このBlogで何度も書いているような気がするが、わたしはもう40代後半のれっきとしたおっさんである。わたしの世代は、80年代に中高生だったわけで、要するに、わたしの世代は、ジャンプ黄金時代にジャストミートであり、実際わたしは『北斗の拳』が一番好きな漫画である。以来、30年以上ずっと週刊少年ジャンプを買い続けているわけだが、残念ながら今のジャンプは、あまり面白くない。実際、もはや惰性で買っていると言って差し支えないくらいである。
 そんなわたしが、今、ジャンプで真っ先に読む漫画としてイチ押しなのが、以前も書いた通り『Dr. STONE』という作品だ。今週のジャンプ(2017年第31号)に掲載されているのが第17話なので、まだ連載が始まって3カ月チョイってとこか? 今日、とうとうその単行本(1)巻が発売になったので、早速購入したのである。

 わたしはもはやコミックスは完全に電子書籍野郎にトランスフォームしているので、電子書籍で購入した。ちょっと前までは(?)集英社のコミックスは電子書籍は紙の単行本の発売の1か月後、がお約束だったような気がするが、どうやらすでにもう、同時発売になっているらしい。勘違いかな? ジャンプ作品は最初から同時発売だったのかも。まあ、いずれにせよ、わたしが愛用している電子書籍販売サイトBOOK☆WALKERでは、発売前に予約しておくと、発売日の0時に配信が始まり、自動的にダウンロードも完了しているため、わたしが朝起きたら既に購入は完了していたので大変ありがたし、である。あれっ!? ちょっと前までジャンプの公式サイトで試し読みが出来たのに、もうできなくなってるみたいだな……アレか、単行本が発売になったからやめたのかな? 集英社もわかってねえなあ……単行本が出たからこそ、ちょっとだけでも読んでもらって、興味を持ってもらえばいいのに。ま、ジャンプというブランドは素晴らしく価値があるけれど、もはやそのブランドを築き上げた人々はいないわけで、今はなあ……。ま、どうでもいいか。
 ※追記:ごめん嘘!ちゃんと試し読みのページあった! ので、URLをメモっときます。サーセンした! http://jumpbookstore.com/client_info/SHUEISHA/html/player/viewer.html?tw=2&lin=1&cid=SHSA_ST01C88118400101_57
 ともあれ。
 とにかく『Dr.STONE』は非常に面白い。原作は『アイシールド21』でお馴染みの稲垣理一郎先生、そして作画は韓国のBoichi先生、というわけで、物語も絵も、きわめてハイレベル、実にハイクオリティだ。わたしとしては少年漫画の王道的な傑作の予感がしている。
 物語は、第1話で、人間(や一部の動物)が突如「石化」してしまうところから始まる。二人の主人公は、それぞれ、石化しても「意識を持ち続ける」とこで自我の消失を防ぎ、3700年後の世界で目覚める。そこは当然文明は失われた「石の世界=STONE WORLD」であり、二人はそこから、文明をゼロから取り戻す努力を始めるが―――というのが物語の大枠だ。あーイカン、全然面白さが伝わらないな……まずはメインキャラを軽く紹介しておこう。
 ◆千空:「知力」担当。幼少期から科学大好きなマッドサイエンティスト的キャラ。言動はちょっと危ない系だが、実に仲間想いの、頼れる頭脳の男。石化中の3700年を、ずっと「数を数えて=時間を計って」過ごし、石化が解けてからは、持てるすべての知識をフル活用してサバイバルに挑む。石化の原理は未だ謎。この千空というキャラは、いちいちカッコイイことを言うのだが、ホントにすごい奴で、かなり胸にグッときます。口癖は「そそるぜこれは!」。そういえば、千空の様々な試行錯誤の様子は、非常に『The Martian』のマーク・ワトニー博士に似ている。
 ◆大樹:「体力」担当。天空の親友で体はデカく、無尽蔵の体力の持ち主。そのため千空からは「デカブツ」と呼ばれている。千空は大樹より半年前に石化から復活していたのだが、大樹の復活は天空による仮説で成し遂げられた。大樹は、石化直前に、大好きな杠(ゆずりは)という女子に告白するところだったのだが、その想いを告げる前に石化してしまったため、3700年間ずっと「おれは絶対、杠に告白するんだ!」と考え続けて石化を耐え抜いた。千空と大樹のきずなは絶対で、お互い完全な信頼を寄せ合っている。
 千空「ずっと待ってたんだよ 大樹 テメーを 100億%生きてるってわかってたからな! 杠に言うって決めた男が 志半ばで たかだか数千年ぽっちふんばれねえような んなタマじゃねえだろ テメーはよ!」
 大樹「ああ もちろんだ!」
 第1話のこのセリフはおっそろしくカッコイイす! そして第2話で、石化を解く薬品の調合に成功し(成功まで1年かかる)、二人の人間が石化から復活する。
 ◆杠(ゆずりは):大樹が大好きな少女。そしてたぶん、杠も大樹が好き。手芸部で手先が器用。もちろん大変可愛い。千空のような科学知識は持っていないが、いろいろと、ちゃんと察することができる頭の回転の速い、賢い女子。
 ◆獅子王 司:杠の石化を解こうとした時に、野生化しているライオン(!)に襲われ、超絶ピンチとなったため、ある意味止む無く杠のための石化解除薬を使って復活させた男。「霊長類最強の高校生」として世間的な有名人で、実際ライオンと素手で闘えるほど。ただし強すぎる司の「武力」は、現状では抑止力がなく危険な存在に―――!?
 第2話での千空のカッコイイセリフは、やっぱり石化解除薬の実験が1年がかりで成功した時のこれでしょうな。
 千空「教えてやるよデカブツ 『科学では分からないこともある』じゃねえ わからねえことにルールを探す そのクッソ地道な努力を 科学って呼んでるだけだ……!! 実験始めて1年――第100何十回目か? 意外と早かったな ククク 地道なもんだ ファンタジーに 科学で勝ってやんぞ そそるぜこれは…!」
 そして司が目覚めた時の、第3話のセリフも、この時は非常にカッコイイ。
 司「詳しい説明は うん ゆっくり聞くよ ただ一つ約束する! 君らにはもう二度と危険って奴は訪れない これからは この俺が戦うからだ!!」

