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 何度かこのBlogで書いている通り、わたしは20th Centuyr FOX(以下FOXと略)が嫌いだ。まあ、理由はいろいろあるのだが、そんなことはどうでもいいとして、わたしとしては一日も早くDISNEYに買収されてほしいと思っている。理由はただ一つ。わたしの大好きな『X-MEN』に関する映像化の権利がDISNEYへ渡ることを願うからだ。ま、ついでに言うと、『FANTASTIC 4』も一緒にDISNEYに行くことになるので、それもまた喜ばしいとわたしは思っている。
 要するに、現在FOXが権利を握っているMARVEL COMICS作品を、さっさとDISNEYへ集約していただき、真のAVENGERSを描いてほしいというのがわたしの願いなわけだが、去年の12月に、DISNEYによるFOX買収のニュースが報じられた時は、わたしとしてはもう、いいぞ! もっとやれ! と熱くなったものの、その後の進展はあまり聞こえてこず、どうも独禁法違反かも、とか、映画業界からの反対とか、いろいろな横やりが入ったり、さらには、それではウチも! とつい先日COMCASTが買収に名乗りを上げたりと、なんだかNASDAQ上場しているFOXの親会社「21st FOX」の株価が上昇するばかりで、スッキリ進んでいない状況のようだ。まあ、こういうところも、わたしがFOXを嫌う理由の一つでもある。
 さて、以上は全くどうでもいい前振りである。
 わたしは昨日の夜、そのFOX配給の『X-MEN』キャラ単独作品、『DEADPOOL2』を観てきたのだが、さすがに前作が大ヒットしただけあって、今回は何気にFOX版『X-MEN』ムービー的な香りが強めに漂う作品として仕上げられていたことに若干驚いたのである。前作は低予算でいろいろと都合がつかず、その不都合さえネタにしていたDEADPOOL氏だが、今回はもう、かなり、なんというか「公式」感があふれ、結構グレードアップしていたように感じた。そしてなによりも、DEADPOOL氏がとてもイイ奴になっていて、なんだか随分キャラ変したようにも思えたのである。だからといって、つまらなくなったかと言うと、もちろんそんなことはなく、わたしとしては大変楽しめる作品であった。わたしとしては、前作より今回の『2』の方が好きかも。とはいえ、別に感動なんかしないし、特に後に何か残るとか、そういうことはまるでナイっすけどね。超最高とも思わないし。ま、ゲラゲラ笑えるのは間違いないす。あと、本編上映前に1分ぐらいの短い注意?のようなものがついていて、そこで、DEADPOOL氏が、観たらバンバン感想をこのハッシュダグ付けてTweetしてくれ、だけどネタバレはダメだぞ! というメッセージだったのだが、サーセン、たぶん以下、ネタバレも含まれると思いますので、まだ観ていない人は今すぐ退場してください。
 どうでもいいけど、英語でネタバレって「SPOILER」っていうんすね。Spoilする奴ってことなんだなあ。知らなかったす。ネタバレはたぶんしますが、スポイルするつもりは全くないので許してDEADPOOL氏!

