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 というわけで、今日は昼から地元シネコンにて『Fantastic Beast:The Crimes of Grindelwald』を観てきた。のだが、なんつうか……もう結論をいきなり冒頭で書いてしまうと、やっぱりこれは、『Harry Potter』シリーズが大好きな人でないとダメなんだな、ということを強く思った次第である。
 1作目をちょうど2年前に観た時も書いたけれど、わたしは実際『Harry』に関しては、原作小説は一切読んでいないし、映画は全作きちんと見たけれど、それほどのめり込んで面白いとは思わず、正直、物語を追うのに精いっぱいで、挙句の果てにきちんと理解できなかった、という苦い思い出しかない。
 何しろ長い。そして、映画単体でも見て上映時間が長く、各キャラクターが何を求めて行動しているのか、というそもそものポイントがわたしの低能ではきちんと理解できなかったのである。
 そして『Harry』の前日譚にあたる前作『Fantastic Beast』も、どうもキャラクターに共感できず、なんつうか……物語として面白い、とは思えなかったのだ。そしてその原因は、もうこれは明らかに、わたしの『Harry』愛の欠如によるものであろうと思う。ついでに言えばわたしの頭の悪さでもあるのだが、恐らくは、『Harry』愛溢れる観客ならば、もうその雰囲気だけでも最高に思うだろうし、魔法入り乱れるバトルに大興奮、となるのだろう。
 そして今回の「黒い魔法使い」に関しても、『Harry』愛溢れる観客ならば、ラストで明かされる重大な秘密に、な、なんだってーー!? とワクワクし、早く続きが観たい!! と興奮するのだと思うが、わたしは残念ながら、次はもう観なくていいかな、という判定を下すことになった。そうなのです。今回も、とにかくキャラクターが多く、それぞれの思惑がかなり入り乱れていて、どうもわたしにはスッキリ物語が頭に入らない事態となったのである。これって……やっぱりわたしの理解力が足りないからだろうな……うーーむ……間違いなく言えそうなことは、完全にちびっ子お断りの複雑な物語であった。これは小説で読んだ方が面白いと思うけど、映画オリジナルなのかな?

