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 今年2020年1月で、わたしが初めて宝塚歌劇を観劇してから11年が経過した。会社のヅカファンのお姉さんたちがいて、オレも一度見てみたいんすよね……ということで初めて連れて行ってもらったのが2010年1月なので、もうずいぶん経ったもんだ。
 最初にチケットを獲ってくれた美しきお姉さまをわたしは「ズカ師匠」と呼んで崇めているのだが、その師匠が、「あなた、この作品はすごいわよ、絶対観ないとダメよ!」と強く推していたミュージカルが、『フランケンシュタイン』という作品であります。
 本作は、元々韓国産ミュージカルで、師匠はわざわざ韓国にも観に行ったほど気に入ったのだそうだ。日本初演は2017年で、その時に師匠に激推しされたのだが、わたしは残念ながらどうしても予定が合わず、観に行けなかった。そしてこの2020年、待望の再演となったので(※うーん、今回は3回目の再再演だと思ってたけど、どうも勘違いで今回が2回目、再演らしい。そうだったっけ?)、もう半年ぐらい前?からチケットを確保し、今日、日生劇場へ赴いたのであります。
farankenstein
 というわけで、赴いた日生劇場は、1963年に完成した劇場で、以前わたしは浅利慶太先生本人から直接「日生劇場はねえ、ぼくと石原慎太郎で作ったんだよ」というお話を聞かせてもらったことがあるが、もう50年以上の歴史があるわけで、ズバリ、もう建物としてかなり古い。現在駐車場が工事中で使えなくなってました。一瞬、そうだ、日生行くなら駐車場あるから車で行くか、とか思ったんだけど、素直に電車で行ってよかったす。
 で。
 物語は、Mary Shelly女史による原作小説「フランケンシュタイン」とは全然違う、けど、微妙にちゃんと設定を踏襲している点もあって(と言っても、スイスが舞台で最後は北極とかそのぐらいかも)、大変興味深い物語となっていたのが新鮮であった。
 世はナポレオン戦争中のヨーロッパ。フランケンシュタイン青年は幼少期に母を亡くし、その母をよみがえらせるんだ!という生命の創造に憑りつかれ、ドイツに留学し、その後、従軍医師(?)として戦地に赴くが、ある日、アンリという人体接合の整形外科医(?)がフランス軍人(アンリって名前からフランス人か? と思ったけど、何人か不明でした)を治療したとして処刑されようとしているところに出会う。フランケンシュタインはアンリの論文も読んでいたので、アンリを助け、自らの「実験」の助手になるよう説得、アンリは、そんなのは神への冒涜だと反発するが、結局は命を助けてもらったこともあって助手になり、戦争も終わってフランケンシュタインの故郷、ジュネーブへ同行する。
 しかし、戦争が終わっちゃっているので、実験に使える「死体」が調達できず、困っていたところ、そうだ、葬儀屋に金渡して死体を横流ししてもらえばいいんじゃね? とひらめくが、なんと、その葬儀屋が金欲しさに、自分で人を殺して死体を用意するという暴挙に出る。カッとなったフランケンシュタイン博士は、つい、その葬儀屋を殺してしまう。その時、アンリが自分が葬儀屋を殺したことにすればいいと替え玉を志願。かくしてアンリは処刑されてしまうが……フランケンシュタイン博士は自分のために死んでしまったアンリをよみがえらせるために、禁断の実験を行うのだった……! てのが第1幕のお話であった。なので、結構ツッコミどころはあったと思う。
 そしてこのミュージカルの最大の特徴が、第2幕と言っていいだろう。第1幕の役者たちが、まったく違う役柄で、当然全く違う衣装やメイク、まったく違う性格の人物として物語が進むのだ。そして曲がいちいちカッコいい!! やっぱりミュージカルは曲が命でしょうなあ。これは師匠が絶賛したのも納得だぜ、とわたしも大興奮でありました。
 というわけで、いつもは物語のキャラごとに感想を書くけど、今回は演じた役者陣ごとにメインの4人だけ、2役のキャラをメモして行こうと思う。ーーその前に、せっかくホリプロが動画を用意してるので貼っとくか。ホリプロはホント、ミュージカルに本気ですな。

