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 FPS、と聞いてすぐ意味が分かる日本人はどのぐらいいるだろう? 恐らく分からない人の方が多いのではなかろうか、と、いつもながら根拠なくそう思う。いわゆる、First Person Shooter、「一人称視点」のシューティングゲームのことなのだが、要するにプレイしている自分の視線でゲームを進めるもので、結果として自分の顔は見えない。もちろん背後から迫ってくる敵も、振り向かなければ見えない。そんな、ある種の臨場感あふれる映像なわけだが、先日わたしは、とある映画のことを知って、大変驚いた。なんと、ほぼ全編を「GO Pro」で撮影した、主人公の視点のみで展開するFPS映画なのである。ええと、Go Proって分かりますよね? 世界でおそらくは最大のシェアを誇る「ウェアラブル・カメラ」で、いわゆるアクション・カムと呼ばれる小型ビデオカメラだ。わたしもPanasonic製の4Kアクションカムを持っていて、 登山時などに頭にセットして、「わたしの見ている視線での映像」を撮影しているけれど、まあ、とにかく小型カメラのくせに異様にきれいな映像が撮影可能で、帰って来てから再生してみると気持ち悪いぐらいの面白映像が撮れているのである。
 そんな、完全一人称視点の映画が、『HARDCORE HENRY』という作品だ。なんでもロシアのロックバンドのBITING ELBOWSというグループのIlya Naishullerという男がGo Proで撮影した動画がYou Tube にアップされて話題となり、クラウドファンディングで資金を集め、ついでにその動画を観たTimur Bekmambetov監督が気に入ってプロデュースしたんだそうだ。
 まあ、上記でわたしが何を言っているかわからない人は、この予告を観れば、ははあ、そういうことか、と分かると思うので、さっそく見てみてください。