 というわけで、『Fantastic Beast』第2作目は、時間的には前作のすぐあと、である。時代的には1920年代。第1次大戦が終わったばかりの世界で、前作がNYCを舞台としていたのに反し、今回、主人公ニュート・スキャマンダー君は前作の騒ぎの責任を追及されて、故郷のロンドンにて、イギリス魔法省から海外渡航禁止のおとがめを受ける。ニュート君は、今、世を騒がせている悪い魔法使い、グリンデルワルトの騒動には関心がなく、魔法使い社会がグリンデルワルトに対して賛否分かれている中で、ぼくはどっちでもないよ、なんてのんきな立場であった。そしてどうやらその背景には、魔法学校の恩師、ダンブルドア先生の指令もあって、どうやらダンブルドア先生はニュートを見込んで、(ニュートの意に反して?)いろいろ使い走りに使っている模様だ。
 で。前作の騒動でお縄になっていた悪者グリンデルワルトは、冒頭であっさり脱走に成功し(超あっさりと脱走するその様子にわたしはもう、なんかバカバカしくなった)、前作で目を付けたクリーデンスを追ってフランスへ。そして一方ロンドンでぼんやりしていたニュート君は、ダンブルドア先生に呼び出され、ホグワーツへ。そして、ダンブルドア先生からグリンデルワルト討伐の命を受け、超イヤイヤな感じでフランスへ魔法であっという間に到着するのだが、そこには、前作で仲良くなった魔法女子ティナもグリンデルワルトを追って来ており、二人は再会するのだが……てなお話です。ええ、超はしょりました。
 わたしが思うに、わたしがこの物語でどうも気に入らないのが、主人公ニュート君のキャラクターだ。彼は、大変有能でイイ奴なんだけど……なんかのんきというか……のろいんだよな……行動が。ただし、ニュート君のスットロさはどうでもいいとしても、本作は映画としてのクオリティは非常に高くて、とりわけ衣装だったり美術なんかは世界最高峰であると断言できる。各キャラクターの着る服がいちいちカッコいいし、小道具類もとても質感高くて、相当金がかかってるのは間違いなかろう。実際、前作はアカデミー衣装デザイン賞を獲ったんじゃなかったかな。今回も、衣装や美術は最高レベルで素晴らしかったすね。
 というわけで、キャラ紹介と演じた役者をずらずらメモしておこう。いっぱいいるんだよな……
 ◆ニュート・スキャマンダー:ホグワーツ出身の魔法動物学者。今回、ホグワーツ時代の回想シーンがあって、なんか演じた役者があまり似てなくてガッカリ。描写によると、どうも友達いない系の変わり者で、動物大好き青年。前作でアメリカ魔法省のティナに恋しちゃったけれど、ロンドンに帰ってから、兄と兄の婚約者とニュートのスリーショットを雑誌にパパラッチされて、ニュート婚約か?的に報道されたせいもあってティナはおかんむり。ニュートとしては完全誤解でしょんぼり。ダンブルドア先生から使い走りされている模様。演じたのはオスカー俳優Eddie Redmayne君36歳。まあイケメンですよ。何というか、ニュートは相手がティナであっても相手の眼を見てしゃべるのが苦手なのか、なかなかのコミュ障ぶりな演技が何気にわたしは素晴らしいと思います。もうちっと、コミュ力向上が望まれますな。
 ◆ティナ・ゴールドスタイン:US魔法省職員で闇払いチーム所属。グリンデルワルトを追う。ニュートは動物大好き人間嫌いで、とりわけ闇払いが嫌い(ティナ除く)なので、ティナとしては若干正体不明のニュート君にイラつくことも。演じたのは前作同様、エイリアン最新作のヒロインでもお馴染みのKatherine Waterston嬢36歳。この人は別に美人とは思わないけど、今回彼女が着ている黒いコートがとってもカッコ良かった。キッとした前髪パッツンのショートボブとともにとても似合ってましたな。
 ◆ジェイコブ・コワルスキー:NYC在住の魔法使いじゃない一般人。パン屋だったはず。前作でニュートと仲良くなって大活躍するも、記憶を消されたはずが、彼には全く効かなかったみたいすね。ティナの妹クイニーにぞっこん。演じたのは前作同様Dan Fogler氏42歳。今回それほど活躍せず。
 ◆クイニー・ゴールドスタイン:ティナの妹で人の心が読める魔法使い。ジェイコブにぞっこんだが、US魔法界は人間との結婚はご法度であるため、ジェイコブに惚れさせ魔法をかけてロンドンへ。しかし、そりゃマズイっショ、とニュート君に惚れ魔法を解除されしょんぼりしているところを、グリンデルワルトとばったり出会い、「人間と魔法使いが仲良くなれる世界」の話を聞いて共感してしまい……という展開。演じたのはAlison Sudol嬢33歳。美人。20年代のクラシカルでポップな服が良く似合う。この方は役者というより歌手なんすね。わたし的には彼女の運命が一番気になるっす。ジェイコブと共に幸せになってほしいのだが……
 ◆テセウス・スキャマンダー:今回の新キャラでニュート君のお兄さん。なかなかのさっぱり系イケメン。イギリス魔法省のお役人。わたしの眼から見ると、ニュートをいつも心配して気にかけてくれる優しいお兄ちゃんなのだが、ニュート君は彼を苦手にしている模様。優等生すぎるのがニュート君には気に入らないのかな。ラスト近くで抱き合う兄弟の図は美しかったすね。演じたのは、Eddie君より年下のCallum Turner君28歳。今後の活躍を期待したいすな。
 ◆リタ・レストレンジ:新キャラ。テセウスお兄ちゃんの婚約者であり、ニュート君のホグワーツ時代のクラスメイト。原作愛に溢れる方には、「レストレンジ」という苗字に興奮しちゃうのかな。「死喰い人」の幹部一家だったっけ。演じたのはわたし的には『X-MEN』のエンジェルでお馴染みZoë Kravitzちゃん29歳。お父さんはかの有名なLenny Kravitz氏です。Zoëちゃんはすごいちびっ子なイメージすね。しかしこのキャラは、背景が非常に複雑で、ユスフとの関係、クリーデンスとの関係など、実はわたしにはよく理解できなかったす。
 ◆クリーデンス・ベアボーン:前作のキーキャラクターで、その身に「オブスキュラス」という魔法動物?を内包してた(寄生されていた?)。演じたのはDCヒーローTHE FLASHでお馴染みEzra Miller君26歳。FLASHでは陽気なコメディ担当の彼も、本作では超ドシリアスです。要するに、前作も今回も、悪者グリンデルワルトの目的はクリーデンス(=オブスキュラス)を自らの陣営に引き入れたいってことかな。しかし正直、クリーデンスは何がしたいのか、行動の意図はよくわからんす。ラストで驚愕(?)の真実が!!
 ◆アルバス・ダンブルドア:本作時点ではホグワーツの若手教師。後のHarryのマスターだが、本作ではニュート君のマスターとして、自らは動かない。が、今回その理由が判明しました。そして彼の行動を妨げていた制約は、ニュート君の活躍で解除されそうな気配。次作では、ついに伝説の男の封印が解かれる! 的展開になりそうすね! 演じたのはJude Law氏45歳。この人はわたしより若いのに髪がヤバい。けどなあ……この人はどっちかというとイケメン枠なので、セクシーハゲ連盟には入れてやらん!
 ◆ゲラート・グリンデルワルト:悪い人。たしかHarry時代には、ヴォルデモートに殺されてたんじゃなかったっけ。そしてHarryのラストで出てきた「ニワトコの杖」の秘密を握っていた爺さんだよね? いずれにせよ本作の時代は絶好調で悪いことをしている魔法使いで、若き日にダンブルドアとマブダチだった男。世界征服が夢だけど、非魔法使いを全員ぶっ殺せとは思っておらず、家畜として飼えばいいじゃん的思想の危険人物。演じたのは前作ラストで正体が判明したJohnny Depp氏55歳。老けたっすねえ……いつも酔っぱらってろれつが回らないような姿の印象が強くて、あまり好きじゃないす。
 とまあ、キャラと役者については以上かな。つうかですね、もう書きたいことはほとんどないっす。どうしても分からないことが多くて……いっそちゃんと小説出してくれないかなあ……。

