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 はあ……もう読み終わって2週間。余韻がいまだ抜けないですなあ……。。。
 なんのことかって!? そんなの『十二国記』の話に決まってるでしょうが!!
 と、半ばキレ気味に、とうとう読み終わってしまったシリーズ最新刊『白銀の墟 玄の月』(1)(2)(3)(4)について、思ったことや考えたことをまとめようと存じます。
 しかし、ああ、くそう、なんて幸せな読書時間だったんだ……それが終わってしまって、大変な喪失感ですよ……そして内容的にも、絶望から希望への期待、そしてあとはもう、一気に行くぜ、からの、超絶な絶望への突き落とし、そして終局へ、という山あり谷ありの激しい展開には、本当にもう、何て言えばいいのかな……結論としてはやっぱり、最強最高のエンターテインメントだったな、ということになるのかな……はあ……もう、ずっと読んでいたかったよ……。
12koku
 というわけで。先月、(1)巻(2)巻の発売日は前回書いた通り、台風に襲われて近所の本屋さんは軒並み臨時休業と相成り、やむなくわたしは翌日やっと手に入れたわけだが、今回の(3)巻(4)巻は、わざわざ07:30開店の上野駅構内のブック・エキスプレスまで発売当日の朝に買いに行き、07:31からむさぼるように読み始めた。結果、(3)巻をその日のうちに読み終わってしまい、(4)巻は、ちょっと落ち着つけオレ! と言い聞かせたものの、我慢できず2日で読み終わってしまった。
 構成をまとめるとこんな感じだったように思う。
 ◆(1)巻:「起」であり、物語の始まり
 ◆(2)巻:「承」であり、数々の謎投入&まさか?的な軽い絶望も
 ◆(3)巻:「転」であり、ついに主要メンバー集合、反撃だ!的希望にあふれる
 ◆(4)巻:「結」であるけど、残り100ページぐらいですべてがパーになり、うそでしょ、ど、どうなるんだよ!? 的な深い絶望とハラハラ感を抱かせつつ、結末へ!
 てな感じで、まあとにかく、(4)巻がヤバかったのは、読んだ方なら全員が同意してもらえるのではなかろうか。わたし、マジでバットエンドもありうるのか!? と超・超・絶望しちゃったす。
 読み終わった今となっては、そんなハラハラを味わわせてくれた物語に深く感謝しつつ、やっぱり十二国は最高だな! と能天気に思うわけだが、わたしが思うに、本作の最大の問題は、【誰が一番悪いんだ?】ということに尽きるのではないかと思う。実はこの2週間、読み終わってからいろいろなことを書いては消し、書いては消し、と試行錯誤してきたのだが、やっぱりわたしが一番考えてしまったことは、いったい誰が一番悪い奴だったのか、ということだ。なので、もうそのことだけに集中して、備忘録として記しておこうと思う。
 【阿選と驍宗さま】
 本作では、これまでの「十二国記」シリーズで最大の謎とされていた、阿選の謀反と驍宗さまの失踪についての謎が明かされるわけだが、(2)巻を読み終わった段階では、実は阿選は謀反を企んだのではないのかも? そして驍宗さまはマジで逝っちまったのかも!? とさえ思っていた。
 が、ズバリ言うと阿選の謀反は真実で、驍宗さまもちゃんと生きてました。
 そして阿選の謀反の動機としては「嫉妬」それから「怒り」と「絶望」のようなものがキーワードとして挙げられている。
 「嫉妬」と「怒り」そして「絶望」……自らが対等のライバルと思っていた驍宗さまが王座に就いたことへの嫉妬。そしてその「怒り」と「絶望」が阿選をして狂わせた、というのが解答だったわけだが、この嫉妬心を、にんげんだもの、しょうがないよ、と読者が思えるかどうかが問題だろうと思う。わたしとしては、わからんでもない、けど、正直なところ、ほんの若干、納得はできないでいる。
 たしかに、自分が同等と思い、自分がライバルだと思ってた奴がいて、さらに言うなら、ちょっとだけ俺の方が上だぜ? と思っていたのに、先に出世し、なおかつ、永遠に自分はその地位に昇格できない、と決まってしまったら、もうそれは深く真っ暗な絶望の闇に落ちてしまうだろう、と想像はできる。わたしも確かに、そんなことが今までの会社員生活でなかったとは言えないし、ちくしょうと思った経験はある。たいてい自分とは別の部署の人事に対してだったけど。
 しかし、わたしの場合で言うと、そのライバルの昇格を決めた上司や社長に対して、怒りを感じることはあっても、そのライバル自身に何か嫉妬を感じることは、あまりなかったような気がする。いや、そんなことないかなあ……後で逆転して、ざまあとか思ったりしたもんな……てことはやっぱり、嫉妬してたのかもしれないな……。まあ、わたしなら、追いつき、抜くことが「永遠に不可能」だと言われてしまったら、そんな会社は辞めますね。そんな天には従わない。仕える天は自分で決めるだろうな。
 しかし、阿選は驍宗さまを王とした「天」に対して、それを無条件に受け入れるしかない身だ。わたしのように「天」に従わず、別の「天」を求めることもできない。そこが阿選の悲劇であり、「十二国」最大の特徴だろう。そう、「十二国」世界の「天」は、我々の言ういわゆる「神様」のような、実体のないものではない。「十二国」世界には、明確に「天」が存在しているのだ。その「天」は、人間には何も声を届けない。
