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 というわけで、月曜日は毎週恒例の週末興行収入データです。
 この週末は誰がどう考えても『STAR WARS』が1位となるのは明白であり、注目は一体いくら稼ぐんです? という数字が問題であった。わたしがデータをせっせと蓄積し始めたのが2010年の1月から。つまりここ5年の数字はきちんと保持しているのだが、その5年間で言うと、公開週末の最高の数字は、去年の『妖怪ウォッチ』がたたき出した 16.2億である。2位以下の詳しい数字と作品は先週の記事を見てもらうとして、さっそく今週末の数字を見てみよう。なお、今日は後半ではアメリカの状況もお知らせします。US本国では、14個の歴代記録をぶっ壊すという、すごいことになってますよ!!

 また無駄な前置きを書いてしまったが、いつも通り興行通信社の大本営発表である。なお、興行通信社の大本営発表は、「観客動員数」のランクであるので、今日は「金額順」に並び替えてみました(理由は後述)。
 1位:『スターウォーズ/フォースの覚醒
 →12.4億スタート!! これはわたしの予想よりかなり少ない。一応、金曜日の分を足して16.1億ほど。先週書いた通り、12.4億という数字は、2010年以降だと5位かな。たぶん、地方では弱いのだと思う。これは……100億はきっと超えるんだろうけど、どうやら楽に超える数字ではなさそうですよ。待ってた人が一斉に行く初動型と思った方がいいだろうから、今後の伸びは、いかにリピーターのおっさんたちを動員できるか、それからあとはSW熱の低い家族をどれだけ呼べるか、次第だろうな……。やっぱり、ガキは『妖怪』に持って行かれましたね。そりゃそうだろうな、この国では。わたしも、今日、3D版を2回目として観てきましたが、ちょっともう150億はぜんぜん無理、行って110~130億ぐらいだと思う。なお、『Harry Potter』の最終作も金曜公開で、土日だけだと13.0億、金曜日合わせた3日間で17.6憶でスタートして、最終的に96.7憶で終わってしまったので、下手すると100億チョイで終了かも、ということも十分ありうる。もしそんなことになったら、Disney本社の怒り大爆発だろうな……。困るんだよなそうなると。理由は最後の方に書いておきました。
 2位:『妖怪ウォッチ
 →10.57憶スタート。これは去年の16.2億に比べたらかなり落ちるけれど、それでもやっぱりこの数字はすごい。もしSWがなければもっと行ってた可能性もあるかもしれない。ま、50億以上は軽く超えましょうな。すげえ。そして、観客動員数では、なんとなんと、『SW』を上回って1位です(なんか、妖怪がSWに勝ったと書きたくなかったので金額順にしてみました)。
 3位:『orange』:9日間累計8億チョイ。20億は超えるかも。正直興味なし。
 4位:『007』:16日間累計19億チョイかな。前作(最終27.5億)よりもだいぶハイペース。30億は行くってことか。
 5位:『母と暮らせば』:9日間累計7億にチョイ届かず。わたし的には今年NO.1邦画。山田洋次監督作品としては前作『小さいおうち』(最終12.6憶)よりもハイペース。その数字を超えることはもう確実でしょう。20億ぐらい行ってほしいけど無理か……。シニア中心ということで後伸びを期待して、16億~18億ぐらいと予想しておきます。
 6位:『仮面ライダーゴースト 超MOVIE大戦ジェネシス』:9日間累計で3.6億ほどか。 出だしはちょっと良かったのに、ほぼいつものペースに戻る。ま、『妖怪』の影響ですかね……。
 7位:『I LOVE スヌーピー』:16日間累計で5億強。これって結構大したものだと思う。
 8位:『杉原千畝』:16日間累計で6億チョイ。ちょっと厳しいか。
 9位:『映画 ハイスピード』:16日間累計で3億ほど。ちょっと勢い止まったか?
 10位:『海難1890』:16日間累計で4億チョイ。ちょっと厳しいか。

 そのほか、『ガールズ&パンツァー』がわたしとしては驚きの6億突破、『リトルプリンス 星の王子さま』も驚きの5億突破、『レインツリーの国』は5億まであとチョイ、『グラスホッパー』も10億まであとチョイ、という感じのようだ。

