タグ:ジェニファー・ジェイソン・リー

 さんざん、何度もこのBlogで、わたしは映画オタクを名乗っているし、わたしの周りの人々からも、ああ、アイツは映画に異常に詳しい、もはや気持ち悪いぐらい何でも知ってる奴だな、と認識されているのは事実だが、そんなわたしでも、当然、世の映画を全て観ているわけではなく、意外と有名な映画でも、スルーしている場合が何気に多い。
 というわけで、先日、わたしが見逃していて、いつか観てえなあ、と思っていた映画がWOWOWで放送されたので、おっと、なんで今頃放送されるんだろう? と思いつつ、録画し、昨日の夜、ぼんやり観てみたわけである。
  その映画のタイトルは、『The Machinist』。日本公開タイトルはそのまま『マシニスト』というサスペンス(?)映画である。2004年の作品なので(日本公開は2005年だったらしい)、もう10年以上前の作品であるため、超今更なのだが、わたしはずっと観たいと思っていてその機会がなく、今回初めて観てみた。そして、結構面白くて、ははあ、なるほど、これはよく出来ている、と大変楽しんだわけで、やっぱりわたしが観てない面白い映画はいっぱいあるんだなーと、当たり前のことを改めて認識した次第である。

 ここに貼り付けた動画は、ちょっと出自が不明でひょっとしたら違法動画かもしれないけれど、まあ予告編だし、10年以上前の作品だし、まあいいか、と思ったので貼っておきます。
  この予告を見れば、タイトルからすぐに思い出せなくても、「ああ、Christian Baleが超ガリッガリにダイエットして話題になったアレか!!」と思い出す人も多いだろう。そう、アレです。そしてどうでもいいけど予告の最後に出てくるURLは、さっきブラウザに打ち込んでみたらもう存在していなくて、なんかへんなサラ金サイトにつながるので、やめといたほうがいいですよ。
 あと、この予告には「体重49Kg」とまで出てくるけど、映画本編では、確か119ポンド(=54.0kgと字幕では出てた)までしか痩せていないので、予告詐欺ですな。ちなみに、体重54kgは、現在のわたしと同じなので、結構わたし的には、なんだ、普通じゃんと思ってしまったのだが、先ほど調べてみたところBale氏は身長183cmらしいので、わたしより11cm背が高いため、わたしと同等に考えることは不可能なわけで、確かにもう、ビジュアル的にガリッガリで、どうしちゃったんだこの人、と心配になるレベルのやせ方であった。それと、わたしは、だんだん痩せていく、つまりわたしの愛するStephen King氏の『痩せゆく男』的なお話なのかな? と思っていたけれど、実はちょっとだけ似ている、けど、全然違ってました。

 で。物語を簡単に説明しておくと、タイトルの「マシニスト」とは、カタカナで読むとなんのこっちゃ? とすぐに意味が理解できないかもしれないが、英語で「The Machinist」と見れば分かる通り、「機械工(=マシーンを扱う人)」のことである。主人公は、町工場に勤める機械工で、冒頭からもうガリガリ君である。どうやら不眠症らしく、毎夜通う空港のカフェの仲のいいウェイトレス(いや、仲のいい娼婦に語るんだったかな?)に語るところによると、もう1年、眠っていないらしい。そんな不眠症の機械工だが、きちんと家賃は払っているし、やたらとメモを取る几帳面な男で、仕事もちゃんと真面目にこなしている。が、ある日、休憩で自分の車でタバコを吸っていると、見慣れない男に声をかけられる。なんでも、ずっと前から同じ工場で働いてるらしいのだが、まったく見覚えはない。そしてこの男と出会ってから、主人公の回りには不可解なことが起こり始め、主人公の精神はどんどん削られていき――てなお話で、ポイントは、いったい主人公は何故眠れないのか、謎の男は何者なのか、そして、主人公の身の回りに起こる出来事は果たして現実なのか? ということになる。
 わたしは、これってまさか、夢オチで終わるんじゃねえだろうな……!? と、中盤からどんどん心配になってきたが、最終的には意外と現実的な、ああ、そういうことだったんですね、というはっきりした結末が待っていたので、わたしとしては非常にすっきりした。あれっ!? これもネタバレかな? まあいいや。
 ある意味、『Memento』チックな展開だけれど、普通の男の普通の毎日が舞台なので、妙に生活感漂っていて、そこがやけリアルなので、そこに加わる不思議な現象がとても浮き立って、なんだか観ていて非常に不安感が煽られる物語になっている。ただ、結末知った今、物語を思い出して観ると、じゃあ、あそこのシーンって……と、いろいろ説明しがたい不思議な脚本なので、若干の破綻もなくはないような気もするが、わたしとしては、見終わったときに感じた、非常に面白い映画だったという結論は変えないでおきたい。
 
