というわけで、前回からの続きです。
 ホテルに荷物を預け、身軽になったところでTIMES SQUAREをぶらつき、そのままちょっと南下してPenn Stationまで来たところで、地下鉄に乗った。向かうは、マンハッタンの一番南端のSouth Ferry駅。名前の通り南のフェリー乗り場、という事で、まずアメリカに来たら自由の女神に挨拶しとくか、と、特に意味なく思ったからである。まずはMertoCardを自販機で買って、20ドルチャージして、いざ出発である。
 初めてのNYの地下鉄は、いったいどんなもんじゃろう、と思っていたが、まったくもって普通で、単に汚くてぼろいたけのものだった。治安的に、ヤバそうな奴らは全然見かけないので、その点でも全くもって普通なのは大変安心した。が……なんというか、NYはとにかく汚い。うまく言えないんだけど、何事も大切に扱っていないという感じかな? 映画なんかだと、ボロボロの車にみんな乗ってるじゃないですか。傷だらけ、汚れ放題、みたいな。これは全く現実もそうで、タクシーも薄汚いし、また派手にぶつけたなーという状態の車を若い女の子が運転してたりするのを実際に見かける。あれって、つまりモノに愛着を持たないというか、大切に扱わないことの表れではないかと思うのだが、このNYの人間というのは、この街すらも大切に扱う気がないんじゃなかろうかとさえ思う。道の舗装なんかはボコボコだし、そこらじゅう掘り返して工事してるし、とにかくきちっとしてないというべきかな、不均一というか、とにかくテキトーというか、この街はまったくもって好きになれそうもない。という印象がどんどん深まって来ている。まだ、NY着2時間ぐらいなのに。なんつーか、雑なんだよね。いろいろと。
 あと、非常に驚いたのだが、みんなまったく信号を無視している点は異常だと思った。一方通行が多いから、片側だけ気にしてれば大丈夫、という事情も影響していると思うな。まったく信号は見てないね。そもそも、歩行者用の信号も、「手」と「歩行者」の「絵」で、昔映画で見たような「DON'T WALK」なんて表示は一切ない。色も手がオレンジ、歩行者が白、で、赤ではまったくない。これはひょっとすると、歩行者は気を付ければいつでもわたっていいぞ的な信号なのかもな。でも、どうなんだそれって。
 あともうひとつ、アメリカではタバコ吸えない? そんな心配を抱いている人にお知らせです。大丈夫。みんな歩きタバコで吸ってます。ただ、やっぱり数は減っているんだと思う。そんなにそこらじゅうではないにせよ、道端で余裕で吸えます。で、これもわたし的にはいい加減にしてほしいんだけど、余裕でポイ捨てですな。灰皿はなかなかめったに出会わない。なので、みんなポイ捨ての街ですここは。灰皿ぐらい置けばいいものを……それのメンテが面倒なんだろうな。灰皿はホントに汚れるし、ゴミみたいな奴がきちんと消さないで捨てれば燃え出すしね。わたしが観かけたNY街頭の灰皿は、すげえ実用に向かない棒状のシャレオツなのを、何か所かオフィスビル前で見かけただけかな。
 
