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 というわけで、もう6月となり、どうやら今年もあっという間に過ぎ去って行ってしまうような気がするが、現在、日比谷の東京宝塚劇場では花組公演『アウグストゥス-尊厳ある者-/Cool Beast!!』が絶賛上演中であります。
 今回の公演は、新たなる花組TOPスター、柚香光さんのTOP就任2作目の大劇場公演であり、同時に、現・花組TOP娘役の華 優希さんの退団公演でもある。華ちゃんはわずか3作での退団となったわけだが、わたしとしては非常に残念に思うものの……既に宝塚大劇場でのサヨナラショーをスカステで鑑賞させていただいた身としては、その最後の渾身の演技を目に焼き付けるべく、東京に来てくれるのを待ち望んでおりました。
 今回も、いつも通り宝塚友の会の抽選申込で普通にチケットは買えたのだが、今回友会のチケット神がわたしにあてがってくれたのは、かなり上手側の端っこに近い席、だけど、4列目ということで、オペラグラスなしでも隅々の生徒たちの顔が分かる、大変良い席でありました。ここんところ、友会のチケット神はわたしにとても良い席を与えてくださり、感謝の念を西に向かって祈りたいと存じます。なお、昨日は来月の東京の月組公演のチケット抽選結果のメールが届いていて、月組も無事に1枚ゲットできましたが、びっくりしたことに、ほぼ、今回の花組のチケットと同じというか近い席で、5列目だったかな、またしても上手側のほぼ端っこ、でありました。
 端っこだと、やっぱり若干見づらくはある、のは間違いないけれど、上手の花道がもう目の前なので、突然現れるスターのド迫力に大興奮できるという特典もあって、わたしとしては全くもって文句なく、アリ、であります。
花組01
 東京宝塚劇場のこの写真スポットも、開場と同時ぐらいに入れば全然ガラガラ。写真撮り放題っすね。わたしはいつもここで写真を撮ることはないけれど、ひっさしぶりに撮影してみました。ら、斜めってるじゃん……オレのド下手くそ。。。
 で。今回のお話は、なんと初代ローマ帝国皇帝、アウグストゥスでお馴染みのガイウス・オクタヴィウスの若き頃から皇帝となるまで、という歴史ロマンあふれる(?)お話でありました。そして物語はかのカエサル(=英語のジュリアス・シーザー)がエジプトからローマへ帰還するところから始まる。なのでもちろん、クレオパトラ7世は出てくるし、ブルートゥス(=「ブルータス、お前もか」のあの人)も当然出てくる。さらに、後の反乱を起こすマルクス・アントニウスも出てくる。
 何が言いたいかというと、相当壮大かつ複雑な話を90分にまとめているので、かなりはしょっているというか駆け足展開だったかもしれない。ただし、観ていれば別に混乱することもなく話は理解できると思うので、問題はなかろうと思う。
 問題は、わたしが今回最も注目していた、華ちゃんの役柄と演技ぶりだ。なんと、華ちゃんが演じたのは、ポンペイアである。わたし、観る前の予習として、華ちゃんの役がポンペイアと知って、凄いびっくりしました。わたしの知識では、ポンペイアはカエサルの何番目かの奥さんだったんじゃね? と思って、調べたところ、たしかに2番目の妻であり、カエサルの前世代の政治家で政敵、のルキウス・コルネリウスの孫?かなんかである。これはまた、すげえ役だなあ、とか思っていたけれど、結局今回のお話の中では、そういった歴史的背景はどうやらナシにしたのか、それとも単に名前が同じだけなのか、よくわからなかったけれど、カエサルの政敵であるポンペイウスの娘で、「カエサルに父を殺され、憎しみに身を焦がす女性」という感じにアレンジされていました。まあ、別に全然アリです。
 で、わたしが一番、なるほど、これは興味深いと思ったのは、今回のテーマ?となるのは、「憎しみ」の克服に重点がおかれていた点であります。何度もこのBlogで書いている通り、わたしが一番興味があるテーマですよ。果たして、人類は「憎しみの連鎖」を断ち切ることができるんだろうか? ということに、とても興味があるっすね、わたしは。このテーマは、ある意味『ロミオとジュリエット』にも共通していて、たいていの物語においては、その解決策として「誰かがグッと我慢する」ことで、憎しみの連鎖をそこで終わらせる、みたいなことが提示される場合が多いと思う。要するに、誰かがつらい気持ちを引き受けて、憎しみを連鎖させないという、ある種の力業なので、言葉を変えるなら、「誰かが犠牲になる」ことで、やっと、人間の憎しみは(一応)そこで止まって、後に残らないみたいなわけだ。
 そして、まさしく今回の物語では、華ちゃん演じるポンペイアが、その犠牲となる。その身を憎しみに燃やしながらも、(一応?)主人公の優しいハートに触れて、グッッとこらえて犠牲になるわけだけど……とにかく、華ちゃんの演技は、今回ナンバーワンに素晴らしかったとわたしはもう大絶賛したい。素晴らしかったですねえ!! 普段の華ちゃんは、スカステの番組などを見る限り、ぽわーーんとした、非常に控えめなおっとりさんというイメージをわたしは持っていたけれど、今回の演技は、まさしく炎のような怒りを見せたり、激しい系のキャラであったし、一方ではその怒りを封じ込めるために犠牲となる精神も持っていて、とっても素晴らしかった。出番が少ないのがなあ……もったいなかったよ。ラスト、神殿での正体が判明するシーン、わたしはまったく気づかず、えっ!そ、そうだったの!? と驚かされたっすね。アレは誰も見抜けなかったと思うな。お見事でした。
