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 実際のところ、わたしはDCコミックのキャラクターにあまり詳しくない。勿論、BATMANやSUPERMAN、WONDER WOMAN、それからAQUA-MANやGREEN LANTERN辺りは分かっているつもりだが、そのVillain(悪役)を全部知ってるわけではなく、正直に告白すると、全然にわか野郎である。
 それでも、映画オタクとしてはDC-Extended Univers(DCEU)は当然楽しみにしていたわけで、今日から公開された『JUSTICE LEAGUE』を初日にさっそく観てきたわけである。わたしは本作を観るにあたって、ポイントとなるのは2つ、Villainが誰か、そして、前作『BATMAN v SUPERMAN』で見事殉職したSUPERMANがいかにして復活を遂げるか、にあると思っていた。しかし一方では、実はわたしが最も楽しみにしていたのは、実際のところもはやストーリーではなく、美しき闘う女神、Gal Gadot様が演じるWONDER WOMANのワンダーな美しさを堪能することのみにあったと言っても過言ではない。
 で、結論から言うと、Villainは訳が分からんし、SUPERMAN復活もあまり劇的でなく、ただただ、Gal様の美しさと可愛さとセクシーさがワンダーな作品であったと言えるような気がしている。というわけで、以下、ネタバレ満載になる可能性大なので、知りたくない人は今すぐ立ち去ってください。では、中身を観ていこう。

