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 わたしは映画オタとして、一番最初のSTAR WARSを親父とともに映画館で観て以来(当時小学校2年か3年)、ハリウッド作品をずっと子供のころから愛しているため、当然30年ぐらい前までは、月曜ロードショー(TBS・荻昌弘氏解説)、水曜ロードショー(日テレ・水野晴郎氏解説)、木曜洋画劇場(テレ東・わたしが覚えてるのは最後の木村奈保子さん解説)、ゴールデン洋画劇場(CX・高島忠夫氏解説)、日曜洋画劇場(テレ朝・淀川長治氏解説)を、当然のように観て育ったわけだが、中学に入った頃に、自分の部屋として個室をもらい、さらにテレビまで設置されたため、わたしの中学高校時代であった80年代後半は、ホントにもう火曜日金曜日以外は毎日テレビでハリウッド映画を観てたように思う。
 とまあ、以上はどうでもいい前振りである。
 わたしは先日台湾へ行ってきたのだが、帰りの飛行機で、なんか映画観るか、と思った時、こ、これは! まさしく今週から日本で公開されたばっかりで、来週あたり観に行こうかしらと思ってた作品じゃねえか! もう機内映画に載せるなんて、JALよ、偉いぞ! と興奮して観始めた映画がある。
 そのタイトルは『DEATH WISH』。わたしはこのタイトルを見た時に、これはアレのリメイクだ! とすぐに分かった。そう、この映画は、「うーん、マンダム」でお馴染みのCharles Bronson氏主演で、日本では『狼よさらば』という邦題で1974年に公開された作品の現代リメイクなのです。そして、わたしはこの『狼よさらば』は、もちろん劇場で観ている年齢ではないんだけど、中学高校時代、まさしくテレビの映画放送で何度も観たことがある作品だったのです! ちなみにどうでもいいけど、その続編の『DEATH WISH II (邦題は「ロサンゼルス」)』という作品は、わたし、映画館に観に行ったっすね。あれは中学の頃だろうな……。その後シリーズ化されてるはずだけど、わたしが劇場で観たのは2作目だけっす。
 ともかく、何が言いたいかというと、『DEATH WISH』というタイトルには思い入れがあり、それを現代リメイク、しかも主役をセクシーハゲ界の大御所であるBruce Willis氏が演じるなら、こりゃもう観るしかねえじゃねえか! と興奮するということであります。はあはあ。文章書くのに興奮したわ。

