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 というわけで、今日は宝塚歌劇を愛するわたしが最も応援している「星組」の公演を鑑賞するため、午前中から日比谷へ赴いた。日差しは暖かいけど、あの東京宝塚劇場前の細い道はビル風が強くて寒いですなあ……。わたしは35年ぐらい前の中学生・高校生の頃は、あの一体にあった日比谷映画や有楽座といった映画館へよくチャリンコをぶっ飛ばして通っていたので、その街並みの変化をずっと見てきたのだが、去年落成した日比谷Midtownの影響か、なんかすっかり様相が変わっちまったすね。
 そんなことはどうでもいいとして。
 現在東京宝塚劇場で上演されている演目は、後に東宝の専務か何かまで成り上がることになる劇作家、菊田一夫氏が1963年に書き上げた作品で、その後何度も再演されているという伝説的作品『霧深きエルベのほとり』である。初演はなんと56年前ってことか。そりゃあもう、いくらおっさんのわたしでも観ているはずもなく(つうか生まれてもいない)、最後に再演されたのが1983年だそうだから、えーと、36年前か。つまりわたしがチャリで日比谷に通っていた頃なんだな、と思ったので冒頭にどうでもいいことを書いてみた次第であります。
 あと1つどうでもいいことを書いておくと、宝塚歌劇団が5つの組で構成されていことは、何度もこのBlogで書いているけれど、公演の順番が、数年に一度、ちょっと変わることがあるのである。どういうことかというと、雪組→花組→月組→宙組→星組、の順番でローテ―ションしていた翌年に、その順番がちょっと変わることがたま~にあるのです。そしてまさしく我が星組は、去年、雪組と順番が入れ替わったんだな。その結果、去年、元の順番ならば、宝塚大劇場の年末ラストが星組公演で、年明け一発目が雪組、となるはずだったところ、雪組が先に年末に公演を行い、そして星組が今年1発目になったのだ。
 これは、去年の10月の台湾公演の影響だろうと思うが、何が言いたいかというと、そのために我が星組は、去年は大劇場公演が1本しかなかったのである。そしてつまり、東京宝塚劇場での星組公演は、去年の6月~7月以来と、結構久々なのであります。はー説明が難しい。
 というわけで、星組推しのわたしとしては、演目的にも伝説の作品だし、スケジュール的にも久しぶりだし、と大変楽しみにしていた公演なのであった。ということを言いたかっただけです。はい。おまけに、先日とうとうこの次で退団することを発表した星組TOPコンビ。さらに言えばこの公演で卒業してしまう方もいて、まあとにかく、いろんな意味で、わたしは今日を待ち望んでいたのでありました。
 
 というわけでーーー物語は上記映像の通りであります。
 ハンブルグを舞台に、船乗りカールと、とある金持ちの令嬢マルギットが出会って恋に落ちるけれど、身分違いがもたらす悲しい結末となる悲恋、であります。
 まあ、ズバリ言うとかなり昭和な雰囲気で、石原裕次郎的世界観と言えばいいのかな、相当時代がかっているのは間違いなかろう。しかし、だからと言ってつまらないわけではなく、実際わたしとしては大変楽しめる作品であった。とりわけ、男のわたしから見ると、主人公カールと、マルギットの婚約者で育ちが良く超イイ奴のフロリアンの二人の気持ちがとても良くわかってしまうのだ。どんな感じなのか、各キャラ紹介をしつつ演じたジェンヌについてもメモしてみよう。
 ◆カール:船乗り。学はないしギャンブルもたしなむ、チョイ悪系男子。港ごとに女がいる的な感じだけど、実はかなりイイ人。マルギットに刹那的に惚れてしまって結婚しよう! という勢いでラブラブになるものの、冷静になって、マルギットの実家の上流の生活や、マルギット自身のことを考えると、まあ、実際オレじゃマルギットを幸せには出来ねえ、と実感してしまう。その結果、カールがとった行動はーーー観てご確認ください。男としては大変共感できます。女性から見たら、うーん、どうだろう、アウト……かもしれないな。。。
 そして演じたのはもちろん星組TOPスター紅ゆずるさん(以下:紅子先輩)。とうとう退団の発表があって、大変淋しいですね……最強コメディエンヌの紅子先輩。今回は悪ぶっててイイ人、という得意のキャラだったように思います。主題歌が染みたっすね……「か~も~め~よ~伝えてよ~ わが心……今も君を愛す……」大変結構なお点前でした。
 ◆マルギット:上流階級のお嬢様。とある理由で父との確執があって家出。カールとの運命的な出会いに恋の炎が燃え上がっちゃう……わけだが、まあ、やっぱりマルギットは問題アリと言わざるを得ないだろうな……ちょっと世間知らず過ぎたんでしょうな……でもまあ、それはマルギットの罪ではなく、そう育てられてたんだからどうしようもなかったとも思う。願わくば、カールとの恋を教訓として、幸せになってほしいすね……。
 演じたのはこれまた当然、TOP娘役の綺咲愛里さん(以下:あーちゃん)。あーちゃんも紅子先輩と同時退団を発表されており、やっぱりとても淋しいす。あーちゃんに関しては、目の肥えた歴戦のヅカ淑女たちの評価がやけに厳しいような気がするけれど、わたしは何度も書いている通り、あーちゃんはとても可愛いし、間違いなくTOPのオーラを放つ素晴らしいジェンヌだと思う。地声が落ち着いた低い声だから、高い声が若干厳しいんすよね……でもわたしはあーちゃんの意外な低音ボイスが大好きなのでおとがめなしです。もうチョイ、あーちゃんを舞台で観ていたかったすなあ……。次の、最期の退団公演、楽しみにしてるよ!
 ◆フロリアン:マルギットとは子供のころからの幼馴染で婚約者。上流階級。しかし、その身分や財力(はあるのか?)をひけらかすようなところは皆無で、実にイイ人。フロリアンは、ある意味マルギットに振られてしまった残念な男なわけだが、それでも一切マルギットを責めるようなことはせず、ただただ、マルギットの幸せを願うナイスガイ。男のわたしから見ると、カッコ良すぎですよ! まあ、要するに超イイ人、なわけだけれど、残念ながら世の真理として、女子は「イイ人」には恋してくれないんすよ……イイ人と評されることの多いわたしもつらいすわ……。女性から見たら、やっぱりイイ人すぎて恋愛対象外なんすかねえ……。。。
 演じたのはわたしが最も応援している礼真琴さま(以下:こっちん)。今回はソロ曲も泣けたっすねえ! こっちんの歌は最強レベルに巧いわけで、今回は後半のショーでも堪能させていただきました。問題は、紅子先輩の次に、星組TOPスターにこっちんがなれるかどうか、なのだが……普通に考えればもう確定だろうけど、仮に別の組から誰かが突然やってきても、わたしは受け入れますよ。こっちんにはまだ熟成期間があってもいいと思う。順当にTOPスターになれたら、それはそれで大歓迎。TOPになった時点で完成されてなくていいんだしね。いずれにせよ、こっちんの「これから」が楽しみだし、応援したいと思います。
 ◆トビアス兄貴:カールの乗ってる船の船員たちの兄貴分。渋い。カッコイイ。物語的にはあまり出番ナシ。のちに、兄に会いにハンブルグに来ていたカールの妹と結ばれ、船員を引退、陸(おか)での生活を選ぶことに。演じたのは今回で退団してしまう「ひろきのお兄様」でお馴染みの七海ひろきさん。ラストの「じゃあ行くぜ……あばよ!!」には、なんかグッと来たっすね……。宙組から来てもう4年経つんだな……あっという間だなあ……。素顔のお兄様は、実にクールな眼差しの美女なので、退団後の活躍を楽しみにしております。また舞台で会いたいすね。
 ◆シュザンヌ:マルギットの妹で、実はフロリアンが大好き。家出した姉を心配しているが、それ以上にフロリアンのことが心配。そりゃそうだ。超けなげなお嬢さん。演じたのは有紗瞳さん(以下:くらっち)。わたしはこっちんがTOPに登極する時には、その隣にはくらっちがいてほしい……と強く願っていたのだが……はあ……どうやらその夢は叶いそうもなく……もちろんまだ分からないけれど、先日、花組からこっちんの嫁候補と思われる組替え人事が発令されており、どうやらくらっちはこっちんの嫁になれる見込みがかなり薄くなってしまった……。本当に厳しいなあ……。。。わたしが全娘役で一番応援している、月組のうみちゃん(海乃美月さん)のようになってしまう可能性大なわけで、実に悲しいすわ……。そんな……ホントマジかよ……である。うみちゃんもくらっちも、本当に華のある素晴らしいジェンヌなのにね……報われてほしいなあ……。。。