 というわけで、ぶった切りで結論。
 シリーズ第2弾となる『Fantastic Beast:The Crimes of Grindelwald』を観てきたのだが、やっぱり思うのは、このシリーズは『Harry』愛に満ちた人じゃないと若干ハードルが高く、わたしのような人間には、物語の理解すら難しいという、極めて一見さんお断りな映画であったように思う。じゃあ観に行くなよ、と言われそうだけど、うーーん……次はもう観に行かない……かな……。わたしのような頭の悪い人間は、おとなしくWOWOWで放送されるのを待ち、シリーズ完結後に一気に観ないとダメかもな……。ただし、とにかく登場する魔法動物たちや、衣装や美術など、世界観を彩る映像はとても魅力的で超一流なのは間違いなく、また、『Harry』愛に満ちた方なら大興奮の物語だったのだろうと思います。つうかですね、ニュート君はもうチョイ、コミュ力を鍛えた方がいいんじゃないかなあ……。それと、なにもこんなに暗い話じゃなくて、もっとニュート君と動物たちが主役な楽しい話にすればいいのになあ……。というのが結論です。以上。

↓ 前作で登場した、金が大好きなモグラのような謎生物は、今回ラストで何気に大活躍します。前作をもう一度復習してから観に行った方がいいかも。

 もはや誰もが知っている「エイリアン」という言葉は、おそらく映画『ALIEN』によって我々日本人にも通じる言葉となったと思うが、わたしはおっさんとして、シリーズ全てを映画館で観ている。今わたしの部屋には1000冊以上の映画のパンフレットがあるのだが、兄貴からもらったものを除いて、たぶん、わたしが自分で買ったパンフレットの中で、恐らくは最も古いものが『ALIEN』のパンフだと思う。もちろん、『STAR WARS』とかも一番最初の劇場公開時のものを持っているけれど、それらは正確には兄貴が買って、わたしが貰っちゃったもののはずで、明確に自分のお小遣いで買った最古のものは『ALIEN』であろうと思う。公開された1979年当時、わたしは小学生。確か、日本ではほぼ同時期に『SUPERMAN』も公開になっていて、親父に『SUPERMAN』と『ALIEN』どっちがいい? と言われ、ホントは『SUPERMAN』を観たかったけれど、既に兄貴が『SUPERMAN』を観ていて、なにかと自慢していたので、ちくしょうと思っていたわたしは「ALIENがいい!」と主張したのである。場所は日比谷の有楽座。今現在、日比谷シャンテの鎮座するあそこに存在した、日本有数のデカい映画館である。当時は、公開土日にデカい劇場でパンフを買うと、ちゃんと表1に映画館の名前が印刷してあったのだが、今わたしの手元にある、結構ボロボロになった『ALIEN』のパンフにもちゃんと「有楽座」と印刷してあるので間違いない。ホント、今でも『ALIEN』を親父に連れられて観に行った日のことを超覚えてるなあ……。なお、もちろん『SUPERMAN』も、その後近所の映画館に来たときに観に行きましたけどね。
 そしてその後順調に映画オタクの道を邁進してきたわたしは、『ALIENS』(エイリアン2)は高校生の時にマリオンの日本劇場(来年だっけ、閉館が決定済み)に観に行ったし、『3』も同じく日本劇場へ、そして『4』はもう社会人になってた頃であったはずだ。さらに、『PROMETHEUS』はつい最近というか5年前か、これは近所のシネコンで観たっすね。
 何が言いたいかというと、こんなわたしなので、『ALIEN』シリーズには深い思い入れがあり、その新作が公開となれば、100%間違いなくわたしは観に行くということである。そして当然のことながら、昨日の金曜日から公開になったシリーズ最新作『ALIEN COVENANT』も、今日の朝イチで近所のシネコンへ観に行ってきた。そして結論から言うと……うーーーん……やっぱり微妙と言わざるを得ないだろうな……正直、イマイチUSでの評判は良くないと聞いていたので、あまり期待していなかったのだが、その期待よりはずっと良かった、けれど、やっぱり……いろいろと突っ込みたくなっちゃう物語で、大変残念である……。というわけで、以下、『ALIEN』シリーズ全般にわたってネタバレ全開になる予定なので、気になる人は読まないでいただきたいと思います。

