というわけで、『STAR WARS:EPISODE VII The Force Awakens』について、
 【1.わたしが絶賛する前半90分まで何が描かれたか】
 【2.多くの謎を提示したまま、物語はクライマックスへ】
 【3.残された謎と、問題点についてのまとめ】
 という形で昨日おととい、いろいろ書いてきた。結論としては、一昨日書いたとおり、前半100点、後半60点、トータル86.5点というのが現状のわたしの評価であるが、 この評価も、SAGAの終結を見届けた後になれば、変わるかもしれない。わたしの減点要因は、あくまで、「数多くの謎が謎のまま残っている」点にある。
 なので、今日は現時点でのキャストと監督JJについて、今のわたしが思っていることをまとめておいて、数年後、ああ、あの時のオレはこんなことを思ってたのか、アホだなあ、と未来のわたしが苦笑するであろう備忘録としておきたい。
<新人の部>
daisy
↑の写真はDaisyちゃんのInstagramより。かわええ……。
Daisy Ridley as "Rey" デイジーリドリー「レイ」 
  1992年生まれの23歳。十分可愛らしい娘さんで、表情が豊かなイギリスガールと言って良かろう。ほぼこれまでにまともな役は演じていないようで、ズバリ言えばド新人。しかし、笑顔も、しょんぼりしている顔も、怒っている顔もとてもいいと思う。体つきもほっそりとしたスレンダー女子で、ちょっと少年っぽさもあって、冒険の主人公としては申し分なしであろう。おそらくは今後のSAGAにおいて、どんどんシリアスな場面が増えるだろうから、可愛いだけじゃ通用しない。頑張っていただきたい。しかし……レイ……キミは一体誰なの?
John Boyega as "Finn" ジョン・ボイエガ「フィン」
  同じく1992年生まれの23歳。イギリス人。だけど発音は全部イングリッシュ弁ではなくアメリカ弁でやったそうです(とパンフに書いてありました)。この人はそれなりに本作以前に映画やTVドラマに出演しているようだが、ちょっと芝居振りとしては微妙。冒頭はかなり良かったのだが、ソロ船長が出て来て以降は、何というかもう完全にHarrison Fordの陰に隠れちゃって目立たなくなってしまった印象。まあ、今後どういう役割を果たしていくか知らないけれど、レイの相棒となって一緒に冒険することにはならない気配はある。ポーと友達になってレジスタンスとして、レイのピンチに駆けつける役割かな? かつてのソロ船長的な。だったらもっと、いろんな仕事や技能を覚えなさい。今のところ、口だけは達者で何も出来ない、典型的ゆとり小僧。そして現在、意識不明中。
Adam Driver as "Ben Solo" a.k.a. "Kylo Ren"  アダム・ドライバー「ベン・ソロ 別名:カイロ・レン」
 1983年生まれの32歳。アメリカ人。微妙ヅラ。それなりにキャリアアリ。 うーん、キャラが微妙すぎるけど、それは役者のせいではないので彼を責めるのもお門違いではあるけれど……昨日も書いたとおり、父殺しのシーンはもうチョイ、頑張って欲しかった。あと、キミ、もっと体ビルドアップしたほうがいいよ。見た目からして弱そうなのは……演出なのか? ベイダーの孫として、キミもさっさと改心した方がいいと思います。銀河の平和のために。今のところ、経緯は不明だが親に反発して(?)、悪に取り込まれた典型的な愚かなゆとり小僧。次の『EP:VIII』では、ルーク暗殺隊の隊長にでもなるんだろうな……そしてルークもぶっ殺してしまうに1万ペソ。
Oscar Isaac as "Poe Dameron" オスカー・アイザック「ポー・ダメロン」
 1980年生まれの35歳。グアテマラ出身アメリカ育ち。微妙ヅラ。10年以上のキャリアがあるし、彼が出ている映画をどうやらわたしは結構観ているようだが、まったく印象に残っていない。しかし今回のポーはカッコ良く、芝居振りも悪くなかった。今後も、レイたちのピンチに駆けつけるイカしたエースパイロットとして活躍していただきたい。彼の駆る黒塗りのX-Wingは非常にカッコイイ。コールサインの「ブラック・リーダー」もいいね。どうせなら、通常の3倍の出力にカスタムした機体を真っ赤に塗装して「赤い彗星」とでも名乗って…(以下略)。
