全く関係ないというか、どうでもいい話をまずさせていただきたい。今から35年ぐらい昔、高校生だったわたしは、もうすでにかなり強力な映画オタに成長しており、80年代は月に3本ぐらい映画館に通っておりました。メインは地元の映画館、そして1本ぐらい日比谷の映画街へ観に行く、みたいな感じだったのだが、嗜好として主にハリウッド作品を好んでいたものの、当時の日本映画もかなり観ており、なかでも、当時の東映系作品や角川映画、さらに言うなら角川トンデモ時代劇、が大好きだったのです。
さらに、当時はテレビでも、必殺シリーズだったり、大江戸捜査網だったりを毎週観ていて、中でもわたしが大好きだったのが、「影の軍団」シリーズでありました。ここまで言えば、何を言いたいか分かりますね? いや、40代後半以上じゃないと分からないか。そう、当時のわたしの心のアイドルは、千葉真一さん率いる「JAPAN ACTION CLUB」、略してJACの皆さんと、原田知世様だったわけです。
実際わたしは高校2年の夏休みに、JACに入所する書類をもらいに、当時代官山と恵比寿の真ん中あたりにあった、JACの本部に行ったことさえありました。当時、わたしは母に「おれ、JACに入りたいんだよ!」と熱くプレゼンし(何しろ財力のないガキのわたしには、入所金確か30万ぐらい?なんて出せるわけがなかった)、母からは「まあ、国立に合格したら考えんでもない」みたいな言質を得て、それなりに勉強もちゃんとしてたつもりなのだが……大学受験は余裕で失敗し、私立の2流大学のすべり止めしか受からなかったのでした。結果、わたしのJAC入りの夢は泡と消えたわけだけど、もちろんその後もずっと千葉真一先生や真田広之様や原田知世様は今でも好きだし、ついでに、よく角川トンデモ時代劇の原作となった山田風太郎先生の小説は片っ端から読んでんでいたのであります。映画版もそうだし原作小説もそうだけど、当時ガキだったわたしなので、結構頻繁に出てくるお色気エロシーン目当てだったと言われても否定はできないな笑
そして時は過ぎ、21世紀も20年が経過した今、わたしが愛した柳生十兵衛(もちろん千葉真一先生版!)を主人公とした山田風太郎先生の小説「柳生忍法帖」が、こともあろうか、今現在のわたしが愛してやまない宝塚歌劇で、しかも一番応援している星組で、さらにファンクラブに入って応援している礼真琴さまの主演で!上演される!! という奇跡にわたしは心打ち震えたのであります!!!
さらに! 奇跡はもう一つあったんすよ……!! これを見てください!
な、なんと! 奇跡の2列目のドセンターSS席のチケットが当選したのであります!!
しかも、現在は感染症対策の観点から最前列は販売しておらず、要するに、事実上最前列のドセンター!なのです! そんな席で観たら、もう失神間違いなしですよ。
わたし、フツーに宝塚友の会の抽選に申し込んだだけなんですよ!? 東京でSS席は初めて当たりました。こんな奇跡ってあるんですなあ! わたし、正直に告白します。友会からチケット当落結果のお知らせメールが届いて、その席を確認した時、泣いちゃったす。今、わたしは毎日絶望とともに生きており、心が生涯最低のどん底にあって、そんな時だったので、なんか感動したのか、嬉しかったのか、とにかく泣いたっす。マジで。
なので、その神席から観る舞台は、こんな風に、全く遮るものがなく、演者が2メートルもないぐらいの距離で、想像を絶する空間なのでありました。よく失神しなかったな、オレ。
まさにこの世とは思えない極楽空間での3時間は、すべてのことを忘れさせてくれ、楽しませてくれる至福の時でありました。けど、この半年ぐらい続いていた、チケット運もどうやら使い果たしたようで、次の花組公演は1次も2次も全滅で、久しぶりに観ることが出来ないかもしれないな。。。マジでこのところ10列目以内が続いていたから、もうチケ運が尽きたかも。。。
