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 わたしはミュージカルが大好きで、このBlogのタイトルにもその意を込めているわけだが、ここ数年、映画においてもミュージカル作品がちらほらヒットするようになってきたような気がする。
 その先鞭をつけたのは2012年の『Les Misérables』だと主張すると、それは違うぜ、もっとずっと前からあったよ、と当たり前の反応をされるとは思う。わたしも例えば『The Sound of Music』とか大好きだし。が、やっぱりあの『Les Misérables』のクオリティはすさまじく、キャスト陣のパフォーマンスのクオリティが素晴らしいのは言わずもがなとして、映画として、その撮影・演出がすごい、とわたしは思っている。普通、映画の場合は、撮影と歌は別で、別撮りした歌をかぶせるのが当たり前のような気がするが、あの作品は、本当に歌っている芝居そのものを撮影していたのである。これにはわたしはいたく感動し、それ故にすさまじいクオリティと賞しているわけだが、その主人公、ジャン・バルジャンを演じたHugh Jackman氏のパフォーマンスは本当に素晴らしかったとわたしは今でも思っている。
 そもそも、Hugh氏は、映画オタクのわたしにとっては、X-MENのWolverineでお馴染みなわけだが、実はBroadwayでも活躍している歌えるオージーであることは十分に承知していたものの、『Les Misérables』でのパフォーマンスはわたしの想像を超えていて、おまけに2014年かな、TONY賞の司会を務めた時(しかも4回目だったらしい)のパフォーマンスがこれまたウルトラ素晴らしく、なんてこった、Wolverineのくせにすげえ! とわたしの中ではHugh氏は最強に歌えるハリウッドスターとして認識されるに至ったのである。とにかくカッコいい。おまけに超イイ人キャラだし。イイ人なのは関係ないか。
 というわけで、以上はいつも通りの前振りである。
 今日、わたしはHugh氏最新作のミュージカル映画『THE GREATEST SHOWMAN』を観てきたのだが、これがまた歌が超最高だし、ダンスも超キレがあって素晴らしいし、大絶賛したい、けれど、若干アレだなあ、という点もあって、絶賛するかどうしようか迷っているのである。うーーーん……うーーーん……やっぱり、手放しでは絶賛できないかなあ……これはキャスト陣の問題ではなく、キャスト陣に対しては絶賛したいのだが……やっぱり撮影と、あれかな、編集のキレが悪いのかな……。だって、完全に口パク?で、歌が流れているのにキャストが歌ってないシーンがすげえ多いんすよ……これは完全に歌だけ後乗せだと思うな……そのため、なんというか、超長いPVを見たような印象なのである。その点がすげえ残念なんすよね……。でも、くれぐれも言っておきますが、歌とダンスは超最高です! これは劇場で観るべき映画だと思う。以下、物語の結末まで書いてしまうと思うので、ネタバレが気になる人は今すぐ退場してください。思いっきりネタバレると思います。