Domhnall Gleeson as "General Hux"  ドーナル・グリーソン「ハックス将軍」
 1983年生まれの32歳。アイルランド人。イケメン 微妙ヅラ。まだキャリアは浅いが、結構な数の映画に出ていて、どうやらわたしは何本も彼を観ているらしい。が、やっぱりほとんど印象ナシ。『Harry Potter』のロンの兄貴で出てたみたいですな。日本では年明け公開の、わたしが非常に観たいと思っている映画『The Revenant』にも出ているようなので、チェックを忘れないようにしよう。役としては、きっと今後も、レンと手柄を競って、最高指導者に褒められたがる小者の将軍なので、まあ、SAGAの最後まで生きているとは思えないですな。レンにぶっ殺されるに2万クローネ。つか、キミ、ちゃんとスター・キラーから脱出したの? 大丈夫ですか?
Gwendoline Christie as "Captain Phasma" グェンドリン・クリスティー「キャプテン・ファズマ」
 年齢不詳とWikiには書いてありますが、IMDBによれば1978年生まれの37歳のイギリス人。今回素顔は現さず。TVの『Game of Thrones』でおなじみの女優だそうですが、わたしは良く知りません。今後、その銀に輝くヘルメットを脱ぐ場面が来ることを期待したい。わたしは、絶対美人に決まってんだろ、と思ってこの女優の画像をいろいろ検索したのだが……まあ、結果はこちらで見といてください……。意外と……若くはないんですね……。

<ベテランの部:新キャラ篇>
Max von Sydow as "Lor San Tekka"  マックス・フォン・シドー「ロア・サン・テッカ」
 1929年生まれの86歳。あまりにもキャリアが長くてもう紹介の必要もないけれど、一番最近わたしが観かけたのは、『Extremely Loud & Incredibly Close』(邦題:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い)で、主人公の少年と心を通わせる、しゃべらないおじいちゃん役であろうか。もうSAGAには出番ナシかな……もったいないけど、もっと彼が何者か知りたいものですね。
Lupita Nyongo as "Maz Kanata"  ルピタ・ニョンゴ「マズ・カナタ」
 1983年生まれの32歳。ケニアとメキシコの二重国籍。彼女をベテランの部に入れるのはアレですが、事実上初出演の映画『12Years a Slave』(邦題:それでも夜は明ける)でいきなりオスカー女優(アカデミー助演女優賞受賞)の仲間入りしてしまったので、ベテランの部にしておきました。ま、はっきり言ってわたしは『12Years a Slave』はあまり好きではないので、彼女も正直どうでもいい。まあ、役としては、モーションキャプチャーで描かれたエイリアンなので、知らなければあのキャラがLupita Nyongoとは分かりようがないけれど、間違いなく今後のSAGAにも出てくるのでしょうな。果たして何故彼女がルークのライトセーバーを保管していたのか、きっちりと説明していただきたいものです。ちなみに、その理由は「また今度教えるわ」と言ってました。
Andy Serkis as "Supreme Leader Snoke"  アンディ・サーキス「最高指導者スノーク」
 1964年生まれの51歳。イギリス人。今や、モーションキャプチャー俳優として超有名。なので、逆に素顔があまり知られていないのでは? 一応、普通に顔出しして役者としても活躍してるんだけど。まあ、『The Load of the Ring』のゴラムで大ブレイクしたおっさんですな。しかし、この役も、今後のSAGAで毎回登場することは間違いなかろう。どんな悪党なのか楽しみですな。意外とSWシリーズのキャラクターは、かなりうかつというか頭は良くない連中が多いので、是非ともスノークにはインテリの方向で悪い奴であっていただきたい。しかしなんであんなに巨大なホロビジョンなんですか? 生身のスノークが小さかったら、かなりガッカリしそうな予感。