でも、それでも、わたしが一番応援している星組公演がこの席で観られるなら、大げさに言えば寿命を10年分ぐらい引き換えにしても、一向に構わんッッッ! と思いました、それほどヤバかったす。
というわけで、当日はいつも通り開場とともに劇場へ入りまだガラガラな撮影スポットで写真を撮り、客席が開くのを待って(開場は開園1時間前、客席開場は30分前?つまり劇場に入ってもしばらく席に座れないので、その隙に、まだガラガラなキャトルで買い物をするのが正しい作法だと思う)、いざ、神席へ着きました。その時点で、おそらくわたしの血圧は相当上がってたはずです。
というわけで、「柳生忍法帖」であります。
原作は上下巻かな、時間経過も結構長くて、比較的長いお話なんですが、まあ、ズバリ言えば今回の宝塚版「柳生」は、それなりにギュッと短くカットされたエピソードも多く、正直、原作を読んでいない人が楽しめたのか、分かりません。わたしは当然、改めて電子書籍版を買って読んで予習していきましたので、全く問題ナシ。 つうかむしろ、超最高に楽しめました。
お話の筋としては、会津藩のバカ殿エロオヤジ=藩主・加藤明成がいて、そのあまりのバカさ加減に愛想が尽きた忠臣一族の男たちがいて、脱藩する、けど、謀反とされて追手がかかり、忠臣メンズは捕らわれる。そして一方、その忠臣メンズの妻や娘は、あらかじめ鎌倉の「縁切寺」でお馴染みの東慶寺に避難させていたんだけど、忠臣メンズを捕らえた「七本槍」なる会津藩の怪物めいた野郎たちが東慶寺に押しかけ、女たちを出せ!!さもなくば女たちの夫や父である忠臣メンズを全員この場でぶった斬る!と脅迫。男子禁制の東慶寺を預かる天秀尼は激怒するも膠着状態に、そこに、天秀尼の(義)母である千姫さまが登場、七本槍はやむなく撤収する(原作ではここでメンズはほぼ斬られて死ぬ)。幕府としては、たしかに形としては謀反でもあって、忠臣メンズ処刑は反対できない。けれど、東慶寺を汚した罪は償ってもらうぜ!と千姫さま激怒。東慶寺を汚した七本槍、ひいてはバカ殿会津藩主加藤明成には落とし前つけてもらうぜ! というわけで、千姫さまは懇意にしている沢庵和尚(=宮本武蔵の師のあの人)に相談。そして、沢庵和尚が残された女たちの仇討の助っ人として推薦したのは、将軍家兵法指南役、柳生但馬守宗矩が長男、自由人であり、剣豪として名高い柳生十兵衛三厳だった!! かくして、十兵衛による過酷な訓練が開始され、女たちは鍛えられてゆき、着々と七本槍を撃退してゆく。しかしこの戦いの背景には、芦名家再興を夢見る会津藩の家臣(?)、芦名銅伯の恐るべき秘密と秘術があった!! 十兵衛と女たちは、この戦いに生き延びることができるのか!? 会津を舞台に最後の死闘が開幕するッ!!! ってなお話です。
ちなみに言っておくと、この物語は歴史における会津騒動→加藤明成改易事件のことで、ちゃんと歴史上の出来事(の裏側を山田風太郎先生が創作したもの)です。まあ、小説ではそれなりにお色気シーンもあってアレなんすけど、わたしは当然、小説は十兵衛=千葉真一先生のイメージで読んでおりました。そして宝塚版ではどうだったか、各キャラ紹介と演じたジェンヌ紹介をまとめてまいりましょう。
◆柳生十兵衛 is 礼真琴さま:いやあ、マジでカッコ良かったですなあ! こっちんの十兵衛は最高でした。千葉真一さんを参考にしたとおっしゃってましたが、とにかくもう、雰囲気もしゃべり方も最 and 高だったとしか言いようがないです。もちろん最前席で観る&聴くこっちんのパフォーマンスは、何度も言うけど失神しなかった自分をほめたいすね。わたしはもう研12、ズカ歴12年の黒帯ファンですが、あの迫力は、ヅカ歴数年レベルだったら完全に魂抜けますよ。しびれる十兵衛ぶりだったと大絶賛いたしたく存じます! ホント、千葉先生がご存命だったら、観ていただきたかったわ……。つくづく、お亡くなりになってしまったことが悲しく残念です。こっちん、見事な十兵衛だったよ!