 どうですか、ご覧になりましたか? なかなかそそるでしょ。アイディア的に。
 わたしは、実はこの予告を観て、真っ先に、な、なんだってーーー!? と反応したのは、冒頭に出てくる美女についてだ。彼女は、現在わたしがイチオシのハリウッド女優、Haley Bennettちゃん30歳である。わたしは彼女の何ともいえないエロ可愛さにこのところぞっこんであり、Haleyちゃんがタイトミニ&白衣&ポニーテール、という最強三段活用で登場する映画なら、その時点で観ることは確実なのである。この予告だけでもHaleyちゃんのエロ可愛さは確認できるので、わたしの言いたいことは伝わると信じたい。
 というわけで、今日は4/1、ファーストデーで1100円でみられるし、わたしはすぐさま上映館を調べ観に行くことにした……のだが、これがまた、上映館が少ない! わたしは年間40本以上の映画を映画館で観ているが、その約90%ほどをTOHOシネマズで観ている。なのでわたしは真っ先にTOHOシネマズのWebサイトで調べたのだが、一切上映館がない。おおう、マジかよ……と思い、次に仕方がないので本作の公式Webサイトで上映館を調べてみたところ、こういう「変な映画」ばっかり上映することでお馴染みの、ヒューマントラスト渋谷や、エレベータが激込みになるので大嫌いな新宿バルト9など、都内でもそれなりに上映館があることは分かったのだが、こういう映画は妙に混んだりすることも多いし、雨だし、どっか、ガラガラで車が置ける郊外のシネコンがいいなあ……と思って、今日はうちから車で40分ほどぶっ飛ばしたところにある、Movix三郷へ行ってみることにした。朝の9時半からの上映を狙えば、より一層ガラガラであろう、との目論見から、一路、愛車をぶっ飛ばしてきた次第である。
 結論から言うと、Movix三郷はガラガラだったので文句はないのだが。映画については……まあ、一発ネタですな。つまらん、とは言わないけれど、こりゃあ超最高だぜ、とも思わない。とにかく血なまぐさすぎてもう完全に漫画、というかゲームそのものだ。FPSを実写でやるとこうなる、というのはよく分かった。たぶんこの映画は、CALL OF DUTYとかBattle Fieldとか、そういったFPSが大好きな人が観たら、超大喜びで大興奮するのだと思う。その映像はホントに物凄くて衝撃的とさえ言っていいだろう。しかしやっぱり、バタバタと人が血まみれで死んでいく様を観て、面白いと思う感覚はわたしには備わっていないようだ。まあ、安心したわ。自分に。
 物語としては、冒頭、予告でも描かれているように主人公「ヘンリー」が目覚めるところから始まるが、このあたりはまさしく『ROBOCOP』そのもので、加えてHaleyちゃんのエロさが随所に漂っており、極めて上物である。Haleryちゃんと言えば、去年の11月に観た『The Girl on the Train』や、今年の2月に観た『THE MAGNIFICENT SEVEN』でのやたらとフェロモンをまき散らしたお姿が記憶に新しいが、今回もかなり良かった。ちなみに、主人公は当然のことながら一切顔が分からない。誰が演じたのかも、一切わからない。エンドクレジットにも載っていない。(※忘れてたので追記:実は顔が映らないのに加えて、一切しゃべらない。それは、サイボーグ化されたヘンリーが目覚め、まずは音声発話の設定をしようとしたところで敵が攻めてきて、しゃべることができないのであります。この設定は非常にうまいと思う。しゃべってしまったら、一人称視点の設定が結構台無しになった可能性が高いと思うな)そんな、視線だけの主人公ヘンリーを、次々とサポートしてくれるジミーという謎の男がいて、あれっ? さっき盛大に死んだよな!? と思っても、なぜか次々現れる謎ジミーの指示に従って主人公は行動する物語になっていて(ちなみに後半でジミーはクローン技術を確立させていて、何人もいることが判明する)、そんな点もまさにゲームそのものだ。ここへ行ってアレを奪うんだ、みたいなミッションクリア型のゲームのようにストーリーは展開する。で、追い詰める悪役は、謎の念動力的な能力を持っていて、主人公を邪魔しまくり、最終決戦で見事ブッ殺されて終わり、である。そしてHaleyちゃん演じる美女も実は……というエンディングであった。そんな物語が、面白かったかと聞かれると、答えに困るな……。上にも書いた通り、血まみれすぎてわたしにはちょっと……厳しいっす。
 で、役者的には、Haleyちゃん以外に2人ほど有名役者が出ている。一人は、主人公を助ける謎の男ジミーを演じたSharlto Copley氏で、前述のようにとにかく何人も出てくるが、もちろん一人……何役だろう、6~7役かな、何人もの役を演じている。彼はアカデミー作品賞にもノミネートされたSF映画の傑作『DISTRICT 9』でもお馴染みですな。南アフリカ人ですね。そしてもう一人、主人公の父として、回想としてちらっと現れるのが、大ベテランのTim Ross氏。なんでこの映画に出演しようと思ったのか知らないが、ほんのチョイ役でも出てきてわたしはびっくりした。あと、監督は、冒頭にも記した通りロシア人のIlya Naishuller氏。有名なのかもしれないけどわたしは全然知らないす。ロックンローラーだそうで、確かに本作も、全編ノリのいい音楽が流れていて、ビートがはじける映画でありました。

 というわけで、短いけどさっさと結論。
 ふと観た予告で気になったので、わざわざ車を40分ほどぶっ飛ばして観てきた映画『HARDCORE HENRY』という作品だが、確かに映像は物凄い。しかし、この映像をたった数万円の超小型カメラで撮影できる時代なんだなというのが、わたしとしては驚きというか……いや、驚きじゃあないな、こういうことができることは知ってたし。でも、それで本当に96分もの映画を撮ってしまおう、というその発想が驚きであろう。それもまさかロシア人がやるってんだから、世界も変わったものですよ。こういうぶっ飛んだ発想は、日本人にはないでしょうなあ。まあ、物語としてはゲームそのもので、ハマれるかどうかは好み次第ですな。ま、当たり前か。わたしはちょっと胸焼けしそうです。ひどく血まみれ映画なので。そして最後にわたしが言いたいこと、それは、Haley Bennettちゃんは超エロ可愛くて最高です。白衣姿が超良かった。あとは眼鏡をかけていたらもう完璧だったんだけどなあ。その点だけ残念す。以上。

↓ 41,569円だって。わたしがアクションカムを買ったのはもう4年前だけど、そのころは「GOPro3」だったかな……GOProにするか悩んで、結局Panasonic製にしちゃいました。



 