 というわけで、あとはもう、主なキャラと、気になったジェンヌを説明して終わりにします。
 ◆オクタヴィウス:のちの皇帝アウグストゥスなわけですが、まあとにかく、演じた柚香光さんはイケメンですよ。衣装もすっごく良かったっすねえ!! カッコ良かったですなあ! このblogで何度も書いている通り、やっぱりゆずかれー君は演技の人ですよ。大変素晴らしかった。ショー、Cool Beastもゆずかれー君の持ち味満載で良かったすねえ。まあ、なんて手足が細くて長くて美しいことよ! 一瞬登場する女装も実に美の化身でしたなあ。ゆずかれーくんのこれからにますます期待すね。
 ◆ポンペイア:もう散々書いたから省略。華ちゃんはマジでTOP娘として、明らかに周りとは違う強い輝きを放つ、素晴らしいお方ですな。退団後の活躍をとても期待します。華ちゃんに幸あれと祈りたいと存じます。笑顔も、怒った顔も、しょんぼりした顔も、とにかく表情豊かな素晴らしい女優ですよ。
 ◆オクタヴィア:オクタヴィウスのお姉ちゃんで、アントニウスの婚約者。演じたのは、わたしが花組でイチオシの音くりすちゃん。芝居は抜群だし、とにかく、くりすちゃんは歌、歌唱力でしょうな。今回もソロ曲があったすね。さらにショーの方では、わたしが最強ボイスと思っている専科の美穂圭子さんと歌うパートがあって、いつも美穂さんの歌声は、もう声量からしてマイクのセッティングが間違ってんじゃね!? と思うぐらいのド迫力なんだけど、くりすちゃんの歌声は美穂さんに全く引けを取らないレベルだってことが今回よくわかったす。くりすちゃんのこれからにも、期待したいし、応援したいっすな。
 ◆アグリッパ&マエケナス&ブルートゥス:アグリッパが武術担当、そしてマエケナスが頭脳担当のオクタヴィウスの友人で、ブルートゥスは歴史的に有名なブルータス。3人とも、若干見せ場は少ないんだけど、演じた水美舞斗さん、聖乃あすかくん、永遠輝せあくんの三人はさすが、花組を支える重要人物っすね。つうかですね、次の花組2番手は誰になるんすか? 普通に考えて、この3人のうちの誰かだと思うんすけど、どうしても同期じゃダメなんすか? わたしとしてはマイティーが2番手羽を背負って階段降りてきたら、泣くと思うんすけど、ダメなんでしょうか。。。やっぱりひとこなんすかねえ。。。わたし的にはやっぱりマイティーが一番技能的に上だと思うんだけどなあ。。。
 ◆クレオパトラ7世:もう説明不要ですな。そして今回演じたのが、専科の凪七瑠海さんなわけですが、カチャさんはもう、さすがにその歌も演技も素晴らしいのは言うまでもないけれど、久しぶりの女装もやはり大変結構なお点前でした。顔ちっちゃいんすよね。エジプトファッションもバッチリ決まってたし、ショーの方でも何気に出番も多く、見事だったす。しかし今回の公演は専科から美穂さん、カチャさん、それからカエサルを演じた夏美ようさんと3人の強力な助っ人が出演してくれたわけなんすけど、いっそ、カエサルとクレオパトラの2役は、マイティーかあすかくんかひとこに振っても良かったんじゃね? とかテキトーに思いました。特にクレオパトラは、マイティーでもあすかくんでも良かったんじゃねえかなあ。。。ひとこくんはNICE WORKで女装したばかりだからダメかなあ。マイティーがクレオパトラを演じたら相当似合ってたような気がするっすね。ちょっとマッチョ過ぎかな笑
 ◆アントニウス:野望に燃える男で、クレオパトラをも惚れさせちゃう色男。演じたのは今回が退団公演となる瀬戸かずやさん。あきら兄さんもこれで見納めかと思うと寂しいすね。。。ショーの方でも大活躍で、あきら兄さんのカッコ良さは忘れないぜ!
 とまあ、こんなところかな。あと、ポンペイアの下女(奴隷)のレオノラがすっごい良かったすね!! 誰が演じてるんだろう? と一瞬分からなかったんだけど、プログラムによると93期で今回で退団されてしまう美花梨乃さんですな。いやあ、素晴らしい演技で華ちゃんを支えてくれましたねえ! 出番は少なかったけれど、非常に心に残ったす。今回は退団される方が多いけれど、みなさんショーの方で見せ場があって、とても良かったと思うす。皆さんが退団されても、幸多からんことを心からお祈り申し上げます!
 最後に、ショーのオープニングタイトルの写真を貼り付けておきます。
花組02
 さて、とりあえず以上かな。そして最後はいつもの「今回のイケ台詞」をご紹介して終わりにしたいと思います。
 ※「イケ台詞」=わたしが、かーっ! カッコええ!と感動した台詞のこと
 「憎しみは終わらない。この世界に人が生きている限り。でもだからこそ、人は祈りをささげる。オクタヴィウス、あなたは生きて。そして叶えて。まるで夢のようにはかない、わたしたちの祈りを」
 今回はやっぱり、華ちゃんのラストのセリフを選びました。華ちゃん、君は本当に素晴らしい娘役だったよ。本当にお疲れ様でした! またどこかで必ず会いに行くよ!

