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 というわけで、朝イチで上野の森美術館の『ゴッホ展』を観てから、帰ろうと国立西洋美術館の前を通りかかったところ、全く列ができておらず、あれっ!? 空いてるのかな? と思い、すでに買ってあるチケットをかばんからごそごそ出しつつ、入場ゲートに歩を進めたわたしであります。美術展を観るときは、開場30分前現地到着がオレルールとか言っておいて、実はこういうこともたまにします。いわゆるハシゴですな。そして観てきたのがこちらであります。
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 そうです。現在、上野の国立西洋美術館にて絶賛開催中の『ハプスブルグ展』であります。まあ、宝塚歌劇を愛する歴史好きのわたしとしては、これは観に行くしかない! と決意したのはずいぶん前なのだが、『ゴッホ展』のチケットを事前に買うときに一緒にこちらのチケットを買っておいたいたものの、今日行くつもりはなく、正月休みに行くつもりだったけど……まあ、それほど混んでないようだし……というわけで、国立西洋の入り口をまたいだわけです。
 国立西洋の企画展は、たいてい地下から入場するのだが、入場ゲートのガラスを利用したエントランスディスプレイはとてもきれいでした。
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 あわわ、この写真ではわからないか……まあいいや。
 で。今回の『ハプスブルグ展』は、もちろん絵画が中心ではあるけれど、絵画以外の工芸品なども数多く、わたしが一番観たかった「甲冑」も実にかっこよく展示してありました。西洋甲冑は日本の鎧のカッコ良さとはちょっと違う、工業製品的な美しさもありますな。もちろん鎧も大好きですけど。
 ちょっとへえ~!? と思ったのは、展示してある甲冑の多くは、右の胸に、なんかフックがついてるんすけど、これはどうやら、「槍」を構えるときに支えになるパーツのようですね。まあ常識なのかもしれないけどわたしは初めて知りました。こういった機能美? のようなものもすごく感じられる一品でありました。手のパーツや足のパーツもすごく細かく分割されていて、動きを損なわない組み立て方になっていて、うおお、こりゃすげえ! とわたしは大興奮ですよ。でも唯一良くわからんのは、眼が開いてないというか、かなり視界が悪そうだなあ? とは感じたっすね。でもそれも、何らかの機能に基づいたデザインなのではなかろうか。すごい、モビルスーツというか、なんかのロボット的で実にカッコ良かったす。あれ、一度でいいから着てみたいなあ。相当重いんだろうなあ……。
 しかも、この展覧会のミソは、ほとんどすべてが歴史的人物の絵だったり、愛用品だったりするわけで、歴史ファンとしてはもう大興奮なわけです。甲冑も、意外と背が低いんじゃね?とか、実際に着用した人物への妄想がいろいろ沸くっすね、ああいうのを見ると。これは日本の鎧も同じで、黒田長政は意外とチビだったんだなとか、前田慶次の鎧を米沢で観た時はそのデカさにビビり、うお、慶次はマジでデカかったんだ!? とそれだけで白米3杯イケるっすね。面白いものです。
 で。わたしが観たかったのは、甲冑以外にも当然あります。特に、宝塚歌劇ではおなじみの3人の肖像が、非常に観たかったのです。それぞれポストカードを買ってきたので、スキャンして載せときましょうか。
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 まずはこちら。かのMarie Antoinette王妃の肖像。こちらは、お母さんであるMaria Theresia神聖ローマ帝国皇后に、「お母さん、私は元気にやってるわ」という意味を込めて送ったものだそうです。ご存じの通りAntoinetteはもともとドイツ語を話すハプスブルグ家のお姫様だったところ、『エリザベート』のゾフィー様のセリフでお馴染み「ハプスブルグは結婚で絆を結ぶのです!」政策によってフランス王ルイ16世に14歳で嫁入りしたわけです。フランス語ができないのに。それが1770年のことで、まあとにかくお母さんとしては心配でしょうがなかったんでしょうな。で、この絵は1778年の作だそうで、その年は結婚8年目にしてやっと子供ができた年だそうで、お母さんを安心させるために、この絵を描かせて送ったんですってよ。なお、右上の方においてある胸像はルイ16世だそうです。薔薇を一輪手にしていて、まさしくヴェルサイユのばら、ですな。
 おまけにこの絵は、これがまたサイズが超デカい!! そのサイズ、なんと縦273cm×横193.5cmだそうで、ド迫力&強力なオーラにあふれてました。
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 そしてこちらはもう説明不要でしょう。ミュージカル『エリザベート』の主人公、Elisabeth皇后であります。こちらの作品は1858年制作だそうで、つまり21歳、結婚4年目、かな? ゾフィー様と絶賛大バトル中すね。ちなみに日本に換算すると1858年って明治維新の10年前なわけで、そうか、よく考えると天璋院篤姫様とほぼ同年代なんだな。自分用メモ:篤姫は1836年生まれ(=エリザベートの1歳年上)で1856年に13代将軍家定と結婚、1883年に47歳で亡くなったそうです。
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 最後はこちら、『エリザベート』でお馴染みのFranz Joseph I世皇帝陛下であります。この作品は1916年ごろの制作だそうで、つまり、ええと、第1次世界大戦のさなかであり、フランツが亡くなった年か、最晩年68歳ってことかな。愛するElisabeth皇后が亡くなったのが1898年だから、一人寂しく18年過ごしたってことか。激動の人生だったすね、このお方は……。見た目は完全におじいちゃんだけど、最期までその眼力衰えず、って感じすね。つうか、フランツの68歳も今考えると全然若いし、アントワネットもエリザベートも、マジですっごい若いよね。今じゃ考えられないよな、ほんとに。なんつうか、現代社会に生きる我々は、さまざまな技術の進歩によって長寿を得たわけですが、果たしてそれって、いいことなんじゃろうか……と考えちゃいますな。初老を迎えたわたしはホントにもう、髪は薄くなるわ、歯はガタガタになるわでもうガックリなことばかりで、生きる希望が失せかけてます。。。生きてて何かいいことあるのかなあ。。。。

 というわけで、これ以上話が脱線する前にもう結論。

 観に行こうとは思ってたけど、正月休みあたりにするかと考えていた『ハプスブルグ展』へ、『ゴッホ展』の帰り道で衝動的に行ってまいりました。朝イチじゃないので、少し混雑してましたが、それほど激混み、ではなく、解説がちゃんと読める程度の混雑具合であったす。そして展示されている甲冑や絵画は、おそらくは当時、すごい宮殿に納められていたはずの作品ばかりで、やっぱりその放つオーラはただごとじゃあないすね。非常に見ごたえがあって面白かったというのが結論であります。そして俄然「ハプスブルグ家」について勉強したくなってきたっす。でも、『ゴッホ展』ではAERA特別編集の「完全ガイドブック」が売っていて、非常に出来の良い本だったので買ったんだけど……こちらの『ハプスブルグ展』で売ってたぴあ謹製のガイド本は、まったく出来が悪そうで、知りたいことが載ってなかったので買わなかったす。アレはダメだ。きちんとハプスブルグ家の歴史の流れと、周辺世界の出来事を対比した年表をその起源から滅亡まで載せてくれないとダメだと思うな。ま、別の本を探してみようと存じます。以上。