 というわけで、この日本語版予告の字幕のセンスなんかも、わたしがFOXを嫌う理由の一つでもあるのだが、それはさておき。今回はケーブルも登場し、相当派手なアクションとなっているのはもうこの予告通りである。そして、物語としては意外なほどまっとうで、きっちりしていて、実際とても面白かったと思う。
 簡単にまとめると、とある理由でまっとうに生きることにしたDEADPOOL氏が、これまたとある理由からとある少年を殺しに未来からやってきたケーブルと戦い、その少年を守ろうとするも、今度はケーブル側の理由を知って、殺して解決するのは良くない、とケーブルを説得し、両者の円満解決を図ろうと奮闘するお話である。
 サーセン、「とある」が多すぎてこれじゃ意味通じないか……でもまあ、ネタバレするとDEADPOOL氏が殺しに来るかもしれないのでこの辺にしておきますし、観た人ならば、これで通じるでしょう。きっと。つまりですね、ズバリ言うとまさしく『ターミネーター』なわけです。どっちかつうと『ターミネーター2』の方が近いかも。なので、DEADPOOL氏が「カイル・リース」と呼ぶギャグネタが1回だけあったような気がするけど、肝心のケーブルに対して「お前はターミネーターか!」的なシーンはなかったのが意外であった。これは……「ターミネーター」という言葉自体が商標化されているためではないかと邪推しましたが、真相は分からんです。それともFOXのドル箱であるCameron監督に対する配慮かな? いや、それはないか。
 ともあれ、今回も相当な数の映画ネタがちりばめられていて、かなり笑える作品であるのだが、意外なことに、わたしの2列前に座っていたでっかい外人客×5名の団体は全く静かに鑑賞してたのが謎である。この人たち、きっとすげえ大爆笑で楽しく鑑賞するんだろうなと思ったのに、超意外なほどおとなしく観ていたのが印象的。なお、わたし的に一番笑えたのは……なんだったかなあ……映画オタとして大抵のネタは拾えたつもりなんだけど……もはや覚えてないなあ……あ、どんな場面だったか定かではないけど、「ただの人間だから。ホークアイみたいなもんだよ。だから弱いの!」的なセリフがあって、そこは堪えられず声を出して笑ったすね。
 そしてもちろん、終了後のおまけ映像(終了直前というべきかも)で、ケーブルの持っていた時空移動装置をGETしたDEADPOOL氏が、今までの黒歴史を修正しまくるシーンも大笑いしたすね。黒歴史……それすなわち、過去の『X-Men Origins: Wolverine』で一度登場している自分を殺したり、『GREEN LANTERN』の脚本を手にして「大役来たぜ!」と喜ぶ自分を殺しに行ったり、まあ、今回のDEADPOOL氏によって歴史は書き換えられたようですなw
 あと、今回FOX版『X-MEN』ムービーの成分多めというのは、観ていただければ誰でも感じると思う。まさか「車いす」「セレブロ」まで登場させるとは! 前作大ヒットのご褒美なんすかね。そして、一瞬だけ、FOX版『X-MEN』ムービー本編のキャラが数人出てくるんだけど、わたしは油断していて、あ!? 今、ビーストとクイックシルバーいた!! けど、あと3人ぐらいいたのに誰だったか判別がつかなかった!! のがとても残念す。ウカツ!!
 というわけで、ネタバレを気にするともう何も書けないので、キャラ紹介をしてさっさとまとめに入ろうと思います。
 ◆DEADPOOL/ウェイド:今回は、まあ相当ヒドイこともするけど、その行動の動機はいたって真面目。超イイ奴、と言ってもいいと思う。まあ、そう改心?したのにはきちんと理由があるのだが、それは書かないでおきます。演じたのはもちろん前作同様Ryan Reynolds氏。この人はカナダ人であるのがポイント?ですよ! 
