はあ……もうページをめくる手が止まらなくて……読み終わってしまった……次がもう楽しみすぎてつらい……。何の話かって? そんなの『Mr. Mercedes』の話に決まってますよ。木曜日の夜から、ちょっとずつちょっとずつ、と思いながら読んでいたのに、昨日の火曜日の夜、読み終わってしまった……。以下、ネタバレがかなりあると思うので、ネタバレが絶対に困る人は、今すぐ立ち去ってください。サーセン。いや、だってネタバレせずに書けっこないすよ。
というわけで、わたしが最も好きな作家であるStephen King氏による、日本語で読める最新刊、『ミスター・メルセデス』の下巻も読み終わってしまった。結論から言うと、もちろん面白くて最高だったものの、正直に告白するが、『11/22/63』的なラストの感動(?)のようなものだったり、『Under the DOME』的なラストの超すっきり感(?)のようなものは若干薄くはあった。
まあ、それもある意味当然の話で、今回の作品は今までよりもスピーディーな展開だし(時間経過も短い)、敵キャラも意外と弱く、主人公は孤独ではなく味方がいるので、いつものような、一人で戦う主人公が、これでもかという超絶ピンチにズタボロになるわけではなかった。いつものKing作品の主人公は、もう本当に読んでいてつらいほど、心身ともにズタボロになり、もうやめたげてーー!! と言いたくなるくらいにひどい目に遭うので、その点では、Kingファンには不足を感じても、普通のミステリー愛好家には標準的だったのかもしれない。良くわからないけど。まあ、その分、サブキャラも魅力たっぷりで、わたしとしては大変楽しめました。
さて、何から書くか……。キャラ説明や簡単なストーリー概況は昨日の記事を見て下さい。
そうだ、まず、昨日書いた、事件に使われたメルセデス・ベンツの話からにしよう。
◆ベンツ「SL500」の謎。
わたしは昨日、「SL500」についての違和感を書いたのだが、そのあとですぐに、Amazon Kindle版の試し読みで少し原文を読んでみたところ、明確に「SL500」と書いてあり、「セダン」であることも明記されていたので、間違いないようだ。しかし……「SL」の「セダン」はあり得ないんだけどな……メルセデスのセダンは、TOPグレードが「S」シリーズという奴で、昨日も書いた通り「S500L」ならあり得る。ただし、「SL」と「S」は明確にキャラクターが違う車で、「S」シリーズというものは、基本的には「運転手に運転させて自分はリアシートにどかっと座る」車だ。そして「SL」は、リッチなアメリカ人が自分で運転する車としては最高レベルの車で、おしゃれでもあり、確かに、本作で描かれたオーナーが自分で運転していても全く違和感はない。だから、「SL500」で間違いないはずだ。でも、セダンじゃないんだよな……。しかし作中で3人で乗るシーンがいくつかあるので、セダンでないと困るわけで、「SL」のような2シーターはあり得ないのだが……ま、これはマジで、US仕様の、2004年モデルにはわたしが知らない車種があったと思うしかなかろう。わたしがこだわっているのは、「SL」と「S」では車のキャラクターがまるで違うし、車重も結構違うはずなので、事件の被害規模も変わっちゃうんじゃないかな、と思ったからなのだが、ま、細かいことはどうでもいいか。
いずれにせよ、メルセデスをはじめ、今現在はもう多くの車でもそうだが、暗号化されたチップを搭載した正規のキーがないと、エンジンがかからないのが現代の車だ。なので、不正規にドアを開けようとしただけで、警報が鳴り響くし(わたしの車も、ちょっと飛び上がるぐらいけたたましいホーンが鳴り響くのでビビる。おまけにすぐさま、携帯に「なにかありましたか!?」と電話がかかって来る)、エンジンも、アメリカ映画で良く見るスターター直結なんてことは、基本的に不可能なわけで、犯人は一体どうやってこの車を盗めたか、という点も一つのポイントとなる。ただ、この点は、ごくあっさり解かれるというか、ちょっとしたガジェットを使ったというだけで、特にトリックはないので、大きな驚きはないのだが、それよりも、盗まれたオーナーの主張を、誰も信じなかったという事実がわたしはかなりゾッとした。日本で、盗まれた車が多くの人をひき殺す犯罪に使われたら、その車のオーナーはこんなに叩かれるものだろうか? どうだろう、わたしは不謹慎ながら、秋葉原のあの痛ましい事件を思い出してしまったが、あれはたしかレンタカーだったよな……その時、なんであいつに車を貸したんだ!! というような、レンタカー会社を叩くような世論は出たんだっけ? 本作では、そういったオーナー叩きの世論を醸成するのに警察が手を貸してしまった的な流れで、それもあって、主人公ホッジスは贖罪の意味も込めて犯人探しに取り組むわけで、この流れは、非常に恐ろしい話だけど、説得力と言うか納得性は高かったように思う。
◆下巻で大活躍のホリー・ギブニー!!