↓ かなりイマイチな出来だと思うな……全くお勧めしません。

 ミュージカル『エリザベート』という作品は、宝塚歌劇をたしなむ淑女なら知らない人はいないだろうし、日本のミュージカルファンなら誰でも知っている作品だろうと思う。日本での初演は1996年の宝塚歌劇団雪組公演で、3年前、初演から20周年となり、今でも数年ごとに再演が繰り返されている大人気作品だ。
 事実、去年も月組によって公演が行われ、わたしも宝塚と東京、両方観に行ったほど好きな作品だが、宝塚歌劇ではない、普通に男も出演する「東宝・帝劇版」もあって、こちらも数年ごとに再演が繰り返されているのである。
 わたしはこの「東宝・帝劇版」は2015年に上演された時に観に行ったことがあるが、まあとにかくチケットを入手することが難しく、この度、3年ぶりに上演されることとなった帝劇版も、観に行きてえなあと思っても、そのチケット獲得の道のりは極めて困難なものであった。何が言いたいかというと、とにかく超人気作品なわけです。
 で。今年上演される2019年版は、その人気をさらに過熱させる要因が一つあった。それは、タイトルロールであるオーストリア皇后、エリザベート(通称「シシィ」)を、去年の宝塚歌劇月組版で同じ役を演じ、それをもって宝塚歌劇団を卒業された愛希れいかさん(以下:ちゃぴ)が、帝劇版でも演じることが決まったからであります。宝塚生活の最後を、エリザベートで、しかも超迫真の演技と歌をもって飾ったちゃぴちゃん。またあのちゃぴシシィを見られるなんて!! と、わたしのように興奮し、コイツは観てえぜ! と思った淑女の皆さんは、恐らく日本全国で100万人ぐらいいたはずだ。
 なお、メインキャストはWキャストになっていて、もちろんシシィと言えば花さま(=花總まりさん。宝塚版初演のシシィを演じた美しいお方)に決まってるでしょ! と仰る淑女も数多いだろう。花さまはこの帝劇版には2015年以来登板を続けており、たしかに、その花さま独特のノーブル感、透明感、そして無邪気な少女から決然と自分の道を征く姿までを完璧に演じるお姿は、控えめに言っても最高であり、至高であることは論を待たないのだが、やはり、今年観るならちゃぴシシィであろうとわたしは思った。そして、冥界の王トート閣下は、今回も2015年版から演じ続けているプリンス芳雄氏(井上芳雄氏)が登板、その声楽で鍛えた歌と若干平たい民族系のクールさは絶妙であるものの、もう一人のトート閣下として、今回初登板となった古川雄大くんがどんなトート様を演じるのかについても、きわめて興味深く、結論としてわたしは、ちゃぴ&古川くんVerが一番観てみたい、と思うに至った。古川くんは、このBlogで何度も書いている通り、その歌声は男ミュージカル役者の中でわたしが一番好きなアクターである。2015年に観たルドルフはわたしの中で最高のルドルフで、あの古川くんが満を持してトート閣下に挑む、というのは、もう超期待なわけであります。
 しかし、とにかくそのチケット争奪戦は熾烈を極め、実はわたしは6月に、1枚、ちゃぴ&古川くんのチケットが取れていたのだが、どうしても都合のつかない急用で行けず、泣く泣く可愛い後輩女子に譲った経緯があった。そのことをわたしの美しきヅカ師匠に話したら、師匠があっさり昨日のチケットを譲ってくれたので、やっと、超楽しみにしていたちゃぴ&古川くんを観に行けたのであります。師匠、ホントいつもありがとうございます!
 というわけで、前置きが長くなったが、昨日のどんよりした小雨の中、わたしはウキウキ気分で帝国劇場、略して帝劇へ向かったのであった。
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 で。いきなり結論を言うと、「マジでちゃぴシシィは最高だったぜ、つうかもう、震えたね!! そして古川くんトート閣下もなんか新しくていいじゃねえか! 要するにもう、最高だよ!!」というのがわたしの感想であります。なので、以下、たぶん同じことばかり言うと思うので、飽きた方はこの辺で退場していただいて結構です。つうか、映像でも最高なのは伝わると思うので貼っておこう。

