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 いやあ……ホント宝塚歌劇は最高っすね!
 と、いつも同じことを書いておりますが、わたしは昨日の土曜日、母の昼食介護を兄に託して、日比谷の東京宝塚劇場にて、雪組公演を観てまいりました。劇場にいる3時間だけは、マジですべてを忘れさせてくれる、わたしにとっては大変貴重でかけがえのないひと時であります。
 わたしはそもそも星組イチオシなわけですが、このところ宝塚歌劇友の会のチケット神は、わたしにそっぽを向いてチケットを与えてくださらず、以前書いた通り正月の花組公演、その次の月組公演はチケット全滅でありました。なので、わたしは一番大好きな星組公演だけは見逃すわけにはゆかぬ! と思って、星組公演の大劇場公演(=知らな人はよく「大阪」と言いますが、「兵庫」の宝塚市です)のチケを申込み、無事に当選し、5/14(土)に遠征を予定しておりました……が、ご存知の通りCOVID-19による公演中止と相成り、さらに東京の星組公演もチケット全敗、という憂き目に遭っておりました。
 まあ、肝心な時に限って運がないのがわたくしであります。。。
 順番を記すと…
 1-2月の花組@東京:全滅。観ること叶わず。
 2-3月の月組@東京:全滅。だけど美しきズカ友の淑女にお誘いいただき観劇できた。
 4-5月の宙組@東京:友会当選2階席。ネバセイは最高でした!
 5-6月の雪組@東京:友会当選2階席。これが昨日観てきた作品
 6-7月の星組@東京:5月の大劇チケは当選したものの公演中止。東京チケ全滅。
 7-9月の花組@東京:次の花組は友会で当選しました! しかもSS席! やったー!
 てな感じですが、わたし、常日頃からヅカ愛好家であることを隠しておらず、星組全滅を嘆いてテンションどん底なオーラをまとって仕事をしていたところ、日ごろ懇意にしているお方の元部下、のお友達の方、という全く面識のない方からチケを1枚融通してもらえそうで、何とか観劇出来そうです。持つべきものはヅカコネクションですなあ! 皆さんありがとう!
 さてと。前置きが無意味かつ長くなりましたが、雪組公演『夢介千両みやげ/Sensational!』であります。
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 知らない人は知らないし、知ってる人には常識ですが、雪組は「和物の雪組」と称されるように、日本モノが得意な組であり、今回の作品は江戸人情モノでありました。恐らく知らない人は、時代劇でミュージカル!? とビビるかもしれませんが、ヅカファンなら納得の作品であります。
 まあ、一言で言うと……最高だったすね! ちょっと笑えるし、なにより主人公が実にイイ奴! なのです。物語を簡単にまとめると、小田原の庄屋の息子がいて、超金持ちなわけなんだけど、親から1000両もらって、その金をもって、華のお江戸で「道楽修行」をするというものです。これだけだと、金持ちのクソガキの道楽なんて、ふざけんな! と思うことでしょう。
 わたしも実は、最初にあらすじをみた時は、なんじゃそりゃあ!? 親の金でだとう? ざけんな! とか思いました。しかし、その金の遣い方がですね、なかなか悪くないんですな。生粋のお人よしで、かかわっていく人々も極悪人は少数で、なんつうか、気持ちいいんすよ。わたしも、金で解決できることは金でカタをつける男なので、まあ、わたしは自分で稼いだ金ですが、日ごろから世間にゃロクな奴がいねえ、とか思っているわたしにとっては、夢介くんのお江戸修業は大変気持ちのいいお話であったと思います。
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 宙組も2階席だったけど、2階でも結構見やすいすね。ドセンターだったのも良かったす。
 というわけで、物語の主なキャラと、演じたたジェンヌたちを箇条書きでまとめてみようと思います。
 ◆夢介:主人公。小田原の庄屋さんの跡取り息子で金持ち。超イイ奴。何気に腕っぷしも強く、喧嘩も臆せず、どうしても話の分からん悪党はブッ倒す!な男。基本的にもめごとは金で解決できるならさっさと、気前よく金を遣うが、一応夢介ルールはあって、何でも金、ではない。ある意味現実的な社交術ではある。けど正直なところわたしは、序盤は「なんだコイツ」と思っていました……が、後半になるころには、コイツ、やっぱすげえイイ奴じゃん、と思うようになりました。なんつうかなあ、心持ちがまっとうというか、要するに、優しいというよりもド真面目、なんすよね。そして、そのせいなのか、そこらじゅうの女子から超モテるのが実に腹立たしいすね笑。オレも真面目な男なんだけどなあ。
 演じたのは当然雪組TOPスター彩風咲奈さん。わたし的には、謎の小田原訛りが東北訛りっぽく聞こえて、なんか若干、変なの? とは思いました。とはいえ、彩風さんもTOP2作目、順調に芝居も歌もダンスもTOPの力量を見せてくれてますな。大変結構だと思います。
 ◆お銀:通称「オランダお銀」と呼ばれる女掏摸。江戸に向かう途中の夢介に目をつけて、金をかっぱらおうと思ったところでお侍に捕まりかける、が、夢介が「その金はその人にあげたもんだから、盗みじゃねえっすよ」的に助け、結果、夢介にぞっこんLOVEとなって一緒に江戸に出て、押しかけ女房として世話を焼くことに。演じたのはこちらも当然雪組TOP娘役の朝月希和さん。なんか、色気もあっていいっすね。夢介がモテまくるので、いちいち「キーッ! 悔しい!!」とイライラする姿が大変可愛いと思います。わたし、「キーッ!」と発声する女子を、漫画以外で初めて見ました笑。 しかしアレっすよね、夢介が出会う女子の順番がもし違ってたら、お銀ちゃんは選ばれてなかったのだろうか?? なんか、夢介のお銀ちゃんへのLOVE感情が、あっしにゃあ、イマイチよく分からなかったっす。
 ◆三太:お銀の幼馴染(?)の少年で、掏摸仲間。なかなか世間を分かってる現実的BOYで、幼い妹と弟の世話をみている苦労人。この妹が、超言葉遣いが丁寧で頭が良さそうで、すげえ印象に残るナイスキャラだったすね。で、三太は夢介を危なっかしいと思いつつ、姉のようなお銀の相談相手になったり、いろいろ気の回るできた弟分でありました。演じたのは、本公演から雪組生として新たな道を歩み出した元宙組の和希そらくん。ずっとこのBlogで書いてきたように、わたしは宙組でそらくんを一番応援してきたので、雪組に異動になったことに、少しばかり心を痛めておりました。。。が、全く心配はないようですね。そらくんは和物も似合いますねえ! つうか、和物というか和服が似合う、と言った方がいいかな。夢二もとっても雰囲気あって良かったからねえ~。そらくんはもともと女子としても凄い美人なので、色気も漏れまくってますな。これからもそらくんを応援いたしたく存じます。
 ◆総太郎:飛脚問屋・伊勢屋のダメ息子。イケメンでいわゆるチャラ男くん。金を持ってる夢介にたかって遊ぼうとするどうしようもないだめんず野郎。語尾は「~でゲス」というのがいちいち笑っちゃいます。そんな語尾をつけて話す奴、マジでいるんだ? と、こちらも漫画以外で初めて見た笑。演じたのは、雪組きってのイケメン、朝美絢さん。あーさも月組から雪組に移ってもうずいぶん経ちますな。あーさの場合も、雪組への組替えは正解だったんでしょうな。正2番手として、ますますの活躍を期待し、今後を見守りたいすね。
 ◆浜次:芸者さんできっぷのいい姐さん。総太郎の借金を軽く返済した夢介に近づき、金を狙うが、夢介のイイ人振りに惚れてしまう2番目の女性。もし夢介が最初に出会った女性が浜次姐さんで、結婚して! と言ったら受け入れてたんだろうか? 演じたのは96期生の妃華ゆきのさん。ごめんなさい。。。今までほぼノーチェックでしたが、かなりの美人っすね! つうかわたし、今回初めて、雪組の娘役はすげえ美人ぞろいで充実してんなあ、と今さらなことを思いました。もっとちゃんとチェックして勉強いたしたく存じます!
 ◆春駒太夫:女手妻師。夢介に惚れちゃう3番目の女性。演じたのは95期生の愛すみれさん。非常に大人な色気のあるイイ女、を好演されていたと思います。いやあ、とても美しいっすね。
 ◆お滝&悪七:お滝は長唄の師匠。100期生の希良々さん。つうか、そうか、100期生ももう新公卒業してるのかな? あっという間だなあ。そして悪七はお滝の亭主。本名は七五郎で、元々は船頭。ヤクザの仲間で、お滝に美人局的なことをさせてる悪い奴だが、夢介のまっとうなハートに触れて改心する憎めない?野郎。演じたのは、星組時代からわたしはずっと応援してきた98期の綾凰華くん。あやなくんはこの公演での退団を発表しており、わたし、ここ数年で一番ショックな退団発表でした。。。まさかだよ……本当に。とても残念だけど、恐らくは、現在はもう完全に吹っ切れたというか、すがすがしい気持ちなんだろうと想像しますが、やっぱり、我々には想像の付かない苦悩の末の決断だったのでしょう。でもまだまだ若いし、なにしろあやなくんは素で美人だから、びっくりするような美女に戻ると思います。芸能活動は続けるのかなあ。。。続けるなら応援したいっすね! 続けなくても、あやなくんの今後を応援したい気持ちっすね。いやあ、本当に淋しいよ。。。『阿弖流為』の母礼は見事だったよ。あやなくんに幸あれ、と願わずにはいられないっすね。。。
 ◆お松:総太郎の家の伊勢屋に奉公するお女中さん。総太郎に惚れられて、孕まされるも捨てられ、死のうとしたところを夢介に助けられる。総太郎、マジでお前最悪でゲスね! で、このお松ちゃんを演じたのは99期生の野々花ひまりちゃん。下級生時代から路線を歩んで来たのに、もうベテラン枠に入りつつあるのが気になるっすね。。でもひまりちゃんの演技はとってもいいし、雪組には欠かせない娘役ですよ。応援してます!
 ◆お糸:元々手妻公演を行っている春駒座で春駒太夫の付き人だったが、実家の蕎麦屋のお父さんが亡くなり、ばくちの借金と引き換えに、総太郎と結婚させられそうになって困っていたところを夢介に助けられる。演じたのは宙組からやってきた夢白あやちゃん103期生。もう組替えして2年近く経つのか。。あやちゃんも超路線なわけだけど、彼女は可愛い系というより美人系っすね。すっごい細いので、背が高く見えるっすね。
 ◆金の字:のちに、遠山の金さん、でお馴染みのお奉行様になる若者。夢介と何度も出会い、その人柄に一目を置く。演じたのは雪組の次世代ホープ、縣千くん101期生。バウ主演も控えているし、まあ、もう縣くんが将来TOPになるのは間違いないでしょうな。それがいつになるのかわからないけれど、間にあーさを挟むとしても、2025年の大阪万博の頃に雪組TOPスターになっているのは間違いないような気がしますね。やっぱり凄い存在感ですよ。正直、わたしはちゃんと縣くんの歌を聞いたことがあまりないので、歌がうまいのか知らないのですが、まあ間違いなく、TOPスターになるでしょうな。なんつうか、オーラがもう違うっすね。間違いなく本物の器っすよ。
 最後に、わたしが凄い気に入った三太の妹、お鶴を演じた花束ゆめちゃんについて書いておこう。わたし、ずっと首席で入団した時からゆめちゃんに注目してます。すっごい可愛いと思うんだけどなあ。Wikiのページすら見当たらないし、もっと注目されてほしいっす!
 で。ショー『Sensational!』であります。
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 今回、わたしはもうずっとあやなくんとそらくんを双眼鏡で追っておりました。そらくんのダンスのキレは、相変わらず抜群で素晴らしかったし、あやなくんがソロで歌った歌、わたしはもうホントグッときました。最初は星で、今は雪で……。。。本当に淋しいすねえ……。なんつうか、宝塚歌劇は我々観客にとっては夢の時間だけれど、演者のみなさんにとっては本当に厳しい世界なんだということを、今回のあやなくんの退団で改めて実感したっす。あやなくんの輝きを、わたしはしっかり目に焼き付けました。あやなくんには本当に幸せになってもらいたいなあ。。。