 というわけで、事前に公開されていた予告では、一切SUPERMANは出てこない。けど、出てくるのは100%間違いないのは誰しもが分かっていることで、それがどう、感動的な復活となるか、が本作の本来の一番の鍵であったはずだ。が……どうなんでしょうなあ……アレは……。
 物語は、どうやら『BvS』の数か月後、らしい(よって『SUICIDE SQUAD』と時間軸的に被るのかも? よくわからん)。『BvS』で殉職したSUPERMAN不在の地球には、何やら謎の、羽の生えた昆虫めいた気持ち悪い化け物が現れていた。その化け物は、どうやら人間の感じる「恐怖」が大好物?らしく、20年間、Gotham Cityを守ってきたBATMAN曰く、こいつらは偵察隊だ、とのこと。一体何の偵察なのか? それは「侵略」であった。WONDER WOMANの話によると、この地球に3つある「箱」は、かつてアマゾン族とアトランティス族、そして人間が力を合わせて守ったもので、ウルトラパワーを秘めていて、それが一つになると超ヤバい事態になるらしい。そんな時、WONDER WOMANの故郷セミスキラで保管されていた「箱」が化け物の親玉に奪われる事態になってさあ大変。ブルース・ウェインは仲間を増やすためにFLASHとAQUA-MANを、そしてダイアナことWONDER WOMANはCYBORGをスカウトするために出かける。
 FLASHはごくあっさり仲間入りするも、AQUA-MANにはごくあっさり断られるブルース。そしてダイアナの方はというと、CYBORGは、どうやらその「箱」のパワーで誕生したらしいが、最初は警戒心バリバリで誰も信じようとしなかったものの、結局はWONDER WOMANの真摯な説得と美しさにノックアウトされて仲間入りを果たす。そんなころ、海中のアトランティスに現れた化け物の親玉=Steppen Wolfに、AQUA-MANもまるで歯が立たず余裕で「箱」を奪取され、最初は誘いを歯牙にもかけず断ったくせに、事ここに至って仲間入りする。かくして、「正義同盟」が成立、最後の箱を守るためにSteppen Wolfと戦う、のだが、これがまた恐ろしく強く、ならば、と天才的頭脳を持つブルースと超頭脳を授かったCYBORGが考えた結論は、死んだSUPERMANを「箱」パワーで蘇らせよう、というものだった―――てなお話でありました。
 どうですか? あんまり面白そうじゃないでしょ?
 やはり、決定的にMarvel Cinematic Univers=MCUと違うのは、BATMANとWONDER WOMANの二人以外はかなりキャラが薄いという点だろう。そして、SUPERMANも、わたしがさんざんコレジャナイ、と憤っている『MAN OF STEEL』での設定を踏襲しているので、相変わらず頭が悪いし、能力がスーパーすぎるチートキャラだ。最後はいつもの通り、超絶バトルとなるのだが、もう、またこれか、としか感想を抱けなかった。そもそも、殴っても殴られても、全く痛くもかゆくもない超人同士がどかーんと殴って吹っ飛び、さらにずばーんと殴り返して吹っ飛び、という、あの戦闘は意味があまりないような気がしてならない。アレが始まると、いかんともしがたい退屈さを感じてしまうのだが……。どうも、Warnerの幹部は、DCEUは暗いとか描写が暴力的とか、そういう点を反省材料としていて、軌道修正を図ろうと懸命のようだが、本作でそれが払しょくされたかというと、あまりそうは思えず、確かにFALSHのキャラはギャグ担当なんだろうけど特に笑えないし、ただの友達のいないおかしなガキにしか見えなかったのも残念だ。そもそも、Warner幹部の反省点がズレていて、ダークでも真面目でも暴力的でもそれは一向に関係なく、単に、キャラクターの設定が間違っているのだとわたしは思う。とりわけSUPERMANがマズイ。あれはイカン。
 今回、蘇ったSUPERMANは、当初記憶が混乱しているようで、『BvS』でボコられたこと(だけ)を覚えているにっくきBATMANをボコり返し、あまつさえ我が女神WONDER WOMANにこぶしを振り上げ、FLASHもAQUA-MAN、CYBORGもボコられる。あのシーン、本当に必要だっただろうか? いらないと思うのだが……まったくもって。素直に、善なるSUPERMANであればいいのに……。そして再生のきっかけも、謎の箱のパワーであるのはいいとして、やっぱり鍵は恋人のロイスか、母のマーサ・ケントであるべきだったと思う。今回もロイスはまるでどうでもいい扱いだったような気がしたのは残念過ぎる。なお、今回のロイスは、暴れまくるSUPERMANを止める単なる猛獣遣い役で、復活には一切関与せず、で、わたしはもう、がっかりであった。
 そしてあろうことか、VillainたるSteppen Wolfも、復活したSUPERMANにボコられ、うっかり、コイツ、怖え……とか恐怖を抱いてビビッてしまったために、恐怖が大好物の手下の化け物たちにむしゃむしゃ齧られてしまい、チクショー、覚えてろよー! と逃げてしまうオチ。なんじゃい! 笑うところだったのか、あれは?
 というわけで、かなり、何というか、もはや何も言えないような、決してつまらなかったとは思わないけれど、なんか……これでよかったのか? と良くわからない映画であった。
 なお、本作は、DCEUでは珍しく、エンディング後のおまけ映像が二つあるので、長~いエンドクレジットが終わるまで、席を立ってはいけない。一つ目は、すぐ現れるのだが、FLASHとSUPERMANどっちが速いの?選手権大会開催というある意味ギャグ映像なので、これは全くどうでもいい。問題は二つ目、エンドクレジットが全部終わってから映される映像だ。そこでは、アーカム(?)を脱獄したレックス・ルーサーが豪華なクルーザーで、とある有名Villainと会合を開くシーンが描かれている。このVillainはDeathstrokeという奴で、DCコミック的に言うとTVの『ARROW』にも出てきた悪役だ(※ただし役者はTVとは別人)。まあ、今後こいつとルーサーのタッグでSUPERMANとBATMANを苦しめるんでしょうな。DCEUが今後も続くなら、だけど。
 わたしとしては、DCEUは、SUPERMANのキャラクターを抜本的に変更しない限りダメだと思う。今回、前作『BvS』でさんざんSUPERMANをぶっ飛ばしたブルース・ウェインも、俺じゃなくてアイツの方が必要なんだ、とか、すっかりSUPERMAN擁護派になっていて、わたしとしてはなんだか興ざめだ。だって、今回だってBATMANのリーダーシップで何とか事件を解決できたようなものだし。なぜそんなにSUPERMANを持ち上げるのか良くわからない。なんというかな……正義のヒーローたちは、基本的に「愛の戦士」であるべきだとわたしは思うのだが、彼ら・彼女は、所詮身近な恋人のことばかりで、「愛の戦士」ではなく、単に「恋愛の戦士」のようにわたしには思える。それじゃあ薄っぺらくてダメだと思うなあ……。その点では、まともなヒーローはBATMANだけではなかろうか? ゆとり星人SUPERMANは、もっとちゃんとロイスやお母さんだけじゃなくて、人類への愛を持たないと、ヒーローになれないとわたしは思う。その点が、一番の問題だとわたしは思うのだが、Wanerの幹部はそんなことには気が付いてないのではなかろうか。かつての、Chjristopher Reeve版のSUPERMANは、人類のための戦士であり、そのためにはロイスでさえある意味見捨て、その結果死んでしまったロイスを復活させるために、地球の自転を逆回転させて時間を巻き戻すという荒業を使ったわけで、ああいった姿こそがSUPERMANだとわたしは思うのである。
 はーーーやれやれ。ポイントポイントは大変良かったけっれど、とにかくSteppen Wolfがザコ過ぎたのと、SUPERMAN復活のくだりが全く感動的でない、この2点においてわたしは深く失望した作品であった。
 しかし! 最後に、良かった点もちゃんと書いておこう。良かった点、それはもう、間違いなくWONDER WOMANのワンダーな美しさですよ。とにかくカッコよく、きれいで、可愛くて、セクシーで、もう満点です。冒頭の爆弾処理シーンもカッコよかったですなあ!! あの自動小銃乱射でばら撒かれた銃弾をすべてカキーーンと弾き返すGal様の美しさは失神モノでありました。本当に最高です。そして、役者陣では、やっぱりケツアゴでおなじみのBen Affleck氏演じるBATMANはカッコよかったし、アルフレッドのJeremy Irons氏も実にシブくてカッコよかった。新キャラ3人は、まあ、もちろんその見かけはカッコいいけど、キャラ的には微妙な感じすかね……一人、わたしが、おお!と思ったのは、CYBORGのお父さんの博士をJoe Morton氏が演じてましたな。『TERMINATOR2』で後にスカイネットを生みだしてしまう運命のマイルズ・ダイソン博士を熱演した彼ですね。え! うそ、今年70歳だって!? そうか、そんな歳なんですなあ。『TERMINATOR2』が公開されたのは1991年、もう26年前の映画か……やれやれだ。
 あともう一つ、わたしがこの映画で素晴らしいと褒め称えたいポイントは、音楽だ。今回音楽を担当したのは、1989年のTim Burton監督版の『BATMAN』で音楽を担当したDanny Elfman氏で、今回1989年版のオリジナルテーマもチラリと使われており、大変良かったと思う。わたしは1989年版のスコアはCDも持っているぐらい大好きで、Danny Elfman氏の音楽の大ファンなので、今回の音楽は非常に素晴らしかったと思います。