 というわけで、結論。
 いよいよ東京へ来てくれた花組公演『アウグストゥス-尊厳ある者-/Cool Beast!!』をさっそく観てきたわたしであります。お話も面白かったし、ショーもキラキラで大変楽しめました。まあ、最高だったすね。控えめに言って。とにかく、華優希ちゃんが素晴らしいすよ! もちろんTOPスター柚香光さんも最高だし、もう文句は何一つございません。ホント、まったく楽しいことのない、つまらない毎日を過ごすわたしとしては、宝塚歌劇の劇場にいる3時間だけは、特別っつうか、すべて忘れて楽しませてくれますなあ。都内は緊急事態宣言中なわけですが、オレのハートも緊急事態中だっつうの。せめてオレから宝塚を奪わないでくれ……!と願わずにはいられないっすわ。ただ、もうしつこいぐらい、お連れ様との会話もご遠慮くださいって案内してるのに、結構おしゃべりに興じる淑女の皆さんも多かったすね。もちろん大半はもう、マジで一言も口を利くことはないんすけど、それ故に目立つっつうか。。。まあ、しゃべりたい気持ちはわかるっすけど、劇場の中だけは我慢しておくれ。。。そこんとこ、よろしくお願い申し上げます。以上。

↓こういうの、欲しいすね。勉強し直したい。。。
ローマ帝国大図鑑
ナイジェル・ロジャーズ
ガイアブックス
2013-12-15


 