 わたしは映画オタとして当然、黒澤明監督作品が大好きで、去年、「午前十時の映画祭」で4Kデジタル修復された超クリアな画像の『七人の侍』を観て大興奮したわけだが、かの作品の影響力は世界中に広まっていて、その代表格たる作品と言えば、やはりハリウッド作品の『荒野の七人』だろうと思う。さっき初めて知ったけれど、『七人の侍』が1954年公開、そしてハリウッドの『荒野の七人』は1960年公開と、意外とすぐだったんすね。へえ~。
 まあ、わたしもおっさんとはいえ、さすがに『荒野の七人』は生まれる前の作品なので、少年時代にTV放送されたものしか観ていないが、あの映画は結構オリジナルの『七人の侍』に忠実というか、『七人の侍』の「スピリッツ」に忠実、だったような覚えがある。ま、もう30年以上前にTVで何度か観ただけなので、全然記憶は怪しいけれど。
 というわけで、この度、再び『荒野の七人』が『THE MAGNIFICENT SEVEN』としてリメイクされた。主演は、オスカー俳優Denzel Washington氏。そして監督は、Denzel氏にオスカーをもたらした『Training Day』を撮ったAnton Fuqua氏ということで、いわゆる黄金コンピと言ってもいいだろう。わたしとしても、Denzel氏主演だし、アクションと映像のキレに定評のあるFuqua監督なら外れなしであろう、という予感を感じて、やっと今日の午前中に観てきたわけである。だが、結論から言うと、だいぶ黒澤明監督の『七人の侍』からは離れてしまったかな、という印象が強く、どうも心に突き刺さるようなところはなかったな、と思った。ちょっと、なんというか……軽いっすね、味わいとしては。ただし、各キャラクターは大変カッコよく、映像としても非常に上質であったのは間違いなく、十分面白かったとは思う。というわけで、以下いつも通りネタバレ全開ですので、読む場合は自己責任でお願いします。

 上記予告の冒頭に、『七人の侍』『荒野の七人』――その魂を受け継ぐ……的なコピーが入るが、もう上記のように書いてしまった通り、ズバリ言うと、あまりその魂は受け継いでいないと思う。わたしがちょっと軽い、と感じるのは、雇う側の貧困具合がよく分からないのと、雇われる側の、じゃあしょうがねえ引き受けるか、という葛藤がほぼない点だ。
 そもそもの『七人の侍』の場合、雇う側(農民)は、もうこれ以上略奪されたら飢え死にしてしまうし、金もない。だから、最後の食糧(=米)しか報酬に払えないけれど、助けてくれ、という超・切羽詰まった状態にある。一方で本作では、ガンマンたちを雇う主な動機は、「復讐」である。作中で、ヒロインは正義のためにガンマンを雇う、そしてもちろん復讐のために、と復讐を肯定するのだが、その点は極めてアメリカっぽいとわたしは感じた。要するにやられたらやり返せの精神であり、銃には銃を、である。もちろん、それが悪いとは思わないし、気持ち的にはそりゃあ、悪党はぶっ殺せに賛成だ。しかし、復讐を前面に出されるのは、『七人の侍』のスピリッツからはちょっと違うような気がしてならない。『七人の侍』の農民の場合は、「生き残ること」に最大の目的があり、そのために、実は農民も侍を道具として使っただけ、というエンディングが強烈な皮肉として心に刺さるわけだが、本作は、結構ラストはめでたしめでたし的であったのが、わたしとしては若干軽いなあ、と感じざるを得ないのだ。
 そして雇われる側の事情も、本家『七人の侍』とはやや趣が違う。本作では、主人公のガンマンは、厳密な意味ではどうやら賞金稼ぎではないようで、法の執行官であるようだ。だからある意味職務として引き受けたように描かれているが、実はラスト近くで、主人公にも悪党には深い恨みがあり、かつて母と妹を殺され、あまつさえ自分もその悪党に殺されかけた過去があったことが示される。要するに彼もまた復讐であったわけだ。この点はちょっと引っかかるし、他の6人の男たちの事情も、やけに主人公の誘いにあっさり乗ってくるし、なにか、切羽詰まったような様子はない。しかし、元の『七人の侍』は、そうではない。わたしは、結局のところ、「侍たち」は死に場所を求めていたんだろうと思っている。侍たちは、仕える主を失い、もはやこの世に居場所を失っていたわけだし、菊千代も、侍にもなれず百姓にもなれず、世をさまよっていた男だ。そんな男たちが、信頼に足る勘兵衛という男と知り合い、この男となら死んでもいい、と思ったのだとわたしは考えているわけで、その心情がひどくグッとくるわけだ。勘兵衛は自分が持つ唯一の能力である軍略をもう一度発揮できるならば、腹いっぱいの白米が食えれば、もうそれで報酬としては十分なのだ。そりゃあ死にたくない、けど、死んでもいいと思うに十分だったのではないかと思う。このような、雇う側・雇われる側の事情が、本作ではやっぱり軽かったかな、と思うのである。
 ただ、こういった本質的な部分の軽さはあるものの、本作で集まる七人のガンマンと、雇う側のヒロインは大変魅力的であったと言えよう。まず、わたしが一番グッと来たヒロインから紹介しよう。
 ◆ミセス・エマ
 演じたのはHaley Bennett嬢。とにかくやたらとエロイ雰囲気が極めてよろしい。この人は絶対別の作品で見たことがある、けど誰だっけ……とさっきまでもはや若年性アルツハイマーなんじゃねえかと心配になるぐらい、どこで観たのか思い出せなかったのだが、調べたらすぐわかった。この人は、去年観た『The Girl on the Train』で殺される、あのエロい若妻を演じた方であった。どおりで!とわたしは膝を叩くほど腑に落ちたのだが、この人は、なんというか目の表情からしてエロイ。そしてこぼれ出そうなデカい胸もエロイ。実に素晴らしいですね。とにかくしょんぼりした表情が絶品であろうと思う。わたしとしては、ハリウッド幸薄い顔選手権のグランプリを差し上げたいと思う。とてもかわいいと存じます。ああ、そうか、もう一つ思い出した。この人、Denzel氏&Fuqua監督コンビの『The Equalizer』にも出てたね、そういえば。おっと!どうやらこのお方は、インスタグラムによると普段は冴えない眼鏡をかけてるみたいすね。その地味メガネっ子ぶりも相当イイすな!やばい。惚れたかも。