 とまあ、物語上のメインキャストは以上であります。
 ホント、楽しめたのは間違いないけれど、なんだかいろいろな意味でつらいお話でありました。なんつうか、恋の炎はあっという間に燃え上がるけれど、その勢いだけで結婚というわけにはいかないんでしょうな。ま、そりゃそうだとしか言いようがなく、二人の男の決断も、男としては実に理解しやすいお話であったと思う……けど、女性がこの物語をどう思うかは、正直良くわからんです。
 で。後半はショー『ESTRELLAS~星たち~』であります。元々スペイン語の「星」=「Estrella」に、複数形のsをつけたものだそうで、要するに星組のスターたち、てなことである。ところで、ちょっとした豆知識を紹介すると、宝塚歌劇団の5つの組には、それぞれ「テーマカラー」が設定されており、「花組=赤(ピンク)」「月組=黄」「雪組=緑」「星組=青」「宙組=紫」となっているのだが、今回のショー『ESTRELLAS~星たち~』は、基本「青」の舞台でありました。まあ、前回の『Killer Rouge』は全編「赤」だったんだけど、まああれは、TOPスター紅子先輩の「紅」だったということで、今回は星組の青、であります。
 まあ、星組のショーでは、わたしは当然こっちんをずっと双眼鏡で追うわけですが、やっぱりこっちんはダンスもキレてますなあ! 最高じゃないですかもう! なのでこっちんグレイトは当たり前として、やっぱりここ数回で思うのは、せおっちこと瀬央ゆりあさんの躍進でしょうな。今回も、ちゃんとソロパートがあって、歌がすげえ上達してるような気がしますね。しかし、まあこれもアレなんだけど……こっちんがもし順当にTOPになったら、2番手はせおっち、なのだろうか? いや、今の星組を観ているとそれ以外は考えられないんだけど……同期のTOP&2番手コンビって、あるんすかねえ? わたしのヅカ歴10年ではなかったような気がするけど、普通にあることなのだろうか? わたしは全然アリだと思うし、むしろこっちんとせおっちの絆を考えれば、むしろ大歓迎なんだけど……どうなるかよくわからんす。
 それから今回のショーでは、今回で退団するひろきのお兄様や華鳥礼良さんたちに、ちゃんと見せ場があってよかったすね。特に華鳥ちゃんはエトワールも任されて、とても光ってましたな。特徴のあるお顔の美人なので、路線には乗れなかったけど、わたしはいつも、あ、華鳥ちゃんだ! と見つめていたよ。淋しいね、もう会えないのは。。。退団後、幅広く活躍してくれることを願ってます。
 
 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「一度散った木の葉を 再び元の枝につけて緑に輝くと 君は思うかい……」
 今回は、かなり序盤でフロリアンが言うこの台詞を選びます。ここは、シュザンヌとのやり取りなんですが、姉さんを連れ戻せばまたあなたを愛するようになるかもしれないわ、というセリフに対するフロリアンの回答、がこの台詞です。このシーンは全部カッコ良すぎたっすね……つうかフロリアンよ、君は物分かり良すぎですよ……でも、このセリフを言う気持ちも、男のわたしは痛いほど良くわかるんすよね……まったく、男はつらいよ……ですなあ……。

 というわけで、結論。
 7カ月ぶりか? ちょっとお久しぶりとなる星組大劇場公演『霧深きエルベのほとり』がやっと東京に来てくれたので、今日は楽しみにしていたわけだが、この作品は、お話の内容的にも、そして現在の星組の状況的にも、なんだかとても悲しくて、淋しい気持ちになってしまったわたしである。なかなかつらいお話だったとわたしは思うのだが、果たして、現代の女性が観てどう思うのか、結構興味があるっすね。まあ、一度散った木の葉は、もう緑に輝くことはないんすよ……このセリフはとても気に入ったので、今後日常で使わせていただこうと思います。そして、退団者の皆さんのことは、今後も応援したいし、いよいよ次の大劇場公演で退団となる星組TOPコンビにも、最期まで拍手をもって応援したいと存じます。でも、ホント問題はこっちんの「これから」なんだよな……まずは5月、主演を務める全国ツアー公演があるので、こっちんの雄姿を楽しみたいと存じます。結論としては、こっちんこと礼真琴さんは最高です。以上。

