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 世界的大ベストセラーとなったスウェーデンの小説『ミレニアム』シリーズ。作者のStieg Larsson氏は、その刊行目前で急逝されてしまい、後に自らの作品がウルトラ大ヒットとなることを知らずに逝ってしまわれたわけだが、亡くなった後で第3作目までが刊行されたのち、第4作目から別の著者を立ててシリーズは復活を遂げ、今のところ第6作まで発売されることが確定している。現在は第5作目まで発売されていて、第6作目は一応今年2019年の終わりごろには日本語版も発売されるはずだ(※毎回本国では9月ごろの発売の後、日本では早川書房様が頑張って年内に発売してくれている)。
 ま、この経緯は、今まで第4作目第5作目が発売になった時にこのBlogでも感想を書いているので、そちらを参照願いたいが、この度、第4作目の『THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB』がハリウッドで映画化され、先週から日本でも公開が始まったので、昨日、わたしもさっそく観てきた。
 感想をズバリ言うと、あれっ!? 第4作目ってこんな話だったっけ? と若干戸惑ったのだが、うーーーん……これは……どうかなあ……まあまあだったかな、ぐらいだろうか。残念ながら超絶賛! ではない。けど、つまらなかった、とも思わない。フツーに楽しめました、ぐらいの出来であったように思う。ひとつ、映像として、うおお!と大興奮したのは、リスベットがドカティで氷の張った湖(海?)を渡っていくシーンと、後半でランボルギーニ・アヴェンタドールをかっ飛ばすところすね。アレはとてもカッコ良かったです。
 というわけで、以下、ネタバレると思うので、まだ観ていない人は、ここらで読むのをやめて、劇場へGO!でお願いします。

