【注意!書き終わった今、やっぱり注意喚起を冒頭につけることにします。以下はまだ『INFINITY WAR』を観ていない方は読まないでください!! ネタバレなしには感想は書けないす。決定的なネタバレも含まれていると思いますが、観ていない人には全く通じない内容になっているし、わたしは根っからのトニー派なので、CAP派の方は不愉快な記述もあると思います。つうかですね、こんなBlogを読むよりも、今すぐ劇場へGO!でお願いします】

 というわけで、さっそく会社帰りに観てきた『AVENGERS | INFINITY WAR』。
 当然、わたしはもう、相当ワクワクして日比谷TOHOへ赴き、IMAX 3D版で鑑賞してきたのだが……本作は、監督がネタバレ禁止を訴えているので、何を「書いていい」のか、困っている。
 しかし、はっきり言って、わたしの個人的な意見としてはネタバレされてても別に困らない内容だったと思うし、ほぼ物語の流れは、誰だって想像するようなもので、そこにはとりわけ驚きはなかったように感じられた。最後に公開された予告はこんな感じであった。

 メインプロットは、THANOSが6つのインフィニティ・ストーンを欲しており、それぞれをひとつづつGetしていく過程で、激しい戦闘となる、というものであることは、もう誰しもが想像する通りである。故に、わたしとしては本作の見どころは以下に整理できると考えていた。
 ◆どんな順番で「石」が揃っていくのか?
 ◆全部揃うのか、阻止できるのか?
 ◆いまだ存在が謎の6つ目の「石」ソウル・ストーンはどこに?
 ◆そもそもTHANOSは何故「石」を揃えて銀河の生命体を半減させたいのか?
 ◆トニーとCAPはどう和解?するのか、しないのか。

 結論から言うと、「石」は6つ、すべて揃う。そしてラストは大変な事態となる。その点では確かに、衝撃的な結末ではあった。しかしそこには、「すっきりした」というようなカタルシスはないし、感動的でもない。あるのはただ一つ、えっ!? これから先、どうすれば? という「困惑」だ。
 正直に言うと、キャラクター1人1人がどうなる、とかそういうのは、はっきり言ってどうでもいいことで、肝心の物語としては、まあ、そうなるよな、という予想を超えるものは全くなかったと思う。もちろんのことながら、わたしが事前に想像していたことが結構多くハズレていて、そういう点では予想通りでは全然ないんだけど……なんというか、そこには「な、なんだってーー!?」と驚き、感動するような点はほぼなかったと思う。この映画について一言で言うならば、ああ、やっぱりこの映画は「前編」だったのね、という、かなりわたしとしてはガッカリなものであった。これなら、『CIVIL WAR』の方が断然面白かったと思うな……。
 おそらく、わたしがそう感じた最大のポイントは、本作『INFINITY WAR』は、明らかにTHANOSが主役であり、THANOSの心情に寄り過ぎてしまっている点にあるのではないかと思う。しかも、比較的丁寧に描かれているTHANOSのある意味中2病的心情には、ほぼ共感できないのだ。ラストシーンのTHANOSの「やり切った感」あふれるおじいちゃん的表情に、何を思えばいいのだろう? 
 結果として、各ヒーローたちは完全に盛り立て役というか引き立て役になってしまっていて、トニーとCAPの関係は何一つ進展しないし、そもそもTHANOSがもう圧倒的に強すぎて、全く歯が立たない。もうTHANOS無双もここに極まれり、である。これじゃあ、ハラハラドキドキもしないよな……そりゃ勝てないよ、という想像のままに終わってしまい、まあ、そうなるよな、というエンディングには、なんつうか、非常に残念に感じた。こういう無敵な存在に勝つために必要なものは「知恵と経験」であり、たしかにトニーのチームはあと一歩まで行くのだが……ワカンダのバカモンどもには深く失望ですよ……。
 結局のところ、前述のように、やっぱりこの映画はあくまで「前編」であり、真の物語は「後半」で結末を迎えるのだろう。なので、現時点でこの映画単体では、正直、評価のしようがない。これがわたしの現時点での結論である。
 とはいえ、ポイントポイントは大変興奮したし楽しめたのは間違いない。以下、わたしが「うおお!」と大興奮した点と、「なんだよこれ……」と心底ガッカリした点、それから、いまだ、「どうだろうなあ……」と何とも言えない微妙な点の3つに分けて、メモしていこう。物語の順番を無視して、大きくわたしの心に残った順で書きます。

