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 もう5年ぐらい前に、浅利慶太氏が「日生劇場は若き頃のわたしと石原慎太郎が作ったんだよ」とお話するのを直接、目の前で聞いて、え、マジすか、すげえっす、と思ったことがある。あとでWikiで調べたら、まさしくそんなことが書いてあって、浅利先生は本当にすげえお方なんだなあと思ったわけだが、恥ずかしながらわたしは日生劇場へ足を運んだことがなかった。
 しかし1カ月ぐらい前に、わたしのヅカ友の美しいお姉さまから、「今度の、みりおんが出る『ヴァイオリン』は観に行くのかしら?」と聞かれ、いや、実はスルーなんす、と答えたところ、「あら、チケットが1枚余って相手を探してるの、あなたいかが?」とお誘いを受け、ならばそれがし、喜んでお供つかまります! というわけで、今日は初めての日生劇場へ、『屋根の上のヴァイオリン弾き』を観てきた。なんと今年は初演から50周年だそうです。すげえなあ!
Violin
 全く物語を予習せずに観に行ったわたしだが、結論から言うと大変面白く、主役の市村正親氏の見事な芸達者振りから、意外なほど笑えて、実に満足な作品であったのである。いやあ、全く想像していなかった物語であった。
 ところで。
 まず最初に、わたしのヅカ友の美人お姉さまが言ったセリフの解説からしておこう。お姉さまの言う「みりおん」とは、普通の人にはなんのこっちゃ、であろう。しかし、ヅカファンなら即座に理解できる単語で、つまり、今年の春に宝塚歌劇団を退団した元・宙組のTOP娘役、実咲凛音さんのことである。みさきりおん、と読むわけで、そこから「みりおん」という愛称で呼ばれていた彼女だが、わたしの主観では、近年のTOP娘役の中ではナンバーワンクラスの美人であり、歌もうまい大変素晴らしいTOP娘役であったと思う。そのみりおんの、退団後初ミュージカル出演というわけで、積極的にチケットを獲ることはしなかったけっれど、行けるならぜひ、わたしも観てみたいと思ったわけである。
 で。
 物語をざっと説明すると、正確な時と場所の説明はなかったような気がするが、パンフレットによれば、20世紀初頭のウクライナである。その村で牛乳屋さんを営むテヴィエというおじさんが主人公で、若干おっかないけど優しい奥さんゴールデとの間に5人の娘に恵まれ、貧しくつましいながらも、ユダヤ教の教えを守って幸せに暮らしていた。その村では、「しきたり」が支配しており、結婚は仲人的なおばちゃんの紹介で親が決めるものであったが、まず長女のツァイテルは村の仕立て屋さんの青年と恋に落ちていて、かなり年の離れた肉屋と結婚させられそうになるけれどそれを蹴って、無事に仕立て屋さんと結婚、独立する。次に、次女のホーデルは、もともとインテリ好きで、村にやってきたキエフの大学を卒業した青年と恋に落ちる。そしてその青年が、キエフに戻って革命運動で逮捕され、シベリアに流刑になってしまうと、その彼を追ってシベリアに旅立つのであった。そしてさらに、三女のチャバは、よりによってロシア人(=キリスト教徒)の青年と恋に落ち、駆け落ちしてしまう。
 とまあ、そんなわけで、しょんぼりなテヴィエだったが、やがて村にはユダヤ迫害の波が迫り、最終的にはユダヤ人追放令まで発せられ、残った妻と4女5女を伴い、新天地アメリカに住む親せきを頼って、旅立つのであった……とまあ、そんなお話である。
 なので、暗いと言えば暗い。実に。だが、とにかくお父さんテヴィエを演じた市村氏の演技が素晴らしく、随所に織り交ぜられたギャグが大変笑わせてくれるもので、なんか、暗さを感じさせない不思議な作品であった。まあ、ラストでアメリカに旅立ったのは、歴史的に見れば大正解だったと言えるだろう。そのまま残っていたら、大変なことになったのは間違いないだろうし、下手すれば死んでいる可能性も高かったはずだ。なので、意外とわたしはハッピーエンドだったような気もしている。
 おまけに、何というかわたしには、主人公のお父さんテヴィエの元を一人また一人と娘が旅立っていくシーンにはいちいちぐっと来てしまったし、なんかもう、「北の国から」の黒板五郎に見えて仕方なかったすね。それでも、黒板五郎と違ってテヴィエには奥さんもいるし、4女も5女も一緒にアメリカに行ったわけで、それはそれで、非常に?希望に満ちたエンディングだったように思う。
 ただ、ミュージカルとしては、もうチョイ歌があっても良かったような気もする。もっと歌ってほしかったかな……とりわけ、1幕ラストや、2幕のエンディングで、心に刺さるようなぐっとくる歌が欲しかった。ともに、結構唐突というか、え、ここで終わりなんだ?という幕切れであったのがちょっと驚いた。
 そして、『屋根の上のヴァイオリン弾き』というタイトルだが、実はわたしは、主人公がそのヴァイオリン弾きなのかな? と盛大に勘違いしていた。しかし上記の通り主人公は牛乳屋さんで、これはいったいどういう事だろうと思っていたのだが、どうやら、冒頭のお父さんのナレーション? で説明される通り、屋根の上という実に危なっかしい場所で、落っこちて首を折らないよう気を付けながら、愉快にヴァイオリンをかき鳴らそうとしている、そんな暮らしをしている人々だ、という事らしい。そしてなんでそんな危なっかしいところにいるのか。それは故郷だから。そしてどうやってバランスをとっているのか、それはユダヤの「しきたり」がバランサーとなっている、とまあそういうことだそうだ。これは、この文字面だけではちょっと理解できないかもしれないけれど、本作を鑑賞すれば、なるほど、と理解できるものであろうと思う。
 というわけで、各キャラと演じた役者を紹介しておこう。
 ◆お父さん・テヴィエ:演じたのはもう散々申し上げている通り市村正親氏。