 ◆柿澤勇人氏:フランケンシュタイン青年を演じた一方で、第2幕では、蘇り逃亡したアンリ=怪物を使って地下格闘場のようなバトルコロッセオを運営するクソ野郎ジャックを演じてました。しかしやっぱり柿澤氏はカッコイイし歌もイイすねえ! わたしは柿澤氏の声が大変良いと思います。現在はホリプロ所属だけど、元劇団四季出身だけに、滑舌もばっちりだし、非常に優れたミュージカルスターですな。泣きの芝居も大変グッときました。どうでもいいけど、浅利先生の物まねで笑いを取るのかどうかと思います!笑!
 ◆加藤和樹氏:もう一人の主人公アンリと、2幕では死から蘇った「怪物」ということで、唯一(?)同一人物ではあるけど、やっぱりキャラとしては別人という変則的なお芝居となってました。そしてやっぱり歌も極上。イケメンで歌もうまいって、もう無敵ですよ、ホントに。わたしにとって加藤氏は永遠の跡部様であり、崇め奉ることにやぶさかではないす。昨日、つい会社で『テニミュ』時代の加藤氏の映像を見ながら仕事しちゃいましたが、やっぱり当時から光ってますなあ。もう15年以上前だもんな……。本作はフランケンシュタインとアンリはWキャストになってますが、わたしとしてはもう1ミリ秒も迷わず、柿澤氏&加藤氏の組み合わせを選択したっすね。最高だったす!
 ◆音月桂さん:もう説明不要の元雪組TOPスター。退団してもう7年か……わたしが宝塚歌劇道に入門した時以降に雪組TOPスターに就任された方なので、その当時をギリ何度か見ております。そして今やすっかりお美しい女性ですよ。歌もイイっすね!今回演じたのは、フランケンシュタイン青年の幼馴染の女子ジュリアと、2幕ではジャックの運営するコロッセオに二束三文で売られて下働きをしているカトリーヌというとても可愛そうな女子を演じてました。ジュリアとしては出番も少なめだし歌も少ないんだけど……カトリーヌとしてはソロ曲も非常にソウルフル(?)で、超良かったす。あ、どうでもいいけど、音月さんの次の次に雪組TOPスターに就任した(けどもう退団済み)早霧せいなさんが客席にいらっしゃって、わたしは一人大興奮してました。おお? あのお方は!? とびっくりしたっす。
 ◆露崎春女さん:1幕ではフランケンシュタインの姉のエレン、そして2幕ではコロッセオを運営するジャックの妻(?)、エヴァを演じたいらっしゃいました。恥ずかしながらわたしは露崎さんを存じ上げなかったし、1幕ではかなり地味目だったのだが、2幕のエヴァの、若干パンクで熱量の高い歌いぶりで、うおお、この人凄い!! と驚き、興奮したっす。1幕の時は、その歌い方から、ああ、この方はきっとミュージカル役者じゃなくて、歌手、シンガーなんだろうな、と感じたのだが、2幕の歌で確信したっすね。パンフにも歌手としてのプロフィールしか載ってないし、さっき改めて調べて、この人は歌手だろうなというわたしの感想が正解だったことを知ったす。もう今年で歌手歴25年になるみたいすね。2幕でのハスキーでパワフルな歌い方が、露崎さんの本領発揮だったんすね。最高にカッコ良かったす! なお、2017年の初演時にこの役を演じたのは濱田めぐみさんだったんだな……。めぐさんVerも観てみたかったよ!!

 というわけで、短いけど結論。

 わたしをヅカ道に導いてくださった師匠が2017年に激推ししていたミュージカル『フランケンシュタイン』。2017年の初演はどうしても都合がつかず観に行けなかったのだが、いよいよ待望の再演! ということで、さっそく観てまいりました。師匠が激推ししたのも納得のクオリティで、とにかく全編曲がカッコ良く、また各キャラの演じ分けが素晴らしく、結論としてはもう、大変満足であります。柿澤氏と加藤氏の歌声は、非常にイイすね! とてもカッコ良かったす! そして音月さんも本当に美しいし、歌もとても良かった。また、初めて知った露崎さんのハスキーシャウトが超カッコ良かったす! ただ、物語的に若干アレな部分があるし、エンディングもかなり重いので、見終わった時に、気分爽快! って訳にはいかないすな。なんつうか……神への冒涜とかそういうことは別に感じないけど、やっぱり命を弄んではダメですよ。死を受け入れるのも、大人の流儀なんじゃないかなあ……ガキ過ぎたな……彼らは……とかそんなことを思いましたよっと。以上。

↓わたしとしては2005年のこれが『テニミュ』で一番好きっすね。当時はBlu-rayは出てないんだけど、わたしはWOWOWでのHD版をバッチリ録画しました! 若き頃の加藤和樹氏、城田優氏の二人の部長対決は超熱いし、歌も最高です。そして斎藤工氏も出てますが……斎藤氏は歌が……ヤバイ……