 とまあ、日本の状況は以上です。
 一方、アメリカではどんなことになっているかというと、このBox Office Mojoの記事をまず見てみてください。記事のタイトルは、Star Wars: The Force Awakens Crushes Records, Topping Largest Box Office Weekend of All Time.だそうです。 直訳すると、「スター・ウォーズ フォースの覚醒は、歴代週末興収最大を上回って記録をぶっ潰した」というわけで、14の記録を更新したそうです。その14の記録というのは、
1)木曜日の先行上映の記録:57M$(それまでの1位は43.5M$のHarry Potter最終作)
2)金曜初日1日の記録:120.5M$ (それまでの1位は91M&で同じくHarry Potter最終作)
3)US国内週末興行記録:約238M$ (それまでの1位は208.8M$のJurassic World)
4)劇場あたりアベレージ記録:約57,751$ (それまでの1位は48,855$でJurassic World)
5)PG-13レートの映画の公開週末興行記録 (それまでの1位はJurassic World)
6)年末映画の公開週末興行記録 (それまでの1位はHungerGamesの2作目で158M$) 
7)上位12作品合計の週末興行記録:294.5M$(それまでの1位はJurassic Worldの公開された週末)
8) 上位12作品合計の12月週末興行記録 (それまでの1位はAvatarの公開された2009年の12/25-27の週末)
9)12月の1日だけの興行記録:約120.5M$ (それまでの1位はHobbitの1作目で37.13M$)
10)12月公開時の劇場数:4,134Theaters (それまでの1位はHobbitの1作目で4,045)
11)12月公開作品の週末興行記録:約238M$(それまでの1位はHobbitの1作目で84.62M$) 
12)最速100M$(=1億ドル)突破記録:1日目(それまでの1位はJurassic Worldで2日目)
13)全世界IMAX作品公開週末興行記録:48M$ (それまでの1位はJurassic Worldで44.1M$)
14)US国内IMAX 作品公開週末記録:30.1M$(それまでの1位はJurassic Worldで20.9M$)
 というわけで、まあとんでもないことになっている。なお、アメリカ国内の歴代ベスト10は以下の通りで、果たして今回の『EP:VII』がどこまで行くか。
 1位:Avatar (2009年):760M$
 2位:Titanic (1997年):658M$
 3位:Jurassic World(2015年):652M$
 4位:Marvel's The Avengers (2012年):623M$
 5位:The Dark Knight (2008年):534M$
 6位:Star Wars :Episode I The Phantom Menace(1999年):474M$
 7位:Star Wars (1977年):460M$
 8位:Avengers: Age of Ultron (2015年):459M$
 9位:The Dark Knight Rises (2012年):448M$
 10位:Shrek 2 (2004年):441M$
 ※100M=100百万=1億ね。 1億$=約121億円
 こうしてみると、これは『Titanic』を超える可能性もあるのかもしれないが、いかんせん今回の『EP:VII』は、US本国でも確実に待っていた人々が多いわけで、初動型になりうる。なので後伸びの勢いがほかの作品より弱いことも十分考えられるので、まだ何とも言えないところであろう。ま、結局大丈夫だったね、ということになると思うけど……。これだけ盛り上がって、結果的にJurassic World抜けませんでした、なんてことにならない様、祈っております。

 しかし、結局STAR WARSも、日本とUS本国とではかなり熱が違うんだな、という数字になってしまったのではなかろうか。US本国では週末3日で238M$=約288億円稼いだわけで、日本の23倍である。すげえなあ。なお、劇場数で比較すると、US本国が4,134Theaters、日本が945スクリーン(字幕・吹替え・3D・2Dをそれぞれ別カウント)。つまり公開規模としては4.37倍。てことは、結局上映1回あたりの観客動員も全然US本国の方が多いってことですな。いや、そうじゃなくて、もしかしたらUS本国もスクリーン数はもっと多いのかもね。わからないけれど。
 しかし、最初に書いた通り、日本では最終的に110億~130億ぐらいとわたしは予想していますが、下手をすると100億チョイの可能性も大いにある。が……果たしてそれで、Disney Japanが本国のDisney本社から許してもらえるかどうか、が、わたしとしては非常に興味がある。なにしろ、次回作以降は、今のところ、SW記念日の5月公開と言われている。このままだと……次回作以降の日本公開は、USと同時公開じゃなくて、また夏公開と待たされる可能性が出てきてしまったのではなかろうか。そうなったら非常に困るというか、悲しいなあ……ま、その時は、台湾に観に行きますよ。それでいいでしょ、Disneyさん!!