 わたしは今日初めて生で市村氏の演技を見た。とにかくうまい。芝居も歌も完璧ですな。現在68歳だそうだが、全く見えないすね。そしてお父さんデヴィエのキャラが大変イイ! 愚痴ばっかりだけどそれがいちいち笑えるし、娘を思っての父親としての態度は結構グッとくるものがあった。とりわけ次女との別れのシーンは良かったですなあ! さらに強引にキリスト教徒と結婚してしまった三女との別れも「達者でな! ……と伝えてくれ……」と肩を落とす姿は、もう黒板五郎そのものでありました。泣かせるシーンでしたよ。とにかく、本作はもう、市村氏の魅力爆発の、市村劇場だったすね。最高です。ツァイテルの結婚を奥さんに認めさせるために、夢におばあちゃんがでた、というあのシーンはもうホント爆笑でした。
 ◆お母さん・ゴールデ:演じたのは、わが星組の大先輩、鳳蘭さん。御年71歳。

 いやあ、歌も芝居もさすがのクオリティですなあ。実際素晴らしかったと思う。お母さんゴールデのキャラも、結構コミカルで、明るく、物語の暗さの中ではとても光っていたように思う。基本的にお父さんを尻に敷く肝っ玉系おっかさんだが、お父さんを愛していると言う場面は大変良かったすね。実にお見事でした。
 ◆長女・ツァイテル:長女らしいしっかり者を演じたのは元宙組TOP娘役のみりおんこと実咲凛音さん。

 やっぱりみりおんは本当に美人ですな。そして、手先までのピシッと揃ったダンスの所作は、宝塚の厳しい教えを受けてきただけあって、抜群の美しさであったと思う。そして、意外と背が高いすね。163cmかな、そしてとにかく華奢ですよ。抱きしめたら折れちゃうんじゃね? というぐらいのウエストの細さですな。歌もさすがです。ちょっと格が違う感もありましたね。大変良かったと思います。
 ◆次女・ホーデル:演じたのは神田沙也加ちゃん。

 やっぱり歌の存在感は抜群です。非常にうまい。そして可愛い! みりおんと並ぶと、まあかなりのちびっ子ですよ。あの体で、あんな圧倒的な歌唱力というのは本当にグッときますな。あ、もう31歳なんだ。つーことは……たぶんみりおんが推定29~30歳ぐらいなはずだから、年上? かもしれないな。沙也加ちゃんも大変華奢で、実に可愛らしいお方でした。そして生で聞く歌声は抜群に良かったと存じます。「アナ」そのものでしたね。演技の方も、お父さんとの別れの駅のシーンは素晴らしかったすねえ!
 ◆三女・チャバ:演じたのは唯月ふうかちゃん。