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 というわけで、今日は雨が降っていたので、会社まで車で行って、会社から総武線で3つ先の千駄ヶ谷まで電車に乗って、そこから神宮球場の横にある日本青年館へ行ってきた。
 理由はただ一つ、わたしが最も応援している宝塚歌劇団星組の公演を観るためであります。今回は「異次元武侠ミュージカル」と題された『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』と、「タカラヅカ・ワンダーステージ」という前サブの付いたショー『Killer Rouge 星秀☆煌紅』の二本立てである。この公演は、来月、そのまま台湾でも上演されることが決まっており、わたしも台湾子会社の役員がチケットを既に確保してくれているので、来月は2年ぶりかな、台湾へ行ってくる所存である。
 で。まずミュージカルの方だが、この作品はオタク業界では大変有名な虚淵玄氏による原案・脚本で、台湾製の「人形劇」としてテレビ放送された作品を、舞台ミュージカル化したものだ。10月から第2シーズンの放送があるのかな。そして虚淵氏は元々18禁のエロゲーのシナリオライターだが、今やすっかり売れっ子作家と言っていいだろう。そしてこの『Thunderbolt Fantasy』も、小説やコミックにもなっている有名な作品だが、まあ、ズバリ言えば、宝塚歌劇を愛する淑女の皆さんには全くお馴染みでないだろうと思う。なので、まさか宝塚でこの作品をやるとは、わたしとしてはかなり想像の斜め上を行く作品選びで、最初に聞いた時はとてもびっくりしたのである。
 しかし、よく考えると、あのビジュアルはたしかに舞台映えしそうだし、実は全然アリかも、と思い、果たしてどんな舞台となるのだろうか……とわたしは相当な期待をもって、今日は日本青年館へ参上したのだが、まあ、結論から言うと、ちゃんと面白かったすね。ただ、歌が少なく、コスプレ感もぬぐえず、若干のトンデモ系な香りは漂っていたようにも思う。でもまあ、イケメン俳優演じるいわゆる2.5次元系でやるよりも、この世のものとは思えないような美形を誇る宝塚歌劇の方がいいんだろうな、と思った。
 というわけで、劇場に着いたのは確か開演30分前ぐらいだったと思うが、もう会場は相当数の淑女の皆さんが詰めかけており、さすがの人気ぶりであった。そして今回、わたしは友会抽選に当たって普通にチケットが買えたのだが、7列目のほぼドセンターあたりという大変良い席で、おお、こりゃあ舞台が近くて最高だぜ! というのを席について確認したのち、なにやら2階ホールに、テレビで使用した本物の「人形」が展示されているというので観に行ってみた。これがまたすっげえ淑女の群れが集っていて、なかなかいい写真は撮れなかったのだが、ま、こんな感じであった(※写真撮影OKだったす)。
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 それぞれの人形は、だいたい1メートルぐらいの身長があったかな、もうチョイ小さいか? そして細い! すごく華奢で顔も小さく、9頭身ぐらいはありそうな極めて繊細に、緻密に作りこまれたものであったのが印象的だ。このキャラたちを、紅ゆずるさん(以下:紅子先輩)率いる我が星組メンバーがどんな感じに演じるのだろうか、そしてわたしが一番応援している礼真琴さん(以下:こっちん)は、その最大の魅力である歌を聞かせまくってくれるだろうか、という期待の元、開演を待つべく席に戻った。
 で。どんなお話かは、説明するのがちょっと難しいので、公式サイトのWebページを観てほしいのだが、ズバリ言えばファンタジーなので、歴史とかそういうものは全く関係ない。かつて「魔物」と「人間」の戦いがあって、魔物に対応する武器を人間が作っていたと。で、それから長い時間が経過した世の中では、とある一族が最強の刀を護っていて、その刀の刀身自体は魔物を封じ込める封印に使われていて、その刀の「柄」と「鍔」がないとその刀身を抜く(=封印を破る)ことができず、魔の力を欲する悪党集団(?)がその柄と鍔を奪いに、守護している一族のもとにやってきて、そこに通りかかった(としか言いようがない)男たちが、力を合わせてそれを守る、てなお話である。これは、事前に予習しておいた方がそりゃいいけど、今回の舞台を観ていて、これは予習なしでもちゃんと理解できるお話になってるように感じた。なので、淑女の皆さんは予習しなくても大丈夫だと思うな。もちろん、知ってた方がより理解は深まると思うけど。
 というわけで、キャラ紹介と演じたジェンヌを書き連ねていきたいのだが、わたしが気に入った順に書こうと思います。なので、主人公じゃないこの方から行ってみよう。
 ◆殤不患(ショウフカン):演じたのは「お兄さま」でお馴染みの七海ひろきさん(以下:カイ兄貴)。今回、カイ兄貴がいっちばんカッコ良かったと思う。最高でしたね、ひろきのお兄様! 大変美味しい役柄でありました。カイ兄貴は女子としても大変な美人で、男役としては実にカッコイイお人ですよ。今回演じた役は、たまたま通りがかって、かなり嫌々助っ人となる謎の剣客なのだが、実はーーというその実力を最後に見せてくれて、もう物語的には主人公並みの大活躍と言えるのではなかろうか。カイ兄貴、ホント最高にカッコ良かったす!
 ◆丹翡(タンヒ):演じたのは、星組のヒロイン、TOP娘役の綺咲愛里ちゃん(以下:あーちゃん)。今回はもう、本当にお人形のような可愛さで、このレベルのビジュアル的可愛さは、わたしの審美眼では宝塚歌劇5組中ナンバーワンだと思う。何度もこのBlogで書いている通り、あーちゃんは確かに歌には問題があるかもしれない、けど、わたしはあーちゃんの意外な低音ボイスが大好きだし、あーちゃんは、裏声の高音が苦手なんじゃないかしら。地声の部分はすごくいいと思うんだけどな。わたしはあーちゃんの声が大好きすね。とにかく、おっそろしく可愛かったす。演じた役柄は、封印の柄と鍔を守護する一族の姫で、箱入りで世間知らず的なキャラなのだが、必殺技の発動も実にそれっぽくて良かったし、その衣装も大変あーちゃんに似合っていたと思う。つうか、あーちゃん、かつてこのBlogで幼児体形とか言ってごめんよ。なんかすっかりシャープになったというか、とても痩せたね。ウエストの細さがもう以前とは段違いだし、ちょっと痩せすぎなのが心配です。
 ◆捲殘雲(ケンサンウン):演じたのは、わたしが最も応援しているこっちんこと礼真琴さん。本作は幕開けからこっちんのパワフルな歌から始まるので、もうのっけから大興奮でした。何も言うことないね。最高です。役柄としては、護衛団の中で一番の若者ということで、ちょっとしたツッコミ役だったり、コメディ色も強かったすね。ビジュアル的にも、アニメ風というか、ファイナルファンタジー的というか、2次元的な金髪イケメンでしたな。とてもよく似合っていたと思う。問題は、こっちんは、ズバリ言うとカッコイイよりもカワイイ系なんすよね……。そこが完璧超人こっちんの唯一の弱点のように思えてならない。歌の実力は、もうヅカファンなら誰しも現役最強レベルと認める力があるので、あとはレジェンドちえちゃん(=柚希礼音さん)のような、ワイルドなギラギラ感が加われば、最強なんすけどね……。でもまあ、こっちんはやっぱり最高す!
 ◆凜雪鴉(リンセツア):物語の主人公。盗賊。自由人(笑)で。ちょっとボケ役、と言ってもいいかな。演じたのは、星組TOPスター、紅子先輩こと紅ゆずるさん。宝塚屈指のコメディエンヌとして名高い紅子先輩は、たしかにリンセツアのキャラにはピッタリだったすね。わたしの席から双眼鏡で紅子先輩を観てみたところ、紅のカラーコンタクトを着用されてるのが見えたす。原作でどうだったかまったく覚えてないけど、目が紅くてびっくりしたよ。ただ、この人はイイ人なのか悪い奴なのか、非常に微妙なところがあるので、今回のお話の中では、若干理解が難しいかも。これは原作の人形劇を観てないと、ちょっとわかりづらいかもなあ……とは思った。ただ、それでも紅子先輩の笑わせるクオリティは相変わらずお見事で、その軽妙さはやっぱり、リンセツア役は紅子先輩以外にはできないだろうと思わせるお見事な演じぶりでした。ちょっと歌が少なかったすね。ミュージカルと言えるかどうか、ギリギリぐらいの最小限の歌しかなかったのがちょっとだけ残念す。
 そして後半はショー『Killer Rouge 星秀☆煌紅』であります。このショーは、数カ月前、大劇場で上演されたものの再演なのだが、現在星組は2班に分かれているので、メンバー構成が変わって、内容もちょっとだけ、前回からは変更になっていた。例えば、明らかに台湾向けな中国語の歌が入ってたりしてたす。
 わたしが今回のショーで、一番目に留まったのは、新公主役を3回こなしている天華えま君(以下:ぴーすけ)だ。今回、ソロで歌うシーンが何回かあって、これって前回もあったっけ? と思いつつ、たぶんわたしはぴーすけ君のソロを聞くのは初めてじゃなかろうか? という気がした。そして、なんだよ、かなりイイじゃないですか。ぴーすけ君、結構美声なんすね。今、星組では売り出し中の若手カップル、極美慎くんと星蘭ひとみちゃんの二人は、別班で現在バウホール公演の稽古中なので、今回不参加なのだが、その分、やけにぴーすけ君が目立ってた印象す。
 あと、これは明確に前回なかったものだが、今回は、紅子先輩の恐らく完全アドリブな、「誘導係:紅子」コーナーがあった。しかも長い! 10分とは言わないまでも5分以上はあったすね。もうその笑わせ方はすごいよ。マジでこれも紅子先輩じゃないとできないだろうな……。これは、劇場の席の誘導係である「紅子」なるキャラに扮した紅子先輩が、後輩のあーちゃんや、こっちん演じる「礼子」をいじりまくるギャグコーナーで、客席を練り歩きながらお客さんへのダメ出しをしたり、あーちゃんを軽くパワハラしたり、相当笑えました。このコーナーって、2014年かそのあたりのタカスペのアレなんすかね? あの年のタカスペは、紅子先輩は病気休演になっちゃったんだよな……それでこっちんとあと誰だったかで、客席練り歩きながら演じてたのがあったけど、アレはバスガイドだったっけ……ちょっとBlu-ray探してみよう。
 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「正しくあろうとしたことを、悔やむんじゃない!」
 今回は、ほぼ物語の主役と言ってもよさそうな、カイ兄貴こと七海ひろきさん演じるショウフカンのセリフを選びました。ヒロインへ向けたこのセリフ、実にカッコ良かったすね。わたしの中でのカイ兄貴株が爆上げですよ。今までこっちんばっかり注目していたけど、やっぱりカイ兄貴も最高すね!