 というわけで、物語はきっちりと計算されて練りこまれており、脚本は大変クオリティが高いと思う。また、撮影も演出も、想像していたよりもずっとレベルは高く、かなりイイ。また、音楽の使い方も巧妙で、なにかヒントになるようなことや、不可思議現象が起きたときに、必ず流れる曲(というか音?)も、大変使い方が上手だと感じた。なんかですね、ゲームっぽいんだな。なにかアイテムをGetしたときとか、手がかりを得た時にゲームだと、それと分かるような音が流れますよね。あの雰囲気に非常に似ているように感じられた。
 この監督と音楽は誰なんだろうと、さっき調べてみたが、わたしの知らない方で、まず監督だがBrad Anderson氏は、まあ、それなりに作品を発表しているようだがわたしはどうも1本も観たことがない監督らしい。音楽を担当したのは、Roque Banos氏という方で、スペイン人の作曲家で数多くの作品を担当しているようだが、はやりわたしの知らない方であった。どうもホラー系が得意な方っぽいですな。そう、本作は、舞台はLAのようだが、撮影はスペインで行っているらしく、スペインとアメリカの合作らしい。どういう経緯なのかさっぱり分からんけれど、まあそういうことだそうです。
 で、役者に関しては、もう主役のChristian Bale氏は説明不要だろう。なので、別の役者を紹介したいのだが、わたしの知っている役者は主役以外には2人しかいなかった。まず、主人公が癒しを求める中年娼婦を演じたのが、Jennifer Jason Leighさん。撮影当時、えーと、42歳ぐらいかな? この方は若い頃から散々いろいろな映画で観ているけれど、若い頃から脱ぎっぷりが良かったけれど、なんとこの映画でも脱いでます。ちょっと驚いた。最近では、Tarantino監督の『The Hateful Eight』にも出てました。元気に活躍中すね。
 もう一人は、主人公のうっかりミスで旋盤に腕を巻き込まれて、腕をなくしてしまうベテラン機械工を演じたMichael Ironside氏66歳。わたしはこの人を80年代からずっと知ってて、顔に非常に特徴があるので、一発で分かった。この人といえば真っ先に思い出すのがDavid Croneberg監督の名作『Scanners』ですよ。あの、強力なスキャナー、ダリル・レボックを演じたあの人ですね。あー懐かしい。あの映画は、1981年公開で、わたしはたしか千葉まで観に行ったなあ。まだちゃんとパンフレット持ってます。しかしもう36年前か……遠い昔の話ですなあ……。Ironside氏はその後、『TOPGUN』とか『TOTALL RECALL』なんかにも出てたけど、そういや最近はすっかり見かけないすね。元気にやっているといいのだが。

 というわけで、結論。
 とにかくこの映画は、Christian Bale氏の激ヤセ・ダイエットばかりが話題になっていたが、確かにそのビジュアルもショッキングではあるけれど、演出・脚本・撮影・音楽とも、非常にレベルの高い作品であった。US本国での評価はどうだったのだろう、と、さきほどRotten Tomatoesをチェックしてみたところ、まずまずの評価なので、世間的にもこの映画の評価は悪くないようである。上映時間100分ほどと短いので、観ていない方には結構おススメです。インターネッツにあふれる世のレビューはひどいものがあるようだけど、まあ、ズバリ無視していいと思います。わたしは大変面白かったす。以上。

↓ これっすね。今観ると相当古いけれど、36年前に観たとき、わたしは大興奮して、ずいぶん長いこと、この映画をネタにしたギャグをやってました。腕の血管を浮き上がらせて「スキャナーズ!!」とかw バカなガキでしたw
スキャナーズ リストア版 [Blu-ray]
スティーヴン・ラック
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2013-05-10

 

