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 わたしのこのテキトーなことしか書いていないBlogでは、基本的に一度取り上げた漫画の次の新刊が出ても、特に記事にすることはないのだが、ここ数週間で買った漫画をちょっとまとめておこう。
 わたしはすっかり電子書籍野郎に変身したので、紙の単行本を買うこともめっきり減ったのだが、それでも紙しか買えないものもあり、そして結構わたしは頻繁に本屋さんに行っているのに、まるでスルーしてしまって、あ! 新刊が出てる!! と、1か月遅れぐらいで気付くこともあって、このところそんな、発売日に気が付かずに慌てて買った新刊もいくつかあった。

 まず、2週間前だったかな、本屋さんで見つけて、おっとマジか、新刊が出てる!! と慌てて買ったのが、柿崎正澄先生による『闘獣士ベスティアリウス』の(4)巻。

 これは(4)巻だけど、以前この漫画の(1)~(3)巻の記事を書いたとき、小学館のサイトでは「完結」となったので、面白いのに打ち切られてしまったのかなあ……と思っていたら、新刊が発売になっていて驚いた。あ、今、小学館のサイトを見てみたのだが、未だに「完結」になってやがるな……こういうテキトーぶりが、小学館は嫌いだよ。
 今回は、また新たなキャラクターが主人公、なんだけど、(2)(3)巻の主人公の彼(&彼女)が出てきて、大変な悲劇が……(3)巻で何とか幸せをつかめたと思ったのに……そして(1)巻の主人公の彼や、翼竜族のデュランダル様もきちんと登場し盛り上げてくれる。お話し的には、次巻へ続く形になっていて、続きが大変気になります。相変わらず美しい画と、泣ける物語で大変満足です。非常に面白かった。なんでも、連載は「サンデーS」で継続中だそうで、まあ、もやは連載誌を買うことはないのだが、単行本化を心待ちにしていたいと思う。
 ちなみに、一応電子書籍でも売っているみたいだけれど、わたしの愛用している電子書籍販売サイトでは、小学館の作品は取り扱っていないので、紙での購入でした。ほんと、小学館は新しいビルを建てて金を遣ってしまって大丈夫なのかな。相当業績は苦しいはずなんだが……。ま、かつての大手も、もはや老いさらばえており、NO Futureであろうと思う。どうでもいいことですが。

 次は、『はじめの一歩』の(115)巻。

 『一歩』も、前巻(114)巻の時にここで記事を書いたけれど、今回は……なんというか……お話し的な進展はほぼなし、でした。でも、本当に森川先生の漫画力は高くて、おそらくは日本最強レベルなのだが……『こち亀』もまさかの完結を迎えた今、『一歩』も最終エピソードにきちんと向かってほしいものだと思う。もういいんじゃないかしら……まあ、今回、とうとう、というかやっと、「デンプシーロールの縦回転(正確には斜め回転)」を身に着けた一歩。鴨川会長もようやく世界挑戦を視野に入れるに至ったわけで、もう、やるしかないでしょう!! わたしとしては完全に惰性で買っていますが、完結まで見届けたい所存です。なお、森川先生は電子書籍に思う所があるようで、それはそれで全然アリな判断だと思います。なので、こちらも紙で買いました。発売をすっかりスルーしてて、店頭で見つけて慌てて買った次第です。

 次。『亜人』の(9)巻。

 正直飽きてきたので、もういいかな……と思っていたのだが、今回はちょっと面白い展開になってきたので、わたしとしては継続購入決定。こちらは電子書籍で発売日に買った。電子書籍は発売になれば必ずお知らせが来るので、やっぱりそんな点も便利だと思う。紙の単行本は(6)巻まで持っているのだが、そろそろ処分するか……。

 次。『スモーキング』の(3)巻。

 こちらも電子にて購入。紙だったら確実に買い忘れているだろうな、という気がしてならないが、きちんとお知らせが来たので有り難し。今回も面白かった。以前ここで記事に書いた通り、独特の絵でお話も殺し屋の話なので、万人受けするのかわからないけれど、わたしは結構面白いと思って買い続けている。

 ラスト。『地底旅行』の(2)巻。
地底旅行 2<地底旅行> (ビームコミックス)
倉薗 紀彦
KADOKAWA / エンターブレイン
2016-09-26

 いやー、いいっすね。大変高品質な漫画です。以前ここで記事に書いた通り、なんでまた「地底旅行」なのか、どうしてネモ船長の方じゃないのか、よくわからないというか、そのチョイスが渋くて素晴らしいのだが、原作のJules Verneの小説のエッセンスを極めて上手に漫画化していて、作者の倉薗先生の力量は実に素晴らしいと思う。この漫画、もっと売れてほしいなあ……。とにかく素晴らしいというか、今現在のわたしのイチオシかもしれないな。面白いです!!