Ok. Where is the pot of gold.

Haley Bennettさん(@halolorraine)が投稿した写真 -


 ◆サム・チザム
 演じたのはDenzel Washington氏。やっぱりカッコいいですな。あのもみあげは、どうすればはやすことができるのか、日本人には無理だろうな……わたしも髭は薄い質ではないけれど、あの方向にもみあげをはやすのはちょっと無理だなあ。一度でいいから真似してみたいす。全く似合わなそうだけど。
 ◆ジョシュ・ファラデー
 演じたのはChris Pratt氏。もう説明の必要のない売れっ子すね。今年は『The Gurdians of Galaxy』の続編が公開されるので、そちらも大変楽しみですな。今回は大変カッコいいギャンブラーを熱演。わたしはまた、彼が『七人の侍』でいうところの「菊千代」的キャラなのかと思っていたけれど、全然違ってました。最初から強いし、サムから最初にスカウトされる凄腕ガンマンで、特に過去は語られず、そいう意味ではちょっとキャラとして薄い。そう、今回、菊千代的なキャラがいないのも、ちょっと残念でした。
 ◆グッドナイト・ロビンショー
 演じたのは、Denzel氏&Fuqua監督コンビの『Training Day』で、Denzel氏演じる悪徳警官に対峙する正義漢(?)をカッコよく演じたEthan Hawke氏。元南軍のエーススナイパーとして伝説となっている男を渋く演じてくれました。彼は、南北戦争の経験でPTSDを患い、人が撃てないという設定になっていたのだが、その設定は……別に要らなかったような気がする。南北戦争でサムと旧知の仲、ということは、『七人の侍』でいうところの七郎次的なキャラだったのかなあ……だいぶ違うような……むしろ凄腕ということで「久蔵」さんタイプだろうか。でも、Ethan氏は実に渋かったすね。
 ◆ビリー
 演じたのはイ・ビョンホン氏。まあ、実際、当時(冒頭の字幕によると1879年だったっけ?)のアメリカ西部には東洋人もいっぱいいたはずなので、彼が出演するのは別に全然アリ、だと思う。けれど、背景はほぼ語られずじまいで、若干、グッドナイトとBL臭がただよっていて、これは狙ってやっていたのだろうか? なんかちょっと違和感アリである。ずっとグッドナイトと行動を共にしていたわけだが、ラストもともに二人で殉職。若干無駄死にだったような……。
 ◆ジャック・ホーン
 演じたのは、名作『FULL METAL JACKET』のほほえみデブでお馴染みのVincent D'Onofrio氏。なんか最近よく見かけますね。今回は、荒野に住むマウンテンマンとしてライフル&トマホーク使いというあまり見かけないキャラを熱演。ラスト近くで敵方のインディアン男に弓で殺されてしまう。この死にざまも、弁慶的であったけれど若干盛り上がりに欠けるような気がする。せめてあのインディアンと差し違えてほしかった。
 ◆ヴァスケス&レッド
 メキシコ人ガンマン&ネイティブ・インディアンの二人。この二人は、正直目立たないし、背景もよく分からないし、仲間になる経緯もピンとこないので省略! しかし、ガンマンの中ではサムとともにこの二人だけが生き残る。あれかな、インディアンのレッドは、『七人の侍』でいう「勝四郎」的若者キャラってことかな。
 あと、最後に、音楽に触れておこう。本作は、音楽として、James Cameron監督作品など、数多くの大作で音楽を担当したことでお馴染みのJames Horner氏の名前がクレジットされている。2015年に惜しくも飛行機事故で亡くなってしまったのだが、本作が遺作なのかわからないけれど、担当されたようだ。ラストにIN Memory でちゃんと弔意がささげられていました。そして、たぶん40代以上の日本人なら、誰でも一度は聞いたことのあるあの曲、『荒野の七人』のテーマ曲もラストに流れたのは、大変分かっている配慮だとわたしはうれしく思った。あの曲は、何だったですかねえ、TVで何かの番組で使われてましたな。とても懐かしく感じました。
 しかし、こんなキャストも豪華なのに、全然売れてないみたいですな。先週末公開されて一週間しかたっていないのに、わたしが観に行ったシネコンは、もう1日1回の上映に減ってました。しかも早朝9時の回のみ。なんと言うか、そんな点も実に残念に思った次第である。

