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 昨日観に行った『ALIEN COVENANT』だが、まあ正直内容的にイマイチだったのは昨日書いた通りだ。実は昨日の記事は、もっと膨大に長くて、それは今までのシリーズまとめも一緒に書いていたからなのだが、こりゃあ我ながらもう長すぎる、と思って、そのまとめ部分は全部削除しちゃったのです。
 けど、自分的になんかそのまま捨てるのはもったいないような気がしたので、そのまとめ部分だけ、別記事として残しておくことにした。なので、順番はどうでもいいけど、昨日の『ALIEN COVENANT』の記事と一緒に読むことを推奨します。
 それでは、行ってみるか。

 ◆『ALIEN』:1979年7月公開。わたしは小学生。監督はSir Ridley Scott氏。あれっ? Sir と氏はかぶってるか? まあいいや。で、物語は2122年、宇宙貨物船ノストロモ号が地球へ帰還する途中で、コンピューター(通称:マザー)が謎の怪電波をキャッチし、コールドスリープ中の7人のクルーをたたき起こすところから始まる。その怪電波の発せられている惑星へ調査に行き、一人のクルーの顔に謎生物が付着し、衛星軌道上に待機させた母船(ノストロモ号)に戻ったところで、そのクルーの胸をぶち破ってエイリアン誕生、宇宙船という閉鎖空間で、壮絶なバトルとなるお話である。次々にクルーは襲われ死亡、中には実は人間ではなくアンドロイドだったというクルーもいて、そいつは会社の命令で未知の生命体を見つけたらそれを持ち帰れ、例えほかのクルーを犠牲にしてでも、という指令を受けていた、というおまけもあって、最終的には航海士のリプリーだけが生き残る。とまあそんなお話である。
 わたしの評価としては、もちろん最高に面白い、名作と認定している。何度観ても最高です。わたしはたぶん、回数は数えてないけど通算20回以上は観ていると思う。かつて、TV放送時の日本語吹き替え版のこともよく覚えていて、ノストロモ号のコンピューター「マザー」をTV放送では「おふくろさん」と呼んでいたのが超印象深い。ラスト、ノストロモ号の自爆装置をセットし、脱出艇に向かったリプリーは、脱出艇にエイリアンが侵入したことを知って、ヤバい、自爆装置を解除しなきゃ、と慌てるのだが、ほんのちょっとのタイミングで自爆装置は解除不能になってしまう。その時の「おふくろさん!! 解除したのよ!」というリプリーの絶叫がちょっとだけ笑える。たしか初回放送時のリプリーの声を担当したのは野際陽子さんじゃないかな。まあ、とにかく最高です。

 ◆『ALIENS』:1986年公開。わたしは高校生に成長。当時は「エイリアンかよ懐かしい!」とか思っていたけど、そうか、たった7年後だったんだな。で、監督は、『TERMINATOR』の1作目の大ヒットで有名になりつつあったJames Cameron氏。お話は、前作から57年後。てことは2179年か。なんと、前作でノストロモ号を脱出したリプリーを乗せた救助艇が、地球を通り過ぎて彼方まで行っちゃっていたところを運よく発見され、リプリーは57年のコールドスリープから目が覚めるところから始まる。そのため、リプリーには実は娘がいて、その娘は既に亡くなっていたとか、ちょっと悲しい出来事も。さらに、リプリーは高価な貨物船を爆破した責任を追及されるが、誰もエイリアンの存在を信じない。なぜなら、かつて、ノストロモ号のクルーが襲われたあの星が、今やLV-426と呼ばれて開拓されており、入植者がいっぱいいて、全然平気に暮らしてるぜ、という状況だったのだ。それを知ったリプリーは「な、なんだってーーー!? あの星は危険よ!」と訴えるも誰も聞き入れず。しかし、その入植者からの連絡が途絶える事態となり、リプリーはエイリアンと遭遇した経験者として、宇宙海兵隊の屈強な男たち&女たちとともに、再びあの星へ向かうのだった、てなお話。
 実は、その背後には、リプリーの話を聞いたウェイランドカンパニーの男が、入植者たちに、ホントにそんな宇宙船とか遺跡のようなものがあるのか調査してみろ、という指令を出していて、まんまと「エイリアンの巣」で活動休止していたエイリアンたちを目覚めさせてしまったという事実があった。なので、前作は1体のエイリアンにやられたわけだが、本作では「巣」から目覚めた大量の群れで襲ってくるし、おまけに、卵を産むクイーンまで登場する。ラストはクイーンとリプリーのタイマン勝負で決着。最終的には、リプリーと、入植者の女の子(ニュート)と宇宙海兵隊のヒックス伍長の3人+同乗のアンドロイド・ビショップの上半身だけが助かり、地球目指して帰還するところで終わる。わたしの評価は、これまたもちろん最高。何度観ても面白い! これもわたしはたぶん20回以上見ていると思う。公開時のキャッチコピー「今度は戦争だ!」がぴったりな超傑作。