昨日は上巻について書いたので、登場しなかったのだが、下巻から登場するホリー(43歳だったっけ?)のキャラクターがとてもイイ。本格的に活躍し始めるのは下巻の後半以降だけれど、最初の登場時からは全く想像していなかった活躍ぶりでした。とあるキャラクターのまさかの退場で、代わって頑張るホリーは大変良かったです。彼女は、今後もシリーズに登場するみたいですな。今後の活躍を楽しみにしたいと思います。完全に『ミレニアム』シリーズのリスベット的な、社会不適合なパソコンに強い女性なので、わたしが読みながら脳内に想像したビジュアルイメージは、完全にNoomi Rapaceさんでした。ちょっと若すぎるか?
◆毒餌……まさかの展開!!
上巻の最後の章は「毒餌」という章タイトルがついていて、下巻とまたぐ形になっている。そのタイトル通り、≪メルセデス・キラー≫が主人公ホッジスを苦しめるために、ホッジスの友達のジェロームの家が飼っているわんこに、毒入りハンバーグを喰わせて、苦しみながら死ぬ姿を見て、お前も苦しむがいい!! とひじょーに回りくどい邪悪な攻撃を仕掛けてくるのだが、これがなんとも意外な、えええっ!? という展開になってびっくりした。お前……何やってんだよ……ほんと、愚かな男ですな、犯人は。いやー、わんこが無事でよかったw
◆データ天国へ昇天……w
わたしが今回、大変気に入ったフレーズがこれです。PC上のデータが完全に削除されている様子を表現したフレーズなのですが、わたしはやけにウケました。わたしは、こういうKing作品独特の表現が大好きなので、その点では、本作はもう完全にれっきとしたKing作品だといえると思う。他にも笑える表現がいろいろありました。これは、原文をあたって、英語表現を確認したいすね。わたしが今までのKing作品で一番好きなフレーズは、『ドリームキャッチャー』での「SSDD」とか(Same Shit Different Days=違う時代でもクソはクソ)とか、これも同じ『ドリームキャッチャー』だと思うけど、確か新潮文庫の日本語訳では、「参った参った、参ったバナナは目に染みる!」みたいな変な訳になっていて、原文を読んでみたら、「Jesus Bananas!」と実に簡単なフレーズだった。そしてこの言葉、珍映画として有名な映画版では、「そんなバナナ!」という字幕がついていて、なんて素晴らしい字幕なんだと思ったことがあります。わたしはこういう下品なフレーズがすごく好きで、日常会話でも「Jesus Bananas!」は超頻繁に使ってますw 本作冒頭部分の、ホッジスがテレビを観ながら思う下ネタバリバリの下品な表現は最高ですね。冒頭部分だけでも英語で読んで、わたしの全く役に立たないボキャブラリーを増やそうと思います。「射出速度は弾丸にも負けない」……笑える……英語でなんて言うんだろうか……w
◆上巻にあったネタ
そう言えば昨日書き忘れてましたが、上巻に、2回、Kingの他の作品をネタに使った会話がありました。まず、上巻のP104にある「下水道にひそんでいるピエロの話のテレビ映画」は、もちろんKingファンなら誰でも知っている『It』のことだし、 もうひとつは、場所が思い出せないのだが、確か、『Christine』をネタにした部分があったと思う。まあ、だから何だと言われると何でもないのですが、最近、King作品は自作をネタにする場面をたまに見かけるような気がしますね。
というわけで、まったく取り留めなく無駄な文章を書き連ねてしまったが、結論。
わたしがこの世で最も愛する作家は、ダントツでStephen King氏である。そして日本語で読める最新作『ミスター・メルセデス』はやっぱり相当面白かった!!! と、昨日と全く同じ結論です。もしKingファンでまだ読んでいない方は、今すぐ読んで楽しむべきです。文庫まで待つ? それ……あんまり意味がないと思いますよ。たぶん、文庫まで待っても、文庫1000円として、上中下の3冊になれば3000円でしょ? 本書は2冊買って4000円弱。その差額1000円は、文庫化までの3年間(?)をすっ飛ばす特急料金ってことで、十分払う価値ありだと思います。置き場に困る? じゃあ、今週末配信開始の電子書籍でいいじゃないですか。文庫より場所は取りませんよ!! そして主人公ホッジスのビジュアルイメージですが、そういえば、意外とMichael Keaton氏なんかアリじゃね? と電撃的にひらめきました。年齢はちょうどいいし、太鼓腹になりつつあるし、どうでしょう、ちょっと顔が怖すぎるか……? 誰かこの役者がピッタリ、と思う方がいれば教えて下さい。以上。