 というわけで、もうさっさと結論。
 DCコミックのヒーロー映画は、現在DC Extended Universという共通世界観で描かれているわけだが、その最新作『JUSTICE LEAGUE』は、わたしとしては2つの大問題があるように感じられた。それは、敵がショボいこと、そしてもう一つは、SUPERMAN大復活の様子が全く感動的でない点である。墓を掘り起こして死体まで見せる必要はあったのだろうか……。この2つがある意味最大のポイントだったはずなのに、見事にイマイチ感漂う仕上がりにあってしまっていて、非常に残念に感じた。ただし、今年の夏から大活躍のWONDER WOMANの美しさは際立っており、実はわたしはそれだけでもう、この映画を見に行って良かったと思えるほど大満足である。いや、本当にGal様は最高です。ホント可愛いよなあ……そして美しい……マジ最高です。Gal様は。以上。

↓ ちゃんと読まないとダメかもなあ……
ジャスティス・リーグ:誕生(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)
ジェフ・ジョーンズ
小学館集英社プロダクション
2012-12-15

 だいぶ興奮から醒めてきた。もちろん、『BATMAN v SUPERMAN DAWN OF JUSTICE』(邦題:「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」、以下『BAT v SUP』と略す)を観ての興奮のことである。今日は、落ち着いてもう一度、この映画のことを書こうと思う。昨日は、興奮のあまり適当にポイントに絞って書いただけだが、今日は、物語の中であまり触れられていない、Batmanって何者なんだ? という点と、これはいらなかったんじゃね? と思う点をまとめてみようと思う。
 