 というわけで、上記の予告は……はっきり言ってネタバレもいいとこじゃねえか、とは思うものの、観てないと意味が分からないと思うし、知ってても別に鑑賞の妨げになるとも思えないので、貼っときました。ま、物語は基本的に上記予告のまんま、であると言っていいだろう。
 主人公ポールは有能な外科医で金持ち。いい車に乗って(確かポルシェ・カイエン)、デカい家に住んでいる。美人の奥さん(演じたのはかつては可愛かったElisabeth Shueさん55歳)と、大学進学目前の可愛い娘(演じたのはCamila Morroneさん21歳)に囲まれ、仕事の方は激務だし、職を転々として金に困っている兄貴には若干うんざりしながらも、幸せな毎日を送っていた。
 しかしある日、家族と兄貴の4人で飯を食いに行ったとき、車止めといて、と駐車場係にキーを渡してしまうんだな。で、この駐車係がクソ野郎で、ナビをいじってまんまと自宅住所を入手しちゃうわけです。で、数日?後、このクソ野郎が仲間を引き連れて強盗にやって来る。ポールは不在だったが、妻は殺され、娘は意識不明の重体に陥る(※オリジナル版はレイプされるけど今回はレイプはナシ)という悲劇に襲われるわけです。そして、そこからお父さんの復讐が始まる!てなお話です。
 わたしは、はっきり言ってオリジナル版の詳細はとっくに忘れてしまっているけれど、相当久しぶりに観るこの物語を鑑賞しながら、以下のようなことをずっと考えていた。それはズバリ、アメリカ合衆国って国はホントに恐ろしい、イカレた国だなあ……という、日本人としての実に平和な、そして無責任な感想だ。以下に、わたしが恐ろしいと感じたポイントをあげつらってみよう。
 ◆車社会のUSA
 わたしはかつて、生意気にドイツ車に乗っていたことがあるのだが、その時、その車には「ホテルキー」なる小さいイグニッションキーが附属品でついていた。ディーラーのあんちゃんに、これは何なんすか? と聞くと、ああ、それは、ホテルとかで駐車係に渡すキーですよ。エンジンはかかるけど、トランクは空かないキーなんです、とのこと。まあ、わたしは日本国内で一度もその「ホテルキー」を使う機会はなかったけれど、そういうことらしい。映画でもよくそういう場面は見かけますな。
 そういうのを「Valet-Parking」というらしいけど、今やエンジンスタートはボタン式が普通だし、物理キーでドアロックを解除する機会もほぼ絶滅したので、わたしがかつてもらった「ホテルキー」なるものが現在も存在するものか知らないが、いずれにしても、「第三者が自分の車を動かす」機会は、日本ではほぼないかもしれないけど、US市民には普通にあるのだろう。しかし、本作で描かれた通り、今や車は個人情報を結構搭載しており、ナビに自宅登録してるのが普通なので、今回の映画のような悪用は、おそらく20秒もあればできちゃうと思う。
 つうか、やっぱり自分の車を全然知らない奴に運転させるって、ちょっと嫌ですな。車社会のUSAではそういう感覚はないのかしら……。まあ、あいつらはちょっとぶつけたぐらいの傷は気にしないからな……。映画なんかだと、スーパーカーで乗り付けた主人公がポイッと駐車係にキーを渡すようなシーンがよくあるけど、信頼が前提としてないとやっぱり危ないすね。まあ、なんか怖え、とか思った。
 ◆銃社会のUSA
 本作では、悲劇にあった主人公は、別に最初から復讐の炎をメラメラと燃やすわけではなくて、最初は当然、警察に期待するわけです。しかし警察は、超多忙なんだか知らないけど、ぜんぜん捜査は進展しない。そんな中、ちくしょうと思って主人公は街の銃砲店へ行く。聞けば、拳銃からフルオートライフルまでなんでもござい、だが、当然登録しなきゃいけないし、拳銃の許可は楽勝でおりるけど、それなりに時間はかかるとのこと。
 なので主人公は、うーむ、アシのついた銃じゃあなあ……どうしようかなあ……とか思っていたところ、勤務する病院に銃撃されて血まみれの男(たぶん悪党)が運び込まれ、その処置をしようとしたところで、その血まみれ男の腰からグロック19(17かな?)がポロリと落ちて、まんまとアシのつかない銃をゲットする。それから主人公は、YouTubeで分解整備の動画を見ながら手入れをし、射撃の練習をして、いざ、街へ乗り出すという展開になる。
 で、街で悪党を見かけるとぶっ殺す、という予行演習?をしているうちに、くだんの駐車係を発見、そいつをいたぶり、仲間の情報を得て一人ずつ始末していく、という流れだ。
 どうすか。すごいよね。USAって国は。銃が簡単に買えちゃうのも、US社会では常識とは言え、やっぱありえないことですよ。しかもフルオートのライフルまで揃ってるんだから恐ろしいよなあ……。警察がアテにならないから銃が必要なのか、銃規制がないから警察が忙しすぎる(結果頼りにならない)のか、もうどっちが先なんだかさっぱりわからないけど、完全に負のスパイラルにどっぷりつかってるのは間違いなかろうと思う。そしておそらくは、この不信のスパイラルは、永遠に解消されることはないのではなかろうか。無理だよもう、この国は。
 ◆ドラッグ社会のUSA
 実際のところ、日本においてもドラッグは流通しているし、イカレた連中がいっぱいいるのは同じだけど、まあ、白昼堂々と道端にディーラーがボケっとたむろしてるってレベルではないですわな。しかしUSAにおいては、まったく日常のひとコマだ。
 ある日主人公は、病院に運び込まれてきた少年(どう見ても小学生程度のガキ)が、「アイスクリームマン」なる男にやられたという話を聞いて、よし、じゃあそのアイスクリームマンとやらをぶっ殺そうか、とそいつの元へ赴く。そして、白昼堂々、アイスを売ってんだよ的なテイでたむろしてるそいつを、問答無用で銃撃するのだが、恐ろしいことに、アイスクリームマンが撃たれた後、アイスクリームマンがアイスボックスに保管してたドラッグや金?を、やったー!オレのもんだーー! と周りにいた連中がダッシュで集まって来て奪って行っちゃうんだな。
 つまり、主人公の行動は、一人の少年が助かったかもしれないけど、所詮は別の新たなアイスクリームマンが別の少年をいたぶることになるだけで、ズバリ言えば何の意味もないってことだ。こういう映画を観たり、現実の世界の出来事を見て、US市民は何とも思わないのだろうか?? おれには関係ねーや、ってことなんすかね? まあ、世界にはもっとひどい国もいっぱいあるだろうけど、残念ながらUSAという国はもうダメでしょうなあ……。どうにもならんよ、と思うのはわたしがUS市民じゃないからだし、完全に無責任な思いだけど、実際、世の中を完全リセットするような出来事がないと、どうにもならんだろうな……。
 