 というわけで、結論。
 今週は『SW』が1位なのは当然として、『SW』と真っ向勝負で10億以上稼いだ『妖怪ウォッチ』がすげえ、と思います。もちろん去年ほど行かないにしても、もはや確実に『ポケモン』を超えてしまったと言っていいだろう。ま、『ポケモン』のように20年コンテンツになれるかどうかは、今後次第ですかね。
 あと、しつこいですが、あさって12/23・天皇誕生日から公開の『CREED』の方が、わたし的に注目です!! スタローン隊長がアカデミー助演男優賞を受賞出来たら、オレ、泣く。つか、この映画観たら、たぶん泣く。以上。

↓ 昨日の夜、WOWOWで撮っておいたこれを観た。なんとスタローン隊長が脚本を執筆してた。いずれ、レビュー書きます。セクシーハゲ筆頭ことJason Stathamが、冒頭でまったく似合わないロンゲで登場w。最高でした。
※12/22追記:というわけで、この映画のレビューを書きました→こちらへ
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2015-11-03


 というわけで、月曜日は毎週恒例の週末興行収入データです。
 この週末は、いよいよ『007』が本公開となって、ま、当然の1位でありました。今週はわたしは映画館の前を通りがかっただけで何も観ていないので、どんな塩梅だったか分からないけれど、劇場前はそれほど混んではいなかったような気がしますが、興行としてはどうだったのでしょうか。

 というわけで、興行通信社の大本営発表です。
 1位:『007 スペクター』は、 金曜日を含めた3日間の興行で4.7億だったそうです。で、先週の先行上映の3日間分が3.8億だったそうなので、合計で8.55億ってとこですか。さすがのスタートです。前作『Skyfall』は、公開土日の2日間で4.5億スタートだったので、どうなんだろう、今回の3日間合計と同じくらいという事は、今回の方がちょっと落ちると見るべきか、それとも、前作の2週目が2.7億弱と落ちたことを思えば今回の方がずっといいと解釈すべきか、条件が違うので、微妙に比較できないけれど、まあ、とりあえず30億ぐらいは行きそうな勢い、としておきます。ちなみに、前作『Skyfall』は最終27.5億でした。もっと数字が伸びることを祈りますが、果たして2週間後の『STAR WARS』までにどのくらい貯金できるかでしょうかね。あんまり関係ないか。
 2位: 『杉原千畝』が公開初週末1.45億。数字的にはちょっと弱いか。ご存知「日本のシンドラー」と言われる杉原千畝さんの生涯を描く実話ベースの物語。わたしは唐沢さんを「眼力王」と呼んでその芝居ぶりを常に賞賛しているのだが、予告からしてもう目が血走ってるのがすごいw

 3位:『I LOVE スヌーピー The Peanuts Movie』の公開初週末1.53億と金額順では2位。まあ、ちびっ子客メインなので単価が安いはずなのだが、3Dだからかな? 逆に言うと、『杉原千畝』はシニアばっかりで単価が安かったという事かも。
 4位:『海難1890』の公開初週末は1.50億。初登場。数字的にはもうチョイほしかったところか。この作品、予告を観るとちょっと面白そうだ。原作となる小説などはないようだから、実話ベースとはいえオリジナル脚本だろう(たぶん)。1985年のイラン・イラク戦争時にトルコ政府が日本人救出のために救援機を飛ばしてくれた事件と、1890年の和歌山県串本で起きたトルコの軍艦遭難救助事件を描いているらしい。これは応援のためにも観たいな……。
 5位:『映画 ハイ・スピード Free! Starting Days』が公開初週末0.95億。人気を博した京都アニメーション謹製TVアニメ『Free』の前日譚的な話。興味なし。まあ最終5億はきついか?
 6位:『リトルプリンス 星の王子さまと私』は累計数字4.2億ほど。善戦と言っていいのでしょうな。
 7位:『ガールズ&パンツァー劇場版』。興味なし。累計で4.3億ほど。十分、立派です。
 8位:『レインツリーの国』は累計で3.7億と、『県庁』よりやや下のペース。うーん、もうチョイほしい。クリスマスにカップルで観ていただきたいものだ。
 9位:『グラスホッパー』は累計9.1億。あとチョイで『ゴールデンスランバー』を抜けるのに!
 10位:『劇場版MOZU』は累計11.4億。やっぱり秋以降の東宝作品は15億が壁ですのう……もうチョイ行けるはずなのだが……。なお、『俺物語!!』はまだ累計8億台と10億届かず。非常に厳しい状況。
 (※12/09追記:6位以下の数字を更新しました)