 そういう意味では、いわゆる「神の沈黙」に近いものがあって、なんでだよ、どうしてだよ! というような、人間がどうしても感じてしまうある種の不条理に対して、十二国世界も、我々の世界も、具体的な救いがないのが、人間にとって、そして読者にとって、とてもつらいのである。
 この点で、阿選は天の犠牲者とも言えるのかもしれない。なぜ自分が選ばれなかったのか。それを知ることができて、納得できていれば、悲劇は起こらなかったかもしれない。
 とはいえ、いずれにしても、阿選の謀反によって、数多くの罪なき民が苦しみ、亡くなっていったという結果を見れば、やっぱり阿選はもう、悪い奴、と断じるほかないだろう。阿選に同情して許せるほど、被害は全く軽くないわけで、阿選=悪党の図式は崩しようがないと思う。おまけに、謀反自体の心情を汲んだとしても、クソ野郎の烏衡を使ったり(→それが阿選最大のミス!)、無能な張運に冢宰を任せて、6年間引きこもっていたりと、罪状をあげるときりがないのは、読者ならだれでも感じたことだろうと思う。阿選……国を出て、いざというときに駆け付けるカッコイイ男であってほしかった……。
 そして。一方で、驍宗さまはどうだろうか。
 被害者として、おとがめなしで、いられるだろうか? 
 わたしとしては、どう考えても、驍宗さまにも非があったと言わざるを得ないと思う。それは、王としての器にかかわるぐらい、大きな問題だ。
 驍宗さまが王座に就いた手続きにおいては、実は阿選に対して、一緒に昇山しようぜ、と誘ってすらいたわけで、公平だったのは間違いない。けど、やはり、驍宗さまには、他人の心への配慮、のようなものが足りなかった、あるいは無頓着?だった、と言わざるを得ず、事件の要因の一つであったと考えるべきだろうと思う。TOPたる者、残念ながらすべての結果に対して責任を負う義務があるわけで、わたしとしては驍宗さまを悪党とは言わないけど、やっぱりおとがめなしには到底できない。今回は登場&復活してもほぼ全く活躍できずでしたが、まあ、今後の永い治世で、今回の事件の責任は善政という形で民に施してほしいです。今回亡くなった人々が多すぎて、ほんと悲しいす……どうか驍宗さま、彼ら彼女らの魂を弔ってください……。
 【琅燦と「天」】
 とまあ、阿選と驍宗さまは、ある意味では「人間」に過ぎず、嫉妬やミスや欠点は、そりゃあ、にんげんだもの、あったんだろうことは想像できるわけだが、問題はやっぱり、「王を選んだ存在」=「天」だ。
 「天」の意思は、例外を許さない(?)明確なルールに則った「システム」として機能している。例えば、十二国世界では、他国へ軍事侵攻はできない。もしそのルールに反してしまうと、王は「急にぶっ倒れて死ぬ」ことになる。ほかにも、2代続けて同じ姓の人間が王になることはない、というルールなんかもあって、いろいろ、誰が決めたかわからない謎ルール=天の理なるものが存在している。そしてそれは、完全に「自動的に」機能しているのである。
 そこには、「何で?」という疑問をさしはさむ余地は一切なく、誰も「天」に疑問を投げかけることはできないのだ。なぜ、あいつを王に選んだのか? なんてことは、一切、問いただすことはできない(※裏ワザとして、これは大丈夫ですか? と問い合わせるルートはある)。
 しかし、わたしには「沈黙する天」が悪いとはあまり思えない。なぜなら、おそらく天なるものは、人間の尺度で測れるものではないからだ。良いも悪いもなく、十二国世界の人間たちはその意思を受け入れざるを得ず、そのルールの下で生きるしかないのだから。なので、阿選はそんな「天」に対する反逆を起こしたとも言えるわけだが、それで数万の民を犠牲にしていいわけがない。ゆえに、阿選はやっぱり悪党としか言えないと思う。思うのだが……問題はやっぱり琅燦だよ。
 わたしの結論は、今回の物語で、最も罪の重い悪は、琅燦だ。
 琅燦の意図は、突き詰めて言えば「天への実験」であったのだろうと思う。阿選はその実験台にされてしまったのだ、というのがわたしの結論だ。明らかに琅燦は、阿選のくすぶる心に油を注ぎ、火を焚きつけた張本人だ。琅燦には全くそのつもりはなかったとしても。
 琅燦こそが、阿選は絶対に王になれないことを阿選に教え(=驍宗さまと同じ姓なのでアンタは王になれないとズバリ教えた)、阿選の絶望と嫉妬をより深め、行動させた張本人であろう。あまつさえ、阿選の謀反にいろいろと手を貸している(たぶん妖魔の使い方とかも教えている)。どう考えても、琅燦が身近にいなければ、阿選は反逆することはなかったはずだよね、きっと。
 そもそも、たぶん普通に読めば玄管=耶利の主公=琅燦なんだろうけど、じゃあなんで、阿選に妖魔の使い方教えたりしたんだよ!! すごくしっくりこないというか、わたしとしてはいまだに、玄管=耶利の主公はいいとしても、それが琅燦だったとは認めたくない気持ちです。ひどすぎるよ!
 琅燦……ホント、わからんわ……この人は。