 というわけで、上記予告で聴ける歌もイイすねえ!
 ただし、物語は上記予告から想像されるものとは全く違うのではなかろうか。少なくとも、わたしが想像していた物語とはかなり違っていて、わたしは結構驚いた。
 主人公P.T.バーナム氏は実在の人物で、「サーカス」という興行を発明した男だそうだが、どうもWikiの内容を読む限り、今回の映画はかなり史実とは違うようだ。まあ、それは全然かまわないのだが、本作の物語をまとめると、こんなお話であった。
 時はどうやら19世紀の後半、バーナムは仕立て屋さんの息子として、上流階級のお屋敷に出入りしていて、とある金持ちの娘さんと恋仲になり、その父親には「どうせ娘はすぐに帰ってくる。貧乏暮らしに耐えられなくなって、な」なんて言われながらも結婚にこぎつけ、貧しいながらも二人の愛らしい娘に恵まれ、日々を送っていた。が、勤め先の商船会社が倒産し、無職となったところで、ふとひらめいたアイディアをもとに、「ユニーク(=唯一無二)」な身体的特徴を持つ人々を集め、ショーを開催する常設劇場をオープン、それが大ヒットとなって財を成すことに成功する。しかしそのショーも、所詮は見世物小屋という評価しか得られず、上流階級の人々からは蔑みの目で見られ、単なる成金野郎としかみなされていなかった。そんな中、上流階級向けの舞台作家として活躍していた青年と意気投合し、その青年のコネでイギリス女王(=ヴィクトリア女王)と謁見したり、何とか上流階級を見返してやろうとしていたところ、ヨーロッパで大人気の「本物の」オペラ歌手と出会い、アメリカに招いて全米ツアーを企画、それがまた大成功する。バーナムはその歌姫の本物の実力に心酔し、自分の劇場のショーをほったらかして、歌姫ツアーにのめりこんでいくのだが、そのことで妻や娘を蔑ろにしてしまい、あまつさえ、「家族」であった「ユニーク」な連中との間にも溝ができてしまい……てな展開となる。まあ、最終的には歌姫にも去られ、劇場を燃やされ、と無一文になってしまうけれど、残った仲間たちと、そうだよ、劇場なんていらねえ、テントで十分だぜ! と現在の「サーカス」の元となる興行を「地上最大のショー=The Greatest Show」として成功させるのだった―――てなお話である。
 まあ、要するに、途中まで、家族を蔑ろにする姿には、おいおいWolvarine、お前何やってんだよ、奥さん泣かせやがって、とか若干主人公への共感は薄れてしまうのだが、最終的にはめでたしめでたしに収まる、実に美しいお話である。ま、ちょっと美しすぎるけれど。なので、物語としては、ありがちというか、作り話めいているというか、冷静に考えるとそれほどグッとくるものはないのだが、前述の通り、とにかく歌とダンスは超最高である。というわけで、各キャラ紹介をしながら思ったことを綴っておこう。
 ◆P.T.バーナム:観ていてわたしが思ったのは、この主人公の、逆境を跳ね返すための挑戦を繰り返す、その不屈の気合、はそりゃもちろん凄いとは思うし、挑戦にはリスクが付き物だ的な発言も、そりゃそうだ、とは思う。けれど、あまりにその手法は詐欺師めいているし、計画も結構ずさんに見えるわけで、こんな危なっかしい男に惚れちゃった奥さんの心労は絶えなかっただろうな、とそっちの心配がずっと頭から離れなかったすね。しかしまあ、演じたHugh氏のパフォーマンスは本当に素晴らしかったですなあ! もう本作は冒頭からその歌とダンスを堪能でき、のっけから超ノリノリでありました。お見事です!
 ◆バーナムの妻:もう本当によく耐えましたねえ! そして演じたMichelle Williamsさんが超イイ!! この人、こんなに歌えて踊れたんだ!? と驚愕のパフォーマンスであった。あれは……ダブルなのか? 本当にMichelleさんなのか? かなり冒頭の、貧乏時代にアパートの屋上でHugh氏と歌って踊るシーンは超グルグル回ってすげえスピンでもう大興奮でした。演技も実にしっとりとした上質な芝居で、大変良かったと思います。ああ、Broadwayで『キャバレー』に出演したこともあるんすね。本物ですな、この実力は。
 ◆バーナムの二人の娘:まあとにかく可愛らしいチビたちでしたなあ! 最初の劇場こけら落としの時の、客席で踊るチビたちが超可愛い! どうかすくすくと育っておくれと祈らずにはいられないすね。最高です。
 ◆フィリップ:バーナムのパートナーとなる上流階級出身の男。演じたのは『High School Musical』でおなじみのZac Efron君30歳。おう、もう30歳になったんだな。歌はもちろん、ダンスもキレがありますねえ、やっぱり。キャラクターとしては、若干なぜ空中ブランコの彼女に惚れてしまったのか良くわからないけど、まあ、恋に理由はいらねえってことで、ひとめぼれだったってことなのかな。わたしは今まで彼の演技を見る機会はほとんどなかったけれど、なかなかいいですな、やっぱり。なかなかのイケメンでありました。
 ◆アン:「ユニーク」な劇団員の一人で空中ブランコの名手。演じたのはUS国内で大人気のZendaya嬢21歳。わたしは彼女のことは実はほとんどよく知らず、去年の『SPIDER-MAN:Home Coming』で初めてその顔と名前が一致するようになったのだが、やっぱり、歌もイイし、ダンスも超キレてますねえ! スレンダーで長身(180.3cmだって! Zac氏より全然背が高い!)な体の美しさも極めて上等でした。
 ◆ジェニー:バーナムがヨーロッパから招いた歌姫。演じたのはRebecca Fergasonさんで、な、なんて歌のうまい人なんだ!!! とわたしは超大興奮し、今まで何作かこの方の出演している作品を見ているけど、まさかこんなに歌がうまいとは!驚愕の歌ウマだぜ、と思ったのだが……残念ながら歌は別の方の声を当てているらしいです。なーんだ。超がっかり……。で、その歌を担当されたのがLoren Allredさんというお方だそうで、とにかく歌う『NEVER ENOUGH』という歌が素晴らしかった。

