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 現在GW真っ只中の日本であるが、わたしは昨日、やりかけの請負仕事が気になって、ちょっと出社して軽く片付けるか、と思っていたのだが、いざ取り掛かるとまるでデータの統一性のないひどい状態で、データを整え、データベース化し、さてようやく準備ができたぜ、というところでまたいろいろなデータが欠けていたりフラグ付けが中途半端だったりとめんどくさいことが判明し、上等だこの野郎!と半ばキレ気味で分析をしていたらあっというまに7時間が経過し、大体の見通しがついたところで、もう今日はここまで、と打ち切って家に帰った。わたしだから7時間で済んだが、依頼主が力技でやったらおそらく50時間はかかるであろうと思う。やれやれ。
 で。夜、なんか映画でも見ようとHDD内にWOWOWで録りためた一覧を眺めていたところ、つい最近、『THE 5TH WAVE』(邦題:フィフス・ウェイブ)という作品が録画されていることに気が付いた。あ、これ、あれだ、ブサカワでおなじみのChloë Grace Moretzちゃん主演のラノベ原作モノだ、と、わたしにしては珍しく、タイトルですぐに内容を思い出したので、さっそく視聴を開始することにした。そして結論から言うと、ま、予想よりもずっと面白くなかったすね……かなりがっかりというか、なんじゃこりゃ、であった。というわけで、以下ネタバレ満載につき、読む方は自己責任でお願いします。

 大体の物語の進行は、上記予告の通りと言ってよさそうだ。ある日突然、謎の宇宙船が地球に飛来する。数日間、なんのアクションも見せない宇宙船。人々はそれを「THE OTHERS」と呼び、一体全体なんなんだ、と思いつつも、日常生活を送るが、突如「第1波=The 1st Wave」と呼ばれる攻撃を受ける。それは電磁パルスによる電子機器の破壊で、これで地球は電力消失、スマホも車も飛行機も何もかもぶっ壊れる。続く「The 2nd Wave」は、大地震で、これで沿岸都市および島など海に近い都市はすべて津波で消失する。さらにやってきた「The 3rd Wave」は、強力なインフルエンザ(?)ウィルスの蔓延で、具体的な数字はなかったような気がするけどとにかく相当数の人類は死亡。こういう展開が冒頭でざっと描写され、生き残った女子高生、キャシーは父と弟とともに、難民キャンプ的なところへ避難するが、そこにやってきた軍人たちの指示で、子供たちだけ基地へ連行される、のだが、弟(推定10歳以下)が、うえーん、おねえちゃん、ぼく、大切なクマのぬいぐるみをベッドにわすれてきちゃったよぅ……!というので、仕方ないわね私がとってくるわ、とバスを降りダッシュでぬいぐるみをとって戻るが、一足先にバスは出発、弟と生き別れてしまうというお約束の展開が炸裂する。どうしよう、と一旦父と合流しようとするも、大人たちは一カ所に集められ、軍人からなにやら話を聞いていて、どうやら「The 4th Wave」が発動しており、とうとうTHE OTHERSは自ら人体に寄生して、その肉体を乗っ取っているらしい、そしてこの中にもTHE OTHERSに乗っ取られたやつがいるはずだ! ということが明かされ、バカな、俺は人間だ、ここから解放しろ!的な騒動から、銃乱射パーティーに発展、全員死亡となり、残った数名の軍人だけ、さっさと基地へ戻る。そして取り残されたキャシーは、弟を取り戻すため、80マイル(約130㎞)離れた陸軍基地へ向かう。道中、謎のイケメンと出会い、警戒しながらもあっさりFall in Love、そして驚愕の「The 5th Wave」の正体を知るのであった――的なお話であった。
 もういろいろ突っ込みがいのある、なかなか安いお話である。
 すべての電子機器がイカれ、車も走っていないはずなのに、やたらと装備のしっかりした軍人が出てきた時点で、普通なら、なるほど、こいつら自身が……と誰でもわかると思うが、まあ要するにそういうことです。物語もキャラクターも、ともにこれが新人賞の応募原稿だったらなら、わたしなら2次選考で落とすだろうな……と思いながら観ていたのだが、最終的なオチも、えっ!? ここで終わりなんだ!? というぶった切りで、なんというか……こりゃあかんわ……としか感想は出てこない。
 というわけで、さっそく原作を調べてみたところ、やはり、アメリカン・ラノベお約束の3部作のようで、続きはちゃんとあるらしい。だが、正直この先の物語が面白くなるかどうかは相当怪しく、わたしとしても読んでみたいとは現状思わない。おっと、一応、この映画の原作に当たる1作目だけは日本語訳が出ているみたいですな。
フィフス・ウェイブ (集英社文庫)
リック ヤンシー
集英社
2016-03-18