 とまあ、読み終わって2週間も経っているのに、いまだ上記のようなことをくよくよと考えてしまうわたしであります。ホントはほかにもいっぱいあるんすよ。あのキャラのこと、このキャラのこと、いろいろ語りたいのだが、もういい加減長いので終わりにします。
 でも一言だけ! 「鳩」!! 鳩が阿選の放った妖魔だったというのは、いいよ、それはよく分かった。でも、せめて駆除したら魂を抜かれた人間は正気に返る設定であってほしかったすねえ……! あの鬼設定は悲しかったよ……。。。恵棟と帰泉の二人は本当に気の毒でしたなあ……いい人だったのに……飛燕の最後も泣けたっすねえ……ご主人さまの李斎を守り抜いて逝ってしまうなんて悲しいよ……。それから朽桟や鄷都のラストも泣けました……。ホント、多くのキャラクターが逝ってしまって悲しいす……。
 あと、どうしてもわからなかったのだが、(3)巻で登場した「博牛」はいったい何者だったのでしょうか……。わたしは博午こそが臥信、あるいは剛平とか基寮だと思ってたのだが、まるで別人だったようで……。あと巖趙はラストどこ行っちゃったんだよ! 知っている人がいたら教えてください。。。

 というわけで、もういろいろな想いが尽きないのでぶった切りで結論。

 18年ぶりの発売となった、小野不由美先生による「十二国記」シリーズ最新刊、『白銀の墟 玄の月』(3)(4)をむさぼるように読んだのだが、まず第一に、最高に面白かったのは間違いない。そして読み終わって2週間も経つのに、いまだにいろいろ考えてしまうわけで、要するにわたしは「十二国記」が大好きだ! が結論であろうと思います。まあ、いろいろ本作から生まれた謎もあるし、「その後」も大変気になるわけで、来年発売になるという「短編集」が猛烈に楽しみっすね! 願わくば、クソファッキン新潮社が全シリーズ電子書籍で出してくれることを祈ります。いつでもどこでも読み返したいので。いやあ、本当に面白かったなあ……『十二国記』は最高です! 以上。