 ◆『ALIEN3』:1992年公開。わたしは大学院生に成長。最初にわたしの評価を言うと、実はこの『3』はやけに世間的評価は低いのだが、わたしはかなり好き。非常に映像的に印象的なシーンが多く、物語的にも非常に良いとわたしは思っている。この作品を当時29歳で撮ったDavid Fincher監督(公開時は30歳になってた)の才能に激しく嫉妬しつつも、素晴らしい出来に大いに気に入り、以来、Fincher監督作品はすべて観ている。その後、次々と大ヒットを飛ばし、名監督の仲間入りしていることはもうご存知の通り。で、お話は、正確な年代表記があったか良く分からず、前作からどのくらい時間が経っているか分からん。あっ!? 今回の『COVENANT』のパンフレットに年表が載ってるな。それによると、この『3』の物語は2270年のお話だそうで、『2』から約100年後の話だったんだ。これって……わたしが忘れているだけかもしれないけど、初めて知ったような気もする。
 で、お話は、前作ラストで地球帰還の途上にあったはずの宇宙海兵隊の船スラコ号船内で、リプリーたちがコールドスリープ中に謎の火災が起きて、リプリーたちが眠っているカプセルは自動的に脱出艇に移動させられ、船外に射出、その脱出艇がフィオリーナ161という監獄惑星に不時着するところから物語は始まる。しかし、非常に賛否両論なことに、その地表への不時着時に、なんと、前作で助かったニュートやヒックス伍長は死亡したという設定で始まるんだな。そしてリプリーだけが生き残って、その星にある刑務所に保護される。で、結論から言うと、どうもスラコ号にエイリアンが乗っていたらしく、そのために火災が起き、さらには、リプリーの体内に、すでにエイリアンの幼生が産み付けられていたことが判明する。おまけに、脱出艇にもフェイスハガーが1匹紛れ込んでいて、フィオリーナで犬に寄生し、4足歩行のエイリアンが誕生、人々を殺しまくる展開となる。ラストは、リプリーが溶鉱炉へ身投げDIVEし、体内にいたエイリアン(しかもクイーン)とともに死亡、で幕を閉じる。わたしはすごい好きなんだけどなあ……なんでそんなに評価が低いんだ……。とにかく映像が美しく、わたしは最高に面白いと今でも思っている名作。なのだが、どうも世間的評価は低い。とても残念。

 ◆『ALIEN:Resurrection 』:1998年公開。わたしはサラリーマンに成長。結論から言うと、ズバリ面白くない、とわたしは思っている。これは観なくていいよ、といつもわたしは周りに言っている作品。なんと前作で死んだリプリーがクローンで復活。おまけに何と、エイリアンが体内にいた時点でのリプリーのクローンなので、性格も全然変わっちゃったし、人間とエイリアンのハイブリッド的クローンとなって大復活する。その時点で、うわあ、面白くなさそう、とわたしは感じていたが、実際イマイチすぎたので、もう説明はしません。この作品で特徴的なのは、初めてエイリアンが水中で泳ぐシーンがあったのと、地球が初めて出てきたことぐらいかな。ラストもなかなかひどかったすね。今のところ、わたしはこの作品を面白かったという人に出会ったことはありません。ちなみに監督はフランス人のJean=Pierre Jeunet氏というお方で、この人は長編デビュー作『Dericatessen』という変な作品で注目された監督なのだが、その『Dericatessen』もわたしの趣味には全く合わず、面白いとは思っていない。この『4』はたぶん3回ぐらいしか観てないと思う。とにかくイマイチ。