 とまあ、こんな物語なので、わたしはもう漫画のような気持ちで、悪党がやられるのをいいぞブルース! もっとやれ!的なお気楽な気持ちで観つつ、あーあ、アメリカ合衆国は終わってんなあ、なんて無責任な感想を持つに至ったわけだが、改めて考えると、ホントに恐ろしいというか、日本も将来どんどんと治安も悪化していくんじゃないかなあ、となんか暗ーい気持ちになった。ま、オレが生きてる間ぐらいは大丈夫だろ、とこれまた超無責任に思うので、結局のところ、わたしにはUS社会を批判する資格は全くないということでしょうな。サーセンした!
 というわけで、最後にキャストを紹介して終わりたいけど、もはや主役のBruce Willis氏は紹介する必要もないと思うので、1人だけ。そして監督についても一言だけ書いて終わりにしよう。
 一人挙げておきたいキャストは、主人公の若干問題ある兄貴(ただしこの兄貴はまったくの善人で、きちんと自分の問題も解決するいい人)を演じた、Vincent D'Onofrio氏だ。映画オタには、かの名作『Full Metal Jacket』での「ほほえみデブ(ゴーマー・パイル)」の役で知らない人はいないだろう。1987年公開だからもう30年以上前か……今、Vicent氏は59歳だそうなので、ほほえみデブ当時は28歳ってことか。今や渋い演技派ですよ。今回も、良心ある善良な男として、何気に重要な役だったと思います。
 そして監督だが……今、結構名前が売れてきているEli Roth氏が本作を監督しているのだが……わたし、この人の作品を観るのは3本目かな、あまりいい印象はないんすよね……今回は、それほど特徴的なところもないし、特に書いておくことはないです。まあ、いつもは脚本も自分で書くEli氏だけど、今回は監督に専念したようで、Eli氏作品的な、いかにもな残虐シーンは悪党をぶっ飛ばすところぐらいにしか発揮されてなかったすな。全然関係ないけど、今週か来週には観ようと思っている『The House with a Clock in Its Walls(邦題:ルイスと不思議の時計)』も、Eli氏が監督なので、まあ、売れっ子監督なんでしょうな。ちなみにわたしが『The House with a Clock~』を観に行くのは、わたしがハリウッド美女で最も美しいと思うCate Blanchett様が出演されているからで、Eli氏が監督してるからではありません。

 というわけで、もう書きたいことがないので結論。
 劇場へ観に行こうと思っていた作品が飛行機で観られたので、ちょっと得した気持ちになった映画『DEATH WISH』。かつてテレビで観た『狼よさらば』の現代リメイクである。現代らしいと思ったのは、悪党がカーナビから自宅情報をゲットするという展開と、あとは、オリジナルにあった娘がレイプされる設定がなくなっている点であろうと思う。現代においては、性的暴力描写はホントになくなりましたな。まあ、それはイイことなんだろうと思うけど、いくらお優しい世の中とは言え、US市民はホントに恐ろしい国に住んでいるという思いは強まったすね。未来というか将来、銃を無効化する技術とか、打撃を無効化したり、防刃の技術は発達するのだろうか? 物理的暴力を無効化する技術は、テクノロジーとして誰かちゃんと研究してほしいすね。でもあれか、結局はそれを上回る暴力が編み出されて、いたちごっこになるのかな……。なんつうか、人類が殺し合いをやめる日は来ないんすかねえ……みたいなことが頭から離れなかったす。以上。