 というわけで、以下、キャスト別に思ったことを書き連ねてゆこう。わたしが『エリザベート』という作品を観るのは、宝塚版・帝劇版・ガラコンなど含め、恐らく9回目か10回目なので、もちろん主役の二人やフランツ・ルキーニ・ルドルフと言ったメインキャストは勿論だけど、今回は結構アンサンブルキャストの皆さんのすばらしさに目覚めたような気がします。皆さんホント、いいっすね、やっぱり!
 ◆愛希れいかさん as エリザベート皇后:まあ控えめに言ってちゃぴシシィは最高でしたね。明らかに宝塚版からさらに1段上に登ってるとお見受けいたしました。演技、歌、そして少ないけどダンス。すべてが最高レベルに到達していると思います。ちゃぴと言えば、わたしはダンサーとしての技量を最も素晴らしいと思っているけれど、演技もまた最上級のクオリティであり、歌も当然素晴らしかったすな。とりわけ今回は演技、でしょうな。男のわたしには、どうして皇后は息子ルドルフが大ピンチの時に「無理よ」の一言で手を差し伸べるのを拒否したのか、全然理解できないのだが、あのシーンでのちゃぴの、もう完全に心を閉ざした表情は、ヤバかったすね。今回はかなり前の方だったし、双眼鏡でその表情が良く見えました。しかもその時って、ベールをかけてるんだけど、あの冷たい・全く心動かされていない・完全無関心な表情は、ホント双眼鏡越しに観ても心が凍り付いたすね。母親にあの眼で観られたら、ああ、こりゃあもう何を言ってもダメだ、もうオレ、死ぬしかねえ……とルドルフが絶望したのも理解できますよ。しかも、我々観客は、冒頭の超無邪気な可愛いガール時代のシシィを観ているわけで、その変貌は演技として極上だったと思います。ホント、ちゃぴは可愛いし、最高ですなあ。ルイ・シャルルを演じた頃から観ていたわたしは、もう完全に親戚のおじさん目線で、あのちゃぴが立派になりおって……と感無量でありましたね。最高です。
 ◆古川雄大くん as トート閣下:まあ控えめに言って古川くんトートは最高でしたね。トート様は、まあいわゆる「死」を擬人化した、人間にあらざる超常的存在で、この役は演じる方によって相当違いがあって、その違いもまた見どころの一つなわけですが、なんつうか、古川トートは、今まで観たことがないような、無邪気さのようなものを感じたっすね。冒頭の、木から落っこちて死にかけたシシィを発見し、「な、なにぃ! 何だこの可愛い子は!?」的な驚きの表情だったり、後半、夫の浮気についうっかり「命を絶ちます!」とシシィが言った時に、超嬉しそうに、やった、ついに来た!とワクワク顔で「待っていた!!!」というところの笑顔は、とても無邪気で、なんというか、わたしはDEATH NOTEの死神リュークを思い出したっすね。なんか、「人間っておもしれー」的な。古川トート様は、あまり苦悩しなかったように観えました。でも、それもまたアリだと存じます。最高です。
 ◆山崎育三郎氏 as ルイジ・ルキーニ:まあ控えめに言って育三郎ルキーニはやっぱり最高でしたね。2015年版でもわたしは育三郎氏のルキーニを観たけれど、ノリノリ感はもう貫禄すらあって、素晴らしかったと存じます。でも、若干、調子の乗ってる感は抑えめだったような気もする。少し重厚になったというか、ビジュアル的にも顔が重量感増したか? もっとシャープでとがっている印象だったけれど、少しおっさん感があったような……。でも、カッコイイのは間違いなく、その歌声も相変わらず、ありゃセクシーと言っていいんだろうな、淑女の皆さんが聞いたら痺れるであろう、カッコ良さは満点でありました。最高です。
 ◆田代万里生氏 as フランツ・ヨーゼフ1世:まあ控えめに言って最高でした。万里生氏も2015年版で観たけれど、安定のフランツは流石です。つうか、アレなんすよね、宝塚版と帝劇版でわたしが一番違うと思うのは、ラスト直前のフランツで、宝塚版だと「最終答弁」としてルキーニが召喚した幽霊ヤング・フランツが、俺こそシシィを愛した男だ、お前はシシィに振られるのが怖いんだろうが!! と、どちらかというとトート様を攻撃する一方で、帝劇版だと、生きているオールド・フランツが見る「悪夢」という設定になっていて、「お前がハプスブルグを滅亡に追いやったんだ! シシィは俺を愛してるんだ!」とトート様に責められる中で、もっと「やめろ! 俺がシシィ大好きナンバーワンだ! お前は引っ込んでろ!」と髪を振り乱す勢いの激しさを見せるんすよね。ここでの万里生氏の怒り爆発はとても素晴らしかったす。他にも宝塚版と帝劇版は細かい違いがあるんだけど、わたしはこのラスト直前の「最終答弁」と「悪夢」の違いが一番興味深いっす。最高です。
 ◆木村達成氏 as 皇太子ルドルフ:わたしは木村氏を見るのは初めてのようだが、なるほど、イケメンであるのは間違いないすね。歌も大変良いと思います。が、うーん、やっぱりわたしのBESTルドルフは2015年の古川くんかなあ……ルドルフの甘さというか若さ? は、古川くんの声が似合うんすよ……わたしとしては今回の2019年版では、ぜひとも三浦涼介くんVerも観たかったのだが……くそう、マジでBlu-ray出してくれないかなあ……。いずれにせよ、木村氏も大変カッコ良く切なく、今後の活躍を祈りたいすね。
 ◆アンサンブルキャスト:今回一番わたしの目を引いたアンサンブルの方として、美麗さんという方を記録にとどめておかなくてはなるまい。とにかく、顔が小さくスタイル抜群の美人。プログラムを見て初めて知ったけど、なんと宝塚歌劇団月組出身、しかも2009年入団! てことはですよ、わたしイチオシの95期で月組ってことで、それすなわち、ちゃぴと同期でずっと一緒だったってことですよ! マジかよ、全然気が付かなかった。在団当時は麗奈ゆうという名前だったみたいすね、すごく背も高くて、やっぱり男役だったみたい。でも今や、超美人でとにかくセクシー! 娼婦マデレーネはもうヤバかったすね。目立ってましたなあ! ありゃあもう、フランツじゃなくとも男なら100%イチコロっすね。この2ショットが最高です!
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今日は一回公演だったので✨ れいかちゃんとご飯に行きました🍝🥰🍝 パスタ盛り盛り食べました🍝🍝🍝🍝🍝🍝❤️❤️❤️❤️❤️❤️ その後は久々のタピオカ🤣❤️❤️ Chatime行ったよ〜❤️❤️❤️ 沢山食べてお話して今はお風呂でのんびりしてます♨️♨️♨️♨️ この写真、美麗お姉さんぽくて、 れいかちゃん妹っぽい🤣🤣 れいかちゃんきゅるるんてしてて可愛いっ🥰🥰❤️❤️❤️ そういえば、音楽学校時代にれいかちゃんのことをお姉ちゃんって呼んでて笑 組配属になったばかりの時にお稽古場でお姉ちゃんって呼んだら上級生に姉妹なの?って聞かれて笑 れいかちゃんが咄嗟に違いますっっ!!!て言ってたのを思い出した🤣🤣 昔からしっかり者のれいかちゃん✨ 美麗もしっかりしなきゃ🥺✨👍👍👍👍👍 明日も公演頑張ろうっ☺️☺️☺️✨✨✨✨✨ #エリザベート#エリザ#愛希れいか#ちゃぴ#れいかちゃん#美麗#95期#タピオカ#チャタイム

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 うお、ちゃぴも可愛いですなあ……。ほかにも、アンサンブルキャストの皆さんの中には宝塚歌劇団OGの方も多くいて、『エリザベート』きってのかわいそうキャラ、姉のヘレネ(や娼婦などたくさん)を演じた彩花まりさんも95期宙組出身だし、ヴィンディッシュ嬢を演じた真瀬はるかさんも、92期宙組出身とのことで、歌も、そして冒頭の幽霊としてのバレエ的な舞も、実にクオリティが高く、素晴らしかったすね。もちろん、OGと言えば、ゾフィー様を演じた元月組TOPスター剣幸さまも、超おっかないゾフィー様で大変満足です。

 というわけで、もう長いのでぶった切りで結論。

 帝劇では3年ぶりとなるミュージカル『エリザベート』を観てきたのだが、観たかったキャスト、愛希れいかさん&古川雄大くんVerは、期待を上回る素晴らしさでありました。とりわけ、やっぱりちゃぴはすごいね。あの芝居力は本当にすごいす。ぞくぞくしたっすなあ……! そして古川くんトートも、妙に無邪気のような、面白がっているようなトート様はとても新鮮で、大満足であります。もちろん育三郎ルキーニは安定のルキーニであり、万里生フランツも、何一つ文句のつけようはありません。最高でした。そして、アンサンブルキャストの皆さんも本当にブラボーっすねえ! 上には書かなかったけれど、黒天使軍団はやっぱり凄いダンスと肉体で、ありゃあ淑女の皆さんだったら目がハートになるのもやむを得ないでしょうな。そして女性陣も、とても美しくセクシーで言う事ナシであります。最高でした。しっかし、東宝よ、なんで今時DVDなんだ!! Blu-rayで出してくれたら、おれ、全Ver買ったっていいんだぜ!? つうかNHKが8K中継してくれねえかなあ……そしたら今すぐ8K環境を揃えるのに! とにかくチケットが獲れない人気公演だけに、映像化を強く望みます。可能な限りの高画質で!! そこんとこよろしくお願い存じます! 以上。

↓ まずは入門としてこちらをお勧めします。みりおトート&みちこフランツのバトルが良い!

