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 いやあ~……最高だったすね! コイツは面白かった! 今年はあまり映画を観に行けていないけれど、まあ、ダントツの完成度とダントツの面白さで、今のところ暫定ナンバーワンですなあ!
 何のことかって? そんなのコイツに決まってるでしょうが!!

 というわけで、US本国よりも数日早い昨日から日本公開となった『SPIDER-MAN:FAR FROM HOME』 であります。いやー、本当に素晴らしかった! とにかく内容盛りだくさんで、これはMCU=マーベル・シネマティック・ユニバースにとって極めて重要な作品であったと言えると思う。
ポイントとなるのは……
 ◆そもそもの本筋である物語が最高に面白い
 ◆本筋に影響を及ぼしている、MCUの世界観設定が超秀逸に決まっている。
 ◆コミック原作への深いロイヤリティ(忠誠心)が観ていて感動的
 という点にあるような気がしますね。これは本当にお見事としか言いようがないすわ。まずはざっくりと、これまでのまとめと本作の物語をまとめてみよう。間違いなく言えることは、MCUのこれまでの歴史を知らないと、本作を味わうことはできないことでしょうな。まあ、そんなのは当たり前の大前提ですよ。
 で、MCUにおける『SPIDER-MAN』単独の物語は、本作で2作目であるものの、実のところ主人公スパイディ=ピーター・パーカー君がMCUに登場するのは、これでもう5本目だ。
 <初登場>:MCU最高傑作とわたしが認定している『CAP:CIVIL WAR』に緊急参戦。CAPと分かり合えない深い溝ができてしまったトニーが、なにやらNYCで悪者退治にいそしんでいる「蜘蛛男」のうわさを頼りに、ごくあっさり正体を見破り、ある日突然、ピーター君の前に現れスカウト。この時トニーは、あくまで助っ人として助力を要請するが、世界的な大富豪&天才と知られているトニーのスカウトに大興奮したピーター君はそれなりに活躍するも、それほどは深く描かれず、顔見世に終わる。
 <単独主演>:初の単独作『HOME COMING』にて、『CIVIL WAR』のその後が描かれる。トニー謹製のSPIDERスーツをもらって大はしゃぎのピーター君は、CIVIL WARののち、僕もアベンジャーズの一員になって大活躍したい、とずっとトニーからの連絡を待つ日々だったが、トニーからは連絡なし。つれない対応にしょんぼりしているが、NYCに現れた悪党ヴァルチャー(及びその手下)との戦闘で、若干ミスってしまってトニーに怒られ、スーツも取り上げられてしまってさらにしょんぼりは深まる。が、最終的にはヴァルチャー退治に成功し、トニーもピーター君の活躍を認め、ラストは記者会見で、新たなるヒーローの誕生だ、と派手に紹介しようとしたところでピーター君はそれを断り、「NYCの親愛なる隣人」でいることを選択する。この作品の一番素晴らしいところはこのピーター君の選択で、原作コミックのCIVIL WARでは記者会見でマスクを脱いで、自分がSPIDER-MANであることを明かすのだが、見事にその流れを断る点にあろうと思う。女の子にモテたい、自分がSPIDER-MANであることを明かせばモテる、という前振りが何度もあるのに、それをきっちり断って、モテることより自分のできることを頑張る、というピーター少年の決断は実にカッコ良かったすな。そしてこの作品では、若干暗くてブラックなことばかりつぶやいている謎のプチストーカー少女こそ、SPIDY世界のヒロイン「MJ」だった! というラストも実にお見事でした。
<3作目&4作目>:『INFINITY WAR』勃発。NYCのマンハッタンにやってきた宇宙船を、スパイダー・センス(=何気に重要な能力で、今回のFAR FROM HOMEではカギとなる危機察知能力)でいち早く感知したピーター君は、スクールバスから現場に急行、戦闘中のトニーを助け、拉致されたDr.Strangeを追って宇宙船にしがみつくが、成層圏を突破する辺りで意識朦朧となり、上空から落下するもトニー謹製の「アイアン・スパイダー」スーツを装着、トニーには家に帰れと言われてたのに宇宙船に潜入、結果、THANOSの手下一人をぶっ飛ばすことに貢献し、トニーにはアベンジャーズの一員として認められる。そしてTHANOSとの戦いに挑むも、THANOSの「選択」で消滅することに。しかしご存知『END GAME』で普通に復活しました。ただしその代償は―――トニーの命だったわけです。