 というわけで、もう長いのでぶった切りで結論。
 最初に書いた通り、黒沢好きとしては、今回の『THE MAGNIFICENT SEVEN』 はだいぶ薄口軽めのノンアルコール飲料な印象である。まあ、比べちゃダメなんでしょうな。本編単独で評価するならば、ややキャラの背景が薄いし、動機も復讐ということで実にアメリカっぽいけれど、描かれた男たりはカッコよく、ヒロインのエロ可愛さも実に上等であった。なので、アリといえばアリ、です。十分面白かったと言えると存じます。以上。

↓  本作を観る前に、こっちもちゃんと予習しておけばよかったような気がする。こちらには、忠実なのかもしれないけど、ほぼ、憶えてません。
荒野の七人 [Blu-ray]
ユル・ブリンナー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2016-12-02

 おとといの勤労感謝の日、わたしはTOHOシネマズの1か月フリーパスで、『ファンタスティック・ビースト』を観に行く気満々であったのだが、残念ながらフリーパスは「当日の窓口」でないとチケットを発行してもらえない弱点がある。なので、わたしは朝イチの字幕の回を狙っていたのだが、既に家を出る30分前には、朝イチの回も昼の回も夕方の回もほぼ満席となっていることがWebチケット販売の画面で確認できていたので、素直に、ああ、今日はダメだこりゃ、とあきらめた。
 とはいえ、せっかくの休日&せっかくのフリーパスなので、ちょっともったいねえなあ、と思いつつ、他に何かめぼしい映画はないかしら、というわけで、おとといは全く別の作品を観ることにした。結果、わたしが選んだのは『The Girl on the Train』である。どんな映画なのは、一応予告を何度か劇場で観ているので、薄らぼんやりとは承知しているけれど、実際のところは単に主演のEmily Bruntt嬢を眺めに行くか、ぐらいの軽いノリであったのだが、これまた恐ろしく後味悪く、なかなか気分のいい映画ではなかった。ただし、脚本的にはややトリッキーで、前半からは想像していなかった意外な展開は、あ、そういうことなんだ、なるほど、と、ミステリー小説を読んでいるような気分にさせてくれる映画であった。ま、きちんと原作小説のある作品なので当たり前だけど。
 というわけで、以下、ネタバレ全開ですので、自己責任でお願いします(ただしズバリの犯人については書くつもりはありません)。