↓ 今日も貼っておこう。実は、もう観たくて観たくてたまらない……。
というわけで、わたしが最も好きな作家であるStephen King氏による、日本語で読める最新刊、『ミスター・メルセデス』の下巻も読み終わってしまった。結論から言うと、もちろん面白くて最高だったものの、正直に告白するが、『11/22/63』的なラストの感動(?)のようなものだったり、『Under the DOME』的なラストの超すっきり感(?)のようなものは若干薄くはあった。
まあ、それもある意味当然の話で、今回の作品は今までよりもスピーディーな展開だし(時間経過も短い)、敵キャラも意外と弱く、主人公は孤独ではなく味方がいるので、いつものような、一人で戦う主人公が、これでもかという超絶ピンチにズタボロになるわけではなかった。いつものKing作品の主人公は、もう本当に読んでいてつらいほど、心身ともにズタボロになり、もうやめたげてーー!! と言いたくなるくらいにひどい目に遭うので、その点では、Kingファンには不足を感じても、普通のミステリー愛好家には標準的だったのかもしれない。良くわからないけど。まあ、その分、サブキャラも魅力たっぷりで、わたしとしては大変楽しめました。
さて、何から書くか……。キャラ説明や簡単なストーリー概況は昨日の記事を見て下さい。
そうだ、まず、昨日書いた、事件に使われたメルセデス・ベンツの話からにしよう。
◆ベンツ「SL500」の謎。
わたしは昨日、「SL500」についての違和感を書いたのだが、そのあとですぐに、Amazon Kindle版の試し読みで少し原文を読んでみたところ、明確に「SL500」と書いてあり、「セダン」であることも明記されていたので、間違いないようだ。しかし……「SL」の「セダン」はあり得ないんだけどな……メルセデスのセダンは、TOPグレードが「S」シリーズという奴で、昨日も書いた通り「S500L」ならあり得る。ただし、「SL」と「S」は明確にキャラクターが違う車で、「S」シリーズというものは、基本的には「運転手に運転させて自分はリアシートにどかっと座る」車だ。そして「SL」は、リッチなアメリカ人が自分で運転する車としては最高レベルの車で、おしゃれでもあり、確かに、本作で描かれたオーナーが自分で運転していても全く違和感はない。だから、「SL500」で間違いないはずだ。でも、セダンじゃないんだよな……。しかし作中で3人で乗るシーンがいくつかあるので、セダンでないと困るわけで、「SL」のような2シーターはあり得ないのだが……ま、これはマジで、US仕様の、2004年モデルにはわたしが知らない車種があったと思うしかなかろう。わたしがこだわっているのは、「SL」と「S」では車のキャラクターがまるで違うし、車重も結構違うはずなので、事件の被害規模も変わっちゃうんじゃないかな、と思ったからなのだが、ま、細かいことはどうでもいいか。
いずれにせよ、メルセデスをはじめ、今現在はもう多くの車でもそうだが、暗号化されたチップを搭載した正規のキーがないと、エンジンがかからないのが現代の車だ。なので、不正規にドアを開けようとしただけで、警報が鳴り響くし(わたしの車も、ちょっと飛び上がるぐらいけたたましいホーンが鳴り響くのでビビる。おまけにすぐさま、携帯に「なにかありましたか!?」と電話がかかって来る)、エンジンも、アメリカ映画で良く見るスターター直結なんてことは、基本的に不可能なわけで、犯人は一体どうやってこの車を盗めたか、という点も一つのポイントとなる。ただ、この点は、ごくあっさり解かれるというか、ちょっとしたガジェットを使ったというだけで、特にトリックはないので、大きな驚きはないのだが、それよりも、盗まれたオーナーの主張を、誰も信じなかったという事実がわたしはかなりゾッとした。日本で、盗まれた車が多くの人をひき殺す犯罪に使われたら、その車のオーナーはこんなに叩かれるものだろうか? どうだろう、わたしは不謹慎ながら、秋葉原のあの痛ましい事件を思い出してしまったが、あれはたしかレンタカーだったよな……その時、なんであいつに車を貸したんだ!! というような、レンタカー会社を叩くような世論は出たんだっけ? 本作では、そういったオーナー叩きの世論を醸成するのに警察が手を貸してしまった的な流れで、それもあって、主人公ホッジスは贖罪の意味も込めて犯人探しに取り組むわけで、この流れは、非常に恐ろしい話だけど、説得力と言うか納得性は高かったように思う。
◆下巻で大活躍のホリー・ギブニー!!
