今日もさっぱり書くネタがないので、ちょっと前に買ったマンガネタでお茶を濁すの巻。
 今回取り上げるのは、「ミラクルジャンプ」に連載中の『ヤスミーン』と言う作品。
 まったく著者の畑優以先生のことも知らないし、正直「ミラクルジャンプ」も買ったことがないのだが、つらつらと、なんか面白そうなマンガねえかなー、と、電子書籍ストアをチェックしていて、見つけた作品。カバーのインパクトが、わたしをして何じゃこりゃ? と思わせたのだが、とりあえず試し読みを読んでみて、依然さっぱり良くわからないので、 とりあえず買ってみた。まずは、こちらの集英社の公式Webサイトで試し読みを読んでみていただきたい。


 ↑ちょっと小さいか? 1巻は、悪そうなライオンのドアップ。2巻はガゼルですな。
 というわけで、読んでみると、どうやら舞台はアフリカ。そして、どうも動物が二本足で闊歩し、言葉もしゃべるらしい。ははあ、なるほど、擬人化とは違う、動物ものですな? というわけで、わたしの脳裏には名作『銀牙―流れ星 銀―』が浮かんだわけだが、読み進めると全く違う展開であった。
 その王国は、「ライオン」という「王族」が支配しており、主人公の「ガゼル」は「奴隷」であると。で、いろいろな動物が出てくるのだが、例えば「ハイエナ」はライオンに仕える雑用係(?)であり、「シマウマ」なんかは食料であると。なので、同じ草食動物でも、「ガゼル」は奴隷として軽蔑されていて、一番地位が低いと。なぜ「ガゼル」が食料にならないかというと、ここがこの漫画ではキーになるのだが、「肉がマズイ」らしい。王族たるライオンたちに言わせると、食えたもんじゃあない、そうだ。まあ、本当にガゼルの肉がマズいのかどうかは知らないが、それ故に生きることは許されているわけだけど、奴隷ですよ、ということになっている。ちなみに、シマウマはまずまず美味いらしい。ホントかそれ。
 で。奴隷が主人公ということは、当然のことながら、脱出&革命という物語の展開が王道だろうと誰もが予想が付くと思うが、実際、この漫画も、そういう展開になる。弟を食われ、あまつさえ、マズイ!! と吐き出された主人公は、王族たるライオンを許せない。まずは狩りでとらえられたシマウマたちの中から、子どものシマウマを逃がそうとする主人公ガゼル。そこに現れた、謎のチーター。どうやらライオンに恨みを持っているらしい「白い悪魔」と呼ばれるチーターの乱入で、とりあえず救われた主人公ガゼルは、ライオンの支配する王国を脱出し、ライオンと対等に戦えるチーター族を探す旅に出るのであった――!! みたいなお話です。
 なお、ちなみにずっと普通に言葉をしゃべってるし、二足歩行なのだが、チーターだけ四足歩行なのが良くわからないけれど、とにかくやたらと熱いんだな。
 子どもシマウマを連れて旅に出た主人公ガゼルは、まずはシマウマ族と合流するのだが、道中で小狡いジャッカル族が出てきたり、おっそろしくムッキムキマッチョの、戦士シマウマと出会ったり(しかもめっぽう強てカッコイイ!!)、ライオン王族の中でも権力争い的なものがあったり、非常に読んでいて飽きない。また、本作はすでに2巻まで出ているのだが、そこでは道具を使うチンパンジー族が王族(=ライオン)と紛争状態にあったりして、主人公はピンチの連続だけれど、少しずつ、仲間を増やしていく。他に出てくるのは、ヒョウ族(→木登り上手の肉食獣なので、なぜか忍者装束を着用)とか、あと、ボノボ族あたりかな。
 わたしは「ボノボ」なる動物を知らなかったので、この漫画を読んだときいろいろ調べてみたのだが、ご存知ですか? まあ要するにチンパンジーの亜種でコンゴの固有種らしいのだが、すごい特徴があってですね、性行動がヒトに近いことで有名らしい。ちょっとHな話で恐縮ですが、いわゆる正常位で交尾することもあるんですって。そんな特徴があるので、この漫画での「ボノボ」族は、人間に近い風体で平和主義種族として描かれている。ただし、ライオン族に脅されてあっさりチンパンジー族を売るなど、そういう自己中心的なところも、ある意味人間らしい描写となっている。

 というわけで、短いけれど結論。
 この『ヤスミーン』という作品は、非常に熱い展開で、先が非常に気になる漫画である。もし、試し読みを読んで、なんじゃあこりゃあ!? と思ったらならば、まずは買って読んでみていただきたい。まだ2巻までなので、1000円もしません。意外と読み応え、アリです。わたしも、当面読み続けていこうと思います。以上。

↓ おっと! 3巻は3月発売みたいですな。でも、集英社のいつものパターンだと、紙の本が出てから1か月後に電子書籍が発売になるので、わたしが3巻を読むのは4月かなあ……続きが気になる!!
※まだ書影がないみたいっすな。