↓ これがオリジナルですな。今は配信でいつでも見られる時代なんですなあ。

↓こっちがわたしが劇場で観た第2弾す。これは配信はないみたいだけど、今回の『DEATH WISH』公開に合わせてBlu-rayが発売になってるみたいですな。
ロサンゼルス [Blu-ray]
チャールズ・ブロンソン
キングレコード
2018-10-17

 ここ数年、闘う無敵のパパ、という妙なジャンルを開拓したことでお馴染みのLiam Neeson氏。現在63歳。アイルランド出身で身長193cmとデカくてゴツイおっさんだが、わたしが彼を初めて知ったのは、たぶんSam Raimi監督の『DARKMAN』という作品だと思う。わたしはこの映画が大好きで、ある意味ヒーローもの的な映画で大変興奮するB級映画だが、ここでLiam Neeson氏を知って、おお、コイツなかなかいいな、と思っていたら、その数年後にかのオスカー作品賞受賞作『Schindler's List』では主役のOskar Schindlerを堂々と演じ、その後ハリウッドきっての役者となって、数々の役を演じるに至った。『STAR WARS Episode I』でのマスター・クワイ・ガンや、『BATMAN Begins』でのラーズ・アル・グールなど、デカイ体と特徴あるしゃがれ声で、若い主人公を鍛えたり、その前に立ちふさがる役が多いような気がする。まあとにかく、たいていが強くておっかないおっさん役である。確か、Liam Neeson氏が出演した数々の映画の中で、合計何人ぶっ殺したかを数えるKILL COUNT動画がYou Tubeにあったような気がするが、とにかくまあ、いろいろな映画でやたら人を殺しまくっている恐ろしいオヤジだ。
  昨日の夜、例によってWOWOWで録画しておいたのを観た映画『RUN ALL NIGHT』は、16時間という一夜の中で、我らがLiam Neesonパパが相当な数の人間をぶっ殺す、ノンストップアクションムービーであった。まったくもって恐ろしい男である。