 昨日の夕方、わたしは17時になると千代田区内に流れ響く「夕焼け小焼け」が耳に入った瞬間、PCをシャットダウンし、直ちに会社を出る準備を始めた。というのも、ちょっと前にわたしのヅカ友の美しいお姉さまから連絡があり、「4/16月曜日の夜の帝劇のチケットが余ってるけれど、あなた、いかがかしら?」というお誘いをいただいたためである。社交辞令でなく、恐らく出会った人は10人中10人が美人だと思うお姉さまのお誘いをわたしが断るはずもなく「押忍! あっしでよろしければ、ぜひ、お供つかまつります!」と元気に返事をし、昨日は17時定時ダッシュで有楽町へ向かい、帝国劇場、略して帝劇に赴いた次第である。
 そして現在帝劇にて上演されているのは、こちらの作品であります。
1789-01
 うお、相変わらず写真の才能ねえなあ……、それはともかく。
 そうです。かつて、2015年に宝塚歌劇団の月組によって日本で初演された『1789―バスティーユの恋人たち―』であります。この作品は、その後2016年に東宝・帝劇版として普通に男優も交えたミュージカルとして上演され、今回はその再演、な訳であります。
 わたしは当然2015年の月組公演を観ていて、そのストーリーは「一人の平民の目から見たフランス革命」という点でとても興味深く、また歌も非常にカッコ良く(本作はフレンチロック・ミュージカルで、歌が少しロックテイスト)、大変面白かった記憶はあるのだが、実は歌詞などはかなり忘れていて、わたしが覚えていることと言えば、ヒロインを演じた海乃美月ちゃんが(以下:うみちゃん)が超絶可憐で可愛かったことぐらいである。なんでも、昨日一緒に観に行った美女曰く、宝塚版と今回の東宝版とでは、歌詞は基本変わっていないそうだ。去年赤坂ACTシアターで観た『スカーレット・ピンパーネル』では、宝塚版と梅芸男優アリ版は全ての歌詞が変わっていたのと比べると、へえ、そうなんだ、である。
 で。物語をまずは簡単にまとめておこう。時は1788年、革命前夜のフランスである。既に財政破綻まっしぐらのブルボン王朝は、平民への課税をさらに重くし、地方では貧窮にあえいでいた。地方の農民、ロナン・マズリエは、父を役人に殺され、パリへ上り、そこでマクシミリアン・ロベスピエールジョルジュ・ダントンカミーユ・デムーランという3人の革命を志す若者たちと知り合い、印刷所で働くことになるが、田舎に残してきた妹もパリに来ていて、おまけに娼婦に身をやつし、ダントンの恋人となっていたのだった。
 一方フランス王宮では、夜な夜な遊びまくる王妃マリー・アントワネットとフランス王ルイ16世の夫婦仲は冷めていて、アントワネットは「ベルばら」でもお馴染みのスウェーデン貴族ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンとの情事に夢中であった。フランス財政の破たんは目の前であり、ルイ16世の弟、シャルル・アルトワ伯爵(後のシャルル10世)は王妃のスキャンダルを利用してフランス国王の座を狙っているという混乱した状況にあった。そんな中、バスティーユに勤務する陸軍中尉の娘、オランプは、王太子ルイ・ジョセフの養育係としてアントワネットの信頼も厚く、フェルゼンとの逢瀬の手引きをしたりしていたため、アルトワ伯配下の秘密警察に目を付けられていた。
 ある日、ロナンはパレ・ロワイヤルで酔っ払って寝ていた時、アントワネットとフェルゼンの密会を目撃してしまい、秘密警察に逮捕拘留されてしまう。ついうっかりロナンに目を引き付けることでアントワネットたちを逃げさせたオランプは、要するに自分のせいでロナンが逮捕されてしまったことに心痛め、バスティーユに拘留されたロナンを脱走させるのだった。そして立場の違う二人には、愛が芽生えてしまいーー「この愛の行方、神さまさえ、知らない」ーーてなお話であります。サーセン、相当はしょりました。
 実は今、わたしはWOWOWで録画した宝塚版を観ながらこれを書いているのだが、やっぱ面白いすねえ! 歌も超イイ! もちろん、昨日の東宝版も非常に良かった。アレすね、やっぱり男たちがいっぱい出てると、その迫力は増加しますな。というわけで、以下、各キャラと演じた役者をメモしていこう。
 ◆ロナン・マズリエ:年齢不詳。10代なのかな? 田舎出身の元農夫。宝塚版で演じたのは当然当時の月組TOPスター龍真咲さん(以下:まさお)。まさお氏はやっぱり、ロナン的なちょっと少年ぽさの残る主人公が似合いますな。そして昨日の東宝版でロナンを演じたのは加藤和樹氏。東宝版は主要キャストがWキャストでVerが複数あるのだが、わたしが観た昨日の配役はこんな感じでした。
1789-02
 今回、ロナンを演じる小池徹平氏と加藤氏なわけだが、わたしのヅカ友の美女曰く、加藤氏の方がお好みだそうだ。わたしも、去年の『Ledy Bess』、今年初めの『マタ・ハリ』と連続で加藤氏を観ているけれど、やっぱりうまいしカッコイイですなあ。おまけに、当たり前というか今さらなんだけど、宝塚版ではキスシーンは美しさ優先で、男のわたしは実はあまりドキドキしないのだけれど、今回のように、本当に女性と男が目の前でラブラブなキスシーンを演じると、やっぱりドキドキしますね。加藤氏がうらやまけしからん思いであります。
 ◆オランプ:ヒロイン。宝塚版もWキャストで、わたしが観た時はうみちゃんが超可憐に演じていたけれど、今わたしの部屋で流れているWOWOW放送Verでは、3日前の土曜日に観た月組公演で卒業を発表している早乙女わかばさんが演じている。そして昨日わたしが観た東宝版でオランプを演じたのは、もう現役時代数多くの作品を観た元星組TOP娘役、夢咲ねねさんであった。ねねちゃんを観るのは、ねねちゃんが退団した2015年以来なのでわたしは3年ぶりだ。相変わらず細く華奢でかわいいですなあ。やっぱりとてもイイすね、ねねちゃんは。意外とアンチがいるらしいけど、わたしはねねちゃんの声と、下がり眉の困った表情が大好きです。久し振りに見るねねちゃんのしょんぼりフェイスは最高でした。Wキャストの神田沙也加ちゃんVerも気になるすね。