 というわけで、土曜日は愛する宝塚歌劇を観劇した後、日比谷から千代田線に乗って乃木坂へ赴き、ちょっくら美術鑑賞もしてきた。なんでも、その展覧会には、かのエリザベート皇后陛下の肖像画が来ているらしく、おまけにフランツ・ヨーゼフ1世皇帝陛下の肖像と対になっているそうで、コイツはヅカオタとしては、皇帝夫妻(の肖像)が日本に来ているなら、ご挨拶申し上げねばなるまい、と思ったのである。その展覧会が、こちら、『ウィーン・モダン クリムト。シーレ 世紀末への道』であります。
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 まあ、19世紀末のウィーンというテーマで、Gustav Klimt氏やEgon Schiele氏の作品をメインに据えてみましたという展覧会なわけだが、ミュージカル『エリザベート』が好きな方なら是非、行ってみていただきたいと思う内容になっていて、実に興味深い展覧会だとわたしは感じた。
 というのも、絵画だけではなく、当時の食器やいすなどの調度品や服、それから建築など、当時のウィーンの生活や風景が感じられるような展示物が多く、なんとなく想像力を掻き立てるのです。そこが大変面白いと感じました。
 わたしはドイツ文学を専攻した男なので、それなりにウィーンという街の歴史や建物のことは知っているつもりだし、ドイツ語も普通の人よりずっと読んで話せるため、いちいち、作品に記してあるドイツ語を読んでみたり、知識としては知ってる、けど実物としては知らなかったBurgtheater(=ブルク劇場)やRinkstraßeのことなどが結構出てきて、ドイツ語文化を学んだ人も、おお、これが、的にいちいち面白いと思う。ひとつ、笑ったというか、へええ?と思ったのは、なにやら螺鈿細工で装飾された椅子が1脚展示してあって、ドイツ語でなんか書いてあるわけですよ。これを読んでみると、こう書いてあったんだな。
 「DEM BÜRGERMEISTER HERRN KARL LUEGER ZU SEINEM 60. GEBURTSTAGE」
 これは簡単なドイツ語なので初心者でも意味が分かると思う。英語にすると
 「To the Mayer Mr.Karl Lueger, to his 60th.Birthday」みたいな感じで、要するにウィーンの市長、カール・ルエーガーさんへ60歳の誕生日に送られたもので、そのメッセージが、思いっきり螺鈿で記されているのです。現物がこんな奴なんだけど……
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 この椅子は、なんかルイ・ヴィトンのモノグラムみたいでちょっとカッコイイし、おしゃれ、つうか、ゴージャスなんだけど、メッセージはいらねえっつうか、むしろ台無しじゃね……みたいな。なんでまたそんなメッセージを入れた?と作った方に聞いてみたくなったりします。ちなみに1904年の品だそうで、つまり日本で言うと……明治37年、日露戦争中ってことか。
 そう、展示物が19世紀後半から20世紀初頭のものが多くて、わたしはいちいち、日本で言うところの明治直前か、とか、大正●年ぐらいか、とか考えてしまい、それほど遠くない過去だという妙な実感がして、なんか面白かったすね。その、それほど遠くない過去、ということもあって、展示されていた銀食器などはもう新品のような輝きだし、服もそれほど傷んでなくて、大変興味深かったす。
 あまり関係ないけれど、20世紀初頭の建築物の模型とか写真もいっぱいあって、それを見ていたら、そういや東京駅っていつ建築されたんだっけ?ということが気になって調べてみたところ、東京駅が出来たのは1914年なんですってね。つまり大正3年、だそうで、今回展示してあった様々な建築作品と結構同時代で、観ながら東京駅を連想したのも、なるほど、であった。ちなみに東京駅を設計したのはドイツ人のFranz Baltzerさんという方だそうで、ウィーンの都市建築にはほぼ関与してないようだけど、ベルリンで活躍してた人みたいですな。へえ~。
 いけねえ、本題からズレまくってしまった。まあ、わたしは作品を観ながら、こういった余計な横道にハマりがちなんですが、やっぱり、わたしが一番見たかった皇帝夫妻の肖像は、意外とデカくて、趣ありましたなあ……!
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 というわけで、↑ こちらがエリザベート皇后陛下の肖像であります。1855年の作だそうで、描かれたのが1855年の皇后陛下だとすると、御年18歳だか19歳ぐらいのハズ。嫁に来て2年目だから、『エリザベート』の劇中歌でいうところの、「2ね~んめ~におん~なのこがうま~~れた~~」の頃なんでしょうな。つまり、ゾフィー様とのバトル勃発中というか、「むすめはどこ~~」「ひきとりました~~」「かえしてください~」「おことわりよっ!!」のあたりなんだと思うけど、要するに絶賛嫁姑バトルの真っ最中のはずなんだけど、それにしては、意外と生き生きとした、イイ表情に見えますね。
 で、これと対になっているフランツ1世皇帝陛下の肖像もあるんだけど、それは是非、会場へ直接観に行ってください。とても若々しくて、まあ、イケメンと言って差し支えないと思います。皇帝陛下に関しては、一つはまずその対になっている肖像画の、額がやけに質素なもので(エリザベート皇后の方はちょっと豪華な額)、ちょっと驚いた。想像するに、きっとあの肖像はこれまで相当流転の運命にあったのか、持ち主が変わって行ったり、ぞんざいな扱いを受けたのではなかろうかと、勝手に妄想したりもしました。
 そしてもう一つ、フランツ1世皇帝陛下が自室で何かしている別の絵画も展示されているんだけど、それは1916年の作品で、もう完全にお爺ちゃんぽく年老いている陛下なんですが、その部屋にですね、まさしく上に貼ったエリザベート皇后陛下の肖像画が飾られているのが描かれているんだな。
 なんつうかもう、わたしはその作品を観た時は、頭の中でずっと「夜のボート」が鳴りやまなかったすね。若き頃の最愛の女の肖像を、自室にひっそりと飾っているわけですよ。「い~つ~か~ たが~~いの あ~や~まちを~~み~と~め~あえ~るひ~が くる~~でしょう~~」とエリザベート皇后は歌ったわけですが、フランツ皇帝陛下は皇后亡き後、一人遺された自室で、そんな自らの過ちに思いをはせていたんすかねえ……男としては泣けるっすわ……。。。
 で。
 メインのGustav Klimt氏に関しては、特に説明はいらないだろう。しかしわたしは一つの作品の前で、すげえテンション上がったす。それは、作品制作前の鉛筆かな、素描というか下書きだったのだが、それはまさに、わたしがNYCのMetropolitan美術館で観て、一番気に入った、あの作品の下書きだったのです!! その作品とはこちら!
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 ↑これは、写真撮影OKって書いてあったので、わたしがMETで撮影したものなんですが、Klimt氏の「メーダ・プリマヴェージ」という作品で、これの下書きが今回展示してあって、わたしは、こ、これは! NYCで観たアレだ! と一発で分かった。わたしはKlimt氏でこんなピンクの可愛らしい、ポップな作品があることなんて全然知らなかったので、METで観た時強く印象に残ったんだけど、うれしかったなあ、また日本で会えるとは! 