 てなわけ、もう書いておきたいことはないかな、大丈夫かな?
 それでは最後に、いつもの「今回のイケ台詞」をご紹介して終わりにしたいと思います。
 ※「イケ台詞」=わたしが、かーっ! カッコええ!と感動した台詞のこと
 「おら、道楽は金で買う。けんど、女房は金で買わねえ。心で買うって決めてるだ!」
 この台詞は結構最初の方で、江戸に着いた夢介とお銀ちゃんのやり取とりで夢介が言うセリフなんすけど、わたし、この台詞で、なんだよ、こいつただの金持ちお坊ちゃんじゃねえじゃん! と夢介を認めました。なかなかカッコいいセリフだと存じます。

 というわけで、結論。

 昨日観た雪組公演『夢介千両みやげ/Sensational!』は、日ごろ地獄の介護生活を送っているわたしにとっては最高の3時間でありました。ほんと、劇場にいる間は家のことは全く考えなかったね。やっぱり宝塚歌劇は最高です! 『夢介千両みやげ』は実に面白く、笑えて素晴らしい作品でありました。なんつうか、ふざけたコメディーではあるけれど、たまにこういう作品があってもいいと思うっす。わたし的には、雪組前作の『CITY HUNTER』よりずっと面白かったすね。そして無事雪組生として活躍を始めた和希そらくんの色気あふれるたたずまいとダンスのキレは、雪組随一だと思うし、この公演で退団してしまう綾凰華くんの最後の輝きも、目に焼き付けました。素晴らしいジェンヌが退団してしまうのはいつも淋しいけれど、今回は本当に、やけに寂しくてたまらないす。またどこかの舞台で会いたいっすね。それまで、しばらくのさよなら……か。ともあれ、宝塚歌劇はマジ最高っす! 以上。

↓ やっぱり『阿弖流為』は最高だと思います。原作小説も最高です。



 まったくいいことがない。
 むしろ悪いことだらけで、心身ともに疲れ果てているわたしだが、今日はほぼ唯一の楽しみである、愛する宝塚歌劇を観に日比谷へ行った。出ようとしたら超大雨で、これは駅まで行くのに(わたしの家は駅までチャリで15分、要するにすげえ遠い)、びっしょり確実だな……ということで、会社まで車で行って、会社の駐車場に車を置いて、千代田線で日比谷に行くことにした。
 で、現在、日比谷の東京宝塚劇場では、宙組公演が絶賛上演中だ。そしてその演目は、かの『シャーロック・ホームズ』である。実のところ、わたしはホームズは全然詳しくなく、映画やTVドラマでしか知らないのだが、キャストを観ると、宿敵モリアーティ教授や「あの女性(ひと)」でお馴染みのアイリーン・アドラーが登場するらしい。これはどんな話なんだろうな、と期待を膨らませて、一路、車をかっ飛ばして(会社経由で)劇場へ向かったわたしであった。
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 このところ、上手側がずっと続いていたけれど、久しぶり?に下手側でした。列も久しぶり?に10列目以降だったけど、全く支障なく、良い席でした。ただ、空席が若干目立ってたかも。。。
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 というわけで、宙組TOPスター、真風涼帆さんが当然主役のホームズであり、2番手スター芹香斗亜さんがモリアーティ教授なのは当たり前だし、このお二人のビジュアルがいつも通りおっそろしくイケメンでカッコいいのも当然なわけだが、今回わたしが一番楽しみにしていたのは、アイリーンを演じる潤花(じゅん はな)さんだ。じゅんはなちゃんは、ずっと雪組で育ち、一つ前の公演から宙組に異動してきた若手娘役さんだが、ついにTOP娘役へ登極し、今回がTOP娘役としてのお披露目公演である。
 じゅんはなちゃんという娘役さんは、美人で可愛くて、なんつうかな、わたしはこれまでの雪組時代からずっと、「この子はつええ……」と思っていた。強い、というのは、性格的なものじゃなくて(性格も強いかもしれないけど)、その存在感の大きさと言えばいいのかな、比較的背が高いというのも効いているのかもしれないけど、とにかく光ってるし、眩しさが段違いなんすよね。これはひょっとするとわたしが男だから感じる、美女に対するなんらかの生体的反応なのかもしれないけれど、わたしはいつも、じゅんはなちゃんに対しては、なんとなく無条件に見とれてしまうというか、目で追ってしまうというか、「つええなあ……確実にTOPの器の娘役だよな……」とかボンヤリと思っていたので、満を持して登極したじゅんはなちゃんに、ものすごい期待を持っていたのであります。
 そして、結論から言うと、お話的には、生粋のシャーロキアンの方が面白いと思うかアヤシイけれど、わたしには十分面白かったし、やっぱりじゅんはなちゃんのパワーに圧倒されたというか、やっぱりこの子はつええ、という思いが深まった感じであります。可愛いっすねえ! そして歌も十分アリだと思うし、高音よりも地声の部分の方がイケるのかもしれないすね。大げさかもしれないしほめ過ぎかもしれないけれど、ここ数年で誕生したTOP娘役の中では断トツに存在感あるっすね。実咲凛音さん系の美人正統派であり、愛希れいかさん系の存在感大き目系TOP娘役だと感じました。ええと、うまく言えないけどTOPスターの嫁として寄り添い、付いていく系じゃなくて、自分の道を行く系、と言えばいいのかな、そんな気がしたっす。とにかく美女。最高でした。
 というわけで、各キャラと演じたジェンヌをメモしておこう。
 ◆シャーロック・ホームズ:ご存知名探偵。実のところ、いいとこのボンボンであり、そういう御曹司キャラを演じさせたら、宙組TOPスター真風涼帆さんにかなう人はいないっすね。そして誰がどう見ても恐ろしくイケメンであり、もう、男のわたしとしては完全降伏するしかないす。
 真風さんは、いつの間にか5組の中で最古参TOPスターになってしまい、時の流れの早さに呆然としますが、きっとそろそろ、卒業を意識なさっているのでしょう。わたしは星組の若手スター時代から見守っていますが、今はまさに円熟期だと思いました。
 ◆モリアーティー教授:これまた有名キャラなので説明しませんが、ホームズの宿敵として名高い天才犯罪者。ただ……今回のお話では、若干甘かったような……モリアーティー一派にこっそり警察側(?)のスパイがいて、計画が漏れてたってのはモリアーティーらしくないミスのように感じたけど、これは原作にある設定なんだろうか。
 演じたのは前述の通り宙組2番手スター芹香斗亜さんで、芹香さんも真風さんがTOPになった時に宙組に移ってきたんだから、もうずいぶん経ったね。花組時代から考えれば、ずいぶん長いこと2番手という地位にいるわけで、そろそろ、なんでしょうな。嬉しいすねえ。芹香さんの星組時代は5作ぐらいしか観てないけれど、実はあまり印象になかったんだよな……。花組時代に比べるとホントに輝きが増して、キラキラ度はグッとアップしましたな。TOPまでもう少し。応援してますよ!
 ◆アイリーン・アドラー:これまた有名なので説明しません。が、わたしはもっと、ミステリアスで、ホームズとも敵対する悪女めいたキャラかと思っていたけれど、今回のお話では、若干弱い女性っぽさがあったり、もうなんかホームズLOVEが強くて、ちょっと意外でした。
 そして演じた潤花ちゃんは、とても良かったのはすでに書いた通りです。いいっすねえ……これから、いろいろなヒロイン像を見せてもらいたいと思います。ちょっと変態的感想で恐縮ですが、ショーでのカンカンで、わたしは潤花ちゃんのふくらはぎのくっきりした筋肉にくぎ付けになったす。大変お見事でありました。
 ◆ジョン・ワトソン:これまた「ワトソン君」でお馴染み、ホームズの相棒であり、ホームズの物語の語り手。元軍医だけど、今回のお話では医者であることはほぼ触れられず。若干影も薄くて、なんかちょっぴり残念でした。ホントは大活躍するキャラなのにね。
 演じたのは、宙組3番目スターと言っていい桜木みなとくん。もし後に芹香さんがTOPになった時、桜木くんは2番手になるとしたら、ホントに95期は大変なことになるっすね。本作ではイマイチ存在感が薄かったけど、今後に期待します。
 ◆レストレード警部:これまた有名キャラなので説明しませんが、演じたのは、この前、電撃的に雪組への移動が発表された和希そらくんで、なんか、キャラ付けとして銭形警部っぽかったすね。そらくんがあんなだみ声出すのは珍しいというか、銭形過ぎて笑っちゃったす。
 そらくんは、このBlogで何回も書いてきたけれど、わたしが宙組で一番注目してきたお方なので、異動はちょっと淋しいです。ほんと、いつの間にかそらくんも研12?かな? この前まで新人公演に出てたと思ったら、もうベテラン枠だもんな。タレントぞろいの雪組へ異動になっても、そらくんのキレのいいダンスを雪組でも観られることを期待します。
 ほかに、わたしはそもそも星組イチオシなので、やっぱり星組から移った紫藤りゅうくんに目が行くし、鷹翔千空くんは相変わらずカッコいいし、それから天彩峰里ちゃんもしっかり重要な役を務めてて、大変良かったと思います。あと、ビクトリア女王を演じたのは誰だったんだ? と分からなかったのでプログラムで確かめたところ、96期の瀬戸花まりさんでした。今まで何度も目にしてたはずなのに、今回とっても光って目立ってましたね。今後はちゃんとチェックしようと思います。
 で、後半はショー、『Délicieux!-甘美なる巴里-』であります。
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 Délicieux、ってのは要するに英語のDelicious、デリーシャス、美味い、って意味だと思いますが、そのタイトルの通り、スウィーツをモチーフとした、可愛らしくカッコイイショーでありました。まあ、お菓子、スウィーツってことで、かのマリー・アントワネット様が出てくるわけなんすけど、アントワネット様をなんと芹香さんが演じておられ、歌はもちろん女性の声だし、ラスト近くでテンションが上がったアントワネット様が、シルバーのキラキラなだるま姿になっちゃうわけで、わたしとしてはもう、度肝を抜かれました笑。これまで、何度か芹香さんの女装(女性に女装というのは変だけどそうとしか言えない)は見かけているので、実は芹香さんが超可愛いことは知ってましたが、今回は足丸出しで、その線の細さ、華奢さにビビったすね。恐らく、ご本人的には相当恥ずかしいのではないかと想像しますが、ええ、男のわたしから見れば、もう、あざっす!! としか言えないっすね。 そしてラストのエトワールを任された春乃さくらちゃんの歌声が凄い迫力でしたなあ! 102期生か……今まで全然ノーチェックだったので、今後注目したいと思います。素晴らしい歌声でした。