 上記予告を観たら、誰しもが、主人公が電車から失踪した女性を見かけたことで、事件に巻き込まれていく話かな、と思いますよね? 少なくともわたしはこの予告を何度か劇場で観て、そう思っていた。しかし、はっきり言うと全くそんなお話じゃあなかった。説明のために、冒頭の20分ぐらいで判明する主なキャラクター像を紹介しておこう。最初に言っておきますが、このキャラクター像は、最終的には全然間違ってます。いわゆるミスリードってやつですな。
 ◆レイチェル
 主人公。アル中。演じたのはEmily Brunt嬢33歳。つか、今回のEmily嬢はアル中でひどい顔をしているので、とても33歳には見えない。もっと老けて見える。全然Girlじゃねえじゃん!というのがわたしの真っ先に抱いた感想。マンハッタンへの通勤電車から見える、元夫とかつて自分が住んでいた家と、その隣の家を眺めて(つーか覗いて)妄想する頭のおかしいサイコ嬢。ぐでんぐでんに酔っぱらっていたため、肝心の事件当日の記憶なし。
 ◆トム
 レイチェルの元夫。演じたのはJustin Therux氏45歳。レイチェルがアル中になったのは、人工授精もうまくいかず子供ができないためだけれど、そのアル中ぶりがひどくて離婚した。ただし自分も女グセの悪いクソ野郎。眉がクドイ。つか顔全体がクドイ。
 ◆アナ
 トムの現在の妻。演じたのはRebecca Ferguson嬢33歳。へえ、この人はスウェーデン人なんですな。実はレイチェルと離婚する前から、トムはアナと不倫していて、トムに離婚しろとたきつけた張本人。さっさと子供を作って、かつてレイチェルとトムが住んでいた家に平気で暮らしている。子供はベビーシッターに任せて、自分はLOHAS生活に余念なし。なかなかの美女。
 ◆メーガン
 トム&アナの隣の家に住む若い女。演じたのはHaley Benett嬢29歳。トム&アナの子供のベビーシッターをしていたが、キャリアアップのため転職。その際、アナに、でめーの子供はテメーが面倒見ろよ、と若干けんか腰で言ってしまってやや気まずい。何やら複雑な過去がありそうな、妙にセクシーな美女。レイチェルはいつも、この女なんて幸せそうなの、イケメンの旦那もいて、いつもいちゃいちゃしていて、と毎朝メーガンのことを電車から眺めていたが、ある日、メーガンと別の男がいちゃついているところをレイチェルは目撃し、その翌日、メーガン失踪のニュースを知ることになる。
 ◆スコット
 メーガンの夫。演じたのは、『The HOBBIT』で弓の達人バルドを演じたことでおなじみのLuke Evans氏37歳。若干やくざっぽい雰囲気だが職業不詳。メーガンとの子作りに余念がなく、SEX依存症なんじゃねえかと心配になるほどヤリまくっているハッスルGUY。若干変態のイケメン野郎。
 