昨日は上巻について書いたので、登場しなかったのだが、下巻から登場するホリー(43歳だったっけ?)のキャラクターがとてもイイ。本格的に活躍し始めるのは下巻の後半以降だけれど、最初の登場時からは全く想像していなかった活躍ぶりでした。とあるキャラクターのまさかの退場で、代わって頑張るホリーは大変良かったです。彼女は、今後もシリーズに登場するみたいですな。今後の活躍を楽しみにしたいと思います。完全に『ミレニアム』シリーズのリスベット的な、社会不適合なパソコンに強い女性なので、わたしが読みながら脳内に想像したビジュアルイメージは、完全にNoomi Rapaceさんでした。ちょっと若すぎるか?
◆毒餌……まさかの展開!!
上巻の最後の章は「毒餌」という章タイトルがついていて、下巻とまたぐ形になっている。そのタイトル通り、≪メルセデス・キラー≫が主人公ホッジスを苦しめるために、ホッジスの友達のジェロームの家が飼っているわんこに、毒入りハンバーグを喰わせて、苦しみながら死ぬ姿を見て、お前も苦しむがいい!! とひじょーに回りくどい邪悪な攻撃を仕掛けてくるのだが、これがなんとも意外な、えええっ!? という展開になってびっくりした。お前……何やってんだよ……ほんと、愚かな男ですな、犯人は。いやー、わんこが無事でよかったw
◆データ天国へ昇天……w
わたしが今回、大変気に入ったフレーズがこれです。PC上のデータが完全に削除されている様子を表現したフレーズなのですが、わたしはやけにウケました。わたしは、こういうKing作品独特の表現が大好きなので、その点では、本作はもう完全にれっきとしたKing作品だといえると思う。他にも笑える表現がいろいろありました。これは、原文をあたって、英語表現を確認したいすね。わたしが今までのKing作品で一番好きなフレーズは、『ドリームキャッチャー』での「SSDD」とか(Same Shit Different Days=違う時代でもクソはクソ)とか、これも同じ『ドリームキャッチャー』だと思うけど、確か新潮文庫の日本語訳では、「参った参った、参ったバナナは目に染みる!」みたいな変な訳になっていて、原文を読んでみたら、「Jesus Bananas!」と実に簡単なフレーズだった。そしてこの言葉、珍映画として有名な映画版では、「そんなバナナ!」という字幕がついていて、なんて素晴らしい字幕なんだと思ったことがあります。わたしはこういう下品なフレーズがすごく好きで、日常会話でも「Jesus Bananas!」は超頻繁に使ってますw 本作冒頭部分の、ホッジスがテレビを観ながら思う下ネタバリバリの下品な表現は最高ですね。冒頭部分だけでも英語で読んで、わたしの全く役に立たないボキャブラリーを増やそうと思います。「射出速度は弾丸にも負けない」……笑える……英語でなんて言うんだろうか……w
◆上巻にあったネタ
そう言えば昨日書き忘れてましたが、上巻に、2回、Kingの他の作品をネタに使った会話がありました。まず、上巻のP104にある「下水道にひそんでいるピエロの話のテレビ映画」は、もちろんKingファンなら誰でも知っている『It』のことだし、 もうひとつは、場所が思い出せないのだが、確か、『Christine』をネタにした部分があったと思う。まあ、だから何だと言われると何でもないのですが、最近、King作品は自作をネタにする場面をたまに見かけるような気がしますね。
というわけで、まったく取り留めなく無駄な文章を書き連ねてしまったが、結論。
わたしがこの世で最も愛する作家は、ダントツでStephen King氏である。そして日本語で読める最新作『ミスター・メルセデス』はやっぱり相当面白かった!!! と、昨日と全く同じ結論です。もしKingファンでまだ読んでいない方は、今すぐ読んで楽しむべきです。文庫まで待つ? それ……あんまり意味がないと思いますよ。たぶん、文庫まで待っても、文庫1000円として、上中下の3冊になれば3000円でしょ? 本書は2冊買って4000円弱。その差額1000円は、文庫化までの3年間(?)をすっ飛ばす特急料金ってことで、十分払う価値ありだと思います。置き場に困る? じゃあ、今週末配信開始の電子書籍でいいじゃないですか。文庫より場所は取りませんよ!! そして主人公ホッジスのビジュアルイメージですが、そういえば、意外とMichael Keaton氏なんかアリじゃね? と電撃的にひらめきました。年齢はちょうどいいし、太鼓腹になりつつあるし、どうでしょう、ちょっと顔が怖すぎるか……? 誰かこの役者がピッタリ、と思う方がいれば教えて下さい。以上。
↓ 今日も貼っておこう。実は、もう観たくて観たくてたまらない……。
そしてこちらの文庫は単行本が出てから3年経っての発売です。3分冊みたいすよ。最強面白いす。