 とりあえず以上かな。そして最後はいつもの「今回のイケ台詞」をご紹介して終わりにしたいと思います。
 ※「イケ台詞」=わたしが、かーっ! カッコええ!と感動した台詞のこと
 「言っただろ? 次は逃がさないって」
 今回は、サーセン、正直あまりグッとくる台詞は少なかった……ような気がしますが、最後近くで、ホームズがアイリーンに言うキメ台詞にしました。この台詞からも、なんか本作ではホームズとアイリーンは相当ラブラブだったことが分かる……のではないでしょうか。この二人って、こういう関係でいいんだっけ??

 というわけで、結論。

 まあ、なんつうか、もはや人生に何の期待もなく、絶望しかないわたしにとって、宝塚歌劇の劇場にいる3時間だけは、マジですべて忘れさせてくれますな。大げさでなく、本心からそう思うよ。そして今回の宙組公演『シャーロック・ホームズ』ですが、いろいろ突っ込みたいような部分もあるけれど、これでいいんじゃないかしら。だって、宝塚歌劇だもの! それにしても、ついにTOP娘役に就任した潤花ちゃんは本当に強い輝きを持った存在感あるお方っすねえ。すごい可愛いと思うし、美人であることは誰も否定しないと思うな。歌もダンスも芝居も、もっともっと磨き上げて、伝説のTOP娘役になるぐらいの可能性を秘めているのではなかろうかと思います。ホント、強い、というのがわたしの印象すね。ぜひ、あと3年は続けてほしいです。そして2024年の110周年の運動会で活躍してください! 潤花ちゃん、応援してますよ! 以上。

↓ 久しぶりにこれも観たくなってきた。このシリーズは面白かったすねえ!

 やれやれ。あっという間に2021年が始まってしまいましたなあ。。。
 さて。現在東京都は、緊急事態宣言が発出された状態だが、昨日、わたしは既に購入していたチケットがあったので、日比谷の東京宝塚劇場へ赴くことにした。今年一発目の観劇でありますが、一応自分的言い訳としては、完全防備体制及び滞在時間を最小限にする、という方針で出かけたのだが、やはり宝塚を愛する淑女たちの意識も高く、劇場内は静かで整然としていたような気がします。
 で。現在、東京宝塚劇場で公演中なのは宙組であります。そして演目は、ホントなら去年上演されていたはずの『アナスタシア』であります。
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 この作品は、もう説明の必要はないでしょう。元々はDisneyアニメーション(※追記:サーセン、間違えました。元々はFOX制作アニメでした。今のFOXはDisneyに買収されたのでDisney+で配信されてるけど、当時はFOXでした)で、それの舞台ミュージカル化作品なわけで、ブロードウェイで上演され、さらに去年は男性キャストも普通にいる通常版が日本で上演され……たのだが、残念なことにその通常版も途中で(?)中止になってしまい、かなり上演回数は減ってしまったのでありました。
 その宝塚版が、去年の暮れの宝塚大劇場での上演を経て、いよいよ東京へやってきたわけです……が、我々宝塚ファンにとって、ちょっと謎の、そしてちょっとタダゴトではない事件が起きたのである。それは、現在の宙組TOP娘役の星風まどかさんが、この公演終了をもって「宙組から専科へ異動になる」という、ズカファンを騒然とさせた発表であります。
 確かに、「ほかの組へ異動する」ことは、いわゆる「組替え」としてある意味普通なことではあるのだが(もちろんその内容によってファンは一喜一憂してしまうけど)、TOPの地位にいる方が組替えするのは、前例のあることとはいえ、かなり、相当、いやすっごく、稀なことなのである。
 今回のまどかちゃんに起きた異例の人事通知は、現在多くのヅカファンのハートをそわそわさせている事件で、花組でTOP娘役になるための布石なんじゃないかとか、いやいや月組かもよ、とか、まあいろんな憶測が飛び交っているのである。
 わたしとしては、まどかちゃんが最終的にどうなるか、はあまり気にしていないというか、どうなっても受け入れるけれど、それよりも、ずっと宙組で育ち、2018年に晴れて宙組TOP娘役に就任して頑張ってきたまどかちゃんが、こんなに急に異動になってしまうこと自体に、なんか淋しい想いがするし、きっとご本人の胸中もアレだろうなあ、とか余計なお世話な想像をしてしまうのである。まあ、退団するわけではないので、まだまだこれからも応援できるのだが、とにかく、そういった背景もあって、今回わたしとしては宙組最後のまどかちゃん渾身の『アナスタシア』を楽しみにしていたのであります。