 <5作目となる本作『FAR FROM HOME』>:INFINITY WAR~END GAME事件から8カ月後の世界。物語としては、もう予告で描かれている通り、高校生としての夏休み、サイエンスクラブの合宿旅行(?)で訪れたヨーロッパを舞台に、ピーター君としては大好きなMJに告白したい、けれど謎の怪物が世界各国に現れていて、トニー・スターク=IRONMANというスーパーヒーローを失った世界はSPIDER-MANの力を必要としていた……。
 というお話なわけだが、スーパーヒーローとしての活動は、ピーターが「NYCの親愛なる隣人」であろうとする気持ちと、さらに高校生として恋と青春をエンジョイしたいという気持ちともバッティングしてしまうわけで、ピーター君は大いに悩むわけです。おまけに、ピーターが尊敬してやまないトニーからの遺品(=トニー愛用のサングラスで、ARシステムが実装され、地球防衛装置(と言えばいいのかな?)にダイレクトにリンクした強力な一品)も、ホントに僕が持ってていいんだろうか、なんて悩みもあって、もう大変なわけです。
 しかし、後半、自分の行動が間違っていたことに気づいてからは、前を向いて自らの失敗を取り返すべく、超がんばるわけですが、それがまたなかなかけ健気なんすよ! ピーターはトニーを失っても、きっちり自分で成長を果たしたわけで、そんな、「少年の成長物語」が面白くないわけない! のです。本当に良く練られた脚本で、実にお見事でありましたなあ! マジ最高でした。
 というわけで、以下、キャラごとに演じた役者と共に思ったことをメモしておこう。
 ◆ピーター・パーカー=SPIDER-MAN:演じたのはもちろんTom Holland君23歳。演技的にも完璧に近く、悩める姿、しょんぼりな顔やはじける笑顔など、高校生そのものな感じでとにかく最高だったすね。そもそも、SPIDER-MANは、マーベルコミックの中では(一部のX-MENキャラを除いで)最年少の少年ヒーローで、これまでの映画シリーズのような、恋愛中心のキャラではなく、原作に最も忠実な描かれ方なのではないかと思う。しかし、本作のエンドクレジット後のおまけ映像では、ついに自分がSPIDER-MANであることを明かされてしまって、今後どうなるのか、超楽しみっすね! そして、とうとうMCU版にもデイリー・ピューグル編集長(どうやら時代を反映して新聞社ではなくネットニュース配信社?)も参戦、おまけに演じた役者がSam Raimi監督版3部作で同じ役を演じたJ.K.Simmons氏だったことに、もうわたしは大興奮したっすわ! あれはもう、ファンは全員、な、なんだってーーー!? なおまけ映像でしたな。最高でした。
 ◆ハッピー・ホーガン:悩めるピーター君の前に現れる大人その1。演じたのはもちろんJohn Favreau監督52歳。お馴染みトニーの運転手兼ボディガード(?)のハッピーは、今回は美人過ぎるおばさんでお馴染みのメイおばさんのケツを追っかけつつ、後半、ピーターが決断してからはいろいろとサポートしてくれた強い味方。だけど、ちょっとあんた、弱すぎだし、メイおばさんを見る目が完全にエロオヤジなんですけど大丈夫ですか!? トニーが生きてたら、なんと言われるか……まあ、今後もピーター君をサポートしてあげてくださいね。
 ◆ニック・フューリー:悩めるピーター君の前に現れる大人その2。Samuel L. Jackson叔父貴しか演じられるわけがありません。基本的にこの人は偉そう&口だけ人間に近く、ピーター君の力にはほとんどなってない。さらに、この人はTHANOSの選抜で消滅した側なので、5年のブランクがあるのでイマイチ本調子じゃないみたい……と思わせといて、なんなんすかあのおまけ映像は!? 要するに、今回出てきたニック・フューリーは全部スクラル人のタロスが変身してたってことなんすか!? マジかよ!! この設定って必要だったかなあ!? まあ、どうやら本物のニック・フューリーは銀河のどこかでお仕事中みたいすね。ま、今後のMCUがどうなるかさっぱり謎ですが、その「今後」のための伏線なんでしょうな。うおお、すげえ楽しみであります!