 Rebeccaさんが初めてUS国内で歌うシーンは超鳥肌モンでしたな。まさか本人が歌ってないとは……残念す。
 とまあ、キャスト陣に関しては以上でやめておくけれど、とにかく素晴らしいパフォーマンスであったのは間違いないのだが、冒頭に書いたように、映画としては若干アレなところがあって、ホント、PVを見ているような気がずっとしていたのは間違いない。それはやっぱり、役者をきちんと追わず、結構群舞だったりとキャラクターが画面に多いシーンが多く、せっかくのソロやデュエットでもきちんと役者の表情を追わず、引き目の画が多かったような気がする。カットも多いし。そういう意味では、去年の『LA LA LAND』のような一発撮影でもなくて、若干物足りなさを感じてしまった。まあ、今回の作品に流れる歌の数々は『LA LA LAND』のチームによるものらしいが、映画の出来としてはやっぱり、断然『LA LA LAND』の方が上だとわたしは感じた。本作を監督したのはMichael Gracy氏という方だそうだが、ほぼキャリアなしの新人監督みたいですな。何歳なんだろう……見た目は若い兄ちゃんですね。まあ、今後の活躍を期待したいと存じます。

 というわけで、結論。
 ミュージカルが好きなわたしとしては、Hugh Jackman氏主演ということで大変期待した『THE GREATEST SHOWMAN』という映画を観てきたのだが、確かに、歌とダンスのパフォーマンスは極めてレベルが高く、キャスト陣全員を激賞したい、のだが、どうも映画として、若干の問題点があって、ライブ感が薄く、長いPVを見ているような気分になる作品であった。その問題点は、ズバリ言うと撮影と編集にあるような気がしてならず、要するに演出の問題だろうと思う。あと、せっかくキーとなる重要な歌を、役者ではなく別人の歌をかぶせるというのも、正直とても残念だ。最初から歌える役者で撮ってほしかったす。それにしても、Michelle Williamsさんの歌とダンスは、本当に本人なのだろうか……?? 本人であってほしいと強く思います。何しろ、とにかく素晴らしかったので。以上。

↓ わたしはもちろん舞台版(日本語版)も観たことがありますが、この映画のクオリティはやっぱりすさまじいす。最高です。やっぱり、わたしとしてはエポニーヌの歌う「On My Own」が泣けますなあ……映画版でエポニーヌを演じたSamantha Barks嬢は、ほぼ唯一の舞台版本物キャストじゃなかろうか?

