先日の土日に、わたしの愛用する電子書籍販売サイト「BOOK☆WALKER」において、かなり還元率の高いコインバックフェアを実施していたため、ほほう、ならばごっそり買ってやろうじゃないか、と面白そうな本を求めて渉猟していたわたしであるが、結果的に20冊近く買った作品のうち、おっと、これって、確か秋からテレビドラマ化されるアレじゃね? と思って買って読んでみた漫画がある。
 それは、日本人女優の中でわたしが現在TOPクラスに好きな、高畑充希ちゃん主演でドラマ化されるという作品である。あれっ? なんだ、既にスペシャルドラマで放送されていて、秋からは連ドラになるってことか? な~んだ、全然知らんかったわ。

 というわけで、わたしが買って楽しんだ漫画、それは阿部 潤先生による『忘却のサチコ』という作品であります。上に貼った動画を見て、そしてこちらのコミックス(1)巻のカバーをご覧ください。なかなかイイ感じに再現されているみたいですな。

 現在、最新巻は第(10)巻まで刊行されているようで、スピリッツに絶賛連載中らしいが(読んでないから知らん)、とりあえずわたしは(1)巻だけ買って読んでみたところ、大変面白かったので、すぐに(5)巻まで一気に買って読んでみた。これはですね、相当イイすねえ! 主人公・幸子さんがかなり可愛いす。
 物語は、わたしの嫌いな小学館から各巻の1話分が試し読みで提供されているので、そちらを読んでいただいた方が早いだろう。URLをメモっておこう。https://shogakukan.tameshiyo.me/9784091866707
 簡単にお話をまとめると、結婚式当日、というか式の最中に、花婿に逃げられてしまった佐々木幸子さんが、傷心を抱きつつ入った店で食べた飯がウマすぎて、何もかも忘却の境地に至り、以降の毎話、つい、なにかにつけてふと思い出してしまう元彼氏のことを忘れるために、おいしい物をモリモリ喰う、というのが基本のストーリーである。
 幸子さんは、元彼氏のことだけじゃなくて、仕事のイライラを忘れるためだったり、まあ、いろんな理由からとにかく毎回食べまくるのだが、そんな幸子さんの心の葛藤もなにもかもすべて、「おいしい」というご飯への感動とともに忘却の彼方にーーーとなるわけです。そしてそんな、無我の境地に至った幸子さんの表情で物語は締めくくられるのがお約束となっている。↓こんな表情。
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 まあ、以上の説明だけだと面白さが全く伝わらないと思うので補足すると、要するに佐々木幸子さんが非常に魅力的な、カワイイ女子なのです。というわけで、主人公・幸子さんについてわたしが知り得たことをいくつか挙げてみよう。
 ◆超ド真面目な幸子さん。
 幸子さんは、中学館という出版社のデキる編集部員(小説誌)なのだが、とにかく何かにつけ大げさなほど丁寧でド真面目であり、まあ、一言で言えばかなり常識からぶっ飛んでいる女子である。その結果、いろいろ不器用なのだが、何事にも過剰に全力投球&ド直球であるため、無法天に通ず、的に、担当している作家先生も、編集部のみんなも、幸子さんのことが大好きなのである。もちろん読者たるわたしも幸子さんの魅力にハマったわけだが、空気を読み過ぎて、一周回って読んでない、みたいな、斜め上の行動を取る、ある意味すっとぼけな幸子さんは大変可愛いと思う。よく会社の椅子に正座して仕事をしていて、作家のためならコスプレも辞さない全力プレーが身上。
 ◆お堅い表情ととろける笑顔のギャップがGOOD
 幸子さんは、基本的に常に全力、であるため、その表情も常にキッ!としていて、常にある種の「怒り顔」ではある。しかし、おいしい物をいただいている時の幸子さんのとろけた表情が大変良いのです。まったく本人に自覚はないと思いますが、間違いなく男なら誰しも、そのギャップにグッとくると思う。もはや変態でサーセン。ちなみに幸子さんの上司たる編集長や、担当しているとある作家も、何かにつけ大好きな幸子さんを狙ってる下心満載の変態だが、まあ、男ならやむないでしょうな。可愛すぎる幸子さんは罪な女ですよ……。
 ◆幸子さんのスタイル&ファッション
 常にタイトミニのスーツに準じる服を着ていて(クローゼットに1週間のローテーションがキッチリセッティングされている)、何気にかなり胸はデカい(一緒に温泉に行った先輩女子編集部員曰く「すっごい美乳」らしい)。まあ、こんな人、小説の編集者にいるわけねーよ、という若干のファンタジー的存在である。髪型は肩にかかるぐらいのボブで、前髪は眉ぐらいでパッツン(に近い)。もちろん黒髪。もう最強に理想的じゃねーか、と思う男は世にゴマンといると思います。もちろんわたしもその一人ですが、残念ながら現実には存在しないことも理解しております。
 ◆幸子さんの好み
 幸子さんは高倉健さんが大好き。とりわけ、『幸せの黄色いハンカチ』が大好きらしい。不器用なんで……。
 ◆幸子さんの家族
 どうも実家暮らしなのかな? お母さんは全く普通な常識人のため、幸子さんのぶっ飛んだド真面目さがやや心配のご様子。母は幸子さんのことを「コッちゃん」と呼んでいて、結婚式の事件以来、大丈夫かこのコは、と幸子さんのことを心配している。まあ、大丈夫じゃないんですけどね。