 ◆『PROMETHEUS』:2012年公開。監督はSir Ridley Scott氏が再登板。超・超・問題作。予告編は、シリーズのファンなら絶対にドキドキわくわくする最高の出来であったが、いかんせん物語が微妙すぎた。なんと時は2089年、つまりリプリーとノストロモ号の物語の33年前にさかのぼる。ウェイランドというおじいちゃんの長年の夢である「人類の起源の謎解明」のために宇宙を旅するプロメテウス号の遭遇した悲劇。昨日も書いた通り、とにかく謎が多くて、正直良く分からないのが困る。
 物語は、太古の地球?と思われる惑星の描写から始まるのだが、そこで、全身まっしろ&無毛の筋肉ムキムキマンが、謎の「黒い液体」を摂取、するとムキムキマンの体はぐずぐずと崩壊し川に転落、かくして太古の地球に「命の素」となるDNAが拡散する……ような謎の描写から物語は始まる。そして2080年代? に時は移り、科学者チームは地球の各地に存在する謎の星図を見つけ、これはムキムキマン、通称「エンジニア」からのメッセージではないか? というわけで、プロメテウス号で宇宙に旅立つのだが……というお話。そしてその星図に従ってたどり着いた惑星LV-223には、あの第1作目で登場した宇宙船や通称スペースジョッキーの遺体もあって、ファンは大興奮なわけだが、そこでアンドロイドのデイビットによる、クルーを被験者とした「黒い液体」実験で次々にクルーは死亡、あまつさえ、ラストはエイリアンのオリジン的な謎生物も誕生し、主人公のエリザベス・ショウ博士とデイビットの頭だけが助かり、ショウ博士(とディビットの頭)はエンジニアの宇宙船で、エンジニアの母星へ旅立つところで幕切れとなる。昨日も書いた通り、本作に関してはWikiに詳しいストーリーが書いてあるけれど、わたしは全然その解釈に納得がいってません。Wikiの内容はホントなのかなあ?

 はー長かった。以上でシリーズのこれまでの歴史の振り返りは終了です。
 とまあ、こんな歴史があるわけで、わたしとしては今回の『COVENATN』で、前作から積み残しの謎がそれなりに説かれるのだろう、と思っていた。その結果は昨日書いた通りだが、何とも微妙というか……なんか残念である。
 ところで、昨日の記事には書かなかった、おまけ情報を記録として残しておこう。
 ■そもそも、タイトルの「COVENANT」ってどういう意味だ?
 この言葉は、たぶん全国の財務部の人、あるいは経営企画の人なら絶対に聞いたことのあるビジネス用語、いわゆる「コベナンツ」と同じ英語だ。ビジネス用語でいうところの「コベナンツ」とは、日本語にすると「財務制限条項」のことで、企業が社債を発行したり借り入れをしたりするときに、こういう事態になったら(例えば債務超過になるとか)一括で金を返してもらいますぜ、と契約書に記載される条件であり、英語本来の意味は「契約」とか「誓約」という意味である。
 わたしは『ALIEN』シリーズの新作が『COVENANT』というタイトルであることを知ったとき、それは一体どういう意味を持つのだろう? といろいろ想像していたのだが、まあ結果的には宇宙船の名前であり、それほど深い意味はなかったように思われる。もちろん、ウェイランド氏とデイヴィットの間に取り交わされた誓約であるとか、いろいろな解釈は可能だと思うけれど、ま、そんなに深読みしてもほぼ意味はなかったかな。なんか、なーんだ、であったように思う。
 ■時間軸で観ると?
 時間軸をシリーズで整理してみると、今回の『COVENANT』は、前作の15年後、そして第1作の20年前、ということになる。てことは、本作のエンディングで、大量の人体及びヒトの胚芽を手に入れたディビットが、エイリアン大量製造を始めるということになるのかな。何しろエイリアンは人体がないとダメなので、まんまと原料を入手したわけだ。なんか、そのためにあの後味の悪いエンディングとなったかと思うと、実に腹立たしいというか……。ところで、第1作及び『2』の星であるLV-426は、結局今回のエンジニアの母星ではなく、アレなのかな、本来CONENANT号が向かうはずだった惑星、ということなんだろうか? そこへ向かってデイヴィットは旅立ったのでしょうか? ここが良く分からないす。少なくとも、1作目に出てきた宇宙船とスペースジョッキーは、『PROMETHEUS』でいうLV-223にあるわけで、それが後の『2』でいうLV-426と同一なのか、それも良く分からん。
 ■で、エイリアンって、どんな生き物なの?
 実はわたしはいまだに良く分かっていない。エイリアンは人間を襲うけど、別に襲ってむしゃむしゃ食べる、つまり捕食するために人間を襲うわけでは全くなさそう。一応、『2』での描写を観ると、エイリアンは人体(『3』で描かれた通りヒトである必要はなく、犬でもOKなので、どうも哺乳類なら何でもいいのかも)をある意味保育器として利用する必要があるため、人を襲って「生かしたまま」巣に持ち帰って、寄生する繭に利用する習性をもっているらしい。
 でも、どう見ても他の作品では余裕で人を殺しているので、『2』での描写も若干シリーズで一貫していない。何なんだろう? エイリアンって、何を食ってどういう代謝組織をもって生命活動を行っているんだろう? 宇宙でも平気なので、酸素も必要なのかどうかも分からんし……とにかく謎である。わたしとしては、今回の『COVENANT』は、そういう生態についてきちんと説明される作品になってほしかった。