 高いなあ……文庫で1,296円だって。こりゃあ売れないでしょうな。それすなわち、第2作第3作の翻訳は望めないだろうな……。というわけで、もはや本作について言いたいことはないので、それよりも、アメリカン・ラノベとわたしが言う、いわゆる「YAノベル」というものについて、書いておこう。
 といっても、わたしもそれほど多くの「YAノベル」を読んでいるわけではないのだが、おそらく、少なくとも映画化されたYAノベルには、以下のような共通点がある。わたしはこれを、いつも三大要素と呼んでいる。
 ◆三部作である場合が多い。ただし、1作目は比較的きっちりとオチも整っていて、続く2作目3作目が前後編的な場合が多い。典型的なのがやっぱり『The Hunger Games』でしょうな。
 ◆主人公は10代女子(で一人称語り)が圧倒的。これはきっと読者層が10代女子だから、なんだと思う。例外的なのが『The Maze Runner』で、アレは男主人公ですな。
 ◆ラブ展開は必須。基本的に主人公女子がイケメン二人の間で三角関係気味になる。ただし、主人公女子は最初は恋愛なんて!と思っている場合が多く、それなのに、あっさり二人の間で揺れ動く。それが多くの場合一人称語りなので(ちなみに本作も原作小説はおそらく主人公キャシーの一人称語り)、要するに私はどうしたらいいの?的なお悩みが延々と綴られる。これも、対象読者のあこがれのシチュエーションなんだと思う。ラブ展開に思いっきり振っているのが『Twilight』シリーズでしょうな。でもあれは4部作か。
 とまあ、こういう作品が多いのだが、しかし、我々日本人からすると、正直キャラも物語も、かなり退屈な場合が多く、日本のライトノベルの方が、ジャンルも幅広く、キャラクターも様々で、物語力でいうとすべてにおいて優っているような気がわたしはする。まあ、近年ではすっかりテンプレ化が進んでしまっているので、日本のライトノベルのクオリティも下がっているのは残念だが、それでもなお、日本のライトノベルが質的にも量的にも進化したのは、日本では漫画が古くから発達していて、物語に慣れているというか、いわば口が肥えているからであろうとわたしはにらんでいる。
 本作、『The 5th Wave』も、日本人が書いたらもっと面白くなっていたと根拠なく思うわたしだが、残念ながら映画作品も、それほどクオリティは高くなかった。CGもかなりチープだし(ただし冒頭の飛行機が墜落するシーンだけは凄い質感)、おそらくロケも1~2週間あれば余裕だろう。どうやら予算規模は38M$(約41億円)、興行成績はUS国内で34M$(約37億円)ということで、残念ながら赤字で終わったものと思われる。Rotten Tomatoesの評価もかなり低い。まあ、これは元の原作のイマイチさを映画ではカバーできなかったということで、主演のブサカワChloë 嬢の責任では全くないと思う。
 ところで、そういえばアメリカン・ラノベと日本のライトノベルで、もう一つ、決定的(?)に違うんじゃないかと思うことがあったのでメモしておこう。それは、作者の年齢だ。日本のラノベ作家は、圧倒的に若い。まあ最近は軒並み年齢も上がってきて、上は40代もかなり増えてしまったが、そもそもは20代でデビューするのが一般的だろう。作者と読者の年齢が近いからこそ、より一層読者の共感も高まる、という部分は無視できまい。しかし、アメリカン・ラノベの著者って……結構歳いってるんすよね。本作の著者Rick Yancey氏は1962年生まれだそうなので55歳か? 55歳のおっさんが10代女子のお悩みを書いて、面白い作品になるとはあんまり思えないすね。
 