 と、まあ、これ以上はもうネタバレも甚だしいので引用はやめておこう。とにかく熱くてそそりまくる物語であることは間違いなく、絶対のおすすめです。今すぐ読んでいただきたいと存じます。
 ジャンプの連載漫画は、基本的に19ページで、単行本1冊当たり9話収録が基本なのだが、本作は、最初の第1話が50ページ、第2話も25ページかな、ちょっと長めになっているので、今日発売になった第(1)巻は7話収録です。どうやら(2)巻は2か月後の9月発売だそうで、先週号の第16話ぐらいまで収録されるんじゃないかな? 確かに、16話はいい区切りだったかもしれないすね。是非、まずはこの第(1)巻を楽しんでいただきたく存じます。

 というわけで、さっさと結論。
 ここ数年、とみに面白い漫画が減った週刊少年ジャンプだが、今年から始まった『Dr.STONE』という漫画は大変面白い! 物語も絵も、実にハイクオリティで、少年漫画の王道的な傑作の予感がしております。今後の展開もとても気になる作品で、わたしは毎週、真っ先に読む作品であり、超おススメです。SFとしても、非常に出来がいいと思いますよ。心配があるとしたら……物語的にあまり長く続けられる作品ではないと思うので、単行本10巻ぐらいで終わるのがいい、ような気がするけど、どうなるか、そんなことぐらいですな。とにかくこれからの展開が気になります! 以上。


↓ やっぱり、人類の知恵を武器に、過酷な状況と戦うってのは、大変面白いですな。主人公が頭がいいと大変読んでいて気持ちいいす。というわけで、コイツになんだか似ていると思います。最高に面白い映画です。
オデッセイ(字幕版)
マット・デイモン
2016-04-22