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 はあ……もうページをめくる手が止まらなくて……読み終わってしまった……次がもう楽しみすぎてつらい……。何の話かって? そんなの『Mr. Mercedes』の話に決まってますよ。木曜日の夜から、ちょっとずつちょっとずつ、と思いながら読んでいたのに、昨日の火曜日の夜、読み終わってしまった……。以下、ネタバレがかなりあると思うので、ネタバレが絶対に困る人は、今すぐ立ち去ってください。サーセン。いや、だってネタバレせずに書けっこないすよ。
ミスター・メルセデス 上
スティーヴン・キング
文藝春秋
2016-08-22

ミスター・メルセデス 下
スティーヴン・キング
文藝春秋
2016-08-22

 というわけで、わたしが最も好きな作家であるStephen King氏による、日本語で読める最新刊、『ミスター・メルセデス』の下巻も読み終わってしまった。結論から言うと、もちろん面白くて最高だったものの、正直に告白するが、『11/22/63』的なラストの感動(?)のようなものだったり、『Under the DOME』的なラストの超すっきり感(?)のようなものは若干薄くはあった。
 まあ、それもある意味当然の話で、今回の作品は今までよりもスピーディーな展開だし(時間経過も短い)、敵キャラも意外と弱く、主人公は孤独ではなく味方がいるので、いつものような、一人で戦う主人公が、これでもかという超絶ピンチにズタボロになるわけではなかった。いつものKing作品の主人公は、もう本当に読んでいてつらいほど、心身ともにズタボロになり、もうやめたげてーー!! と言いたくなるくらいにひどい目に遭うので、その点では、Kingファンには不足を感じても、普通のミステリー愛好家には標準的だったのかもしれない。良くわからないけど。まあ、その分、サブキャラも魅力たっぷりで、わたしとしては大変楽しめました。