 2010年に初めて宝塚歌劇を体験してからすっかりハマり、10年が過ぎた。前回も書いたが、わたしはチケットをほぼ「宝塚友の会(=略して友会)先行抽選」で買っているわけだが、ここ数年、とにかくチケット難が続いており、とりわけ雪組は当たる方が珍しく、花組もここ数回獲れないでいる。
 そういう獲れなかったときは、わたしをズカ道に導いてくれた美しき師匠に相談すると、チケットを融通してくれることが多いのだが、前回の花組公演『カサノバ』は結局観ることが叶わず、見逃してしまったのであった。
 そんな中、ついに、現在の宝塚歌劇団TOPスターの中で(たぶん)最も人気の高い、花組TOPの明日海りおさん(以下:みりお)が退団を発表され、チケット争奪戦は激戦の様相を呈し、わたしも全敗、こりゃみりお氏のラストは見送れないかもな……と嘆いていたのである。みりお氏は2010年にわたしのズカ体験2回目であった月組公演で極めて強いオーラを放っていて、確実にこの人は将来TOPスターに上り詰めるであろうとずっと見つめてきた、思い入れのあるお方だ。そんなみりお氏のラストが見られないのは、痛恨極まりないわけで、わたしとしては本当にもう困っていたのである。
 が。
 1カ月ぐらい前、チケットぴあから何やらメールがポロリンと来たのである。そもそもぴあもe+も、まったくどうでもいいダイレクトメールが1日に10通近く送られてくるので、どうせそんなもんだろうと開くこともせずに削除……しようとしたところで、「抽選結果のお知らせ」という文字が目に入った。
 わたしはもういろんなチケットの抽選に申し込んでいるので、申し込んでいたことすら忘れていたのだが、なんじゃろか、どうせ「チケットはご用意できませんでした」のお知らせだろ!? と開いてみたところ、なんとなんと、花組公演が当選していたのである! わたし、ぴあで初めてズカチケットが当選したっす。奇跡はあるんですなあ!
 なので、うおっと、マジかよ、やったぜ! と小躍りし、セブンイレブンでの発券は翌日からとあるので、その翌日さっそく発券に行って観たところ……な、なんと! 奇跡はもう一つありました。
 なんと! なんとですよ!? 席が……!!! 奇跡の最前列!!!だったのです!!!!
 いやあ、マジでびっくりしたっすねえ! マジかよ!? とレジで声が出ちゃったす。ぴあで当選することだけでも信じられないのに、ましてや最前列だなんて、こんなことって、あるんですなあ!
 というわけで、その奇跡×2のチケットを握り締めて、昨日は日比谷に推参した次第であります。
saizenretsu
 ヅカファンなら、この写真でもうお判りでしょう。上手側のサイド席でありました。いやあ、その迫力は失神モノだったすねえ……ヤバかったす。まあ、おっさん客のソロ観劇で、なんだコイツ的に観られたかもしれませんが、いいんだよそんなこたぁ! そして思うに、わたしが友会で比較的よく当選するのは、ソロ観劇、すなわち1枚で申し込みをする点も、抽選には有利なんじゃねえかという気がしますね。

