くっそう。なんか妙に忙しくなりつつあり、ネタ補給が追いつかなくなってきた。
 というわけで、今日もネタがない時の頼みの綱、マンガネタで2日連続お茶濁しの巻。
 今日紹介するのは、「ヤングマガジン」に月イチ連載されている『スモーキング』という作品です。 この作品もまた、電子書籍販売サイトで試し読みを読んで、とりあえず買ってみたもので、正直に告白すると著者の岩城先生のこともよく知らなかったし、「ヤンマガ」もここ1年ぐらいは読んでいなかったので、へー、こんな作品があったか、というレベルでの購入であった。

 まあ、いつも通り、出版社の公式Webサイトに試し読みがあるので、そちらを観ていただいた方が早かろう。ヤンマガ伝統の、ヤンキー系・アウトロー系マンガの血を引く物語である。4人の殺し屋集団が、悪党をかなり残忍にぶっ殺すお話なので、まあ女性にはちょいとお勧めできないし、結局のところ人殺しなので、共感できるかというと難しいのだが、基本的にはいわゆる「必殺仕事人」的な話であるので、我々読者としては、まあ深く考えることなく、悪党が鉄槌をくらわされる様を見て喜んでいればよいのだろう。それにしてもかなり凄惨なお話ではある。退治する悪党がもの凄く悪党なので、読者的にはスッキリとカタルシスが味わっておけばいいのかな。カタイことは言いっこなしにしておくか。
 実際のところ、こういった作品は世にあふれていて、ありがちといえばありがちだが、やはり本作のキモは、主人公の4人組のキャラクターだろう。元外科医で元ヤクザの老人、元地下格闘リングチャンピオン、元ヤクザで銃器の達人、そこに化学知識&メカ担当の元ホームレスの青年という4人組で、かれらは普段はホームレスとして公園で平和に暮らしているのだが、悪党殺しの依頼を受けると、その持てる技術を駆使して確実に相手を始末するわけだが、「煙みたいで素性をつかめない」ことから、彼らは「スモーキング」とか「煙屋」として裏社会で呼ばれている。そして彼らはお互いを「家族」として大切に思っており、絶対の信頼関係が成り立っている。そんな、世間から外れたOUT LAW、法の外にいる連中の生きざまは、その行為が人殺しで決して容認されないものではあっても、やはりどこか現代人の中には共感出来てしまうものがあるんじゃなかろうか。わたしは大変気に入った。

 この作品を買って、読んで、どうも何か見たことがあるというか、読んだ後でいろいろ調べてみたところ、著者の岩城先生についてはほとんど情報がなかったのだが、作品についてはやはり、過去作を読んだことがある作家であった。しかもその作品、わたしはヤンマガに連載されている当時読んだのだが、今回の『スモーキング』にちょっと似ていて、やはり裏稼業モノの『D.B.S ダーティ・ビジネス・シークレット』というタイトルの作品であった。ああ、これ読んだことがある、と、試し読みを読んでみて初めて気が付いた、というか思い出した。絵柄も、まあ、写実的という意味では全くないものだが、漫画としては十分アリな、独特のタッチで、記憶の隅っこに残っていたため思い出しやすかった。
 最初に書いた通り、さいきんすっかり「ヤンマガ」は読んでいないが、やはり、講談社の漫画力は日本の出版社の中では最強だろうと思う。認めたくないし悔しいが、面白い漫画を見つけると、講談社の作品であることが多いのが、わたしとしては大変残念である。なるべくここで、講談社の作品を紹介したくないのだが……。えっ!? 何故かって? そりゃあ、講談社が嫌いだからに決まってますよ。はい。

 というわけで、結論。
 ふとしたきっかけで買ってみた『スモーキング』という漫画は、まあ要するに「必殺仕事人」的なお話ですので、悪党が震えて死ぬのを読んで、自らの脳内の嫌いな奴を思い浮かべて、死ね! と思うことでカタルシスを得るのが正しい鑑賞法だと思います。以上。

↓ というわけでまた読みたくなったけど、まあ、次のコインバックフェアの時にでも買うか……。