 というわけで、結論。
 わたしとしては、『ALIEN』シリーズは「3」までは最高、その後はイマイチ、と言わざるを得ない。そして声を大にして言いたいのは、何で「3」の評価が世間的に低いのか良く分からん。面白いんだけどなあ……そして、結局エイリアンって何を食って生きてるんすか? その点もわからんす。まあ、それでも、エイリアンのデザインは最高にCoolだし、おそらくは未来永劫、映画史に残る傑作のひとつに数えられるだろう、と思います。なので、シリーズを観ていない人は今すぐ観ましょう! 以上。

↓ 今回の『COVENANT』に出てくる奴は、白いっす。わたし的には、産まれたてのチビ状態の凶暴さが一番恐ろしかった。しかも今回は背中からバリバリバリッと出てくるし。実際コワイ!

 もはや誰もが知っている「エイリアン」という言葉は、おそらく映画『ALIEN』によって我々日本人にも通じる言葉となったと思うが、わたしはおっさんとして、シリーズ全てを映画館で観ている。今わたしの部屋には1000冊以上の映画のパンフレットがあるのだが、兄貴からもらったものを除いて、たぶん、わたしが自分で買ったパンフレットの中で、恐らくは最も古いものが『ALIEN』のパンフだと思う。もちろん、『STAR WARS』とかも一番最初の劇場公開時のものを持っているけれど、それらは正確には兄貴が買って、わたしが貰っちゃったもののはずで、明確に自分のお小遣いで買った最古のものは『ALIEN』であろうと思う。公開された1979年当時、わたしは小学生。確か、日本ではほぼ同時期に『SUPERMAN』も公開になっていて、親父に『SUPERMAN』と『ALIEN』どっちがいい? と言われ、ホントは『SUPERMAN』を観たかったけれど、既に兄貴が『SUPERMAN』を観ていて、なにかと自慢していたので、ちくしょうと思っていたわたしは「ALIENがいい!」と主張したのである。場所は日比谷の有楽座。今現在、日比谷シャンテの鎮座するあそこに存在した、日本有数のデカい映画館である。当時は、公開土日にデカい劇場でパンフを買うと、ちゃんと表1に映画館の名前が印刷してあったのだが、今わたしの手元にある、結構ボロボロになった『ALIEN』のパンフにもちゃんと「有楽座」と印刷してあるので間違いない。ホント、今でも『ALIEN』を親父に連れられて観に行った日のことを超覚えてるなあ……。なお、もちろん『SUPERMAN』も、その後近所の映画館に来たときに観に行きましたけどね。
 そしてその後順調に映画オタクの道を邁進してきたわたしは、『ALIENS』(エイリアン2)は高校生の時にマリオンの日本劇場(来年だっけ、閉館が決定済み)に観に行ったし、『3』も同じく日本劇場へ、そして『4』はもう社会人になってた頃であったはずだ。さらに、『PROMETHEUS』はつい最近というか5年前か、これは近所のシネコンで観たっすね。
 何が言いたいかというと、こんなわたしなので、『ALIEN』シリーズには深い思い入れがあり、その新作が公開となれば、100%間違いなくわたしは観に行くということである。そして当然のことながら、昨日の金曜日から公開になったシリーズ最新作『ALIEN COVENANT』も、今日の朝イチで近所のシネコンへ観に行ってきた。そして結論から言うと……うーーーん……やっぱり微妙と言わざるを得ないだろうな……正直、イマイチUSでの評判は良くないと聞いていたので、あまり期待していなかったのだが、その期待よりはずっと良かった、けれど、やっぱり……いろいろと突っ込みたくなっちゃう物語で、大変残念である……。というわけで、以下、『ALIEN』シリーズ全般にわたってネタバレ全開になる予定なので、気になる人は読まないでいただきたいと思います。