 番外編として、わたしが今読んでいる小説は、こちら。
プランD
ジーモン・ウルバン
早川書房
2016-06-09

 この『プランD』という小説は、「東西ドイツがもし統合されていなかったら?」というIF世界を舞台とした警察捜査ミステリーで、主人公は東ドイツの警察官。現状での結論から言うと、とにかく読みにくくて、なかなか進まず、面白いのかつまらないのかすっげえ微妙。詳しくは読み終わった後で記事にします。非常に文章も読みにくく、固有名詞も多くて、とにかく読むのに時間がかかる。わたしは結構読むのが早い方だと思うけれど、この作品はもうすでに10日間読んでいて、まだ76%ほどしか読み終わっておらず、どうにも集中できないというか……物語に入り込めないでいる。たぶんあと2・3日で読み終わる予定。

 というわけで、結論。
 最近、Blogの更新スピードが落ちていますが、ちゃんと本も読んでますよアピールをしたかっただけです、はい。ホントにサーセン。この三連休はどうもまだ体調が本調子でなく、昨日おとといはずっと寝てました。そして今日は、ちょっと会社に行ったり、このBlogを書いたりして、生きてますのでご安心を>周りの人々。今日は朝イチで、会社に荷物を車で運んだりしてたのですが、どういうわけか都内は警官が多くて、やけにスピード取り締まりをしているのを見かけました。でもまあ、道は空いてて快適でしたよ。しかし、キリッと晴れてくれないと、洗濯物が乾かなくて困りますな……以上。

↓ どうも今は観たい映画がないので、午後は『バチバチ』『バチバチBurst』『鮫島、最後の十五日』を全巻読もうと思います。

 

 だいぶ前に、(1)巻を買ってみて、おお、これは面白いと思っていた漫画が、いつのまにか単行本の(3)巻まで出ていたので、まとめて買ってきた。ので、(1)~(3)巻をまとめて紹介しよう。タイトルは『闘獣士』。週刊少年サンデーに不定期掲載される作品で、いつのまにか掲載されたりコミックス単行本が出たりするので、わたしとしてはちょっと困るのだが、そもそも、この(3)巻で完結したのかも良くわからない。どうなんだろう?? お話的にはきれいに区切りが良いところで終わっているが、続きもあり得る感じであるし、ここで終わりと言われても、そうですか、という気もする。 ああ、今、小学館のサイトを見たら、【完結】となっているからこれで終わりっぽいですな。※追記:終わってませんでした。もう(4)巻も発売になっており、ちゃんと話は続いてました。これまた泣ける!小学館の嘘つき!

 この物語は、亜人類やドラゴンのいるちょっと不思議な帝政ローマ時代を舞台として、グラディエーターとして戦う奴隷の少年と、その少年を育て鍛えた「翼竜族<ワイバーン>」の異種親子の物語である。今調べてみたら、なんと(1)巻は、版元の小学館のコミックスサイトで冒頭45Pぐらいまで試し読みができるので、そちらを見てもらった方がいいかも。非常に気合の入った、強い線と描き込みの美しい力作で、実際面白いので、超オススメである。
 (1)巻では、翼竜族<ワイバーン>の【デュランダル】と、奴隷剣闘士【フィン】のお話と、その話の前日譚的な、別の<人間とミノタウロスという異種兄弟>の話から成っている。これがまた泣かせるお話で、非常にいい。
 (2)巻と(3)巻は長い続き物の話で、3人の少年が、一人の幼馴染の少女を救うお話。その3人の少年を鍛えるのが、(1)巻の主人公のフィンで、これまた泣ける、いいお話。恐ろしくカッコ良く、フィンやデュランダルの登場シーンなどはバッチリ決まって、とても爽快感もある。
 ただ、実際のところお話そのものはありがちなものであり、どこかで聞いたような話といえば否定できない。だが、柿崎先生の描くビジュアルは極めて強く美しいもので、オンリーワンの才能と言って良いだろうと思う。
 著者の柿崎正澄先生は、わたしが知ったのはたしか、週刊ヤングマガジンに連載されていた『GREEN BLOOD』という作品だったと思うが、非常に力の入った気合のこもる絵で、物語も極めて骨太で非常に好きだった作家である。おっそろしく渋く、カッコイイ。
 しかし、わたしがとにかく残念だと思うことは、これだけしっかりとした絵が描けるにも関わらず、実際のところ、それほど売れていないことだ。おそらくは、『GREEN BLOOD』も打ち切りであったのだと思う。終盤は非常に駆け足になってしまって本当に残念に思ったものだ。
 このような、良質の作品は、残念ながら世にはものすごい数埋もれていて、実にもったいないのだが、果たしてわたしが営業や編集で携わっていたらもっと売れていたか、というと、まったくもって自信はない。ただ、とにかくもったいない。こうした才能をなんとかもっともっと、売り出せないものだろうか。今のわたしは、こうしてインターネッツという銀河の片隅でつぶやくことしかできないけれど、ほんの少しでも、柿崎先生を知る人間が増えたら、それ以上の喜びはない。

 というわけで、今日は短いけど結論。
 柿崎正澄先生による、『闘獣士―ベスティアリウス』は、非常に高い画力で描かれた、大変クオリティの高い漫画である。ので、最近なんか面白い漫画がないかな~と思っている人は、とりあえず試し読みを読んでみて、気に入ったらぜひ買ってください。以上。

↓ 柿崎先生の別の作品。柿崎先生の一番有名な作品は、全22巻まで連載が続いた『RAINBOW』だと思うけれど、あえてこちらをオススメ。やたらとカッコいい。

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