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 というわけで、NY滞在のDAY-01に、TIMES SQUARE周辺をうろついていて、うおお!? マジか!! と一番驚いた出来事は、2日前に書いた通り、実はこれを見かけたときである。
 ↓これね。
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 わたしの大好きなStephen Kingの『MISERY』が、なんとあのBruce Willis主演で舞台化されていたのである。いや、実際のところ、そういう情報は得ていたのだけれど、まさかホテルから歩いて3分のところにある劇場でやっているとは思わなかった。なので、どうしよう、これは観るべきですよね? と一晩悩んで、DAY-02 に劇場に行き、チケットは買えるのかを聞いてみたところ、DAY-03の昼の回を希望してみたら、「HAHAHA!! 水曜日の昼の回、一人かい? OK、調べてみるよ……おっと、1枚でいいならVery Good Seatがあるよ!! ラッキーだね、Sir !!」なんてことをまくしたてられ、よっしゃ、じゃそいつをもらおうか!! と思わず日本語で言ってしまってから、英語で言い直して買ってみた。
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 席は、E列というから、5列目かなと思っていたけど、実際は、最前列と2列目がAA、BBという列があって、7列目であった。そしてど真ん中の位置である。これは確かにいい席だ、素晴らしい。と劇場に入って初めて分かった。なお、このBROADHURST THEATREは、キャパシティ的にはたぶん1000人は入らないぐらいの中小規模劇場で、2階席は解放していなかったようだ。ま、日本の感覚だと十分にデカいけれど、横に広くて、列数は少ない印象で、非常に芝居向きの劇場だと思う。外観は↓こんな感じ。
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 ちなみに、この劇場の向かい側、すなわちこの写真を撮っているわたしがいる側を30mほど西へ進むと、今年のアカデミー作品賞受賞作でおなじみの『Birdman』で出てくるSt.JAMES Theatreがある。つまり、Michael Keatonがパンイチで歩くあのシーンは、まさに今わたしが立っているあたりだ。で、開場の15分前ぐらいに劇場前に行ったら、意外と行列ができていて驚いた。が、もちろん全席指定なので慌てる必要はなし。ぼんやり撮影などしていたらすぐに開場になって、入場できた。セットは非常にコンパクト。劇場が横に広いとさっき書いたけれど、ステージ自体はそれほど大きくなくて、極端に言うと半円形のような感じになっているわけです。
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 芝居が始まるまで、↑この、アニー・ウィルクスの家の外観がステージにはセットされている。で、場面ごとに、ぐるーっと舞台が回転して、寝室になったり玄関先になったり、キッチンになったりするわけです。簡素な割にはすごくよく考えて作られていました。Kingの『MISERY』を読んだ、映画を観た、という人なら、↓この写真で結構ピンとくるのでは? ポール監禁部屋ですな。これは終演後、みんな撮影してたのでわたしも撮ってみた。