 しかしなんつうか……このBlogは近年病的に記憶力の衰えた自分のための備忘録として書いているのだが……実はわたしは昨日、本作を観終わって、あまりに「こんな話だったっけ?」と自信がなかったので、小説版第4作目を読んだ時の自分の文章を読み直したのだが、ホント自分が嫌になるというかアホというか……ネタバレを避けるために、肝心のストーリーに関してはほとんど触れていない文章しか書いておらず、確かめられなかった。ならば原点に返ってチェックしよう、と思って本棚を漁って第4作目を探したのだが見つからず、あ、そうだ、4作目は友達に読めってあげちゃったんだ、ということを思い出した。まったくもって自分の愚かさが嫌になるわ……。
 ともあれ。
 わたしのうすらぼんやりした記憶では、映画版の本作『THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB』は、原作小説とかなり違っているのは間違いないと思う。でも、それゆえ面白くない、とは言わない。わたしがこの映画版を観て、ううーむ? と思ってしまったのは、我らが主人公リスベットが、3回大ピンチに陥ってしまうのが、なんかリスベットらしくないぞ、とか思ってしまったことにあるような気がするのである。あれって原作通りだったかな……思い出せん。。。
 それらのことに触れる前に、映画版の物語をごく簡単にまとめておこう。
 本作は冒頭、どうやら必殺仕事人めいた、「女の敵」である男をぶっ飛ばすリスベットの活躍が描かれる。これが原作にあったか覚えてないが、まあとてもカッコ良く、原作未読の一見さんを世界に招き入れるには大変イイ活劇だと思う。このスークエンスは、ほぼ本筋に関係のないものだが、とてもクールで、リスベットがどんな人間か、よくわかるような、いわゆるアバン的役割を果たしていると思う。
 で、本編はというと、とある天才(?)プログラマー(スウェーデン人)が作った、世界各国のミサイル防衛システムをハッキング出来てしまうプログラムがアメリカNSA(National Security Agency=国家安全保障局)のサーバーにインストールしてあって、それを、作ったプログラマー本人から、強奪してほしいとリスベットに依頼されるというのがメインの筋である。そのソフトはCOPY不可、MOVEのみ可能という仕様で、ま、リスベットは描写的には超余裕でハッキングしてあっさり強奪に成功する。しかし、そのプログラムの起動には、謎のパスワードがかかっていて、いかな天才リスベットにも解除できない。へえ~と思った(?)リスベットは、起動を試さず、素直に依頼主たるプログラム開発者に渡そうとするが、その夜、謎の集団がリスベット邸を襲撃、リスベットは辛くも助かるが、まんまとプログラムをノートPCごと強奪されてしまうのだったーーーてな展開で、そのPCの争奪戦が描かれるのだが、その背後には、リスベットの妹の影があり、さらにプログラム起動には、プログラマーの息子の超頭脳が必要なため、その息子も連れ去られてしまい、その救出ミッションも加わって来る、という物語でありました。
 どうですか。小説を読んだ方。これって、原作小説通りだっけ? なんか全然違うような……? でもまあ、原作通りであろうとそうでなかろうと、別にそれは大きな問題じゃあないと思う。映画として面白くて興奮するものなら、それでいいんだし。しかし、どうもわたしは、前述のように、ううーむ? と思ってしまったのだ。それは以下の点においてである。
 ◆後手後手に回るリスベット
 まあ、たしかに原作小説のリスベットも、後手に回って大ピンチになることは今までもあったとは思うけど、今回はちょっと、なんつうか、リスベットを知らない一見さんが本作を観たら、リスベットの凄さが若干損なわれてしまうのではなかろうか……というぐらい、後手に回ってしまって苦戦する。ま、苦戦しても勝つけど。たとえば……
 ・自宅破壊:これはリスベットがうっかり風呂でうとうとしてしまったのが原因だよな……リスベットらしくないような……まあ、きっちり避難して脱出して、全てを録画していたため犯人の手がかりもちゃんと得ていたから、アリ、なんすかね……。
 ・プログラマーを守れず息子まで連れ去れさられる:これも、うっかり監視映像から目を離したことがそもそも原因だったような……これもリスベットらしくないような……そして肝心のプログラマーを守れず息子を連れ去られてしまうのは原作通りだったかも。でもここは、映画的にはとてもカッコ良くて、薬物を注射されて意識朦朧になっても、気合でアンフェタミンを砕いて自分で摂取してなんとか追いかける、という一連の流れはとても良かったす。原作にあったかどうか、記憶なし。
 ・アジトへの潜入失敗、妹にあと一歩のところで殺されかける:ここも、罠にまんまとかかって大ピンチ、どころかあと一歩で殺されそうになって、リスベットらしくないような気もしたけど、これも原作通りだったのかも。ただ、この場面では、リスベットの信頼するハッカー仲間プレイグが大活躍して、謎のモーションセンサー?か何かを使った、空間認識システムで建物内の人の動きを察知する流れになるのだが、これは、実際のところ無理があるように思えるけれど、映画的(映像的)にはとても見応えがあって、NSAの青年がアンチ・マテリアル・ライフルをドッカンドッカン撃ちまくって援護するシーンはとても良かったと思います。あれはカッコ良かったですね。ただ、そのスナイプ中に敵に近寄られて反撃されたのは、ちょっといただけないですな。アレは苦笑せざるを得ないす。このプレイグ&NSAマンの大活躍が原作にあったか、記憶になし。あったっけ? プレイグが拉致されたリスベット(あるいは息子だっけ?)をGPSで追うのは原作にあったと思う。
 ◆ほぼ活躍しないミカエル
 なんというか、もし原作を全く読んでいない人が本作を観たら、シリーズのそもそもの主人公(?)、ミカエル・ブルムクヴィストのことを理解できたのだろうか? 今回の映画版ではほぼ活躍せずで、非常に影が薄いのが残念であった。やっぱり、ミカエルも活躍してくれないと『ミレニアム』っぽさが薄まっちゃいますな。これはとても残念だったと思う。ただ、この『ミレニアム』シリーズの映画は今回で3回目なのだが、ミカエルを演じた役者はこれまでで一番原作のイメージに近かったような気もします。それは良かった点ですな。最初のスウェーデン本国での映画化は、最初の原作3部作全てをかなり見事に映像化してくれた作品だけど、ミカエルを演じたのはその映画の後にハリウッドでも活躍して、おととし急逝してしまったMichael Nyqvist氏で(→わたし的には『John Wick』のマフィアのボスでお馴染み)、ミカエルにしてはちょっと年を取り過ぎじゃねと思ったし、かといって2回目のハリウッドによる映画化では、ミカエルを天下のイケメン007でお馴染みDaniel Draig氏が演じて、これはこれでカッコ良すぎるというか、強そうに見え過ぎていたけど、今回ミカエルを演じたSverrir Gudnason氏は、ちょうどいい塩梅だったように思ったす。あ、この人、スウェーデン人なんですな。ならちょうどいいすね。
 ◆原作から明確にカットされた、アレの件:ま、これはカットされて当然だろうな、と思った。原作では、リスベットは「WASP」というハンドルネームを使ってハッカー活動をしていて、この4作目の敵は「THANOS」を名乗っていたけれけど、今回の映画ではそのネタは一切カットでした。ま、WASPもTHANOSも、マーベルコミックのキャラなので、SONYの作品である本作ではちょっと扱えなかったのでしょう。ま、だからどうってことはないけれど、『ミレニアム』シリーズではハッカーのハンドルネームは重要なので、ちょっと残念でした。