↓ Ck先輩は買ったそうです。くそう、おれも録画したのをDVD(!)に焼いたはずなんだが……どこに埋もれてるのかわからん……。
十二国記 Blu-ray BOX
久川綾
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2015-11-26

↓ つうか、わたしはこっちを買うべきかも。山田章博先生のイラストも最高です。はよ「第二集」出してほしいのだが……クソファッキン新潮社には期待できない……。

 わたしはこのBlogで何度も、世界で最も好きな作家はダントツでStephen King大先生であると表明しているが、日本人作家に限定すると、恐らくは上遠野浩平先生、田中芳樹先生、そして、小野不由美先生が、TOP3だと思っている。このお三方に順序は付けられない。このお三方が、わたしにとって日本人作家で最も好きな作家である。
 わけても、小野不由美先生による『十二国記』シリーズは、日本の作品でわたしにとっては完全なる別格であり、大好きな作品なのだが、いかんせん、現在物語は、すっごいヤバイところで終わっていて、先が気になる作品ナンバーワンなのである。先が読めるなら500万出しても一向に構わん! とさえ常々いろんなところで発言してきたぐらいだ。
 というわけで、もう前置きはやめた。何が言いたいかというと、その『十二国記』の最新刊が、18年の沈黙を破ってとうとう発売されたのであります!!
 ※ちなみに短編集はその間に1冊、間違えた、2冊になるのか、出ていたので、本編の長編としては18年ぶり、だそうです。もうそんなに経つんだなあ……そりゃオレも年取るわ……。

 しかし、だ。
 『十二国記』シリーズは、その源流たる『魔性の子』は置いとくとして、そもそもは講談社のホワイトハートX文庫から出ていたものが、どういう経緯か知らないけれど、わたしが一番嫌いな新潮社から出し直され、今回も当然のように新潮社からの刊行となったわけだが……わたしとしてはもう本当に、新潮社はさっさと崩壊してほしいと思っている。その理由は2つあって、一つは、今どき電子書籍に全く無関心であること、もう一つが、営業販売施策が非常に不愉快だからだ。
 まず電子書籍に関していうと、今回、発売日と大々的に打ち出した日は、あろうことか10/12(土)、すなわち台風19号が日本を荒らしまくった日である。もちろん台風に新潮社は何の責任もないが、わたしは大雨の中、朝から近所の10km圏内の本屋さんを車で駆け回っても、すべて「臨時休業」。ほんと、電子書籍版を出してくれていたら、今頃読み始めていたのに……と憤死寸前であった。結局わたしは発売日に買うことができず、翌日の昼過ぎにやっと開店してくれた本屋さんで入手した。ありがとう、ときわ書房様! 以上はまあ、言いがかりです。はい。
 そしてわたしが気に入らない営業施策とは、新潮社はいつも、バカみたいに分冊するのである。分冊はまあ許してやってもいい。けど、我々読者目線からすれば、分冊にして、月をずらして刊行する意味は、100%ゼロ、だ。なんで一気に全部出さねえんだよ!! といつも頭にくる。恐らく理由はあるんだろう。だけどそんなこと知ったことか!!! 分冊になって喜ぶ読者なんているとは思えないわけで、そういう点がわたしが新潮社を嫌う理由である。
 まあ、これだけ本が売れない世の中で、電子もやらないで、今後会社として存続できるわけがないとわたしはにらんでいるので、早晩、どこかにM&Aで買われてしまうだろうと予想している。想像するに、所詮売上規模200億もない中小企業で、しかも未来がなければ、必衰間違いなしだろうと思う。いわば、新潮社はもう完全に失道している。おそらく現経営陣に立て直しはもう不可能だろう。