 さて、最後に、映画のキャストと監督に触れて終わりにしよう。主人公キャシーを演じたChloë Grace Moretzちゃんについてはもういいすよね? ああ、1997年2月生まれだからもう20歳になったんですなあ。2009年の『(500)Days of Summer』でのおませなちびっこや、2010年の『Kick Ass』でのヒット・ガールは本当にかわいくて天使クラスだったけれど、残念ながら横方向に成長してしまって、まったくのブサカワになってしまったのが残念ですのう……。このほかには、私が知っている役者は二人しかいなかった。一人が、かなり後半だけの登場となる、やけにパンクなおっかない女子を演じたのがMaika Monroeちゃんで、彼女は結構いろいろ映画に出てます。このBlogでも記事を書いた『It Follows』とか、『Independence Day: Resurgence』とか。いつもはブロンドの美人系のかわいい彼女なのに、今回は黒髪&ゴスメイク(?)で最初誰だか分らなかったっす。そしてもう一人が『X-Men Origins: Wolverine』で、セイバートゥースを演じたLiev Schreiber氏。この人は顔に特徴があるので登場時にすぐわかった。
 あとは……主人公キャシーの高校のモテ男で事実上のもう一人の主人公の男の子を演じたのがNick Robinson君22歳。観ているときは全く気が付かなかったけれどさっき調べたら、彼は『Jurassic World』のあの兄弟のお兄ちゃんの方ですな。全然気が付かなかったわ。それと、監督はJ Blakeson氏という方だが、この方は『The Disappearance of Alice Creed』(邦題:アリス・クリードの失踪)を撮った監督でした。へえ~!? あの映画は監督自身のオリジナル脚本で、結構面白かったのに、今回は原作モノで自分で脚本書いてないからなあ……演出的にも、とりわけここがすごいという点はなかったかなあ……。なんか……残念す。

 というわけで、結論。
 アメリカン・ラノベ原作の『THE 5TH WAVE』という映画を観てみたところ、残念ながらキャラクターも物語も、いずれもかなりイマイチであった。わたしは日本のラノベの物語力の高さは相当世界で売れるはずだと思っているが、正直、本作レベルの物語では、日本ではデビューするのも困難なのではなかろうか。しかし……Chloë 嬢の成長ぶりも残念というか……もうちょい縦方向に成長してほしかった……なんつうか、幼児体形なんすよ……もう二十歳なのに。ウエストがないっつーか……ホント残念す。以上。

↓ こちらは大変緊張感あふれた傑作……なんだけど、後半のBL展開は不要だと思います。なぜ急にそんな展開にしたんだ……
アリス・クリードの失踪 [DVD]
ジェマ・アータートン
東宝
2012-01-27

 昨日の夜、WOWOWで録画しておいた、とあるホラー映画を観た。その作品は、日本では丁度去年の今頃公開されたもので、予告編から結構怖そう&面白そうな気配は感じていたものの、公開規模が小さくてごくあっさり見逃していたのだが、WOWOWでの放送でやっと観ることができた。
 タイトルは、『It Follows』。そのものズバリ、「それ」が後をついて来る、おっかないお話である。どうやらカンヌ映画祭でワールドプレミア公開されて評価を受け、格付けサイトでの評価も非常に高く、やけに激賞している人も多い作品のようだが、ズバリわたしは、まあ、WOWOWで十分だったな、という評価にとどまった。なんというか……ほぼ説明がなくて、投げっぱなしなんすよねえ……そういう映画って、どうもわたしは好きではないっす。

