暑い。今、わたしの部屋の室温32.5℃。たまらん……。
 というわけで、昨日の夜、たまっているWOWOW録画の映画でも見るか、と思い、HDDレコーダーの録画リストをチェックしてみたところ、いつもの通り、この映画はなんだ? なんで録画したんだろう……? と謎の映画がいくつかあり、その中から、一番最近録画したらしい作品を観てみることにした。
 タイトルは、『アデライン、100年目の恋』。どうやら日本では去年2015年10月に公開された作品らしいが、全然知らなかった。ホント、何度も書いていることですが、いかな映画オタクのクソ野郎のわたしでも、知らない作品はほんとにいっぱいあるもんだなあ、と思う。ま、このクソ暑い中、一人汗じっとりでラブロマンス系と思われる作品を観るのもちょっとどうかと思ったが、これがかなり面白くてわたしとしては大変楽しめたのである。 

 わたしは上記予告を観ずに本編をいきなり観たわけで、全くストーリーを知らずに観始めたのだが、再生を開始して1分で、録画しようと思った理由は判明した。主役が、先日わたしが映画館で観て大変面白かった映画『The SHALLOWS』(邦題:ロスト・バケーション)の主役の、Blake Lively嬢だったのだ。ははあ、なるほど、だからか、と納得したものの、まだどんなお話かは分からない。冒頭は、現代の2014年で、主人公が偽造免許書などの別人名義の身分証明書を、偽造屋の若造のところに受け取りに行くところから始まる。美しい女性が一体なぜ、偽造した身分証明書を必要とするのか? その謎は、すぐに解明される。上記予告編で描かれている、1930年代(?)の超常的な、悲しい出来事が語られるのだ。
 主人公アデラインは1908年生まれ。San Franciscoに住む彼女は美しく成長し、Golden Gate Bridgeの建築に携わった建築家と恋に落ち、結婚し、一女をもうけ幸せな日々を送っていたが、1930年代に夫を建築現場の事故で亡くし、その後、自らも自動車を運転中に事故に遭ってしまい、死亡する――のだが、心停止の数分後に、事故に遭った自動車に雷が落ち、その膨大な電気エネルギーで奇跡的に蘇生する。そしてその電気エネルギーは、体内細胞の機能を一部変質させ、「老化現象が起きない不老の体」になってしまったのだ。(※どうやら、「不死」ではないようで、ケガとか事故に遭えば普通に死んじゃうようで、あくまで「不老」なだけ、らしい)
 以来、娘だけがどんどん年老いていくのに、「永遠の28歳」となったアデラインは、10年ごとに名前を変え、住む場所も転々と変えていく生き方をしているらしい。だから現在107歳だか108歳なのだが、ちょうどその10年目、というわけで、冒頭の偽造身分証が必要になったということらしい。そして、引っ越しを前に、大みそかのパーティーで一人の男と出会う。かなり強引なその男に、次第にひかれていくアデライン。しかし、わたしには秘密が……と悩むわけだが、すでに80代になった娘が言う。逃げちゃあだめだ、と。そしてその男の想いを受け入れ、家族に会うと、男の父親は、かつてアデラインが1960年代に出会い、最も愛した男だった……とまあ、そんなお話です。これはもう予告に描かれている通りだから、ネタバレだけど許される範囲内、だよな? わたしも観ながら想像できた展開だし。

 というわけで、なかなか切ない、いいお話であったわけで、わたしは大変楽しめたのだが、それにしてもやはりこの映画は、主人公アデラインを演じたBlake Livelyの可愛さ、美しさ、セクシーさが光るのと、かつての恋人の老いた姿をしんみりと演じた、我らがソロ船長ことHarrison Ford氏のカッコ良さがグッとくる映画であったといえよう。もちろん、その息子で現在の彼氏を演じたMichiel Huisman氏も、老いた娘を演じたEllen Burstynさんもなかなかグッとくる表情を見せてくれ、演技レベルは高く、わたしとしては大変満足である。
 前回も書いたけれど、ホント、Blake嬢はスザンヌ嬢によく似てますな。今回は、わたしの大好物な「幸薄いしょんぼり顔」のシーンが多くて、とても美しい女だなあ、と思いながら観ていました。今度、もっともっと売れていってほしいですな。まだ28歳と若いし。演技ももっともっと伸びしろはあると思います。とにかく、うつむき加減のしょんぼり顔が素晴らしい。大変な別嬪さんだと思いますが、この人の旦那は、『Deadpool』でお馴染みのRyan Reynolds氏なんだよなあ……くそう。デッドプールのくせに! 実にうらやまけしからんですな。
 そしてソロ船長ことHarrison Ford氏は、今回、息子が彼女を連れてくる、どんな娘だろう、と対面したとき、「!!??」とハッとする表情が素晴らしかった。「えっ!? えっ!? なぜ君が!?」と驚き取り乱す表情、そして、現在の妻に対して詫び、取り乱してすまなかった、けど、君が一番に決まってるだろ、と照れながら話す表情、ともに素晴らしかったと思う。
 
 というわけで、まあ、ファンタジックなところもある時空を超えたラブロマンスということで、意外とわたしはそういうたぐいの話が嫌いじゃあない、つかむしろ好きであるので、全然予備知識なく録画した自分をちょっとほめたいところだ。ただし、クソ暑い部屋でじっとり汗ばみながら見る映画じゃあなかったな、と思うので、素直にエアコンをつけて快適に観ることをおススメします。この映画、大変良いと思います。
 ただし、調べてみたところによると、一般的な評価はかなり微妙すね。絶賛するほどでないけれどクソ映画でもない、ぐらいなラインのようですな。興業的には、US国内で42M$=43億ぐらい、なので、どうだろう、製作費回収はできたのかな? キャストのギャラが高そうだから、ちょっと無理かな。それも微妙なラインすかね。あと、監督も調べてみたものの、ほとんど長編劇場作品は初めての男みたいですな。まあ、悪くないというか、実に堅実なオーソドックスな演出だったと思います。あと、若き日のソロ船長を演じたのがAnthony Ingruber君という26歳の若者だが、たぶん、すごく勉強したんだと思うな。ソロ船長の、特徴的な、唇の片方だけ吊り上げる笑み、って分かるかしら? あれを自然に再現してました。それから、声は……Anthony君の声なのかな……だとしたら特訓したんだと思う。ソロ船長の特徴的な声を上手にまねていたと思う。あれって……地声なのか、ひょっとしたら、ソロ船長本人がアフレコで入れてた可能性もあるんじゃかなかろうか。それほど、似てました。ちょっと、Anthony君の名前は憶えておきたいと思う。

 というわけで、結論。
 たまたまWOWOWで放送されたので録画して観た『The Age of ADALINE』(邦題:アデライン、100年目の恋)だが、大変良質のラブ・ロマンス・ファンタジーであった。わたしは結構こういう作品は好きです。100年目の恋……いいすなあ……。そして、Blake Lively株がわたしの中で相当急騰しつつあり、彼女もまた、わたしの好きなハリウッド女優の一人に入れたい気がしてきております。つか、スタイル抜群すね。大変良いと思います。以上。

↓ もうとっくにBru-layは発売されてますね。原作小説でもあるのかと調べてみたけど、ちょっとわからんです。小説にしても面白いと思うな。
アデライン、100年目の恋 [Blu-ray]
ブレイク・ライヴリー
松竹
2016-03-02