 元々9代目のピーターパンを演じた方で、すでにもう数々のミュージカルに出演されている実力派ですな。わたしが観たのは『デスノート The Musical』のミサミサぐらいか。この方は沙也加ちゃんよりさらにちびっ子で、まあかわいいお方でした。もちろん歌も文句なし。チャバも、お父さんとの別れのシーンは大変グッときました。大変良かったと思います。
 というわけで、三人娘が歌う動画が公式であったので貼っておこう。本番での、三人のスカーフを巻いた衣装がとてもかわいいのだが、この動画は普通の衣装です。

 どうすか、なんて可愛い娘たちなんでしょう。この三人の素晴らしいパフォーマンスと、市村氏、鳳さんの生の歌と芝居を観る機会を与えてくださって、本当に今日はありがとうございました>美人Mお姉さま。実際最高でした! そして初めての日生劇王は大変興味深かった。天井に敷き詰められているのはアコヤ貝だそうですな。とても独特な内装で、壁の作りなんかも面白くて、そんなところも楽しめた観劇でありました。

 というわけで、結論。
 積極的に行くつもりはなかった、日生劇場での『屋根の上のヴァイオリン弾き』を、お誘いを受けて今日観に行ってきたわたしであるが、物語は全然想像していなかった展開で、おまけにこんなに笑えてグッとくるものだとは思ってもいなかったので、正直驚きである。そして結論はもう、ブラボーであります。特に、やっぱり市村正親氏の芸達者ぶりはすごいすね。細かいところでいちいち笑わせてくれるし、歌唱力も圧倒的存在感だ。お母さんの鳳蘭さん、そして三人の娘たちもとても魅力的で、わたしとしては大満足である。やっぱり、50年も公演が続くだけありますな。こういう名作と呼ばれる作品には、それだけの理由があるわけで、わたしも今後もっともっとちゃんと劇場へ足を運んで、生の舞台を楽しみたいと存じます。みりおんこと実咲凛音さん、そしてさーやでおなじみ神田沙也加ちゃん、ともに抜群の歌唱力で最高でした。以上。

↓ これはちょっと原作にも興味がわいてきますな。読んでみようかしら。でも、きっと暗~いお話だろうな……どうなんだろうか。つうか、今や岩波文庫も電子書籍って出てるんですね。知らんかったわ。
牛乳屋テヴィエ (岩波文庫)
ショレム・アレイヘム
岩波書店
2015-06-18






 わたしが宝塚歌劇を観るようになって早七年。その間、多くのTOPスターが卒業したり誕生したり、あるいは、贔屓のスターが別の組に移動になったり、と非常に人材の流動化が活発なのだが、先日、わたしが現在の娘役で一番好きな、実咲凛音さん(みさき りおん:通称みりおん)が卒業を発表された。舞台メイクでない素顔のみりおんは正統派の美人でとてもかわいい方だが、前公演の『エリザベート』ではタイトルロールを見事に演じ、TOP娘役歴4年10か月をこの4月末で終えようとしている。
 そんな、みりおんの最後の公演である『王妃の館/VIVA! FESTA!』が現在東京宝塚劇場で絶賛上演中であり、わたしも今日、日比谷に駆け付け、みりおんの最後の雄姿を目に焼き付けてきたのである。結論から言うと、ミュージカルの『王妃の館』は笑えるコメディでありつつほろりとさせる作品であり、ショーの『VIVA! FESTA!』は超ノリノリの歌って踊って大騒ぎな、キラッキラな素晴らしいショーであった。