 というわけで、結論。
 現在、日本青年館で上演している宝塚歌劇団星組公演『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀/Killer Rouge 星秀☆煌紅』を観てきたのだが、なるほど、原作を知らなくても理解できるかな、という内容ではあった。もちろん、予習した方がイイとは思うけど、意外と大丈夫のような気がします。まあ、正直、わたしは虚淵氏の作品は数多く観たり読んだりしているけれど、いつもほぼ好みではないし、全くファンでもないので、ちょっとアレなのだが、ここまで完全な異世界ファンタジーを宝塚歌劇が上演するのも珍しいような気もする。でも、そのビジュアル再現力はやっぱりすごいですな、宝塚は。とりわけヒロイン演じるあーちゃんのコスプレ(?)は最強に可愛かったと思うし、こっちん演じる役も、すごいファイナルファンタジー的キャラビジュアルで、それがまたよく似合ってるから、これまたすごいよなあ、と大興奮でありました。そしてショーの『Killer Rouge』も大変キラキラであり、天華えま君のソロも聞けたのは収穫だったし、ギャグコーナーの紅子&礼子も最高でした。要するに、結論としては大変楽しめました。来月の台湾公演が楽しみですなあ! わたしは2泊でさっさと帰っちゃいますが、また、宝塚だけじゃなく、日本公開される前の映画を観まくってこようと存じます。以上。

↓ これ、日本は12月公開、だけど、たぶんわたしが台湾に行く頃は台湾では公開されてると思うので、観てきます! あと、たぶん日本では2月公開の『FIRST MAN』も観られる……はず! 台湾は、大抵US本国と同時公開なのさ!


 わたしが初めて宝塚歌劇を体験したのが2010年2月。あれから8年が経過し、わたしもヅカファン的に言うと「新公学年」を卒業し、ムラ遠征もソロで行えるようになり、お気に入りのジェンヌのファンクラブに入ってお茶会に参加するなど、まあ、ヅカ道における黒帯を取得したかなぐらいの経験を得てきた。
 そんなわたしが一番応援しているのが星組なのだが、よりによってイチオシの星組公演なのに、現在、東京宝塚劇場で行われている公演をのチケットがどういうわけかまるで取れず、ファンクラブ取次もお断りが入り、マズイ、これはマジで観られないのか? と若干焦っていたところ、わたしをヅカ道へ導いてくれた偉大なるヅカ師匠の美しいお姉さまから連絡が入り、チケットが1枚あるのだけれど、あなた、ご予定はいかがかしら? とお誘いを受けた。まったくもってナイスタイミングであり、わたしとしては即、押忍! 喜んでお供させていただきます! チケット全滅で困ってたんす! と返事をし、無事に昨日、観ることができたのである。はーーーホント助かった。師匠、マジあざっす!
 というわけで、わたしが昨日、日比谷の東京宝塚劇場で観たのが、我が星組公演『ANOTHER WORLD / Killer Rouge』である。落語原作の和物ミュージカルと、キラッキララキラッ!キラールージュ!とノリノリ&キラキラなショーの2本立てだ。
 結論から言うと、まあかなりトンデモストーリーな『ANOTHER WORLD』は最高に笑えて楽しめたし、ショーはもう大変なパワーで圧倒され、大変楽しめたのである。なんつうか、アレっすね、今の星組TOPスターである紅ゆずるさん(以下:紅子先輩)でないと出来ない作品だったといえるような気がしますな。最高でした。

 まずは和物ミュージカル『ANOTHER WORLD』である。これは落語噺「地獄八景亡者戯」などを原作?として作られたオリジナル作品だそうで、まあ、とにかくトンデモない、笑えるお話であった。ざっと話をまとめると、主人公の康次郎は、大阪の両替商の若旦那なのだが、とある女子にひとめぼれし、その女子、お澄もまた康次郎に憎からぬ思いを抱いていたものの、なんと康次郎は「恋煩い」で死亡、はっと目が覚めるとそこは「あの世」であった。そしてそのお相手の女子も同じく恋煩いであの世に来ているらしく、現世での知り合いや、あの世で知り合った江戸の米問屋の若旦那、徳三郎たちとともに、お澄を探す旅に出る。かくして無事にあの世で再び巡り合った康次郎とお澄だったが、二人の恋路の前には閻魔大王さまが立ちふさがり、スケベな閻魔大王さまはお澄に惚れてしまい、康次郎に地獄行きの沙汰を下してしまい――!? てなお話で、まあ要するにかなりとんでもない、笑える物語であった。開幕は、暗転から拍子木がちょーーんと鳴り、パッと明かりがつくとキャスト勢ぞろい、といういわゆる「チョンパ」であり、その絢爛な絵面も見どころの一つであろう。
 で。こういうトンデモ喜劇は、ちょっと他の組ではできないんじゃないかな……という気さえするが、わが星組の紅子先輩は、現在の宝塚歌劇団の各組TOPスターの中では、「最強コメディエンヌ」であることはおそらく誰しも認めるところであろう。まさしく今回は紅子先輩の本領発揮、まあ楽しそうに演じておられ、観ているわたしも最高に楽しめたのであります。というわけで、軽くキャラ紹介と、わたし的に、お、と思った方々を紹介しておこう。
 ◆康次郎:主人公。演じたのは前出の通り紅子先輩。大坂人なのだが、いわゆる「はんなり系」上方人で、現代のわれわれが思い浮かべるいわゆるコテコテ系大阪人とは違う。そしておっそろしくポジティブだし、ふざけるところはふざけ、決めるところは決めるその様は、本当に紅子先輩にぴったりであったと思う。最高でした。
 ◆お澄:ヒロイン。康次郎への恋煩いで死亡w。あの世の「美人館」なるショーパブ?の看板女優?に抜擢されているところで康次郎と再会し、夫婦に。演じたのは勿論TOP娘役の綺咲愛里ちゃん(以下:あーちゃん)。あーちゃんに対しては何かと批判的な意見を見かけるけれど、わたしは大好きですね。可愛いし。その意外な低音ボイスも大変魅力的。以前は、やや幼児体形かと思ってたけど、なんかちょっと痩せて、顔も尖ってきたし体もメリハリボディーになってきましたな。その輝きはまさしくヒロインですよ。今回もとてもかわいくて最高でした。
 ◆徳三郎:江戸のモテモテ若旦那でイイ人。現世であらゆる遊びを堪能し、あの世での楽しみを求め、フグの毒を喰らって死亡。すげえw 演じたのは、わたしが一番応援している礼真琴さま(以下:こっちん)。こっちん自身、江戸川区出身ということで東京人なわけだが、やはり今回のいなせな江戸人としての江戸弁は苦戦したとおっしゃられてましたな。でもまあやっぱりカッコ良く、そしてこっちん最大の武器である歌も、ダントツに光ってましたね。いやあ、マジこっちんは最高です。
 ◆初音:あの世(冥途)の三途の川ほとりにあるお茶屋「めいどかふぇ」の看板娘。康次郎一行の話を聞いて、仲間に。可愛いのに超毒舌というか、ハード系ツッコミ女子。演じたのは、星組娘役でナンバーワン歌ウマ&芝居上手だとわたしが思っている有沙瞳ちゃん(以下:くらっち)。くらっちは元々三重県人か。今回は関西弁であったけど、なんか違和感なかったすな。今回のようなアグレッシブな元気娘な役は初めて見たような気がする。やっぱりくらっちはイイすねえ! 最高です。
 ◆艶治:閻魔大王の妾で「奪衣婆」という役職をつとめていたが、なんと実は虞美人であることが判明。演じたのは音波みのりさん(以下:はるこさん)。出番は少ないけれど、出てきたとたんにオーラが違うし、歌も超ウマいすねえ、やっぱり。今や星組ではすっかり上級生のベテランとなったはるこさん。抜群だったすね。最高です。
 ◆貧乏神:あの世で観光案内をしていたところで康次郎一行と出会い、仲間に。極楽へ行き、福の神になりたい夢がある。演じたのは華形ひかるさん(以下:みつるさん)。みつるさんも85期(=柚希礼音さんakaちえちゃんと同期)、花組から専科に異動になったベテランだけど、存在感たっぷりでした。そして「貧ちゃん!」と呼ばれるのは懐かしいというセリフがあったけど、これはかつて『蒲田行進曲』でヤスを演じて「銀ちゃ~ん」をやっていたからなんすね。これは師匠に解説してもらって初めて知ったっす。師匠あざっす!
 ◆阿漕:あの世のショーパブ美人館の女性オーナー。康次郎一行に合流。演じたのは93期の夢妃杏瑠さん。やっぱりベテランの貫禄は一味違いますな。
 ◆喜六:康次郎の現世での知り合いの男子。コイツは5日前に捌いた鯖をアテに酒を飲んでいたら、その鯖が腐ってて?見事食中毒死した残念系若者。演じたのは、ひろきのお兄様でお馴染みのかいちゃんこと七海ひろきさん。かいちゃんは宙組から星組に来てもう3年か……すっかり星組には欠かせない存在ですよ。素顔のかいちゃんはキリッとした大変な美人女子ですが、とにかく整ったお顔が美しいお兄様ですな。かいちゃんは茨城出身なので関西弁は苦戦したとのこと。わたし的には全く問題ナシ、最高でした。
 ◆赤鬼赤太郎:閻魔大王配下の赤鬼軍団軍団長。演じたのは、躍進著しい瀬央ゆりあさん(以下:せおっち)。我が愛しのこっちんと同期のせおっちは、やっぱり去年の『阿弖流為』あたりから一皮むけましたねえ。大変良いと思います。最高です。
 ◆桃太郎:あの世で、閻魔大王率いる鬼軍団と対抗すべく、康次郎たちが助っ人を頼む中の一人。ほぼ出番はないのだが、やけに美形で、お、誰だろ? とすぐにわからなかったけれど、この桃太郎を演じている彼こそが、星組の期待の若手、極美慎くんですよ! ごめんよ……極くん推しとか以前書いたくせに、すぐわからなくて……でも今度こそ顔を覚えたので、次からは大丈夫と思いたい。
 とまあこんなところか。まあ、とにかく笑えて楽しい作品でありました。
 そして後半はショー『Killer Rouge』であります。
Killerrouge
 うお、写真撮るのが下手すぎる! あまりにキラキラなので、思いっきり光があふれてる……こりゃアカンわ。
 で、このショーは、秋の台湾公演に持っていく作品だからなのか、上記写真のようなタイトルロゴのオープニングであります。紅子先輩の名の通り、テーマは「紅(Rouge)」。星組のテーマカラーは青系なのだが、まあ今回はとにかく赤系の衣装で占められ、ある意味新鮮というか、大変にキラキラしている。このショーでは、もちろん紅子先輩を筆頭に、あーちゃんは可愛いし、こっちんは歌もダンスも最高に輝いており、わたしとしてはもう大満足であります。
 わたしは基本的にショーの時は、若いこれからの生徒をチェックするのがお約束なのだが、若手はソロ曲がまずないため、そのダンスのキレをチェックするのがメインとなる。今回、ダンスがとてもキレていたのは、やっぱり筆頭はこっちんであり、そしてくらっちも、ダンスもイケてますねえ! こっちんがTOPとなる時、その隣にいるのがくらっちだったら最高なのだが、どうなるかなあ……。こっちんは歌もダンスも芝居も見事な優等生だが、くらっちも、歌・芝居・そしてダンスも極めてレベルが高いすな。あと、どうしても名前が分からないのだが……ロケットに一人、すげえ美人がいたんすよね……アレは誰だったのだろうか……背が高かったから男役だと思うのだが……たぶん咲城けいくんか草薙稀月くんだと思うのだが、分からんす。そしてわたしが応援している新公ヒロイン星蘭ひとみちゃんや宙からやってきた華雪りらちゃんは、今回はあまり目立っていなかったけれど、相変わらず可愛かったす。
 まあ、この『Killer Rouge』は、わたしは9月に青年館で、そして10月に台北で再び見る機会があるので、その時もう一度チェックをしたいと思います。そうです。わたくし、秋は台湾へ行きます! 台湾子会社の知り合いがチケットを確保してくれたので! 行くつもりはなかったのに、チケット用意しときます! と連絡が来ちゃったので! 頼んでないのに! ありがとう! 楽しみにしてます!
 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「江戸っ子は気が短けぇんだ! さあ、行くぜッ! (そして歌があってもう一度) 行くぜッ!」
 今回は、かなり冒頭で物語にあまり関係ないんだけど、こっちんが言うこの「行くぜッ!」がウルトラカッコ良かったすね。こっちんマジ最高す!