 ズバリ言えば、本作『COVENANT』の物語はほぼ想像の範囲内であったのだが、本作は、明確に前作『PROMETHEUS』の続編であった。なので、前作を観ていない人には、まったく意味不明な部分が多く、あくまで前作を観ていること、もっと言えばシリーズ全作を観ていることが、本作を鑑賞する必要条件となっていると思う。
 しかし、である。前作『PROMETHEUS』は、あまりに微妙かつ謎すぎて、正直良く分からん物語であった。ここで、わたしが思う、前作での謎ポイントを2つ挙げておこう。
 1)一体全体、デイヴィットというアンドロイドの目的は何なのか?
 2)エンジニアと呼ばれる謎種族の目的は何なのか? 結局「黒い液体」は何だったのか?
 まず、1)については、本作『COVENANT』冒頭でかなり明確に描かれていた。本作は、まず『PROMETHEUS』の恐らく10年とか20年ぐらい前のシーンから始まる。前作ではヨボヨボのおじいちゃんだったウェイランド氏がまだちょっとだけマシな老人(なお、演じたのは前作同様Guy Pearce氏)として登場し、ディビットとの哲学問答めいた会話が描かれる。そこで、ウェイランド氏は、生命の誕生が分子科学的な偶然によるものだなんて信じたくない、なにか「偶然ではないこと」、すなわち「創造主」がいたはずだという信念が語られる。これは、デイヴィットの、「わたしを創造したのはあなたですが、あなたを創造したのは誰なんですか?」という問いに答えたもので、「人間の種の起源の謎を解明すること」が、ウェイランドとデイヴィットの解くべき至上命題であったことが描かれる。つまり、前作の謎1)デイヴィットの目的=人類の起源の解明=命をもたらしたのは誰なんだ? というものらしい。そういう意味で、人間に火を与えたプローメテウスを宇宙船の名にしたウェイランド氏の意図ともつながるわけだが、しかし、前作や本作を観ている限り、デイヴィットの目的は、人類の起源の解明から、「新種の生命の創造=自らが創造主となること」に方向が変わってしまっていて、本作ではもう完全にMADサイエンティストのような悪役扱いであった。なお、この冒頭のシーンで、デイヴィットはウェイランド氏に名を尋ねられ、「わたしは……ディヴィットです」と「ダヴィデ像」を見て、自らを命名するシーンがある。ここはディヴィットに搭載されているAIが超高位のAIで、自意識すら獲得している=目的を自ら変えられることを表すものとして重要だと思った。
 そして2)の方は、結論から言うと本作を観てもさっぱり不明、であった。そもそもの「黒い液体」も良く分からない。Wikiの『PROMETHEUS』のページにはかなり詳しいストーリーが記述してあるが、それによると「黒い液体=兵器」なんだそうだ。そして、本作『COVENANT』では、デイヴィットが謎の「黒い液体」をエンジニアの母星(=今回の舞台となる惑星)でばらまき、エンジニア種族を全滅させるシーンがチラッとあるが、どうやらそれは、自らの創造主であるウェイランド氏を前作でエンジニアに殺されたデイヴィットの復讐、であるようだ。でも、わたしにはその説は受け入れられないなあ……じゃあ『PROMETHEUS』冒頭の太古の地球と思われるシーンは何だったのよ? とまるでわたしには良く分からんままである。