 何度もこのBlogで書いている通り、80年代に中高生として青春を送ったわたしであるが、当時からすでに、順調に映画オタクの道を究めんと精進していたわたしは、当時のいわゆる「角川映画」が大好物であった。もちろんわたしがいまだに一番好きな芸能人は、原田知世様一択なのだが、一方で、男として、この人はホントカッコイイな、とずっとあこがれ続けたのが、今やすっかりハリウッドスターとして活躍を続けている真田広之氏である。わたしは高校3年の時に、本気でJACに入ろうと思い、わざわざ恵比寿に当時あったJACの事務所に入所手続きの書類をもらいに行ったことがあるほど、千葉真一氏と真田広之氏は今でも大ファンである。
 まあ、映画好きな方なら、真田広之氏の現在の活躍はもうお馴染みだと思うが、半年ぐらい前に、わたしはとある映画のUS版予告編を観て、非常に興奮したのである。その作品が、わたしが今日観てきた『LIFE』だ。なんと真田広之氏以外にも、『DEADPOOL』でおなじみのRyan Reynolds氏や、わたしの大好きなJake Gyllenhaal氏など有名スターとの共演で、舞台は宇宙、どうやら未知の生命体とのお話らしいことを知って、わたしはもう、こいつは観ないとダメだ! と思ったのである。しかし、残念ながらUS興業ではあまり売れず、ほぼ話題にもならず、こりゃあ日本公開はないかもな……と思っていたところで、わたし的には結構突然、日本公開が決まり、今日の初日にわくわくしながら劇場へ赴いた次第である。そして結論から言うと、少しだけ惜しいようなポイントはあるけれど、映像的にも役者陣の熱演においても、かなり楽しめる良策であることが判明した。これは面白い、が、若干ありがちな展開で、オレだったらここは脚本会議で問題ありと指摘するだろうな……と思うような点がいくつかあった。まあ、いつもの言うだけ詐欺で対案が思い浮かばないので、映画オタの戯言と思っていただければと存じます。
 というわけで、以下、備忘録として誰がどんな最期を迎えたか、まで書いてしまうので、ネタバレが困る方は決して読まないでください。