 まあ、大体物語は上記予告の通りだ。なので、問題は、「It=それ」とは一体何なんだ? という点にあるわけだが、結論から言うと、最後まで結局何なのかは明かされず、ホラーにありがちな、解決したと思ったら解決してねえ!!! というラストでぶった切りで終わってしまい、わたしとしては全くスッキリしない、モヤモヤ感の残る作品であった。
 とういうわけで、まずは、作中で語られる設定と、キャラを軽くまとめてみようと思う。
 ■It(それ)の基本設定――これは上記予告にきちんとまとめられているので、まあその通りなのだが、補足すると……
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 1)性交渉で他人に移すことができる。
 要するに、自分が狙われている場合は、誰かとヤるとそっちに対象が移るみたい。ただし、1回ヤッて対象から外れても、移した相手が死ぬと自分に戻って来る。怖い!
 2)対象者(感染者)以外には見えない。
 どうも、他人に移し、対象から外れても、感染経験がある場合は見えるままのようだが、とにかく普通は見えないので、感染者が何を怖がっているのか、他人にはわからない。怖い!
 3)ゆっくり歩いて来る
 なので、ダッシュで逃げたり、車に乗って逃げることができる。しかし、部屋に閉じこもっていると、いろんな手段で入ってこようとする。怖い!
 4)物理的攻撃は一応有効
 銃で撃ったり、椅子を投げつけるなどの物理攻撃には、一応効果がある。けど、すぐむくりと立ち上がって来るので、時間稼ぎにしかならない。怖い! なお、対象者でなくとも、この辺にいるのかな?と見当を付けて攻撃することもOK。
 5)目的及び完全なる駆除
 不明。どうやれば完全に退治できるのかも不明。
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 とまあこんな感じである。で、キャラクターはというと……
 ◆ジェイ:ヒロイン。女子高生(大学生?)。結構かわいい。妹がいる。彼氏のヒューとCar SEXをしてうつされた。家のプールでぼんやりしたり、海に入ったりと、泳ぎが好きらしい。水着はある意味スクール水着的なまったく色気なしの競泳系水着。演じたのは、Maika Monroeちゃん23歳。この人は、去年の『INDEPENDENCE DAY:Resurgence』でホイットモア元大統領の娘を演じた方ですな。役者以外でも、カイトボードの選手としても活躍してたそうですので、本人も泳ぎは達者なんでしょうな。
 ◆ヒュー:元凶となる第一感染者。実は偽名で、本名はジェフ。なんでも、バーでナンパした女からうつされたらしい。が、どうしてそんなに「It=それ」に詳しいのか、そして今までどうやって逃げていたのか、ほぼ説明なし。演じたのはJake Weary君26歳。うおっと!なんてこった!! コイツの顔、どっかで見たことがあると思ったら、『ZOMBEAVER』に出てきたバカ男じゃないか!! ちなみに今回は、さっさとジェイに移してとんずらをかますヤリ逃げのクソ野郎でした。