 まだまだ他にも幸子さんの魅力的なところはいっぱいあるのだが、これ以上書くとどんどん変態度が増すのでこの辺にしておこう。この幸子さんを高畑充希ちゃんが演じるなんて、相当ぴったりというか、かなり期待できるような気がしますね。連ドラ版の放送が大変楽しみにであります。ただ、高畑充希ちゃんが可愛いのは間違いないし、幸子さんにも雰囲気は似てるので最高なんですが、幸子さんの何気にセクシーなBODYは、ちょっと再現するのは難しいかもしれないすな……。

 しかし思うに、最近、こういった「ド真面目すぎてズレている」主人公の漫画や小説をよく見かけるような気がしますね。ま、最近じゃなくて昔からあるパターンというべきかな……。また、本作はある種のグルメ漫画でもあり、いわば『孤独のグルメ』的でもあって、そういう意味では、売れる要素をきっちりと掴んでいる作品なんでしょうな。絵も非常に丁寧できれいだし、取材もキッチリされていて、毎回登場する料理の描写もとてもいいし、非常に漫画力の高い作品だと思う。わたしの大好きな有楽町のロメスパの名店、「ジャポネ」も、たしか「ジャンボ」と名を変えて登場してたすね。「ジャポネ」の大盛りを軽く平らげる幸子さん……これは「ジャポネ」を知ってる人なら、すげえ、と思うと思います。小食のわたしには到底食えない量ですよ、あれは。あと、幸子さんは極めて頻繁に出張で地方へ出かけるのだが、まあ、小説の編集者でここまで出張が多い人はまずいないだろうな……しかしそこを否定すると物語は成り立たないので、ファンタジーとしてまったくアリ、だと思います。
 というわけで、もう(10)巻まで発売されている作品ので、超今さらすぎるけど、わたしはこの『忘却のサチコ』という作品が大変気に入りました。まだ(5)巻までしか買って読んでいないので、この後、果たして幸子さんを振った元婚約者が登場してくるのか、そして(4)巻から登場してきた新入社員のゆとり小僧は、少しはましなガキになっていくのか(今のところ典型的ゆとり小僧のクソガキ)、そのあたりも大変楽しみにしたいと思う。

 というわけで、結論。
 ふとしたきっかけで買ってみた漫画『忘却のサチコ』という作品は、映像化されるだけあって確かな面白さを備え、漫画としての出来も非常にクオリティの高い作品である、と思う。大変面白かったので、続刊も買って読みたいと存じます。そして、幸子さんを演じる高畑充希さんの芝居ぶりも、楽しみにしたいと思う。これは期待が高まりますな。大変結構なお点前でした。あと、最後にこんなことを言うのは超今さらなんですが、本作は、ある意味、男目線からの、こんな女子がいたら最高なんだけどなあ、的な男のためのファンタジー漫画なのかもしれず、女性が読んで面白いのか、正直分かりません。根拠はありませんが、女性が読んだら、若干イラッとする可能性があるかも……どうだろうな……分からないので、女性にはお勧めしないでおきます。以上。

↓ ちょっとこれは、すでに放送されたスペシャルドラマを見ておかないとマズいすかね……超気になるっす。