 さて。地下鉄で15分ぐらいかな、マンハッタンの一番南端に到着した。まずは、自由の女神を拝みに行こうじゃないの。そんなつもりで歩いていると、若干お台場めいた、波止場風の公園が見つかる。これがBattery Parkってやつですな。ホントに地下鉄の出口を出てすぐなので迷いようはない。で、地下鉄の出口付近は客引きの兄ちゃんたちがたむろしてるので、軽く無視して公園へ行くと、そこはもう海でした。でも、非常に謎なのだが、全く磯の香りがしない。ここは正確に言うとハドソンリバーの河口なのかな? いやいや、海だよな間違いなく。なんで磯の香りが全然しないのか、わたしの鼻が詰まってたんじゃねえか疑惑はあるけれど、良くわからんです。で、キョロキョロと周りを見渡してみると、おお、あれがフェリーか、いっちょ乗ってみますか。と近づいてみると、これがまた団体さんやら何やらでかなり列が長い。ので、一瞬でま、いいや別にと乗らないことにした。で、肝心の自由の女神は……と海を見渡すと、なんだ、真正面にいたわ。と、何というか特に感動はナシ。ただ、やっぱりBatteryParkからは遠いね、小さくしか見えない。なので、やはり自由の女神を堪能したい方はフェリーに乗るしかなさそうだ。まあ、わたしは別にどうでもいいやという気になったので、しばらくぼんやりして、移動することにした。
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 自由の女神。陸からだとこんな感じに見えた。下はフェリー。超行列。
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 次に行ってみようと思ったのは、Battery Parkから歩いて10分ぐらい? にある、911の地である。現在かなり再開発されているみたいで、すでに「One World Trade Center」として全米No.1 の高さを誇るビルが建っているが、まあそんなものは別にどうでもよく、わたしが行ってみたいと思ったのは、911Memorial Museumである。
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↑これがOne World Trade Center。立派ですなあ。
↓911跡地。やっぱり、静謐なオーラがある。
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 ↓これ、何かわかる? WTCタワーのてっぺんに立ってた、アンテナの残骸だって。
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 911メモリアルは、それほど並ばずぐ入れたが、中はそれなりに人が多かった。純粋アメリカ人も、外国人観光客もそれぞれ多かったような気がする。Ground ZEROと呼ばれるここ911メモリアルは、人類の憎しみの連鎖の象徴のようなところだとわたしは思っているので、一度訪れてみたいと思っていた。比較することは許されないかもしれないが、わたしにとっては広島の平和祈念資料館の方が強烈だと思うけれど、ここも非常に重い空気が支配しており、やはり展示物が伝える衝撃は並大抵ではない。
 戦争は、国家の意志である。けれど、テロは極言すれば一個人の狂気によるものだ。ちょうどわたしが行ったときは、パリの無差別テロへの追悼集会が夕方からあるらしく、かなり多くの人々が集っていた。また、あとで気が付いたけれど、マンハッタンで掲げられているアメリカ国旗はほぼすべて半旗だった。本当に私にはわからない。どうしてそんなひどいことをしようと思う奴らがいるんだろうか。もちろん、テロリストにはテロリストの主張する正義があるのだろうけど、100%それは否定されるべきものだろう。宗教に結び付けようとする性根も気に食わないね。あーあ……アイアンマンスーツでも開発して、世界平和に貢献したいのう……。

 というわけで、かなり深刻な空気の中、次なる目的地へと向かう事にした。
 次は、まったくお気楽な目的であるお土産物の確保だ。かの有名な「Magnolia Bakery」に行ってみようと一番大きくて(?)、雰囲気の良さそうなところとして、Brecker Street店に行ってみることにした。地下鉄で4駅ぐらいかな、再び北に戻る形になる。地下鉄はあっさり駅について、地上に出てみると、もうさっぱりここがどこだかわからない。キョロキョロしてみると、One World Trade Centerが見えたので、ははあ、あっちが南ね、てことは……と3分ぐらいうろついて、Brecker Streetを発見。じゃあこっちかな、と歩いてみたら、これまたあっさり見つかった。このBrecker Street界隈は、「ビレッジ」と呼ばれる地区のはじっこあたりで、たしかにシャレオツなイキフンである。そうだなあ、80年代終わりごろの、まだ同潤会アパートがあった当時の代官山って感じだろうか。
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 さっそく入店し聞いてみると、わたしの欲しかったものはないという。いや、有名なカップケーキはクッソ甘いらしいからいらないんです。日本に持って帰れないし。それじゃなくて、Tシャツとエプロンが欲しいんだけど、と聞いてみたら、残念ながらサイズがUSサイズのM,L,XLしかなく、わたしとしては女子に可愛く着てもらいたいので、チッと心の中で舌打ちを打ちながら、にこやかにOh, Sorry……とさっさと退却した。うーん、なんだよ、くそう。じゃ、別の店に行ってみるかと再び地下鉄で北上し、42~51St.あたりを散々うろついてみることにした。そうだ、Grand Central Stationに行ってみるかと思い、42St.からてくてく歩く。と、これだ、ここですよ、とGrand Centralを発見。中は、先日の映画で見たとおりのすごい天井で、ちょっとだけテンション上昇。でも、ここにもMagnolia Bakeryは入っているんだけど、アパレルの取り扱いナシ。がっくり。
 外に出ると、すでにもう暗くなり始めていた。そして、時差ぼけなのか、猛烈に眠くなってきた。この時、だいたい日本時間のAM3時くらいかな? そりゃ眠くもなるわな。なので、街をぶらつきつつ、何食うか、と思いながらホテル方面へ移動。途中のBryant Parkは出店がいっぱい出ていてスケートリンクなんかもオープンして人でにぎわっていたので、とりあえず出店を冷やかしつつ、見上げると空にはエンパイアステートビルの横にきれいな三日月が。
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 はあ……きれいだなあと見とれていると、何もかもどうでもよくなって、飯ももうMcDonald'sでいいやと決定。さっさと食ってホテルに戻り、シャワーを浴びて一日終了、と相成った。

 というわけで、結論。
 アレだね、超今更なんですけど……NYはぼっち野郎にはさみしすぎるわ。
 なんだか、猛烈にそう思いましたとさ。以上ですw

↓Bryant Parkは、ニューヨーク市立図書館の隣なんだけど、この図書館といえば、この映画ですよ。主人公たちが避難するあの図書館ね。
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2012-09-05