 【大興奮した素晴らしいポイント】
 ◆THOR様大復活! 「THANOSを連れて来い!」と大激怒!
 THOR様は神様であり、実際、おそらくはMCUの中で最強と言っていいようなヒーローである。しかし前作『THOR:RAGNAROK』でまさかのコメディアン転向となり、おまけに大切なムジョルニアも喪失してしまっていたので、わたしは大変心配していた……のだが、今回はコメディアン成分を若干残しながらも、ムジョルニアに代わる必殺武器(くそう!名前忘れた!)を手にきっちり大復活を果たす。わたしが本作で一番「キターーー!!!」と大興奮したのが「Bring me THANOーーーーS!」サノスを連れて来い!!と啖呵を切るあの登場シーンである。でも、これはあとで「ガッカリポイント」のところで書くけれど、ワカンダ勢の闘いはどうしようもなくひどくて、あの登場シーンだけっすね、興奮したのは……。
 ◆LOKIよ、お前ってやつは……(涙)
 LOKIも、今までさんざん悪さを働いてきただめんず愚弟であるけれど、やっぱり彼も『RAGNAROK』でコメディアンに転向し、大嫌いだったはずのTHORお兄ちゃんと謎の兄弟愛を発揮させて、この先コイツはどうなるんだと心配だった。おまけに本作の予告では、スペース・ストーン(青)をTHANOSに差し出す的シーンもあって、まーたコイツ裏切るのか?とか思わせていたLOKI。しかし、なんてこった、LOKIの改心は本物だったんすねえ……疑ってごめんよ……本作で最初の殉職シーンには相当ショックで興奮しました。つうか、この冒頭のシーンだけでも、もうTHANOSが強すぎて、こりゃあ勝ち目がないと絶望するしかないす。
 ◆トニー meets ドクター meets ガーディアンズ!
 THANOSをあと一歩、まで追い詰めたトニー&スパイディ&ドクター&ガーディアンズ混成軍。この戦いは観ていて一番燃えましたなあ! キッチリと作戦を立て、見事なコンビネーション攻撃を次々炸裂させる流れはホントに素晴らしかった! そしてその作戦が失敗する理由も実にエモーショナルで、グッと来たすねえ。本作では、意外なほどカップルが誕生していて、トニーとペッパーはとうとう結婚していたし、スター・ロードとガモーラも完全にお互い「愛してるわ」と宣言するし、ついでになんと! VISIONさんとワンダはもう2年間一緒にイチャイチャして隠棲していたという設定になっていた。で、ガモーラへの愛が作戦を壊してしまうわけで、あそこはもう、ああなるしかなかったと思える見事な展開だったと思う。
 ◆ドクター、決断す! タイム・ストーンはTHANOSの手に!
 ドクターは冷静沈着で、アガモットの眼(タイム・ストーン)を守ることがすべてであり、いざとなれば君たちを見捨てるッ! とトニーとピーター(スパイディ)に告げるわけだが、最終的にはトニーを守るために、タイム・ストーンを引き渡す決断を下す。あの決断にわたしは結構、マジか! と相当驚いた。DOCTORは、アガモットの眼を使って、未来透視をするシーンがあって、DOCTOR曰く、1400万もの可能性の未来を観てみたが、勝てる未来は1つだった、らしい。わたしはこの0.00000714%に過ぎない「たった一つの可能性」が大きなポイントで、それを知るDOCTORこそ勝利のカギになるのでは、と思っているけれど、タイム・ストーンを手放すことは、その「可能性」の必要条件だったのだと信じたいと思う。つまり今回の敗北は「後編」への勝利のためのステップだったのだと思うことにしたい。
 ◆ガーディアンズは元気いっぱい! そして一番?泣かせてくれた!
 なんつうか、わたしは今でも『RAGNAROK』の急激なキャラ変による押しつけがましい?笑いのシーンはあまり好きではないのだが、やはりガーディアンズのみんなは最初からコメディチームなので、違和感なく素直に笑えますな。わたしは何気にボケ担当のドラックスが大好きなのだが、「消える技を身に着けたぜ! セイッッッッ! …………消えてない? おかしいな……」のシーンは最高でしたな。あと、スター・ロードのぽっちゃり疑惑いじりも最高だったし(かつてChris Platt氏はぽっちゃりだった)、THANOSのあごへのツッコミも最高だったすね(「●玉袋のシワみてえな顎しやがって!」) 。ほかのキャラもギャグはいっぱいあったけど、そっちはもう正直どうでもいいす。そして、ガモーラとスター・ロードの愛の行方も、かなりグッと来てよかったすね。最高でした。
 ◆今回のおまけ映像は一番最後に1つだけ。そしてとうとう来るーーー!!
 最近のMCUは、おまけ映像が2回、というのがデフォルトとなりつつあったが、今回は一番最後に1回だけ、です。登場するのはニック・フューリー&忠実な部下エージェント・マリア・ヒル。まあ、内容的には、とうとうあのお方が!!というつながりが示され、どうやらあのお方が「後編」に登場することは100%確実なようですね。あのお方が誰かは、ご自分の眼でお確かめください! わたしはやっぱりちょっと興奮しました。
 