 まず、ミュージカル『王妃の館』である。かの浅田次郎先生の小説を原作とした、めずらしく現代日本人が主人公のコメディである。みりおん扮するとある旅行会社の女社長兼添乗員の女子が、資金繰りの悪化から、フランスの「王妃の館」と呼ばれる古城ホテルツアーを、一方ではかなり料金の高めのセレブ向けツアー、もう一方は格安ツアーと二種類企画する。その企画は、実はダブルブッキングで、金持ちを夜泊まらせ、その間格安ツアー客は夜のパリを観光行させる、そして昼は格安ツアーの客を古城ホテルに滞在させ、セレブツアー客は観光させるというアクロバティックなインチキ企画で、まあ当然破たんするのだが、問題は一癖も二癖もあるツアー客で、セレブツアーには、取材旅行と称して参加している有名小説家がいて、おまけに「王妃の館」には、なんと太陽王ルイ14世の亡霊まで現れて……てなドタバタコメディーであった。
 どうやら、ちゃんと原作小説を読んだヅカ友のお姉さま曰く、だいぶ小説とは話が変わっているらしいが、小説も面白かったし、ミュージカルも面白かったと言っていたので、まあアリなんだろうと思う。わたしは小説を読んでいないが、実際大変笑えてほろりとさせる展開に、最後まで大変楽しめた。
 小説家を演じたのが、現在の宙組TOPスター朝夏まなとさん(通称まぁ様)だが、わたしはよく考えるとまぁ様がコメディを演じるのを初めて観たような気がする。しかし初めてとは思えぬコメディエンヌぶりで、大変上手かつ面白かったのはさすがと言えよう。いやはや、ホント久しぶりにかなり笑いました。せりふ回しといい、いちいち細かい手や足の面白アクションといい、わたしは大満足である。さすがまぁ様ですよ。歌もホント、うまさが作品ごとに磨きがかかってますな。
 そして、ルイ14世の亡霊(ただし普通に誰にでも見えるというか実体化?してる)を演じたのが、わたしイチオシの星組からもう2年前か、宙組へ移動になって2番手スターとして成長著しい真風涼帆さん(通称ゆりかちゃん)だ。ゆりかちゃんは抜群のルックスを持つが、かつては歌がちょっと……とわたしは思っていたけれど、前回の『エリザベート』で皇帝フランツ・ヨーゼフを堂々と演じた事も効いたんだろうな。今回も非常に歌もよかったです。やっぱりゆりかちゃんも、作品を重ねることでどんどん歌が上達していてうれしいすね。コメディの中に、ド真面目なルイ14世というギャップがまた笑えるわけですが、しんみりとさせるかつての悲恋なんかも物語の中で担当しているわけで、大変難しい役だったとも言えると思うけれど、大変すばらしかったと称賛したいと思います。
 そしてみりおんも、インチキ旅行会社のしゃかりきツアーガイド役を大変好演していたと思う。ある意味ちょっと特徴が薄い普通の日本人役って、初めてじゃなかろうか。おまけに、みりおんもコメディができたんだね。まあそりゃ当たり前か。歌もとても良かったよ。
 そのほか、まだいっぱい素晴らしい芝居を見せてくれた方々が多いけれど、あと二人だけ、メモしておこう。まずはインチキ旅行社のもう一人の社員で、格安ツアーを担当する添乗員を演じた桜木みなとさん(通称ずんちゃん)。今回はずっと困ってる役をとてもコミカルに演じていて印象的でしたね。なんかやけに背が低く見えたのはなぜなんだろう?一応プロフィールでは170㎝あるはずなんだが、妙に小さく見えたのはわたしだけだろうか? なぜなんだろ。ソロ曲はなかったかな……もうちょい歌があるとよかったんだけど、役としては大変目立ってましたな。そしてもう一人は、格安ツアー参加客の、オカマを演じた蒼羽りく(通称りくちゃん)さんだ。男役の宝塚スターが、たまに女子役を演じると、そのやけに高い身長と低い声からオカマめいているとよく言われますが、今回はホントのオカマ役で、これがキャラ的に大変笑えました。もちろん、りくちゃんは確かに身長173㎝のカッコいい男役スターだけれど、素顔のりくちゃんはかなり美人というか普通にかわいい女子なので、男のわたしから見ると、今回はオカマどころか立派な女子ですよ、やっぱり。ものすごくスタイルもいいし、断然アリすね。りくちゃんもちょっと歌が少ないのが残念だったかなあ。まあ、それでも女子姿は大変極上でありました。
 で。後半のショー、『VIVA!FESTA!』である。宙組のショーは、大劇場公演としてはあの「ホッタイ」以来かしら?
vivafesta
 タイトル通り、世界のお祭り=FESTAをモチーフとした今回のショーは、冒頭に書いた通り、もうノリノリのキラッキラなとても楽しめるショーで、客席降りも2回あるし、場内もうみんな笑顔であったと思う。
 そして、やっぱりまぁ様の歌はいいし、ダンスも大きい体を生かしたキレのあるダンスで見ごたえ十分であったと思う。ゆりかちゃんもホント歌がうまくなってうれしいすね。そして、まぁ様とみりおんのデュエットダンスは、みりおんは純白のドレスで、そりゃあもう輝いてましたよ。ホント、これでもう、みりおんに会えないのかと思うとホント淋しいす……素顔のみりおんはホント美人だと思う。わたしの好みにジャストミートな、和美人ですよ。どうか卒業後も、その歌と美貌に会えることを心から願ってます。どうだろう、芸能活動はしないのかなあ……ミュージカルを中心に、卒業後もその姿を見せてほしいなあ……。
 実は、まぁ様も、次の公演で卒業することをつい先日発表したのだが、以前書いた通り、わたしはまぁ様の会見での言葉はとても男前だと思った。一緒に退団してしまうとどうしても自分がメインになってしまうわけで、先にみりおんを全力で見送ってから、すぐに自分も卒業するわけで、おまけに自らの最後の卒業公演は、TOP娘を置かずにやるなんて……。要するに、みりおんが去ったあと、誰か別のパートナーを求めず、オレは一人で、そしてすぐに逝くよ……的な決断は大変カッコいいじゃないか!とわたしのまぁ様に対する評価は急上昇しました。
 帰ってきてからも、いまだ「ビーバビバビバフェースター~♪」が耳から離れないすね。YOSAKOIソーランも盛り上がりましたな。そーらんそーらんそーらんそらぐみ!ですよ。最高です! そういや銀橋でのロケット(=ラインダンス)って初めて観たような気がする。より近くて迫力がありますな。落っこちないか心配になったほどすね。
 というわけで、毎度お馴染みの、「今回のイケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思った台詞のこと。
 「いつか書けるかな……誰かに希望を与える、僕の物語」
 「ええ!わたしのように人生に迷う誰かのために」
 今回は、わがままでテキトーな男、とルイを怒らせてしまったまぁ様演じる作家が、自信を無くして、一曲歌った後にぽつりとつぶやく素直な感情と、それに応えるみりおん演じるツアーガイドのやり取りからの抜粋です。コメディなんだけど、意外と真面目な部分もある、大変楽しい作品でありました。