 ◆マリー・アントワネット:冒頭から1幕終盤までは、浪費家で恋愛脳のダメ女かと思いきや、王太子を亡くしてからは王妃の務めに目覚め、毅然とした態度で王妃らしく役目を全うしようとする。この変化が本作の見どころの一つと言っていいだろう。宝塚版で演じたのは当然月組が誇る最強プリンセス愛希れいかさん(以下:ちゃぴ)。ちゃぴのアントワネットぶりはもう本当に最高でしたな。芝居も歌ももうパーフェクト。そしてわたしが昨日観たアントワネットは、なんと宝塚版で主役ロナンを演じたまさお氏である。すっかり女子になったまさお氏。やっぱり可愛いし美人で強力に輝いている女性だ。歌も、やっぱり若干の「まさお節」と呼ばれる独特さは残っているけど、まあとにかく美しいですよ。2幕の毅然としたアントワネットは、ちゃぴ版もまさお版もやっぱりグッとくるっすね。いっそWキャストである凰稀かなめさん(元雪組→元星組→元宙組TOPスター)Verも観てみたいす。
 ◆ソレーヌ・マズリエ:ロナンの妹。パリに出て娼婦となるがダントンの恋人に。しかし、「所詮アイツらはおぼっちゃまよ!」と革命の闘士たちを見ていて、実は一番世の中が見えてる女性なんじゃないかという気もする。宝塚版ではWキャストで、わたしが観たのがどちらの方かもうすっかり忘れたけど、今わたしの横で流れているWOWOW放送版では95期の晴音アキさん。歌うまいすねえ! そして昨日の東宝版で演じていたのが、ミュージカル女優として輝いているソニンちゃんだ。わたしが昨日の公演で一番素晴らしいと思ったのが彼女ですよ。もうそのダンスや歌は別格に迫力があって、そして可愛く、超大絶賛したいと思う。ソニンちゃんはかなりちびっ子なんですね。周りの男たちがデカいのでそのちびっ子さはより目立つけれど、あの小さな体で、全身を使って激しい感情を表現する様は、圧巻の一言ですな。ホントにブラボーでありました。
 ◆ロベスピエール:ご存知のちの恐怖政治家。本作の段階ではまだ理想に燃える弁護士。宝塚版で演じたのは現在の月組TOPスター、BADDYこと珠城りょうさん。そして東宝版で演じたのが、わたしにとってはセイザーX仮面ライダーオーズでアンクを演じたことでお馴染みの三浦涼介くん。とても特徴ある顔立ちのイケメンなので、一発で彼だと分かったのはいいけれど、わたしは彼が歌えることを知らなかったし、キャストも予習していかなかったので、ここで三浦くんに会えるとは、そしてこんなに歌が上手いとは!と、とても驚いた。大変カッコ良かったと思います。今後、また別のミュージカルで彼に会いたいすな。
 ◆ダントン:ロベスピエールの盟友で議員。後にロベスピエールと袂を分かち処刑される運命に。本作ではまだ若き議員として革命に燃える男。宝塚版で演じたのは、今年退団された沙央くらまさん(以下:コマちゃん)。確かこの当時は月組から専科に異動したすぐ後ぐらいだったですかね。そして東宝版で演じたのは、去年観た『スカーレット・ピンパーネル』で怒れるロベスピエール閣下を超熱演し、同時に超お気楽バカ殿めいたプリンス・オブ・ウェールズの二役を演じられていた上原理生さんですよ! 藝大声楽科出身の美声はハンパないすね。今回も暑苦しく(ホメ言葉)、最強のダントンでした。
 ◆デムーラン:革命三人衆の一人。宝塚版で演じられたのは、当時月組で現在専科のカチャ、でお馴染み凪七瑠海さん。そして東宝版で演じたのが渡辺大輔氏。わたしにとって彼は4代目手塚部長なのだが、順調にキャリアを積んで、様々なミュージカルに出演されてますな。
 ◆アルトワ伯:ルイ16世の弟であり、本作での一番の悪党。歴史上、革命期はさっさとイギリスに逃れ、後にナポレオン失脚後の王政復古でシャルル10世として即位し、反動政治を敷いて7月革命で再びイギリスに逃げて終了、な人。宝塚版ではこのアルトア伯が超ヤバイ人物で、演じた美弥るりかさん(以下:みやちゃん)の強烈なビジュアルとともに、一番?印象に残る悪い人。みやちゃんのアルトア伯はホント最高でした。しかし東宝版では、まあ、ひどい言葉で言うと単なる悪党のおっさんで、メイクもなんか歌舞伎めいたもので、わたし的には圧倒的にみやちゃん版の方が素晴らしかったと存じます。ただ、演じた吉野圭吾氏の歌は相当素晴らしく、役者としての格は断然高いお方でありました。
 ◆フェルゼン伯爵:「ベルばら」でもお馴染みのアントワネットの恋人のスウェーデン貴族。宝塚版では暁千星さん(以下:ありちゃん)が演じたんすね。ゴメン、忘れてたよ。しかし昨日の東宝版で演じた広瀬友祐さんは超カッコ良かった! あ、なんだ、このお方は去年の暮れに観た『屋根の上のバイオリン弾き』のパーチックだったんすね。ええと、次女ホーデルの恋人で革命家の彼すね。そうだったんだ、全然気が付かなかったオレのバカ! ありちゃんには申し訳ないけれど、広瀬フェルゼン様はとにかく殺陣が美しく、なんつうか、体幹のぶれない舞うような殺陣、そして翻るマント、は今回男優の中で一番カッコ良かったと思う。歌もイイし、体も凄くがっちりして数字以上にデカく見えるすね。大変素晴らしかったすな。
 ◆最後は、単なる備忘録として、宝塚版でだれが何を演じたかメモっておこう。
 ・ペイロール(ロナンの父を殺した政府役人):マギーさんでお馴染み星条海斗さん
 ・ルイ16世(錠前作りが趣味のダメ王):さやかさんでお馴染み美城れんさん
 ・ジャック(ロナンの印刷所仲間の市民):としさんでお馴染み宇月颯さん
 ・ペイロール(秘密警察の手下A):美貌のあーさでお馴染み朝美絢さん
 ま、こんなところかな。