 ◆ヴァネッサ:ウェイドの愛する彼女。今回彼女にとんでもないことが……しかもほぼ冒頭で。演じたのは、これまた前作同様Morena Baccarinさん。大変可愛いと思います。つうかわたしが大好きだった財務部のMさんにすげえ似てる。
 ◆ヴィ―ゼル:DEADPOOLの友達の傭兵酒場経営者。コイツも基本テキトー人間。演じたのは前作同様T.J.Miller氏。つうか、この人この前逮捕されたんじゃなかったかな? なんか酔っ払って、鉄道の駅で爆弾騒ぎを起こしたとかなんとか。大丈夫なのかこの人。わたし的にこの人は、『CLOVER FIELD』でカメラを回し続け、最後はカイジューにガブリとやられるあの冴えないブサメンとしてお馴染み。いつの間にイケメン枠に入ったんだコイツ……。
 ◆COLOSSUS:前作でもお馴染み、体も硬いけど頭もカタブツな真面目X-MEN代表。ちゃらんぽらんなDEADPOOL氏を友達として、お前もX-MENに入れと勧誘しているが、とうとうDEADPOOL氏本人から入団を希望する日がくるとは! そして基本的にこのキャラはCGキャラですが、どうやらモーキャップで演じた役者と、顔と声を担当している役者は別人なんすね。知らんかったす。ラスト、なんとあのJUGGERNAUTと大バトル! そしてパンフによるとJUGGERNAUTもフルCGだそうです。全然気が付かなかった……
 ◆NEGASONIC TEENAGE WARHEAD:前作でもお馴染みクールなパンクガールX-MEN。今回はあまり出番なし。それより彼女にはカノジョが出来ていて、そのカノジョである「ユキオ」というキャラを演じたのが忽那汐里さん25歳。オーストラリア育ちだけあって英語は全く問題ナシ。あまり出番はないけど、結構いい味出してました。DEADPOOL氏と妙に(一方的に?)仲良し。もちろんX-MENメンバーのミュータント、だけど、どうやら原作にはいない映画オリジナルキャラだそうです。
 ◆CABLE:未来からやってきて、とある歴史を改変しようとするターミネーター的戦士。演じたのはTHANOS様でお馴染み、Josh Brolin氏。ハリウッドコワモテオヤジ選手権が開催されたら間違いなく上位ランカーになるであろうおっさんだが、実は意外と若くてわたしよりちょっと上だけという事実にショックです。絶対50代半ばか? と思ってたのに……。今回、THANOSネタは当然ブッ込まれてます。
 ◆DOMINO:今回、DEADPOOL氏が援軍募集!として求人を出して、それに応募してきた連中と「X-FORCE」を結成するのだが、その中の一人で、ミュータントとしての能力は「運命操作(?)」。つまり、「ラッキーマン」的な彼女は、超ヤバイ状態でも無傷!みたいな超ラッキーに恵まれるという体質のお方。演じたのはZazie Beetzさんというお方で、今年の初めに観た『GEOSTORM』に出てたらしいす。サーセン、まったく覚えてませんでした……。
 とまあこんな感じで、他のキャラはもういいかな……なお、わたしは見ていて全然気が付かなかったですが、『X-FOCE』の中で、かなり有名な俳優がいたようです。エンドクレジットを眺めていて、えっ、マジかよ!? と驚いたっす。誰だか知りたい人は、ぜひ、劇場へお出かけください。
 最後に、監督について書いておこう。おそらく、本作を観てわたしが、ずいぶん前作からグレードアップしたなあ? と感じた最大の要因は、監督がDavid Leitch氏に代わったことなのではないかという気がした。『JOHN WICK』や『ATOMIC BLONDE』で魅せてくれた通り、この監督の作品はやっぱりアクションのキレがとても素晴らしいと思う。そして音楽の付け方もやっぱカッコイイすね。オープニングのタイトルバック(と言えばいいのか?)の007パクリ映像も、大変結構なお手前だったと思います。

 というわけで、もう書いておきたいことがないので結論。
