先日電子書籍で安くなっているのを見かけて買った本があるのだが、実は読み終わったのはもう1か月ぐらい前で、このBlogに感想を書こうかどうしようか、迷って放置していた作品がある。
なぜ迷っていたか? ズバリ、のっけから結論を言うと、あまり面白くなかったから、である。しかしそれでも、やっぱりなにか書いておこう、と、さっきふと思い立った。特に理由はなく、単に、このBlogが自分のための備忘録である、という存在意義を思い出したからだ。
というわけで、その本とはこれです。
愛する早川書房から出ている、いわゆる翻訳ミステリーで、原題は『THE BONES OF YOU』といい、邦題として「誰がわたしを殺したか」という日本語タイトルがついている。わたしがこの本を買った理由は、わたしが愛用している電子書籍販売サイトで、早川書房、で絞り込み、リリース順に並べたときに上位に来ていたというだけで、ああ、最近出たばっかなんだ、ふーん……まあ、古典的なミステリーかな? とそのタイトルだけしか手掛かりがないまま、とりあえずポチって見た次第である。
で、さっそく読み始めてみた。お話はごく単純で、そのタイトルの通り、誰がわたしを殺したのか、をめぐるお話である。わたしがタイトルから想像していたのは、「誰がわたしを殺したか」ということは、要するに「わたし」はもう殺されているわけで、てことは、「わたし」以外の誰かが殺人を捜査することになるのか、はたまた「わたし」が幽霊にでもなって捜査するのか、まあきっとどっちかなんだろうな、と思っていた。
しかし実際は、殺された女子高生(=わたし)が幽体?的な存在となって幼少期から殺されるまでの決して幸せではなかった人生を語り、そして現世では、その殺された女子高生と少しだけ(ホントに少しだけ)仲の良かった近所の主婦が、その殺された女子高生の母親の心のケアをしつつ、あれこれと犯人は……と、結構見当違いの想像を巡らせながら、いろいろな人々の話を聞いて様々に思うところを語る、とういうように、語り手が交互に入れ替わって進むお話であった。ちなみにその主婦は、別に積極的な犯人探しをするわけではなく、ほんと、傍観者と言っていいような存在である。そして最終的には、女子高生を殺した犯人は当然明らかになるのだが、正直わたしとしては、ああ、やっぱりね、な道筋で、別にな、なんだってーーー!? と驚くほどでもなく、そりゃあ消去法的にはそうなるよな、まあその動機は最後の方までわからないけど、みたいな感想しか抱けず、なんか……要するにあんまりおもしろくなかったのである。
一応、わたしのBlogにおいて恒例となっているキャラ紹介だけしておきます。
◆ケイト:殺された女子高生のご近所の主婦。ガーデンデザイナーで園芸のプロ(なんか作家本人もそうらしいです)。小さな牧場(?)も経営していて馬が大好き。娘と殺された女子高生が同級生で、たまに馬の世話の手伝いに、殺された女子高生も来ていたので、よく知ってる間柄。善意の人間、として描かれているが、わたしは結構、こういった、何も真相を分かっていないのに、人が良くて誰の言うことも信じかけてしまうような、いわゆるNaiveな人は苦手。非常に人の言うことに影響されやすく、危ないというか、むしろ無意識の悪意、すら感じる。わたしは最初、この人が犯人で、そのことを自覚してないのでは、とさえ思った。
◆アンガス:ケイトの夫。常識人。
◆グレイス:ケイトとアンガスの娘。頭は空っぽなゆとり女子高生→大学生。彼女は、殺された女子高生を友だちだと思っている。
◆ロージー:殺された女子高生。とにかく親が最悪だということが中盤以降判明する。ロージーから見れば、グレイスは同級生だけど別に好きでも何でもないというか、むしろ嫌いな人種なのでほぼ友達とは思ってない。また、ケイトに対しても、善良な人だとは思っていたけれどそれ以上ではなく心を開いた覚えはない。ケイトのところに通っていたのは、馬に魅かれただけ。
◆ジョー:ロージーの母親。主婦。依存体質の頭のおかしい女性。ドM。
◆ニール:ロージーの父親。世間的には有名なTVリポーター。金持ち。しかし本当の顔はPCにごっそりエロ動画をため込んでいるド変態。そして支配体質でドS。