 ズバリ言えば、本作『COVENANT』の物語はほぼ想像の範囲内であったのだが、本作は、明確に前作『PROMETHEUS』の続編であった。なので、前作を観ていない人には、まったく意味不明な部分が多く、あくまで前作を観ていること、もっと言えばシリーズ全作を観ていることが、本作を鑑賞する必要条件となっていると思う。
 しかし、である。前作『PROMETHEUS』は、あまりに微妙かつ謎すぎて、正直良く分からん物語であった。ここで、わたしが思う、前作での謎ポイントを2つ挙げておこう。
 1)一体全体、デイヴィットというアンドロイドの目的は何なのか?
 2)エンジニアと呼ばれる謎種族の目的は何なのか? 結局「黒い液体」は何だったのか?
 まず、1)については、本作『COVENANT』冒頭でかなり明確に描かれていた。本作は、まず『PROMETHEUS』の恐らく10年とか20年ぐらい前のシーンから始まる。前作ではヨボヨボのおじいちゃんだったウェイランド氏がまだちょっとだけマシな老人(なお、演じたのは前作同様Guy Pearce氏)として登場し、ディビットとの哲学問答めいた会話が描かれる。そこで、ウェイランド氏は、生命の誕生が分子科学的な偶然によるものだなんて信じたくない、なにか「偶然ではないこと」、すなわち「創造主」がいたはずだという信念が語られる。これは、デイヴィットの、「わたしを創造したのはあなたですが、あなたを創造したのは誰なんですか?」という問いに答えたもので、「人間の種の起源の謎を解明すること」が、ウェイランドとデイヴィットの解くべき至上命題であったことが描かれる。つまり、前作の謎1)デイヴィットの目的=人類の起源の解明=命をもたらしたのは誰なんだ? というものらしい。そういう意味で、人間に火を与えたプローメテウスを宇宙船の名にしたウェイランド氏の意図ともつながるわけだが、しかし、前作や本作を観ている限り、デイヴィットの目的は、人類の起源の解明から、「新種の生命の創造=自らが創造主となること」に方向が変わってしまっていて、本作ではもう完全にMADサイエンティストのような悪役扱いであった。なお、この冒頭のシーンで、デイヴィットはウェイランド氏に名を尋ねられ、「わたしは……ディヴィットです」と「ダヴィデ像」を見て、自らを命名するシーンがある。ここはディヴィットに搭載されているAIが超高位のAIで、自意識すら獲得している=目的を自ら変えられることを表すものとして重要だと思った。
 そして2)の方は、結論から言うと本作を観てもさっぱり不明、であった。そもそもの「黒い液体」も良く分からない。Wikiの『PROMETHEUS』のページにはかなり詳しいストーリーが記述してあるが、それによると「黒い液体=兵器」なんだそうだ。そして、本作『COVENANT』では、デイヴィットが謎の「黒い液体」をエンジニアの母星(=今回の舞台となる惑星)でばらまき、エンジニア種族を全滅させるシーンがチラッとあるが、どうやらそれは、自らの創造主であるウェイランド氏を前作でエンジニアに殺されたデイヴィットの復讐、であるようだ。でも、わたしにはその説は受け入れられないなあ……じゃあ『PROMETHEUS』冒頭の太古の地球と思われるシーンは何だったのよ? とまるでわたしには良く分からんままである。

