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 昨日は昼から夜までずっと予定が入っていて、年末だってのにやれやれだぜ、と思っていたところ、夕方と夜の予定が急に年明けに延期になり、それじゃさっさと帰って家で何か映画でも見るか……と思って会社を出た5秒後に、そうだ、オレは今、マリオで言うところの無敵スター状態なんだから、映画観て帰ろう、という気になった。そうです。わたしは今、TOHOシネマズの1か月無料パスポートを所持しているので、何でもタダで観られるのでした。
 というわけで、会社から最寄り駅までの60秒間の間に、そうだよ、アレを観ようと心に決め、家への帰りのJRではなく、地下鉄に乗って有楽町へ行き、目指したのは日比谷のシャンテである。わたしが観たいなあ、と思いつつも見逃していて、身近なシネコンではもう全然上映していない映画がまだシャンテで上映中なのであった。
 わたしが昨日観た映画は、タイトルを『gifted』と言い、邦題もそのまま「ギフテッド」である。その意味は、生まれながらにさながら神様から贈られたかのような才能を持つ、天才児のことだ。ズバリ、結論から言うと、はっきり言ってよくある話だし、脚本的に突っ込みたくなる点も結構ある。けれど、とにかく、やっぱり子役には勝てないすな。もう泣けてたまらん仕上がりとなっており、その「スーパー天才児」を演じたちびっ子の涙に、おっさんとしてはもう、主人公と完全に同化して「ごめんよ、オレが悪かった……」とクスンクスンとせざるを得なかったのである。これは泣けますわ。隣に座ってた結構美人のお姉さんも盛大に涙を流されていたのが印象的であった。
 というわけで、以下、結末まで書いてしまうと思うので、気になる方は絶対読まないでください。何も知らないで観た方が、感動すると思いますよ。

 さて。わたしがこの映画の予告編を見たのはずいぶん前で、US版の字幕なしのものだったが、わたし的に、これは観ないとイカン、と思ったポイントは以下の2つである。
 その1)主役がキャップでお馴染みのChris Evans氏じゃんか!
 その2)おっと、監督はMarc Webb氏じゃん!
 つまり、監督主演がわたしには大変おなじみの男たちであったから、である。キャップことChris Evans氏は、もうすっかりキャップのイメージが強くなりすぎている今、他の役を演じるのはわたし的には結構久し振りで、キャップじゃないChris氏を観るのは楽しみだし、監督のWebb氏も、『THE AMAZING SPIRED-MAN』シリーズを失敗させた男として散々評判を落としてしまったけれど(実際わたしもアレはナシ、だと思っている)、彼の出世作である『(500)Days of Summer』は大変な傑作なのは間違いなく、わたしも大好きな映画であるので、やっぱりこの人はこういう、笑いの中にもちょっと泣かせるような、ある意味地味なハートウォーミング系ヒューマンドラマの方が向いてるんじゃね? と思っていたので、今回の作品はまさしくそういう匂いが漂っていたため、大変期待していたのである。
 そして実際に観てみたわけだが、わたしの期待に応えるなかなかの佳作であり、わたしとしては満足だ。ただ、冒頭に記したように、はっきり言ってよくある話というか、なんか前にもこういう話があったような、という気のする物語であり、また、ツッコミどころもなくはない。まずは簡単に物語をまとめてみよう。