 物語は、まあ、上記予告を見て想像できる通りのお話であるといっていいだろう。舞台はISS船内。冒頭、火星の地表から採取されたサンプルを積んだ無人船を、ISSがキャッチするところから始まる。この冒頭のシーンは、5分以上あると思うのだが、完全にワンカット(のように見えるだけかな)の長回しで、おまけにISS内の無重力状態を反映して、極めて自由にふわふわと漂うか如くに、ISSの6人のクルーたちの活動を追っていく。非常にクオリティの高い撮影技術とVFXで、もう冒頭からかなり期待感と緊張感があふれる出来になっている。
 そして無事回収したサンプルの解析作業に入るクルーたち。するとその中から、1個の単細胞生物が発見される。それは細胞膜と細胞壁を備え、核が存在している、ゾウリムシ的なものだったが、活動を停止していたため、厳重に隔離したラボ(=日本がISSにドッキングさせた「きぼう」。これがあったので日本人キャストを入れたんでしょう、たぶん)内で、温度を上げたり酸素を供給したり、と実験しているうちに、とうとうその細胞は目覚め、活動をはじめる。人類初の地球外生命の発見に沸くクルーや地球の人々。NYCのタイムズスクウェアで大々的なTV中継までされて、子供たちに公募した名称「カルビン」という名がその単細胞生物に与えられる。しかし、まだその時、クルーたちは誰も予想していなかった。カルビンは生物であり、それはすなわち、「生きるため」に必要な酸素やエネルギーを、貪欲に欲する存在であることを……てなお話である。
 要するに、例えていうと『ALIEN』と『GRAVITY』が合体したようなお話なのだが、大変スリリングで面白かった。まずは、6名のクルーを書き記しておこう。ええ、はっきり言って完全なBAD-ENDです。そこにわたしはケチをつけたいような気がするんすよね……。
 ◆ローリー:第1の犠牲者。役割的にはパイロット兼メカニック、かな? いろいろ修理したり船外活動もする陽気なアメリカ人。演じたのはRyan Reynolds氏。結構冒頭で殉職。元々は、うっかり野郎の生物学者を助けるために、勇敢にラボに突入し、生物学者は助けるのだが、代わりに犠牲になってしまう。実に可哀想。
 ◆キャット:第2の犠牲者。ミッションオフィサーたる勇敢なリーダーのロシア人女性。ロシアなまりの英語がセクシーな美女。演じたのはOliga Dihovichnayaさんという知らない方。壊れた通信装置の修理のため、船外活動をしているときに襲われ殉職。カルビンを船内に入れないため、勇敢な決断を下す立派なリーダー。しかしわたしは「あれっ!? 宇宙空間に耐えられるって、極低温・無酸素に耐えられる生物なのかよ?」とびっくりしたが、「奴は酸素をある程度体内に貯められるんだ……」的な解説セリフだけで流された。えーと……だとしたら後半の「閉じ込め→酸素供給を断つ」の作戦は何だったんだ……
 ◆ヒュー:第3の犠牲者。生物学者のイギリス人。眼鏡の黒人のおじさん。どうやら地球では車いすが必須な方らしい。演じたのはAriyon Bakare氏。この方も知らないなあ。キャラとしては、カルビンに愛情を注ぎ、ラボの研究主任として一番カルビンに触れる役割なのだが、ある時ちょっとしたミスでラボの環境を崩してしまい、また活動停止に陥ったカルビンに、軽い電気ショックを与えてみよう、と言い出し、みんなが気をつけろ、と言ってるのにまんまとカルビンの攻撃本能を刺激してしまい、最初に襲われ右手をボッキボキに砕かれてしまう(が、前述のようにローリーの英雄的行動で助かる)。その後、普通にしていたが突如弱りだし、なんだなんだと調べてみると、足にカルビンが寄生していて……という最期を遂げる。ただ、この時、カルビン探しで生き残っていたクルーたちは懸命になっていたのに、いつの間にか足にくっついていたのは突然すぎて若干変だと思った。わたしは、実は最初にヒューを襲った時に分裂していて、2体になっていた!のかと思ったがどうもそうではない模様。実際良く分からん。
 ◆ショウ:第4の犠牲者。日本人のシステムエンジニア。演じたのは我らが真田広之氏。みんなに頼られる知恵袋的存在。地球では奥さんがまさに出産するところで、生まれたときはみんなが祝福してくれた。ショウは、カルビンから逃げるときに、敢えて自分を追わせるように別ルートをとって隠れるが、そのことで、ISSにドッキングしてきた船を救援隊と勘違いし(本当は、カルビンのいるISSを地球降下軌道に入れないために、ISSに強制着艦して軌道を変えようとした船だった)、ハッチで待ち伏せていた?カルビンに襲われ、残りの二人を救うために自らおとりとなって殉職。
 ◆デヴィット&ミランダ:デヴィットはアメリカ人医師(演じたのはJake Gyllenhaal氏)で、宇宙滞在470日を超えるベテラン。元軍医でシリアにも派兵されたことがある。戦地での経験や、10日前まで赴任していた学校(病院だっけ?)が破壊されたりという経験から争いを嫌い、地球の人々を80億の馬鹿ども、と軽蔑しているようなキャラ。ミランダはイギリス人検疫官(演じたのはRebecca Fergusonさん)で、ずっと、「隔離」の重要性をクルーに説き、カルビンに対しても、最初から未知の脅威とみなしていた。第1の隔離が培養器、第2の隔離がラボ=きぼう、それらが破られたとき、第3の隔離としてISS全体を、絶対に地球に降下させてはならないとして、1人乗りの救命艇×2機を使って二人は最後の決断を下すのだが―――!! という展開になる。
 というわけで、物語の端々に、若干良く分からないところがあって、微妙にアレなのだが、狭い閉鎖空間での緊張感ある展開は最後まで飽きさせず、大変お見事であったと思う。ただラストは、ホラー映画にありがちな、終わったと思ったら実は終わってませんでした!というもので、まあズバリ想定内であり、後味はあまり良くない。なんか、基本的にカルビンが圧倒的に有利、というか追い詰められてばかりで、もっと明確に、人類の知恵を駆使した反撃がわたしとしては欲しかったと思う。その点が一番残念かな。せっかく最強の頭脳を持つ人々なんだから、もっと戦えてしかるべきだったような気がする。
 最後に監督についえメモして終わりにしよう。本作を撮ったのは、スウェーデン人のDaniel Espinosa氏で、『Child 44』を撮った監督さんですな。まだ40歳だって。若いなあ! 演出的には、まさしく『ALIEN』を撮った若き日のSir Ridley Scott監督のような、画としてきれいでキレのある演出であったとは思う。日本人で、40歳で、このレベルの作品を撮れる監督は一人もいないだろうな。そして本作は、エンドクレジットによるとILM謹製のハイクオリティCGなので、質感も申し分なしでありました。惜しむらくは脚本が……もうちょっときぼうのある終わり方であってほしかったかな……変にホラー的なオチはつけなくてもよかったのにね……という気がしてならないす。スッキリしたかったなあ。