 で。『アナスタシア』であります。本作は、いわゆるブロードウェイ・ミュージカルの日本語版という側面もあるので、とにかく歌が多く、歌率の高い作品でありました。その一部は上記に貼りつけた動画でお楽しみいただけるので、ぜひご覧いただきたいと思うのだが、お話としては、そのタイトル通り、いわゆる「アナスタシア伝説」をDisneyらしくアレンジした、プリンセス・ストーリーになっている。
 アナスタシア伝説ってなんぞ? って人はいないすよね? 軽く説明すると、1917年に勃発したロシア2月革命によって、時のロシア帝国皇帝ニコライ2世はその一族全員とともにぶっ殺されたのだが(処刑されたのは翌年1918年7月)、その娘であるアナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァは実は生きていて……てな噂のことであります。まあ、そこからいろんな創作が行われてるし、実際に20世紀初頭はいろいろな騒動があったらしいけれど、どうやらソヴィエト崩壊後の科学調査でも、遺骨らしきものは見つかってるけど、絶対にアナスタシアの遺骨だと断定はできてない……みたいすね。
 で、少し余計な話をすると、ロシアの2月革命ってのは結構興味深い事件で、第1次世界大戦の真っただ中だったわけだけど、宝塚的に言うと、朝夏まなとさんの退団公演だった2017年の宙組公演『神々の土地』もまさしくその時のロシアのお話だし、そもそも1918年って、「スペイン風邪」が蔓延した年なんすけど、日本で言うといつぐらいか分かりますか? そう、大正7年のことで、それすなわち『はいからさんが通る』の冒頭と同じ時なのです。なので、というのも変だけど、いわゆる「亡命ロシア人」ってのは世界中にいて(例えばUSに渡った人もいっぱいいる)、一応「隣国」である日本にも結構入ってきた事実がありまして、その一例がまさしく『はいからさん』で言うところのミハイロフ侯爵なわけです。ついでに言えば、その20年後(1938年)のパリを描いた『凱旋門』でも、雪組TOPスター望海風斗さまが演じたキャラは亡命ロシア人だったし、もう一つついでに、ロシア革命の10年前のロシア(ウクライナだっけ?)の片田舎が舞台だったのが、『屋根の上のバイオリン』ですな。わたしはこういうつながりを想像するのが面白いと思うのですが、今回の物語は革命後10年を経た(=1928年ごろ?)レニングラードと、パリ、が舞台でありました。レニングラードは、もちろん革命前の帝都サンクト・ペテルブルグであり、ソヴィエト崩壊後の現在も名前が元に戻った、エルミタージュ美術館のある都市ですな。あ、そういやパリと言えば、この公演の前に上演されていた月組公演『ピガール狂騒曲』は1900年のパリが舞台でしたな。本作より約30年前、ってことになるすね。
 というわけで、どうでもいい前置きが長くなり過ぎたけど、わたし的な見どころは、もう当然、タイトルロールであり、物語の主役であるアナスタシアを、まどかちゃんがどう演じるか、にあったわけです。もちろん宝塚版なので、主役はTOPスター真風さんと見るのが正しいかもしれないけど、観終わってやっぱり思うのは、この物語の主人公は明らかにまどかちゃん演じるアナスタシアだったな、というものでありました。見事ですよ。本当にブラボーでしたなあ! わたしは、まどかちゃんに関してはTOP娘になる以前をあまり意識してなかったし、TOP娘に就任したときも、若干ロリ系のかわい子ちゃんキャラかな、とか思っていたけれど、もうその座について3年が経過し、いまや本当に素晴らしい技量を備えた、堂々たるTOP娘役に成長したと思えたっすね。歌も演技も抜群でありました。
 それでは、各主要キャラごとにメモしていくとします。と言っても、本作はいわゆる「大作」だけど、物語に関わる役が少ないんすよね……6人だけ、かな?
 ◆アーニャ=アナスタシア大公女:演じたのは散々書いている通り、宙組TOP娘役である星風まどかさん。お見事の一言っす。Disneyアニメ版とはかなりお話が違っていて、ラスプーチンは出てこないので、マジカルなファンタジー色は一切なく、アーニャのキャラクターも、もっと現実的であったと思う。そしてまどかちゃんの「芯の強さ」が光ってましたねえ! とっても良かったです。世の噂では、まどかちゃんは花組に移って『エリザベート』を演じるのでは、とか、まことしやかにささやかれてますが、本作を観て、ああ、たしかに、今のまどかちゃんなら確実に素晴らしいエリザベートを演じられるだろう、とわたしも思ったす。今年は宝塚エリザベート上演25周年だそうで、これはマジであるかもしれないすね……。
 ◆ディミトリ:若干その出自はよくわからなかったけど(いや、ちゃんと説明はあったけど詳細は忘れました)、革命から10年経た現在は詐欺師として街ではおなじみの青年。アーニャと出会い、おおっと、コイツをアナスタシア大公女に仕立て上げて連れて行けば、莫大な報奨金もらえるかもだぜ!?とひらめき、アーニャとともにパリを目指すことに。しかし、アーニャの真面目でまっすぐなハートに触れるうちに、改心して報奨金の受け取りを拒むイカした男に。なんか、わたしとしては、すごく強いて言うと『ZOOTOPIA』の狐のニック的なカッコ良さを感じたっすね。そして演じたのはもちろん宙組TOPスター真風涼帆さま(以下:ゆりか)。ゆりかちゃんは星組の下級生時代からずっと見ておりますが、超歌ウマではないにしても、TOPとして立派におなりで、ホント毎回、歌上手くなったなあ、と完全にお父さん目線で見ております。今回は歌が多く、大変だったでしょうなあ。なんか、このディミトリという役は、月組の珠城りょうさんでも観てみたい気がしたっすね。優しい感じが、たまさまっぽいというか似会いそうに思ったす。
 ◆グレブ:軍人家系(?)に生まれたボルシェヴィキ将校の青年。父はニコライ2世一家を処刑した官吏だったらしい。アーニャの正体を見極め、本物のアナスタシア大公女ならば、父のやり残した仕事としてオレが撃つ!という決意を秘めている。わたしのうすらぼんやりした記憶だと、アニメ版にはいないキャラ……かな?? でも、結末としては、とても優しい男でありましたね。すごく救われた感じがして、非常にグッと来たっす。そんなグレブを演じたのは宙組2番手スター、キキちゃんこと芹香斗亜さんであります。実際のところ出番はやや少なかった……けど、キキちゃんの歌や芝居はイイすねえ! キキちゃんも大変お見事でありました。
 ◆マリア皇太后:革命で処刑されたニコライ2世の母。わたしは全然知らなかったけれど、Wikiによるとラスプーチンとニコライ2世の妻(皇后)の接近を危険視して、さんざん忠告したり、クーデター計画なんかも練ってたみたいですね。最終的にはニコライ2世に追放され(?)、キエフへ赴き、革命が起こってから、キエフからクリミア経由でロンドンへ(ロンドンには姉がイギリス王太后として住んでいた)行き、甥のデンマーク王がいたコペンハーゲン(もともとマリア皇太后の生まれはデンマーク)に移り住んで、その地で亡くなったみたいなので、パリにいたことがあったのか、よくわからんす。第1次大戦中は赤十字活動にも熱心だったみたいで、活動的で精力的な方だったみたいですな。あ、マジかよ、2005年にはプーチン大統領とデンマーク女王との間で政府協定を結び、マリア皇太后の遺体は現在、サンクト・ペテルブルグに改葬されたんだそうな。へええ~。ま、これは歴史の話で、今回の物語ではパリに住んでたわけですが、とにかく、今回演じた宙組組長、寿つかささんが超素晴らしかったすね!! 普段は男役の組長ですが、マリア皇太后を超威厳あるお姿で演じ切っておられました。歌もとても良く、素晴らしかったの一言っす!
 ◆ヴラド:ディミトリの相棒で元下級貴族。パリに住むマリア皇太后の侍女、リリーの元カレ(?)。ディミトリのアナスタシア計画に協力する。演じたのは、公式3番手と言っていいのかな、宙組95期の桜木みなとくんでした。意外とソロ曲もあって、おいしい役でしたが……ヒゲが……つけヒゲ感満載で……なんか最後まで、若干違和感を感じたかも……うーーむ。。。
 ◆リリー:マリア皇太后の秘書のような役割で働く侍女。皇太后の前ではつつましい淑女だが、夜はパーッと飲みたいお方のようですw 演じたのは、わたしが宙組でいつも一番チェックする和希そらくん。そらくんもなんかここ数年、女性役が多いすね。ちょっと小柄で美人だから便利に使われちゃうのかな……でも本作はおいしい役が少ないので、リリー役にそらくんが起用されてわたしとしてはうれしいす。大変な美人でした。歌もちゃんと女声で良かったし、ちょっと驚いたことに、フィナーレのダンスでもずっと女装(※女性に女装というのは相当変だけどそうとしか言えない)で、目立ってたっすね。何度もこのblogで書いてますが、男のわたしから見ると、そらくんは女子としてとてもかわいいと思います。
 とまあ、以上の6人が、きっちり物語にかかわるキャラクターで、ヒドイ言い方をすればこの6人以外はその他大勢、でした。でも、その中でも、星組から宙組へ組替えしたばかりの紫藤りゅうくんはそこらじゅうでいろんな役で出て頑張っていたし、まどかちゃんの次に宙組TOP娘役就任が決まっている潤花ちゃんも、やっぱり抜群に目立つ美人ぶりで、いろいろな場面でチラッと出てきてもすぐわかるっすね。わたし、潤花ちゃんの美貌はよく知ってるんすけど、歌える方なのかよく知らないので、今後楽しみにしたいと存じます。
 
 とまあ、こんなところかな……もう書いておきたいことはないかな。。。
 さて、では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「お前は誰なんだ!」
 「わたしは、アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァよ!」
 今回はやっぱりこの、アーニャの堂々たるセリフが一番しびれたっすねえ! この問いかけ、お前は誰なんだ、といいうのは、おばあちゃんであるマリア皇太后と、ボルシェヴィキのグレブの二人から問いかけられるのだが、答えるときのアーニャの心情は若干ニュアンスが違うんだけど、どちらのシーンもまどかちゃん渾身の気持ちがこもってたっすね! 実にお見事でした!

 というわけで、結論。
 今年一発目の宝塚歌劇を、緊急事態宣言下の日比谷で観てきたわたしでありますが、たしかにブロードウェー・ミュージカルの大作だけあって、歌率が高く、ことごとくいい歌で、これは久しぶりにライブCDでも買おうかしら、と思える作品でありました。やっぱり、わたしとしてはどう考えても主役はそのタイトル通り、アーニャことアナスタシアだったと思います。お話的には、結構トントン拍子というか、ご都合主義的でもあるかもしれない。そしてエンディングも、実にピースフルで、非常にDisneyっぽいすね。だが、それがいい!のであります。ホント、今はイイことなんで全然ない暗い世相だし、わたし個人もホントにアレな毎日ですが、やっぱり宝塚歌劇は最高ですよ! とても楽しめた2時間半でありましたとさ。はっ! そういえば、2階で東京宝塚劇場の新装20周年記念の展示をやってたのに、全然見てくるの忘れた!! だって混んでたんだよ……! 次回、雪組が取れれば、ちゃんとチェックして来ます。以上。

↓ まあ、予習の必要はないっすね。ただ、ロシア革命の流れは知ってた方がいいかも、す。
アナスタシア (字幕版)
Christopher Lloyd
2013-11-26

 というわけで、あっという間にもう、2月も中盤に差し掛かるのだが、わたし的今年初の宝塚歌劇を鑑賞してまいりました。お正月から東京宝塚劇場で始まったのは、宙組公演であります。来週で終わりかな、ギリでやっと観てまいりました。
 今回はお芝居とショーの二本立てで、そのミュージカル『El Japón-イスパニアのサムライ-』は、歴史好きにはお馴染みの、なんと慶長遣欧使節団のお話であります。つまり舞台はスペインとなるわけだが、主人公は武士、侍であって、和物でもあり洋物でもあるという不可思議な舞台でありました。

 わたしは「慶長遣欧使節団」に関しては結構調べたことがあって、現代においてもスペイン(やメキシコ)に「ハポン」(=日本)という姓の人々がいて、侍の末裔と呼ばれていることも知っている。簡単に言うと、関ヶ原の後の1613年に、仙台藩主、独眼竜でお馴染みの伊達政宗公が、スペインとの交易のために使節団を派遣したのだが、これがまたかなりドラマチックな道筋をたどっていて、太平洋を渡ってメキシコにつき、メキシコから今度は大西洋を渡ってスペインへ、という凄いルートを取っている。そしてスペイン国王に謁見することに成功するし、ローマ教皇にも会えた、のだが、結局は日本という国家の代表ではなく、地方領主である伊達家ということで、交渉は全然うまくいかず、しょんぼり帰ってくるという結果に終わったものだ。そしてどうやら帰国せずにスペインに留まった連中もいて、その子孫が今でも「ハポン」を名乗っているというわけだ。
 というわけで、今回のお話は、とある理由でその使節団に参加を命じられた一人の武士が、スペインの女性と恋に落ちるお話であります。まあ、観終わった今となっては、かなりトンデモ物語で、ラストは結構唖然としてしまうのだが……それでもやっぱり演じる皆さんのカッコ良さは極上で、ま、細かい無粋なツッコミを入れるのはやめておこうと思います。
 なので、主なキャラ紹介と演じたジェンヌを5人だけ列挙してお茶を濁そうと思います。まず最初は、物語を説明するためにもこの人からにしよう。
 ◆藤九郎:架空の人物で、和賀の一族の若者。和賀、というのは、岩崎一揆を起こして津軽南部藩に反乱を起こした一族なんだけど、元々は秀吉の奥州仕置に反抗するもので、Wikiによると伊達家に扇動されたものらしいですな。で、結論から言うと伊達家に裏切られ(?)てしまい、そのことでこの藤九郎は伊達政宗暗殺をもくろむけど、主人公に阻止されてしまい、結局遣欧使節団に参加することで命は救われると。なかなか複雑な若者ですが、演じたのはわたしが宙組を観る時一番注目している和希そらくんであります。やっぱり、そらくんはいいですなあ! 芝居も歌もダンスもお見事で、もうチョイ出番が多ければよかったのにね。ただし、今回はショーでは女装もあって、これがまた最高に美人!でオレ得でした。やっぱりこのお方は、Halle Berryさんにとても良く似てると思うね。特に女装時のブロンドショートが最高でした。帽子かぶってたけど。口の形が超美しい!
 ◆蒲田治道:主人公。この人は実在の人、だけど、本当は岩崎一揆の後、仙台に戻る時に戦死したみたいすね。本作では、生きてます。そして藤九郎のお姉さんと恋中だったという設定になっていて、藤九郎が政宗暗殺を企てたことを詫びるために、死罪にしてくれ、とお願いするけれど、政宗に、じゃあ生きて遣欧使節団に参加しろ、てな展開となる。なので、本作ではずっと、わたしはもう刀を捨てたのだ……的に死に場所を求めているのだが、スペインでの出会いに、再び剣を取る!という王道の展開となります。演じたのは勿論、宙組TOPスター真風涼帆さん。やっぱりビジュアルは最強レベルのカッコ良さっすね。もうTOP就任2年が経ったんですなあ。わたしが一番応援している星組出身。その長身と御曹司ぶりは宙組にぴったりですな。
 ◆アレハンドロ:架空の人物で、謎のガンマン&剣士。主人公のライバルキャラかと思いきや、意外と出番は少ない。基本チャラいけどイイ人で、ラストは、えっ!? そういうことだったの!? とお話を強引に(笑)まとめる役割。演じたのは宙組2番手スター芹香斗亜さん(以下:キキちゃん)。キキちゃんはもう、なんつうか余裕っすね。でもホント、意外と出番が少なかったのが残念す。銃の名前はアドリブじゃなく、台本に書いてあったとおっしゃってました。アレはどうなんでしょうな……笑。
 ◆カタリナ:スペインで宿屋を経営する未亡人。地元の有力者の強欲エロオヤジに狙われている。殺されてしまったご主人は、実はアレハンドロの親友だったという設定。アレハンドロは、親友に代わってカタリナを守ろうと思っていたが、治道の出現に、フッ……オレの出番じゃあないようだぜ……とクールに去る、みたいな、車田正美的展開に(笑)。で、カタリナを演じたのは勿論宙組TOP娘役の星風まどかちゃん。まどかちゃんは基本ロリ系だと思ってたけれど、今回も少し年齢UPな感じで、地声に近いのかな、低い声で演じ、歌ってましたな。基本的にわたしは低い声の女子が好きなので、わたし的にはアリです。
 ◆エリアス:強欲エロオヤジの息子だが、親父にうんざりしていて王立(?)剣術学校に修行に出ていた。主人公のライバルキャラだけど、意外とあっさり負け&改心(?)する、若干イマイチよく分からんキャラ。演じたのは、このところグイグイ存在感が増してきた桜木みなとくん。なんか、やっぱり全作『オーシャンズ』での経験がグッと効いてるんすかねえ、かつてはちょっとかわいい系の若者役が多かったような気がするけど、今回も前回同様、非常に大人になりましたなあ、これはマジで次の2番手もありそうすね……。宙組念願の生え抜きTOPはあり得るのでしょうか。ホント、グッと存在感が増してますな、ずんちゃんは。
 というわけで、正直トンデモすぎて、歴史好きのわたしにはちょっとアレだったミュージカルだが、後半はキラキラの炸裂するショー『アクアヴィーテ』であります。以前、花組で「ワイン」をテーマにしたショーがあったけど、今回は「ウィスキー」をメインテーマとして繰り広げられるキラキラショーでした。わたし的には、最初に書いた通り、和希そらくんの女装が一番のハイライトでしたな。そしてそらくんは何気にセンターで歌うことも多くて、大変良いと思います。ダンスのキレも素晴らしいですな。
 あと、今回はわたしはセンターブロック下手側の通路側だったわけですが、客席降りでやってきた鷹翔千空くん(以下:こってぃ)と乾杯出来たっす! もう大興奮、すげえ綺麗でカッコ良かったすね。こってぃくんは101期生、新公主役も2回経験している路線スターなので、今後宙組を観る時は応援したく存じます。若干、顔つきが龍真咲ちゃんに似てるような気がするっすね。でも背も高いし、正統派の美形ですな。今年で研5か。よし、将来TOPスターになることが出来たら、オレ、研5の時超近くで乾杯したぜ!って自慢しよう!