 というわけで、もうさっさと結論。
 2015年に観た宝塚歌劇団月組公演『1789―バスティーユの恋人たち―』。その後、2016年に帝劇版として普通の男優も交えたミュージカルとして上演されたわけだが、このたび再演され、わたしも昨晩、美女に誘われて帝劇へ馳せ参じてきた次第である。本作は、歌もイイし、セットや衣装も実に豪華で大変見ごたえのある作品だと思う。物語としても、加藤氏とねねちゃん演じる主人公の二人のアツアツ振りは観ていてドキドキするほどだし、まあ要するに素晴らしい演技であったということだろうと思う。そしてアントワネットを演じたまさお氏も、すっかり女子が板につき、元々美人でかわいいまさおはきっとこれからも素晴らしいシンガーとして、そして女優として活躍するのであろうと改めて思うに至った。わたしとしては、今回のベスト女優はソニンちゃん、そしてベスト男優はフェルゼン様をやけにカッコよく演じた広瀬氏かなあ。とりわけソニンちゃんのパワフルでソウルフルなパフォーマンスは圧巻でした。結論としては、とにかく歌が熱くて、超最高でした。以上。

 付け足し:ちなみに昨日は月曜日、そして現在日比谷で公演中なのは月組、ということで、昨日の帝劇には月組生が観劇に来ていて、わたしでも、あっ!と分かるジェンヌが数名いらっしゃいました。そりゃ見に来るよね、まさお氏の回だし。明らかに、あの方はジェンヌに違いない、というオーラがありますな、やっぱり。

↓ てなわけで、やっぱりBlu-ray買わないとダメすかねえ……WOWOW版では見られない、うみちゃんVerのオランプがもう一度観たいす……。まだキャトルに普通に売ってるのかな?