 ◆クエンティン・ベック=ミステリオ:悩めるピーター君の前に現れる大人その3。演じたのはわたしが結構好きな役者の一人であるJake Gyllenhaal氏38歳。やっぱカッコイイすねえ、この人。そして、SPIDER-MANにちょっと詳しければ、ミステリオのことも知ってるはずで、わたしはもうずっと、予告でやけにイイ人っぽく描かれる「ミステリオがイイ奴のわけがないんだけど……どんな話になるんだ?」とドキドキしていたわけで、本性が現れた時は「やっぱり……!」ではあった。しかし、脚本的に、コイツが悪党だってことは一切匂わせず、実にお見事な大どんでん返しであったとわたしは大絶賛したい! 素晴らしかったね。ここでこう来るんだ!? と誰もがびっくりな展開は完璧に決まったすね。こういう点も、原作へのロイヤリティの高さがにじみ出てますよ。しかも、原作ファンには、アース616とかアース833とか、「それっぽい」ミスリードを誘うようなセリフも、実に原作へのリスペクトが感じられる素晴らしい脚本でした。そしてJake氏の演技も良かったすねえ! わたしとしては大絶賛いたしたく存じます。
 ◆ネッド:MCU版ではおなじみの、ピーターの親友のデブオタ君。いやあ、今回の「ネッド、大人への階段を上るの巻」も実に素晴らしかったすねえ! ネッドに春が来るとはなあ! しかも、ネッドの素晴らしいところは、彼女ができても、彼女に付きっきりになることなく、キッチリとピーターの相棒=椅子の男として活躍してくれるんだから、ホントにコイツはイイ奴ですよ! 演じたのはもちろんこれまでネッドを演じ続けてくれているJacob Batalon君23歳。なるほど、Tom Holland君と同い年なんすね。君たちコンビはこれからもずっと頑張ってほしいすね!
 ◆MJことミシェル:前作『HOME COMING』では、むしろ彼女がピーター君大好きで、若干ストーカーめいた挙動不審な女の子だったし、おまけにピーター君も別の女の子に夢中だったのだが、今回はもう、ピーター君の方からMJ大好きに。まあ、おっさんからすれば、二人がもうお互い大好きなのは見え見えなので、YOU、さっさと告っちゃえよ! なわけですが……なかなか甘酸っぱくて良かったすね。つうか、演じたZendayaちゃんはミュージシャンとして大人気なわけだけど、この子はなんとなく日本人的顔立ちだし、観ていると話が進むにつれてどんどんかわいく見えてきますな。エンディングではSPIDER-MANに抱かれてマンハッタンの空をスィングしまくる映像も流れて、なんか微笑ましかったすな。青春しやがって! ところで、ピーター君もネッドもMJも、揃って5年間消えていた側なわけですが、本作では、トニーの逆パッチンによって、消えた人がどう復活したかもちょろっと描かれてました。わたしはその映像を見て椅子から転げ落ちそうなぐらいびっくりしたんだけど……どうやら、「消えた場所で(?)、突然、パッと復活した」らしい。うっそだろ!? そんな復活だったのかよ!? とわたしとしては超驚いたす。だって、飛行機に乗ってた人とかもいたはずで、そういう「消滅した時の場所がアレだった人」たちってどうなったんでしょうなあ?? 謎っす。
 いっけねえ! もうクソ長いからこの辺にしとこう。

 というわけで、もうぶった切りで結論!