 主人公フランクは、フロリダの海沿いの(?)街で、船の修理をしながらしがない日銭を稼ぐ、若干ぱっとしない男だ。彼は、亡くなった姉の娘(つまり姪っ子)とともに暮らしているのだが、まずその姉は、数学で天才的な才能を持ち、ミレニアム問題の一つでもある「ナビエ-ストークス方程式」を解き明かすのではないかと期待されていたほどの才女だったのに、ある日フランクの元に娘を連れてやって来て、自らは命を絶ってしまったのである。というわけでその残された娘とともに暮らしているわけだが、その娘、メアリーも、弱冠7歳にして早くも天才としての才能を顕しており、小学校では「いまさら1+1=2って、マジ勘弁してよ……」的な若干の問題児であった。そんな暮らしの中でも、メアリーはフランクが大好きで、フランクもメアリーを心から愛し、そもそも賢いメアリーは、周りの小学生どもにうんざりしながらも、空気を読みながら、片目の猫フレッドとともに2人+1匹は幸せな毎日を送っていた。そんな時、フランクと姉の母であり、メアリーのおばあちゃんであるイヴリンという女性がやって来る。彼女もまた数学者で、大変頭のいい女性なわけで、イヴリンおばあちゃんはメアリーにいわゆる「ギフテッド教育」を受けさせるべきだと主張。あくまで普通の女の子として日々を送らせるべきだとするフランクと真っ向から対立し、やがて親権を巡って法廷闘争にまでもつれてしまうのだが、そこには自殺した姉の想いがあって―――てな展開である。
 どうですか。結構ありがちな話でしょ。しかしですね、これが泣けるんすよ。何故泣けるか。それは、もうメアリーを演じたちびっ子が、超かわいいからに他ならないのです。以下、各キャラを演じた役者陣をまとめておきます。
 ◆フランク:演じたのは前述の通り、キャップことChris Evans氏。大変いい演技ぶりでとても良かったと思う。フランクという男は、過去、自らも哲学の准教授としてボストン(だったかな?違うか?)で大学の教壇に立っていた男であるが、姉の自殺によってフロリダに移住した、という設定になっている。そして、母による姉への態度を長年嫌ってきたらしく、母とは全く話が合わない。まあ、完全に理系と文系、ですな。ただ、わたしが本作で一番突っ込みたいのは、なんでまたフランクは船の修理なんかで経済的に不安定な暮らしをしてたんだ? という点である。いや、姉の自殺に、おれのせいだという罪悪感を抱いているのはアリだと思うし、姉の自殺によってフロリダに引っ越した、というのも全く理解できる。けれど、法廷闘争になって、判決の一番のポイントがフランクの経済状態がよろしくない、という点になってしまったわけで、わたしは、これはきっと、フランクは一念発起してまたきちんとした職に就くのだろう、と思っていた。だって、フランクに養育能力ナシと判定されそうになったのは、ズバリ金の問題だけだったわけだし。でも、そういう展開にならず、結果としてメアリーを手放すことになってしまったわけで、わたしは観ながら、お前、ちゃんと働きなさいよ!メアリーを泣かせやがって!メアリーとの約束を破りやがってこの野郎! と若干イラっとした。でもまあ、最終的には大変美しくお話は着地するので、とりあえずはお咎めナシ、にしてあげたいと思う。
 ◆メアリー:演じたのはMckenna Graceちゃん11歳。前歯が全部なくて絶賛生え代わり中。天才児らしく、眉を寄せて考え込んでいる様子も可愛いし、勿論はじける笑顔もイイ。そしてなんと言っても、「ずっと一緒だからな」と言っていたフランクに約束を破られて、里親に引き渡される時の超大号泣には、もう人間なら誰しも彼女を抱きしめて慰めたくなるような、グッとくる演技を見せてくれました。ホントに劇場中が涙してたようにさえ思いますね。素晴らしいす。途中に出てくる、病院で子供が生まれることろを見せられて、お前もあんな風に、みんなの祝福に囲まれて生まれてきたんだよ、と教えられて、スーパーハイテンションで満面の笑みになるところや、ラスト、普通の女の子のように、ガールスカウトの服を着て、子どもらしい笑顔を見せてくれるのも非常に印象的でした。若干、わたしの大好きなAnna Kendrickちゃんに似ているような気がしますな。どうかすくすくと育って、美人になるのだぞ……。とりあえず彼女の名前は忘れないようにしたいと思います。