 昨日は第88回アカデミー賞授賞式が執り行われたわけだが、今日は3月1日という事で日本ではいわゆる「ファースト・デー」として、映画が1,100円で観られるお得な日である。わたしも、そりゃあ安く観られるに越したことはないわけで、さて今日はなんか観て帰るかと昼頃仕事をサボってTOHOシネマズのWebサイトをチェックしていたところ、ちょっと時間が合うか微妙だし、上映時間も168分と長いので、どうしようかしら……と30秒ほど悩んで、まあやっぱりコイツにしようと決めた。
 というわけで、今日わたしが観てきた映画は、『The Hateful Eight』である。

 監督は映画好きにはお馴染みの、Quentin Tarantino氏である。何気にまだ監督作品が今回で8本目(※KILL BILLは1本でカウント)と、多いか少ないかで言えば、まあ少ないと言っていいと思うが、日本大好きの映画オタク野郎がそのままおっさんになった感じの愉快なメリケン人映画監督である。ただし、その作風はかなり独特であり、基本血まみれ、そして若干複雑な、過去と現在が入れ子構造になったような物語や群像劇が得意技(?)で、キャラクターが延々無駄話をしゃべり倒す特徴がある(全作ではないけど)。なので、映画オタクでも、大ファンを公言する人もいれば、ちょっとね……と敬遠する方もいるだろう。ま、それはどんな監督でも同じか。わたしが言いたいのは、一部熱狂的ファンを抱えている監督だという事なのだが、実のところ、わたしは作品によってかなり評価はバラバラである。
 まだ8作品しか監督していないので、ちょっと一覧にしてみよう。
 1992年『Reservoir Dogs』:劇場で観たとき、こりゃあ凄い才能だぞ、と興奮した。面白い。
 1994年『Pulp Fiction』:この映画はコメディーでいいんだよね? 笑えるという方向で面白い。
 1997年『Jackie Brown』:わたし的には、うーん……。飽きてきた。
 2003年『KILL BILL Vol.1』:かなり飽きてきた。なんというか、笑えなくなってきた。
 2004年『KILL BILL Vol.2』:惰性で観に行った。完全に飽きた。
 2007年『Death Proof』:とうとう劇場に行かなくなった。WOWOWで鑑賞。うーん……。
 2009年『Inglourious Basterds』:劇場に観に行かなかったことを後悔。超イイ。面白い!!
 2012年『Django Unchained』:期待していたほど、ではなかったけど十分以上に面白い。
 というように、最初の『Resevoir Dogs』の衝撃は凄かったけれど、段々評価が下がって、『Inglourious Basterds』でわたし的評価は復活した感じである。なので、今回の『The Hateful Eight』は果たしてどんな塩梅でしょうか、と若干期待は抑えめに、恐る恐る観に行った次第である。
 物語は、吹雪の山中に出会った8人の男女の密室サスペンス、というようなプロモーションだったので、わたしは、ははあ、これはきっと白戸三平先生の名作『カムイ外伝』の「暗鬼」に似た話かな、と勝手に推測していた。
 どうせ誰も知らないだろうし、読もうとも思わないだろうからネタバレで書きますが、その『カムイ外伝』の「暗鬼」とは、こういうお話です。
 抜け忍カムイは、刺客に追われる終わりのない逃避行を続けている。ある時、大雨で増水した川を渡れず、とある小屋で数人の旅人(子供・女性・お百姓さん・武士)と水位が落ち着くまで過ごすことになるのだが、カムイは、誰かが自分を狙っている刺客だと思い、誰一人信じずにいる。そして旅人たちは事故や病気で一人また一人と死んでしまうのだが、実は結局刺客などはおらず、むしろ親切で善良な人々だった。最後にずっと無害だと思っていた犬が、実は忍犬で襲ってきて、その犬を倒した後、カムイは自らの敵は、自分自身の心に巣食う暗鬼だったのだ、ということに気付く。ラスト、「その気になれば、あの中の何人かは救えたものを、おいらは……」というカムイの哀しい独白で終わる。わたしとしてはアニメ版も素晴らしくて超名作だと思っているが、今回の『The Hateful Eight』は、結論としては、ほんのちょっとだけ、似ている物語であった。
 ただし、趣は全く違う。明確に悪党がいて、仕組まれた罠であるので、カムイ外伝とは別物というべきかもしれない。が、正直、そのネタばらしが回想として描かれて以降は、はっきり言ってキレが悪く、なんというか残尿感があるというか、なんともだらだら感があって、どうもスッキリ感が薄れてしまったのが実に残念だ。