 さて、何から書くか……。キャラ説明や簡単なストーリー概況は昨日の記事を見て下さい
 そうだ、まず、昨日書いた、事件に使われたメルセデス・ベンツの話からにしよう。
 ◆ベンツ「SL500」の謎。
 わたしは昨日、「SL500」についての違和感を書いたのだが、そのあとですぐに、Amazon Kindle版の試し読みで少し原文を読んでみたところ、明確に「SL500」と書いてあり、「セダン」であることも明記されていたので、間違いないようだ。しかし……「SL」の「セダン」はあり得ないんだけどな……メルセデスのセダンは、TOPグレードが「S」シリーズという奴で、昨日も書いた通り「S500L」ならあり得る。ただし、「SL」と「S」は明確にキャラクターが違う車で、「S」シリーズというものは、基本的には「運転手に運転させて自分はリアシートにどかっと座る」車だ。そして「SL」は、リッチなアメリカ人が自分で運転する車としては最高レベルの車で、おしゃれでもあり、確かに、本作で描かれたオーナーが自分で運転していても全く違和感はない。だから、「SL500」で間違いないはずだ。でも、セダンじゃないんだよな……。しかし作中で3人で乗るシーンがいくつかあるので、セダンでないと困るわけで、「SL」のような2シーターはあり得ないのだが……ま、これはマジで、US仕様の、2004年モデルにはわたしが知らない車種があったと思うしかなかろう。わたしがこだわっているのは、「SL」と「S」では車のキャラクターがまるで違うし、車重も結構違うはずなので、事件の被害規模も変わっちゃうんじゃないかな、と思ったからなのだが、ま、細かいことはどうでもいいか。
 いずれにせよ、メルセデスをはじめ、今現在はもう多くの車でもそうだが、暗号化されたチップを搭載した正規のキーがないと、エンジンがかからないのが現代の車だ。なので、不正規にドアを開けようとしただけで、警報が鳴り響くし(わたしの車も、ちょっと飛び上がるぐらいけたたましいホーンが鳴り響くのでビビる。おまけにすぐさま、携帯に「なにかありましたか!?」と電話がかかって来る)、エンジンも、アメリカ映画で良く見るスターター直結なんてことは、基本的に不可能なわけで、犯人は一体どうやってこの車を盗めたか、という点も一つのポイントとなる。ただ、この点は、ごくあっさり解かれるというか、ちょっとしたガジェットを使ったというだけで、特にトリックはないので、大きな驚きはないのだが、それよりも、盗まれたオーナーの主張を、誰も信じなかったという事実がわたしはかなりゾッとした。日本で、盗まれた車が多くの人をひき殺す犯罪に使われたら、その車のオーナーはこんなに叩かれるものだろうか? どうだろう、わたしは不謹慎ながら、秋葉原のあの痛ましい事件を思い出してしまったが、あれはたしかレンタカーだったよな……その時、なんであいつに車を貸したんだ!! というような、レンタカー会社を叩くような世論は出たんだっけ? 本作では、そういったオーナー叩きの世論を醸成するのに警察が手を貸してしまった的な流れで、それもあって、主人公ホッジスは贖罪の意味も込めて犯人探しに取り組むわけで、この流れは、非常に恐ろしい話だけど、説得力と言うか納得性は高かったように思う。
 ◆下巻で大活躍のホリー・ギブニー!!
 昨日は上巻について書いたので、登場しなかったのだが、下巻から登場するホリー(43歳だったっけ?)のキャラクターがとてもイイ。本格的に活躍し始めるのは下巻の後半以降だけれど、最初の登場時からは全く想像していなかった活躍ぶりでした。とあるキャラクターのまさかの退場で、代わって頑張るホリーは大変良かったです。彼女は、今後もシリーズに登場するみたいですな。今後の活躍を楽しみにしたいと思います。完全に『ミレニアム』シリーズのリスベット的な、社会不適合なパソコンに強い女性なので、わたしが読みながら脳内に想像したビジュアルイメージは、完全にNoomi Rapaceさんでした。ちょっと若すぎるか?
 ◆毒餌……まさかの展開!!
 上巻の最後の章は「毒餌」という章タイトルがついていて、下巻とまたぐ形になっている。そのタイトル通り、≪メルセデス・キラー≫が主人公ホッジスを苦しめるために、ホッジスの友達のジェロームの家が飼っているわんこに、毒入りハンバーグを喰わせて、苦しみながら死ぬ姿を見て、お前も苦しむがいい!! とひじょーに回りくどい邪悪な攻撃を仕掛けてくるのだが、これがなんとも意外な、えええっ!? という展開になってびっくりした。お前……何やってんだよ……ほんと、愚かな男ですな、犯人は。いやー、わんこが無事でよかったw
 ◆データ天国へ昇天……w
 わたしが今回、大変気に入ったフレーズがこれです。PC上のデータが完全に削除されている様子を表現したフレーズなのですが、わたしはやけにウケました。わたしは、こういうKing作品独特の表現が大好きなので、その点では、本作はもう完全にれっきとしたKing作品だといえると思う。他にも笑える表現がいろいろありました。これは、原文をあたって、英語表現を確認したいすね。わたしが今までのKing作品で一番好きなフレーズは、『ドリームキャッチャー』での「SSDD」とか(Same Shit Different Days=違う時代でもクソはクソ)とか、これも同じ『ドリームキャッチャー』だと思うけど、確か新潮文庫の日本語訳では、「参った参った、参ったバナナは目に染みる!」みたいな変な訳になっていて、原文を読んでみたら、「Jesus Bananas!」と実に簡単なフレーズだった。そしてこの言葉、珍映画として有名な映画版では、「そんなバナナ!」という字幕がついていて、なんて素晴らしい字幕なんだと思ったことがあります。わたしはこういう下品なフレーズがすごく好きで、日常会話でも「Jesus Bananas!」は超頻繁に使ってますw 本作冒頭部分の、ホッジスがテレビを観ながら思う下ネタバリバリの下品な表現は最高ですね。冒頭部分だけでも英語で読んで、わたしの全く役に立たないボキャブラリーを増やそうと思います。「射出速度は弾丸にも負けない」……笑える……英語でなんて言うんだろうか……w
 ◆上巻にあったネタ
 そう言えば昨日書き忘れてましたが、上巻に、2回、Kingの他の作品をネタに使った会話がありました。まず、上巻のP104にある「下水道にひそんでいるピエロの話のテレビ映画」は、もちろんKingファンなら誰でも知っている『It』のことだし、 もうひとつは、場所が思い出せないのだが、確か、『Christine』をネタにした部分があったと思う。まあ、だから何だと言われると何でもないのですが、最近、King作品は自作をネタにする場面をたまに見かけるような気がしますね。