 【心底失望したガッカリポイント】
 ◆CAPよ、もうあんたはCAPと名乗る資格なし!
 もうわたしは、ワカンダチームの闘いには心底ガッカリだ。その筆頭であるCAPとBP(ブラックパンサー)とバナー博士の3人には失望を通り越して怒りすら感じている。まあ、わたしは元々完全にトニー派なので、いまだに『CIVIL WAR』でのCAPは許せていないし、BPも大して強くもないし頭も良くないことには失望していたのだが……あのワカンダでの大決戦は実際どうしようもなくヒドかったと思う。
 無数の敵に囲まれ、THANOS直属の強い奴が3人いる状況で、なんで、なぜ、どうして、CAPとBPまで一兵卒として突撃しなきゃならんのだ! お前ら二人は大将だろうが! あの戦闘の勝利条件は、VISIONさんを守り切ることにあるわけで、敵戦力の要点は3人のTHANOS直属なんだから、ちゃんと作戦を立てて戦えばいいのに、なんなの、あの突撃は。お前ひとりが雑魚を何匹も倒したって、ほぼ意味ないよね。そもそもCAPの最大の持ち味は「統率力」にあるはずなのに、もう0点だよ、お前。あまりにバカバカくて、観てられない思いだったす。もう、CAPと名乗る資格なしだと思う。
 さらに言うと、バナー博士、あんた何やってんすか!? もう足手まといもいいとこだよ。バナー博士がHULK化できないのは、今後の伏線として認めるにやぶさかではないけれど、あんた、HULKになれないなら、あんたが一番貢献できるのはその頭脳でしょ!? なにその役割をぽっと出のシュリに奪われてるんすか! アホか! この点も脚本的に0点と愛をもって断罪したい。
 そしてBP陛下、あんたもホント弱いすねえ……つうか、なんでワカンダご自慢のシールドを開けたのか、その点はわたしの理解力ではよくわからなかった。アレって……なんででしたっけ? 覚えてないす、もはや。まさかと思うけど、いわゆる「細道に誘い込んで大勢の敵を1対1の闘いに持ち込む」という常道の作戦だったのか? だとしたら、戦力差があり過ぎて全く効果なかったね。もうチョイ、ちゃんと作戦立てなよ……あんたはいつも行き当たりばったりだからダメなんだよ……。ほんと、目先しか見えていないあんたには王の器はないと思うよ。失望しかないす。
 要するに、トニー・チームが、きちんと各キャラの持ち味を発揮して連合チームとして戦ったのに対し、ワカンダのバカモンどもの、とにかく目の前の敵をぶっ飛ばせという特攻作戦には深く失望です。せっかくTHOR様がウルトラカッコよく救援に駆け付けたのに、もはや混戦が激しく指揮系統も崩壊していたため、焼け石に水であった。なにやってんだか……。
 ◆今回登場しないあの二人の、「登場しない理由」がダサすぎてガッカリ。
 今回の『INFINITY WAR』のプロモーションでは、ポスターなどにも一切登場しない二人がいることはもう、ご存知の通りだが……BLACK WIDOWだったかの口から語られたその理由が、信じがたいほどダサすぎて、超ガッカリだ。二人とも、「司法取引」をして自宅軟禁中?なんですってよ。アホか! いや、わたしの愛するANT-MANはイイんです、それでも。なにしろスコットはある意味事情をよく分からないまま、手伝っただけなので。でも、HAWKEYEは絶対許せない!! お前、お前がワンダを連れ出した張本人のくせに、お前だけ司法取引って何事だこの野郎! とわたしはもう、怒りが有頂天である。ああ? 家族がいるからだと? ふっざけんな! お前、CAPのピンチには馳せ参じるんじゃなかったのかよ! ま、お前がいたところで、どうせ何の役にも立たなかっただろうけど、ホント、トニー派のわたしとしては、HAWKEYEことクリント・バートンの偉そうな態度が嫌いである。ま、お前もTHANOSの「選択」で消滅したことを祈ります。はあはあ……思い出し怒りが止まらんすわ……。
 ◆結局トニーとCAPは顔を合わせず和解ナシ。
 冒頭、THANOSの野望を知ったトニーは、ギャグキャラ化した使えないバナー博士から、CAPに電話しなよ、と勧められ、どうしようかな……と悩むシーンがある。結局トニーは電話できず、その後バナー博士が、CAPからトニーに送り付けられてきた携帯を使って連絡を取り、VISIONさんとワンダのピンチに駆けつけるわけだが、本作ではトニーとCAPの対面はナシ、であった。トニーは、またしても地球がボロボロになるのを避けるためにも、宇宙での戦いに挑んだわけで、本作終了時点では、トニーはタイタン(THANOSの故郷)にとどまっている。ま、そんな点もCAPとは大違いの行動とトニー派のわたしは高く評価したいところだが……来年公開の「後編」で二人は対面することがあるのだろうか……わたしとしては、MCUにおいて『CIVIL WAR』は最大の事件なわけで、いまだ未解決という認識なので、この二人の確執という重要ポイントには、何らかの結末がどうしても必要だと思うし、本作でその和解?へのフラグがまるで立たなかった点も、正直ガッカリであった。