◆復讐のレディース軍団:その中でも、忠臣メンズのリーダー堀主水の娘お千絵を演じた小桜ほのかさん、そして別の忠臣の妻お圭を演じた音羽みのりさんの二人は飛びぬけて素晴らしかったですね! ほのかちゃんは本当に芝居がいいし、みのりさんはいつまでもずっとかわいいし、マジ最高です。小説では、レディース軍団がどんどん十兵衛を好きになって行って、取り合いジェラシー合戦を繰り広げたりしてちょっと面白いんだけど、実際に生身のレディース軍団は殺陣も見事に頑張りました。素晴らしかったす! もちろん、本作で退団されてしまう夢妃杏瑠さんも、ベテランの安定感で最高でした。
◆天秀尼 is 有沙瞳さん:いやあ、くらっちの歌はいつ聴いてもしびれますなあ! 4~5年前はこっちんの嫁第一候補だと思ってた時代もありました。すべての芸がハイクオリティなくらっち。どうか報われる日が来ることを祈りたいすね。ずっと応援いたしたく存じます!
◆凶悪「七本槍」軍団
・その1)漆戸虹七郎 is 瀬央ゆりあさん:結構小説を読んだ通りのイメージで最高でした。せおっちは歌も毎回うまくなっているし、キラキラオーラもぐんぐん増しているし、もう、次期2番手はカタイと思っていいんすよね? こっちんと同期の2番手なんて、胸が熱くなるっすね。次の公演で、2番手羽を背負うせおっちをみたら、オレ、泣くかもしれません。楽しみにしてます!
・その2)香炉銀四郎 is 極美慎くん:たしか小説では隻腕の剣豪じゃなかったかな。極美くんも相変わらずの美形で大変結構かと存じます。歌もぜひ精進していっていただきたいすね!
・その3)司馬一眼坊 is ひろ香祐さん:わたし、ひーろーくん大好きなんすよ。大劇場公演ではあまり目立つ役は演じないけど、別箱とかで大活躍する貴重な人材すよね。黄金の95期の次席として、こっちんを支えるひーろーくん。今後も活躍を見守りたく存じます!
・その他の4人:まず星組生え抜きの天華えまくんは、今回はあまり見せ場がなく早めの退場てちょっと残念でした。他のシーンでもちっと出ていたけれど、路線スターの一人としてはもっと見たかったす。花からやってきた転校生、綺城ひか理くんも、やっぱりチョイ出番少な目だったすね。。。あとは94期ベテラン枠の漣レイラさんはこの公演で卒業なのが淋しいすな。。。ショーでは目立ってたのが良かったす。最後、碧海さりおくんは、ロミジュリの「愛」を演じこれからの活躍が期待されますな。
◆芦名銅伯 is 愛月ひかるさん:小説を読んでいる時は、100歳を超える妖怪めいたじい様だと思ってたけど、あいちゃん演じる銅伯は、まあなんと美しいことよ! わたし的に、あいちゃんのこれまでのベストアクトは、エリザのルキーニではなく、朝夏まなとさんの退団公演「神々の土地」における怪僧ラスプーチン役だと思っていますが、今回も実に怪しい、人外のモノっぽさが漂いあふれていて最高だったと思います。あいちゃんも今回で卒業してしまうわけで、わたしの地元の観光大使を務めるあいちゃんには感慨ひとしおであります。ゆっくりしたら、ぜひまたどこかの舞台上でお会いしたいですね! 女子として、すっごい美人だと思うな。
◆ゆら is 舞空瞳ちゃん:原作を読んでいないと、今回の舞台版だけでは、ゆらというキャラクターが十兵衛LOVEになる展開が急すぎてびっくりしたのではなかろうか? 小説では、もっと濃厚です。ゆらの物語は。演じたのはもちろん星組TOP娘役の舞空ちゃんですが、難しい役だったと思うなあ、今回も。悪役サイドだもんね。でも、ジュリエットの時から思ったけれど、舞空ちゃんの通常の天使めいた可愛さよりも、ある意味「狂気」をたたえた表情が最高ですね。ジュリエットも狂っていたし、今回のゆらも、狂える姫君でした。つまり相当な演技巧者なのだと思う。だからショーで魅せてくれるエンジェルスマイルとのギャップがヤバいって訳ですよ。もうおんなじことしか書いてませんが、マジ最高でした!