 というわけで、現在日比谷の東京宝塚劇場で絶賛公演中なのは花組であります。そしてTOPスター明日海りおさんの退団公演である『A Fairy Tale -青い薔薇の精-/シャルム!』という2本立てであります。
 まずはお芝居の『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』ですが、お話は19世紀のイギリス、とある貴族のお庭には精霊が住んでいて、その精霊たちは子供には見えるし交流もできる、けど、精霊界のルールとして、自分たちと交流した記憶を人間から奪う「忘却の粉」を振りかけないといけないらしい。しかし、薔薇の精であるエリュは、美しい心を持つシャーロットという少女にぞっこんLOVEってしまい(?)、忘却の粉をかけることを拒み、ルールを破ってしまう。その結果、そのお庭は荒廃し、エリュも「悲しみの色」である青に染まってしまう。それから数十年が過ぎ、あの美しかったお庭には植物が根付くことがなく、調査にやってきた植物学者の青年ハーヴィーはエリュと出会い、エリュからシャーロットの現在の居場所を探す依頼を受けるのだった……てなお話である。サーセン、いつも通りテキトーに端折りました。
 まあ、なんつうか、みりお氏はいわゆる「フェアリー系」であり、フェアリーを演じるのにはもうこれ以上ないキャスティングなわけですが、お話的には意外と現実的というか世俗の美しくない事情も絡んで、人とならざる存在のみりお氏と、人間としてしがらみ?のようなものにとらわれるハーヴィーを演じた花組2番手スター柚香光さん(以下:ゆずかれー)の対比が際立つお話でした。そしてヒロインであるシャーロットの出番が若干少ないのが少し残念だったかもっすね。
 というわけで、各キャラと演じたジェンヌを軽くメモしておこう。
 ◆エリュ:演じたのは当然みりお氏。これでみりお氏ともお別れかと思うと、ホントに淋しいすね。。。最前列で観るみりお氏は、本当に美しかったよ。約5年半の長期間、TOPスターとして本当に見事な舞台を見せてくれて、心からありがとうと申し上げたいすね。そして本当にお疲れ様でした。千穐楽まで、思いっきり駆け抜けてください。そして退団後は、美しい女優として活躍することを楽しみにしてますよ。わたし的には、みりお氏は、演技が一番の長所だと思うので、舞台で再び会いたいですな。
 ◆ハーヴィー:演じたのは次期TOPスターが決まっている、ゆずかれー君。そのビジュアルは最強レベルですが、歌がなあ……今回は比較的大丈夫だったと上から目線で申し上げたいけれど、ホント、今後の活躍を期待してますよ。わたし的にはゆずかれーくんも演技が一番の長所だと思ってます。しかしゆずかれー君は、わたしの贔屓である礼真琴さん(以下:こっちん)と同期なわけで、最年少TOPになるわけだが、その重圧は計り知れないものがあると想像するけど、負けずに頑張ってほしいすね。なんか、数年後、トート閣下を演じそうな気がするっすね。新公でもやってるし。まあ、ビジュアル的にはトート様が似合うでしょうなあ。
 ◆シャーロット:演じたのはこれがTOP娘役お披露目となる華優希さん(以下:はなちゃん)。ラストの老け役も見事でしたね。普段のはなちゃんは、わたし的にはかなり素朴系・ふんわり系のかわいい娘なわけですが、これからはTOP娘として、強い女性の役なんかも演じて行かなきゃイカンわけで、そんなはなちゃんを観るのを楽しみにしたいっすね。
 ◆ウィールドン夫人:シャーロットの母で庭園を愛していた美しい夫人。演じたのは城妃美伶さん(以下:しろきみちゃん)。しろきみちゃんも今回で卒業かあ……残念だなあ……元々わたしが一番応援している星組生だったしろきみちゃん。5回も新公ヒロインを務めてもTOPになれないんだもんなあ……やっぱり、97期というのは娘役にとって、タイミングが悪すぎたんだろうなあ……。。。きれいで歌もうまくて、こっちんの嫁にはいいんじゃないかと思ってたのだが……。こっちんロミオとしろきみちゃんジュリエットの新公はわたしは観たことがないので、いつか観てみたいす。まあ、一般人からするととんでもない美人なので、退団後の活躍を楽しみにしてますよ。どこかでまた会いに行くよ!
 ◆ニック:ウィールドン夫人に何となく恋心っぽいものを抱きつつ、夫人の愛した庭園を美しく管理する心優しい庭師の青年。演じたのは水美舞斗さん(以下:マイティー)。マイティーらしい、優しい役だったすね。ここ2年ぐらいでグイグイ存在感が増してきて、同期のゆずかれー君を支える重要な人材ですよ。星組の瀬央ゆりあさん(せおっち)もそうですが、番手的には2番手にはなれないのかなあ……同期ワンツーがあってもいいじゃん……
 で。後半はショー「シャルム!」であります。
Charme
 なんつうか、全くどうでもいいんだけど、映画オタクのわたしには、タイトルが『シャザム!』に似ているし、おまけに主題歌のメロディーも、なんかヒーローものの主題歌のようで、「シャルム!」と若干呪文めいた部分も、ちょっと変わったショーだったような気がします。
 公式Webサイトによると、「シャルム」とはフランス語で「魅力、色香、魔法、呪文」などを表す言葉だそうで、要するに英語のcharmのことらしいが、まさしく呪文でした。ほんのうっすらと、物語的な部分があるのはどのショーでもそうだけど、今回はなんつうか……うーん……なんといえばいいんだろう? あの魔法ステッキを持った魔法少女は何だったんだ!? いや、まあ、可愛かったからいいんだけど、ちょっと表現しにくいっす。
 まあ、いずれにせよ、最前列で観るショーの迫力はマジでヤバいすね。失神するかと思うぐらいのキラキラの大洪水で、溺れそうになったすわ。残念ながら、みりお氏の客席降りでは、握手できなかったす。超近くまで来てくれたんだけど……直前でふいっと帰っちゃったのが残念でした。そして、ゆずかーれくんの背中を、そっと押すみりお氏はなんか泣けたっすね。
 今回のショーでは、94期の羽立光来さん(芝居の方でシャーロットと結婚するいやーな奴を演じたお方)がわたしの真ん前に何度か来て、完璧にわたしに向けて目を合わせて微笑んでくださいました。わたしも、マジかよ、うおお! と満面の笑みで返したんですが、キモイおっさんでサーセンした! その愛称の通り、超ビック、身長178cmだって。おれより5cm以上デカいじゃん!