◆アレックス:庭師。ロージーと付き合ってた疑惑アリ。しかし、実際にはロージーはアレックスのことはたいして好きではなかった模様。単に読者やキャラをミスリードするためだけの役割と言えそう。
とまあこんなキャラクターたちが出てきます。
わたしは、この小説を読みながら、この映画のことを思い出していた。
そうです。かの『The Lord of the Ring』で世界を熱くさせたPeter Jackson監督による『The Lovely Bones』です。この映画は、当時14歳か15歳のSaorise Ronanちゃんがウルトラ可愛い一方で、お話は超暗く、そして後味も超悪い作品で、わたしも観終って、なんだかしょんぼりというか悲しくなっちゃったことをよく覚えている。この映画では、殺された少女が、自分を殺した犯人を知らせようと、幽霊的存在ながら非常に積極的に、家族に何とかコンタクトを取ろうとするのだが、犯人が恐ろしく陰鬱というかいや~~な野郎で、最後は犯人に対しては明確な裁きが下るんので、その点ではすっきりしてざまあ、なんだけど、結局殺された少女の遺体は見つからず、すごいエンディングが待ってるんすよね……。あれはつらい終わり方だったなあ……
ともあれ、映画『The Lovely Bones』は、殺された女の子がとても魅力的で、その点はとてもいいのだが、今回読んだ小説「誰がわたしを殺したか」においては、ほぼどのキャラクターにも共感は抱けず、しかもなーんだで終わってしまい、結論としてはあまり面白くなかったとしか言いようがありません。
というわけで、短いですが結論。
いや、結論も何も、もうさんざん書いた通り、Debbie Howell女史による小説『THE BONES OF YOU』はイマイチでした。なんかこの作家は、もともと電子書籍で自費出版してたところを注目されて商業デビューした人みたいですね。やっぱり、ちゃんとした編集者がついてないと、こうなっちゃうんじゃないかしら。そういう意味では、以前読んだ「アトランティス・ジーン」同様、素人作家ですな。以上。
↓ たしかWOWOWで放送したのを録画して持ってたはず……久しぶりにちょっと観たくなってきた。
なぜ迷っていたか? ズバリ、のっけから結論を言うと、あまり面白くなかったから、である。しかしそれでも、やっぱりなにか書いておこう、と、さっきふと思い立った。特に理由はなく、単に、このBlogが自分のための備忘録である、という存在意義を思い出したからだ。
というわけで、その本とはこれです。
愛する早川書房から出ている、いわゆる翻訳ミステリーで、原題は『THE BONES OF YOU』といい、邦題として「誰がわたしを殺したか」という日本語タイトルがついている。わたしがこの本を買った理由は、わたしが愛用している電子書籍販売サイトで、早川書房、で絞り込み、リリース順に並べたときに上位に来ていたというだけで、ああ、最近出たばっかなんだ、ふーん……まあ、古典的なミステリーかな? とそのタイトルだけしか手掛かりがないまま、とりあえずポチって見た次第である。
で、さっそく読み始めてみた。お話はごく単純で、そのタイトルの通り、誰がわたしを殺したのか、をめぐるお話である。わたしがタイトルから想像していたのは、「誰がわたしを殺したか」ということは、要するに「わたし」はもう殺されているわけで、てことは、「わたし」以外の誰かが殺人を捜査することになるのか、はたまた「わたし」が幽霊にでもなって捜査するのか、まあきっとどっちかなんだろうな、と思っていた。
しかし実際は、殺された女子高生(=わたし)が幽体?的な存在となって幼少期から殺されるまでの決して幸せではなかった人生を語り、そして現世では、その殺された女子高生と少しだけ(ホントに少しだけ)仲の良かった近所の主婦が、その殺された女子高生の母親の心のケアをしつつ、あれこれと犯人は……と、結構見当違いの想像を巡らせながら、いろいろな人々の話を聞いて様々に思うところを語る、とういうように、語り手が交互に入れ替わって進むお話であった。ちなみにその主婦は、別に積極的な犯人探しをするわけではなく、ほんと、傍観者と言っていいような存在である。そして最終的には、女子高生を殺した犯人は当然明らかになるのだが、正直わたしとしては、ああ、やっぱりね、な道筋で、別にな、なんだってーーー!? と驚くほどでもなく、そりゃあ消去法的にはそうなるよな、まあその動機は最後の方までわからないけど、みたいな感想しか抱けず、なんか……要するにあんまりおもしろくなかったのである。