 まあ、ともかく、本作『COVENANT』に話を戻そう。宇宙船COVENANT号は、人類の外宇宙への移民船で、15名のクルーのほかに2000名の移民者(真空パックみたいなのに入れられて熟睡中。本編では彼らは目覚めない)や、1140体の受精胚を載せていて、テラフォーミング機材も満載しており、とある星に向けて航行中である(つまりウェイランド氏の目的=人類の起源の探索には全く関係ない。ただしウェイランド社の船ではある)。起きているのはアンドロイドのウォルターと制御プログラムのマザーだけで、クルーたちはコールドスリープ中であったが、あと目的の星まで7年チョイの距離で、宇宙嵐的な障害で船体を損傷し、コールドスリープ中のクルーは全員強制起床させられ、対処にあたる。その際、船長はカプセルの不調で死亡。なお、船長を演じたのは面白イケメン野郎でおなじみのJames Franco氏で、本作ではほぼ出番なしであるが、事前に公開されていた「LAST SUPPER」は観ておいた方がいいだろう。こちらにはきちんと船長が出てくるし、クルーたちの関係性を知るうえで結構重要だ。どうもクルーたちはことごとくカップルというか夫婦で、そういう意味でも移民船という目的にかなっているのだろうと思う。

 で、クルーたちは船長を失って重い空気になるが、まあ航海を続けないといけないので、船外活動もして船を直していると、シリーズでおなじみの展開、謎の通信電波を受信、なんとその通信電波は、明らかに人類と思われる存在が、John Denverの「Country Roads」を歌っていることを発見するにいたる。カントリロ~ド、テイクミーホ~ム、のあの歌である。マザーが発信源を追跡した結果、その謎電波の発信地は現在位置から3週間ほどの近い位置にあるらしい。おまけに、どうもその星は人間が呼吸可能な大気組成で、水もあり、テラフォーミングには極めて適しているようだということが判明する。
 クルーたちは、またしても宇宙嵐に遭遇するかもしれず、また7年間もコールドスリープに入るのは嫌だという声が多数を占め、新たに船長になった男も、じゃあ、行ってみるか、と決定する。ひとり、ダニエルズという、亡くなった船長の嫁である航海士だけが、そんなバカな、今までの調査で一切引っかかってこなかった星があるなんて信じられないし、危険だし、私は反対!と声を上げるが、結局COVENANT号はその謎の星へ向かうことにする。しかしその星こそエンジニア種族の母星であり、前作で生き残ったアンドロイド・デイヴィットが待ち受ける、罠だったのだーーーてなお話である。
 なお、なぜCOVENANT号が旅立つ前にその星は調査に引っかからなかったか、という謎は、おそらく前作の物語のラストでエンジニアの母星に旅立ったデイヴィットが到着する以前に、COVENATN号は地球を出発していたから、なのだと思う。つまり入れ違いというか、COVENANT号が地球を出発して、ぐっすりクルーたちがコールドスリープに入っている間に、デイヴィットはエンジニアの母星にたどり着き、テラフォーミングして罠を張った、てなことだと思う。たぶん。
 わたしは、ここまでの展開は、非常に面白い作品になるのではないかという予感にゾクゾクしていたし、もちろん映像は、Sir Ridley Scott氏による超美しい映像で、ぐいぐい物語に引き込まれていたのは間違いない。とにかく映像が綺麗でおっそろしくハイクオリティである。しかし、この後の展開が……もう正直、あーあ……であった。