 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「眼には見えなくとも、わたしは、この庭で、ここに咲く花たちを見守り続けている。いつまでも……」
 今回は悩んだけど、まあ卒業に寄せたみりお氏の心情を現したこの台詞にしておきます。はあ、ほんとにみりお氏の退団の日が来てしまうんすねえ……TOPになることは、まさしく終わりの始まりなわけで、わが愛しのこっちんも、数年後には確実に卒業の日が来るんですなあ……おれ、泣かないでいられる自信ないっす……それを考えると、もう今から淋しいんすけど、どうしたらいいんでしょうか……。。。

 というわけで、結論。
 ついに来てしまったみりお氏の卒業公演。わたしは全くチケットが獲れず、これはマジで観られないかも……と半ばあきらめていたところでのぴあ当選、しかも最前列!という奇跡に恵まれたわけだが、とにかく最前列で観るショーのヤバさは、恐らく生涯忘れないだろうと思えるほどでした。そしてみりお氏のラストも、やっぱり忘れ得ないものとなるような気がします。まあ、内容的には若干不思議な感じだったけれど、その美しさはもう、みりお氏の宝塚人生ここに極まれりというものだったと結論付けていいのではなかろうか。しかし退団後の活躍も楽しみすねえ。みりお氏はやっぱり舞台が似合うと思うすね。映像系もイケると思うけど、やっぱり、舞台で輝くみりお氏にまた会いに行きたいですな。そして同じく卒業するしろきみちゃん……きっと卒業後も、様々な舞台で輝いてくれるでしょう。これからも、応援いたしたく存じます。残された花組の皆さん、ゆずかれーを先頭に、これからも走り抜けていただきたいと存じます。わたしは星組推しなので、まずはこっちんを一番応援しますけどね。以上。

↓ 観に行けなかったので、Blu-rayを買おうかと存じます。よく考えると、観に行くチケット代と値段あまり変わらんしね。ズカBlu-rayは結構あっさり品切れになるから、買える時に買わんと!!