 映画ファンなら別に説明は必要がないと思うが、そうでない人々、特に世の女性たちは、まあ普通はBatmanという存在について誤解していると思う。今までの映画を観てないから。現実的にわたしの周りの女子たちも、わたしがBatmanやAvengersの話をしても、(映画公開時に話題となるので)興味はあるようだが、大抵の女子たちは映画館まで足を運んでいない。なので、わたしがBlu-rayを貸してあげてやっと観て、その面白さにはまる人、あるいはピンと来ない人と別れてしまう場合が多いのだが、とにかく、映画ファンとしてはびっくりするほど、日本におけるアメコミヒーローの認知度は低いと思う。それは興行収入を見ても明らかで、あの大傑作と映画ファンなら誰しもが認める『The Dark Knight』ですら、日本では16.1億しか稼いでいない。まったくもって残念至極だ。
 いわゆる「男の子視線」で見ると、Batmanはヒーローである。しかし実際のところ、Batmanは明らかにOUT LAW、法の外にいる存在で、簡単に言えば犯罪者である。ゆえにBatmanは「The Dark Knight=暗黒の騎士」なのだ。それは法では裁けない悪を退治するには悪をもって征すしかないという信念から来ていて、恐怖には更なる恐怖をもたらすべきだと考えているために、そのシンボルとして蝙蝠の姿をとっているわけだ。その点ではもう完全にテロリストと言わざるをえない。だたそれは、法が機能し、平和に暮らすことが出来ている(いや、あんまり出来てないか?)我々だからこそ言える事であって、法が(ほとんど)機能していない街=悪の栄える町=Gotham Cityでは、もはやBatman的な存在に頼るしかない、というのが基本的な設定である。まあ、漫画なのでちょっと苦しい理由だけど、そういうことです。なので、映画『The Dark Knight』においては、Gothamの闇を光で照らそうとする、正しい法の番人が登場したことで、ブルース・ウェインはもう、Batmanは必要なかろうと引退を決意するわけだ。これが、Batmanの基礎知識その(1)です。
 で。そんなBatmanを支えているのが、金と頭脳と肉体と、そしてアルフレッドという有能な執事の存在だ。まず金。これは、最初から大金持ちであるし、世界的大企業ウェイン・エンタープライズのCEOとして、ビジネスマンとしても優秀である(※注:原作ではたしか筆頭株主という立場で、CEOではないような気がするが、今回の映画では明確に社長と呼ばれていた。ただし字幕での表現なので、正確な英語表現はまたBlu-rayが出たときに確認します)。もちろん頭もいいし、強靭な意志を持つ男であり、肉体的な鍛錬も重ねていて、めっぽう強い。そして世を欺く姿としてプレイボーイとして遊びまくって慈善事業も手広くやっていて、世間的には遊び人のアホな金持ちと認識されている。つまり世間はブルース・ウェイン=Batmanであることを知らない(Ironamnことトニー・スタークと似た境遇であるが、性格はまったく違うし、人々は皆、Ironman=トニー・スタークであることを知っている)。なので、Batスーツも自分でせっせと秘密裏に開発しているし、Bat-MobileやBat-Wingという機動兵器も自家所有である。IT系ソフトウェアも揃っていて、ハッキングもお手の物だ。そして、その開発やハッキングも全部一人で出来るわけもなく、その手伝いをしているのが、これまたスーパー有能な執事、アルフレッドだ。ブルースが生まれる前からウェイン家に仕える忠実なおじちゃんで、ブルースよりもしっかりとした常識を持ち、時にはきっちり、それは間違っているとブルースに忠告したりする、頼れる執事である。今回の映画『BAT v SUP』では、オスカー俳優Jeremy Irons氏がとてもカッコいいアルフレッドを演じてくれた。この人は、わたし的にはかなり久しぶりに、ひょっとしたら『DIE HARD3』以来かも? ぐらい久々にスクリーンで会いましたが、実に渋くてカッコ良かったですね。
 とまあ、この通り、あくまでも人間であり、金持ちで超人的な努力をしている男であり、またアルフレッドという頼もしい味方がいる、というのがBatmanの基礎知識(2)である。
 なお、今回の『BAT v SUP』では、ブルース・ウェインが言う通り、「悪は雑草と同じだ。抜いても抜いてもあとから生えてくる」のであって、Batmanはなかなか引退できていない。もう20年ほど、活躍していてすっかりおっさんになってるわけですな。今回の映画では、両親が殺されたのが1981年という設定だったが、その時10歳と仮定すると、現在45歳ぐらいという設定になっていました。今回のBatmanを演じたのはBen Affleck氏。監督としてオスカー・ウィナーとなったBen Affleck氏だが、非常にカッコ良かった。この冒頭の、幼い女の子を抱きしめながら、空に浮かぶ宇宙人(=Superman)に対して、「許さない!!!」という決意の表情を浮かべるブルース・ウェインは痺れるカッコ良さだった。わたしは密かに、Nolan-Batmanを演じたChristian Bale氏よりもカッコイイとさえ感じた。歴代Batman史上、最高に良かったのではなかろうか。
 で。
 この基礎知識(1)(2)を踏まえて、ある日、Metropolice上空に宇宙人が舞い降りてきて、壮絶な大喧嘩を始め、その余波で自分の会社の社員たちが大勢死んでしまったらどうなる? そりゃあもう、怒り心頭だよね。あの化け物は、法が通じない相手。ならばオレが、必ずぶっ飛ばす!! そう思うのは、Batmanとしては当然だ。Batmanにとっては、もう完全にSupermanも粛清対象になるわけだ。ちなみにMetropoliceの街並みはNYCそのものだが、あくまで架空の都市で、Batmanの活躍するGotham Cityではない。わたしは正直詳しくないのだが、Gotham CityとMetropoliceは、湾あるいは湖(?)をはさんだ対岸の位置関係らしい。普段はGothamの悪を相手にしているBatmanも、ウェイン・カンパニーMetropolice支社(?)全壊の事態に当たっては黙っているわけがない。
 以上が、今回の『BAT v SUP』ではほとんど語られていない、前提、である。これが分かっていないと、今回の映画は良くわからないと思う。ちゃんと描いてくれないと不親切だ? いやいや、これ、常識っす。

 ところで、今回Batmanは何故怒っているかというと、もちろん前述の通り、愛する社員たちを殺された個人的怒りもあるのだが、それよりも、BatmanはSupermanの「危うさ」に、非常に腹を立てているのだ。昨日も書いた通り、Supermanことクラーク・ケントは、所詮は田舎者で都会を知らず、世間も知らない。もちろん、善良な普通のアメリカ人としての常識や正義感は持っているわけだが、残念ながらその精神は幼稚である。物語は、Metropolice空中大決戦から18ヵ月後に移る。世界各地で、人々を助けるSuperman。その活動はすっかり世間ではヒーローとして、あるいはもはや「神」として認知されるも、当然一方ではMetropoliceをぶっ壊した恐ろしい「Illegal Alien」とも思われていて、世論は微妙に分かれている状況にある。そりゃそうだ。で、とある議員がSupermanの行動を極めて恣意的でテキトーな行為だとして糾弾するに至る。まあ、それはそうかも、ですわな。ここが難しいところだが、とあるTVレポーターは、その議員に問いかける。「じゃあ、Supermanなら助けられる状況でも、彼の助けを求めるべきではないのか?」。しかし、どういうわけかこの映画はその点にはほとんど回答を示さず、流してしまったように思える。
 が、わたしは逆に「アリ」だと感じた。そんな質問は「サンデル教授の白熱教室」に任せておけばいい。問題は、Superman自身がどう思っているのか、という方が重要だろうと思う。で、Supermanはどう考えているかというと、実際のところなーーーんにも考えていない。Metropoliceを破壊した反省もしていない。目に入る範囲の人々と、自分の愛するロイスのピンチを救うだけで、それよりも、Gotham Cityでなにやら蝙蝠の格好をして「違法な正義」を振りかざしているBatmanをけしからんと思って、上司の命令も聞かずに独自取材をしている始末だ。会社員としても、新聞記者としても0点である。なので、レックス・ルーサーの悪事にもまったく気が付かず、結果、ロイスや地球での母を人質に取られてしまえば、あっさりと悪の元に跪く。実にもろいハートの持ち主だ。そして、それは非常に危険なことである。
 今回の『BAT v SUP』では、忠実な執事アルフレッドが、「Supermanは敵じゃない」とブルース・ウェインを説得する。しかし、「たとえ1%でも、危険な点があるなら、それは敵だ!!」と断罪する。もう、このガキは1回ぶっ飛ばしてやらないといけないわけで、対決が不可避なのは、昨日書いたとおりである。
 