 ◆イヴリン:フランクの母でありメアリーのおばあちゃん。演じたのはLindsay Duncanさん67歳。この方は舞台人なんですね。そして映画だと、『Birdman』に出てきた辛口批評家のおばちゃんを演じたのがこの方らしい。なるほど。イヴリンおばあちゃんは、良かれと思って娘の才能を伸ばすためにギフテッド教育を与え、そして孫のメアリーにもそうしたい、と思っているわけで、実際悪意は全くないし、娘の自殺にもとても心を痛めている。だから冷たい人、という評価は本人には心外だろうと思う。でも、もうチョイ、耳を傾けるべきだったんでしょうな。そして、猫アレルギーで、メアリーの大切な猫、フレッドを保健所に引き取らせる暴挙を働いたのはまったくもって許しがたい! が、何度も書くけれど、ラストは大変美しい着地なので、おばあちゃんもまあ、許します。わたし的には猫のフレッドが助かってホッとしました。
 ◆ロバータ:フランクたちのお隣さんで、なにかとお世話になってるおばちゃん。演じたのはOctavia Spencerさん47歳。余り出番はないけれど、フランクとメアリーを見守る近所のおばちゃんで、超イイ人。メアリーも懐いているし、フランクも信頼している模様。もう少し、物語に関与しても良かったような……。
 ◆ボニー:メアリーが入学した「普通の」小学校の担任の先生。若干セクシー。そしてフランクとイイ仲に。一夜を共にしてしまった翌朝、メアリーに目撃されて、「やっちゃった……」とショックを受けるも、この時のメアリーの「Good Morning, Ms Stevenson!(ニヤニヤ)」には劇場内は大爆笑でした。本作をまだ観てない人には全く通じないと思いますが、観た人なら誰しも笑うところだと思います。このボニー・スティーヴンソン先生を演じたのはJenny Slateさんというお方で、わたしは観たことない女優さんだな、と思っていたのだが、どうやら声優もやられているお方だそうで、なんと、『Zootopia』の羊のベルウェザー副市長を演じられた方だそうです。へえ~。

 というわけで、もう書くことがなくなったので結論。
 昨日の夜、突発的に観に行った映画『gifted』は、ありがちなお話と言えばそうだし、若干の脚本的なツッコミどころもなくはない。だがしかし、そんなのはもうどうでもいいんです。なにしろ、天才児メアリーがとにかくかわいい! そしてそんな天才児を不器用に育てようとするキャップの姿も、なかなかいいじゃないですか。ちゃっかりセクシー先生とイイ関係になるのは若干うらやまけしからんけれど、総評としてはこの映画、わたしは大変気に入りました。アリです。Marc Webb監督は、もう巨大予算のかかった大作よりも、こういった日常的な人々を描く、等身大の作品を作っていってほしいすね。やっぱり、Webb監督はなかなか腕の立つ男だと思います。以上。

↓ 大変面白く、わたしは大好きです。ラストのオチもイイ!
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 というわけで、今日もWOWOWで録画したけど観てなかった映画です。
 タイトルは『PUSH』。日本語タイトルには「光と闇の能力者」という、若干中二病めいたサブタイトルがついていて、HDDを整理していて、一体なんだこれ、なんでこんなの録画したんだろう? と我ながら謎であった。ストーリーも役者もまったく記憶にない。一体全体、どんな映画だっけ? と思いながら、とりあえず再生ボタンをPUSHしてみた。

 すると、冒頭にちょっとしたアクションシーンがあって、どうやらその日本語サブタイトルどおり、何らかの能力者の話であることがぼんやり分かってくる。そしてオープニングタイトルが来て、ナチスドイツが進めていた、超能力者開発プロジェクトがあって、それを連合国側が引き継ぎ、とある組織が誕生したことがざっと説明される。そして現代に時が移る。どうやら、香港? らしいアジアの街並み。そこを行く男……と、主人公と思われる男が出てきて、ああそうか、と気が付いた。その男は、今やCAPTAIN AMERICAでお馴染みのChris Evansであった。なるほど、こいつの主演作だからオレは録画しようと思ったんだ、と、ようやく思い出した。