 わたしが宝塚歌劇にハマったのは、2010年2月に、日比谷の東京宝塚劇場で初めて観に行った時からのことなので、もう8年前になる。その公演は星組公演で、当時のTOPスター、柚希礼音さんがウルトラカッコよくて、一発KO&Falling LOVEとなったわけだが、今思い返すと、もしわたしがあの時初めて観た作品が星組の作品でなかったら、もっと言えばあの時の柚希礼音さん(以下:ちえちゃん)でなかったなら、ここまで宝塚歌劇を愛するようになったか、かなり怪しいような気がする。あの当時、ちえちゃんはまだTOPに就任して半年経過したばかりであり、大劇場作品2作目であったのだから、ホントに奇跡的にナイスタイミングであったように思う。
 そのちえちゃんも、2015年の春に宝塚歌劇団を退団し、既にもう2年半以上が過ぎた。退団してからも、ちえちゃんはコンサートやミュージカル、あるいはシェイクスピア作品などに出演を続け、わたしも恐らくはほぼすべてを劇場へ応援に駆け付けているわけだが、今回とうとう、「本格的なミュージカルの主演女優」として舞台に立つこととなった。まあ、わたしがあえて「本格的」といったのには訳があるのだが、それは後で書くとして、その作品こそ、わたしが今日観てきた『マタ・ハリ』という作品である。
 まあ、結論から言うと素晴らしい歌に酔いしれることができ、大満足だったわけだが、やっぱり、ちえちゃんは最高ですな!というのが、観てきて興奮冷めやらぬわたしの今抱いている感想である。ホント、あんなにカッコいい男役だったのに、もうすっかり女子も板についてきましたなあ!

 まずはお話を簡単にまとめておこう。舞台は第1次大戦中のヨーロッパである。パリの人気ダンサー、マタ・ハリという女性は、その人気はヨーロッパ全土?を席巻していて、戦時中であるにもかかわらず、フランス国内でだけではなく、敵国ドイツへも招かれるほどで、要するに国外どこへでも顔パス的に行くことができていた。そこにフランス情報部のラドゥー大佐は目をつけ、マタ・ハリをフランスのスパイに利用しようとする。そのため、部下のアルマンをマタ・ハリに接近させるのだが、アルマンとマタ・ハリは、本当の恋に落ちてしまい……てな展開である。サーセン、かなりはしょりました。
 わたしは全然予習していかなかったので、プログラムを買って読むまで知らなかったのだが、この「マタ・ハリ」という女性は、実在の人物なのだそうだ。しかし! もしこれから『マタ・ハリ』を観ようと思っている方は、絶対にWikiで調べてはいけません! その運命を知らないで観た方がいいと思うな……わたしはうっかり、1幕が終わった幕間で調べてしまい、最後どのようなことになるか知ってしまったので、うわ、これは知らない方がよかった、と後悔しました。観劇後に、心行くまで調べる方がいいと思います。
 いずれにせよ、1幕はマタ・ハリとアルマンが出合い、愛し合うようになるけれど、ラドゥーの指令を無視しようとするアルマンが、マタ・ハリ運営エージェントの任を解かれ、空軍パイロットとして前線に送られてしまい、マタ・ハリとの仲を引き裂かれるところまでであった。で、2幕では、撃墜されたけれど命は助かり、ベルリンの病院にアルマンがいることを知ったマタ・ハリが、危険を冒してベルリンへ行くことになる。そして結果的には、そのベルリン行きがマタ・ハリの運命を決めてしまうという展開で、観ていて話は分かりやすい。
 しかし、ズバリ言うと、わたしはそれほど物語には感動しなかった。どうしてなのか、我ながら謎だけれど、たぶんわたしは、恋愛に醒めているせいなんだと思う。それに、正直に告白すると、ラドゥー大佐の心情がちょっと良くわからないというか……まあ、彼は愛より仕事を取ったってことでいいのかな? いや、そもそもラドゥーはマタ・ハリを愛していたわけではないってこと? いやいや、えーと……? という感じで、いまだわたしは良くわかっていない。ズバリ冷たい男で、エンディングはちょっと驚いたすね。
 しかし、だ。だからと言ってつまらなかったかというと、全然そんなことはなく。はっきり言ってもう、最高に良かったと思う。なぜなら、歌が最強に素晴らしいからだ。この点が、わたしが冒頭で「本格的な」ミュージカルというゆえんで、今までちえちゃんが退団後に出演してきた作品は、去年の『ビリー・エリオット』以外は正直ミュージカルとしていまいちだったような気がするんすよね……。『ビリー』はもちろん素晴らしかったけれど、主役じゃあないし。なので、わたしは本作が、ちえちゃん退団後初の本格ミュージカル主演だと思うのだ。
 なにしろ、本作の楽曲を担当したのは、ズカファンにはお馴染みのフランク・ワイルドホーンおじさんである。この人の曲は、ほんと毎回イイんすよ! このBlogでわたしが何度も書いている『スカーレット・ピンパーネル』もワイルドホーンおじさんの作品だし、最近では先日の雪組の『ひかりふる路』もワイルドホーンおじさんの作曲だった。ちえちゃんが2番手時代に出演し、その超絶なカッコよさを発揮したのがまさに『スカーレット・ピンパーネル』という作品なわけで、なんつうかですね……すごいドラマチック? というか、キャラクターの心情の吐露が、超絶に爆発してるんすよね。これはもう、生でその歌を聞かないと伝わらないかもしれないけれど、とにかく、本当にすごいエネルギーで、もう圧倒されるのです。
 そういう意味では、わたしが心情がよくわからんと思ったラドゥー大佐も、歌は超イイんすよ。でも、物語としてどうも納得できないというか……うーん、この辺りはうまく説明できないです。脚本か演出の問題? なのかもしれないし、単にわたしが人の心を理解できないボンクラ野郎だってことなのかもしれない。まあ、後者の可能性が高いですな、たぶん。
 というわけで、キャストを紹介して終わりにしよう。まずはもちろん、主役マタ・ハリを演じたちえちゃんだ。