Simon Pegg as "Unker Plutt"  サイモン・ペグ「アンカー・プラット」
 1970年生まれの45歳。イギリス人。ええと、こいつは、JJ版『STARTREK』シリーズのスコット機関長だとか、『Mission:Impossible』シリーズのベンジーでもお馴染みの、コミカルなおっさんですね。こいつは、自分のTwitterだったと思うけど、『EP:VII』の撮影にチョイ役で参加してきたぜ、イエーイ!! とはしゃいでいたのだが、役としては、レイが集めてきたガラクタを買い取るジャンク屋の主人の、あのでっかいエイリアン、アンカー・プラット役だったようですね。もちろん、外見からはまったくわかりっこない。ので、ま、どうでもいいです。
 あと、もう一度見るときに確認しようと思ってますが、レイを連行するストーム・トルーパーに、なんと007でお馴染みDaniel Craigがいたらしいですよ。ちゃんと台詞アリのようなので、来週、もう一度観てチェックしてみます(※12/21追記:レイがフォースで操って拘束を解くよう指示するストームトルーパーが彼らしいですよ。そう思って観ていると、ははあ、コイツがそうなんだ、という気もした)。ま、顔の見えないダニエル・クレイグよりも、きっちりと役のあった『THE RAID』の二人組のほうが嬉しかったな。イコ・ウワイス君の「シラット」という格闘技アクションは必見ですが、彼が今後のSAGAに出てくるかどうか……ボバ・フェット的賞金稼ぎとして出る道はまだ残ってると思いたい。

<ベテランの部:おなじみキャラ篇>
Harrison Ford as "Captain Han Solo" ハリソン・フォード「ハン・ソロ船長」
 1942年生まれの73歳。アメリカ人。我らがヒーローとしてもう何の説明も要らないでしょう。最近はすっかりおじいちゃん役ばかりだったけど、本作ではカッコ良くて本当に安心しました。再会するなり、レイアに、まーた同じ服着ちゃって(Same Jacket)、となじられるも、いや、新しいんだぞこれ(No, New Jacket!!) 、というやり取りを交わす様は、本物の夫婦のような空気感でしたね。また別のシーンでは、あなた、役に立ったのはデス・スターの時だけでしょ!! とキツイ一言を投げつけられても、いや、まあそうなんですけどね、と苦笑いで済ますあたり、お似合いの夫婦ですなあ。レイアとソロ船長のやり取りは、本作で一番良かったと思います。バカな息子を持って気の毒に……ルークも引きこもってる場合じゃないのになあ……。
Carrie Fisher as "General Ogana" a.k.a."Princess Leia"  キャリー・フィッシャー「オーガナ将軍・レイア姫」
 1956年生まれの59歳。アメリカ人。すっかり老けてしまいましたね……でもまだ還暦前なんですな。なんかもっと老けて見えるような。姫も元気で嬉しかったですね。まあ、将軍としての貫禄を見せるための、あえての恰幅と思うことにしたい。今後のSAGAにも連投は間違いないでしょう。ルーク兄さんに、さっさと戻って来い!! と活を入れていただきたい。彼女が、何らかのフォースに目覚める展開もなくはないだろうけど……アルテイシアというよりミライさん的なポジションでしょうか。
Mark Hamill as "Luke Skywalker"  マーク・ハミル「ルーク・スカイウォーカー」
 1951年生まれの64歳。アメリカ人。彼は、SW後、ほとんど見かけなかったけれど、わたしが一番印象的だったのは、John Carpenter監督の『Village of the Damned』(邦題;光る眼)かな。ゴールデンラズベリー賞にノミネートされてしまった駄作というのが世間的な評価らしいけれど、わたしはかなり好きな映画。いかにもカーペンターっぽさが残る最後の作品だと思うな。ま、それはどうでもいいとして、ルークですが、最近すっかり太っていたので、とても戦えないような無様なルークは見たくねえなあ、と思っていたのだが、きっちり、ある程度はダイエットしてくれたようで、非常に眼光鋭く良かったと思う。なんとなく、次の『EP:VIII』で殉職してしまうような気がしてならない。大丈夫かな? まあ、レイが一体どんなキャラなのか、次第でしょう。