 というわけで、結論。
 宝塚歌劇団の中でわたしが一番応援している星組公演が現在日比谷の東京宝塚劇場で絶賛上演中であるが、どういうわけかチケットが全然取れず、これはマズい、と思っていたところ、わたしのヅカ師匠に誘われて観に行くことができた。そしてミュージカル『ANOTHER WORLD』は落語原作の和物喜劇なわけだが、最強コメディエンヌたる星組TOPスター紅ゆずるさんにピッタリの、笑える楽しい作品で、結構声に出して笑っちゃいました。娘TOPの綺咲愛里さんも、相変わらずかわいらしく、時に低い声で毒を吐く姿も実にあーちゃんらしくて、とても良いと思います。そしてもちろん、わたしが一番応援する礼真琴さんは、姿もカッコ良く、歌もしびれるうまさで、ダンスのキレも抜群と全く文句のつけようのないお見事なステージングでありました。こっちんがTOPになれるのは、来年の暮ぐらいすかねえ……どうでしょうなあ……そしてその時一緒にTOPを張る娘役は誰になるんだろうなあ……大変楽しみであります。そして秋は台湾で会いましょう! そちらも楽しみっす。以上。

↓落語は全く観に行ったことはないけれど、一回行ってみるべきかもな……。

 わたしが宝塚歌劇団で最も応援しているのが星組であることは、もはや何度もこのBlogに書いていることだが、先週より東京宝塚劇場では、まさにその星組公演が始まり、わたしも昨日の夜の回を会社帰りに観劇してきた。一人で。何故ソロ観劇となったかというと、ファンクラブ取次で入手したチケットだからであり、なぜいつものように週末ではなく平日の夜の回かというと、この週末にファンクラブの集いがあるので、それまでに早く観たておきたかったからだ。恐らく、これらの理由は、ヅカ道に興味のない人には全く意味不明の理由だと思うが、ヅカ道中級者以上ならば理解できる理由であろうと思う。
 というわけで、現在東京宝塚劇場で公演中の演目は、ミュージカルの『ベルリン、わが愛』という作品と『Bouquet de TAKARAZUKA』というレビューショーの2本立てである。ズバリ結論を、若干偉そうな上から目線で申し上げると、まあまあ、面白かったかな、という感じである。とはいえ、見どころは多く、わたしとしては十分満足な一夜であった。