とまあ、各キャラはこんなところかな。
で、後半のショー「モアー・ダンディズム!」ですが、やっぱりアレっすね、ショーの方が最前列の真価が発揮されますね。まあとにかく。手を伸ばせば届くぐらいの距離で、こっちんが歌い踊り、舞空ちゃんが天使の笑みを見せてくれるわけで、興奮しっぱなしでした。しかし間近で見るこっちんは、数年前と比べるとすっごいやせたと思います。顔がどんどんとがってシャープになってきているのはもう明らかだよな。。。そりゃそうだろうなあ、TOPスターという地位がもたらす、本人への負担は、肉体的にも精神的にも、尋常ではないレベルだろうし。お父さんレベルの年齢の男としては、もうなんというか……痛ましさすら感じてしまうわけですが、わたしとしては、万雷の拍手をもって、今後もこっちんを応援し、支えて?行きたいと強く思います。
それししても、くっそう、COVID-19感染拡大の世でなければ、絶対に、100%確実に、客席降りがあっただろうなあ、そしたらマジで昇天してたかも、とか思うと、今のディスタンスな世が、ひどく恨めしく思うっすね。あーあ、早く宝塚歌劇で客席降りが復活する日が来ることを祈りたいです。
あとそういえば、そうか、星組の大劇場公演としては、生オーケストラと星組フルメンバーでの公演は2年ぶりぐらい、こっちんTOP就任後では初めてか。やっぱり生オケは最高だと思うし、フルメンバーでのショーも圧が違うっすね。要するに、もう何もかもが最高な3時間を過ごした初老の男がここにいます!って感じであります。この興奮はずっと忘れないと思うっす!
よし、それでは最後に、いつもの「今回のイケ台詞」をご紹介して終わりにしたいと思います。
※「イケ台詞」=わたしが、かーっ! カッコええ!と感動した台詞のこと
「なるほど。面白うござる!!」
このセリフは、十兵衛初登場時のセリフなんですが、もうこの第一声が、わたしは今回一番しびれました。もう明らかに十兵衛なんだもの! かつてわたしがあこがれ続けた千葉真一先生の十兵衛が蘇ったかのような、わたしにとっては最高の第一声だったと思います。しかも、オケピットから、のそり……と現れる登場の動作からして、完璧に十兵衛だったね。最前列のドセンターに座るわたしの目の前に、いきなり現れたので、すっごいびっくりしたっす!!
というわけで、結論。
愛する宝塚歌劇の、最も好きな星組公演、さらにわたしが大好きだった柳生十兵衛を、大好きな礼真琴さんが演じる、しかもそれを最前列のドセンターという神席で観られる、という、わたしにとっては何重もの奇跡が折り重なった3時間を体験し、わたしはもう、いつ死んでもいいとさえ思っております。折しも、わたしの人生最大の試練と言えそうなぐらい厳しくつらい毎日であり、心がバキバキに折れまくっている現在、この至福の3時間をわたしに与えてくれた宝塚歌劇団と友の会のチケット神に感謝いたします! もう、マジで最高としか言いようがなく、柳生もモアダンも素晴らしかった! とりわけ、礼真琴さん演じる柳生十兵衛は、完璧に千葉真一さんレベルに到達しており、感動さえしたっす。わたし的に、千葉先生のベスト十兵衛は映画版「魔界転生」なんすけど、あのレベルですよ、礼真琴十兵衛は。実はわたし、こっちんは無事TOPスターに登極したし、来年度のファンクラブは、別の若手に入ろうかしら? とか思ってたんですが、無理っすね、やっぱり。いつか来る、こっちん退団の日まで、こっちんのファンクラブを継続しようと思います! いやあ、やっぱり宝塚歌劇最高ですね! そして礼真琴というTOPスターは、最高 of 最高っすね!!! 以上。
↓ 最終決戦で、魔物として転生してしまった父、柳生但馬守と対峙した十兵衛が「なさけなや親父殿……」と心情を吐露するシーンが好きすぎて、たぶんわたし、30回は観てます。しかも、ずっと魔物に抵抗していた但馬が闇堕ちしてしまった理由が、「天才児十兵衛と真剣勝負がしたい」というのが泣けるんすよ……最高です!