 というわけで、まとまらないのでぶった切りで結論。
 かのエリザベート皇后陛下の肖像が来ているというので、宝塚歌劇とミュージカルを愛するわたしとしては、それは是非ご挨拶に行かねばなるまい、というわけで、宙組公演を観た後ちょっくら乃木坂の国立新美術館にて絶賛公開中の『ウィーン・モダン クリムト。シーレ 世紀末への道』という展覧会へ行ってきたのだが、思いのほか、絵画以外の美術品の展示も多くて、大変楽しめたのでありました。『エリザベート』が好きなら、足を運んでみる価値はあると思います。もう、フランツ1世皇帝陛下が自室でなにか物思いにふける画が最高なんです。その部屋にはエリザベート皇后陛下の肖像が飾ってあるなんて、泣けるっすなあ……というわけで、まだ会期は8月までとだいぶ残ってるようなので、是非、行ってみてください。おススメであります。つうかアレか、本物のファンなら、やっぱり一度、ウィーンに行け!ってことか。行きてえなあ……くそう。マジで行ってみたいすわ……。以上。

↓ つうかマジで計画立てるしかないね! できればザルツブルグとかも行きたいなあ……!

 というわけで――現在日比谷の東京宝塚劇場にて絶賛上演中の、月組公演『エリザベート』。わたしは既に9月にムラ観劇(=兵庫県宝塚市の「宝塚大劇場」で観劇すること)してきたわけだが、以前書いた通り、大変人気の高い演目であり、おまけに月組TOP娘役である愛希れいかさん(以下ちゃぴ)の退団公演というブーストもあって、とにかく、本当に、まったく、チケットが獲れない。特に東京はもう全くダメ、であったのだが、わたしのヅカ師匠の美しいお姉さまが行けなくなったということでチケットを都合してくださったため、なんとか観に行くことが出来た。
 わたしが観た2カ月前のムラ観劇では、2番手スター美弥るりかさん(以下みやちゃん)が体調不良により無念の休演となってしまって、ある意味超レアな配役での観劇は幸運だったかもしれないけれど、みやちゃんの無念を思うとまったく幸運とも思えず、東京までにみやちゃんが元気に復帰するとよいのだが……と心配していたわけだが、その心配は無事に解消され、東京公演ではみやちゃんが復帰し、物語の重要人物フランツ・ヨーゼフ1世を演じてくれている。
 というわけで、2回目の観劇となる今回、わたし的注目点として、以下について思ったことを書き連ねてみたい。もはや主役の二人については、今回は触れません。素晴らしかったのは言うまでもないので。
 1)みやちゃんのフランツはいかがであろうか……
 2)月城かなとさん(以下れいこ)の演じるルキーニはいかに。
 3)わたしが月組で一番好きな海乃美月ちゃん(以下うみちゃん)の美しさをずっと見守っていたい!
 4)ムラではノーチェックだった美園さくらさん(以下さくら)をちょっと気にして観よう。
 とまあ、要するにムラで観ることが出来なかった、本来キャストの演じぶり・歌いぶりと、大ファンのうみちゃん、それから全くムラではチェックしなかったさくらちゃんについてであります。

 はーー……しかし、ホントに『エリザベート』という作品は、歌が素晴らしいすねえ……オープニングからフィナーレまで、まったく飽きないし、数々の歌に聞き惚れますなあ……。
 というわけで、順番に思ったことを書き連ねてみよう。
 1)みやちゃんフランツは恐ろしく線が細くて、なんつうか、はかない……。
 まあ、みやフランツの美しさはやはり想像通り、とても際立っていたと思うけれど、やっぱり、演者が変わると印象も違うものですな。みやちゃんのフランツは、まず、なんといっても華奢で(ただし立ち姿はビシッと真っ直ぐで極めて美しい)、ホントにエリザベートが大好きな男だったように感じたすね。
 なので、超つれないエリザベートに心傷つくフランツぶりは、観てて悲しくなっちゃったす。わたしは男なので、どうしてもフランツが気の毒に思えてしまうんすよ……これは、わたしの後輩女子の意見とは全く正反対で、女子から見ると、1回浮気した時点でもう許せるわけがなく、ふざけんな、なんだそうだが、許してあげてほしいけどなあ……男としては……。ダメっすかねえ……。皇帝なんだから、側室を……持てないか、カトリックは無理か? ちょっと詳しくは分からんけれど、なんというか、みやちゃんフランツは、観ていてホントに、許してあげてくれよ……という気持ちになったす。それがいいことなのか悪いことなのか、わたしには判断できない、けど、これはこれでアリ、だとわたしは思う。歌も良かったすね。一部若干苦しげだったのかな……まあ、それはフランツの心が苦しかった故、とわたしは解釈したいと思います。結論としては、みやちゃんフランツは、超はかなく美しかった、すね。とりわけ、わたしがグッと来たのは、まあ夜のボートは当然として、「と~び~~らを~あけてく~れ~こころ~~やさ~しい~~~エリ~~ザベ~~~ト!」の最後通牒の時のみやちゃんに泣けましたなあ……この時は浮気もしてなかったのに……つらいす……。
 2)れいこルキーニはやっぱりカッコイイね!
 ま、これは想像通りのカッコ良さで、言うことなしであろうと思う。歌も、とても良かったと思うし、アドリブの余裕ぶりも、さすがに手慣れた感があって、大変結構なお点前であったと思います。はあ……年明けのみやちゃんとれいことうみちゃんのバウを観に行きてえ……絶対チケット獲れないよ……くそう……!
 3)本当にうみちゃんは美しいですなあ……オレ的ナンバーワンヅカ美人は揺るぎなし!
 今回はムラで買ったプログラムでバッチリ登場シーンを予習しといたので、きっちり双眼鏡でうみちゃんを追えました。冒頭の幽霊ヴィンディッシュ嬢がすごい見にくい位置で、前のご婦人の頭が超邪魔で、く、くそう、あと10cmズレてくれ!!とか思ったのはどうでもいいとして、とにかくうみちゃんの、スポットライトが当たっていない時も当然演じ続けるその姿勢に、やけにグッと来たすね。
 ちゃぴエリザが「エーヤン、ハンガリー!」の時に一番エリザに近い位置にうみちゃん演じるハンガリー貴族婦人がいたり、ウィーンの民衆の中にいても、当たり前かもしれないけど、一切手抜きナシの全力芝居でますますファンになりました。もちろん、渾身のヴィンディッシュ嬢は東京でも圧巻で、先日SKY STAGEの番組でこの時の芝居の解説をチラッとうみちゃんがしていたのを見たけれど、その説明通り、完璧だったとわたしは大絶賛したいと思います。
 うみちゃん曰く、ヴィンディッシュ嬢は、それまでは完璧に自分が皇后だと思い込んでいて、周りも、はいはい皇后さま、的に合わせてくれていたために、心が安定していた、けれど、本物の皇后がやってきて、周りのみんながヴィンディッシュ嬢を構うことなく、手にしていたボロボロの扇子を落としたとき、じゃああたしは誰? と真っ白になってしまったのだそうだ。そして、エリザベートと対面した時は、鏡として、演じるちゃぴの心をそのまま映す存在として放心しているんだけど、(エリザベートになり切っている)ちゃぴのハートがあまりにも圧倒的で、どうしてもあのシーンでは勝手に涙が出てしまう、てなことらしい。
 ここでのエリザベートの歌(日本語では「魂の自由」)は、ドイツ語では「Nichts, Nichits, Gar Nichts」という歌で、えーと、英語で言うと「Nothing Nothing Nothing at all」ってことかな。要するに私が得たものなんて、何も、まったく何もない、という歌なんだけど、ドイツ語で聞いても凄くわかりやすいと思うので、自分用メモとしてYou Tubeから貼っておこう。歌詞の内容は日本語版とかなり違うんすね。