 さてと。まずはミュージカル『ベルリン、わが愛』の物語を簡単にまとめると、時は1920年代後半(30年代前半か?)、場所はベルリン、である。ベルリンでは映画産業も盛んで、既にハリウッドではトーキーが主流になりつつある中、ベルリンでは依然としてサイレント映画ばかりで、物語の冒頭はかのフリッツ・ラング監督によるSF映画の古典として知られる『METROPOLIS』のプレミア上映会から始まる。しかし『METROPOLIS』はその難解さとSFというジャンル的な面で観客の支持を得られず、製作した映画会社たるUFA(ウーファ)は莫大な製作費返済のために、経営危機に陥ってしまう。もっと観客に受ける、明るく楽しい作品、そして安い製作費で作れる映画。そんなUFAが求める映画を、オレが作る!と立候補したのはスタジオの助監督、テオであった。テオはまず、ベルリン映画界では初のトーキーに挑戦することを決意、そして新人役者を起用し、脚本には友人で児童文学作家のエーリッヒ・ケストナーを起用するなど金のかからないやり方で映画を撮ろうと奮闘する。そして、やけに押しの強いレビューショーダンサーだったレニ・リーフェンシュタールを起用しつつも、レニの紹介でやってきた若干地味っ娘のジルも端役に起用し、結果的に映画は大ヒットとなる。しかし、単発のヒットで会社の経営状態が回復するものでなく、スタジオはナチスの息のかかった投資家フーゲンベルク(後のナチス内閣に入閣する大物。ただし史実ではどうやらナチ独裁に反対したほぼ唯一の高官だったようで、戦後も無罪となった人だそうです)に売却され、いわゆる愛国的作品を取るよう強要されてしまう。さらに、ジルの清楚で美しい姿に魅了された、ナチス宣伝大臣ゲッペルスの横やりもあって、既にぞっこんLOVEな関係にあったテオとジルは―――てな物語であった。
 というわけで、かなり多くの実在の人物の登場する作品で、ドイツ文学で修論を書いた歴史好きのわたしとしては、結構、お、と思うような物語であった。ただ、ナチスの扱いは時代的にちょっと交錯しているような印象もあって、『METROPOLICE』のプレミア上映会は1927年だったらしく、その辺りだとまだナチスは政権を取っておらず、ゲッペルスの権力やハーケンクロイツも、劇中で示されたような権勢はなかったと思う。ま、とりあえずそんな細けえことはどうでもいいすかね。
 で。わたしとしては、当然一番注目していたのは、エーリッヒ・ケストナーを演じる礼真琴さん(以下:こっちん)である。こっちん大ファンを公言しているわたしとしては当然なのだが、今回こっちんは、若干出番が少なかったような気がするが、久しぶりにいい人の役だし、ちゃんとソロ曲もあって、こっちんの最強の武器である歌声も堪能でき、わたしとしては確かな満足だ。そして今回わたしが一番グッと来たのは、こっちん演じるエーリッヒの恋人ルイーゼロッテ(←この人も実在の人。ケストナーの代表作の一つ「二人のロッテ」の名前の由来の人)を演じた有沙瞳ちゃん(以下:くらっち)であろう。大変可憐で、おまけになんか最近はオーラが強くなってきたというか、舞台上の輝き、存在感が増してきましたなあ。大変良いと思います。この、こっちん&くらっちのペアは今後ますますの活躍をしてくれそうで大変楽しみですな。
 そしてもちろん、星組のTOPコンビ、紅ゆずるさん(以下:紅子先輩)と綺咲愛里ちゃん(以下:あーちゃん)も大変美しかったのは間違いない。このTOPコンビは歌が弱点と言われているような気もするしわたしも実際そうだと思っているが、なんかですね、わたしはもう慣れてきました。紅子先輩は歌はともかく芝居はとても良かったすね。あーちゃんも、わたしはあーちゃんの意外な低音ボイスが大好きなので、許せますな。これであーちゃんが超歌ウマだったら……と思わなくもないけど、まあ、やっぱりTOPコンビとして絵になりますよ。大変美しかったと思う。
 そのほか、専科に移って初めての大劇場公演?となった凪七瑠海さん(以下:カチャ)が助っ人として、本作ではゲッペルスをシブく演じてくれたし、UFAのプロデューサーを演じた七海ひろきさん(以下:かいちゃん)も相変わらず美しくカッコイイし、新人男優のちょっと調子のいい男を演じた瀬央ゆりあさん(以下:せおっち)も元気で良かったすね。星組組長である万里柚美さん(以下:ゆず長)も、若干訳アリな酒場の女店主を美しくかつ大人な魅力で魅せてくれましたな。
 まあ、物語としては、エンディングは意外とあっさりと、かつ美しく終わってしまって、若干、よくナチスからあんな簡単に逃げられたな、と驚いたけれど、This is TAKARAZUKA、ということで野暮なツッコミはやめておこうと思います。ま、面白かったす。
 で、後半は「タカラヅカレビュー90周年」と題されたショー『Bouquet de TAKARAZUKA』である。
星組20171128
 うわあ、我ながらへったくそな写真! 本物はとてもきれいです。
 わたしは、ショーにおいては、いつもお気に入りのジェンヌを双眼鏡で探して愛でるのが恒例であり、こと、わたしが一番推している星組においては、一番大好きなこっちんを観るのは勿論として、現在わたしが星組においてこっちんの次に応援している星蘭ひとみちゃん(以下:せーらちゃん)を探し、見つけたら追う、というのがお約束である。見つけるとですね、あ! いた! とか、嬉しくなるんすよね。せーらちゃんは101期生であり、入団3年目になるのかな。娘役としては、3年目だとそろそろいわゆる「路線」に乗るかどうかの時期であり大切な時期だ。そして、せーらちゃんは本公演で早くも新人公演ヒロインに抜擢されており、前作『スカーレット・ピンパーネル』でのルイ・シャルル役への抜擢も踏まえ、わたしとしてはどうやら無事に路線に乗ったような気がして大変うれしく思う。
 ※解説:「路線」=将来TOPになる道筋のこと。「新人公演」=宝塚歌劇団の大劇場公演は、約1カ月の公演中に1回だけ、入団7年目までの生徒のみで演じられる公演があって、その「新人公演」の主役/ヒロインに抜擢されるかどうかが重要な「路線」なのであります。以上解説終了。
 まあ、こっちんのカッコ良さと歌の素晴らしさ、そしてダンスのキレの美しさに関しては、もはや書くまでもなく明らかであろう。こっちんがTOPに登りつめる日が待ち遠しいですなあ。ただまだまだ、完璧優等生と言われるこっちんも勉強することがいっぱいあると思うので、紅子先輩の背中をしっかり見つめて精進してもらいたいと思います。もう、わたし、完全にお父さん目線ですわ。そして紅子先輩も、開幕はいきなりブランコで舞台の上に現れてびっくりであったけれど、やっぱり手足の長さ・細さはすごいすね。あーちゃんとのコンビも磨きがかかってますな。そしてあーちゃんも、当然かもしれないけどどんどん舞台上の輝きが増してますよ。大変お綺麗で、実際のところあーちゃんはとてもかわいいと思います。そしてくらっちも、やっぱりいいですなあ。
 で、わたしが推しているせーらちゃんは、ちょっと背が高めか? と昨日思ったけれど、「おとめ」によれば、あーちゃんと同じ身長163cmだそうで、目の錯覚?だったようだ。たぶん、とてもスリムでほっそりしていて、おまけに超小顔だから背が高いように見えたのではなかろうか。ちなみに、あーちゃんは、わたし好みのちょうどいい感じにむっちりで、実に良いと思います。しかしせーらちゃんのソロ歌が聞きたいですなあ。歌ウマだと文句なしなのだが……ルイ・シャルルとして歌った「ひとかけらの勇気」は、そう悪くなかったと思うのだが……どうなんでしょうなあ。まあ、今後大変楽しみです。
 というわけで、毎度お馴染みの、「今回のイケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「ジル! 俺は君を守る! どんな未来が待ち受けていようと!
 「テオ……!」 と熱いキス。
 今回は、やっぱりラストシーンでしょうか。この後、世界は非情な世となり、テオとジルはパリ経由でハリウッドへ脱出したからいいけど、こっちん演じたケストナーは、反ナチを貫きながらも亡命せずドイツに残ったわけで、戦後、みんなは再会できたと思いたいすなあ……

 というわけで、結論。
 宝塚歌劇団でわたしが一番推している星組が、現在東京宝塚劇場で公演中である。その作品『ベルリン、わが愛』は若干地味?ながらも、ファンとしては確かな満足であり、わたしとしてはまあ面白かった、と結論付けたい。そしてレビューショー『Bouquet de TAKARAZUKA』も、相変わらずのキラキラであり、中には知っている曲も何曲かあってわたしは大変楽しめた。つーかですね、紅子先輩&あーちゃんのコンビは、わたしは結構好きです。歌が弱点と言われることもある二人だが、わたしはあーちゃんの低音ボイスが好きなので全然アリです。そして、こっちん&くらっちも、夏の『ATERUI』のときのように、今回も大変お似合いのコンビでありました。なお、ケストナーとルイーゼロッテは生涯共に暮らしたそうですが、生涯結婚はしなかったそうです。へえ~。そしてわたしが注目するせーらちゃんはとうとう新公ヒロインに抜擢され、大変うれしい限りであります。くそーーーどうしても新公のチケットが取れん! 今回はマジで観たかったよ……せーらちゃん、新公の舞台で持てる力をすべて出し切ってくれ! 応援してます! 以上。