 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「こうみえても、オレは謙虚なんだぜ!?」
 今回は、スカしたキキちゃんのこのセリフを選びます。しかしキキちゃんの2番手生活もホント長くなりましたなあ……宝塚人事は全く予測不能ですが、キキちゃんのチャラいけどイイ奴、というキャラも、もはや定番になりつつあるわけで、そろそろまた、強力にギラついた悪党も見たいものですね。そして、宙組では和希そらくんとともに、こってぃこと鷹翔千空くんも今後応援いたしたく存じます!

 というわけで、結論。
 現在東京宝塚劇場で絶賛公演中の宙組公演『El Japón-イスパニアのサムライ-/アクアヴィーテ!! ~生命の水~』をやっと観てきました。題材が慶長遣欧使節団ということで、歴史好きのわたしはちょっと色めきたつほど期待したのだが……まあ、はっきり言ってトンデモすぎたし、エンディングもかなりあっという間に事件は解決してしまって、なんかちょっと……アレだったすね、やっぱり。だけど、やはり今の宙組は安定してますな。TOPスターの真風さんと2番手のキキちゃんのコンビは、実にどっしり?しているというか、余裕があるというか、安心して視てられますね。そして、今回のわたしの結論としては、やはり、和希そらくんは女子としてもとても美人で、女装もばっちこい!の別嬪さんであったということでありましょうか。さらに、宙組期待の鷹翔千空くんも非常に美形ですな。要するに、宙組の将来も盤石、ってことで、結論といたしたく存じます。なんか変な結論だけど、以上。

↓ 天正の遣欧使節団は九州のキリシタン大名、大友宗麟が派遣したものでこちらも大変興味深いす。伊達政宗は公益を求めて派遣したけど、こっちは宗教的な派遣ですな。



 わたしは2010年に初めて宝塚歌劇を生で体験し、うおお、コイツはすげえ、なるほど、これは世の淑女たちが夢中になるのも納得だ、と理解したわけだが、わたしにとっての最初の生・宝塚が、当時のTOPスター柚希礼音さん率いる星組公演であったため、以来、わたしは星組をイチオシとして応援している。
 タイミング的には、わたしが初めて観た作品は、柚希礼音さんがTOPに就任した2作目の『ハプスブルクの宝剣』という作品だったのだが、何が言いたいかというと、タイミング的に非常に幸運であったということで、おかげで柚希礼音さんのTOP時代の作品はほぼすべて、劇場で観ることができたということだ。つまり――わたしは今、日比谷の東京宝塚劇場で絶賛公演中の『オーシャンズ11』の、星組版初演(2011年)もちゃんと生で観たわけであります。
 というわけで、現在東京で公演中なのは宙組であります。そして現在の宙組TOPスター、真風涼帆さん(以下:ゆりか)は、まさしく柚希さん時代に星組に在籍していて、『オーシャンズ』の初演にも出演していたし、新人公演では主役のダニー・オーシャンも演じたわけで、完全におじいちゃん目線で舞台を見つめるわたしには、あのゆりかが、オーシャンズでダニーとして真ん中に立つ日が来たんだのう……と感無量なわけです。さらに言えば、現在の宙組2番手スター芹香斗亜さん(以下:キキちゃん)も初演時には星組生で、今回演じたラスティ―という役を新人公演で演じており、まさしく2011年の星組版新人公演コンビが揃って今再び、TOP&2番手として同じ役で舞台に立ったわけで、まあ、控えめに言って胸が熱くなるわけです。
 なんつうかもう、ビジュアル的にも本当にカッコいいですなあ! この映像を見てくださいよ。まあ、すべての世の淑女の目がハートになっても、これはもう無理ないでしょうな。男としては大変悔しいですが、これはどうやっても勝てっこないす。

 というわけで、宙組版『オーシャンズ11』であります。本作は、曲がとてもカッコ良くて、大変面白い作品としてわたしの記憶に残っているのだが、ま、お話的には映画版をベースにはしているけど、別物と思っていいかな。
 そしてメインの二人、ゆりかとキキちゃんについてはもう期待しかなく、ポスタービジュアルが発表されたときからそのカッコ良さは間違いないもので、何の心配もしていなかったのだが、わたしとしては以下の点について、若干、どうなるだろう、大丈夫かな、とか余計なお世話の心配もしていたのであります。
 ◆ヒロインのテスについて
 演じるのは当然、現・宙組娘TOPの星風まどかちゃん(以下:まどかちゃん)なわけだが、わたしの印象では、まどかちゃんは若干ロリ感のある、可愛い系女子である。一方、物語のヒロイン、テスという役は、どちらかと言えば大人女子であって、そこにまどかちゃんとの親和性を感じられなかったのだ。だが、観終わった今、結論を言うと、超大丈夫、であった。つうかですね、まどかちゃんはこういう役も全然平気だったんすね。これはわたし的にはちょっとした発見で、へえ~と感じられた。なんか、芝居の時の声もいつもと違って少し抑え目の声だったような気がするし、なんか、芝居の時も歌の時も、声が星組版テスを演じた夢咲ねねちゃんに似てたような気がしますね。ビジュアルは全然違うけれど、声だけ、すごい似てたように思った。そしてなんといっても、サーセン、セクハラで大変恐縮なんですが、まどかちゃんのケツラインが超キレイで美しく、超セクシー!!であった。男目線からすると、あのプリケツは超・極上す。今回はタイト目のスカートが多くて、実に眼福でありました。素晴らしいす。
 ◆敵役ベネディクトについて
 この役は、初演時は現星組TOPスター紅ゆずるさん(以下:紅子先輩)が演じ、さらに2013年の花組版再演では現雪組TOPスター望海風斗さん(以下:のぞ様)が演じた重要な役だ。ベネディクトが、カッコ良くて嫌な奴でないと物語は面白くなくなっちゃうわけで、紅子先輩は何気に「嫌な奴」を演じるのが得意だし、のぞ様の「ぐぬぬ!」と怒り悔しがる様は超秀逸で、それぞれ最高だったわけです。なので、宙組で『オーシャンズ』を再再演するということを聞いた時、おお、そいつはゆりか&キキでやれば、最高に決まってんじゃねえか!と思ったものの、はて、ベネディクトをやれる人材が今の宙組にいたっけ? とか思ってしまったのである。ちょっと前ならば、先日宙組から専科に異動になってしまった愛月ひかるさんが、きっとベネディクトを演じたのは間違いないと思う、けど、今はいない。じゃあ誰が……? と思っていたところで発表されたのが、桜木みなとさん(以下:ずんちゃん)である。この発表には、えっ、お、おう……? という感想を持ったわたしだが、観てきた結論としては、まあ、十分レベルの高いパフォーマンスを見せてくれたとは思う。ずんちゃんのこれまでのキャリアからすれば、新境地なんでしょう。唯一アレなのは、やっぱり背の低さですかね……。でもまあ、期待には十分こたえてくれたと思います。
 ◆ソラ・カズキの活躍に期待!
 わたしのヅカ友の女子が、和希そらさん(以下:そらくん)の贔屓であるため、わたしも宙組を観る時はそらくんに注目するのだが、今回の『オーシャンズ』ではどの役を演じるんだろう?と楽しみにしていたら、発表されたのは、映画版ではMatt Damon氏が演じたライナスの役であった。ライナスと言えば、星組版初演でゆりかが演じ、花組版再演ではキキちゃんが演じた、若手にとっては大きい役なわけで、わたしとしては、これまで、実力は極めて高いけれどイマイチ役に恵まれなかったそらくんにもとうとう大きい役が来た! と大変うれしくなったのであります。そしてそらくんはきっちりとその期待に応えてくれましたな。そらくんは、まず第一にダンスのキレが素晴らしく、そのビジュアルも、実は女子として大変な美人なのだが、大変カッコ良かったすね。そらくんも、唯一の弱点はやっぱり身長が少し低めなんだよな……そこだけですよ。歌もかなりうまいし、わたしとしては、もうそらくんには是非、我が星組に来てほしいと思う人材ですね。秋に星組TOPスターになることが確定した愛しのこっちん(礼真琴さん)と共に、歌って踊れる人材として、マジで星組に欲しいすわ。今後も、宙組を観る時はそらくんに注目したいと思います。
 あとは……わたしが観ながら、おお、この人はイイですなあ! と思ったのは、元星組の100期生、天彩峰里ちゃん(以下:じゅりちゃん)かな。演じたエメラルドは、舞台上にかなり頻繁に登場する3人の美人シンガーの一人なのだが、これまで妃海風ちゃんが新人公演で演じたり、仙名彩世さんが花組版で演じた役で、要するに歌ウマじゃないとダメな役なわけですが、じゅりちゃんも大変良かったすね。
 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 ダニー「テス、本能に従うんだ……」
 テス「これが本能よ!」(ピシャッとビンタを喰らわす)
 ダニー「……快感だぜ……」(と、ニヤリとしておもむろに無理やりキス!)
 今回は、ダニーのこの若干変態めいたこのシーンを選びました。つうかですね、男のわたしには、テスがダニーに惚れ直す理由が良くわからんというか、あんだけ嫌いと言っといて、元サヤに戻る展開は正直謎なんすけど……やっぱり、女子としてはこういう強引さも欲しいんすかねえ? え、全然違う!? まあ、それが分からんからわたしモテないわけです。なるほど、納得。いや、納得してる場合じゃねえし!! くそう!