 というわけで、原作ファンとしては(といいつつ物語をちゃんと覚えてないオレのバカ!)なんとなく全体的に薄味になってしまったように感じたのだが、映像のキレや、役者陣は大変良かったと思います。最後に各キャラと演じた役者、それから監督を紹介して終わりにしよう。
 ◆リスベット・サランデル:ゴスパンクなファッションに身を包み、映像記憶能力を持つ超キレる超危険な女子。「女の敵」を心から憎む。バイで女子も男もイケるお方。ガリガリのやせぎす。今回3代目リスベットを演じたのはClaire Foyさん34歳。わたしとしては歴代リスベットの中で一番、身体的特徴はリスベットっぽかったと思う。ちびっ子でガリガリ、という意味で。ただ、メイクが普通なのとピアスが少ないのが残念だったかな……。それと、リスベットにしてはやけに表情が豊かというか、無表情&つっけんどんじゃないのも、若干リスベットぽくはなかったような……。初代リスベットのNoomi Rapaceさんはもう雰囲気抜群のキレてるリスベットだったけど若干可愛くないのが玉に瑕、かもだし、そして2代目リスベットのRooney Maraさんは、髪型とかピアスだらけとか、そういう点では一番だったし、一番美人だったと思う、けど、ガリガリじゃあなかったすね。いずれにせよ、三者三様のリスベットは、実際のところ全員アリ、だとわたしは思います。
 ◆ミカエル・ブルムクヴィスト:既に書いたので省略! 原作ではある意味ではリスベット=ホームズ、ミカエル=ワトソン、的に、主人公として読者に代わってリスベットの行動を折ってくれる重要キャラなのだが、本作では、いかんせん存在感が希薄な役回りで残念す……。
 ◆カミラ:リスベットの双子の妹で不倶戴天の敵。今回演じたのはSylvia Hoeksさん35歳。オランダ人だそうですが、まあお綺麗な方ですよ! このお方は、超名作『BLADERUNNER2049』で、超おっかないレプリカントLUVを演じたお方ですな。今回、リスベット=黒、カミラ=白(というより赤)と対比を意識して演出されているようだったが、原作を読んでいる人ならカミラの姿に、おお!と興奮したと思うけど、正直この映画版だけだと、どうしても若干意味不明なキャラに思えたのではなかろうか。まあ、やっぱり背景や行動の目的などが説明不足だと思うし、かなり唐突感もあって、若干浮いてたようにも感じた。ただし、原作と違うラストは、本作の中ではちゃんとしかるべき流れになっているように思えたので、違和感はなかったす。
 ◆フランス・バルデル:問題のプログラムを作った天才プログラマー。彼の設定はかなり原作と違うと思う。そして彼を演じたのはStephen Merchant氏というお方なのだが、この顔は絶対どっかで見た、けど誰だっけ……と思い出せなかったのだが、インターネッツ神にお伺いを立てたところ5秒で判明した。この人は、『LOGAN』でチャールズおじいちゃんを看護してくれてた日光に当たるとダメなキャリバン、を演じた方っすね。でもあの役、ほぼミイラのような感じだったけど、顔って出てたっけ……
 ◆エド・ニーダム:NSAの男で、まんまとリスベットにプログラムを奪われ、その奪還のためにスウェーデンへやってくるが、自分も元伝説のハッカーで、のちに(やむなく)リスベットの援護に。スウェーデン当局に拘束された彼をリスベットが救うシーンは原作通りだったような気がする。けど、伝説のハッカーって設定だったか覚えてない……。演じたのはLaleith Stanfield氏。何気に凄くイケメンだと思う。出番は少ないけど、なかなか活躍してくれました。あ、なんてこった! この人、Netflix版『デスノート』でLを演じた方なんすね。確かに頭が良さそうな感じですな。へえ~。
 そして監督は、数年前妙に話題になった『DON'T BREATHE』を撮ったFede Álvarez氏。ウルグアイの方ですな。まあ、本作は映像的にはとてもキレがあって、かなりクオリティは高かったとは思う。脚本的にも、まったく原作未読でもわかるような流れはきちんと整っていたとは思う。けど……散々書いた通り、薄味というか、厚みがないというか、いろいろとうーーんな点があって、つまらなかったとは全然思わないけど、超最高だったぜ、とも思わない、フツーな出来であったと思う。残念ながらUS本国でも全世界でも、興行的には全然売れておらず、予算43M$で全世界興収34M$のようで、これでは続編は作れそうにないだろうな……。ああ、Rotten Tomatoesでも評価は低いすね……これは厳しいな……最後に言うとしたら、原作小説は面白いっすよ。作者は別人だけど、わたしはもう十分楽しめたっす。なので、ぜひ、原作小説を読むことをオススメします。