さらに、当時はテレビでも、必殺シリーズだったり、大江戸捜査網だったりを毎週観ていて、中でもわたしが大好きだったのが、「影の軍団」シリーズでありました。ここまで言えば、何を言いたいか分かりますね? いや、40代後半以上じゃないと分からないか。そう、当時のわたしの心のアイドルは、千葉真一さん率いる「JAPAN ACTION CLUB」、略してJACの皆さんと、原田知世様だったわけです。
実際わたしは高校2年の夏休みに、JACに入所する書類をもらいに、当時代官山と恵比寿の真ん中あたりにあった、JACの本部に行ったことさえありました。当時、わたしは母に「おれ、JACに入りたいんだよ!」と熱くプレゼンし(何しろ財力のないガキのわたしには、入所金確か30万ぐらい?なんて出せるわけがなかった)、母からは「まあ、国立に合格したら考えんでもない」みたいな言質を得て、それなりに勉強もちゃんとしてたつもりなのだが……大学受験は余裕で失敗し、私立の2流大学のすべり止めしか受からなかったのでした。結果、わたしのJAC入りの夢は泡と消えたわけだけど、もちろんその後もずっと千葉真一先生や真田広之様や原田知世様は今でも好きだし、ついでに、よく角川トンデモ時代劇の原作となった山田風太郎先生の小説は片っ端から読んでんでいたのであります。映画版もそうだし原作小説もそうだけど、当時ガキだったわたしなので、結構頻繁に出てくるお色気エロシーン目当てだったと言われても否定はできないな笑
そして時は過ぎ、21世紀も20年が経過した今、わたしが愛した柳生十兵衛(もちろん千葉真一先生版!)を主人公とした山田風太郎先生の小説「柳生忍法帖」が、こともあろうか、今現在のわたしが愛してやまない宝塚歌劇で、しかも一番応援している星組で、さらにファンクラブに入って応援している礼真琴さまの主演で!上演される!! という奇跡にわたしは心打ち震えたのであります!!!
さらに! 奇跡はもう一つあったんすよ……!! これを見てください!
な、なんと! 奇跡の2列目のドセンターSS席のチケットが当選したのであります!!
しかも、現在は感染症対策の観点から最前列は販売しておらず、要するに、事実上最前列のドセンター!なのです! そんな席で観たら、もう失神間違いなしですよ。
わたし、フツーに宝塚友の会の抽選に申し込んだだけなんですよ!? 東京でSS席は初めて当たりました。こんな奇跡ってあるんですなあ! わたし、正直に告白します。友会からチケット当落結果のお知らせメールが届いて、その席を確認した時、泣いちゃったす。今、わたしは毎日絶望とともに生きており、心が生涯最低のどん底にあって、そんな時だったので、なんか感動したのか、嬉しかったのか、とにかく泣いたっす。マジで。
なので、その神席から観る舞台は、こんな風に、全く遮るものがなく、演者が2メートルもないぐらいの距離で、想像を絶する空間なのでありました。よく失神しなかったな、オレ。
まさにこの世とは思えない極楽空間での3時間は、すべてのことを忘れさせてくれ、楽しませてくれる至福の時でありました。けど、この半年ぐらい続いていた、チケット運もどうやら使い果たしたようで、次の花組公演は1次も2次も全滅で、久しぶりに観ることが出来ないかもしれないな。。。マジでこのところ10列目以内が続いていたから、もうチケ運が尽きたかも。。。
でも、それでも、わたしが一番応援している星組公演がこの席で観られるなら、大げさに言えば寿命を10年分ぐらい引き換えにしても、一向に構わんッッッ! と思いました、それほどヤバかったす。