 はっきり言うと、上記予告ではどんな映画かさっぱり分からないと思う。ので、ちょっとストーリーをまとめてみよう。主人公ジミーは、元(?)伝説の殺し屋である、のだが、今はすっかり老け、組織の若造からも舐められるような若干アル中気味の嫌われ者のおっさんである。そしてその組織を貫禄たっぷりにまとめているのがショーンというハゲオヤジで、今はまともな商売をやっているが、過去には親友であるジミーと共に殺しも散々やってきた悪党であると。で、ある日、ダニーというショーンのバカ息子が、もう絶対に手を出さないとショーンが決めているドラッグ商売を持ちかけてきて、ショーンは絶対ダメだ、と言っているのに、アルバニア・マフィアと揉めてしまって、あまつさえアルバニア人をぶっ殺してしまう。そして、真面目に堅気で働いていた、ジミーの息子のマイクが、その殺しの現場を目撃してしまうと。で、マイクを殺しにきたダニーを、ジミーはぶっ殺してしまう。そこから先は、予告の通りである。
 親友ショーンの息子をぶっ殺してしまったジミーは、ショーンの放つ殺し屋どもの攻撃を撃退しながら、息子マイクと共に逃亡を続けるわけで、NYCの警官もショーンに買収されている奴が多くて味方ゼロの状況で、NYC中を逃げまくり撃ちまくりの映画である。まあ、結論から言うと、まずまず、な程度で、大興奮とまでは行かなかったのが正直な感想である。物語的にわたしが良くわからなかったのが、「この夜を乗り越えれば何とかなる」という設定で、なんでこの夜だけ何とか逃れれば大丈夫なのか、この点はさっぱり分からなかった。あれは……うーーん……わからん。どうしてなんだろう。こういう、脚本上の謎ポイントが他にもいくつかあって、バカ息子がぶっ殺したアルバニアマフィアは全然この逃走劇に関与してこないし、ライバル腕利き暗殺者も、背景が良くわからなかったりと、物語的には若干の微妙作であった。
 しかし、役者はやけに豪華である。
 もう、主役のLiam Neeson氏は散々書いたからいいよね。本作では、相当くたびれて自堕落な生活を送る元暗殺者ジミーの孤独ぶりを物悲しく演じてくれていました。
 で、その息子で、堅気に生きる元ボクサーのマイクを演じたのが、Joel Kinnaman氏36歳。コイツの顔、絶対どっかで見た、つーかコイツひょっとして……と思って調べたら、まさしくこの役者は、新・ロボこと、2014年にリメイクされた『ROBOCOP』の主役・マーフィーを演じた彼であった。元々スウェーデンで生まれ育ったそうですな。そういや『CHILD 44』のあの嫌~な元部下もこの人だったね。おっと、今年公開の『Suicide Squad』で、DCコミックでは有名なRick Flagを演じるんだ。マジか。へえ~。そいつは楽しみだ。結構なイケメンだと思います。若干、強面系だけど。
 次。主人公の親友で、バカ息子を殺される組織のボス・ショーンを、おっかなく貫禄たっぷりに演じたのは、ハリウッドのセクシーハゲ界の大御所、Ed Harris氏65歳である。もうこの人が出ている映画はどれぐらい観たのだろうか、と思うほどのベテランで、わたし的に好きなのは、やはり『The RIGHT STUFF』のジョン・グレン役と、『THE ROCK』での国に裏切られたエリート軍人役だろうか。とにかくいろいろな作品に出ていて、ある意味、彼が出てくるとなんとなく、ああ、この映画は大丈夫だ、と安心するような、安定感ある名優と言っていいのではなかろうか。まだオスカーは獲ってないんですな。ノミネートが数回あるだけか。いつか、オスカーを手にしてもらいたいものですね。
 そして、長年主人公ジミーを逮捕しようとしている、唯一まともな警官を演じたのが、Vincent D'Onofrio氏56歳である。彼と言えば、もう、名作『FULL METAL JACKET』前半の主人公と言っても過言ではない、かの「ほほえみデブ」ことゴーパー・パイル2等兵ですね。もう28年前の映画か……わたしは地元映画館で観たのだが、あの映画の凄さは今でもはっきり覚えている。今でも、年に1回ぐらいは観たくなるんだよな……。いずれにせよ、「ほほえみデブ」ことVincent氏はその後かなり多くの映画に出演していて、以前このBlogでも取り上げた『The JUDGE』でも味わい深い演技を見えてくれており、いつの間にか渋い演技派としてお馴染みになっている。
 最後、この映画には、出演時間3分ほどしかないジミーの兄貴というチョイ役で、Nick Nolte氏が出てきて驚いた。しかも調べたら、もう75歳なんだと言うことを知って2度びっくりである。作中でも相当老けていて驚いたが、そうか、そんな歳なんだ……と感慨深い。この人と言えば、だれもが『48HRS』を思い出すだろうと思う。うおお、もう33年前の映画か。これは中学生の頃に見たなあ。そしてテレビ放送でも何度も観たよ。若きEddie Murphyの映画デビュー作として、わたしは日本語吹き替えのイメージのほうが強いかも。最高だったなあ、あの作品は。まあ、とにかく、Nick Nolte氏は比較的コンスタントに毎年何らかの映画に出ていて、わたしもちらほらスクリーンでお見かけしているが、とにかく想像以上に老けている姿が印象的であった。しかし、たった3分に起用するにはもったいないような気がしてならない……。
 そうだ、あと監督ですな。正直全然知らない人でJaume Collet-Serraというスペイン人らしい。ああ、なるほど、Liamパパの『Unkown』と『Non-Stop(邦題はフライト・ゲーム)』を撮った監督なんですって。あれか……両方とも相当微妙作だったなあ。しかし、本作では、妙な、トリッキーなカメラアクションを多用していて、ミュージックビデオっぽいと感じる部分がある。どうなんだろう、センスがあると褒めるべきか……ううむ……これまた微妙だなあ……どうなんだろう……まあ、いずれにしてもLiamパパとは仲がいいんでしょうな。てことは、それなりに腕を見込まれてるんでしょうな。ちょっと、今後名前を覚えておくことにしたい。