 というわけで、まったく取り留めなく無駄な文章を書き連ねてしまったが、結論。
 わたしがこの世で最も愛する作家は、ダントツでStephen King氏である。そして日本語で読める最新作『ミスター・メルセデス』はやっぱり相当面白かった!!! と、昨日と全く同じ結論です。もしKingファンでまだ読んでいない方は、今すぐ読んで楽しむべきです。文庫まで待つ? それ……あんまり意味がないと思いますよ。たぶん、文庫まで待っても、文庫1000円として、上中下の3冊になれば3000円でしょ? 本書は2冊買って4000円弱。その差額1000円は、文庫化までの3年間(?)をすっ飛ばす特急料金ってことで、十分払う価値ありだと思います。置き場に困る? じゃあ、今週末配信開始の電子書籍でいいじゃないですか。文庫より場所は取りませんよ!! そして主人公ホッジスのビジュアルイメージですが、そういえば、意外とMichael Keaton氏なんかアリじゃね? と電撃的にひらめきました。年齢はちょうどいいし、太鼓腹になりつつあるし、どうでしょう、ちょっと顔が怖すぎるか……? 誰かこの役者がピッタリ、と思う方がいれば教えて下さい。以上。

↓ 今日も貼っておこう。実は、もう観たくて観たくてたまらない……。
 
そしてこちらの文庫は単行本が出てから3年経っての発売です。3分冊みたいすよ。最強面白いす。
スティーヴン・キング
文藝春秋
2016-10-07

スティーヴン・キング
文藝春秋
2016-10-07

スティーヴン・キング
文藝春秋
2016-10-07

 というわけで、わたしが超・楽しみにしていたStephen King氏による(日本語で読める)最新作、『Mr.Mercedes』を鋭意読んでいるわたしであるが、まあ、とにかくイイですな。これは面白い。
 現在、まだ下巻の半分辺りで、いよいよ物語はクライマックスへ突入しそうな予感がしているけれど、とにかく面白くて、1回の記事にしてしまうのはちょっともったいないので、先に、上巻についての備忘録を書いて、2回の連載記事にしようと思い、さっさと書き始めることにした。なるべくネタバレにしないようにするつもりだけど、ネタばれてたらサーセン。絶対ネタバレは嫌な方は、どうぞ立ち去ってください。
 しかしこの作品は、かなり今までのKing氏の作品と違うような気がするし、King初心者の方でも全く問題なく楽しめると思うな。今のところ、ですが。超・面白いっす。※ちなみに電子書籍はこの週末から配信開始だそうです。それまで待てず、わたしは紙の本を買いました。
ミスター・メルセデス 上
スティーヴン・キング
文藝春秋
2016-08-22