 というわけで、結論。
 8年前(!)に観た、宝塚歌劇による『オーシャンズ11』が令和の世となって大復活、再再演となったわけだが、TOP&2番手コンビのカッコ良さは、男としてはもう完全にお手上げですよ。最強のカッコ良さは男が観ても痺れるっすな。それにしても、真風涼帆さんは、どこかクラシカルな、堂々としたTOPスターだし、芹香斗亜さんも、今すぐにTOPスターになっても何ら問題のないキラキラオーラがあふれ出していて、最高でした。そしてわたしとしては、和希そらさんの今後を見守りつつ、星組に来てくれねえかなあ、という夢を見続けたいと存じます。今の星組に必要な人材だよ……そらくんは。しっかし、どうでもいいけど、ホントにチケットが取れないのがつらいす……今のところ、次の雪組公演はチケット全滅で観られそうにないし、その次の、わたしイチオシの星組公演もチケット獲れなかったらどうしよう……と大変心配す……。ファンクラブの取次もお断りを喰らうことが多くて悲しい……。。。ちなみに昨日わたしが観たのは、宝塚友の会優先公演でフツーに買えました。アドリブでは「友の会」推しでしつこいぐらいに笑わせてくれましたとさ。以上。

↓ 特に映画を予習する必要はないです。が、可能なら初演の星組版・再演の花組版は見といた方がいいと思うな。柚希礼音さんのダニーは、ウルトラカッコええす。
オーシャンズ11 (字幕版)
ジョージ・クルーニー
2013-11-26





 宝塚歌劇を観るようになって8年が過ぎた。宝塚歌劇は、花・月・雪・星・宙の5組あるわけだが、実はわたしが記載した順番がオフィシャルの「並び順」で、わたしが最も愛している星組は、4組、4番目に出来た組、にあたる。そして並び順として一番後ろに記載される宙組は、5番目に誕生した組であり、その歴史が最も新しく、なんと今年は宙組誕生20周年のアニバーサリー・イヤーとなっている。
 わたしは、約30年前の大学院生のころ、後輩の超かわいい女子が大のヅカファンで、そのころ周りにWOWOWに加入しているのがわたしだけだったため、その女子のたっての頼みで毎月WOWOWのヅカ放送をVHSに録画してあげていたことがあるのだが、あの当時、宙組はなかった。そしてわたしも、ほぼ宝塚歌劇には興味がなかった。しかし、そんな宝塚歌劇に興味のなかったわたしでも、日比谷の東京宝塚劇場の建て替えのことはよく覚えていて(なぜならわたしは映画オタクなので、今の東京宝塚劇場の横にあった日比谷スカラ座によく行っていたから)、1998年から取り壊して建て替える間だけの限定劇場として、有楽町駅前にあったTAKARAZUKA1000days劇場のこともよく覚えている。もちろんわたしは当時はヅカファンではなかったため、中に入ったことはなかったけれど、このタイミング、1998年1月1日に誕生したのが宙組なのだ。この宙組誕生は当時結構ニュースになっていて、ヅカファンではなかったわたしですら、うっすら覚えているほどだ。しかしあれからもう20年。ホント、なんつうか、時の経つのが速すぎて、なんかもう、ヤレヤレ、ですな。
 さて。以上はいつも通りどうでもいい前振りである。
 わたしは今日、現在東京宝塚劇場で絶賛上演中の宙組公演『天は赤い河のほとり/シトラスの風』を観劇してきたのだが、結論から言うと大変面白く、実に楽しめたのであります。今回の公演は、去年新たに宙組TOPスターに就任した真風涼帆さん(以下:ゆりか)の大劇場お披露目公演であり、ずっと星組を応援してきたわたしとしても、大変感慨深いのである。えーと、これはヅカ道初段以上の方にはわたしの気持ちが通じると思うけど、まあ、あとで説明します。いやあ、ホント、物語としても面白かったし、ゆりかちゃんのTOP姿も大変結構なお手前で、わたしとしては大満足の一日であった。

 今日の演目は、ミュージカルとレビューショーのいわゆる2本立てである。まず、ミュージカルの『天は赤い河のほとり』だが、これは小学館のフラワー・コミックスかな、篠原千絵先生による少女漫画が原作で、単行本だと全28巻と結構長い物語だ。わたしは、映画や芝居など原作が存在する場合はかなり高確率で原作を予習してから観に行く男だが、今回は原作を一切予習せずに観劇することにした。ええ、まあ、長くて、全部買うのがつらかったんすけどね、単に。なので、全く事前知識ナシで今日は日比谷に推参した次第だが、のっけから言っておくと、原作未読でもキッチリ物語は理解できたし、楽しめたのは間違いないと思う。物語は、現代の女子高生(?)ユーリが、なんと古代オリエント、ヒッタイト族の支配する国へタイムスリップ、そこで出会ったイケメン王子カイルと恋に落ち、帝国建国のカギとなる様子を描いたものだ。
 わたしはそれほど古代オリエント史に詳しくはないが、ヒッタイトと言えば鉄器、ぐらいの知識しかなく、ずいぶんとマニアックな設定だな、と思いながら見ていたのだが、ズバリ言うと結構トンデモストーリーで、なんで言葉が通じるんだ? とか、普通の女子高生にしては相当様々な能力が高いな、とか、どうでもいいツッコミを入れたくなる物語であった。
 けれど、まあ、そんなのは野暮の極みなのでどうでもいい。カッコいい男たちとヒロインの歌に酔いしれれば、もうそれでいいのです。それに、物語はなかなかダイナミックでピンチの連続であり、最後まで飽きさせない作りは大変楽しめたし、わたしとしてはもう、十分以上にアリ、だと思う。
 というわけで、本作の主人公カイルを演じたのは、当然のことながら宙組TOPスターとなったゆりかちゃんである。彼女は、元々星組で育ち、その後2015年かな、宙組へ移ったお方なのです。なので、わたしは彼女が星組で活躍していたころを何度も観ており、あの当時は、3番手とかそれ以下の若手スターの一人であったわけで、そのゆりかちゃんがとうとうTOPに登極した姿を見るのは、やっぱりうれしいし、感無量なわけです。ホント、ゆりかちゃんは超イケメンだけど、かつては歌が……という弱点があったけれど(ファンの皆さんサーセン!)、やっぱりわたし的には2年前の『エリザベート』でのフランツを見事に演じきった経験が効いているような気がしますね。もう今や、グンと歌も良くなって、TOPとして堂々とした姿は眩しいほどでありました。今回は衣装もとてもカッコよかったすね。髪型もとても似合っていたし、純粋なイケメン度は、わたしの感覚では現役最強クラスだと思う。
 しかし、その主人公よりも、実はわたしが本作で一番カッコいいと思ったのは、主人公の友軍(?)であり、後に闘うことになるライバルキャラの、エジプトの将軍ラムセスだ。彼は後の古代エジプト第19王朝の初代ファラオ、ラムセス1世のことで、ちょっとした歴史知識があると、おお、とか思ってしまうキャラなのだが、演じた芹香斗亜さん(以下:キキちゃん)が大変素晴らしかった!! いやあ、キキちゃん、もう宙組の一員としてすっかりなじんでいるように見えて、ホント安心したよ。キキちゃんも、実は元星組で、わたしはその頃を2回ぐらいしか見ていないけれど、その後、花組へ移り、花組の2番手として順調にキャリアを積んでいたのだが、去年、わたし的には結構前触れなく急に宙組に異動になって、ちょっと心配してたのです。しかし、全然心配いらないみたいで安心したっすわ。今年の初めの国際フォーラムでの『West Side Story』はチケットが取れなくて、キキちゃんが宙組の舞台に立つのを今日初めて見たけど、大変カッコ良く、歌も芝居もまたレベルアップしたような気がしますね。今回のキキちゃんは、花組時代よりもなんか生き生きしてたように感じたっす。そもそも、宙組は平均身長が一番高い、スラッとしたイメージがあるけど、身長面でもキキちゃんは実は宙組がお似合いだったんだね。この異動は正解だったと思いたいす。最高でした。
 そして、ある意味、キキちゃんの宙組異動の割を食ってしまったように感じたのが、ずっと宙組で頑張ってきた愛月ひかるさん(以下:あいちゃん)だ。今回は……ちょっと出番少なかったような気がするなあ……あいちゃんは、どうだろう、世間的には演技の人、かなあ? 今回の役は、最初は主人公と敵対する「黒太子」としてビジュアル的にも非常に目立つ役なのに、終盤、主人公の味方として戦力に加わるのはちょっとよく流れが分からなかったかも。おそらく原作ではもっとエピソードの多い重要人物なのではないだろうか……。あいちゃんはわたしの地元出身なので応援してきたのだが、キキちゃんと同期であり、序列として、キキちゃんの下になってしまったわけで、なんか、ちょっと複雑すね……。でもこれからも応援したいと存じます!
 そして、わたしが宙組を観る時に必ず双眼鏡でチェックするのは、若手の和希そらくんだ。わたしのヅカ友の若い女子がファンクラブに入っているので、つい目が行ってしまうのだが、今回のそらくんは、それほど目立つ役ではなかったのもちょっと残念だったかも。でも、明らかにそらくんはダンスの人で、ダンスのキレはピカイチでやっぱり目立ってたすね。そらくんも若手とはいえ96期、もう新公学年(入団7年目まで)は卒業しているわけで、中堅として組を支える貴重な戦力に育ちましたな。この公演の後には初めてのバウホール主演も控えているし、今後も応援するよ!
 あと二人。ヒロインの女子高生を演じた、宙組のTOP娘役、星風まどかちゃんにつていも一言メモしておくと、まあ、可愛いですな。そして歌もやっぱり相当イイすね。100期生、まだ入団4年目と若さあふれる娘役で、初々しさがありますな。彼女もこの公演が大劇場お披露目なわけで、まあ、余人には計り知れないプレッシャーで押しつぶされそうな気持ちだろうなと思う。でもそれを感じさせない、舞台上の堂々とした姿はとても素晴らしかったすね。アカン、もう完全にお父さん目線でしか観られないす。わたしはまどかちゃんのこれまでをほとんど注目してこなかったけれど、今後はしっかり、その成長を見守りたいと存じます。
 最後。本公演をもって退団を発表されているのが、マギーさんこと専科の星条海斗さん。見た目も声も、とても特徴あるマギーさん。舞台に登場すると一発でマギーさんだ! と分かる存在感はさすがだと思います。月組時代からずっと舞台上のマギーさんを観てますが、これで見納めかと思うと淋しいすね。マギーさんは86期か。つまり凰稀かなめさんやキタさん(緒月遠麻さん)と同期か。専科の方は退団セレモニーとかあるんすかね? 淋しいすなあ……。
 というわけで、後半は「ロマンチック・レビュー」の『シトラスの風』である。この演目は、宙組創設時の第1回目の公演演目であり、宙組を代表するレビューショーだ。実はわたしは、映像でしか見たことがなく、生で観るのは今日が初めてなので、それほど思い入れはないのだが……でもやっぱり、耳に残るイイ曲がそろってますねえ! とりわけ、ラスト前の「明日へのエナジー」は、とてもグッとくるすね。わたしの隣の席の淑女が、ずっと涙を流されて感動していたのが印象的でした。わたし的にこの曲は、LEGENDちえちゃん(柚希礼音さん)の武道館コンサートでお馴染みなのだが、生の『シトラスの風』はやっぱり大変良かったです。ここでは、やっぱりキキちゃんにわたしは注目していたし、そらくんのダンスのキレは素晴らしく、やっぱり目立ってたと思います。
 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 カイル「ユーリが世話になったようだな!」
 ラムセス「ああ、お前がほったらかしているようだったからな。ちょっと可愛がらせてもらったぜ!」
 カイル「じゃじゃ馬で面倒かけただろう!?」
 ラムセス「なかなか乗りこなしがいのある馬だったぜ!
 カイル「本当に乗りこなせたのか?」
 ラムセス「心配ならもう二度と離さないことだな!!
 今回は、ラストのカイルVSラムセスの闘いの幕を切って落とす二人のやり取りを選びました。ここのキキちゃんはすげえカッコ良かったすね! ラムセスも、すっかりヒロインLOVEになりつつあって、カイルへの当てつけ的なこのやり取りはしびれるカッコ良さだったす! キキちゃん、宙組でも一番応援するからな!