 というわけで、結論。
 世界的大ベストセラー『THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB』が映画化されたので、原作ファンとしては楽しみにしていたのだが、そもそも、わたしの低下した記憶力では原作がどんなお話だったのか、詳細は覚えていないという状態であるけれど、どうも、かなり原作と違っていた、ような気がする。そして、別に原作と違っていても、映画として面白ければいいのだが、全くダメとは言わないけれど、どうもキャラクター的にこの映画だけでは味わいきれないというか、かなり薄味の物語であったように感じた。なんかもったいないというか、残念です。原作のリスベットは、本当に魅力的でグイグイ物語に引き込まれるのですが……ううーーむ……であります。やっぱり大ベストセラー作品の映画化というのは難しいですな。わたしのように原作をちゃんと覚えてないくせに、偉そうに文句を言われちゃうんだから。つうか、そんな文句は言いたくなくて、本当は、ここが良かった! とほめる文章を書こうと思ったのに、ダメだったす。サーセンした。少なくとも、映像のキレは感じたし、スタイリッシュではあったと思います。今年、第6作が発売になるはずなので、それまでにもう一回4巻目も電子で買って読もうと思います。以上。

↓ 紙版は友人にあげちゃったので、もう一回、電子版を買う所存であります。
ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 上 (早川書房)
ダヴィド ラーゲルクランツ
早川書房
2015-12-18

ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 下 (早川書房)
ダヴィド ラーゲルクランツ
早川書房
2015-12-18

 もうだいぶ前になるが、とある小説が全世界で大ヒットした。
 『ミレニアム ドラゴンタトゥーの女』である。 

 著者は、スウェーデンの作家Stieg Larsson。この作品以降、いわゆる「北欧ミステリー」が全世界の書店の本棚を席巻することになるわけだが、彼はなんとも不幸なことに、2005年の第1巻発売より前の2004年11月に、心臓発作で亡くなってしまった。ので、自作が大ヒットすることを知らぬまま、この世を去ってしまったのである。
 だが、彼の死後発売されたこの『ミレニアム』シリーズ全3作は、スーパー大ヒットとなり、本国スウェーデンで3部作すべて映画になり、後にハリウッドでも、かのDavid Fincher監督、Daniel Craig主演でリメイクされるほど世界中の人々に熱狂をもって迎えられたわけである。