一応、わたしのBlogにおいて恒例となっているキャラ紹介だけしておきます。
◆ケイト:殺された女子高生のご近所の主婦。ガーデンデザイナーで園芸のプロ(なんか作家本人もそうらしいです)。小さな牧場(?)も経営していて馬が大好き。娘と殺された女子高生が同級生で、たまに馬の世話の手伝いに、殺された女子高生も来ていたので、よく知ってる間柄。善意の人間、として描かれているが、わたしは結構、こういった、何も真相を分かっていないのに、人が良くて誰の言うことも信じかけてしまうような、いわゆるNaiveな人は苦手。非常に人の言うことに影響されやすく、危ないというか、むしろ無意識の悪意、すら感じる。わたしは最初、この人が犯人で、そのことを自覚してないのでは、とさえ思った。
◆アンガス:ケイトの夫。常識人。
◆グレイス:ケイトとアンガスの娘。頭は空っぽなゆとり女子高生→大学生。彼女は、殺された女子高生を友だちだと思っている。
◆ロージー:殺された女子高生。とにかく親が最悪だということが中盤以降判明する。ロージーから見れば、グレイスは同級生だけど別に好きでも何でもないというか、むしろ嫌いな人種なのでほぼ友達とは思ってない。また、ケイトに対しても、善良な人だとは思っていたけれどそれ以上ではなく心を開いた覚えはない。ケイトのところに通っていたのは、馬に魅かれただけ。
◆ジョー:ロージーの母親。主婦。依存体質の頭のおかしい女性。ドM。
◆ニール:ロージーの父親。世間的には有名なTVリポーター。金持ち。しかし本当の顔はPCにごっそりエロ動画をため込んでいるド変態。そして支配体質でドS。
◆アレックス:庭師。ロージーと付き合ってた疑惑アリ。しかし、実際にはロージーはアレックスのことはたいして好きではなかった模様。単に読者やキャラをミスリードするためだけの役割と言えそう。
とまあこんなキャラクターたちが出てきます。
わたしは、この小説を読みながら、この映画のことを思い出していた。
そうです。かの『The Lord of the Ring』で世界を熱くさせたPeter Jackson監督による『The Lovely Bones』です。この映画は、当時14歳か15歳のSaorise Ronanちゃんがウルトラ可愛い一方で、お話は超暗く、そして後味も超悪い作品で、わたしも観終って、なんだかしょんぼりというか悲しくなっちゃったことをよく覚えている。この映画では、殺された少女が、自分を殺した犯人を知らせようと、幽霊的存在ながら非常に積極的に、家族に何とかコンタクトを取ろうとするのだが、犯人が恐ろしく陰鬱というかいや~~な野郎で、最後は犯人に対しては明確な裁きが下るんので、その点ではすっきりしてざまあ、なんだけど、結局殺された少女の遺体は見つからず、すごいエンディングが待ってるんすよね……。あれはつらい終わり方だったなあ……
ともあれ、映画『The Lovely Bones』は、殺された女の子がとても魅力的で、その点はとてもいいのだが、今回読んだ小説「誰がわたしを殺したか」においては、ほぼどのキャラクターにも共感は抱けず、しかもなーんだで終わってしまい、結論としてはあまり面白くなかったとしか言いようがありません。
というわけで、短いですが結論。
いや、結論も何も、もうさんざん書いた通り、Debbie Howell女史による小説『THE BONES OF YOU』はイマイチでした。なんかこの作家は、もともと電子書籍で自費出版してたところを注目されて商業デビューした人みたいですね。やっぱり、ちゃんとした編集者がついてないと、こうなっちゃうんじゃないかしら。そういう意味では、以前読んだ「アトランティス・ジーン」同様、素人作家ですな。以上。
↓ たしかWOWOWで放送したのを録画して持ってたはず……久しぶりにちょっと観たくなってきた。