 というわけで、結論。
 闘うパパでお馴染みのLiam Neeson主演作『RUN ALL NIGHT』は、わたし的にはどうにも微妙作であった。さきほどUS格付けサイトRotten Tomatoesをチェックしたら、これまた微妙な判定で、大傑作ではないけどクソでもない、ということのようだ。そして興行も、まったく売れなかったみたいです。なので、万人にはおススメできないが、役者は豪華であるし、Liam Neeson作品に無条件で反応してしまうわたしのようなオタク野郎や、元祖セクシーハゲの大御所Ed Harris氏を観たい方にはおススメです。以上。

↓ おっと!? 何故かいまさら、まさかのBlu-ray発売中だ。一体何を考えてこれをまた売ろうと思ったのだろう。そそして売れると思ったのだろうか……まったく意図不明だ。ま、わたしは非常に嬉しいですが。
ダークマン [Blu-ray]
リーアム・ニーソン
KADOKAWA / 角川書店
2016-06-24

 Robert Downey Jr.といえば、今や「主演興行成績による俳優ランキング」において3年連続でNo.1に輝くハリウッドきっての大スターである。が、その栄光を得る前は麻薬依存で極めて深刻な問題を抱えていたこともまたよく知られている。10代でキャリアをスタートし、27歳で主演した『Chaplin』でアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた演技派ではあったが、その後、コンスタントに映画やTVドラマに出演するものの、薬物問題で騒ぎを起こし、90年代後半から2000年代前半は、「終わった男」として見なされていたはずだ。その彼が今やハリウッドNo.1俳優としてあるのは、2008年『IRONMAN』のトニー・スターク役で大成功したことによるものと言っていいだろう。まあ、その副作用として、その後の彼の映画を観ると、何を観てもトニー・スタークに見えてしまうほどではあるけれど。もちろん現在は、薬物依存からは完全に立ち直り、クリーン宣言している。
 わたしが昨日の夜観た映画は、そんなRobert Downey Jr.が、トニー・スタークのような、うわべは軽薄な感じをまといつつも、心優しい(?)弁護士を演じた『THE JUDGE』(邦題:ジャッジ 裁かれる判事)である。結構ジンと来る印象深い芝居振りであった。 
 
 物語としては、まあ、ありがちといえばありがちで、正直なところ、どうやらこの映画の世の評価は高くないようだ。しかし、非常に演技の質は高く、わたしはとてもグッと来た。この映画は、やはり男が観るとグッと来るのではないかと思う。とくに、40代後半以上の、とりわけ、老いて衰えつつある父親を目の当たりにしているおっさんには、ホントに心に刺さると思う。
 主人公は、シカゴで敏腕弁護士としてバリバリに活動しているが、母がある日亡くなった。すぐに故郷のインディアナに向かう主人公だが、故郷には、一番苦手な父親がいる。兄と弟は歓迎してくれるが、父は握手だけでハグはしようとしない。判事として42年間、地元の信頼を得てきた父。母の葬式が終わったらさっさとシカゴに戻るつもりの主人公。だが、葬儀の翌日、シカゴへ発とうとする主人公は、ガレージにある父親の車に事故の跡を見つける。この車は、父が非常に大切にしている車で、誰にも運転させないはず。この傷は一体……? というわけで、物語は動き出す。すぐに、どうやら父が人を撥ね、しかも死亡事故を起こしてしまったらしいことがわかる。しかし、それが事故ではなく、殺人事件として起訴されることになって……という展開である。