 まあ、ともかく、本作『COVENANT』に話を戻そう。宇宙船COVENANT号は、人類の外宇宙への移民船で、15名のクルーのほかに2000名の移民者(真空パックみたいなのに入れられて熟睡中。本編では彼らは目覚めない)や、1140体の受精胚を載せていて、テラフォーミング機材も満載しており、とある星に向けて航行中である(つまりウェイランド氏の目的=人類の起源の探索には全く関係ない。ただしウェイランド社の船ではある)。起きているのはアンドロイドのウォルターと制御プログラムのマザーだけで、クルーたちはコールドスリープ中であったが、あと目的の星まで7年チョイの距離で、宇宙嵐的な障害で船体を損傷し、コールドスリープ中のクルーは全員強制起床させられ、対処にあたる。その際、船長はカプセルの不調で死亡。なお、船長を演じたのは面白イケメン野郎でおなじみのJames Franco氏で、本作ではほぼ出番なしであるが、事前に公開されていた「LAST SUPPER」は観ておいた方がいいだろう。こちらにはきちんと船長が出てくるし、クルーたちの関係性を知るうえで結構重要だ。どうもクルーたちはことごとくカップルというか夫婦で、そういう意味でも移民船という目的にかなっているのだろうと思う。

 で、クルーたちは船長を失って重い空気になるが、まあ航海を続けないといけないので、船外活動もして船を直していると、シリーズでおなじみの展開、謎の通信電波を受信、なんとその通信電波は、明らかに人類と思われる存在が、John Denverの「Country Roads」を歌っていることを発見するにいたる。カントリロ~ド、テイクミーホ~ム、のあの歌である。マザーが発信源を追跡した結果、その謎電波の発信地は現在位置から3週間ほどの近い位置にあるらしい。おまけに、どうもその星は人間が呼吸可能な大気組成で、水もあり、テラフォーミングには極めて適しているようだということが判明する。
 クルーたちは、またしても宇宙嵐に遭遇するかもしれず、また7年間もコールドスリープに入るのは嫌だという声が多数を占め、新たに船長になった男も、じゃあ、行ってみるか、と決定する。ひとり、ダニエルズという、亡くなった船長の嫁である航海士だけが、そんなバカな、今までの調査で一切引っかかってこなかった星があるなんて信じられないし、危険だし、私は反対!と声を上げるが、結局COVENANT号はその謎の星へ向かうことにする。しかしその星こそエンジニア種族の母星であり、前作で生き残ったアンドロイド・デイヴィットが待ち受ける、罠だったのだーーーてなお話である。
 なお、なぜCOVENANT号が旅立つ前にその星は調査に引っかからなかったか、という謎は、おそらく前作の物語のラストでエンジニアの母星に旅立ったデイヴィットが到着する以前に、COVENATN号は地球を出発していたから、なのだと思う。つまり入れ違いというか、COVENANT号が地球を出発して、ぐっすりクルーたちがコールドスリープに入っている間に、デイヴィットはエンジニアの母星にたどり着き、テラフォーミングして罠を張った、てなことだと思う。たぶん。
 わたしは、ここまでの展開は、非常に面白い作品になるのではないかという予感にゾクゾクしていたし、もちろん映像は、Sir Ridley Scott氏による超美しい映像で、ぐいぐい物語に引き込まれていたのは間違いない。とにかく映像が綺麗でおっそろしくハイクオリティである。しかし、この後の展開が……もう正直、あーあ……であった。

