昨日は久しぶりに早く帰ったので、またWOWOWで録画しておいた映画を観た。
 いつも、WOWOWで録画しても後にHDDを見て、一体なぜその映画を録画しようとしたのか、全く思い出せないわたしであるが、今回はちゃんと、なぜ録画しておこうと思ったのか記憶にあった。タイトルを見て、お、これ、ずいぶん前に原作小説読んだな、と思ったのが一つ、そしてもう一つは、主役がSPIDER-MANでおなじみのイケメンJames Franco氏であったためだ。 なので、さっそく昨日の夜、HDD録画リストを見て、上映時間も90分弱と短いし、よっしゃ、、じゃ、これを観てみるかと再生ボタンを押したのだが、正直、大したことのない作品であった。タイトルは『パーフェクト・プラン』。US公開が2014年9月、日本公開が2015年2月の作品である。

 まあ、物語はほぼ上記の予告で描かれている通りである。ヤバイお金を偶然手にしてしまった若い夫婦が、その金をネコババしようとして、本来の持ち主(?)と壮絶な殺し合いになってしまう、というものだ。
 ただ、再生1分で、わたしは「アレッ!?」と思った。どうも、原題は『GOOD PEOPLE』というらしい。Perfect Planじゃないんだ、ふーん。なんで? という疑問がまず浮かび上がった。そして再生20分を過ぎた頃であろうか、どうにも原作小説に関するわたしの記憶と、この映画で描かれている物語が、似ているようで決定的に違うことに気が付いた。これはあれか、原作を大胆に改変してるってことか? と思ったものの、どうもしっくりこない。おかしい。なので、一度再生を止め、すぐにこの映画のことを調べてみた。すると、原作小説がきちんと存在しているし、その小説のタイトルも、『GOOD PEOPLE』で間違いないらしい。むむむ!? なんかオレ、勘違いしてる?? と妙に気になりだしたので、本棚を漁って、わたしが読んだ原作小説を30分ほどかかって発掘してみたところ、なんとも愚かなことに、もはや若年性健忘症なんじゃないかと心配になるレベルのスーパー勘違いが発覚した。わたしが読んだ小説は、Scott Smithという作家の書いた『A Simple Plan』という作品だったのだ。HOLY SHIT!! 何だよ、「パーフェクトプラン」じゃなくて、「シンプルプラン」だった!! 似てるけど全然違うじゃん!! と、自分のバカさ加減に呆れてしまった。そして、ちょっと調べたら、その小説をなんでわたしは読んだのかも思い出した。この『A Simple Plan』は、わたしの愛するStephen Kingが激賞していたからだ。Kingは、毎年、「今年読んだ小説、今年観た映画の俺ベスト」を発表しているのだが、ずっと昔、Kingがこの作品を取り上げてて、それで読んだんだ。はースッキリ。思い出した。
 というわけで、『パーフェクト・プラン』という映画を観ながら感じていた、妙な違和感の正体は、単なるわたしの愚かな勘違いであることが判明した。そして観終わって、なぜ元々『GOOD PEOPLE』という原題の映画に、日本の配給社が『パーフェクト・プラン』という邦題を付けたのかも、想像がついた。何しろこの映画、基本プロットが、わたしが勘違いした小説『A Simple Plan』によく似ているのだ。予期せぬ金を手にした人々が、警察に届けずネコババしようとする流れは全く同じである。だからこの映画、このタイトルになったんだな、とわたしは勝手に納得することにした。違ってたらサーセン。なお、『A Simple Plan』の方は、わたしは未見だが、かのSam Raimi監督の手によって1998年に映画化もされています。↓こんなやつ。古くて日本語字幕付きは違法動画しか見当たらん……。

 で。映画『GOOD PEOPLE』(邦題:パーフェクト・プラン)の話に戻ると、残念ながら、主人公夫婦の計画は、全くパーフェクトではなく、ボロがありすぎて、実のところ最初の警察の尋問で、聴取した警部補にはバレバレである。もうホントにがっかり。やっぱりですね、主人公には冴えた頭の良さを期待したいですなあ。バカだとホント、あーあ、としか言えないので、観ていてイライラする。
 ただ、本作は、悪党が結構良かったかもしれない。構造としては、ネコババ夫婦、悪党A、悪党B、警部補という四つ巴の利害関係になっていて、悪党Bを使って悪党Aを倒し、なおかつ警部補を使って悪党Bも始末するという流れはなかなか良かった。けど……もうちょっと頭を使えばいいのに……まったくもってやれやれである。
 なお、役者について備忘録的に描いておくと、もう主役のJames Franco氏については超有名なのでいいとして、ほかにも、意外と知っている役者が結構出演していた。
 まず奥さんを演じたのがKate Hudson嬢。ちょっとしたゴシップ女王としても名が通ってしまったが、この人はどんどん、お母さんのGoldie Hawnに似てきましたね。なかなかの別嬪さんですな。そして警部補を演じたのがTom Wilkinson氏。いろいろな映画に出ているけど、どうだろう、一番有名なのは『The Full monty』のあの元上司のおっさんかな? 最近では『The Ground Budapest Hotel』の作家の先生役でも出てましたな。あともう一人。悪党Bを演じたのが、Omar Sy氏。彼は『Intouchable』(邦題:最強のふたり)のあの黒人青年役で大絶賛され、その後『X-MEN: Days of Future Past』や『Jurassic World』といったハリウッド大作にも出るようになりましたね。なかなか存在感ある悪党で良かったと思います。

 というわけで、結論。
 わたしのスーパー勘違いで観ることになった本作『GOOD PEOPLE』(邦題:パーフェクト・プラン)は、ちっともGood Peopleは出てこないで悪党ばかりだし(警部補はいい人だった)、計画もまったくもってパーフェクトじゃない、杜撰なものであった。役者はいいのでそれなりに見所はなくはないけれど、まあ、基本スルーで大丈夫だと思います。以上。

↓ こちらは、Stephen King大絶賛の方。わたしが過去に読んでいて、本作と勘違いしたのがこれ。
シンプル・プラン (扶桑社ミステリー)
スコット・B. スミス
扶桑社
1994-02





 で、その映画版が↓これ。我ながらあきれるほどのスーパー勘違い。
シンプル・プラン [レンタル落ち]
ビル・パクストン
2004-04-09