 今回の衣装は大変布の面積の少ないもので、大変眼福でありました。しかしちえちゃんの体は本当に美しいですなあ……! 明らかに鍛え上げられた肉体美のような、そこらの女優とは違いますな。腹筋の何と美しいことよ! そしてその腹筋からのウエストラインの何とセクシーなことよ!! 腕も足も、きっちり鍛えられていて、まさしく美しいとしか言いようがないす。ちえちゃんは元々バレエダンサーなわけで、しなやかでいて強靭な、大変美しい肉体を維持されているのがとてもうれしく思う。もともと歌が苦手だったちえちゃんも、たゆまない鍛錬によって得た歌唱力で「伝説=LEGEND」とも呼ばれるTOPスターの登りつめたわけで、わたしは本当にちえちゃんのかすれ系な低めの歌声が大好きです。今回はかつての男役の声ではなく、今のちえちゃんの女性としての声だけれど、まぎれもなく慣れ親しんだちえちゃんヴォイスで、今回は本当にイイ歌満載で大満足でありました。ホント最高です。
 そして冷徹?なラドゥー大佐を演じたのは加藤和樹くん。

 彼はもうわたし的にはお馴染みの男でこのBlogでも何度も触れているけれど、かつて、10年以上前に観た『テニスの王子様ミュージカル』での跡部様から見事に成長しましたなあ。去年観た『レディ・べス』でも見事だったけれど今回の歌もとても良かったです。
 そしてマタ・ハリを落とす任務のはずが、本気LOVEに落ちてしまうアルマンを演じたのが東啓介くんだ。

 彼は去年ACTシアターで観た『スカーレット・ピンパーネル』にも、ピンパーネル団の一人、ハルという役で出演してましたね。キャリアとしては主に2.5次元系で活躍していたそうで、なんと『弱虫ペダル』では葦木場君の役を演じてたそうですね。そう、知ってる方には説明不要ですが、葦木場君といえば、箱根学園のエースで身長2mのデカイ男ですが、まさしくこの東くんも、超デカイ! さっきWikiで調べたら身長187cmだそうですな。加藤くんだって181cmあるのに、段違いにデカくて、見た目2mちかいか?ぐらいに見えました。歌もどんどん良くなってますよ。間違いなく彼も、不断の努力を続けているのでしょうな。今後も様々な作品で出会うことになると思うので、成長を見守りながら応援したいすね。
 しかし驚きなのが、加藤和樹くんは、今日わたしが観た回ではラドゥー大佐を渋く演じていたわけだけれど、今日の夜公演ではこのアルマンを演じているそうで、まあいわゆるWキャストだけど、よくもまあ、正反対とも言えそうな役を演じ分けられるものですなあ。すごいや。つうか、そもそもこの圧倒的なエネルギーの詰まった作品を1日2回公演するってだけでも、常人には計り知れぬ努力と気合が必要だと思う。加藤和樹くんはやっぱり只者ではないすね。『テニミュ』の跡部様や、仮面ライダードレイクを演じていたころが懐かしいすな。両方リアルタイムで観ていたわたしには大変感慨深いすね。
 あともう一人だけ紹介しておこう。マタ・ハリの衣装係兼お世話係の女子を、元宙組の和音美桜さんが演じていた。

 わたしは2010年から宝塚歌劇を観始めた男なので、2008年に退団された和音さんの現役時代は知らないのだが……今回、1曲だけソロ曲があるのだが……超巧い!!! そう、このお方は、わたしは去年の『レディ・べス』でのアン・ブーリン役だったり、2011年かな、帝劇で観た『レミゼ』のファンテーヌだったり、実は何度もその実力を目の当たりにしてきて、その実力は良く知ってるつもりでした。でも今回、わたしはキャストすら予習していかなかったんすよね……なので、歌を聴くまで和音さんだと気づいていなかったのです。アホだった……でも、歌声で、あれっ? あっ!? っとすぐ気が付きました。マジで最強クラスに歌ウマですよ。またどこかでお会いしましょう! 今度は必ず、すぐに気づくと思います!

 というわけで、結論。
 わたしがいまだに大好きで愛してやまないちえちゃんこと柚希礼音さん主演の本格ミュージカル『マタ・ハリ』を観てきた。席は14列目と、もうチョイ前だったらなあ、とか思っていたのだが、会場に着いてみたら、5列目ぐらいまで? オーケストラピットでつぶされていて、実質的には10列目ぐらいだったので、大変よく見えて満足であった。そしてそんな近いのに、わたしは双眼鏡でちえちゃんの腹筋をガン見しておりました。さらに、数々の歌もいちいち圧倒的な熱量で、要するにですね、ホントにもう最高でした! とにかく歌がイイ! 加藤くんも東くんも実に良かった。この圧倒的なパフォーマンスを1日2回上演するというだけでもすごいのに、加藤くんは役替わりで正反対のキャラを演じ分けるという技も見せてくれているようで、ただただ感服いたします。なお、一緒に観に行った後輩女子に、オレ、ちえちゃんの腹筋に触りてえ、つうか、もし許されるなら噛みつきたい……と言ったら、冷静に「逮捕されますよ」と返されました。ホントサーセンっした。とにかく、ちえちゃんは最高です。以上。