Peter Mayhew as "Chewbacca" ピーター・メイヒュー「チューバッカ」
  1944年生まれの71歳。イギリス人。221cmの超長身。なんでも足を悪くして、『VII』に出られるかギリギリだったみたいですな。しかし、昨日も書いたとおり、本作における最高の演技を見せてくれたのは間違いなく彼だと思う。ソロ船長を亡くしたチューバッカの怒り・悲しみが、あの毛むくじゃらなメイクでも明確に伝わったもんな。本当に素晴らしく、心に染みたよ。絶対、ベン・ソロがカイロ・レンになる前の幼児時代を知っているだろうし、一緒に遊んであげたこともあるでしょうな……本当につらかったと思うよ。そもそも、チューバッカは『III』でヨーダと面識があることが明らかにされているので、ひょっとしたら現存しているクローン戦争最後の生き残りかもしれないね。もっと重要な役割を振ってください>JJ監督様。まあ、チューバッカは、レイというあたらしい相棒を得て、今後のSAGAでもファルコン号を飛ばせてくれることでしょう。

<監督篇>
J.J.Abrams JJエイブラムス/監督
 1966年生まれの49歳。アメリカ人。元々脚本家からキャリアをスタートさせていて、監督としてはまだ5本目。この男、わたしよりも少し年上だが、確実に、わたしとほぼ同じような映画を観てきているんだと思う。本物のオタク野郎だし。だから非常に、わたしのようなおっさんが観てグッと来る物語を作る。嫌いじゃない、が、大好きというのもなんだか悔しいので、全肯定はしませんが、やっぱりこの男は、「分かってる奴」だと思う。とりわけ、『STAR TREK』『STAR TEREK: Into Darkness』は素晴らしいとわたしは評価している。コイツが何を「分かっている」か、というと、「物語のポイントとそこに至る過程」をきっちり分かっているのだ。非常に、観客が望んでいるものを「分かっており」、同時に、きっちりと「そうきたか!!」と観客を驚かせる仕掛けを用意しておく。その点では非常に稀有な才能と計算能力を備えたオタク野郎だとわたしは思っている。あまり評判の良くない『Super 8』も、わたしは結構好きだし、制作として参加した『Cloverfield』はあのジャンルでは最高だと思っている。
 なので、『EP:VII』の監督に抜擢された時は、ああ、JJなら大丈夫だろう、あいつは分かってる男だし、とわたしは安心していた。で、実際、いろいろアラや問題点があるとはいえ、おそらくJJ以外にはここまでの『EP:VII』を撮れる監督はいなかったと思う。また確実に言えることは、シリーズの生みの親George Lucasではここまで面白い作品は取れなかっただろう、ということだ。何度も言うが、わたしは『EP:III』は未だに「コレジャナイ」と思っている。やはりもう、才能と愛のある第三者に委ねるべきだったことは、今回の『EP:VII』が証明してしまったのではなかろうか。
 まあ、とにかく、JJは良くやったと思う。今後のSAGAも心から楽しみにしております。
 が……今後、Disney戦略によるスピンオフとかいろいろ予定されているんだよな……頼むから変なの作って、世界観を壊さないでいただきたいと、それも一緒に心から願っております。

 ↑あとですね……頼むから……こういうの、やめてもらっていいですかw?

 というわけで、結論。
 『STAR WARS』SAGAは、次の『EP:VIII』が2017年、そして最後の完結編『EP:IX』は2019年だそうです。まあ、しょうがない、それまでは生きてみるとするか……。以上。

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