 ◆グレッグ:ジェイの向かいの家に住む、雰囲気イケメン。かつて、ジェイと付き合ってたこともあるらしい。中盤で、ジェイ、君の感染はオレが引き受けるぜ、という口実(笑)の下に、ジェイとヤり、無事に自分が感染を引き受けたはいいけれど、ほぼ意味なく見事に死亡し、ジェイに対象は戻る。残念ながらやられキャラ。演じたのは、Daniel Zovatto君26歳。おっと、この人、現在劇場公開中の『Don't Breathe』にも出てるんすね。わたしは観てませんが。
 ◆ポール:ジェイ姉妹と幼馴染の、ぱっと見は全くさえないガリガリ君で、若干Geekめいた青年。ジェイのファーストキスの相手でもあり、ポールはずーーっとジェイが好きだった、みたい。ジェイのとんでもない災難に、ポールは男を見せる!演じたのはKeir Gilchrist君25歳。彼は一番キャリアがあるようですが、わたしが観たことのある映画はないみたいですな……なかなかの好演だったと思います。一番光ってたのではなかろうか。
 ◆ケリー&ヤラ:ジェイの妹とその友達。物語において特別な役割はまったく果たさない。ただ、友達のヤラは、なんか独特の雰囲気のあるオタク少女的なキャラ造形で、彼女がいろいろ調べて事件の真相にたどり着く的な展開を予想しましたが、まったくそんなことにはならず、ほぼ意味のないキャラでした。演じたのはOlivia Luccardiちゃん28歳。アレッ!? 一番年上だな、この人。そして妹のケリーは、ほぼ何もせず。演じたのはLili Sepeちゃん20歳。この人は大変可愛いと思います。この映画を撮影してた当時はたぶん17歳ぐらいで、まだ顔が真ん丸ですが、今はかなりの美女に成長してるみたいですな。子役時代は若干、川島海荷ちゃんに似てる気がします。ちょっと名前は憶えておきたいすね。
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 とまあ、こういう映画であったわけだが、その観客を怖がらせる演出は、確かにお見事であったと思う。とにかく、「It=それ」が、「ぺたり・ぺたり・ぺたり……」と真っ直ぐジェイに向かって歩いて来るさまは超おっかない。しかし、いかんせん妙な間が多いし、時間経過も分かりにくいのが難点と言えば難点かもしれない。
 脚本的にも、ほぼ、核心に迫るような展開はなく、ただ単に逃げ回り、クライマックスは対決をするものの、どうも切れ味の薄いもやもやエンドであったので、もうチョイ緊張感あふれ、ラストはすっきりさせる手もあったように思う。
 なお、監督&脚本のDavid Robert Mitchell氏は、次回作の『Under the Silver Lake』ではAndrew Garfield氏を主演に迎えるなど、メジャー感は若干増したようですな。どんな映画なのか、まだ予告編もないようなのでわからないですが、ジャンル的には「クライム・スリラー」だそうで、ちょっと期待したいところであります。