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 ところで、『MISERY』について、一応、ごく簡単にどんなお話か説明しておくと、主人公ポール・シェルダンは人気作家である。人気シリーズ「ミザリー」の完結編が発売になる間近の彼は、すでに新しい別の作品を書き終わり、その原稿を持って、雪の降りしきる中、山道を車でかっ飛ばしていた。が、途中で案の定大事故を起こし、崖下に転落、雪の中に消えてしまう……そして、そんな彼を救ったのが、ポール・シェルダンの世界一の大ファンを名乗る元看護婦の中年女性だった。名をアニー・ウィルクスという彼女は、自宅でポールを介護するのだが、ポールとしてはさっさと病院なりエージェントに連絡してほしいのに、「いやー雪で電話線が切れてるのよねー」みたいなことしか言わない。なんなんだこの女? と思いながらも、そこらじゅうが骨折しているポールは身動きが取れない。そしてその後、「ミザリー」シリーズ完結編が発売になり、発売日に買いに行ったアニーは、さっそく読んで、完結編では主人公ミザリーが死ぬことを知ると、態度が激変する。「よくもわたしのミザリーを殺したわね!! あたしのために、「ミザリー復活」の新作を書きなさい!!!」とイカレた要求をしだすのであった……という、ひじょーーにおっかないお話です。
 基本的に、登場人物は、ポールと、アニーと、保安官ぐらいしか出てこない。そして密室が舞台となるわけで、良く考えたらこれほど演劇に適した小説はないんじゃね? と思うほど、舞台演劇にとって都合のよい物語で、実際、非常に舞台は楽しめました。
 で、わたしがこの芝居で、ちょっと驚いた点や、なるほど、と思ったことがいくつかあったので、以下まとめておこう。正直、非常によく考えられて作られた芝居だったと思うな。
 1)物語の始まり
 ファーストシーンは、うす暗闇の中で、ベッドに横たわる男と、それをかいがいしくいたわる女性である。つまり、もう事故後のアニーの家で、ポールが意識を取り戻すところから芝居は始まる。これはナイスアイディアですね。本当は、ポールが新作を書き終わるところから始まるんだけど、その辺は一切カット。これはアリですな。なお、上演時間は1時間45分の休憩なし。非常に集中した緊張感あふれる芝居でした。
 2)小道具類
 舞台上で火は使うし、ワインは飲むし、火薬も使うしでちょっと驚いた。少なくともわたしは、演劇の舞台上で火を使うのは初めて観たような気がする。『MISERY』を知ってる人なら、火を使うシーンと言ったらピンとくるのでは? ヒントは「原稿」。そう、あのシーンはホントに燃やしちゃって、Bruce Willisが、アチチッ! という顔でちょっと笑っちゃった。火薬は、銃です。銃を使うシーンは……ヒントは「保安官、うしろうしろー」ですな。あのシーンも、いきなりズドンと来て、メリケン客たちは一斉にびくっとしてました。わたしの隣に座ってたおばちゃんはギャッ!! と悲鳴上げました。
 3)マイクはナシ。生声での芝居
 明らかに、マイクはナシだった、と思う。明確に役者の方向から声は聞こえたし、マイクらしきものも見当たらず。全部で20列だったので、マジで生声だったと思うな。
 4)生Bruce Willis
 やっぱカッコイイね、このハゲオヤジ。わたしにとっては永遠のマクレーン刑事なわけだけど、このハゲは声がいい。渋い、いい声だと思う。で、やっぱり顔の表情がすごい豊かな役者だね。今回の芝居では、基本的に寝てるか車いすなんだけど、非常に素晴らしい演技だったと思う。が、それはやっぱり声と顔の表情からくるもんなんじゃなかろうか。
 5)映画版『MISERY』でおなじみの、誰もが「やめてーー!」と思うあのシーン。
 と言えば、わたしがどのシーンのことを言ってるかわかりますよね? ヒントは「ハンマーを振りかぶって…オラァッ!!」。わかりますよね、あの痛そうなシーンです。あれも、今回の舞台では登場する。いきなり、ボキーンとやったので、思わずわたしも、うわっ!? やった、やりおった!! と声を上げてしまった。もちろん、観客騒然。OH!! だの、MY GOD!! だの大変な騒ぎでした。いつの間にか、本人の生足だと思ってたのが、作り物に変わってたわけで、全然気が付かなかった。さすがハリウッドの国ですな。すごいびっくりしたわ。
 とまあこんな感じかな。
 あと、昨日も書きましたが、とにかくメリケン観客はリアクションが騒がしい。とにかくよく笑う。そこ笑うとこじゃねえべ? というようなところでも笑う。なんなんだもう、変な人たち!! 