 ズバリ、長すぎる。50分ぐらい削って、110分程にまとめて、緩急をきっちりつければ良かったのにね、というのがわたしの感想である。今回も、Tarantino監督らしい無駄話シーンがあって、残念ながらわたしはもう飽きた。やはり、どうしてもテンションが続かないというか、キレがないというか、とにかくキレが悪い。また、今回もかなりの血まみれ映画になるので、苦手な人は心して観に行っていただきたい。
 さて。俳優陣は豪華である。いっぱいいるので、今回は4人に絞って書こう。
 まずは、わたしのあまり好きではないSamuel L. Jackson御大。パンフレットによると、今回、70mmフィルムを使った理由の一つとして、クローズアップを効果的に使うため、とTarantino監督は語っているが、「特に、Samuel L. Jacksonの目をドラマチックに切り取ったよ」とのことである。実際、御大の眼力は今回非常に印象的である。わたしは、なんかに似てるんだよなーと思いながら見ていたが、すぐに、あれだ!! と思い至った。あれですよ、ウルトラセブンの忠実な僕(?)、カプセル怪獣の「ミクラス」ですよ。↓これね。
mikurasu
 どうですか、Samuel御大に似ていないですか? 御大はまあTarantino作品の常連と言っていいと思うが、今回も存在感バリバリの堂々とした演技でありました。とにかく、今回の注目点は御大の眼力ですね。
 次。一人、わたし的に、ああ久し振りにこの人を観たな、と思ったのがMichael Madsen氏である。この人は、わたしにとっては『Resevoir Dogs』のMr.ブロンドでお馴染みですね。あの、警官を拷問するおっかない人です。その後もTarantino作品にはちらほら出ているけど、なんとなく久しぶりに観たような気がします。だいぶ歳を取りましたなあ……。
 それから、John Carpenter作品で80年代に大活躍したKurt Russel氏も、やっぱり久しぶりにスクリーンで観たような気がする。吹雪の中、離れた便所にロープを張って移動する姿は『The Thing(邦題:遊星からの物体X)』の南極基地を思い出させますね。すっかり恰幅良く、でっぷりしてしまったけれど、80年代の彼は本当にカッコ良かった。今回の貫禄ある賞金稼ぎの役は、作中では実は一番いい人なんじゃないかという気がしたけど、ネタバレかな、これは。ま、いいや。
 最後は女優です。この映画には、これまた、しつこいけど久しぶりに観る女優が出演していた。その名もJennifer Jason Leighさん54歳。彼女と言えば、わたしにとってはもう、80年代に当時の映画少年がもれなく興奮した映画『The First Times at Ridgemont High(邦題:初体験リッジモントハイ)』でのヒロインを演じたことでお馴染みで、その後演技派として90年代も様々映画に出て活躍されていたが、今回の演技でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、きっちりとその存在感を示してくれました。受賞はできなかったけど、素晴らしい演技だったと思う。
 あと一人、実は一番の悪党を演じた男がいるのだが、どうも彼のことはネタバレになるようなので、触れないでおきます。パンフレットでも、ほぼカレについて触れられていない。わたしは冒頭のクレジットでその役者(←知りたい人はクリックして)の名前があったのに、全然出て来ないので、んん? と思いながら観ていたのだが、突然の登場でちょっと驚いた。伏線がまったくなく(ジェリービーンズ以外にあったかな?)、わたしとしてはかなり唐突だったと思う。なので、その点も非常にもったいないというか、もうチョイ、何らかのヒントがあった方が面白かったのにね、というのが今回の結論です。誰のことをわたしが言っているのか、たぶん観れば一発で分かると思います。

 というわけで、結論。
 ええと、どうなんだろう、この映画、万人受けはきっとしないと思う、けれど、Tarantinoファンなら必見なのだろうか? わたしは……まあ、観て損はないし、せっかく70mmフィルムで撮影された映像は劇場でないと堪能できないと思うが……うーん、評価が難しい。まあ、気になる方は、ぜひ劇場でTarantinoワールドを堪能してください。わたしならこの映画、110分にまとめると思います。と、いつもの言うだけ詐欺で終わりにしておこう。あと、さすがに本作でオスカーを受賞したEnnio Morricone氏による音楽は、非常に素晴らしかったです。懐かしい感じの、40代以上の映画ファンなら絶対にグッとくる音楽でした。以上。

↓ ヤバイ。超読みたくなってきた。在庫なしか……うーーー読みたい!! 親父の愛読書だったなあ。

↑このページのトップヘ