 前作から2年、全世界待望? の『DEADPOOL2』が日本公開となったので、わたしもさっそく会社帰りに観てきたのだが、なんというか、とてもまともというか、ギャグばっかりで中身ナシ、では決してなく、ストーリーがちゃんとしっかりしていて、そう、「フツーに面白かった」す。普段のわたしなら、ここまでギャグ満載だと、くどいなあ、とか感じてしまうのに、本作はそんなことも特に感じず、実際とても楽しめた。それはおそらく、脚本やキャラクターがキッチリとしているためではないかと思う。そして、前作で一部感じられたチープさや、低予算感なんかは、もうほぼないすね。これはもう、立派なメジャー大作ですよ。実際のところプロダクション・バジェットは前作が58M$で今回は110M$と倍近くなってるわけだし、なにより、監督のDavid Leitch氏の手腕のような気もしますね。いやあ、面白かった。ただ、まだ現状ではUS国内興収は前作に劣るのかな……ま、まだUSでも2W目だし、これからなんすかね。『3』があることを祈ってます。つうか、さっさとDISNEY傘下にならないかなあ……。以上。

↓ まあ、やっぱりこの二つ観といた方がいいと思うけどな……わたしは2作とも、嫌いじゃないす。

グリーン・ランタン (字幕版)
ライアン・レイノルズ
2013-11-26

 最近、ガンアクションの派手な映画がちょっと流行りなのだろうか。いや、そんなのはずっと昔からあるのだから、別に最近の流行りじゃあないか。強いて言うなら、最近流行っているのは、容赦ない血まみれアクション映画、というべきかもしれない。
 いわゆる「レーティング」というものが映画やTV放送には存在していて、それは法律ではまったくなく、単なる業界内の自主規制ルールなわけだが、要するに、やれ暴力だの、やれ猥褻だの、といった文句を言う人々に対して、いやいやいや、我々はちゃんとそういうのをチェックしてますよ、だからこの映画は15歳以上は観ちゃダメよと警告してまっせ、という言い訳、あるいは自己防衛をするもので、とにかく、予防線を張っているという腰抜け的な意味で、なんか興ざめなものである。はっきり言ってそんな規制の外にいる我々おっさんにはどうでもいいものだが、そういった規制によって、どうも一時期、映画やTVからは血が吹き出たり、あるいは女性のヌードをほとんど目にすることがなくなっていったような気がするけれど、ここ最近は、むしろCGの発達によって、手足がもげたり、銃で撃たれた時の血しぶきエフェクトも派手で、なんだかどんどん過激になっているような気さえする。
 というわけで、今日わたしが観てきた映画『ATOMIC BLONDE』という作品は、US公開時のレーティングはR15+である。だが、ここ日本においては特に指定なし、で公開されており、きっと中学生当時のわたしが観たら大興奮な、血まみれ&ヌードシーンアリの、スパイアクション映画であった。ただし、物語に関しては、正直わたしが勝手に想像していた物語とは全くの別物で、その点に若干驚きつつも、結論としては少々キレが悪いというか、どうも冗長?で、スッキリしない微妙作であった。うーん……たぶん、脚本的にやや凝りすぎ? のキャラ造形で、さらに現代時制と、数日前の事件の回想という枠構造そのものが若干ストーリーのテンポを悪くしているような気もした。結果、どうもわたしには「キレが悪い」ように感じたのである。
 以下、ネタバレに触れる可能性が高いので、気になる人は今すぐ立ち去ってください。

 というわけで、物語はほぼ上記予告のとおりである。ただし、映像は相当恣意的に時系列を無視してそれっぽいシーンを編集して作られており、セリフとシーンが別なものもかなりある。ちなみに、上記予告内で「Asshole(クソ野郎)」と主人公がつぶやくシーンは、本編では「Cocksucker」であった。
 ま、そんなことはともかく。本作の舞台となる時は1989年11月、場所はベルリンである。そう、かのベルリンの壁崩壊の数日前、イギリスMI6の諜報員がソヴィエトKGBに殺害される事件が起こる。東ドイツ(DDR)の秘密警察、通称シュタージにMI6やCIAの活動中のスパイの詳細が記録されたマイクロフィルムがもたらされ、それをシュタージに潜り込ませていた資産から受け取ることに成功したものの、KGBに奪われてしまったのである。しかしそのフィルムがモスクワへ運ばれては超マズイわけで、すぐさまMI6は、近接格闘にも長けた女スパイ、ロレーンをベルリンへ派遣、現地のMI6諜報員パーシヴァルと組んでそのフィルム奪還せよ、と指示するのだが、ロレーンのベルリン派遣さえもKGBには悟られており、到着したとたんにピンチに陥るのだが―――てなお話である。