というわけで、当日はいつも通り開場とともに劇場へ入りまだガラガラな撮影スポットで写真を撮り、客席が開くのを待って(開場は開園1時間前、客席開場は30分前?つまり劇場に入ってもしばらく席に座れないので、その隙に、まだガラガラなキャトルで買い物をするのが正しい作法だと思う)、いざ、神席へ着きました。その時点で、おそらくわたしの血圧は相当上がってたはずです。
というわけで、「柳生忍法帖」であります。
原作は上下巻かな、時間経過も結構長くて、比較的長いお話なんですが、まあ、ズバリ言えば今回の宝塚版「柳生」は、それなりにギュッと短くカットされたエピソードも多く、正直、原作を読んでいない人が楽しめたのか、分かりません。わたしは当然、改めて電子書籍版を買って読んで予習していきましたので、全く問題ナシ。 つうかむしろ、超最高に楽しめました。
お話の筋としては、会津藩のバカ殿エロオヤジ=藩主・加藤明成がいて、そのあまりのバカさ加減に愛想が尽きた忠臣一族の男たちがいて、脱藩する、けど、謀反とされて追手がかかり、忠臣メンズは捕らわれる。そして一方、その忠臣メンズの妻や娘は、あらかじめ鎌倉の「縁切寺」でお馴染みの東慶寺に避難させていたんだけど、忠臣メンズを捕らえた「七本槍」なる会津藩の怪物めいた野郎たちが東慶寺に押しかけ、女たちを出せ!!さもなくば女たちの夫や父である忠臣メンズを全員この場でぶった斬る!と脅迫。男子禁制の東慶寺を預かる天秀尼は激怒するも膠着状態に、そこに、天秀尼の(義)母である千姫さまが登場、七本槍はやむなく撤収する(原作ではここでメンズはほぼ斬られて死ぬ)。幕府としては、たしかに形としては謀反でもあって、忠臣メンズ処刑は反対できない。けれど、東慶寺を汚した罪は償ってもらうぜ!と千姫さま激怒。東慶寺を汚した七本槍、ひいてはバカ殿会津藩主加藤明成には落とし前つけてもらうぜ! というわけで、千姫さまは懇意にしている沢庵和尚(=宮本武蔵の師のあの人)に相談。そして、沢庵和尚が残された女たちの仇討の助っ人として推薦したのは、将軍家兵法指南役、柳生但馬守宗矩が長男、自由人であり、剣豪として名高い柳生十兵衛三厳だった!! かくして、十兵衛による過酷な訓練が開始され、女たちは鍛えられてゆき、着々と七本槍を撃退してゆく。しかしこの戦いの背景には、芦名家再興を夢見る会津藩の家臣(?)、芦名銅伯の恐るべき秘密と秘術があった!! 十兵衛と女たちは、この戦いに生き延びることができるのか!? 会津を舞台に最後の死闘が開幕するッ!!! ってなお話です。
ちなみに言っておくと、この物語は歴史における会津騒動→加藤明成改易事件のことで、ちゃんと歴史上の出来事(の裏側を山田風太郎先生が創作したもの)です。まあ、小説ではそれなりにお色気シーンもあってアレなんすけど、わたしは当然、小説は十兵衛=千葉真一先生のイメージで読んでおりました。そして宝塚版ではどうだったか、各キャラ紹介と演じたジェンヌ紹介をまとめてまいりましょう。
◆柳生十兵衛 is 礼真琴さま:いやあ、マジでカッコ良かったですなあ! こっちんの十兵衛は最高でした。千葉真一さんを参考にしたとおっしゃってましたが、とにかくもう、雰囲気もしゃべり方も最 and 高だったとしか言いようがないです。もちろん最前席で観る&聴くこっちんのパフォーマンスは、何度も言うけど失神しなかった自分をほめたいすね。わたしはもう研12、ズカ歴12年の黒帯ファンですが、あの迫力は、ヅカ歴数年レベルだったら完全に魂抜けますよ。しびれる十兵衛ぶりだったと大絶賛いたしたく存じます! ホント、千葉先生がご存命だったら、観ていただきたかったわ……。つくづく、お亡くなりになってしまったことが悲しく残念です。こっちん、見事な十兵衛だったよ!