 というわけで、結論。
 今日から公開になった『LIFE』という作品は、我らが真田広之さんが大活躍するSF作品で、映像そのもののクオリティは極めて上質で素晴らしいのは間違いないし、豪華キャストといってもいいだろう。しかし、お話は、実際ありがちでこういう作品はこれまでにもいっぱいあったわけで、もうひとひねり、オリジナリティがあってほしかったかもなあ、という気はした。そういう意味でわたしは、ほんの少し微妙、という判定をせざるを得ないけれど、おそらく誰が観ても楽しめる一級品だと思いますので、ええ、結論としては、実際面白かったし、おススメです。はい。日本政府はきぼうをISSに送っといてよかったね。それがなければ、きっとまた中国人が出てきたんじゃないかしら。真田広之さんは現在56歳だそうだが、相変わらず、イケメンのかっこいいおじさんとして存在感のある熱演でありました。以上。

↓ まさかこの2作を観てないなんて言わないすよね? 両作ともに最高です。
ゼロ・グラビティ(字幕版)
サンドラ・ブロック
2014-04-09


 おとといの勤労感謝の日、わたしはTOHOシネマズの1か月フリーパスで、『ファンタスティック・ビースト』を観に行く気満々であったのだが、残念ながらフリーパスは「当日の窓口」でないとチケットを発行してもらえない弱点がある。なので、わたしは朝イチの字幕の回を狙っていたのだが、既に家を出る30分前には、朝イチの回も昼の回も夕方の回もほぼ満席となっていることがWebチケット販売の画面で確認できていたので、素直に、ああ、今日はダメだこりゃ、とあきらめた。
 とはいえ、せっかくの休日&せっかくのフリーパスなので、ちょっともったいねえなあ、と思いつつ、他に何かめぼしい映画はないかしら、というわけで、おとといは全く別の作品を観ることにした。結果、わたしが選んだのは『The Girl on the Train』である。どんな映画なのは、一応予告を何度か劇場で観ているので、薄らぼんやりとは承知しているけれど、実際のところは単に主演のEmily Bruntt嬢を眺めに行くか、ぐらいの軽いノリであったのだが、これまた恐ろしく後味悪く、なかなか気分のいい映画ではなかった。ただし、脚本的にはややトリッキーで、前半からは想像していなかった意外な展開は、あ、そういうことなんだ、なるほど、と、ミステリー小説を読んでいるような気分にさせてくれる映画であった。ま、きちんと原作小説のある作品なので当たり前だけど。
 というわけで、以下、ネタバレ全開ですので、自己責任でお願いします(ただしズバリの犯人については書くつもりはありません)。