 これをチェックしてみたのは、SKY STAGEで観た今回の月組『エリザベート』のメイキング的な番組で、演者の皆さんが「歌詞じゃなくて音自体」に感情を込めないといけない、と揃って同じようなこと仰っておられたからだ。我々日本人的には、どうしても歌詞の意味に感情を求めちゃうんだけど、それよりも音自体が重要なんだそうで、じゃ、他の言語で聞いたらどうなんだろう?と思ったからです。そしてオリジナルのドイツ語で聞いてみても、やっぱりグッときますね……このシーンは。本当にうみちゃんは最高です!
 4)さくらちゃん……キミ、意外とデカいね?
 というわけで、うみちゃんはTOP娘になることが叶わず、さくらちゃんが年末のタカスペからかな、月組TOP娘となるわけだが、わたしはうみちゃん派とは言え、さくらちゃんにはなんの罪もないし、さくらちゃんを嫌う理由は何一つないと思っている。
 歌もうまいし、99期首席、大妻出身の数学が得意な賢い娘さん、みたいな知識はあったけど、実はわたしがさくらちゃんを明確に認識したのは『雨に唄えば』でのヒロイン役しかなく、今回はキッチリとチェックさせてもらったのだが、第一印象としては、デカい、すね。さくらちゃんは。女官6人衆の後ろから2番目で、常に忙しく立ち回っている姿が印象的でした。あと、世界の美女の、なんかクレオパトラ的なエジプト娘がさくらちゃんだったけど、まあ、サーセン、オレ的にはスペイン代表フラメンコガールを演じた海ちゃんの方が圧倒的に美人で可愛かったす。なんというか、役柄的に仕方ないけれど、さくらちゃんはちょっと表情がカタイすね。まあ、勝手な想像をするに、きっと真面目で勉強のできる娘さんなんでしょうな。そのカタイ表情は、とても賢そうに見えるすね。今後の数々の演目で、さくらちゃんのいろいろな表情が観られることを期待します。男としては、こういうおカタイ真面目っ子が笑うと可愛いんだよな……ホント、頑張ってほしいすね。
 
 というわけで、もう書きたいことはなくなったので終わりにしたいけれど、やっぱりちゃぴは凄い娘役ですよ。本当に彼女の全力は観ていて心震えるし、退団後の東宝帝劇版シシィは間違いないでしょうな。そしてやけにダイナミックで活力あふれるたまトートも、やっぱりイイと思います。若干歌は苦戦してるのかな……という気もしなくもないけど、アリですよ、たまトートは。
 一応、千秋楽は近所のシネコンのライブビューイングで観られることになったので、ちゃぴの、ホントにホントの最後を目に焼き付けておこうと思います。ライヴューは視点が固定されちゃうから、うみちゃんの姿はあまり見られないかもしれないけど、渾身のヴィンディッシュ嬢は映画館の大画面で味わいたいすね!

 というわけで、結論。
 2回目となる2018年月組版『エリザベート』を日比谷の東京宝塚劇場で観てきたのだが、なんなんだろう、もう何度も観ている作品なのに、やっぱりイイすねえ……ホントに。やっぱり、楽曲の素晴らしさなんだろうな……そして演者によって雰囲気も変わるし、まったく飽きないすね。もう歌の歌詞まで憶えちゃってるわけで、ほぼ完ぺきにトレースできちゃうのは『エリザベート』ぐらいですよ。人気があるのもうなずけるす。今回の月組版も、とても楽しめました。来年あたり、東宝帝劇版またやってくれねーかなあ……。以上。

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 宝塚歌劇団の公式Webサイトの言葉をそのまま引用すると――
 「1996年の初演以来、独創的なストーリーと、美しい旋律で彩られたミュージカル・ナンバーで多くの人々を魅了してきた『エリザベート』。上演回数は1000回を超え、観客動員数240万人を記録するなど、名実ともに宝塚歌劇を代表する人気ミュージカルとなりました」とのことで、ヅカ歴8年目となったわたしも、すでにこの『エリザベート』という作品は、2014年の花組Ver.と2016年の宙組Ver.の2公演を観に行っている。また、この作品は東宝・帝劇ミュージカルとして男性キャストも交えた「普通の」ミュージカルVer.もたびたび上演されており、わたしも2015年のVer.を帝劇で観ている。
 わたしが言いたいことは2つあって、一つは、つまり『エリザベート』という作品はとても人気が高いということ。そしてその結果、おっそろしくチケットを入手するのが難しいのである。そしてもう一つは、これまで何度も上演されているものの、基本的な歌やセリフはずっと変わっておらず、演じるキャストによってかなり印象が違ったり、歌い方がさまざまで、何度観ても飽きないし、毎回、新しい発見のようなものがあって、過去の上演と比較するのもまた楽しい。それが、『エリザベート』という作品である。
 というわけで、今年もまた『エリザベート』が宝塚歌劇団によって上演されることとなったわけだが……今回は、現在の月組で6年の長きにわたってTOP娘役に君臨してきた愛希れいかさん(以下:ちゃぴ)の退団公演でもあって、まあとにかくチケットが取れない。わたしは東京は全滅で、結局わたしをヅカ道へ導いてくれた師匠に11月のチケットを1枚譲ってもらったので、とりあえずは何とかなったのだが、わたしとしては、ちゃぴの最後の雄姿を目に焼き付けるべく、宝塚大劇場、すなわち兵庫県宝塚市に存在する本家総本山へも観に行きたいとの希望を持ち、こちらは自力で何とか1枚、購入することができ、昨日は朝から新幹線のぞみ号をぶっ飛ばして、一路大劇場へ遠征してきたのである。日帰りで。
 もはやムラ遠征(=東京に住まう我々が宝塚市の大劇場に遠征すること。由来は実は知らないんだけど、ファンは大劇場のことを「ムラ」と呼ぶのです)は、既にヅカ道黒帯を取得しているわたしからすると、もはや普通のことである。そして、もはや観光するような気もなく、日帰りでさっさと帰るのも、ある意味もう全然普通のことだ。しかし昨日はちょっとキツかった……なぜなら、わたしは昨日、大劇場で『エリザベート』を観た後、続けてバウホールにて絶賛上演中の『CHALLENGER:ザッツ北翔テイメント』も観てきたからだ。この、「北翔テイメント」に関しては明日別記事にするので、ここでは書きません。一言でいうと最高すぎて、内容が濃すぎて、はっきり言って『エリザベート』の印象は吹っ飛んじゃうぐらい最高だったんすけどね。
 ともあれ、『エリザベート』である。