 超楽しみにしていたMCU最新作にしてPHASE-4の最終作となった『SPIDER-MAN:FAR FROM HOME』を観てきたのだが、一言で言えば最高でした。控えめに言っても、最高だと思います。真面目な少年が、悩みや悲しみを乗り越えて成長するという物語は、もう鉄板でしょうな。実に面白かったすね。悔しいぐらいに。MCUとしても極めて重要な作品であったと思う。しかしなあ、ホントにパラレル・ワールドの「マルチ・ヴァース」の設定を使わなかったのは大正解だと思いますね。アレはもう、収拾がつかなくなるし、これまで、を無視しちゃう禁じ手だと思うな。まあ、それを使って台無しになったのがFOX版『X-MEN』なわけで、MCUがその道にまっしぐらにならず、ホント良かったと思います。つうかですね、ニック・フューリーは一体何をしてるのでしょうか? そして正体がバレたピーター君の今後の運命やいかに!? というわけで、今後もますます楽しみなMCUは、本当に最高だと思います。完璧だったっすね、マジで。以上。

↓ まずはコイツを読もう! 話はそれからだ!
スパイダーマン (1) (MF文庫)
池上 遼一
メディアファクトリー
2002-05

 わたしはミュージカルが大好きで、このBlogのタイトルにもその意を込めているわけだが、ここ数年、映画においてもミュージカル作品がちらほらヒットするようになってきたような気がする。
 その先鞭をつけたのは2012年の『Les Misérables』だと主張すると、それは違うぜ、もっとずっと前からあったよ、と当たり前の反応をされるとは思う。わたしも例えば『The Sound of Music』とか大好きだし。が、やっぱりあの『Les Misérables』のクオリティはすさまじく、キャスト陣のパフォーマンスのクオリティが素晴らしいのは言わずもがなとして、映画として、その撮影・演出がすごい、とわたしは思っている。普通、映画の場合は、撮影と歌は別で、別撮りした歌をかぶせるのが当たり前のような気がするが、あの作品は、本当に歌っている芝居そのものを撮影していたのである。これにはわたしはいたく感動し、それ故にすさまじいクオリティと賞しているわけだが、その主人公、ジャン・バルジャンを演じたHugh Jackman氏のパフォーマンスは本当に素晴らしかったとわたしは今でも思っている。
 そもそも、Hugh氏は、映画オタクのわたしにとっては、X-MENのWolverineでお馴染みなわけだが、実はBroadwayでも活躍している歌えるオージーであることは十分に承知していたものの、『Les Misérables』でのパフォーマンスはわたしの想像を超えていて、おまけに2014年かな、TONY賞の司会を務めた時(しかも4回目だったらしい)のパフォーマンスがこれまたウルトラ素晴らしく、なんてこった、Wolverineのくせにすげえ! とわたしの中ではHugh氏は最強に歌えるハリウッドスターとして認識されるに至ったのである。とにかくカッコいい。おまけに超イイ人キャラだし。イイ人なのは関係ないか。
 というわけで、以上はいつも通りの前振りである。
 今日、わたしはHugh氏最新作のミュージカル映画『THE GREATEST SHOWMAN』を観てきたのだが、これがまた歌が超最高だし、ダンスも超キレがあって素晴らしいし、大絶賛したい、けれど、若干アレだなあ、という点もあって、絶賛するかどうしようか迷っているのである。うーーーん……うーーーん……やっぱり、手放しでは絶賛できないかなあ……これはキャスト陣の問題ではなく、キャスト陣に対しては絶賛したいのだが……やっぱり撮影と、あれかな、編集のキレが悪いのかな……。だって、完全に口パク?で、歌が流れているのにキャストが歌ってないシーンがすげえ多いんすよ……これは完全に歌だけ後乗せだと思うな……そのため、なんというか、超長いPVを見たような印象なのである。その点がすげえ残念なんすよね……。でも、くれぐれも言っておきますが、歌とダンスは超最高です! これは劇場で観るべき映画だと思う。以下、物語の結末まで書いてしまうと思うので、ネタバレが気になる人は今すぐ退場してください。思いっきりネタバレると思います。

 というわけで、上記予告で聴ける歌もイイすねえ!
