンジがあって、24hいつでもコーヒーが飲めて、ちょっとしたデニッシュ的なものも置いてあって非常に重宝した。もちろん煙草はホテル前の路上ですよ。ああ、でも、古いせいか、水周りはイマイチだった。シャワーブースはすごいおしゃれできれいなんだけど、水圧が弱いし、あっちい! つめてえ! となかなか温度調節が難しかった。なお、このホテルにしたのは、どの旅行予約サイトでもやけに評価が高かったからで、実際、居心地は良かったし、TIMES SQUAREから15秒なのに部屋は非常に静かであった。なお、日本人スタッフはいません。
 あと、DAY-01でも書いたけれど、入国審査官の違いが著しい。メリケン人のやる気のなさそうな態度(そしてページなんかお構いなく適当に開いたページに入国スタンプを押すいい加減さ)はホント腹立たしい。帰ってきて、日本の入国審査官の丁寧さは感動したね。「拝見します」「有難うございました」だって。スタンプもきちんと最初の方の、普通ここに押すだろ、というところにまさに押してくれたし。ほんと見習って欲しいわ。

 というわけで、結論。
 やっぱ日本が一番ですな。もちろん、エンタメ産業はアメリカがナンバーワンだし、実際、Broad Way Musicalは本当に素晴らしかった。また、美術館もMET、MoMAは膨大な作品量とハイクオリティで圧倒されました。けれど、街としての魅力は日本のほうが断然上だと思います。
 しかし、これでNYという街の空気感・地理感はだいたい掴めたので、今後もまた、ちょっくらNYでも行ってくるかと旅に出たいと思う。Musicalや美術館だけでも、訪れる価値はあると思う。

↓ これは紙の本で買って持って行った。小さいので便利かな、と思っていたのだが、まあ、小さいなりの情報量ですな。あまり使わなかった。オレ的教訓;海外旅行はやっぱり、ある程度予習したほうがいいね。
ニューヨーク (タビトモ)
ジェイティビィパブリッシング
2015-07-30