 とまあ、最初の段階ではこんなキャラクター像が観客に提示される。なので、あまりにレイチェルのアル中ぶりがひどくて、残念ながらわたしは全く感情移入ができない。こいつ、人をぶっ殺しておいて、酔っぱらってて憶えてないとでもいうつもりか? みたいな感じであった。実は、この状況は、かなり先までずっと続く。各女性キャラの目線に、カメラの視点は次々移っていくのだが、残念ながらどんどんと、レイチェルがイカレた女にしか思えない展開である。しかし、ラスト30分ぐらいで急に、実はそれは違っていた、というヒントが提示され、そこからはかなり急展開となり、事件はきっちり片が付くわけだが、正直わたしは、やれやれ、なーんだ、で終わってしまった。最後まで、全キャラに対して好意を抱くことができなかったわけだが、わたし的に唯一、この人は可哀想だったね、と思うのは、変態ハッスル野郎のスコットだろうか。彼は今回純粋に妻を殺された被害者であり、犯罪も何一つかかわっていない。大変かわいそうではあると思うが、いかんせん変態なので、あまり同情心は沸きません。なんでまたこの役をLuke Evans氏が引き受けたのか知らないが、うーん、もったいないキャスティングのような気がしてならない。
 キャストとしてはわたしが一番気に入ったのがメーガンを演じたHaley Benett嬢だろう。彼女は、何かフェロモンめいた妙なセクシーさがプンプン漂っているお方で、実になんというか……エロい。男としては、だがそれがいい、わけであって、おまけに恐ろしく幸薄そうな表情も極上であった。大変美しい方だと思います。
 ところで、わたしはクソ映画オタク野郎なので、レイチェルが通勤の時に降りる駅が、明らかにマンハッタンのGrand Central Stationであり、去年見た光景そのままだったので、おお、じゃあ、レイチェルが通勤電車から毎日眺める景色はGoogleMapで探せるのかな? と、さっきいろいろ調べてみた。
 確か、作中でレイチェルが毎日眺めるかつての家は、Ardsley-on-Hudson駅が最寄駅だと言ってたような気がしたので、帰ってから調べてみたところ、確かにその駅はすぐ見つかった。なるほど、やっぱりレイチェルが乗っていた電車は、Grand Centralを起点にしたMetro-North鉄道のHudson線で間違いないようだ。ちなみにディーゼル車なのかな、と思ったけど、だいぶ北の方以外は電化されてるみたいなので、一応「電車」すね。そしてArdsley-on-Hudson駅は、Grand Central Stationから21.7マイル(=34.72Km)ほどらしい。つまり……ええと、東京駅から中央線快速で国立駅までぐらいか。つーと、大体50分ぐらいってことかな。総武線快速だと東京駅から稲毛駅ぐらいか。まあ全然近くはないけど超・遠いってほどじゃない距離感なんだな。
 しかし、MAPで見てみると、どうやらこの路線は、その名の通りハドソン川左岸(※北を上とする普通の地図で言うと右側)をずっと北上する路線なので分かりやすいんだけど、川沿いだから、線路のわきは基本的に防風林のようになっていて、電車から家が見えるポイントがあまりないんだよな……ダメだ、作中に出てくる景色が全然見つからない……分からねえ。もっと北の方なのかな……。それともロケ地は全然別なとこなのかな。ラスト、とある場所からレイチェルがマンハッタンを遠望するショットがあるのだが、あれは明らかに、BROOKLYN方面から見たマンハッタンだったと思う。川(角度的にイーストリバーしかありえない)の向こうにマンハッタンのONE-WORLD Trade Centerが見えたので、たぶん間違いないと思う。
 ところで、なんでこんなことを調べてみようかと思ったかというと、通勤の距離感を知りたかったのが一つ、そしてもう一つは、ズバリ、他に何も書くことがなかったからである。
 たぶん、この作品は、小説で読んだ方が面白いのではないかと、特に根拠はないがそう思う。おそらくは、この小説はそれぞれの女性キャラクターの視点から語られる1人称小説なんじゃないかな。えーと、分かりやすく言うと、湊かなえ先生の『告白』的な作品なのではないかと予想する。つまりキャラクタはーは、自分の行動しか知らないわけで、出来事の真の状況を理解しておらず、自分の目を通しての出来事を語る形で、最後はそれが集約されて全貌が明らかになる、みたいな、そんなお話なんだと思う。なので、それを普通の映画にしてしまった本作は、しつこいけれど、全く根拠はないのだが、おそらくはその本来の味が薄まっちゃってるのではなかろうか。ま、そんなわたしの推論が正しいかどうかは、原作小説を読めば一発で判明することだけど、サーセン。あんまり読みたいとは現状思ってません。なので、もし原作を読んだ方が偶然このBlogを目に留めることがあれば、正解かどうか教えてください。間違ってたら相当恥ずかしいな……ま、いいや。

 というわけで、結論。
 なんとなく時間があったから観た、という全然消極的な動機で観てみた映画『The Girl on the Train』は、いわゆるベストセラーミステリー小説を映画化した作品であり、たぶん、原作小説の方が面白いんじゃないかと勝手に推測する。映画はですね……うーん……正直イマイチっす。なんかキャラクターに共感が持てなくて……わたしの好みには合いませんでした。申し訳ありませんが……。以上。

↓ これが原作っすね。おっと!? あ、そうなんだ、原作はロンドンが舞台なんだ。なるほど。へえ~。


 

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