今日はネタがないので、だいぶ前になるけれど面白かった漫画の紹介でお茶を濁します。講談社の「月刊少年シリウス」にて連載中の漫画、『はたらく細胞』です。これが非常に面白かった。


 もう既に単行本の2巻まで出ていて、取り上げるのはかなり今更なんですが、まあ、まずは試し読みのURLを載せておきます。とりあえず第1話がまるまる読めるので、ちょっと読んでみてほしい。
 試し読み→http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063765601
 カバーイラストの白いイケメンが「白血球」で、体内に侵入した細菌やウィルスなどと戦うのが仕事、赤い女子が「赤血球」で、酸素と二酸化炭素を運ぶのがお仕事の運送屋さん、みたいに、要するに、体内の細胞が擬人化されていて、「体」という世界で日夜活躍している姿を漫画にしたもので、体内細胞が如何にして「体」という世界を守って戦っているか、が、意外と詳しくわかるお話です。上記URLにも書いてありますが、第1巻と第2巻はこんな内容です。
 第1話「肺炎球菌」
 第2話「スギ花粉アレルギー」
 第3話「インフルエンザ」
 第4話「すり傷」 ※1巻ここまで
 第5話「食中毒」 ※ここから2巻
 第6話「熱中症」
 第7話「赤芽級と骨髄球」
 第8話「がん細胞(上)」
 第9話「がん細胞(下)」
 不思議な感じでしょ? これを読むと、ははあ、体の中ではこんな闘いが起きているのか、と、幼稚園児っぽくイメージできるのだが、情報としては十分真面目というか、知らないことをいっぱい教えてくれて非常に楽しい。誰しもが、幼稚園ぐらいのとき、虫歯になると虫歯菌が歯を痛めつけている絵を書いたことがあると思うが(誰しも、はないか。でもわたしはある)、それを数100倍高度にしたようなお話で、こういう事態だとこういう細胞がこういう働きをしてくれるのか、と、新鮮な驚きと興奮をもたらしてくれる、質の高い漫画だと思う。 
 細胞ごとの性格付けも、実によく考えられていて飽きない。実に多くの細胞が登場するが、例えば第2話の「スギ花粉アレルギー」のお話は、とりわけ実際に花粉症でお悩みに方にはぜひ読んでいただきたい。メカニズムが非常に良く分かるので、面白いと思う。
 しかし、心配なのは……一体、この漫画の舞台となる「体」の持ち主は、果たしてどんな人間なのだろうか。おそらく今後も登場することはないと思うが、この人、かなり大変な目に遭ってるんだけど、大丈夫か?? 食中毒やら熱中症やら、インフルエンザやら、細胞たちの大活躍によって深刻な事態にはなっていないと思うけれど、ガンまで出てくると相当心配になる。そして、この漫画のネタもいつまで持つのか、大きなお世話の心配も募るばかりだ。
 作者の清水茜さんについては正直よく知らないのだが、まだお若い女性らしい。この作品は、第27回少年シリウス新人賞大賞した読切作品『細胞の話』を連載化したものだそうで、作者初の連載作品だそうだ。コミックナタリーにインタビュー記事があるので、興味のある方はそちらへどうぞ。
 ナタリー記事:http://natalie.mu/comic/pp/hatarakusaibou

 というわけで、短くて手抜きですが結論。
 『はたらく細胞』は、非常に面白い。今後もネタの市鯉がものすごく大変だと思いますが、楽しみにしています。単行本を買って応援しますので!!

↓ こいつでも読んで勉強するのもいいかも。
免疫―からだを護る不思議なしくみ
矢田 純一
東京化学同人
2015-01-10