 というわけで、結論。
 現在東京にて上演中の宙組公演『王妃の館/VIVA!FESTA!』を観てきた。娘役TOPのみりおんの卒業公演となる本作は、宙組としては珍しく(?)笑えるコメディと、お祭りをモチーフとした超ノリノリのショーの2本立てで、わたしは大変楽しめた。つーか、とにかくわたしはみりおんが卒業してしまうことが本当に淋しい……どうか卒業後も、活躍してほしいと心から願うばかりだ。そして、一方のまぁ様も、次で卒業してしまうわけで、これまた大変淋しい限りだ。素顔のまぁ様は、きっと髪を伸ばしたり女子化が進むと、かなりの美人になるような気がする。まぁ様も、卒業までまだ時間があるけれど、最後まで応援しますよ! コンサートも行くからね。楽しみにしてます。以上。

↓ こちらが原作小説ですな。下の画像は映画版のカバーですな。現在本屋さんでは、今回の宝塚版のカバーになってます。

 ↓その映画がこちら。わたしは観てません。主役は水谷豊氏です。なんかピッタリかもね。
王妃の館 [DVD]
水谷豊
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2015-10-07
 

 わたしが宝塚歌劇を愛していることはこのBlogで何度も書いているが、実のところ、わたしのファン歴は2010年1月に星組公演を観に行った時から始まっているので、所詮はまだ6年ほどの駆け出しであり、まだまだビギナーの域を超えてはいまいと思う。
 故に、今年、初演から20年経ったかの有名な演目『エリザベート』を初めて見たのは2014年の花組による「みりおトート」であり、その後、去年2015年に帝劇版「城田トート」を観たものの、それをカウントしても2回しか見ていない。
 わたしが思うに、ミュージカル『エリザベート』は、そのタイトルの通り主役は明らかに「エリザベート」、劇中ではシシィと呼ばれる女性であるように感じている。宝塚歌劇は、普通は男役TOPスターが物語の主役であるが、『エリザベート』は珍しく、娘役TOPスターが物語における主役、なのだ。まあ、このことは異論のある方も多いかもしれないが、 わたしはやはり、シシィの物語だと思う。
 というわけで、今年も『エリザベート』が宙組によって上演されることになり、わたしとしては、宙組TOPスター 朝夏まなとさん(通称:まぁ様)よりも、タイトルロールを演じる娘役TOPの実咲凛音さん(通称:みりおん)がどんなシシィを見せてくれるのかを楽しみに劇場へ向かったわけである。
 そして結論から言うと、期待よりもずっと良かったように思う。 既に、次の公演をもって退団することを発表しているみりおん。その渾身の舞台『エリザベート』は、やはりとても素晴らしかった。