 はーーー。とにかく言いたいことは言った。
 では、さっそく味わい、大興奮した『十二国記』シリーズ最新刊『白銀の墟 玄の月』(1)(2)巻について語ろう……と思うのだが、現状、まだ物語はどのような結末をたどるのか、全く分からない。いろんな妄想がわいてたまらないのだが、今回は、自分用覚書として、(1)(2)巻に登場した人物リストをまとめるだけにしようと思う。けど多いからなあ……たぶん、膨大な分量になると思う。
 それからいくつか、地図と、ちょっとした豆知識もまとめておこう。大前提となる、十二国って何?とか、戴って? 驍宗さまって? とかそんなことはもう書きません。つうか、知らない人がこの本を読むわけねえし、このBlogに興味を持つわけもなかろうから。
 最初は地図から行ってみるか。少しネタバレも含んでいるけど全くクリティカルなものではないので、構わないだろう。今回、(1)巻(2)巻ともに、冒頭に舞台となる「戴」国の地図が掲載されているのだが、ズバリわかりにくく、センスゼロなので、頭にきたからパワポで簡単に作り直してみた。↓タッチまたはクリックすると拡大します。
戴
 こんな感じかな。若干、東の方がスペースがなくて位置がずれちゃったかも。だけど、この地図を理解しないと、今回のお話は分かりにくいし、逆に理解していると、こういうルートを取ったんだな、と、途端に分かりやすくなります。
 で。次に、問題の『驍宗さま失踪までのタイムライン』を本作の中で語られた内容でまとめると、どうやらこういうことだったようだ。
---------驍宗さまの軍の進軍と失踪までの流れ----------
<弘始元年暮れに、土匪が「古伯」を占拠した>
◆年明け、第1陣として英章/項梁たちの派兵が決定
 (※この直前に、泰麒と阿選は漣から帰国したばかりだった)
◆英章たちは首都・鴻基から出撃、半月の行軍で琳宇に到着、陣を張る。そしてその後すぐ古伯を包囲、まずは掃討完了。
◆しかし、完了のチョイ前に、近隣三か所で暴動発生、その後、次々に暴動がおこり、鴻基から援軍として霜元が派遣されることになり、さらに驍宗さま自らも出陣へ(縁の深い轍囲に火が回りそうなため)
◆三月初め、霜元&驍宗さま、英章たちに合流
 ※その時驍宗さまは阿選の軍勢5千を率いていた。
 ※阿選自身は連から帰って来たばかりということで、鴻基に留まる。
◆軍勢は豊沢(地図にないが轍囲の南らしい)へ進軍することに。その際、英章軍(先頭は俐珪)、驍宗軍、霜元軍の順番で出撃。
◆進軍3日目、驍宗さまがいないことが判明。
◆驍宗さまは、後から来る霜元と合流すると言って25騎の選卒(せいえい)を従え消えた。
◆4日目、驍宗さまの騎獣「計都」が陣に戻る。どうやら戻ってきたというより、驍宗さまを探してとりあえず陣に戻ったが、驍宗さまがいないのでイラついてる様子。
◆その後すぐ、鴻基から「白圭宮で蝕が起きた」知らせが入る
◆霜元はすぐに騎獣で鴻基へ飛んで帰る
◆驍宗さまについていた阿選軍は品堅に率いられて鴻基へ戻る
◆代わりに鴻基から土匪討伐のため臥信が派遣される
◆5月、文州の乱は一応平定。だがすぐに承州辺境に乱アリとの報が入り、李斎が派遣される。またその支援のため、霜元が手勢の半分を率いて承州へ(その指示は阿選によるもの)
◆半月後、臥信へ、手勢を半分残して帰還命令が下る
◆6月、李斎から「阿選、謀反」の報が各将に届く
 そして阿選と反阿選の戦いが各地で勃発、阿選側が圧倒して終わる。
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 とまあ、こういう流れだったらしい。その後、6年がたった世界が、本作の舞台だ。
 この間のことは、本作でいろいろな人物から語られるが、問題は、一体全体、驍宗さまに何が起こったのか、そして6年経過した今現在、どうしているのか、であろう。
 まだ死んでいないことは、我々読者は知っている。泰麒もとうとう帰還した。さあこれから反撃のターンだぜ!? という期待に胸膨らませて、我々は本作のページをめくったはずだが……その結果が分かるのは来月である。ホント、新潮社が嫌いになるでしょ、誰だって。
 というわけで、以下、本作に出てくる人物表である。出てくる順にしようかと思ったけど、それだと関係のある人物が離れ離れになっちゃうので、いくつか、グループ分けしてまとめてみよう。なお、実際に登場しないけど、回想で言及されるだけの人もいっぱいいます。一応、(1)(2)巻で出てくる名前は全部書き出してみた。
 なお、もちろんネタバレも少し混じっていますが、これは来月(3)(4)巻を読む際のわたしの覚書なので、いいよね、別に。つうか、ここまでこのBlogを読んで、本編を読んでいない人もいないだろうし。