 しかし、本作『BAT v SUP』は、またも実に余計なことをいろいろ描いていて、上映時間152分は明らかに長い。ここはいらないね、とわたしが感じたシーンはいくつかあるのだが、ちょっとそれをまとめておこう。残念ながらそういう無駄シーンのおかげで、全体的にゴチャゴチャしているように思う。
 ■一番要らないシーン筆頭。ブルース・ウェインの夢のシーン。
 Batmanは、いろいろな自分ルールを持っているのだが、その中でも有名なのが「銃は使わない・人殺しはしない」というものだと思う。それは少年時代に両親を銃で亡くしているからなのだが、この映画では、なんとBatmanが銃を乱射してかなり多くの人を殺すシーンが出てくる。わたしはBatmanが絶対にやらないことだと知っているので、ま、これはどうせ夢かなんかでしょ、と思ったら本当に夢だった。あの夢のシーン、必要かな? まったくいらないと思うんだけどな。ほぼ無意味だったし。鍵はロイスだ、という謎のお告げも間違ってたし(鍵はロイスじゃなくてお母さんだった)。
 ■SupermanとDoom's Dayを核攻撃するアメリカ合衆国。
 これも、せっかく本作で唯一、Supermanが正しい選択をしたのに(Doom'sDayを宇宙空間に追放しようとした)、邪魔するUSAって何なんだ。もちろん、現実的シミュレーションをすると、実にあり得る選択だとは思うが、あれはいらなかったね。何の意味もないし、たぶん、核の直撃を食らって瀕死(?)のSupermanが何故復活できたのかも、詳しくない人には伝わらなかったと思う。一応、Supermanのエネルギーは太陽の光だという設定があるので、それで復活できたということだと思うが、そんなこと知らない普通の人には全然意味不明だったと思うな。
 ■レックスの行動の謎
 昨日も書いたとおり、レックス・ルーサーの背景がほとんど描かれないので、よくわからないのだが、議会爆破って意味があったのかな? たぶん、アンチSuperman世論を炊きつけるための作戦だったんだと思うけど(?違うかな?)、あの作戦のせいで、優秀な秘書マーシー・グレイブスも死んでしまうし(?死んだよな?生きてるのか?)、おまけに自分の研究所を留守にしてた間に、まんまとブルース・ウェインにクリプトナイトを奪われてしまうというアホな失態をやらかすし、まったく無意味で必要なかったとしか思えない。
 ついでに言うと、冒頭のテロリストを取材に行くロイスと、そのピンチを救うSupermanの行動も、結果的にはまったく無意味で必要なかったのではないかとさえ思う。あれは要するにレックスの陰謀だったわけだが、残念ながら物語にはほとんど影響を与えていない。ロイスの取材でやっとレックス=悪党だと言うことが分かってもまったくもって後の祭りで、全然必要なかったと思う。そしてこれは完全な蛇足だが、Wonder Womanを演じたGal Gadot様があまりに美しく可愛い過ぎて、ロイスがまったく可愛く見えず、おまけにまた存在感も薄く、今回もまた、ほとんどロイスは不要キャラになってしまっているようにも観えた。必要だったのはお母さんだけだったね。ロイスとSupermanの関係性が浅すぎるのは、この映画にとってなんとも残念かつ欠点のひとつだろうと思う。
 ■Superman特攻!!!
 Doom's Dayとのバトルで、なんでまたSuperman自身が、自分の一番苦手なクリプトナイト製の槍を持って飛んでいかなきゃならなかったんだ!? という点も、わたしは良くわからなかった。ロイスを助けて、槍を確保するまでは確かにSupermanしか出来ないことだったと思うけど、槍を回収したところで、Batmanが「たまには役に立つな(ニヤリ)。後は任せろ!!」ぐらいの余裕で、Wonder Womanと協力してDoom's Dayを倒せばよかったのに。そもそも、槍をうりゃあッ!! と投げつけてやりゃ良かったんじゃね!? 彼の特攻はまったく意味不明です。あまつさえ、原作通りとはいえ、死んでしまうとは……。(←ここはさすがに白黒反転させておきます)
 ■いろいろ散りばめられたトリビア的小物&台詞
 わたしのようなオタクには、げええーーっ!? と驚き喜ぶことでも、普通の人には全然通じないことが結構散りばめられていましたね。端的なのは、Bat-Cave(=Batmanの秘密基地)に飾られていた「Robin」のコスチュームでしょう。知っている人には常識だが、RobinはBatmanの子分ですな。どうも、既にJokerによって殉職あるいは引退させられてしまっているような設定になってる風でしたね。ブルース・ウェインの台詞にも、「ピエロ野郎(=Jokerのことだよな?)には手を焼いた」的な言葉があったし。そういうのは、別にいらなかったのでは? これをやるなら、もうちょっとだけでもWonder Womanの描写に力を入れてほしかったとわたしは思った。