 わたしが思うに、『エリザベート』の魅力はその歌である。実は、物語的にはかなり、ううーむ?という部分があって、いろいろと、ええと……? とキャラの心情が謎な部分が多いのだ。ツッコミ甲斐があるというか、とにかく、実はストーリー的に、なんか変、だとわたしは思っている。ただ、そういった部分も、もはや気にならないほど圧倒的に歌が素晴らしくて、なんだかよくわからないうちに、胸にグッと来て感動してしまうのである。
 そして、今回の月組公演にあたってのわたし的見どころは、以下に総括できるとわたしは思っていた。
 1)ちゃぴのラストを飾るシシィの完成度や如何?
 2)たまトートはどうなのよ?
 3)みやフランツは渋いんでしょうなあ、きっと?
 4)れいこルキーニは、そりゃあきっとカッコいいでしょうねえ……。
 5)新世代ヒーローおだちんルドルフはどうだろうか?
 6)愛するうみちゃんの、渾身のヴィンディッシュ嬢はきっと素晴らしいに違いない!
 どうですか。上記6点について、何の解説もなく意味が分かるようなら、ヅカ道初心者レベルはクリアしていると思うけれど、ズバリ言って、普通の人には全く意味不明だろう。というわけで、以下、解説しながら、感想を連ねてみたい……のだが、なんと、超残念というか、超心配でならないのだが……おとといから月組2番手スター美弥るりかさん(以下:みやちゃん)が体調不良のため休演となり、急遽、役の変更がなされることとなったのである。みやちゃん……どうか東京公演までに戻ってきておくれ……心配だよ……とても……。
eliza2018
 ◆ちゃぴシシィはパーフェクト。ちゃぴ渾身の退団公演は伊達じゃない!
 そもそも、宝塚歌劇の演目は、どうしても男役TOPスターが主役なのだが、本作『エリザベート』に限っては、そのタイトル通り、明確に主役は娘役TOPが演じるエリザベート(=幼名というか愛称「シシィ」)であるとわたしは考えている。幼いシシィがハプルブルグ家に嫁ぎ、超おっかないお姑さんとの嫁姑バトルを勝ち抜き、皇后としてその地位を勝ち取っていくものの、マザコン浮気野郎の旦那との確執などから愛する息子を失い、心さすらう人生の、その最期までが描かれる、明らかにエリザベートという女性を中心に据えた物語だ。
 男のわたしの視点では、シシィの行動は結構理解しがたく、とりわけ息子ルドルフを助けなかった理由がさっぱりわからんのだが、まあ、そういった謎はこの際どうでもいい。芝居としての見どころは、やっぱり、冒頭の天真爛漫だったシシィが、いかにして皇后として堂々とした姿となるか、ある意味計略家として生きていこうと決意し、そしてその後、絶望に身をやつしながらいかにして晩年を過ごすか、という激動ともいえる心と体の変化にあるとわたしは思う。そして、そういったその時々の心情は、ミュージカルなんだから当然、「歌」で語られることになるわけで、極めて高いレベルの「演技」と「歌唱力」が必要となる役柄であろう。
 結論から言うと、わたしは、今回シシィを演じたちゃぴこと愛希れいかさんは、わたしが今まで見た3人のシシィの中で、完全に1歩も2歩も上を行く完璧なシシィだったと絶賛したい。本当に素晴らしかった。わたしは、ちゃぴの魅力はなんといってもダンサーとしての魅力が一番だと思っているけれど、芝居力もダンス同様に素晴らしく、また歌も当然極めて高いレベルにある。じゃなきゃ6年もTOP娘の看板を背負えないよね。いやあ、本当に素晴らしかった。11月にまた東京で会えることを楽しみにしているよ。きっと、さらにまた高みに登っていることでしょうな。退団後の活躍も楽しみですなあ。きっとちゃぴなら、退団後も素晴らしいキャリアを築いてくれることでしょう。東宝版のシシィもぜひ演じてほしいですな。ちゃぴ、君は本当に凄いよ。最高です。
 ◆たまトートは、想像以上に素晴らしくて、同時に今までとは違うトートだった!
 トートとは、ドイツ語のDer Tod=英語のThe Death、すなわち「死」であり、要するに冥界の王なわけで、ズバリ言えば人間ではない。こういう、「死」の擬人化は、例えばミュージカル『ロミオとジュリエット』なんかにも出てくるように、まあ、西欧作品にはよくあることなのだが、本作『エリザベート』では、その「死」が、人間であるエリザベートにぞっこんLOVEっちゃうことに最大のポイントがあって、しかもそのトート様が、やけに純情チェリーボーイなのが笑っちゃうというか、ドラマチックなのである。
 で、一方、今回トート様を演じる月組TOPスター珠城りょうさん(以下:たまきちくん)は、わたしの印象は上品で育ちのいいおぼっちゃま、であり、等身大スターであり、なんつうか、健康優良児、なんすよね。たとえて言うならゴールデンレトリーバーのような、完全なる「陽キャラ」なのがたまきちくんの魅力だとわたしは思っているのだが、その健康優良児たまきちくんが、宝塚の演目きっての「陰キャラ」であるトート様をどう演じるのだろうか、というのがわたし的見どころであったのだ。
 まず、ビジュアルだが、やっぱりたまきちくんのデカい体はとても堂々としているし、話題の「金髪」トート像も、わたし的には全く問題ナシであったと思う。むしろかなりイイじゃん! と称賛したいぐらいだ。一方で歌は、今まで聞いたことがないような感じで、若干の、んん? というポイントもあったのは事実だけど、それはまあ、ちゃんと演出の小池先生がチェックしていることだろうから、わたしが口をはさむことでもないだろう。アリ、だと思う。そして、わたしが一番グッと来たのは、その表情であったように思う。なんつうか、妙に生命力あふれていて、感情が分かりやすいのだ。そう、「死」なのに、妙に人間臭いんすよ! これはたまきちくんの持ち味である「陽キャラ」がにじみ出しているんだとわたしは理解した。なるほど、こういうトートもアリなんですなあ、と新発見したような気分になって、わたしは非常に面白いと感じましたね。その結果、「最終審理」でトート様がフランツに感じる嫉妬のようなものが妙に生々しかったし、お話も分かりやすくなったように思う。わたし、今回の、妙に人間臭くダイレクトに嫉妬するたまトート様のお姿を観て、ああ、そういうことだったんだな、と妙に腑に落ちたすね。なので、たまトートは断然アリ!です。最高でした。
 ◆みやフランツ無念の休演。そして急遽代役に立ったれいこフランツは……
 現在の月組では、若きTOPスターを支える2番手スター、みやちゃんこと美弥るりかさんの存在意義は極めて大きくて、TOPのたまきちくんもみやちゃんへ絶大な信頼感を寄せているし(※みやちゃんはたまきちくんより5学年も上の先輩)、二人の関係性は現在の月組になくてはならない要素だと思っているのだが、無念の休演となってしまったことがとても残念だ。もちろん、みやちゃん本人が一番残念に思っているだろうし、もう、身を引き裂かれんばかりにつらい思いをしていることと思う。どうかきっちり体調を整えて、また舞台に復帰してほしいと思う。東京で待ってるよ。おれはみやちゃん、あなたのフランツが観たいんすよ!
 で。今回、おそらくはほぼ稽古も積んでいないであろう、月城かなとさん(以下:れいこ)が急遽、重要な役であるフランツを演じてくれることとなり、まあ、ヅカファンとしては、れいこフランツを観られたのは、ある意味においては大変幸運だったとは言えるかもしれない。たしかに、れいこフランツは、まずのそのビジュアルからしておっそろしく美しいし、歌も超がんばっていたのは間違いないのだから。
 しかし、れいこさんの頑張りは称賛して余りある素晴らしいものであったけれど、いかんせん、準備の時間がなさ過ぎたのではなかろうか。もちろん、その時間がない中でのれいこフランツは、もう大絶賛したいのは間違いない。でもわたしはやっぱり、れいこルキーニが観たかった。それに、比較するのは失礼であるのは承知しているけど……この後に観た『北翔テイメント』でのみっちゃんフランツがやっぱり凄すぎて……やっぱりフランツはこうでなきゃ、とか思っちゃったんすよね……みっちゃんはマジ最高すわ……。
 ともあれ、11月の東京でのみやちゃん復帰を心から祈っております。どうか、くれぐれも焦らず、お大事になさってくださいませ。東京で待ってるからね!
 ◆れいこルキーニは観られず、急遽おだちんルキーニ登板!
 というわけで、当初予定されていたれいこさんのルキーニは観ることができなかった。ルキーニという役は、『エリザベート』という作品でも、極めて目立つし狂言回しとしても大変重要な役柄で、そのノリノリで観客をあおるようなキャラクターは、作品の中で一番おいしい役と言ってもいいぐらいの大切な役である。わたしとしては、2014年の望海風斗さん(以下:だいもん)が演じたルキーニが歴代最高だと思っているが(帝劇で観た山崎育三郎氏Verよりも凄かったと思う。だいもんルキーニはもう完全に男でした)、それを今回、月組随一の美形、れいこさんでやるなんて超楽しみだぜ! と期待していたのである。
 しかし今回の代役によって、新人公演でルキーニを演じている風間柚乃さん(以下:おだちん)が、本公演でもルキーニを演じることとなったのだが……ズバリ言うと、新公レベルでは全く素晴らしかったと思うけれど、やっぱり本公演としては、まだまだ、鍛錬と熟成が必要なんだろうな、と思うに至った。おだちんが、スーパー超がんばってるのは間違いない。けれど、やっぱり余裕がないのだと思う。ルキーニという役は、もう観客をあおって空気を変えていくことが求められるし、なんつうかな、ヘっ……チョロいぜ!的な、飄々とした?余裕が絶対的に必要なんすよね……まだ4年目かな、おだちんにはまだ、無理ですよ。これはいい悪いの問題ではなく、無理なものは無理なんだから。しかしそれでも、そんな状況でも頑張り抜いたおだちんは、もちろん賞賛に値するし、今後の活躍が本当に楽しみなお方だということはよくわかりました。アレっすね、意外と背が低いように感じたっすね。わたし、おだちんはもっとデカイかと思ってた。
 ま、いずれにせよ、東京ではれいこルキーニが観られることを強く願ってますし、おだちんルドルフの回は観られないけど、おだちんの今後にも注目していきたいと存じます。
 ◆というわけでおだちんルドルフは観られず、ありちゃんでした。
 わたしが『エリザベート』という作品で一番好きなのが、皇太子ルドルフとトート様の「闇が広がる」という歌で、そういう意味でもルドルフ皇太子の、悲しく切ない歌声は見どころの一つだと思っている。わたしとしては帝劇で観た古川雄大氏のルドルフが過去観た中では一番好きなのだが、今回は本来はおだちんルドルフの回だったけれど、代役によって暁千星さん(以下:ありちゃん)のルドルフを観ることとなった。もともと今回の公演では、ルドルフ役はありちゃんとおだちんのWキャストだったので、本来通りのありちゃんルドルフだったと言えるのだが、まあ、ありちゃんは月組のスーパー御曹司でもうこれまでも抜擢が続いているし、新人公演ではトート様を演じる次世代スターなわけなので、その実力は全く問題ナシ、である。なので、ええと……サーセン、特に書くことないです。
 ◆うみちゃん渾身の涙に、わたしのハートは持っていかれました……
 うみちゃん、とは、わたしがずっと応援してきた月組が誇る美貌の娘役、海乃美月さんのことである。わたしとしては、ちゃぴ去りし後のTOP娘はうみちゃんで決まり、とか思っていたのに、残念ながらそうはいかず、後輩にその座を譲ることとなってしまった。わたしはいまだにその決定を残念に思っているし、おそらくは、うみちゃんの本人の心中たるや、凄まじい葛藤があるのではないかと想像する。普通に考えて、ずっと頑張ってきて、部長に昇進する直前で後輩に抜かれたら、もう心折れて退職したっておかしくないぐらいだと思うし、サラリーマンのような平凡な道ではなく、厳しい芸の世界のことなんだから、そりゃあもう、うみちゃんが流した涙は1リットルじゃあすまないと思う。
 でも! わたしが今回いっちばん感動したのは、うみちゃんの作品に対する姿勢だ。わたしは今回、うみちゃんが舞台に出てくると、ほぼずっと双眼鏡でその姿を追っていたのだが、名もなき群衆の一人として、スポットライトの当たらない舞台の端の一人であっても、全力でうみちゃんは芝居をしていたし、2幕で、ソロ歌のあるヴィンディッシュ嬢という精神を病んだ女性を演じている時も、最高に素晴らしく、最高に美しかった! とりわけ、ちゃぴエリザベートに抱かれながら、ほほを一筋の涙が伝うシーンは、もうその涙のタイミングも完璧だったし、その時の正気を失くした女性の表情も、今回のベストアクトだったとわたしは大絶賛したいと思う。最高だったね! 双眼鏡で、うみちゃんの左目から本物の涙が一筋流れるのを見て、マジで鳥肌立ったよ。うみちゃん、どうかこれからも、がんばってください。わたしもずっと応援するよ。そして、いつかTOPに就けることを、わたしは全然諦めてないし疑ってもいないぜ! 絶対、報われる日が来る! と信じてます……!