 が……ダ、ダメだ! Windowsの機種依存文字を使う名前が多すぎて文字化けしちまう!! ことに気づいたので、ちくしょう、こうなったら画像にするしかねえな……それぞれタッチ/クリックで拡大しますので。
【1.泰麒と李斎の旅の仲間と、協力してくれる人々/話を聞いた人々】
人物表01
 ※追記:そうだった。泰麒の使令は、穢れを払うために王母様預かりなんだった。CK先輩ご指摘あざっす!
で。次が、【2.驍宗さま失踪前の軍人たち】。ほぼみんな、実際には登場してこない。
人物表02
そして【3.驍宗さま失踪前の官僚たち】がこちら。これまたすでに故人多し。
人物表03
 ※追記:そうか、(2)巻P204で琅燦が「選ばれない理由がある」と言ったのは「同じ姓は連続で王になれないルール」があるからダメ、のことかもしれないすね(※驍宗さまや阿選の本姓はどちらも朴)。CK先輩あざっす!
で、【4.現在の白圭宮にいる人】
※2.3.で触れた人の中には現在も白圭宮にいる人もいるけど、それらは除外します。
人物表04
最後は【5.謎の人物】と【6.謎現象】について。
人物表05
 さてと。あとは、本編で李斎がたどる捜査ルートと聞き込みの内容を手元にまとめてあるのだが……これはもう、相当膨大なので、このBlogに載せるのはやめておきます。この捜査ルートも、地図がないと本当に理解しにくいので、上の方に貼り付けたわたしが作った地図がとても役立ちました。ただ、本当は山がいっぱいあって、それらも入れたかったのだが……ごちゃごちゃになりすぎてやめときました。

 はあ……マジで早く続きが読みたいですなあ……!!
 驍宗さま……マジなのかよ……わたし的には「耶利」がいったい何者なのかが一番知りたいすねえ! 来月が楽しみだなあ! 常々、わたしはこの世に未練はない、いつ逝っても構わん、とか言ってるけど、少なくともあと1カ月は生きていたいと思います!

 というわけで、もう結論。
 わたしの大好きな『十二国記』の最新刊がいよいよ発売となり、もう、むさぼるように読んだわけですが、言いたいことは2つ。まず、小野不由美先生、『十二国記』を書き続けてくださって本当にありがとうございます! マジ最高です!!! まだ途中ですが、超最高です!! ホント、読めてうれしいっす!!! そしてもう一つは、新潮社はホントにどうしようもない出版社で、早晩M&Aでもかまされていただければと思う。さっさと銀行に見放されればいいんだけどな。遠くない将来そうなるでしょう。ま、そんなことはどうでもいいとして、とにかく! 早く! 続きが読みたい!! に尽きますな。まだラストでは景王、延王、その他オールスターにならないかなあ! 楽しみだなあ!! もうこれ以上言うことがないので、以上。

↓ アニメ版も面白かったすね。アニメオリジナルキャラも結構出てきて、原作ファン的には、コイツ誰?的な部分もありますが、わたし的にはアリ、す。

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