↓ 「おとめ」とはこれのことです。ファン必携の基本書っす。
宝塚おとめ 2017年度版 (タカラヅカMOOK)
宝塚クリエイティブアーツ
2017-04-14

↓そしてケストナーでわたしが読んだことがあるのはこの3作品かな。
ふたりのロッテ (岩波少年文庫)
エーリヒ ケストナー
岩波書店
2006-06-16

飛ぶ教室 (岩波少年文庫)
エーリヒ ケストナー
岩波書店
2006-10-17

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))
エーリヒ・ケストナー
岩波書店
2000-06-16

 というわけで、約1年ぶりのムラ遠征である。いまさらもう「ムラ遠征」ってなんぞ? なんて聞かないでいただきたい。東京に住む我々ヅカファンが、兵庫県宝塚市に存在する宝塚歌劇団の本拠地、宝塚大劇場へ公演を観に行くこと、それが「ムラ遠征」である。由来は知らないが、宝塚大劇場周辺をヅカファンは「ムラ」と呼んでいるわけだが、わたしが今回、一人でぶらっとムラ遠征したのは、わたしの愛する星組の2番手(とうとう2番手まで出世!!)スター、礼真琴さん(以下、こっちん、と略)の雄姿と歌声をこの目と耳に焼き付けるためである。5月まで待てば、東京公演が始まるのだが、それまで待てるわけねえだろうが! と半ばキレ気味に、朝6時の新幹線のぞみ号をぶっ飛ばして駆けつけたのである。ホントは昨日の初日に行きたかったけど、無理でした……。なお、もちろんいつも一緒に観劇に行くヅカ友のお姉さんたちも誘ったのだが、誰一人乗ってくれる人がいなかったので、ぼっち観劇&日帰りとなったのだが、ソロでの日帰りムラ巡礼をクリアしたわたしは、そろそろヅカ道の黒帯を取得したと言っていいのかもしれない。ま、まだまだ初段レベルですが、もはや素人じゃねえ、ぐらいすかね。朝6時ののぞみをぶっ飛ばして9時半ぐらい現遅着、そして現地15時ぐらい発で19時半には家に帰り着いた。ふーやれやれ。
 そして、今回の演目は、わたしにとっては大変思い入れのある作品『THE SCARLET PIMPERNEL~スカーレット・ピンパーネル』である。以前もこのBlogで書いた通り、わたしが宝塚歌劇を見るようになってから2本目に観た作品であり(その時は月組の公演)、また、その予習としてDVDで観た星組による初演は、わたしが宝塚歌劇にはまるきっかけとなった柚希礼音 さん(通称:ちえちゃん)が超絶にカッコイイ悪役を演じたことでもわたしにとっては忘れられない作品である。そして、そのちえちゃんが演じた悪役を、わが愛しのこっちんが演じることになり、わたしとしてはもう、まさしく居ても立っても居られないのである。ええと、今までのところで、なんか文句ありますか? ないすね? はい。じゃあ先に進めます。
 ところで。まったく今回の観劇には関係ないのだが、現在、というか主に先週、宝塚歌劇には大きなニュースが重なっていたのである。ズバリ言うと、各組のTOPスターが卒業したり新たにお披露目したりと顔ぶれが大きく変わった(変わる)のだ。
 まず、先週の月組公演を観に行った時も書いた通り、月組に続いて、愛する星組も、去年TOPスター北翔海莉さん(通称:みっちゃん)が惜しまれつつも卒業してしまい、新たなTOPスターとして、わたしも大好きな紅ゆずるさん(通称:紅子)が就任し、まさしく昨日初日を迎えた『スカーレット・ピンパーネル』で大劇場お披露目を果たした。大変めでたく、わたしも2日目の今日、観ることができて、もうとにかく超・感無量である。そしてその紅子と仲良しであったわれらがちえちゃんも、Instagramでその喜びを表明しており、星組イチオシのわたしとしては大変うれしい限りだ。

 そしてその紅子と同期の宙組TOPスター朝夏まなとさん(通称:まぁ様)が、先週わたしとしてはかなり電撃的に、次の公演での卒業を発表されたのだ。折しも先週宝塚大劇場にて、相手役の娘TOPである超美人の実咲凛音さん(通称:みりおん)の卒業を見送ったばかりのまぁ様。まさかこのタイミングで!? というのは激しくびっくりだったし、ならばみりおんもあと1公演残って、同時退団もあり得たのでは……と思った方も多いだろう。わたしもそう思ったが、まぁ様の卒業会見を見て、これで良かったんだな、と考えを改めた。同時だと、サヨナラショーはどうしても自分が主役になってしまうわけで、みりおん単独のサヨナラショーで見送ってあげたい、というまぁ様の気持ちは、尊重して余りあると思う。男前じゃあないですか! いつもは若干俺様キャラのまぁ様。はあ……淋しくなるなあ……。いずれにせよ、まぁ様の卒業はかなり多くの宝塚ファンが驚いた、大きなニュースであったに違いない。
 さらに、先週は雪組でも動きがあった。既に次の公演で卒業を発表している現在のTOPコンビだが、正式に次期TOPコンビとして、望海風斗さん(通称:だいもん)と、今年星組から異動したばかりの真彩希帆ちゃん(通称:まあやちゃん)の二人が発表されたのだ。まあ、だいもんに関しては誰がどう考えてもだいもん以外にTOPに立てる人材はいないと思ってたので驚きはないけれど、まあやちゃんに関しては、TOP娘役になれるよね、大丈夫だよね?と思っていた方が多いのではなかろうか。わたしは星組イチオシとしてまあやちゃんが雪組に異動してしまったことが残念だったけれど、でも、そうか、だいもんの相手になるのか……な? そうだよね? そうだと言ってくれ! とずっと心配だったので、正式発表されて大変うれしく思う。はーーよかったよかった。だいもんは現在の現役ジェンヌの中ではナンバーワンと言ってもいいほどの歌ウマだし、まあやちゃんも可愛くて歌ウマだし、大変お似合いのTOPコンビとなるであろうことは、おそらくヅカファンならば誰しも納得だろうと思う。
 しかし、これで来年からはすっかり様変わりするってことですなあ。。。まあ、経営面から見た場合、まさしくこのような「誰かひとりの人気」に頼ることがなく、きっちりと後進を育てて、常にファンを魅了するのが宝塚歌劇団という組織のすごいところであり、会社としての強さの秘訣、であることは間違いない。普通の会社でも、特定の「デキル」人に仕事が集中して、その人がいなくなったらガタガタになる、なんてのは大変良く見かける光景だが、それじゃあ経営としてはまったくダメなんですよ。
 以上、長~~い前振り終了。
 というわけで、新生・星組の『スカーレット・ピンパーネル』である。