 この映画で描かれる、父と息子の関係は、形は違っても、男なら誰しもが自分の父親との関係に置き換えられるのではないかと思う。わたしももちろん、親父が嫌いだったわけで、主人公と判事の父の仲の悪さは、観ていて全く心当たりのある場面ばかりである。ちょっとこちらから折れて、「こうしたら?」と言っても、聞きやしない。ああそうですか、勝手にどうぞ。全くもってどこの息子・父親間でも見られる光景ではなかろうか。そもそも、父親と仲の良い息子っているのかな? とさえ思う。しかし、それでも、「勝手にどうぞ!!」と切り捨ててしまうと、確実に後で後悔することになる。なぜなら、父親が先に死ぬこともまた確実だからだ。父の死に臨んで、あの時ああしておけば良かった、と後悔することは非常に辛いことだ。それは父のために、ではなく、自分自身の問題である。
 この、家族というものに対する問題は、以前、山田洋次監督作品『東京家族』でも触れたが、親孝行は、親のためというよりも、自分のためだというのがわたしの持論である。この映画の主人公と父親は、長年の確執を解消し、最後は美しく物語を終えることができた。それができたのは、最後の法廷シーンで、弁護士と被告という形での会話で本音をぶつけ合ったからであるが、ここでのRobert Downey Jr.と、父親を演じたDobert Duvallの芝居は非常に良かった。実際、父・Robert Duvallはこの作品で去年のアカデミー助演男優賞にノミネートされたのだが、受賞を逃したのは非常に残念だったものの、この映画のラストシーンの父と息子の語らいは、わたしのハートに非常に深く響き、確かな感動をもたらしてくれるものであった。
 役者陣としては、Robert Downey Jr.やRobert Duvallの素晴らしさはもちろんのこと、脇を固める役者の芝居も非常に印象深くお見事である。主人公の兄を演じたのは、Vincent D'Onofrio。この役者は、あれっ!? この人絶対どこかで観たことある、だけど誰だっけ? 絶対知ってる人だ、と思って調べてみたら、なんとあのスーパー名作『FULL METAL JACKET』で散々いじめられて教官をぶっ殺して自殺したあの「ほほえみデブ」じゃないか!! 最近では『Jurassic World』にも出ていたけど、すっかり渋い男になりましたな。演技ぶりも非常に良かった。とてもやさしい、いい兄貴を見事に演じておりました。また、対決する検事を演じたのは、Billy Bob Thornton。脚本家としてアカデミー賞を受賞している男で、Angelina Jolieの元夫としてもお馴染みだが、彼の演じた検事が、判決後に見せる表情が凄くいい。また、本作のヒロインとも呼べる女性を、Vera Farmigaさんが明るくキュートな中にも芯の強さを持つ女性を印象的に演じている。この人は、『Source Code』(邦題:ミッション:8ミニッツ)のグッドウィン大尉でお馴染みで、妹は『記憶探偵と鍵のかかった少女』のTaissa Farmigaちゃんですな。あと、監督のDavid Dobkinという男は、わたしは知らない監督だが、結構上手だと思う。画作りがオーソドックスだけど極めて丁寧で、また時に映されるアメリカの田舎の自然の様相も悪くない。全体を通して非常に美しいというか、とても綺麗に撮られていると思いました。いいと思います。

 しかしつくづく思うのは、こういう映画こそちゃんと劇場に行くべきだよなあという後悔である。わたしは基本的に家の近くのTOHOシネマズか、仕事場に近いTOHOシネマズで映画を観る。たまにIMAXのために109シネマズに行くぐらいだ。しかし、TOHOシネマズですべての映画が上映されるわけでは決してなく、こういう公開規模の小さい映画は、つい見逃してしまう。不精はイカンですな。まあ、その見逃した映画のためにWOWOWに加入しているわけだけど、やっぱり劇場で観たかったと思う。日本公開が2015年1月だから、WOWOWで放送されるのもだいぶ早くなって来ましたな。1年も待たずに放送してくれるWOWOWは、なにげに偉いと思うが、あの「W座への招待」という放送枠は勘弁して欲しい。あの小山薫堂氏の解説というか話は、いつもイラッとするので、たいてい見ません。

 というわけで、結論。
 『THE JUDGE』は、世間的な評価は低くても、わたしは観て良かったと思っている。大変心に染みました。この作品は男に、とりわけ40代以上のおっさんに超おススメです。Robert Downey Jr.のカッコ良さは、やっぱり本物ですな。以上。

↓ この映画でのRobert Downey Jr.も強烈です。クッソコメディですが、まあ凄いことになってますw 正直イマイチですが、彼の演技だけは必見、かも。
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2014-09-10

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