 こういう流れは、わたしの大好きな海外翻訳ミステリーでは実にありがちで、実際わたしも大好物なのだが、登場する各キャラクターは、ほとんどが「実は彼・彼女は……」といった裏切りをしていて、素直に共感できるキャラクターがどうも少なかったように思う。何と言うか……しつこいぐらいにキャラの行動原理には裏があって、若干やりすぎのようにわたしには感じられた。
 わたしの好みとしては、小説であれば読者、映画であれば観客、の期待や信頼を裏切らないキャラクターが、様々なピンチを持ち前の技量と心意気で乗り切るようなお話の方が、やっぱり共感できるし、ラストもスッキリすると思うのだが、本作はどうもそういうわけにはいかず、行動も遅いし、それほど頭が切れるキャラでもないため、結構観ていてイライラする。ロレーンは、ベルリンへ出動する前に「誰も信頼するな」と言われて送り出されるわけだが、まさしく誰も信頼できない。そして、観客としては、実はロレーンさえ信頼できないのである。この、ロレーンの「実は……」が明かされるのは本当に一番最後なので、正しい観客としての態度は、「そうだったのか!」と驚き膝を叩くべきなんだろうとは思う。けれど、わたしは「なーんだ、やっぱりな」という気持ちの方が強まってしまい、若干がっかりしたことは記録に残しておきたいと思う。
 ただ、本作は、わたしとしては物語自体には上記のように文句を言わざるを得ないものがあったものの、演出や音楽、そして役者陣の熱演はかなり高品位で、映像としての見ごたえやカッコ良さ?はとてもレベルが高かったと思う。
 たとえば、主人公ロレーンを演じたCharlize Theron様がとにかくいちいちカッコイイ! のだ。これはもう間違いない。ロレーンはベルリンについて早々、迎えに来た二人の男がKGBであることを見抜いてぶっ飛ばすのだが(それが予告にある赤いハイヒールでボコボコにするカーアクション)、その背景にはDavid Bowie版の「Under Pressure」が流れていて、そういうアクションシークエンスにはほぼ必ず、当時のヒット曲が使われている。また、今回はTheron様の超絶な格闘シーンもふんだんで、しかもそのアクションシークエンスもやけに長回しな一発撮り、に見える編集がなされている。本当に一発撮りなのか、編集やCGによるマジックなのか良く分からないが、とにかく大迫力である。とりわけ、後半のスパイグラスというキャラを守っての大乱闘は凄い出来で、こういう点は大絶賛したい。
 だた、その反面で、ちょっとしつこいというか、なかなか格闘のケリがつかないのは、やや冗長にも感じられた要因なのかもしれない。まあ、女性なので攻撃が軽くて一発では効かず、とにかく相手が何度も立ち上がってくるので、リアルではあるのかもしれないな……そういう点は、普通の映画のように主人公の一発で相手がKOされるようなものの方がインチキ臭いかもしれないけれど……とにかくしつこいよ、もう! とも感じられた。
 というわけで、以下、主なキャラ紹介と役者紹介でまとめておこう。
 ◆ロレーン・ブロートン:演じたのは上記の通りCharlize Theron様。本作の主人公でイギリスMI6の腕利き諜報員。美しくカッコイイ。演技としてはもう文句なしのクールで危険な女性。どうやら、冒頭で殺害されるMI6の男とは、過去恋人だったらしい。その格闘スキルは超一流で、とにかく殴る蹴るのシーンが満載。ただし、若干頭の回転は問題アリかも……もうチョイ、すべてお見通しよ、的なキャラであってほしかった。そして本作では、Theron様は結構堂々脱いでました。おまけに、フランスの女性諜報員との百合Hシーンなんかもあります。しかしその正体はーーーラストに明かされます。