 やはり『エリザベート』となると、ベテランのヅカファンのお姉さまたちは、過去の上演と比較したくなるのは当然だろう。わたしも過去は1回しか見ていないが、前回2014年の花組公演Verでは、明日海りおさん(通称:みりお)のトート閣下は抜群のビジュアルだったし、皇帝・フランツ・ヨーゼフ1世は、わたしが現在最も愛する星組TOPスター北翔海莉さん(通称:みっちゃん)で抜群に歌が巧く、また狂言回しのルキーニは、これまた歌が抜群にうまい望海風斗さん(通称:だいもん)だったので、『エリザベート』という作品が大変面白く、とりわけ楽曲が素晴らしいことは分かっているつもりではある。しかし、所詮1回しか見ていないので、比較してどうこう言う資格もあるまいと思うので、観て思ったことをつらつら書きなぐってみたい。
 まず、わたしが今回の公演で一番関心があったのが、冒頭に書いた通り主役「エリザベート」を演じたみりおんこと実咲凛音さんだが、少女時代のシシィ、皇后となるも皇太后ゾフィーとの確執に悩むエリザベート、そして息子ルドルフを亡くして以降のさまよえる姿、どれもみりおんらしいお見事なエリザベートを演じ切ってくれたと思う。とりわけ少女時代は抜群にかわいらしいし、名曲「私だけに」を熱唱するシーンも大変良かった。ラストの夫であるフランツと決定的な別れとなるシーンでの「夜のボート」もとてもグッと来た。
 そう、とにかくやっぱり『エリザベート』という作品は歌がいいんすよね。エリザベートにとっての主題歌「私だけに」という曲は、原題はドイツ語(※本作はもともとドイツ語ミュージカル)で「Ich gehöre nur mir」といい、これは英語でいうと「I belong to me only」という感じかな。辞書的に直訳すると、「わたしは私だけに属している」=「わたしは誰のものでもない」という意味だが、まあ、この曲のシーンが第1幕前半のクライマックスだろう。鳥肌モノですな、やっぱり。みりおんの「私だけに」もとてもよかったと思います。あんなに天真爛漫で可愛かったみりおんシシィが、明確に皇后エリザベートへ変化する重要なシーンで、非常にカッコ良かったよ。わたしは満足でありました。
 で、みりおんの次にわたしが関心を持っていたのが、皇帝フランツを演じる真風涼帆さん(通称:ゆりかちゃん)である。星組イチオシのわたしとしては、ゆりかちゃんはずっと星組で応援してきた思い入れのあるジェンヌだ。去年、当時の星組TOPスター柚木礼音さん(通称:ちえちゃん)の退団を見送ったのちに、宙組へ異動になったゆりかちゃん。抜群のイケメンぶりからビジュアル面でのカッコよさは折り紙付きだが、歌が……歌がもうチョイ上手くなれば完璧なのだが……というのがわたし的ゆりか評だったので、若干どうなるだろうか……という気持ちがあった。こう書くと大変偉そうだが、同行したヅカ歴10年以上で現在ゆりかちゃんファンクラブにも入っている筋金入りのヅカ先輩(ただし年齢はわたしより20歳ぐらい若い、とても可愛い娘さん)のAS嬢も、全く同じことを言っていたので、まあ、世間的評価も同様だったと思う。
 そして、実際のゆりか=フランツだが、これが、驚愕の進化で大変良かった! わたしは宙組で『エリザベート』が上演されると知って、おっと、じゃあ、ゆりかちゃんがルキーニをやるのかしら、そりゃあ超カッコいいぞきっと!! と思っていたところでの、フランツ役だったので、上記のような心配をしたのだが、全く問題なし、というか、ホントに今回は相当な鍛錬を重ねていたのであろうと感じさせる、立派な皇帝フランツを演じてくれて、わたしは本当に満足であった。大変良かったと思います。
 次は、本作『エリザベート』におけるキーキャラクター、ルキーニである。ルキーニは、エリザベートを暗殺するイタリア人無政府主義者であり、物語の狂言回し役ということで、極めて重要な役柄だ。わたし的には、花組Verのだいもんや、帝劇Verの山崎育三郎氏など、とにかく歌がカッコ良くておそらく『エリザベート』を観た人なら誰しも、強烈な印象に残っている役柄だと思う。今回、そのルキーニを演じたのが愛月ひかるさん(通称:あいちゃん)。今までそれほど大きな役を演じた印象はないが、もう研9になるのかな? ベテランの域に入ろうとしている、わが市川市民自慢のイケメンジェンヌであり、わたしも大変期待していたのだが、その期待に十分こたえてくれたように思う。今回のあいちゃんルキーニもとてもカッコ良かったし、歌もどんどん上達しているように感じた。もっと声量が豊かになり迫力と貫禄が付くと完璧ですな。これからはもっと応援したいと思います。
 実は、わたしは何度見ても、未だに、物語的にルキーニがエリザベートを暗殺した理由がよくわかっていない。あれって……どういう……ことなんだろう? あの、トート閣下があの短剣をルキーニに渡すシーンの意味が分からないんだよな……(さっき初めてwikiを見て知ったが、あれは短剣じゃなくて「やすり」なんすね)。ここがわたしは分かっていないので、ルキーニってのはいったい何者だったんだ? というのが実は全然わかっていない。トート閣下に操られていたわけでもないし、うーん……この点は未だ謎です。でもまあ、物語としては気にならないというか、後でハタと思う謎、であろうか。ひょっとして、分からないのはオレの頭が悪いだけのような気もするので、これ以上書くのはやめとこう。
 そして最後は、もちろん冥界の王、トート閣下だ。ドイツ語でいうと「Der Tod」。英語でいうならそのものズバリ「The Death」、すなわち「死」である。今回は当然、現在の宙組TOPスターのまぁ様なわけで、実際のところわたしは全く何の心配もしていなかったし、期待通り妖しく堂々たるトート様だったと思う。前回の花組のみりおトート様は銀髪だったが、今回は黒髪で、見かけがちょっと違っていたが、まさしく「闇に溶け込む」黒髪のまぁ様トート閣下も大変良かった。ひとつ、あれっ!? と思ったことは、ネイルなんすよね……宣材ポスターとかで見るトート様独特の「黒ネイル」が、双眼鏡でチェックしたところ、今回は全部の指にはなされておらず、なんかその点だけ、人間感が残ってるような気がして、ちょっと、えーと、これは、これでいいのか? と若干戸惑ったのだが、ま、細かいことはどうでもいいか。歌もダンスも、いつも通り素晴らしかったと思います。
 というわけで、もうこれ以上は長いので、毎度お馴染みの、今回のイケ台詞を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思った台詞のこと。
 「死ねばいい……!!
 『エリザベート』は歌がよすぎて歌の歌詞の中で印象的な言葉が多いのだが、台詞の中で選ぶとしたら、やっぱりこれですね。2幕前半で夫の浮気(?)に絶望したエリザベートに向かって、トート様の言うこの台詞は、2幕後半では「死は逃げ場所ではない!!」と一喝するセリフと対をなしているわけで、どっちなんだよ!! と思わず突っ込みたくなりますが、それでもやっぱり、相当イケてる台詞っすね。最高です。