花組宝塚大劇場公演 祝祭喜歌劇『CASANOVA』 [Blu-ray]
明日海りお
宝塚クリエイティブアーツ
2019-04-26

 わたしが愛する宝塚歌劇は、まったく知らない人は当然知らないと思うが、月・花・雪・星・宙の5組あり、その組ごとに公演を行っている。中でもわたしは、2010年に初めて宝塚歌劇を観に行ったのが星組で、その時のTOPスター柚希礼音さん(通称:ちえちゃん)にぞっこんLOVEとなり、以来、ずっと星組をイチオシとして応援しながら、ほかの組の公演もたまに観る、という感じで宝塚歌劇を楽しんでいる。ま、ここ数年はほとんどの組の「大劇場公演」を日比谷に観に行っているわけだ。
 で。これから書こうと思っていることを理解するために、まず以下の2点を知ってもらいたいのだが、これまたヅカファンなら常識だけど、そうでない人は全く知らないと思う点がいくつかある。
 まず1つ目は、宝塚歌劇に属する役者(=ジェンヌ)には、実は5つの組に属していない、いわばフリーのジェンヌも数は多くないが存在している点だ。彼女たちは、「専科」所属と呼ばれ、明確な基準があるのかわたしは良くわかっていないが、キャリアを積んで、TOPを経験して、専科へ移ることもあるし、各組所属の中でもベテランになって、「(先に後輩がTOPに就任したので、この先)TOPにはもうなれないかも」という人材が専科に移る、という場合が多いような気がする。ただし、専科のジェンヌは、確実に芸達者で、歌・芝居・ダンスが素晴らしい皆さんが多く、劇団がこのまま卒業させてしまうには惜しいと思うようなジェンヌが専科となるように思う。彼女たちは、専科に移ると、各組の公演に言わば助っ人として出演して、作品を引き締める重要な役割を演じている場合が多い。
 そしてもう一つは、いわゆる「大劇場公演(宝塚と日比谷の専用劇場での公演)」以外にも、全国を回るツアー公演や、東京と大阪(や名古屋・福岡)だけの、一般劇場での公演もあって、都内や近郊で言うと、赤坂ACTシアターや横浜のKAAT、あるいは文京シビックホールなどが最近の定番劇場となっている。なお、かつては神宮の日本青年館も定番劇場の一つだったのだが、2020年の東京オリンピックへ向けた準備のため、2015年4月に閉館してしまった(その代替え劇場として文京シビックホールなんかが最近の定番)。わたし的には、日本青年館は、いろんなコンサートや『テニスの王子様ミュージカル』を散々観た劇場として思い入れがあるのだが、もう解体されちゃった。淋しいのう……。

 というわけで、いつも通り無駄な前置きが長くなったが、昨日、わたしは夜、WOWOWで録画しておいた宝塚歌劇の作品を観たのだが、これがまた非常に良くて、大興奮したわけである。
 タイトルは、『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』。2015年の1月に、大阪のシアタードラマシティと東京の日本青年館にて行われた作品であり、「花組特別公演」とは銘打たれているが、主演は、花組スターではなく、当時専科に在籍し、この時すでに、わたしの愛する星組の次期TOPスターに就任することが発表されていた北翔海莉さんであった。そして、わたしはますます北翔海莉さん、通称みっちゃんのことが好きになったのである。これはホント、生で観たかったわ……。
jirokiti
 探したけど動画はないみたいなので、ポスター画像を貼ってみた。
 この作品は、もうポスターから一目瞭然の通り、いわゆる「和モノ」であり、題材も、日本人なら誰でも知っている「ねずみ小僧・次郎吉」のお話である。わたしが観た、WOWOWで放送されたものは、2015年1月26日の日本青年館の公演で、千秋楽、であったようだ。

 で。みっちゃんである。わたしは、今回『風の次郎吉』を観て、改めて、みっちゃんの技量にほれぼれとし、また、みっちゃんの人柄の良さにもとても魅かれたわけで、現在宝塚大劇場にて公演中の作品で退団することとなってしまったことを、心の底から淋しく思う限りである。ああ、せめてもう1~2公演、みっちゃんの雄姿に見とれ、歌声を堪能したかったものだ……ああ……出会うのが遅すぎたのが残念だ……。