 おそらく、本作を観た人なら誰しもが、以下の2点に全力で突っ込みを入れたい気持ちだろうと思う。少なくともわたしは、以下の2点さえきちんと改良されていたら、本作は相当素晴らしいものになったはずだと考えている。
 1)あの……みなさん、無防備すぎじゃあないですか?
 なんと、その謎の星に向かったクルーたちは、宇宙服もヘルメットもなく、フツーに上陸しちゃうんだな。いやいやいや、それはあり得んだろ……常識的に考えて。大気が呼吸可能だとしても、どんな未知の脅威、具体的に言えば細菌類やウィルスの類が存在しているかわからないんだから、完全防備で上陸するのが当然だと思うのだが……おまけに、思いっきり植物の繁栄している状態なんだから、どんな毒物があるかも分からないし、完全防備が当たり前だと思うけれど、作中キャラたちは普通に上陸し、結果的には、まんまとあの「黒い液体」から派生したと思われる「黒い微粒物」を吸い込んだり耳から侵入されたりして、体内で謎生物を宿すに至り、死亡する。そりゃあそうなりますわな。あれがきちんと完全防備だったら、本作の悲劇は相当軽減されていたと思うんだけど……この点は、もう、観た人なら必ず突っ込みを入れるはずだろうと思う。
 2)ダニエルズさん! 気づけよ!!
 ズバリ言うと、本作のエンディングは、実に後味が悪い。作中に登場するアンドロイド、デイヴィットとウォルターはともにウェイランド社謹製の同シリーズであるため、要するにまったく同じ顔をしており、Michael Fassbender氏の渾身の一人二役で演じ分けられている。そして、前作から引き続き登場するデイヴィットが、前述の通り悪党、そして今回初登場のウォルターがクルーの味方となってバトルとなるのだが……はっきり言って、観客全員、勝ち残ったのはウォルターではなくてデイヴィットだと見抜いていたのではなかろうか? 少なくともわたしは、こいつ、ウォルターです、みたいな澄ました顔してるけど、どうせデイヴィットなんでしょ? そしてダニエルズはそれを見破ってぶっ殺すんでしょ? と思っていた。が、なんとダニエルズは全く気づいておらず、物語は最悪の後味の悪さを残して終わるのである。ありゃあナイなあ……この脚本はナシだ、とわたしは極めて不満である。きちんとダニエルズはデイヴィットを始末して、気持ちよく眠りにつくべきだったと思う。せっかく、ダニエルズと新種エイリアンの最終バトルはかなりの迫力で映像的にも素晴らしかったし、なにより、かつてのリプリーVSクイーンを思い起こさせるような見事な展開だったのに! 正直台無しだよ、とわたしは極めて残念に思った。
 
 というわけで、わたしとしては本作『COVENANT』に関しては、結構微妙というか、はっきり言ってしまえばガッカリである。やっぱり、シリーズは『3』で終わらせるべきだったんじゃあないかなあ、とさえ思う。やるなら、きちんと最初から3部作ぐらいの構想を決めてからにしてほしかった。なんというか、場当たり的ですよ、実に。これじゃあダメだと思う。せっかくの超ハイクオリティな映像も、この物語じゃあどうしようもないとすら言いたい。
 キャストに関しては、もう今回の主人公、”うっかり”ダニエルズさん一人だけ取り上げて終わりにしよう。演じたのはKatherine Waterston嬢37歳。『Fantastic Beast』のヒロインを演じた彼女だが、ズバリわたしの趣味じゃあない。でもさっきいろいろ検索してみたところ、このお方は髪が長いときは結構美人すね。つまりショートカットが似合わないのではなかろうか。わたしとしては残念だが、なんだ、ロングだとかわいいじゃん、ということをさっき発見して驚いたっす。で、本作においては実に熱演で、演技自体はかなり素晴らしかったと称賛したい。
 また、わたしのようなおっさんファンにとっては、冒頭のタイトルの出方? が、第1作と同じで、その辺はもう、わたしは非常に興奮していました。これは期待できる、と最初は思ってたんすけどね……なんか、もったいないというか残念す。上記でわたしが挙げた2点が改善されていれば、相当面白かったなあ、という気持ちで劇場を後にすることが出来たのだが……ホント残念でした。

 というわけで、もうクソ長いので結論。
 わたしの大好きな『ALIEN』シリーズ最新作、『ALIEN COVENANT』が公開され、超ワクワクしながら劇場へ向かったわたしであるが、残念ながらあーあ……という気持ちで劇場を後にせざるを得ない内容であった。微妙というか、イマイチだったすねえ……。たった二つのポイントだけなんだけどなあ……映像は本当に素晴らしく、見ごたえバッチリだっただけに、本当に残念だ。どうしてあんなエンディングにしようと思ったんだろう? 続編を作るため? もうそういうの、ホント勘弁してもらえませんか? 続編を作る気があるなら、最初っから、全体の構想をきっちり設計してからにしてほしい。場当たり的な続編製作は、シリーズIPとしての価値を下げるだけですよ。ホントもったいないし、残念す。以上。

↓ 久しぶりに、エイリアン祭りを家で開催しようと思います。でも対象はこの3本だけっす。





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