 上記予告を観たら、誰しもが、主人公が電車から失踪した女性を見かけたことで、事件に巻き込まれていく話かな、と思いますよね? 少なくともわたしはこの予告を何度か劇場で観て、そう思っていた。しかし、はっきり言うと全くそんなお話じゃあなかった。説明のために、冒頭の20分ぐらいで判明する主なキャラクター像を紹介しておこう。最初に言っておきますが、このキャラクター像は、最終的には全然間違ってます。いわゆるミスリードってやつですな。
 ◆レイチェル
 主人公。アル中。演じたのはEmily Brunt嬢33歳。つか、今回のEmily嬢はアル中でひどい顔をしているので、とても33歳には見えない。もっと老けて見える。全然Girlじゃねえじゃん!というのがわたしの真っ先に抱いた感想。マンハッタンへの通勤電車から見える、元夫とかつて自分が住んでいた家と、その隣の家を眺めて(つーか覗いて)妄想する頭のおかしいサイコ嬢。ぐでんぐでんに酔っぱらっていたため、肝心の事件当日の記憶なし。
 ◆トム
 レイチェルの元夫。演じたのはJustin Therux氏45歳。レイチェルがアル中になったのは、人工授精もうまくいかず子供ができないためだけれど、そのアル中ぶりがひどくて離婚した。ただし自分も女グセの悪いクソ野郎。眉がクドイ。つか顔全体がクドイ。
 ◆アナ
 トムの現在の妻。演じたのはRebecca Ferguson嬢33歳。へえ、この人はスウェーデン人なんですな。実はレイチェルと離婚する前から、トムはアナと不倫していて、トムに離婚しろとたきつけた張本人。さっさと子供を作って、かつてレイチェルとトムが住んでいた家に平気で暮らしている。子供はベビーシッターに任せて、自分はLOHAS生活に余念なし。なかなかの美女。
 ◆メーガン
 トム&アナの隣の家に住む若い女。演じたのはHaley Benett嬢29歳。トム&アナの子供のベビーシッターをしていたが、キャリアアップのため転職。その際、アナに、でめーの子供はテメーが面倒見ろよ、と若干けんか腰で言ってしまってやや気まずい。何やら複雑な過去がありそうな、妙にセクシーな美女。レイチェルはいつも、この女なんて幸せそうなの、イケメンの旦那もいて、いつもいちゃいちゃしていて、と毎朝メーガンのことを電車から眺めていたが、ある日、メーガンと別の男がいちゃついているところをレイチェルは目撃し、その翌日、メーガン失踪のニュースを知ることになる。
 ◆スコット
 メーガンの夫。演じたのは、『The HOBBIT』で弓の達人バルドを演じたことでおなじみのLuke Evans氏37歳。若干やくざっぽい雰囲気だが職業不詳。メーガンとの子作りに余念がなく、SEX依存症なんじゃねえかと心配になるほどヤリまくっているハッスルGUY。若干変態のイケメン野郎。
 