 はーーーー。ヤッバイ。今日も書き過ぎた。これ、もう読んでる人なんていないだろうな……。

 というわけで、なんともぶった切りですが結論。
 わたしとしては、昨日も書いた通り『BAT v SUP』は十分以上楽しめましたし、以降のDCヒーロー作品が非常に楽しみです。ただ、まあ、この映画は120分でもっとすっきりまとめられたと思います。それに、Batmanを知らない人には、実際良くわからなかったのでは? と思うと、ちょっとだけ残念です。以上。

↓ SupermanとDoom'sDayの戦いを描いたのはこれかな。このコミックと今回の映画はまったく別物ですが、Doom's DayはSupermanを殺したVillanとして有名です。大丈夫、ちゃんと復活しますよ。映画ではどう描かれるのか、楽しみっすね!

 

 いやー。もう大興奮ですよ。
 とうとう、US本国とほぼ同時に公開された『BATMAN v SUPERMAN DAWN OF JUSTICE』 (邦題:バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生)を、初日金曜日18:20にTOHOシネマズ日本橋にて観てきた。タイトルが長いので、以下『BAT v SUP』と略します。
 なお、わたしが日本橋を選んだのは、まあ会社から歩いて15分ほどと近いこともあるのだが、字幕であり、3Dであり、そしてDOLBY-ATOMSであるためだ。以前、『GRAVITY』をATOMS版(@TOHOシネマズららぽ船橋)とIMAX版(@HUMAX成田IMAXシアター)を見比べて、映像は確かにIMAXの方がいいような気がしたが、音響はわたしの主観ではATOMSの圧勝だったので、以来、わたしはIMAXよりもATOMS派である。ま、IMAXは高いしムビチケが使えないところが多いから、という理由もあるけれど、とにかく、劇場で最も重要なのは音響だとわたしは感じている。
  さて。何から書こうか。言いたいことがいっぱいありすぎて、まだ頭の中でまとまっていない。なので、今回はわたしがうおーーーー!! と興奮した点と、マジか!? と驚いた点などを箇条書きであげつらうことにしよう。もちろん、ネタバレ全開です。もう、ストーリーを追う必要はないよね? 基本、予告どおりの映画ですので。まずは、予告を貼っておこうか。

 昨日の記事で散々書いたとおり、本作『BAT v SUP』は、2013年公開の『MAN OF STEEL』の明確な続編である。なので、昨日は、『BAT v SUP』を観る前に『MAN OF STEEL』を観ないとダメですよと書いたわけだが、ズバリ前言撤回させていただきたい。『BAT v SUP』は、正直『MAN OF STEEL』を観てなくても大丈夫だと思う。もちろん、基本的なSuprmanの知識というか、まったくSupermanやBatmanを知らない人は厳しいと思うけれど、わたしが散々コレジャナイと憤っている『MAN OF STEEL』事件は、観てなくてもたぶん大丈夫、だと思う。なぜなら、冒頭でゾット将軍との超絶バトルがブルース・ウェイン視点で描かれるからだ。なので、『MAN OF STEEL』で描かれたリアルなSupermanの葛藤なんてもう完全にどうでもいいのである。しかも、前作ではロイスとのロマンスなんてほとんどなかったのに、『BAT v SUP』では、猛烈に驚いたことに、完全にラブラブカップルで同棲(?)してる設定になっている。ええっ!? とわたしは驚愕を禁じえなかったが、これは実際アリである(なお、前作でロイスはクラーク・ケント=Supermanであることは既に知っている)。なので、前作は観なくてよろしい作りになっていて、これはこれで、非常に感心した。また、本作『BAT v SUP』は、Zack Snyder監督の本来の持ち味である漫画的な画作りが随所で見られ、スローモーションや過剰なライテイングなどが復活していて、きっちり「漫画」になっている。物語も、リアル成分を残しつつ、ちゃんとファンタジックな「漫画」要素もふんだんに含まれていて、非常に面白かった。なので、わたしの結論は、『BAT v SUP』はアリ、である。
 あと、ひとつだけ書いておきますが、本作『BAT v SUP』は152分と長い映画なのだが、MCUのような、エンディング後のチョイ見せ映像はないです。なので、エンドクレジットが始まったらもう席を立って大丈夫です。良く映画オタクは、エンドクレジットが終わるまで席を立つなという人がいるけど、わたしはエンドクレジットも観たいから最後まで観ているだけなので(わたしは最近、どのくらい日本人の名前があるかを探すのが趣味)、そうでない人は別に、最後まで付き合う必要は全然ないと思う。さっさと帰っていただいて構いません。
 ついでにもうひとつだけ。この映画、まったく意味のない夢のシーンなど、たぶん20分以上短縮して凝縮できると思う。ちょっと、ストーリー展開がごちゃついている感はあったことは記録に残しておこう。
 では、もうストーリー順ではなく、わたしが興奮したポイント、驚いたポイントなどをあげつらってみよう。まず、わたしが最も興奮したポイントから行こう。