 というわけで、短いけど結論。
 去年日本で公開されて、結構様々に激賞されている『It Follows』をWOWOWで観てみたところ、まあ正直、こんなもんか、であった。確かに怖い。けど、ちゃんと解決してほしいんだよな……わたしとしては。投げっぱなしは、当然アリだけれど、もうチョイ、ラストバトルできちんと退治したことを印象付けてくれないと、一番最後に実は退治出来てませんでした~というホラーお馴染みのエンディングのショックが薄いと思う。結論としては、WOWOWで十分でした。以上。

↓ 「It」といえば、Stephen Kingが大好きなわたしは当然こちらです。これはTVシリーズだったと思うけど、また映画化されるんじゃなかったっけ。まあ、とにかく原作小説は最高です。
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ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2016-10-12

 というわけで、公開となった『INDEPENDENCE DAY:RESURGENCE』。20年ぶりの続編ということで、わたしも大変楽しみにしていたわけで、さっそく劇場へ向かったわけであるが、まあ、のっけから結論を言うと、イマイチだったかな、で終了である。アレッ!? もうこの一言でもネタバレか!? なんか……書くことねえす……。

 上記動画は、正確には予告編ではなく、劇中世界のNEWSという設定のプロモーション動画である。ま、物語はもう説明の必要はないだろう。1996年に地球へやってきたエイリアンが再びやってくる、それだけの話である。なので、問題は、どう撃退するかということになるわけで、別にエイリアンの生態だとか、知性だとかはほぼ関係なく、とにかくぶっ殺せ、である。
 劇中世界では、1996年に地球は大変な目に遭ったわけだが、その後の20年で何がどうなったという設定なのか、一応映画本編でも語られるけれど、ちゃんとパンフレットには年表っぽくまとめてあったので、それを引用しておこう。
 1996年:襲来&反撃。これは映画で描かれたとおり。
 1997年:世界の再建。世界各国でぶっ壊された都市機能の再建。ただし、コンゴに墜落した大型宇宙船に搭乗していたエイリアンとの地上戦が展開されていたらしい。が、場所が場所だけに世界の救援は手が入らず、コンゴのゲリラテロ勢力が勝手に戦っていたそうだ。まあ、なにしろ、コンゴは現在でも無法地帯であり、地球上で人の命が最も安い地であるわけで、これはあり得なくもない。
 1998年:指導者たちの団結。人類が滅亡しかけたおかげで、何世紀にも渡った国家間の対立や政治的な不信感が消え、かつてない協調が生まれた、らしい。ま、これはちょっと現実には考えにくい設定のような気がする。未知のテクノロジーの争奪戦で世界はもっと不安定になる可能性もある。
 1998年:ESD(たぶんEarth Space Difenceforceの略。地球宇宙防衛隊)の結成。うーーん……2年でそんな組織が出来るとは到底思えないが、まあ、とにかくそういう軍事組織ができたそうな。
 1999年:F-22にエイリアンの技術を導入したハイブリッドファイター完成。このエイリアンの技術というのは、どうも重力制御に関する技術のようで、航空機の常識が一変するわけだ。しかし……その謎技術があったら、もっともっと応用できると思うし、一方では地球の大気圏内や重力圏内では有効でも、宇宙空間では別の技術が必要になるのではなかろうか……そこのところは、わたしは正直よく分からない。
 2002年:コンゴの地上戦、継続中。
 2004年:US-Armyがエイリアン技術を利用した銃火器を開発、正式採用。ま、現実にそんなことになったら、世界中のテロ組織が使い始めるのも時間の問題でしょうな。
 2007年:前作でWill Smith氏が演じたヒラー大尉が訓練中に事故死。結果的に今回は写真だけの出演でしたが、スケジュールかギャラの折り合いがつかなかったんでしょうな。それか、Smith氏が興味を持たなかったか、製作側が使う気がなかったか、どっちかでしょう。代わりに今回は息子がぱっとしない青年として出演。いや、本物の息子のJaden君じゃないですよ。
 2009年:ESD月面基地完成。対エイリアン用防衛施設ということで、これは普通に考えてもあり得る、けど、たぶん、一番問題となるのは、いろいろな兵器や基地などの、部材というか金属素材の問題ではなかろうか。エイリアン技術に耐えうる素材の開発のほうが難易度が高そうな気がする。
 2014年:第2世代ハイブリッドファイター完成。
 