 というわけで、もう取り留めないので結論。
 現在、日比谷の東京宝塚劇場で上演中なのは、コミック原作のミュージカル『天は赤い河のほとり』と、宙組設立20周年記念?のロマンチック・レビュー『シトラスの風―Sunrise―』の2本立てである。わたしはコミック原作を予習しないで観に行ったのだが、結論としては全然大丈夫であった。そしてなんといってもビジュアルが非常にカッコいいし、新TOPのゆりかちゃんのイケメンぶりは最強レベルであろうと思う。そして宙組へ異動になったキキちゃんもカッコ良かった! ただ、その分あいちゃんが割を食ってしまっているようにも思え、その点はとても複雑な思いである。とはいえ、いずれにせよ宙組の新体制は盤石だと思うし、これからも応援したいと思うお披露目公演でありました。そしてマギーさんの最後の雄姿をずっと忘れずにいたいと存じます。千秋楽まで、すべてを出し切って駆け抜けてください! お疲れ様でした! 以上。

↓ こちらが原作コミックですな。実はすごい読みたい。誰か持ってないかなあ……。自分で買うしかないか……。

 全くどうでもいいことなのだが、わたしは実のところ、今までに病院に行ったことがない。いや、それは極端な言い方なので正確に言うと、もちろん歯医者や健康診断とか、あるいは子供の頃の風疹だとか、そういう場合には当然病院へ行っているのだが、体調不良だとか、風邪とか、そんなもので病院へ行ったことがない、ということである。病院へ行くほどの怪我もしたことないし。
 ただ、そんな頑強なわたしでも、もはやアラフィフのおっさんなわけで、ここ10年ぐらいは、年に1回か2回程度は風邪を引くようになり、場合によっては熱が出てブッ倒れることもある。そんなわたしが、どうも昨日の朝、目が覚めたところで、のどに違和感があって、くそ、コイツはやっちまったかも、と思いながら出社して仕事をするうちに、のどはそれほど痛まない代わりに、今度はどんどんと鼻タレ状態になってきた。なので、昨日はどうも午後からは、鼻をすすることが多かったわけである。
 と、以上はいつも通りのどうでもいい前振りである。
 昨日わたしは、そんな若干の体調不良ながら、冷たい雨の中、日比谷の東京宝塚劇場へ推参し、愛する宝塚歌劇団の宙組公演『神々の土地~ロマノフたちの黄昏~/クラシカル・ビジュー』を観てきたわけである。今回の公演は、宙組TOPスター朝夏まなとさん(以下:まぁ様)の退団公演であり、わたしても非常に淋しく、これで見納めか……と冷たい雨&若干の体調不良&退団公演、というコンボによって猛烈にしょんぼりというか、淋しいなあ……という気分になったのであった。

 まぁ様は、以前も書いた通り、実はわたしは花組時代をほぼ見ておらず、宙組に異動になった1作目『銀河英雄伝説』(2012年)を観た時から、赤毛のジークでお馴染みのジークフリート・キルヒアイスを演じたまぁ様を気にするようになった。元々わたしはオタク野郎として長大な『銀英伝』を何度も読んだことがあたので、最初からジークに注目していたのだが、実に、まぁ様の演じるジーク振りが良かったのである。なので、観た翌日、チケットを取ってくれたわたしのヅカ師匠に、「いやあ、朝夏まなとさんという方が特に良かったすねえ!」と報告したところ、「あら、さすがお目が高いわね、まぁくんは今後確実に宙組を引っ張る人材よ。今から応援するのはとてもいいことだわ」とほめられたのをよく覚えている。以降、たぶんわたしは宙組の大劇場公演はずベて観ているはずだ。そして、当時、わたしが一番応援している星組から宙組に異動になってTOPに君臨していた凰稀かなめさん(雪→星→宙へ移動を経験したお方)よりも、実はまぁ様をずっと見つめてきたのである。
 そのまぁ様は、2015年に晴れてTOPスターに登りつめ、「宙組の太陽」として組をまとめてきたわけだが、いよいよ今回退団・卒業を決心されたわけで、わたしとしてはその最後の雄姿を見届ける義務があろう、というわけで、昨日はいろんな想いを抱きながら劇場へ向かい、舞台を見つめてきたのである。はあ……やっぱり……ホントに淋しいすね……。。。くすんくすんしていたのは、悲しかったことと鼻タレ状態だったことの両方です(以上、前振りの回収完了)。
 しかし、物語は退団公演という雰囲気はあまりなく、実にまっとうなストレートプレイとでもいった方がよさそうな作品で、歌も最小限だったし、正直に言うと、もうチョイ華やかさとか、歌と、それからまぁ様最大の持ち味とわたしが考えているダンスを見せてもらいたかったような気も、若干している。これは今年の雪組の『幕末太陽伝』でも感じたことだが、なんか……うーん、もうチョイ、サヨナラ感があってほしかったような……何しろ、わたしは去年の今頃観た、星組の当時のTOPスター北翔海莉さん(以下:みっちゃん)の退団公演『桜華に舞え』で激泣きしたわけで、あの内容は、明確に、想いを次世代へ託す、というものだったので、そこにみっちゃんの気持ちを重ね、そしてその想いを継ぐ現在の星組TOPスター紅ゆずるさん(以下:紅子先輩)の、「おはんが伝えたかった”義”と”真心”、おいが預かった――ッ!」という絶叫に、ウルトラ激泣きしたわけである。
 ただ、そういうスペシャル感は薄いものの、作品としては実に面白かったし、各キャストの演技も素晴らしかったと、その点では絶賛したいと思う。なにしろ、日本では若干マイナーな、ロシアのロマノフ王朝没落のお話である。わたしも、皇帝ニコライ2世や、”怪僧”と呼ばれるラスプーチン、あるいは皇女アナスタシアとか、そういった有名な人物や、最後はロシア革命によって皇帝一家全員虐殺されるという事実は知ってはいても、ラスプーチンを暗殺した男ドミトリー大公なる人物のことは知らなかった。今回、TOPスターまぁ様が演じたのが、まさしくこのドミトリー大公である。そして、2番手スターで次期TOP就任が決まっている真風涼帆さん(以下:ゆりかちゃん)が演じたフェリックスもまた、実在の人物で、ラスプーチン暗殺チームの一員であることも、帰ってきて調べて初めて知った(なお、フェリックスは本作ではNYに亡命したとなっていたが、本当はパリみたいすね)。そう、登場人物はどうやらことごとく実在の人物のようだ。
 しかしもちろん物語はフィクションであろう。本作では、”怪僧”ラスプーチンによるある種のマインドコントロールによってロマノフ王朝は政治的堕落に至り、崩壊するという物語になっていた。そして問題はラスプーチンなのだが、演じた愛月ひかるさん(以下:あいちゃん)の演技は抜群で、圧倒的な存在感であったように思う。彼の本作での目論見は、要するに虐げられてきた農民として、貴族社会をぶっ壊してやる、その際自分も死んだってかまわない、的な破滅的なもので、実に見応えはあった。なので、芝居としては面白かったけれど、サヨナラ感がなあ……全くないんだよなあ……。宝塚髄一の美人、と呼ばれる怜美うららさん(以下:うららちゃん)も今回で退団なのだが、うららちゃんの芝居やルックスはいつも通り大変良かったけれど、もう少し、希望にあふれる役というか作品でもよかったんじゃねえかなあ……と、それだけがほんの少しだけ、残念だったような気がします。はあ……もううららちゃんにも会えないのか……つらいす……。。。
 というわけで、わたしが気になった役者陣はもう大体触れたけれど、名もなき革命派の若者を演じた桜木みなとさん(以下:ずんちゃん)も非常にカッコ良くて良かったすねえ! いつもは若干可愛い系だったり明るい面白系の役が多いような気がするけれど、今回は実にイケメンでしたよ。また、わたしのヅカ友の娘っ子がファンクラブに入って応援している和希そらくん(以下:そらくん)もいい感じでしたな。宙組も層が分厚くなったすねえ。ここに、次回からは花組から異動でやって来る芹香斗亜さん(以下:キキちゃん)が加わるわけで、若干、93期の同期あいちゃんとの番手がどうなるのか気になるけれど、まぁ様去りし宙組の、今後ますますの発展を祈念したいと思う。
 で。後半はショー「クラシカル・ビジュー」である。
Bijou01
 写真の通り、「ビジュー」とはBijouと綴るらしい。なんこっちゃ? と調べると、どうやらフランス語で「宝石」のことだそうだ。そこから転じて英語でも宝石とか珠玉、なんて意味で通じるらしい。へえ~。
 というわけで、このレビューショーは、宙から降ってきた宝石が、今再び宙に帰る、的な、こちらはまぁ様の退団を明確に意識したものだったのだと思う。まさしく、まぁ様は明日へと導く太陽だったわけですよ……。こちらでは、まぁ様のダンスが存分に堪能できる構成で、やっぱり、まぁ様の長い手足がピシッと決まるメリハリは実に美しかった。TOPスターになると、本当に痩せるよね……まぁ様もここ数年でとても体も顔も細くなってしまった。けれど、まぁ様のダンスからそのダイナミックさが減じてしまったわけではなく、むしろ研ぎ澄まされてきたとわたしは思っている。重ね重ね、もうまぁ様の黒燕尾が見れないかと思うと淋しさが募りますなあ……。キラキラしてましたなあ……本当に。
 実は、わたしはショーでは、この公演後にわが星組へ異動が決まっている雪華りらちゃん(以下:りらちゃん)をずっと双眼鏡で探して見つめていた。まあかわいいですよ。大変な美人だし。そしてなぜわたしがりらちゃんをずっと観ていたかというと、わが星組で、わたしが一番応援している礼真琴さん(以下:こっちん)と大変仲良しなんだな、りらちゃんは。なんとこっちんのパーソナルBOOK(要するに写真集)にもりらちゃんは登場していて、ひそかにこっちんTOP登極時の嫁候補としてわたしは注目しているのである。ただなあ……まだ、りらちゃんはソロで歌う役をもらえてないので、歌がどうなのか知らないんすよね……いや、わたしが知らないだけだと思いますが、こっちんの嫁には、歌ウマであることが絶対条件だと思うので、星へ異動になったら、ぜひソロ曲を歌う役をもらってほしいと存じます。
 というわけで、毎度お馴染みの、「今回のイケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「寄生虫は宿主が死ねば終わりだ!! ロマノフにもしものことがあれば、お前も全て失うのがわからんのか!?
 「宿主が死ねば終わりなのは、貴族という寄生虫だろう……
 今回は、このドミトリーとラスプーチンのやり取りが一番グッと来たっすね。一番、本作の核心?と突く場面だったような気がします。はあ……まぁ様……もう会えないなんてさみしいなあ……。