 ◆パーシヴァル:演じたのはJames McAvoy氏。ワーグナーのオペラ「Parsifal」や円卓の騎士の一人としてもお馴染みの名前ですが、実はわたし、このパーシヴァルがコードネームなのか本名なのか、良く分からなかった。そしてキャラクターとしても、彼の真の狙いは若干分かりにくかったように思う。MI6ベルリン支局の男でロレーンに協力しているように見えるが実は……な展開。そしてその実は……も、さらに実は……とミスリードを誘う複雑なキャラ。
 ◆デルフィーヌ:演じたのは、最近いろんな作品に出て売り出し中のSofia Boutella嬢。とにかく太くキリっとした眉毛が魅力的なフランス美女。あれっ!? マジかよ!? Wikiによるともう35歳だって。完全に20代だと思ってたのに! 今回彼女も脱いでおりまして、Theron様との百合Hのお相手が彼女です。フランスDGSEのベルリン支局所属(?)。大変セクシーな美女であったけれど残念な結末に。
 ◆メルケル:ロレーンを支援する現地工作員。わたしは彼もどこに所属している男なのか、若干良く分からなかった。ドイツ人であることは間違いないけど、東ドイツ人なのか西ドイツ人なのか、実はわたしには良く分かっていない。たぶん東ドイツ人で、西側のスパイをしているってことだと思うけど、どうなんだろう。演じたのは、Bill Skarsgård氏27歳。その名の通りスウェーデン人。彼は、2週間後に日本で公開となる『It』で、あのペニーワース(あの超おっかないピエロ)を演じているので、わたしとしては超注目です。
 ◆スパイグラス:東ドイツシュタージ所属、だけど西側のスパイ。演じたのはEddi Marsan氏。この人は、Robert Downey Jr.氏版の『Sherlock Holmes』でレストレード警部を演じた方すね。
 ◆エリック・グレイ:MI6幹部。ロレーンの上司。イマイチ使えない奴(?)。本作は、ある事件の当事者としてロレーンを聴取をしているのが現在時制で、その事件そのものが聴取中の回想として描かれる形式になっていて、チョイチョイ、この聴取側であるエリックが出てくる形になっているのだが、それが若干、物語のテンポを悪くしているように感じた。演じたのはToby Jones氏。まあ、特徴のある顔なので、結構いろいろな作品でお馴染みですが、そうだなあ、わたしとしては、彼はやっぱり『CAPTAIN AMERICA』に出てくるヒドラの悪い博士役が一番覚えてますな。
 ◆カーツフィールド:ロレーンの聴取に同席するCIAの男。作戦中、CIAはほぼ関係していないのだが、実は……という展開。演じたのはJohn Goodman氏。それこそそこらじゅうの作品に出ているベテランですな。

 最後に、監督についてメモして終わりにしよう。本作を撮ったのはDavid Leitch氏。もともとスタントマン→スタントコーディネーターとしてのキャリアが長い人で、数多くの作品に参加しているらしいが、監督としては、クレジットはされてないけれど、わたしの大好きな『John Wick』を共同監督した方だそうですな。単独監督作品としては本作が初めてだそうで、そのアクションはスタントマン出身だけに、大変見ごたえはあります。何と現在、『DEADPOOL2』を制作中だそうですね。

 というわけで、結論。
 実はわたしは、本作は『John Wick』女版、的な凄腕暗殺者が活躍する物語かと思いきや、意外と正統派なスパイアクションであった。しかし、キャラの行動が若干わかりづらく、ちょっと盛りすぎな脚本だったようにも感じ、観終わった後、何となくキレが悪かったな、と感じたのである。しかし、そのアクションや演出、背景に流れる音楽など、センスはかなり上質であったことも、また確かであろうと思う。でもなあ、わたしの好みではなかったかな……わたしとしては、『John Wick』のような単純一直線なお話の方が好きだし、もっと主人公には、何もかもお見通しだぜ的な頭のキレる人物像を期待したかったす。なので、結論としては、若干イマイチだったかも、というのがわたしの偽らざる感想です。以上。

↓ ジョンさんは最高です。早く「3」が観たいすなあ。


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