 以前、このBlogで、みっちゃんが星組のTOPスターに就任した最初の大劇場公演『GUYS&DOLLS』について書いた時にも記したが、その当時、実はわたしは、恥ずかしながらみっちゃんのことをよく知らなかったのである。どうもすれ違っていて、専科に移る前の月組や宙組に在籍していた当時のみっちゃんを観たことがなく、専科移動後に、星組の『ナポレオン』や花組の『エリザベート』に出演した時しか観たことがなく、名前と顔が一致していなかった。そのため、星組のTOPに就任することになって、わたしのヅカ師匠に、ええと、誰でしたっけ? なんて失礼なことを言ってしまい、「何を言ってるの!!! あなた、この前のみりおちゃんの『エリザ』は観たでしょ!? あの時のフランツよ!!! 現役ジェンヌの中でも歌・ダンス・お芝居、三拍子そろった素晴らしい実力派よ!!!」と激しく叱られ、土下座する勢いで謝ったことがある。
 そして、我が星組のTOPとして、ちえちゃん去りし星組を見事にまとめ上げている姿を観て、そしてその歌声や芝居ぶりにすっかりみっちゃんのファンとなったわたしだが、わたしの主観では、みっちゃんは現在のTOPスターの中で、歌・ダンス・芝居の技量はナンバーワンだと思っている。たぶんその実力のほどは、ほかの組のファンの方であろうと、認めるものなのではなかろうかと思うので、わたしが、みっちゃんas NO.1を主張しても、それほど怒られないと思う。「何言ってるの!! うちのまぁさまの方が上に決まってるでしょ!! でも、北翔さんが上手なのは認めるわ」みたいな。
 とにかく、歌が上手い。本作『次郎吉』では、三味線まで弾いてくれる。前作『こうもり』の時のショーではピアノも弾いてくれた。つまり、とにかく芸達者なのである。この点は、マジで現役TOP最強だと思うな。芝居ぶりもお見事で、みっちゃんは、コミカルタッチも、シリアスなところもきっちりと演じてくれる稀有なジェンヌだと思う。この点も、わたし主観では、現役TOP最強だと思う。
 わたしのヅカ師匠は、みっちゃんについて、とにかく巧い、強いて難を挙げるとしたら、お化粧が良ければ、と言っていたことがあった。これは、正直男のわたしにはわからんことなのだが、曰く、若干、昭和感があって、キラキラ感が足りない、のだそうだ。そういうもの? なんすかね? この辺は良くわからないけれど、TOP就任後は、グッと良くなった、とヅカ歴数十年の師匠も言っていたので、現在はその点ももはや瑕疵にはなるまいとわたしは思っている。
 思うに、みっちゃんはおそらく退団後、何でもできる素晴らしい女優になるのではなかろうか。まだ退団後どうする、と言う話は聞かれないし、もちろんまだそんな話をする段階ではないが、わたしはみっちゃんの素顔もとても美人だと思うし、髪を伸ばしたり、衣装も変わると、想像以上の美人女優になりそうな気がする。でも、みっちゃんはとにかく、歌っていてほしいので、女優といってもミュージカル方面や、歌手として活躍してほしいと心から願っている。

 そして人柄の良さ、なのだが、今回わたしが観たWOWOW放送は、千秋楽だったからなのかもしれないが、宝塚の公演としては珍しくカーテンコールを4回ぐらいやってくれた(普段の公演は、幕が下りるとそこで終わりで何度も幕が上がるようなことはない)。
 その中で、みっちゃんは何度も、スタッフや花組のみんなに感謝を伝えながら、話をしてくれたわけだが、その中で、ひとつとても印象深い話があった。みっちゃんは、こんなことわざを、常に忘れないようにしているんですと。
 ≪尺蠖(しゃっかく)の屈(かが)めるは伸びんがため≫
 これは、しゃくとり虫がグググッと縮むのは、その後でぐいいーーと伸びるため、という意味で、つまり「将来の成功のために一時の不遇に耐えることのたとえ」だそうだ。
 これを聞いたら、だれでもみっちゃんのこれまでの軌跡を思い浮かべるよね。この『次郎吉』を最後に、星組へ移ってTOPに就任したみっちゃん。そして現在、キラキラと輝いているみっちゃん。はあ……もっとずっと観たかったよ……。なんだか寂しくて、わたしは昨日、一人部屋で観ながら、「……たぶんオレ……次の、最後のみっちゃんの星組公演観たら……泣くな。間違いなく……」とつぶやくに至ったのである。
 
 というわけで、結論。
 現在の星組TOPスター北翔海莉さんが、専科時代に主演した『風の次郎吉』という作品を昨日観て、あらためて、北翔海莉は現役最高TOPスターである、という認識を深めたわたしである。なお、本作は花組公演であり、 瀬戸かずやさん演じる「遠山金四郎」もカッコ良かったし、ちょっと出番は少ないけど、現在の花組3番手(?)のイケメンでお馴染みの柚香光ちゃんも、相変わらずやけにカッコイイ悪い奴として出演しており、大変楽しめる作品であった。次にわたしがみっちゃんに会いに行くのは、10月の頭だが、最後の公演、今からもう淋しくてなりません……千秋楽は出待ちしたいぐらいの勢いで、最後まで応援したいと思います。以上。

↓ どうでもいいけど、DVDじゃなくてBlu-rayで発売してほしいのだが……。わたしがSKY-STAGEに加入していない理由はただ一つ。いまどきHD放送じゃないなんて……HD化されたら、即・加入すると思うな。
OH! Edo Night Show 『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』 [DVD]
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2015-04-15
 

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