  とまあ、数字的には『007』の圧勝となった12月の1週目である。今年は、結局年間チャンピオンは『ジュラシック・ワールド』になるのかな? 以前も書いたことがありますが、基本的に毎年1月の最終火曜日に映連が発表する年間ランキングは、前年の12月公開から今年の11月公開まで、で集計するので、去年の12月に大ヒットした『ベイマックス』や『妖怪ウォッチ』も、2015年の映連ランキングに出てきます。
 なのでたぶん、2015年の映画興行ランキングを並べてみると、こんな感じだと思う。
 まず1位だが、『ベイマックス』よりも『ジュラシック・ワールド』の方が最終的に伸びたのではなかろうか? いや、どうでしょう、サーセン、最終の細かい数字が手元にないや……。ま、1位2位はこの両作品で、ともに90億を超えているはずだと思う。
 この2TOPの後に、『妖怪ウォッチ』が3位、80億弱? ぐらいで続き、その下は、4月の『シンデレラ』と7月の『バケモノの子』が60億弱ぐらいで並んで4位5位に来て、たぶん6位7位に共に夏公開だった『ミニオンズ』と『ミッション:インポッシブル』が50億台で並ぶ感じでしょうな。その下、8位9位10位は、木村拓哉さんの『HERO』、『名探偵コナン/業火の向日葵』、『インサイド・ヘッド』あたりが40億台で続くのだと思う。ちょっと最終確定数値は手元にないので微妙だけど、ひょっとしたら10位は『ドラえもん/のび太の宇宙英雄記』かも。
 こうしてみると、意外と2015年は洋画が頑張った年と言えるかもしれない。 う、いや、それはどうかな、過去のデータは映連のWebサイトで閲覧可能なので、興味のある方はそちらをどうぞ。わたしも手元にまとめているのだが、うーん、まあ、去年(の『アナ』抜きの数字)よりはまし、だけど、とりわけいい年、ではないかな。常々疑問に思っているのだが、映画興行市場は、明確な右肩下がりでもなく、かといって、成長市場では決してないのだが、だいたい毎年同じような数字になるのは、一体なぜなのだろう。謎だ。
 その点、出版市場はもう20年以上右肩下がりが続く厳しい市場動向なので、映画の方がちょっとだけマシ、と言っていいかもしれない。まあ、映画の場合、一発ドでかいホームランが出ると、その一発だけで大きく市場の数字に影響する性格があって、例えば去年の『アナ』のような場外ホームランが出ると、数字は全体として伸びたりするので、ちょっと出版市場とは性格が微妙に違う。かつては出版市場も、『ハリーポッター』の新刊が出た年はちょろっと書籍の数字が伸びたりしていたけれど、それでも雑誌の凋落はカバーできなかったしね……。
 はあ、やれやれ。とにかくですね、何度もわたしは書いていますが、皆さん、映画を映画館に観に行きましょう。そして本を本屋さんで買いましょうよ。ね。じゃないと、本当に、産業として衰退してしまうので。大げさじゃなく、本当になくなってしまうよ。皆さんがお金を出さないと。

 というわけで、結論。
 『007』はやはり強かった。この後、いよいよ2週間後には『STAR WARS』がやって来る。邦画では今年も『妖怪ウォッチ』が、またドでかい数字をかっ飛ばすかもしれない。わたしとしては、数字があまり行きそうもない『CREED』を応援したいが、もしスタローン隊長がアカデミー助演男優賞を獲ったら、オレ本当にうれしいな。それと、今回、Disney傘下となった『STAR WARS』が、如何にしてちびっ子客を取り込もうとするか、そのプロモーションにも注目です。いずれにせよ、市場が活況を呈して盛り上がるのは大変喜ばしいことでありますね。以上。

↓ 皆さん、予習はばっちりですか? 『STAR WARS』はもう当然として、あえてこちらの予習を強くお勧めします。わたしは全作大好き。
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2015-10-07

 

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