 とまあ、こういう20年間が過ぎ、地球の各地にに残されている宇宙船から母星への信号が送られ、それを受信した船団が再び地球に襲来する、と、そんな流れが映画公開前から情報公開されていたストーリーだ。
 しかし、実は重大なポイントが一切公開されていなかったことが、結構冒頭で明かされる。実はエイリアンには2種類いて、前回地球侵攻に失敗した、通称イナゴ族が再び地球にやってきた理由は、もう一つの知性体を追っかけて来たわけで、しかも、イナゴ族には、いわゆる「Queen」なる存在がいて、そのイナゴ族の長たる「Queen」が全ての意志を代表しているらしいことも描かれる。なので、物語はそのQueenを(問答無用で)ぶっ殺せ、という方向性になる。
 しかし、イナゴ族が追う知性体が先に月に現れるわけだが、地球の対応は「エイリアンは全てぶっ殺せ」なので、主人公の博士(前回も活躍したJeff Golgblums氏演じるデビット)はちょっと待て、友好的かもしれないよ、と忠告するのに、世界のリーダーたちは、ぶっ殺せ派とちょっと待て派に一瞬分かれるものの、リーダー・オブ・リーダーの女性US大統領は、とりあえずぶっ殺せを承認し、月に設置した兵器で攻撃してしまう。まあ、結果論ではあるが、ここで攻撃しなければ、今回地球は大分被害が少なくて済んだはずなのだが、こういう世界になってしまったのは、前回のイナゴ族にやられたトラウマってことでご理解いただきたい、的なお話である。
 で、最終的には無事にQueenをぶっ飛ばしてめでたしめでたし、となるのだが、その途中の流れはとりわけ観るべきところはない。わたしが面白いと思ったポイントはというと……。
 まず一つは、コンゴのゲリラ(?)隊の隊長だ。地上で対エイリアン戦を戦ってきた男で、その白兵戦の基本は、「背後からブッ刺せ(あるいは撃て)」という、とても我々日本人的には卑怯すぎてw苦笑せざるを得ない戦法がコツなんだ、というのがわたしは笑ってしまった。前作を観ていれば分かる通り、イナゴ族は、実は分厚い宇宙服を着ていて、本体はちっこいので、背中にまで注意が向かないんすかね? 変なの。
 もう一つは、結構多くの役者が前作から引き続き出てくるのだが、中でも、前作でイナゴ族エイリアンに精神を乗っ取られた? 白髪ロン毛&眼鏡の博士が今回もまた出てくる。しかも20年間の昏睡状態から、今回の襲来で突如目覚めるという設定だ。しかし……20年昏睡状態にあった肉体が目覚めてすぐに歩き回れるとは到底思えないのだが……ちょっとそのテキトーな設定には驚き笑いました。
 それから、そうだなあ、ヒラー大尉の息子は、前作にもちびっ子として出ていたわけですが、それが立派な青年となって、エースパイロットになっている、という設定は十分アリですが、残念ながら今回は、ほとんどモブ扱いで、それより新キャラのLiam Hemsworth君に全部持っていかれちゃっているのが可哀相なぐらいでした。ちなみに、ヒラー大尉の未亡人であるお母さんは、前回の女優がそのまま演じてます。年取りましたなあ。
 最後に、わたしが本作で一番気に食わなかったことを蛇足ながら付け加えておくと、ですね。まーた中国ですよ。ESDのエースパイロットの一人で、まあ可愛らしい女子パイロットが出てくるのですが、中国人だし、ESDの月面基地指令も中国人だし、正直やれやれすね。まあ、冷静に考えると、今後の未来において中国が人材を輩出することは現実として十分ありうるのは間違いないけれど、あの国がESDのような地球統合組織に協力するとはあまり思えないけど、まあ、政変があったとでも理解しておくことにしよう。残念ながら、今回の映画では、日本は完全に空気で一切登場しません。残念ですなあ。でも、それも当然なんですよ。だって、日本の興行収入なんて、中国でのウルトラヒットに比べたら、全然規模が小さいもの。ハリウッドから見れば、もはや日本は大したことのない市場なので、そりゃあそうなってしまうわけで、要するに、我々日本人が映画を見なくなったことが原因なわけで、いわば自業自得といってもいいはずだ。それもまた、極めて残念至極です。
 ※さっき調べたところ、中国では現在約70億稼いでいるようですが、それほどの「ウルトラヒット」までは行ってないですな。US国内でも、まだ1億ドルに達していないようで、正直イマイチな興行になっているようです。

 というわけで、本当は監督やキャストについていろいろ書こうと思ったけど、もうめんどくさくなったので強引に結論。
 20年ぶりの続編となった『INDEPENDENCE DAY:RESURGENCE』であるが、まあ、とりわけ興奮するような新しさはなく、いつも通りの想像の範囲内の映画でした。ヒラー大尉Jrの扱いがいい加減すぎて泣けた……もうでなくていいレベルのモブ扱い。気の毒……。そしてJeff Goldblum氏は順調に高田純次氏のような、いい年の取かたしてますね。『THE FLY』のセス・ブランドル博士の頃が懐かしい……。ええと、要するに、前作にとりわけ思い入れがない方は、今回の作品は見なくて大丈夫だと思います。以上。

 
↓ わたしとしては、Emmerich監督作品では、これが一番好きです。今観ても最高。
ユニバーサル・ソルジャー [Blu-ray]
ジャン=クロード・ヴァン・ダム
ワーナー・ホーム・ビデオ
2012-11-07


 

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