ミスター・メルセデス 下
スティーヴン・キング
文藝春秋
2016-08-22

 ちょっと、上に貼った画像ではわかりにくいから、先週このBlogに貼った、わたしが撮影した書影をもう一度、貼っておこう。
MrMerzedes
 というわけで、本作は、King氏初めての「3部作」であることは、もうとっくに明らかにされていて、おまけに、実際のところUS本国では既に第3部まで、刊行されて完結している。読んでいないから、「完結」してるのかは知らないけれど、まあそういうことです。
 そして、本作が、King氏初めての「捜査ミステリー」であることも、もう散々取り上げられているので、Kingファンにはお馴染みだろう。下巻の帯にも、上記写真に思いっきり書いてあるよね。
 ≪退職刑事VS卑劣な殺人鬼≫
 実際、物語はその通りだし、わたしも、読む前からその知識はあったので、わたしはその主人公たる≪退職刑事≫がメインで、捜査を行い、徐々に犯人を追い詰めるお話かと思っていた。それはそれで間違いないのだが、ちょっと違っていたのは、冒頭といってもいい70ページ目で、もう犯人が出てきて、どういう人間か分かって来ると言う点だ。まあ、ちょっと違うけれど、言ってみれば「刑事コロンボ」的というか、「古畑任三郎」的というか、要するに、我々読者は犯人を知りつつ、主人公と犯人の心理バトル(?)を味わうことができる構成になっている。ただし、「コロンボ」や「古畑」のように、直接お互い面と向かって話すことはなく、主人公はずっと犯人が何者か知らないまま、一方犯人は主人公を認識している、というハンデバトルになっているので、その意味ではちっとも「コロンボ」的でないし、「古畑」的でもない。また、古典的なハードボイルド小説のお約束である「一人称」でもなく、ある意味、「普通」のミステリーと言っていいような気がする。いかにもKing的なSupernatural要素もないし。ただ、ひとつ気付いた点としては、動詞の時制がほとんど現在形で、過去形での語りではないのは、これは……ミステリー小説の流儀なのかな? そこまでわたしは詳しくないのでわからんですが、ちょっと特徴ある文章のように思った。
 なので、Kingファン以外の方が読むと、実に普通に面白い小説、という評価で終わってしまいそうな気がするが、我々Kingファンには大変おなじみというか、わたしだけかもしれないがとにかく、キャラクターの会話に現れるDirty Wordsが最高なのです。そして、やはりキャラクターも最高だし、段々と主人公サイド・犯人サイドの話が積み重なって、とうとうそれが交わり、一気にクライマックスへ!! という流れは、やはりいつものKing節のような気がします。とにかく今は、まだ全部読み終わっていないので、「~ような気がする」としか書けないのだが、わたしとしては現状、超面白くてたまらない状態です。
 では、自分用備忘録として、物語の簡単な流れとキャラクターを4人だけ、紹介しておこう。あー、サーセン、ここから先はもうホントにネタバレなしで書く自信がありません。
 本作の冒頭に描かれるのは、就職フェアの開場を待つ失業者たちの列に、メルセデス・ベンツが突っ込み、多くの死傷者が出た事件の詳細だ。ここは非常にKing作品っぽいキャラクター造詣で、とてもイイ。いや、描かれている内容は気の毒な話なので、良くないんですけど。なお、本作は舞台となる街の明確な地名描写はなく(あったっけ?)、中西部としかわからない。いや、どうもシンシナティ、みたい(自信なし)。時は、これは冒頭に明記してあったが、2009年4月に起きた事件だそうだ。
 それから、これはまったくどうでもいいのだが、犯行に使われたメルセデスは、『SL500』の2004年モデル(事件の5年前に購入とあるのでたぶん2004年モデル)と書かれており、おまけに「セダン」という描写もある。これは、車の大好きなわたしにはかなり違和感があって、メルセデスの「SL」というのは車好きなら誰もが知っている、2シーターオープンカーなので、「セダン」という点で、わたしは「ん!?」と思った。メルセデスのセダンなら、「S」シリーズの恐らくはLongボディタイプの、「S500L」が正しいと思う。また、「V12気筒エンジン」という描写もあったが、SL500(あるいはS500L)はV8エンジンだと思うので、そこもちょっと「アレッ!?」と思った。V12気筒が正しいならSL600だし、セダンが正しいなら、SシリーズのLongボディのS600Lが正しいはずなんだが、まあ、まさかKingの編集チームがそんな些細なミスを残したままのわけはないと思うので、US仕様では別なのかな? と思うことにした。もちろん、白石先生の誤訳ということもまずあり得ないだろうし。なお、表紙カバーに描かれているのは、誰がどう見ても、作中に出てくる2004年モデルのSL500ではありえない。2004年モデルであれば、CクラスもEクラスもSLも、有名な「丸型ライト」の時代で、現行型とは全然ライトやフロントグリルの形が違う。強いて好意的に言えば、最新モデルの現行型のSL500には、ちょっと似てるけど、ま、文春の編集チェックはそんなもんだろうということで、別にどうでもいいや。
 そして場面は変わり(事件からどれぐらいの時間が経過したかは正確には良くわからない)、半年前に警察を退職した主人公の元に、≪メルセデス・キラー≫から手紙が届く。主人公が恐らくは最後に手掛けた重大犯罪で、未解決のまま退職したわけで、主人公にとって≪メルセデス・キラー≫は「やり残した」仕事なわけだ。そういった不完全燃焼な気持ちや、すっかり燃え尽きたような気持ちを日々抱え、退職後はもう何もやる気のなかった主人公は、自殺すら考えるほどの精神状態だったのだが、その手紙を読んで再び闘志を燃やし、ある意味生きがいを再び見出す事になってしまう。「なってしまう」、と書いたのは、その手紙で≪メルセデス・キラー≫は主人公を役立たずのゴミ人間と精神に傷をつけることで、さっさと自殺でもしちゃえよ、という意図で手紙を送りつけたわけで、つまりその意図と全く逆の効果をもたらしてしまったためだ。こんな感じに、冒頭から犯人のイカれ具合と実はたいして頭が良くない(?)点や、ホッジスのキャラクターが分かるような始まり方になっている。そしてその戦いは、基本的に頭脳バトルで、読みごたえはもうバッチリである。
 というわけで、重要キャラクターとして、その主人公と犯人、それから主人公を支える二人の人物、の合計4人を簡単に紹介しておこう。
 ◆ビル・ホッジス退職刑事:どうやらこの物語の現在時制は2010年らしいが、主人公ホッジスは62歳。太鼓腹。バツイチ。娘は30歳(元・妻も娘も一切登場しない)でサンフランシスコに住んでるらしい。極めて有能な刑事だった(らしい)。愛車はトヨタのおんぼろセダン。読んでいた時のわたしのビジュアルイメージでは、もうちょっと若くて、2014年に若くして亡くなってしまったPhillip Seymour Hoffman氏のような感じだったのだが、映像化するとしたら、誰が適役かなぁ……60代で太鼓腹でしょ……うーーん……下巻を読み終わるまでにまた考えておきます。
 ◆ブレイディ・ハーツフィールド:≪メルセデス・キラー≫として知られる異常者。ミスター・メルセデスとも呼ばれる。普段は全く普通の平凡な20代の若者で、とあるショッピングモールに勤務している。PCの出張修理だったり、アイスクリームの移動販売なんかを担当していて、街ではむしろ好青年だと思われている。が、超邪悪なイカれた精神の持ち主。わたしのビジュアルイメージは、どういうわけか最初からずっと、Nicolas Hoult君な感じ。『MADMAX』のニュート役だったり『X-MEN』のビーストだったり、現在とても人気の高い彼っすね。なんかピッタリだと思うな。イカレた男を演じるのもとても上手だし。
 ◆ジェローム・ロビンスン:ホッジスの近所に住む、唯一(?)の友人。まだ高校生。非常に性格が良く、大学もハーヴァードでもどこでも行けるほど頭が良い優等生。ホッジスのPCはいつも彼が直してくれるし、ホッジスの家の芝生が伸びてるな、と思うと、言われなくてもきっちり綺麗に刈ってくれる気が利く男で、黒人だけれど、そのことを別に気にしていない爽やかな未来ある若者。わたしのビジュアルイメージは、これまた理由は我ながらさっぱり不明だけれど、オリンピックで活躍したケンブリッジ飛鳥君なんだよな……。彼はほんと爽やかイケメンで性格も良さそうすよね。ジェロームにぴったりなイメージです。
 ◆ジャネル・パタースン:≪メルセデス・キラー≫が犯行に使ったベンツSL500の持ち主、の妹。姉であるベンツオーナーは、世間から「お前がベンツを盗まれたからあんな事件が起きたんだ!!」というバッシングにさらされてしまって、自殺してしまった。実はその自殺の裏には、犯人からの執拗な精神攻撃があり、姉の汚名を雪ぐために、ホッジスに捜査を依頼する。美人。44歳。バツイチ、子どもナシ(?)。わたしとしては、ぜひとも愛するCate Blanchettさまにこの役を演じていただきたい!! のだが、ちょっとイメージは違うかもな……。もうちょっと世慣れた、疲れた空気感があるので……20年前のKim Basingerさんあたりがピッタリなんだけどな……。