 というわけで、結論。
 宝塚歌劇は、TOPスタが退団して次世代へ繋いでゆく、ということがある意味肝であるのだが、現在東京宝塚劇場で絶賛上演中の『神々の土地~ロマノフたちの黄昏~/クラシカル・ビジュー』という作品は、宙組の太陽と言われた朝夏まなとさんの退団公演であり、芝居自体は大変面白かったものの、サヨナラ的なスペシャル感は特になく、実に重厚?というか重いお話であった。しかし、マイナーなロマノフ王朝の物語というわけで、わたしとしては俄然興味がわいたので、何かロマノフ者の小説とか、探して読んでみようという気になった。そして、とにかく、わたしとしてはまぁ様退団が淋しくてならない。退団後はどういう活動をするのだろうか。まぁ様は普通に女子としてもちろん美人だし、歌って踊れるミュージカル女優として活躍してくれると嬉しいのだが……まぁ様、これからも応援するよ。どうか今後も、一層の活躍を期待しております! 以上。

↓こちらでは、まぁ様は女子の役で、大変お綺麗です。わたしは劇場には行けなかったけれど、WOWOWだったかNHK-BSだったかで放送されたVerは観ました。
宙組 宝塚大劇場公演DVD 「風と共に去りぬ」
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2013-12-20


 木曜の夜、日比谷の東京宝塚劇場へ雪組公演『幕末太陽傳』を観てきたばかりのわたしだが、今日、土曜日は、文京シビックホールにて開催されている宙組TOPスター朝夏まなとさん(通称:まぁ様)単独のライブ『A Motion』を観に行ってきた。次の公演で退団を発表されているまぁ様。たいていのTOPスターは、退団間近にこういったコンサート形式のライブを行うのは結構お約束なわけで、まぁ様のはじけるダンスと歌を目に焼き付けるため、JR水道橋から元気に歩いて文京シビックホールへ向かったわたしである。
AMotion
 カッコイイですなあ! まぁ様は、もともと花組であったのだが、2012年に宙組に異動になったお方で、わたしが一番好きな星組の紅ゆずるさん(通称:紅子)さんと同期の88期生である。実は、わたしは2010年から宝塚歌劇を見るようになったので、まぁ様の花組時代は生で観たことがなく、わたしが初めてまぁ様を観たのは2012年の『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』のことであった。当時、星組から宙組に異動になって宙組のTOPに就任した凰稀かなめさん(※このお方も元々は雪組から星組に移り、その後宙組に異動になった方で、現在は退団してすっかり美人シンガーに変身した)目当てでわたしは観に行ったのだが、わたしはオタクとして当然『銀河英雄伝説』は何度も読んでおり、ラインハルトをかなめちゃんが演じるのは当たり前として、果たして、ラインハルトの親友であり、彼が生きていれば銀河の歴史は変わったかもしれないのに、と言われるほどラインハルトにとって大きな存在である、赤毛のジークこと、ジークフリート・キルヒアイスは誰が演じるのだろう、という点に大変興味があった。そして、まさしくそのジークを演じたまぁ様に、わたしはかなり好感を持ったのである。おお、この朝夏まなとさんという方はかっこいいしかわいいし、かなりいいじゃないか、と。
 以来、わたしは星組イチオシながらも、実はずっと、まぁ様も追いかけていて、多分ほぼすべての大劇場公演は観ていると思うし、NHK-BSだったかな、まぁ様がスカーレット・オハラ(=つまり女子の役。宝塚の男役スターでも、たまーに女子役を演じることがある)を演じた『風と共に去りぬ』も観た。宙組に来た当時は、それほどオラオラ感あふれたオレ様キャラではなかったけれど、どういうわけか、いつのまにか「まぁ様」と呼ばれるほどに成長したわけで(以前は「まぁくん」とわたしは呼んでいた)、なんというか、わたし的には感慨もひとしおである。そのまぁ様が、とうとう退団してしまうというニュースは、実際寂しく残念に思うものの、わたしとしては最後の公演まで応援し、拍手で送ってあげたいと思っている。
 というわけで、『A Motion』である。単独ライブとはいっても、宙組の若い衆を引き連れてのショーであり、コンサート形式ではあるものの幕間のある2部構成となっていて、まあ結論から言えば大変楽しめた。
 第1部では、まぁ様が歌劇団に入団した2002年の当時のヒット曲メドレーなんかもあって、まあノリノリである。わたしのヅカ友の若い女子は、現在、和希そらくんイチオシで、すでにこの『A Motion』も梅田へ遠征して観てきたそうで、「ソラ・カズキのINVOKEを堪能してきてください!」と熱いメッセージをもらっていたので、今日は一応、まぁ様とそらくん中心に双眼鏡でずっと観ておりました。なるほど、なかなかカッコイイ若者ですな、そらくんは。ほかにも、我が市川市民自慢の愛月ひかるさん(通称:ちゃんさん)も、その長身がやけに目立ってかっこいいし、同じぐらい背が高くて、前作『王妃の館』ではニューハーフ(?)のクレヨンちゃんを演じた蒼羽りくさん(通称:りくちゃん)もとても元気にはじけまくっていたと思う。
 そして第2部では、まぁ様がこれまでに出演していない、けど、宝塚ではおなじみの歌を歌ってくれる場面があって、とりわけわたし的にグッと来たのは『ロミオとジュリエット』の「僕は怖い」、そして『スカーレット・ピンパーネル』からは「ひとかけらの勇気」を、とてもカッコよく、そして情感いっぱいに歌いあげてくれた。いやー、なんかもう、紅子先輩よりパーシーが似合うんじゃねえか、と一瞬思いましたよ。とてもよかったですね。「僕は怖い」の前には、宙組の若者たちによる「世界の王」のダンサブル&ノリノリな場面もあって、そこでもソラ・カズキくんは大変良かったと思います。
 ちなみに、第2部では、サイン入りTシャツの抽選会があって、「1階●列目……」と発表された時、正しくわたしの座っていた席の列だったので、瞬時に、「やっべえ!当たったら野太い声でウェーイとか立ち上がってガッツポーズしよう!!!」という思いが脳内を駆け巡ったのですが、残念ながら外れました。あーーーほんと、列が同じってだけで、超ドキドキしたっす。アホですわ。
 ところでわたしは文京シビックホールは初めてだったのだが、なかなかいい劇場ですな。まあ、夏には日本青年館が取り壊しから再び新しくよみがえるので、今後はあまり宝塚では使われないかもしれないすね。でも、結構劇場として気に入りました。とても観やすい設計の劇場だし、大きさもちょうどいいし、立地もいいすね。

 というわけで、短いけどもう結論。
 今日は文京シビックホールへ「朝夏まなとアメイジングステージ『A Motion』」を観てきた。2012年からずっとその活躍を見守ってきた朝夏まなとさんが、とうとう今年の秋に退団してしまうわけで、とてもとても淋しいけれど、そのダイナミックなダンスと歌は、ずっと忘れないと思う。今日もとてもカッコ良かったよ。最後の公演まで、応援しますので、最後まで全力で駆け抜けてください。また秋に、会いに行くよ。以上。

↓ 結構名作だと思うな。ラインハルトは、この世のものとは思えない超絶美形という設定なので、男が演じるより宝塚が合うような気がします。ちなみに、別の宝塚ではない舞台版では、松坂桃李くんがかつてラインハルトを演じたこともあったすね。あれはあれでカッコ良かったす。
『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』 [DVD]
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2012-11-10

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