 【び、微妙……で何とも言えないポイント】
 ◆THANOS……あんたは……愛の戦士だったのか……?
 THANOSの目的は、一言でいえば増えすぎた生命体のバランスを整えるため、銀河の生命体を半減させる、という中2病めいたものであった。まあ、要するにシャア的な、人類半減計画だったわけで、そのためには非情に、あえて愛を捨て去ろう!というラオウ様めいた決意だったわけだが、なんつうか……陳腐というか……日本人的にはもう、様々なコミックやラノベでお馴染みのもので、基本的にそういう狂信は、愛をもって倒される運命にあるわけだ。なので、きっと来年公開される「後編」、通称『AVENGERS4』ではそうなるものと思われるが、なんか、微妙すぎでわたしは何とも言えないす。6つ目の「石」の獲得条件が「愛」という展開はとても良かったし、まさかのTHANOSの涙も、良かったとは思う。
 けど、うーーーん……ラストシーンのTHANOSのアップ、あの表情は……び……微妙……す。
 ふ―やれやれ、終わった……な……みたいな、一仕事終えたおっさんフェイスには、正直唖然というか、困惑せざるを得ないように思った。悪には悪の理論があり、悪の行動にはきちんと目的がある、と示したのは大いにアリだろう。しかし……THANOSの目的は微妙過ぎて……現時点では何とも言えないすね……。
 正直、THANOSは冷徹かつ合理的な判断で生命体半減計画を実行するけれど、「愛」を知らぬゆえに、6個目の「石」をどうしても入手できない、しかし、ガモーラを犠牲にしようとしたところで一筋の涙が流れ、「こ……これが……愛なのか?」と理解し、「ガモーラ、愛しい娘よ……だが……だが謝罪はせぬ! お前の命で「石」をもらうぞ! これがわが生涯最後の涙となろう!」という展開で最後の「石」をGetして今回はここまで、が良かったのにな……。
 いっけねえ、『北斗の拳』が好きすぎるわたしの妄想でした。
 
 というわけで、もうしつこいので現時点での結論。
 待ちに待った『AVENGERS | INFINITY WAR』をさっそくIMAX3D版で観てきたのだが、まず言いたいことは、本作はあくまで「前編」であり、物語の結末に至っていないので判断しようがない、といのが一つ。そしてTHANOSが強すぎて全く歯が立たず、THANOS無双であったため、肝心のヒーローたちが引き立て役としてボロボロ、あまつさえエンディングではとうとう「石」をそろえたTHANOSの「選抜」が実行され、数多くのヒーローが消えてしまう展開には、驚きというよりも、ま、そうなるわな、という納得しかなく、で、どうすんの?という困惑が一番大きくわたしの心に残る結果となった。もう、CAPやBPの指揮官=大将としての無能ぶりはどうでもいいす。おそらく「後編」に登場することが確定となったあのお方が、どんな指揮を執ってくれるのか、楽しみに待ちたい。要するにですね、早く来年公開の「後編」が観たい!! が結論です。以上。

↓ あのお方の活躍は予習した方がいいのだろうか……実はわたしはよく知らず、原作未読です。