 さて、何から書くかな……まず、観る前にわたしが思っていたことを書いておこう。わたしは、紅子のTOP就任はとてもうれしいし、紅子が大好きではあるのだが……ズバリ言って歌は今一つ、だと思っている。これは誰でもそう思っていると思うけれど、紅子の魅力はその軽妙なキャラと抜群のルックスでありコメディをやらせたら最強キャラではあるのだが、肝心の歌が……ちょっとアレなんすよね……なので、その点がやや心配、というのが一つ目。
 そしてもう一つは、逆に超絶に歌が上手い、愛しのこっちんは、大丈夫だろうか、という心配である。何が心配かというと、こっちんは、現在の各組の2番手スターとしては一番若く、そのプレッシャーがものすごいだろうな、という点と、もう一つは、演じる役が、こっちんが最も尊敬し憧れた先輩であるちえちゃん(礼真琴の「礼」は、柚希礼音さんから一文字もらった、というほど憧れていたそうです)がかつて2番手時代に演じて、もはや伝説と化している役だという点も、おそらくはこっちんのプレッシャーになっているだろう、という点である。
 でもわたしは、紅子にはいつも通りのびのびと楽しく美しく演じてくれればいいと思っていたし、こっちんも、この機会に殻を破って、ショーヴランという役をステップに暴れまくって、こっちんの持ち味である迫力ある歌で新たな伝説を作ってくれ! と思っていた。要するに、ひどく偉そうに心配しつつも、超期待していたのである。
 そして結論から言うと――まさしくわたしの期待は応えられた!と言っていい素晴らしい出来であったのである!!! もうほんと、胸が熱くなるわ……マジで、今日はうれしくて泣けそうになったよ。実のところ、『スカーレット・ピンパーネル』という作品は、冷静に考えると物語としては結構突っ込みどころが多くて、ラストの正体が表される場面は、えええっ!? と若干あんぐりとしてしまうようなお話である。しかし、この作品のわたしにとってのメインは数々の素晴らしい歌と、豪華な衣装に彩られたビジュアル表現にある。とにかく、歌がいい!のが『スカーレット・ピンパーネル』だ。以下、だらだら書いても仕方ないので箇条書きでまとめよう。
 ◆紅ゆずるパーシーは最高だった!
 いやーーー紅子さん! 歌がすごく良かったですよ! もうほんと、失礼な心配をして申し訳ありませんでした! あなたの歌う「ひとかけらの勇気」は素晴らしかったです。わたしは紅子が新人公演で演じた時のパーシーを観てないのだが、今回の紅子パーシーは、普段は軽薄なチャラい貴族、だけど実は熱いハートを持つ正義感、という元々のキャラ通り、実に良かったです。注文を付けるとしたらやっぱりマルグリットとの感情の表現かなあ……実はわたし、いまいちよく分かんないんすよね……パーシーはマルグリットを愛しているのかどうかが。もちろん愛しているんだろうけど、今までの初演でも再演でも、そして今回も、どうもパーシーは明らかに、「マルグリットへの愛」<「正義感」のように見えるのだが、それが正しいのかよく分からないけれど、もうチョイ、パーシーの苦しみ的なものがあってもいいのではかなろうか? なんか、かなりクールなんすよね……。そのあたりが物語全体のあっさり感につながってるような気がしてならないです。まあ、その辺は小池修一郎先生に聞かないと分からないなあ……。
 ◆こっちん! すっげえカッコ良かったぞ!!
 そして悪役たるショーヴランを演じたこっちん、本当に素晴らしい歌でした。ショーヴランはソロ曲も多いし、感情がたぎってましたなあ……ホント素晴らしかったよ。今日は2階のB席だったので表情は双眼鏡でもあまり見えなかったけれど、東京ではいい席でガン見したいすね。きっと東京に来る頃にはさらに完成度は上がってるはずなので、今からとても楽しみだ。しっかし、本当にこっちんの歌声はカッコええですなあ! エンディングの一番最初に下手のセリから登場して歌う「ひとかけらの勇気」も実に良かったです。注文を付けるとしたら、もっともっともっと! 激しく体全体で怒りの感情を爆発させてほしいすね。もう、怒鳴るぐらいで。そもそも、ショーヴランは自分の信念に従って生きている男なので、別に悪党じゃないわけで、言ってみれば非常に不条理な立場なので、そういった不条理に対して怒り狂ってほしいっす。東京で待ってるよ!
 ◆あーちゃん! あなた完全にTOP娘の貫禄出てるじゃないの!
 今回、わたしが一番感じたのは綺咲愛里さん(通称:あーちゃん)の成長かもしれない。歌もいいし、ビジュアルも抜群だし、おまけにすごく貫禄があったぞ! いやホント素晴らしかった。あーちゃんの声って、その可愛らしいアイドル系はルックスからは想像できないような、落ち着いた大人な声なんだよな。ホントに素晴らしくて、あーちゃんと紅子のエンディングでのダンスも大変美しかったと思う。いやあ、以前、幼児体型なんてこと言ってすみませんでした。あーちゃんは今回のような豪華ドレスがすっげえ似合うと思います。男目線ではよく分からないのだが、ひょっとしてメイクが巧いのかな? 抜群の存在感でした。
 ◆かいちゃんロベスピエールとルイ・シャルルせーらちゃんもイイ!
 今回、今までの公演になかったロベスピエールの曲が追加になってて、演じた七海ひろきさん(通称:かいちゃん)の抜群のカッコよさが増量されてました。わたし的には、かいちゃんは宙組時代の『銀英伝』で演じたミッターマイヤー元帥(※ヅカ版銀英伝は序盤の頃の話なのでまだ元帥ではありません)がとても印象に残ってて、星組に来てくれた時はやったー!とうれしかった方ですが、これからも星組の貴重な戦力として紅子とこっちんを支えていただきたいと思う。実に正統派なイケメンなので、今後も頼りにしてますよ!
 そしてもう一人、最後に取り上げるのは101期生とまだ全然若い星蘭ひとみちゃん(通称:せーらちゃん)だ。わたしもせーらちゃんに関しては、母校の後輩ということもあって、我が星組の将来のヒロイン候補としてずっと注目していたのだが、今回はルイ・シャルルに抜擢され、役が付いたのは初めてかな? いつもわたしショーの時にせーらちゃんを探すのがお約束だったのだが、今回は台詞も歌もあって、うれしかったす。そして、やっぱり可愛いですなあ! ビジュアル的にも声も、大変可愛らしいと存じます。いつかTOP娘になれる日を待ってるぜ。応援してます!

 はーーー……疲れた……もう書き忘れたことはないかな、大丈夫かな……もちろん、ピンパーネル団のみんなも良かったし、マリー(アルマンの恋人)を演じた有沙瞳ちゃん(通称:くらっち)も良かった。くらっちは雪組から異動になったばかりで星組初出演だったけれど、とても光ってたよ。
 というわけで、毎度お馴染みの、「今回のイケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思った台詞のこと。
 「(オレを)愛したことはないというのか?」
 「ないわ!!」
 「ふん……せいぜい幸せとやらをかみしめるがいい!!

 今回は、ちょっとうろ覚えなので正確なセリフじゃないかも……。ショーヴランとマルグリットのやり取りですが、かつて愛していたと思っていたマルグリットに、ズバリ言われてほんと気の毒…… この、あーちゃんマルグリットによる「ないわ!!!」が今回わたしは一番グッときました。ちなみに、初演時のちえちゃんショーブランの時は、
 「演じるんだ! そして欺け! 弟のために!!
 という超カッコいいセリフに、わたしはもう大興奮しました。そんなちえちゃんショーヴランに、こっちんショーヴランは引けを取らないカッコ良さだったぜ!

  というわけで、もういいかげん結論。
 1年ぶりのムラ遠征を、単独かつ日帰りで敢行したわたしは、そろそろヅカ道初段に昇格した気分である。そして、待ちに待った紅子のTOPお披露目公演『スカーレット・ピンパーネル』は、期待通り素晴らしい出来であった。紅子、こっちん、あーちゃん。新たな立場で臨んだ初舞台は、とても今の星組を現した作品と言えるだろうと思う。もうすでに東京は2回観に行くことが決まってるので、約2か月後、東京で再び会えることを楽しみに待ちたい。確実に、さらに完成度は増しているだろうと思う。こっちん、もっともっと爆発させるんだ!応援してるぜ!!! 以上。

↓ 実は原作小説があります。今日、キャトルで買おうか20秒ぐらい悩んで買わなかったのだが、やっぱり読んでおくべきかもな……と今更後悔中。ま、いつでも買えるし……って思っちゃったオレのバカ!
紅はこべ (創元推理文庫 507-1)
バロネス・オルツィ
東京創元社
1970-05
 

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