 とまあ、最初の段階ではこんなキャラクター像が観客に提示される。なので、あまりにレイチェルのアル中ぶりがひどくて、残念ながらわたしは全く感情移入ができない。こいつ、人をぶっ殺しておいて、酔っぱらってて憶えてないとでもいうつもりか? みたいな感じであった。実は、この状況は、かなり先までずっと続く。各女性キャラの目線に、カメラの視点は次々移っていくのだが、残念ながらどんどんと、レイチェルがイカレた女にしか思えない展開である。しかし、ラスト30分ぐらいで急に、実はそれは違っていた、というヒントが提示され、そこからはかなり急展開となり、事件はきっちり片が付くわけだが、正直わたしは、やれやれ、なーんだ、で終わってしまった。最後まで、全キャラに対して好意を抱くことができなかったわけだが、わたし的に唯一、この人は可哀想だったね、と思うのは、変態ハッスル野郎のスコットだろうか。彼は今回純粋に妻を殺された被害者であり、犯罪も何一つかかわっていない。大変かわいそうではあると思うが、いかんせん変態なので、あまり同情心は沸きません。なんでまたこの役をLuke Evans氏が引き受けたのか知らないが、うーん、もったいないキャスティングのような気がしてならない。
 キャストとしてはわたしが一番気に入ったのがメーガンを演じたHaley Benett嬢だろう。彼女は、何かフェロモンめいた妙なセクシーさがプンプン漂っているお方で、実になんというか……エロい。男としては、だがそれがいい、わけであって、おまけに恐ろしく幸薄そうな表情も極上であった。大変美しい方だと思います。
 ところで、わたしはクソ映画オタク野郎なので、レイチェルが通勤の時に降りる駅が、明らかにマンハッタンのGrand Central Stationであり、去年見た光景そのままだったので、おお、じゃあ、レイチェルが通勤電車から毎日眺める景色はGoogleMapで探せるのかな? と、さっきいろいろ調べてみた。
 確か、作中でレイチェルが毎日眺めるかつての家は、Ardsley-on-Hudson駅が最寄駅だと言ってたような気がしたので、帰ってから調べてみたところ、確かにその駅はすぐ見つかった。なるほど、やっぱりレイチェルが乗っていた電車は、Grand Centralを起点にしたMetro-North鉄道のHudson線で間違いないようだ。ちなみにディーゼル車なのかな、と思ったけど、だいぶ北の方以外は電化されてるみたいなので、一応「電車」すね。そしてArdsley-on-Hudson駅は、Grand Central Stationから21.7マイル(=34.72Km)ほどらしい。つまり……ええと、東京駅から中央線快速で国立駅までぐらいか。つーと、大体50分ぐらいってことかな。総武線快速だと東京駅から稲毛駅ぐらいか。まあ全然近くはないけど超・遠いってほどじゃない距離感なんだな。
 しかし、MAPで見てみると、どうやらこの路線は、その名の通りハドソン川左岸(※北を上とする普通の地図で言うと右側)をずっと北上する路線なので分かりやすいんだけど、川沿いだから、線路のわきは基本的に防風林のようになっていて、電車から家が見えるポイントがあまりないんだよな……ダメだ、作中に出てくる景色が全然見つからない……分からねえ。もっと北の方なのかな……。それともロケ地は全然別なとこなのかな。ラスト、とある場所からレイチェルがマンハッタンを遠望するショットがあるのだが、あれは明らかに、BROOKLYN方面から見たマンハッタンだったと思う。川(角度的にイーストリバーしかありえない)の向こうにマンハッタンのONE-WORLD Trade Centerが見えたので、たぶん間違いないと思う。
 ところで、なんでこんなことを調べてみようかと思ったかというと、通勤の距離感を知りたかったのが一つ、そしてもう一つは、ズバリ、他に何も書くことがなかったからである。
 たぶん、この作品は、小説で読んだ方が面白いのではないかと、特に根拠はないがそう思う。おそらくは、この小説はそれぞれの女性キャラクターの視点から語られる1人称小説なんじゃないかな。えーと、分かりやすく言うと、湊かなえ先生の『告白』的な作品なのではないかと予想する。つまりキャラクタはーは、自分の行動しか知らないわけで、出来事の真の状況を理解しておらず、自分の目を通しての出来事を語る形で、最後はそれが集約されて全貌が明らかになる、みたいな、そんなお話なんだと思う。なので、それを普通の映画にしてしまった本作は、しつこいけれど、全く根拠はないのだが、おそらくはその本来の味が薄まっちゃってるのではなかろうか。ま、そんなわたしの推論が正しいかどうかは、原作小説を読めば一発で判明することだけど、サーセン。あんまり読みたいとは現状思ってません。なので、もし原作を読んだ方が偶然このBlogを目に留めることがあれば、正解かどうか教えてください。間違ってたら相当恥ずかしいな……ま、いいや。

 というわけで、結論。
 なんとなく時間があったから観た、という全然消極的な動機で観てみた映画『The Girl on the Train』は、いわゆるベストセラーミステリー小説を映画化した作品であり、たぶん、原作小説の方が面白いんじゃないかと勝手に推測する。映画はですね……うーん……正直イマイチっす。なんかキャラクターに共感が持てなくて……わたしの好みには合いませんでした。申し訳ありませんが……。以上。

↓ これが原作っすね。おっと!? あ、そうなんだ、原作はロンドンが舞台なんだ。なるほど。へえ~。


 

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