 というわけで、結論。
 ブロードウェー舞台版『MISERY』は1時間45分と短い芝居でしたが、わたしは非常に楽しめた。これは観に行って良かったと思う。アニーを演じた女優は、わたしは知らない人だったけど、なかなかいい感じに狂っていて良かったと思います。しかし、ほんとおっかねえ話ですな。もう一度、小説を読みたくなりました。

 ↓ KINGの密室もの(?)でわたし的に『MISERY』並みにやばいと思うのはこちら。SMプレイ中の、手錠で両手をガッチリとベッドにつながれている女子が主人公。パートナーに、ついイラッとして、このボケが死ね! と蹴っ飛ばしたらホントに死んでしまい、ふーせいせいしたわこのクソが!! と一息ついてふと思う。どうやって帰ればいいのわたし……? その状況から、主人公たった一人の悪夢のような脱出作戦が始まる……という恐ろしいお話です。そんな話、良く思いつくよな……マジ天才ですわ。
ジェラルドのゲーム (文春文庫)
スティーヴン キング
文藝春秋
2002-09

 というわけで、NY_DAY-02の行動を書く前に、今のわたしの感動というかハイテンションを逃さないために、先に、DAY-02 に観たミュージカルを書いてしまおう。今回の旅において、わたしの本場NY Broad Wayでの初観劇となったのは、『WICKED』である。
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 チケットは、日本のHISのWebサイトで予約して、プリントアウトした紙を当日劇場に持って行って、チケットを発券してもらう、という仕組みを利用した。結果、F列という事でかなり舞台に近くて良かったのだが、ちょっと左の端っこの方だったので、舞台の奥は装置が邪魔で見えないというかなり微妙なところだった。それより非常に腹立たしいのは、どうもBroad Wayのチケットは席によって値段がかなりばらつきがあるようで、わたしのあてがわれた席は端っこという事で97ドルの席だったようだ。確か、HISのサイトで108ドル取られたのに。なんだよガッデム。まあ、いいけどさ……。ちなみに、TIMES SQUAREの有名なチケット屋tktsはすげえ行列でした。何を求めて並んでるか知らないけど。ま、安心料として10ドルは許してやってもいいか……。
 そして劇場はTHE GERSHWIN THEATREというところで、ホテルから歩いて10分弱かな、やけにそこらじゅうが工事中で、つかつか歩けない状況なのだが、まあそれでも10分ほどなので余裕であった。ちなみに、最初に書いてしまうけど、帰りは22時近くであったが、TIMES SQUAREはまあ人出が多く、まったくもって怖いところではなかった。まあ、警官だらけだし軍人もいるし、そういう意味ではとりあえず大丈夫な街であろう。
 で。『WICKED』である。
 
 上記の動画は、劇団四季Verの公式予告だが、実はわたしは、観たい観たい観たい! とずっと思っていたのに機会をとらえられず、劇団四季Verの『WICKED』を見逃してしまった愚か者だ。さんざん、A嬢には絶対観ろと言われていたのに、だいぶ前に東京公演は終わってしまって大変残念に思っていた。そのリベンジを本場Broad Wayで果たそうというわけである。
 まあ、もう完全にスーパーメジャータイトルなので、もはや説明はいらないだろう。この作品は、2003年初演でもう10年以上ロングランを続けている人気タイトルで、初演時のオリジナルキャストは、主人公のELPHABAを、氷の女王エルサですっかりおなじみとなったIdina Menzel嬢が演じていたことでも有名であろう。今回わたしが観たキャストは、こちらの通りのようだが、やっぱりものすごく上手でぐいぐい作品に引き込まれてしまった。これはやっぱりすごい。今回のELPHABAを演じたRachel Tuckerさんは非常に良かったです。どうやらLONDON公演で最も長くELPHABAを演じた方らしく、まさに今年の9月だか10月からBroad Wayにやってきた歌姫様らしい。圧倒的に素晴らしかった。ちなみに、ちょっと検索してみたところ、どうやらこのRachel Tuckerさんは来年1月に「ニューイヤー・ミュージカル・コンサート2016」というもののメンバーとして来日するみたいですな。既にもう、ミュージカルファンはチェック済みかもしれないね。