 というわけで、実はこの記事をちょこちょこ書きながらも読み進めていて、極めて大変なことが起きたり、超ヤバい展開がもうどんどん進行していて、イカン……もう今日の夜には読み終わっちゃいそうだ……頁をめくる手が止められない……もったいない……そして面白い……!!
 ※追記:というわけで今日の夜「下巻」も読み終わってしまった……「下巻」の記事はこちらへ。最高でした。

 というわけで、とりあえず現状の結論。
 わたしがこの世で最も愛する作家は、ダントツでStephen King氏である。そして日本語で読める最新作『ミスター・メルセデス』はやっぱり相当面白い!!! だけど、やっぱり、今までのKing作品とはかなり空気感が違いますな。Supernatural要素は今のところ全くなく、実にまっとうな、ド・ストレートのミステリーです。はあ……いま、クライマックス近くのどんどん作中テンポが速く加速しているところで、もう、ホントにページをめくる手が止まらないです!!! 以上。

↓ 現在、STAR-Chanelで鋭意放送中、ですが、わたしは観てません。つーか、愚かなことに第1回を録画しそこなっちゃった……ちくしょう……Blu-rayが出たら買うからいいもん!! 原作小説は、最強に面白いです。


あっ!? もう文庫出るんだ。単行本出たのはもう3年前か……もう文庫化の頃合いですな。文庫では(上)(中)(下)の3冊構成みたいすね。ふーん……。
スティーヴン・キング
文藝春秋
2016-10-07

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