◆復讐のレディース軍団:その中でも、忠臣メンズのリーダー堀主水の娘お千絵を演じた小桜ほのかさん、そして別の忠臣の妻お圭を演じた音羽みのりさんの二人は飛びぬけて素晴らしかったですね! ほのかちゃんは本当に芝居がいいし、みのりさんはいつまでもずっとかわいいし、マジ最高です。小説では、レディース軍団がどんどん十兵衛を好きになって行って、取り合いジェラシー合戦を繰り広げたりしてちょっと面白いんだけど、実際に生身のレディース軍団は殺陣も見事に頑張りました。素晴らしかったす! もちろん、本作で退団されてしまう夢妃杏瑠さんも、ベテランの安定感で最高でした。
◆天秀尼 is 有沙瞳さん:いやあ、くらっちの歌はいつ聴いてもしびれますなあ! 4~5年前はこっちんの嫁第一候補だと思ってた時代もありました。すべての芸がハイクオリティなくらっち。どうか報われる日が来ることを祈りたいすね。ずっと応援いたしたく存じます!
◆凶悪「七本槍」軍団
・その1)漆戸虹七郎 is 瀬央ゆりあさん:結構小説を読んだ通りのイメージで最高でした。せおっちは歌も毎回うまくなっているし、キラキラオーラもぐんぐん増しているし、もう、次期2番手はカタイと思っていいんすよね? こっちんと同期の2番手なんて、胸が熱くなるっすね。次の公演で、2番手羽を背負うせおっちをみたら、オレ、泣くかもしれません。楽しみにしてます!
・その2)香炉銀四郎 is 極美慎くん:たしか小説では隻腕の剣豪じゃなかったかな。極美くんも相変わらずの美形で大変結構かと存じます。歌もぜひ精進していっていただきたいすね!
・その3)司馬一眼坊 is ひろ香祐さん:わたし、ひーろーくん大好きなんすよ。大劇場公演ではあまり目立つ役は演じないけど、別箱とかで大活躍する貴重な人材すよね。黄金の95期の次席として、こっちんを支えるひーろーくん。今後も活躍を見守りたく存じます!
・その他の4人:まず星組生え抜きの天華えまくんは、今回はあまり見せ場がなく早めの退場てちょっと残念でした。他のシーンでもちっと出ていたけれど、路線スターの一人としてはもっと見たかったす。花からやってきた転校生、綺城ひか理くんも、やっぱりチョイ出番少な目だったすね。。。あとは94期ベテラン枠の漣レイラさんはこの公演で卒業なのが淋しいすな。。。ショーでは目立ってたのが良かったす。最後、碧海さりおくんは、ロミジュリの「愛」を演じこれからの活躍が期待されますな。
◆芦名銅伯 is 愛月ひかるさん:小説を読んでいる時は、100歳を超える妖怪めいたじい様だと思ってたけど、あいちゃん演じる銅伯は、まあなんと美しいことよ! わたし的に、あいちゃんのこれまでのベストアクトは、エリザのルキーニではなく、朝夏まなとさんの退団公演「神々の土地」における怪僧ラスプーチン役だと思っていますが、今回も実に怪しい、人外のモノっぽさが漂いあふれていて最高だったと思います。あいちゃんも今回で卒業してしまうわけで、わたしの地元の観光大使を務めるあいちゃんには感慨ひとしおであります。ゆっくりしたら、ぜひまたどこかの舞台上でお会いしたいですね! 女子として、すっごい美人だと思うな。
◆ゆら is 舞空瞳ちゃん:原作を読んでいないと、今回の舞台版だけでは、ゆらというキャラクターが十兵衛LOVEになる展開が急すぎてびっくりしたのではなかろうか? 小説では、もっと濃厚です。ゆらの物語は。演じたのはもちろん星組TOP娘役の舞空ちゃんですが、難しい役だったと思うなあ、今回も。悪役サイドだもんね。でも、ジュリエットの時から思ったけれど、舞空ちゃんの通常の天使めいた可愛さよりも、ある意味「狂気」をたたえた表情が最高ですね。ジュリエットも狂っていたし、今回のゆらも、狂える姫君でした。つまり相当な演技巧者なのだと思う。だからショーで魅せてくれるエンジェルスマイルとのギャップがヤバいって訳ですよ。もうおんなじことしか書いてませんが、マジ最高でした!