 ところで、わたしの英語力でストーリーを理解できたかというと、まあ、だいたい、というぐらいであった。ちゃんとストーリーを予習していったので、特に困ることはなかったつもりなのだが……しかし、やっぱりどうしてもわからんのは、なんでGLINDAとELPHABAは仲良くなれたのか、実際理解に苦しむ。いやだって、GLINDAがすさまじく嫌な女子なんですけど……。とてもじゃないけど、仲良くなる理由が分からん。散々いじめておいて、ちょっとやりすぎたかしら、じゃ、あたしも一緒に踊るわ、のあそこから仲良くなっていくわけだよね? うーん……くそう、やっぱり私の英語力ではダメだったと結論付けるべきか。くそう。
 とにかく、アメリケン人観客どもはホントにリアクションが騒々しくて、しかも、わたしが想像していたよりもGLINDAはコミカルに演じていて、メリケン客はもうゲラゲラ大爆笑。しかも、明るいジョークじゃなくて、ほとんど全部、毒のあるブラックジョークなんだよな。それでドッカンドッカン笑いを取ってて、えーっと、ここ笑うとこ? と、やや唖然とした部分もあった。
 なお、明日書くつもりのDAY-03 に観た(まさに今観て帰ってきたばかりのところなんですけどね)、『Aladdin』もすごかったよ。わたしは劇団四季Verの『アラジン』は既に観ているけれど、とにかくジーニーがすごい。わたしが観たキャストは、去年のTONY賞ウィナーのあの太っちょのおっさんだったので本当に最高でした。もちろん、我々日本人は劇団四季Verのジーニーの方が、言葉が分かる分楽しめるかも。劇団四季の『Aladdin』も本当に素晴らしく、観ていない人は今すぐ予約した方がいいと思う。あと、Bruce Willis主演の『MISERY』も、ものすごかった。こちらも、今の絶対笑うとこじゃないだろ!! というところで観客大爆笑で、こっちはシリアス・サスペンスなので、笑いが起きるのがちょっと変な感じはしたかな。だって、Bruce Willisが、「FUCK'N BITCH!!! DAMM YOU!!」って怒ってるのに、もうみんな大爆笑なんだもの。みんな、Dirty Wordがお好きなのねw  『Aladdin』と『MISERY』について詳しくは明日以降書きます。
 で、話を『WICKED』に戻すと、歌の方も、有名な歌はだいたい予習しておいたので、比較的大丈夫だったが、やっぱり1幕ラストのDefying Gravityは圧巻で、鳥肌ものであった。すごい。これはすごい、と観ながらずーと思ってました。A嬢もこの1幕ラストで大いに感動したとのことであるが、まったくもって同意したい。いやー本当に素晴らしかった。もう、本当に、すごい、素晴らしかった、としか書けないので、以下、写真を並べてお茶を濁して終了します。
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 ↑劇場前。客層は比較的高め。基本的に観光客なんでしょうな。
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 ↑開演前の舞台の緞帳(?)。席を案内してくれたおばちゃんに、写真撮っていい? って聞いたら。NO,But, YES(ニッコリ)だってさ。
 ↓劇場のトイレの洗面台はdyson製だった。珍しいので撮ってみただけ。
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 というわけで、結論。
 『WICKED』は、やはり素晴らしかった。我々日本人は、劇団四季が再演してくれる日を待つしかあるまいが、再演の暁には、今度こそ必ず観に行くことを自分に誓おう。絶対だ!!
 あ、そうだ。自分用備忘録:劇場パンフ25$だった。プチ高いのう。
 ※12/09追記:劇団四季の『Wicked』は、2016年5月から札幌公演が決定しています。ので、来年は北海道旅行確定ですな。楽しみです!!

↓ もはや両方買うしかねえかな……
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