 ■Batmanの怒り大爆発!!! Supermanを殴って蹴ってぶっ飛ばせ!!!
 いやーーーー。さすがBatman。今回の『BAT v SUP』ではとにかくBen Affleck氏演じるブルース・ウェイン=Batmanが猛烈にカッコイイ。芝居振りも完璧に近い。レックス・ルーサーの悪事にいち早く気づいたBatmanは、新型BAT-MOBILE(←暗くてよく見えない。けどカッコイイ!!)で追跡するも、頭の悪いSupermanに邪魔され、あまつさえ、「今日は見逃してやる」なんて偉そうな、傲慢な捨て台詞まで叩きつけられて、ギリギリ怒りを全身にたぎらせる。このシーンが昨日貼った予告で出ていた「You Will !!」の宣戦布告だ。そしてクライマックスの二人の対決シーンはもう最高である。身体能力で叶わない相手と闘うにはどうすればいいか。もちろん、必要なのは作戦である。わたしは、ジャンプの漫画『HUNTER ×HUNTER』を思い出した。ベテランハンターであるモラウは圧倒的な身体能力を誇るキメラアントと闘うにあたって、勝つために必要なものは何かを弟子に言う。「知恵と経験かね」。あのシーンとそっくり同じですよ。あるいは、吉岡一門との「一乗寺下り松の決闘」に挑む、宮本武蔵と言ってもよかろう。ブルース・ウェインは、本作では20年、Batmanとして悪と闘ってきたという設定になっていたが、そんなベテランヒーローに、Supermanが勝てるわけがないのだ。きっちりと計画し、体を鍛え直し、化け物と戦う準備を進めるブルース・ウェインは本当にカッコ良かった。獣を狩るには罠が必要ってことですな。そして始まった戦いでは、もうBatmanはSupermanをボッコボコである。もっともっともっと!!! 殴って殴ってその傲慢な小僧をぶっ飛ばせ!!! とわたしも観ていて歯を食いしばってしまった。まったくもって、ざまあ、である。
 そして、わたしはよーく分かった。要するに、Supermanは前作『MAN OF STEEL』で描かれたように、所詮はカンザスの田舎者のガキなのだ(記憶が怪しいが確か前作では32歳と言ってたような?)。しかも宇宙人だし。だから、まったく経験や知識が足りていない。思考そのものが幼稚だし、わたしから見れば、単なるゆとり小僧である。そんなガキが、20年間世界の最先端でビジネスをこなし、人と交流し、悪と戦ってきた男に勝てっこないことをこの映画は見せ付けてくれた。だから、この映画は、自分の能力にうぬぼれたゆとり小僧を、経験をつんだベテランオヤジがぶっ飛ばすという構造もあって、わたしのようなおっさん大歓喜ムービーなのである。マジでわたしは心から気持ちよかったです。はーーホントすっきりした。

 ■WonerWomanが超カッコイイ!!! つーかガル様最高!!!
 本作、『BAT v SUP』は、そのサブタイトル「DAWN OF JUSTICE」が示すとおり、今後のDCコミックヒーロー同盟「ジャスティス・リーグ」への序章という側面もあり、公開前から既に、Gal Gadot様演じるWonder Womanのビジュアルも公開されていた。先に書いてしまうが、本作には噂どおり、Aqua-Manもほんのチラッとだけ出てくる。おまけに、これもわたしは大興奮したが、なんとThe FlashもCyborgも出てくるのだ。ほんのチラッとだけだけど。めんどくさいのでAqua-ManThe Flash、Cyborgが何者かは書かないけど、とうとう映画に出演した彼らの姿には非常に興奮しましたが、何よりもう、Wonder Womanを演じたGal Gadot様の美しさには、全身全霊で大興奮ですよ。とにかく、綺麗、美しい、そしてセクシーであり、笑顔が最高に可愛い。今調べてみたところによると、この地球上には73億1735万人の人間が生きているらしいが、わたしは断言したい。Gal様はその頂点に立つ美しさである、と。いやあ、本当にGal様は綺麗でかわいくてセクシーだった。全人類の男が理想とする女性像と言ってもいいすぎ、かもしれないけど、わたしの究極理想は、この女だ。と思った。
 なお、すでに、Wonder Woman単独の映画は撮影に入っていて、インターネッツなる銀河にはその撮影フォトがリークされているので、気になる方は検索してみてください。そしてDCコミックでは、そういったスーパーパワーを持った存在を「メタ・ヒューマン」と呼んでいて、本作では、ブルース・ウェインがコイツらちょっと集合させないとイカンな、というところで物語は終わる。まあ、DCコミックにおける「メタ・ヒューマン」は、ある意味Marvelで言うところの「ミュータント」に近い感じですかね。本作『BAT v SUP』においては、Wonder Womanは顔見世的な扱いではあるけれど、Gal様の美しさは非常に目立ち、最終バトルに参戦するお姿は極めて凛々しくカッコ良くて大興奮でありました。とにかく、すさまじくいい女、である。最高。たぶん、本人に会ったら失神して自然と神を称えるように跪いてしまうと思う。会うことはないと思いますが。