↓こういう本も出版されてるんですなあ……全然勉強不足でした……。
マタ・ハリ伝: 100年目の真実
サム ワーヘナー
えにし書房
2017-12-26

 16世紀中期~末期、というと、日本では1560年の桶狭間以降の織田信長の隆盛と、その後の豊臣秀吉による政権から1600年の関ヶ原へ至る、歴史が大きく動いた期間と言っていいだろうと思う。戦国オタクとしてわたしはそれなりに詳しいつもりだが、一方そのころイギリスではどんなことになっていたか。わたしとしては真っ先に思うのは、Shakespeareが生まれて活躍してた頃だな、という事で、それ以外では、イギリスの政治史、というより王室史、というべきか、とにかく、どんな政治変遷があったのか、実はあまり詳しくなかった。
 そんな、16世紀中期のイギリスの歴史を振り返るには大変興味深いミュージカル、それがわたしが今日、帝劇で観てきた『レディ・ベス』という作品である。とはいえ、まあ歴史の流れというより後にエリザベス1世として即位する女性の若き頃の恋を描いた作品なので、それほど歴史的な詳しいことは描かれないが、わたしとしては俄然、そのころのイギリスの歴史に興味がわいてきたので、ちょっといろいろ調べてみたいと思わせる作品であった。

 本作は、初演は2014年で、そのころのわたしはサラリーマン人生において最も忙しい頃で、ほとんど観劇をしていない。いや、まあ宝塚歌劇だけはちゃんと観に行っていたのだが、東宝・帝劇系の作品は観てぇなあと思っても全然行けておらず、再演されるのをひそかに待っていたのである。
 というわけで今日はe+の貸切公演で、席も6列目とまずまずのチケットを獲ることができ、大変満足であった。本作は、初演の時も、今回の再演も、メインキャストがダブルキャストである。わたしとしては、あまり迷わず、平野綾ちゃんVerを観たいと思ったので今日の観劇となった。おそらく、人気はもう一方の花總まりさんVerの方が高いと思うが、わたしは2013年に帝劇で観た『Le Miserable』でのエポニーヌがとても印象的だった平野綾ちゃんVerの方が観たかったのである。結論から言うと、平野綾ちゃん演じる主人公ベスは、とても可憐で、歌も文句なしであり、要するに最高でありました。いやあ、本当に綺麗で可愛くて、そしてわたしの大好物な、眉間にしわを寄せて眉の下がった「しょんぼりフェイス」が実に極上であった。ヤバいす。超今さらだけど、ファンになりそうなぐらい素晴らしかった!
Bess
 今日も帝劇は大変お客さんがいらっしゃっておりました。
 そして今日のキャストは↓こんな感じ。
Bess02
 まずは物語をざっとおさらいしよう。
 イギリス王ヘンリー8世は1509年に即位し、以降1547年までイングランド王として君臨したチューダー朝第2代の王である。彼はカリスマを持つ強いリーダーだったわけだが、男子に恵まれず、なんと6回結婚している。要するに離婚を5回しているわけだが、思い出してほしい。キリスト教、カトリックの教義では離婚禁止である。そのため、ヘンリー8世はイギリス国教会を作ってローマ教皇から離れ、一種のプロテスタントとしてキリスト教に帰依していたわけだ。
 その結果―――まあたくさんの女王候補の女子たちが生まれたわけで、本作は、そんな運命に翻弄された後のメアリー1世となるメアリー・チューダーと、後のエリザベス1世となる少女ベス、二人の女性の生き方を追ったものだ。この二人がどう対立するかをまとめると、こういう感じだと思う。
 ◆メアリー:母は、ヘンリー8世最初の妻であるキャサリン・オブ・アラゴン。しかし男児に恵まれず離婚され、追放されてしまったため、父であるヘンリー8世とイギリス国教会を憎み、熱心にカトリックを支持して、強烈にプロテスタント(=国教会)を弾圧。その苛烈なプロテスタント弾圧は「ブラッディ・メアリー(=血まみれメアリー)」と呼ばれるほど強烈なものに。ついでに、母を追放させた2番目の後妻であるアン・ブーリンも大っ嫌いで、結果としてその子であるエリザベスも大っ嫌い。
 ◆ベス(エリザベス):母はヘンリー8世の2番目の妻であるアン・ブーリン。元々アン・ブーリンは、メアリーの母キャサリンの侍女だったが、まあ見初められちゃったんでしょうな。で、どうやら意外とアンはしたたかな女子だったようで、あたしを妃にしないならHしないわ! と迫ってヘンリー8世はキャサリンと離婚し、アンを妻としたらしい(Wikiによれば)。しかし晴れて正式な妻となったのもつかの間、わずか3年で国王暗殺容疑及び不義密通を行ったとして処刑されてしまう。その結果、アンとの間に生まれたベスは一度庶子の立場に落とされ、おまけに国教会信者であるため、姉であるメアリーに何かと目を付けられてしまう。しかし、(少なくとも本作では)聡明で心優しいベスは、そのおっかないお姉さんに従う姿勢で、決して対立するつもりはなかったのに、完全なる言いがかりで牢に入れられてしまうのだったーーーてな展開である。
 この二人の女性に大きな影響を与えるのが、二人の男である。
 ◆ロビン・ブレイク:平民の吟遊詩人。まあ、今風に言えばストリートミュージシャン。どうやらモデルはまさしくShakespeareらしいが、ベスに出会い、ベスを愛し、ベスに愛を説くイケメン野郎。
 ◆フェリペ:スペイン王カルロス1世の息子であり後のフェリペ2世。ハプスブルク家の男でもある。メアリーと結婚するためにイングランドへやって来るが、本作ではかなりのチャラ男風でいて、なにかとベスを助けてくれる、これまたイケメン野郎。正直、彼の本当の目的は本作では良くわからない。スペインの野望としては、イングランドを再びカトリックに戻すことにあり、そのためにメアリーと結婚したわけだが、一方ではベスを何度も助けてくれるわけで、どうもそれは、人気のあったベス(→メアリーがとにかく苛烈すぎて人気がなかった)を処刑してはイングランドで内乱が起きてしまうので、それを防ぐため、というのが大義名分のようだったが、わたしには、要するにベスがかわいくて助けてやった、ぐらいにしか思えなかった。
 ともあれ、本作はこんな女子二人と男子二人を中心に描かれるラブロマンスと言っていいだろう。ベタではあるが、まあとにかく、各キャストの熱演と数々の素晴らしい歌がブラボーであった。以下、キャストをまとめてそれぞれ思ったことを書き連ねてみよう。
 ◆ベス:今日のベスは何度も書いている通り平野綾ちゃんが熱演。歌も良かったし、やっぱりどう見ても可愛いですよ、このお方は。すっごい華奢で、ちびっ子で、1幕ではずっとしょんぼりした困った顔をしていて、それなのに歌は力強くてカッコよく、ホント最高でした。衣装も抜群に似合っているし、ラストでエリザベス1世として即位するお姿は実に神々しく、わたしとしては最大級の賛辞を贈りたい。全くもってブラボーでした。もう、完全にミュージカル界になくてはならない女優の一人になったね。きっと、我々には想像の及ばない努力をしてきたんだろうと思う。どうかこれからも、いろいろな役に挑戦してください。また、会いに行くよ。本当に素晴らしかったす。
 ◆ロビン:今日のロビンは加藤和樹氏。わたしにとって加藤氏は、テニスの王子様ミュージカルの初代・跡部様であり、仮面ライダー・ドレイクの大介なわけだが、あれからもう10年以上の時が過ぎ、彼も今ではミュージカル界を背負う有力男優の一人になりましたなあ。彼もこの10年をたゆまぬ努力で精進してきたのは間違いないわけで、活躍がとてもうれしいです。ラストのベスとの別れでの表情はとてもグッときましたなあ。大変カッコよかったと思います。なお、Wキャストで山崎育三郎氏もロビンを演じているのだが、育三郎Verもカッコイイんだろうな……歌い方が二人は全然違うから、聞き比べたいですなあ。CD買おうかしら……。
 ◆メアリー:今日のメアリー様を演じたのは、元・劇団四季のベテラン、吉沢梨絵さん。本作では、メアリーは実におっかない女性だけれど、実際のところ、メアリーの立場なら、そりゃあベスが憎いでしょうなあ。それはもうしょうがないと思う。なのでわたしとしては別に悪役には思えず、自らの死期を悟った時、ベスと和解(?)するシーンにはやけにグッときましたね。素晴らしいパフォーマンスでした。
 ◆フェリペ:今日のフェリペは古川雄大くん。あ、もう古川くんも30歳なんだ……そうか、わたしが彼を初めて観たのは、これまたテニスの王子様ミュージカルでの天才・不二周助を演じているころだから、やっぱり10年以上前か。わたしは彼の声がかなり好きで、『エリザベート』での悲劇の皇太子ルドルフを演じたときの、「闇が広がる」「僕はママの鏡だから」がとても好きなんすよね。本作では歌は少なかったのが残念す。
 ◆アン・ブーリン:幻影としてベスの前に現れる母、アン・ブーリンを演じたのが和音美桜さん。元宙組の宝塚歌劇出身。わたしは現役時代を知らないのだが、非常に歌ウマな方で素晴らしかった。あ、87期なんだ? てことは、龍真咲さん(まさお)や早霧せいなさん(ちぎちゃん)と同期なんですな。ああ、でもそうか、2008年にはもう退団されてたんだな。あ! なんだよ、過去のパンフを漁ってみたところ、わたしが2013年に観たレミゼでファンテーヌを演じられていた方か! その時のエポニーヌを演じた平野綾ちゃんの印象が強くて忘れてた。アホだ……くそう、ホント失礼いたしました。いやー、和音さんの歌は本当に素晴らしかったす。
 ◆キャット・アシュリー:ベスをずっと支える侍女のキャットを演じたのは、これまた宝塚の元TOPスター涼風真世さん(かなめさん)。わたしとしては舞台でお会いするのはお久しぶりすね。相変わらずお美しく、歌ももちろん素晴らしかったす。綺麗な方ですなあ……ホントに。もう57歳だって。全く見えないすね。
 とまあ、こんな感じかな。なんだか同じことばかり書いているけど、とにかく平野綾ちゃんがかわいくて、わたしとしては大満足な作品でありました。そしてしょんぼり顔の平野綾ちゃんは、日本人最高レベルに可愛かったと思う。東京公演はもうあと2週間ぐらいで終わりなのかな。その後大阪へ会場を移して公演は続くわけだが、キャストの皆さん、どうぞ最後まで駆け抜けてください。最高です。

 というわけで、まったくまとまらないので、もう結論。
 2014年以来となる東宝ミュージカル『Lady Bess――レディ・ベス』を帝劇にて観てきたのだが、今日のベスを演じた平野綾ちゃんの可憐さはもう最高レベルに素晴らしく、そして歌も実に見事で、わたしとしては大満足であった。そしてこの時代のイギリスについてもっといろいろ調べたくなったわたしである。ところで、なんで「Beth」じゃなくて「Bess」なんだろう? これって英語的には当然のことなのかな?? そして、現在、非常に混雑しているという噂の、「怖い絵展」も俄然興味が出てきたすねえ。メアリーの前に女王として即位し、すぐに処刑されてしまったジェーン・グレイの処刑を描いたあの絵を観に行く必要があるような気がしますな。来週あたり行ってくるとするか。しかし……やばいす。どんどん平野綾ちゃんが好きになってきた……超今さらなんですが、これって……恋なんでしょうか? 以上。

↓ これっすね。本物の絵の迫力はホントヤバそうす。金曜は夜20時までやってんだな……いや、やっぱり朝イチに行くべきだな。よし、これは行こう!
怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)
中野 京子
角川書店(角川グループパブリッシング)
2011-07-23




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