 というわけで、結論。
 『エリザベート』という作品は、おそらく演者にとっては、ぜひ自分もやりたい、と思う一方で、その歴史と数多くのファンという、すさまじいプレッシャーのかかる作品だと思う。そんな重圧の中で演じられた今回の宙組『エリザベート』は、やはりとても素晴らしい作品であった。わたしは、帰りに思わず2014年花組VerのBlu-rayを買ってしまったので、今度上映会を開きましょう。
 ところで、備忘録として記しておくが、9/10(土)11時の公演には、月組のちゃぴちゃんと、たぶんあーさちゃんだと思うが、現役ジェンヌの方々もわたしの4列前で観劇されていた。普段着(?)&普段メイクのちゃぴ&あーさは超可愛かったすね。美穂圭子さんもいらしたようだが、わたしは見えなかったす。あと、トリンドル玲奈さんも来場していて、わたし、幕間に1Fのキャトルで買い物しているとき、トリンドルちゃんにぶつかりそうになって、あ、サーセン、と振り返ったらトリンドルちゃんで、超びっくりしたっす。ほぼすっぴんだったけど、これまた超かわいくてビビったっす。以上。

↓ 今更だけど、買っちゃった……お目当てはみっちゃんです。
『エリザベート ―愛と死の輪舞―』 [Blu-ray]
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2014-11-06

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