 ただし、物語は上記予告から想像されるものとは全く違うのではなかろうか。少なくとも、わたしが想像していた物語とはかなり違っていて、わたしは結構驚いた。
 主人公P.T.バーナム氏は実在の人物で、「サーカス」という興行を発明した男だそうだが、どうもWikiの内容を読む限り、今回の映画はかなり史実とは違うようだ。まあ、それは全然かまわないのだが、本作の物語をまとめると、こんなお話であった。
 時はどうやら19世紀の後半、バーナムは仕立て屋さんの息子として、上流階級のお屋敷に出入りしていて、とある金持ちの娘さんと恋仲になり、その父親には「どうせ娘はすぐに帰ってくる。貧乏暮らしに耐えられなくなって、な」なんて言われながらも結婚にこぎつけ、貧しいながらも二人の愛らしい娘に恵まれ、日々を送っていた。が、勤め先の商船会社が倒産し、無職となったところで、ふとひらめいたアイディアをもとに、「ユニーク(=唯一無二)」な身体的特徴を持つ人々を集め、ショーを開催する常設劇場をオープン、それが大ヒットとなって財を成すことに成功する。しかしそのショーも、所詮は見世物小屋という評価しか得られず、上流階級の人々からは蔑みの目で見られ、単なる成金野郎としかみなされていなかった。そんな中、上流階級向けの舞台作家として活躍していた青年と意気投合し、その青年のコネでイギリス女王(=ヴィクトリア女王)と謁見したり、何とか上流階級を見返してやろうとしていたところ、ヨーロッパで大人気の「本物の」オペラ歌手と出会い、アメリカに招いて全米ツアーを企画、それがまた大成功する。バーナムはその歌姫の本物の実力に心酔し、自分の劇場のショーをほったらかして、歌姫ツアーにのめりこんでいくのだが、そのことで妻や娘を蔑ろにしてしまい、あまつさえ、「家族」であった「ユニーク」な連中との間にも溝ができてしまい……てな展開となる。まあ、最終的には歌姫にも去られ、劇場を燃やされ、と無一文になってしまうけれど、残った仲間たちと、そうだよ、劇場なんていらねえ、テントで十分だぜ! と現在の「サーカス」の元となる興行を「地上最大のショー=The Greatest Show」として成功させるのだった―――てなお話である。
 まあ、要するに、途中まで、家族を蔑ろにする姿には、おいおいWolvarine、お前何やってんだよ、奥さん泣かせやがって、とか若干主人公への共感は薄れてしまうのだが、最終的にはめでたしめでたしに収まる、実に美しいお話である。ま、ちょっと美しすぎるけれど。なので、物語としては、ありがちというか、作り話めいているというか、冷静に考えるとそれほどグッとくるものはないのだが、前述の通り、とにかく歌とダンスは超最高である。というわけで、各キャラ紹介をしながら思ったことを綴っておこう。
 ◆P.T.バーナム:観ていてわたしが思ったのは、この主人公の、逆境を跳ね返すための挑戦を繰り返す、その不屈の気合、はそりゃもちろん凄いとは思うし、挑戦にはリスクが付き物だ的な発言も、そりゃそうだ、とは思う。けれど、あまりにその手法は詐欺師めいているし、計画も結構ずさんに見えるわけで、こんな危なっかしい男に惚れちゃった奥さんの心労は絶えなかっただろうな、とそっちの心配がずっと頭から離れなかったすね。しかしまあ、演じたHugh氏のパフォーマンスは本当に素晴らしかったですなあ! もう本作は冒頭からその歌とダンスを堪能でき、のっけから超ノリノリでありました。お見事です!