 ↑ これはハリウッドリメイク版の、一番最初の予告。超カッコイイ!! ただし、ハリウッドリメイクは雰囲気や演出は格段にスウェーデン版オリジナル映画よりも優れているものの、はやり、一番肝心な主人公のリスベットに関しては、あきらかにスウェーデン版の方が上だと思う。演じたNoomi Rapaceも、このスウェーデン版の出来のよさからハリウッド進出を果たすことになった。
 ハヤカワ文庫から発売になったのが2011年なので(? なんかもっと前のような気がしてならない)、わたしが読んだのはひととおり熱狂が落ち着いた頃だったわけだが、読んでみて、こりゃあ面白い!! とその魅力を堪能し、大興奮したわけである。だが、つくづく惜しいと思ったのは、著者が既に亡くなっており、この続きが読めないなんて拷問だよ!! という残念なお知らせであった。
 というのも、これも全世界的に知られていることだが、Larssonはすでに4作目を書いている途中であり、プロット的にはもうだいぶ先の方まで完成していたのである。そしてその著作権をめぐって、遺族・出版社・そして内縁の妻が訴訟を起こして泥沼化してしまったのである。本当に残念なことだが、内縁の妻といってももう何十年(?)も活動をともにしてきたパートナーなので、わたしが思うに一番作品のことを知っている女性だと思うが、その彼女と結婚していなかったがために、こんな泥沼抗争となってしまったわけで、あーあ、続きはもうないのか……とあきらめていた。

 しかしである。
 今年2015年の9月、なんとシリーズ第4作が世界35カ国で発売となった。
ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (上)
ダヴィド ラーゲルクランツ
早川書房
2015-12-18

 これはもう読むしかねえでしょうが!! と思った人は、おそらく日本国内でも20万人ぐらいはいたはずだ。も~~……早川書房さんよ……とっとと出せよこのノロマ野郎が!! と、イライラしながら日本語訳を待ち望んでいた人も、20万人ぐらいいたはずで、ようやく今月、日本語版の発売と相成った。ありがとう早川書房様!! とコロッと手のひら返しで感謝の念をささげたのは、わたしだけではあるまい。とにかくこれで年末は決まりですよ、というわけで、じっくり楽しませてもらいましょうと、本をうっかり開いてしまったわけです。
 しかし、これはイカン。何を言っているか分からないと思うが、わたしに起こったことをありのままに言うと、ぺ、ページをめくる手がと、止まらねえええ……!! という有様である。
 本作は、結局、出版社側が、既に存在するLarssonの手による4巻の途中までの原稿やプロットなどをすべてなかったことにして、新たに別の作家を立てて書かせた作品である。なので、厳密な意味では二次創作と言っていいだろう。だが、これはかなり期待できる。相当面白い、と現時点では感触を得ている。
 まあ、読み終わったらまた詳しく感想を書くので、それまで結論は保留だが、今、読み始めて3時間弱、上巻の228/349ページまで来たところだが、今のところかなりいい。特に、ミカエルがリスベットと再びコンタクトが取れたシーンは極めて上等。いいね。リスベットが、ミカエルからのコンタクトに思わずニヤリとするシーンでは、わたしもニヤついていたと思う(※リスベットはほぼ笑わない女子です)。
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 ※追記:さっき上巻読了。詳しくは明日書きます。ちょっと、場面転換が若干下手かも、とは思ったけれど、肝心のストーリー自体は非常に良いです。これは面白い。まだ上巻だけど。
 あと、ストーリーの本質には関係ないけれど、Christopher Nolan監督の『Intersteller』を観ている人には、序盤でリスベットが語る理論がすんなり理解できると思う。非常に難しい話だけど、まさしく『Intersteller』で語られるものなので。
 もうひとつ。わたしが9月ごろにレビューして、クソつまらなかったと書いた、『人工知能 人類最悪にして最後の発明』を読んでおくと、今回のキーとなる理論が良く理解できると思います。↓これね。
人工知能 人類最悪にして最後の発明
ジェイムズ・バラット
ダイヤモンド社
2015-06-19

 この二つは、本作を読む前に観たり読んだりしていると、本作をより楽しめると思います。
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 というわけで、結論。
 まだまったく作品評価できる段階ではないが、『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』は「今のところ」かなりイイです。と、大興奮でいるわたしを記録にとどめておこうと思います。まあ、読み終わって、なんだよFUCK!! と怒り狂う可能性もありますが、楽しみに読み進めたい。
 ※12/28追記:読了しました。レビューはこちらへ

↓ スウェーデン版も結構いいです。比較的、こちらの方が原作に忠実。だと思う。いや、どうだろう?
ドラゴン・タトゥーの女 ミレニアム<完全版> [DVD]
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アミューズソフトエンタテインメント
2012-02-03

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