とまあ、各キャラはこんなところかな。
で、後半のショー「モアー・ダンディズム!」ですが、やっぱりアレっすね、ショーの方が最前列の真価が発揮されますね。まあとにかく。手を伸ばせば届くぐらいの距離で、こっちんが歌い踊り、舞空ちゃんが天使の笑みを見せてくれるわけで、興奮しっぱなしでした。しかし間近で見るこっちんは、数年前と比べるとすっごいやせたと思います。顔がどんどんとがってシャープになってきているのはもう明らかだよな。。。そりゃそうだろうなあ、TOPスターという地位がもたらす、本人への負担は、肉体的にも精神的にも、尋常ではないレベルだろうし。お父さんレベルの年齢の男としては、もうなんというか……痛ましさすら感じてしまうわけですが、わたしとしては、万雷の拍手をもって、今後もこっちんを応援し、支えて?行きたいと強く思います。
それししても、くっそう、COVID-19感染拡大の世でなければ、絶対に、100%確実に、客席降りがあっただろうなあ、そしたらマジで昇天してたかも、とか思うと、今のディスタンスな世が、ひどく恨めしく思うっすね。あーあ、早く宝塚歌劇で客席降りが復活する日が来ることを祈りたいです。
あとそういえば、そうか、星組の大劇場公演としては、生オーケストラと星組フルメンバーでの公演は2年ぶりぐらい、こっちんTOP就任後では初めてか。やっぱり生オケは最高だと思うし、フルメンバーでのショーも圧が違うっすね。要するに、もう何もかもが最高な3時間を過ごした初老の男がここにいます!って感じであります。この興奮はずっと忘れないと思うっす!
よし、それでは最後に、いつもの「今回のイケ台詞」をご紹介して終わりにしたいと思います。
※「イケ台詞」=わたしが、かーっ! カッコええ!と感動した台詞のこと
「なるほど。面白うござる!!」
このセリフは、十兵衛初登場時のセリフなんですが、もうこの第一声が、わたしは今回一番しびれました。もう明らかに十兵衛なんだもの! かつてわたしがあこがれ続けた千葉真一先生の十兵衛が蘇ったかのような、わたしにとっては最高の第一声だったと思います。しかも、オケピットから、のそり……と現れる登場の動作からして、完璧に十兵衛だったね。最前列のドセンターに座るわたしの目の前に、いきなり現れたので、すっごいびっくりしたっす!!
というわけで、結論。
愛する宝塚歌劇の、最も好きな星組公演、さらにわたしが大好きだった柳生十兵衛を、大好きな礼真琴さんが演じる、しかもそれを最前列のドセンターという神席で観られる、という、わたしにとっては何重もの奇跡が折り重なった3時間を体験し、わたしはもう、いつ死んでもいいとさえ思っております。折しも、わたしの人生最大の試練と言えそうなぐらい厳しくつらい毎日であり、心がバキバキに折れまくっている現在、この至福の3時間をわたしに与えてくれた宝塚歌劇団と友の会のチケット神に感謝いたします! もう、マジで最高としか言いようがなく、柳生もモアダンも素晴らしかった! とりわけ、礼真琴さん演じる柳生十兵衛は、完璧に千葉真一さんレベルに到達しており、感動さえしたっす。わたし的に、千葉先生のベスト十兵衛は映画版「魔界転生」なんすけど、あのレベルですよ、礼真琴十兵衛は。実はわたし、こっちんは無事TOPスターに登極したし、来年度のファンクラブは、別の若手に入ろうかしら? とか思ってたんですが、無理っすね、やっぱり。いつか来る、こっちん退団の日まで、こっちんのファンクラブを継続しようと思います! いやあ、やっぱり宝塚歌劇最高ですね! そして礼真琴というTOPスターは、最高 of 最高っすね!!! 以上。
↓ 最終決戦で、魔物として転生してしまった父、柳生但馬守と対峙した十兵衛が「なさけなや親父殿……」と心情を吐露するシーンが好きすぎて、たぶんわたし、30回は観てます。しかも、ずっと魔物に抵抗していた但馬が闇堕ちしてしまった理由が、「天才児十兵衛と真剣勝負がしたい」というのが泣けるんすよ……最高です!