 ■やっぱりよくわからんレックス・ルーサーの野望。お前、何がしたかったんだ!?
 これは物語上の、脚本上の問題点だが、正直に告白すると、わたしにはレックス・ルーサーが一体何をしたかったのか、良く分からなかった。Supermanが嫌いだってことは良くわかった。そしてSupermanを陥れようとしていることも良くわかった。でも、一体全体、お前の野望は何だったんだ!? という点は、今のわたしには良くわからない。もう一度観てみないとダメかも。分からなかったのはわたしだけ、かな!? わたしの理解力が劣っているせいかもしれないけれど、とにかく、わたしは興奮していて、レックスの目的が良くわからなかったのは残念。おまけにかなり抜けているというか、意外とうっかり野郎で、あっさりブルース・ウェインにデータやクリプトナイトを奪われるのは、若干興ざめではあった。ただし、演じたJesse Eisenbergの演技は素晴らしく、これは非常に見ごたえがある。彼は相当上手ですね。いかにもIT系バブリーな生意気な小僧を実に憎憎しく演じていて、本来のレックスとは若干違うキャラ付けだと思うけれど、本作での芝居振りは大変良かったと思う。そして非常にそれっぽい雰囲気を漂わせている秘書(マーシー・グレイブスという、DCコミックでは有名なレックスの片腕)も意外と無能で、ほとんど物語には関与しないお飾りキャラだったのが残念。せっかく我々日本人代表として参加した岡本多緒(a.k.a. TAO)嬢だが、今回は役割的に軽いのがもったいなかったと思う。こちらにインタビューがあるので、ご興味のある方はどうぞ。結構興味深い。

 ■で、BatmanはSupermanを許せたのか? 何が二人を分かり合えさせたか。
 この点は、わたしは結構驚いた。怒り爆発で散々ボコってやったのは気持ちよかったとして、物語的には二人は協力関係を結ばないといけないわけで、一体どうするんだ? と思っていたら、ここは脚本的に、上手い! やられた! と思う展開となった。実は本作は、冒頭に少年時代のブルース・ウェインが両親を殺されるシーンが入る。有名なシーンだよね。何ゆえ、ブルース・ウェインが悪を憎むかという原点だ。なので、わたしは、まーたこれやるんだ、と思いつつも、父親役をわたしが歴史に残る大傑作として大好きなZack Snyder作品『WATCHMEN』で、「コメディアン」という悪辣ヒーローを演じた役者Jefferey Dean Morgan氏だったことに大興奮していたため、きちんと母親の名前を記憶に残していなかったという失態を演じてしまった。しかもこのシーンは『WATCHMEN』で魅せたZack Snyder本来のスローモーションを多用した独特の画作りが明確に復活していたのでそっちに気が取られてしまっていた。このシーンで一番重要なのはブルース・ウェインの「母親の名前」だったのに、全然記憶に残していなかった!!
 なんと、ブルース・ウェインの母も、Supermanをクラーク・ケントとして育てた地球の母も、二人とも同じ「マーサ」だったのである。マーサ・ウェインとマーサ・ケント。偶然の一致がなんとBatmanとSupermanに和解をもたらす鍵となるとは、わたしはかなり驚いた。してやられた気持ちである。もちろん、冷静に考えれば、え、たったそれだけのこと? と思わなくはないが、わたしはこの展開が非常に気に入った。マーサ・ケントを助けたいSuperman。そして、マーサ・ウェインを救えなかった幼き頃のブルース・ウェイン。「チッ! マーサのためなら仕方ねえか」と拳を引くBatmanは、わたしには非常に説得力があるように思えたので、ここは拍手をもって称えたいと思います。

 あーだめだ、もっと書いておきたいことがあるのだが、もう長さ的に限界だ。

 というわけで、今日の結論。
 散々昨日は、『MAN OF STEEL』について、オレが観たかったのはコレジャナイ!! ということを書いたが、本作『BAT v SUP』は非常に爽快で、ゆとりヒーローSupermanがボッコボコにされるさまは最高に気持ちよかった。そして、なによりGal Gadot様が美しすぎて、超わたしの好みにジャストミートすぎて、本当に惚れました。Most Beautiful Woman in the Worldだと思います。
 で、明日も引き続き、『BAT v SUP』について、書き残した他のポイントを書こうと思います。以上。 

↓ シリーズ4作目、かな。実は観てないんすよ……抜かったなあ……チェックが甘すぎた……Gal様ハリウッドデビュー作。先日、WOWOWでシリーズ一挙放送があったので録画済です。さっさと観てみよう。
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