 おそらく、本作を観た人なら誰しもが、以下の2点に全力で突っ込みを入れたい気持ちだろうと思う。少なくともわたしは、以下の2点さえきちんと改良されていたら、本作は相当素晴らしいものになったはずだと考えている。
 1)あの……みなさん、無防備すぎじゃあないですか?
 なんと、その謎の星に向かったクルーたちは、宇宙服もヘルメットもなく、フツーに上陸しちゃうんだな。いやいやいや、それはあり得んだろ……常識的に考えて。大気が呼吸可能だとしても、どんな未知の脅威、具体的に言えば細菌類やウィルスの類が存在しているかわからないんだから、完全防備で上陸するのが当然だと思うのだが……おまけに、思いっきり植物の繁栄している状態なんだから、どんな毒物があるかも分からないし、完全防備が当たり前だと思うけれど、作中キャラたちは普通に上陸し、結果的には、まんまとあの「黒い液体」から派生したと思われる「黒い微粒物」を吸い込んだり耳から侵入されたりして、体内で謎生物を宿すに至り、死亡する。そりゃあそうなりますわな。あれがきちんと完全防備だったら、本作の悲劇は相当軽減されていたと思うんだけど……この点は、もう、観た人なら必ず突っ込みを入れるはずだろうと思う。
 2)ダニエルズさん! 気づけよ!!
 ズバリ言うと、本作のエンディングは、実に後味が悪い。作中に登場するアンドロイド、デイヴィットとウォルターはともにウェイランド社謹製の同シリーズであるため、要するにまったく同じ顔をしており、Michael Fassbender氏の渾身の一人二役で演じ分けられている。そして、前作から引き続き登場するデイヴィットが、前述の通り悪党、そして今回初登場のウォルターがクルーの味方となってバトルとなるのだが……はっきり言って、観客全員、勝ち残ったのはウォルターではなくてデイヴィットだと見抜いていたのではなかろうか? 少なくともわたしは、こいつ、ウォルターです、みたいな澄ました顔してるけど、どうせデイヴィットなんでしょ? そしてダニエルズはそれを見破ってぶっ殺すんでしょ? と思っていた。が、なんとダニエルズは全く気づいておらず、物語は最悪の後味の悪さを残して終わるのである。ありゃあナイなあ……この脚本はナシだ、とわたしは極めて不満である。きちんとダニエルズはデイヴィットを始末して、気持ちよく眠りにつくべきだったと思う。せっかく、ダニエルズと新種エイリアンの最終バトルはかなりの迫力で映像的にも素晴らしかったし、なにより、かつてのリプリーVSクイーンを思い起こさせるような見事な展開だったのに! 正直台無しだよ、とわたしは極めて残念に思った。
 
 というわけで、わたしとしては本作『COVENANT』に関しては、結構微妙というか、はっきり言ってしまえばガッカリである。やっぱり、シリーズは『3』で終わらせるべきだったんじゃあないかなあ、とさえ思う。やるなら、きちんと最初から3部作ぐらいの構想を決めてからにしてほしかった。なんというか、場当たり的ですよ、実に。これじゃあダメだと思う。せっかくの超ハイクオリティな映像も、この物語じゃあどうしようもないとすら言いたい。
 キャストに関しては、もう今回の主人公、”うっかり”ダニエルズさん一人だけ取り上げて終わりにしよう。演じたのはKatherine Waterston嬢37歳。『Fantastic Beast』のヒロインを演じた彼女だが、ズバリわたしの趣味じゃあない。でもさっきいろいろ検索してみたところ、このお方は髪が長いときは結構美人すね。つまりショートカットが似合わないのではなかろうか。わたしとしては残念だが、なんだ、ロングだとかわいいじゃん、ということをさっき発見して驚いたっす。で、本作においては実に熱演で、演技自体はかなり素晴らしかったと称賛したい。
 また、わたしのようなおっさんファンにとっては、冒頭のタイトルの出方? が、第1作と同じで、その辺はもう、わたしは非常に興奮していました。これは期待できる、と最初は思ってたんすけどね……なんか、もったいないというか残念す。上記でわたしが挙げた2点が改善されていれば、相当面白かったなあ、という気持ちで劇場を後にすることが出来たのだが……ホント残念でした。

 というわけで、もうクソ長いので結論。
 わたしの大好きな『ALIEN』シリーズ最新作、『ALIEN COVENANT』が公開され、超ワクワクしながら劇場へ向かったわたしであるが、残念ながらあーあ……という気持ちで劇場を後にせざるを得ない内容であった。微妙というか、イマイチだったすねえ……。たった二つのポイントだけなんだけどなあ……映像は本当に素晴らしく、見ごたえバッチリだっただけに、本当に残念だ。どうしてあんなエンディングにしようと思ったんだろう? 続編を作るため? もうそういうの、ホント勘弁してもらえませんか? 続編を作る気があるなら、最初っから、全体の構想をきっちり設計してからにしてほしい。場当たり的な続編製作は、シリーズIPとしての価値を下げるだけですよ。ホントもったいないし、残念す。以上。

↓ 久しぶりに、エイリアン祭りを家で開催しようと思います。でも対象はこの3本だけっす。





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