 ◆バーナムの妻:もう本当によく耐えましたねえ! そして演じたMichelle Williamsさんが超イイ!! この人、こんなに歌えて踊れたんだ!? と驚愕のパフォーマンスであった。あれは……ダブルなのか? 本当にMichelleさんなのか? かなり冒頭の、貧乏時代にアパートの屋上でHugh氏と歌って踊るシーンは超グルグル回ってすげえスピンでもう大興奮でした。演技も実にしっとりとした上質な芝居で、大変良かったと思います。ああ、Broadwayで『キャバレー』に出演したこともあるんすね。本物ですな、この実力は。
 ◆バーナムの二人の娘:まあとにかく可愛らしいチビたちでしたなあ! 最初の劇場こけら落としの時の、客席で踊るチビたちが超可愛い! どうかすくすくと育っておくれと祈らずにはいられないすね。最高です。
 ◆フィリップ:バーナムのパートナーとなる上流階級出身の男。演じたのは『High School Musical』でおなじみのZac Efron君30歳。おう、もう30歳になったんだな。歌はもちろん、ダンスもキレがありますねえ、やっぱり。キャラクターとしては、若干なぜ空中ブランコの彼女に惚れてしまったのか良くわからないけど、まあ、恋に理由はいらねえってことで、ひとめぼれだったってことなのかな。わたしは今まで彼の演技を見る機会はほとんどなかったけれど、なかなかいいですな、やっぱり。なかなかのイケメンでありました。
 ◆アン:「ユニーク」な劇団員の一人で空中ブランコの名手。演じたのはUS国内で大人気のZendaya嬢21歳。わたしは彼女のことは実はほとんどよく知らず、去年の『SPIDER-MAN:Home Coming』で初めてその顔と名前が一致するようになったのだが、やっぱり、歌もイイし、ダンスも超キレてますねえ! スレンダーで長身(180.3cmだって! Zac氏より全然背が高い!)な体の美しさも極めて上等でした。
 ◆ジェニー:バーナムがヨーロッパから招いた歌姫。演じたのはRebecca Fergasonさんで、な、なんて歌のうまい人なんだ!!! とわたしは超大興奮し、今まで何作かこの方の出演している作品を見ているけど、まさかこんなに歌がうまいとは!驚愕の歌ウマだぜ、と思ったのだが……残念ながら歌は別の方の声を当てているらしいです。なーんだ。超がっかり……。で、その歌を担当されたのがLoren Allredさんというお方だそうで、とにかく歌う『NEVER ENOUGH』という歌が素晴らしかった。

 Rebeccaさんが初めてUS国内で歌うシーンは超鳥肌モンでしたな。まさか本人が歌ってないとは……残念す。
 とまあ、キャスト陣に関しては以上でやめておくけれど、とにかく素晴らしいパフォーマンスであったのは間違いないのだが、冒頭に書いたように、映画としては若干アレなところがあって、ホント、PVを見ているような気がずっとしていたのは間違いない。それはやっぱり、役者をきちんと追わず、結構群舞だったりとキャラクターが画面に多いシーンが多く、せっかくのソロやデュエットでもきちんと役者の表情を追わず、引き目の画が多かったような気がする。カットも多いし。そういう意味では、去年の『LA LA LAND』のような一発撮影でもなくて、若干物足りなさを感じてしまった。まあ、今回の作品に流れる歌の数々は『LA LA LAND』のチームによるものらしいが、映画の出来としてはやっぱり、断然『LA LA LAND』の方が上だとわたしは感じた。本作を監督したのはMichael Gracy氏という方だそうだが、ほぼキャリアなしの新人監督みたいですな。何歳なんだろう……見た目は若い兄ちゃんですね。まあ、今後の活躍を期待したいと存じます。

 というわけで、結論。
 ミュージカルが好きなわたしとしては、Hugh Jackman氏主演ということで大変期待した『THE GREATEST SHOWMAN』という映画を観てきたのだが、確かに、歌とダンスのパフォーマンスは極めてレベルが高く、キャスト陣全員を激賞したい、のだが、どうも映画として、若干の問題点があって、ライブ感が薄く、長いPVを見ているような気分になる作品であった。その問題点は、ズバリ言うと撮影と編集にあるような気がしてならず、要するに演出の問題だろうと思う。あと、せっかくキーとなる重要な歌を、役者ではなく別人の歌をかぶせるというのも、正直とても残念だ。最初から歌える役者で撮ってほしかったす。それにしても、Michelle Williamsさんの歌とダンスは、本当に本人なのだろうか……?? 本人であってほしいと強く思います。何しろ、とにかく素晴らしかったので。以上。

↓ わたしはもちろん舞台版(日本語版)も観たことがありますが、この映画のクオリティはやっぱりすさまじいす。最高です。やっぱり、わたしとしてはエポニーヌの歌う「On My Own」が泣けますなあ……映画版でエポニーヌを演じたSamantha Barks嬢は、ほぼ唯一の舞台版本物キャストじゃなかろうか?

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