 この映画は、2009年公開なので、CAP公開前になるのかな。Chirs Evansの体つきは、まだCAPほどのマッチョじゃない。なるほど、彼が出ているから録画したのかと納得したものの、面白いのかね? とまだ半信半疑で観始めたのだが、結論から言うと、まあまあ、てとこだろうか。クソ映画といったらかわいそうだけど、超面白かったかというとそれほどでもなかった。
 物語自体は、正直穴だらけというか説明不足? というべきか、よく意味が分からないところがある。主人公は幼少時に、その組織に父親を殺されて、香港に逃げて暮らしていると。で、どうやら香港は、そういう組織から外れた能力者がいっぱいいて、コミュニティ的なつながりがあると。で、そこに組織から逃れてきた能力者が一人現れる。同時に主人公の下には、一人の少女が現れて、その逃れてきた能力者を助けないと、死ぬ運命にあると言う。正直その冒頭の流れさえわたしには意味不明だったのだが、まあそういう流れになって、途中で、香港の地元の能力者たちが主人公に協力したり、また一方では中国人ローカル組織も絡んできて、3つ巴の逃亡者争奪戦が始まる、とまあそんなお話。サーセン。我ながら全然まとめられないや。
 面白いのは、まさしく中二めいた設定の能力者たちで、いろいろな能力者が出てくるところかな。
 Mover:その名の通り、物体を動かせる能力者。サイコキネシス的なもので、銃弾をはじくことも出来る。主人公はこの能力者。この能力者は敵方にもいる。
 Watcher:予知能力者。未来を視ることができる。Dakota Fanningちゃん演じる少女のほか、複数いる。
 Sniffer:匂いを嗅ぐ者、ということで、物体に残る匂い(?)からその持ち主の場所やその物体の過去が分かる。サイコメトラー見たいなものですな。
 Shadow:Snifferから人や物を隠せる能力者。地味。
 Shifter:物質を別のものに作り変える能力者。これも地味。
 Pusher:これが鍵となる能力者で、何人かいるのだが、記憶を人の頭に押し込める能力者。要するに、人を自由に操れると言うことで、コイツに見つめられるとアウト、ある意味で無敵能力。
 このほかにも、大声を出して音波攻撃が出来る能力者とか、骨格をいじくれる(?)能力とか、記憶を消すだけの能力者とか地味なのも何種類か出てくるが、なんとも変なのは、みんな自分の能力を活かしきっていないというか、もうちょっとうまくやれるんじゃね? という妙なバトルシーンが多く、Mover同士で殴り合いの喧嘩してもしょうがないだろうに、ねえ、とまあなんともぽかーんと成り行きを見守ってしまった。
  というわけで、脚本的にはちょっと問題ありだし、演出も別に普通。役者陣、Chris Evans とDakota Fanningちゃんの二人だけ、見る価値ありと言っておこう。Dakotaちゃんはこの当時15歳。現在21歳かな? あきらかに、現在非常に売れっ子となってしまったブサカワガールこと、妹のElle Fanningちゃんより可愛いと思うのだが、なんか最近は妹ばっかりで、Dakotaちゃんを見かけないですな。 この映画の、15歳のDakotaちゃんはやっぱり相当可愛かったです。あ、今、Wikiで知ってへえ~と思ったのですが、DakotaちゃんとElleちゃんの姉妹で、トトロのサツキちゃんとメイちゃん姉妹の吹き替えをやったそうですよ。へえ。そうなんだ。それってわたしが持ってるBlu-rayもFanning姉妹Verなのかな? 後で調べてみよっと。

 というわけで、結論。
 まあ、結論も何もないのだが、『PUSH』という映画は別にどうでもいい映画でした。ただ、CAPがCAPを演じる前にどんな映画に出てたのか知りたい人、あるいは、15歳のかわいいDakota Fanningちゃんを観ておきたいという人は、どうぞご覧ください。以上。

↓とりあえず、もってない人は買いでしょうな。全日本国民が持っていてしかるべきだと存じます。
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