 はーーー……こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「死は逃げ場所ではない!」
 今回は、宝塚版『エリザベート』ではもはやお約束のトート様のこのセリフを選びます。今まで、わたしはこのセリフを聞くと、おいおい、さんざんエリザベートの死を願ってたんじゃなかったのかよ、とかツッコミたくなっていたのだが、今回の、妙に人間臭いたまトートのこのセリフは、すごい気持ちが伝わりました。死にたいってお前、それじゃダメなんだよ、おれのことを愛してくれなくちゃ!! という感情が、今回のたまトートで初めてわたしに伝わったすね。ホント、トート様……あなた純情ボーイですよ……。たまトート、相当キてます! イイ!

 というわけで、結論。
 今回は結論を箇条書きにしておこうと思います。
 ◆ちゃぴシシィ:最高。オレ的歴代最高シシィ。東京大千秋楽まで駆け抜けておくれ!
 ◆たまトート:イイ! やけに人間臭いトート様、はじめていろいろ理解できた。
 ◆みやフランツ:本当に観られなくて残念。東京で待ってるからね!
 ◆れいこフランツ:急な登板を考えるとお見事でした。美しさは歴代ナンバーワンかも。
 ◆れいこルキーニ:観たかった……! 東京で待ってます。
 ◆おだルキーニ:余裕はどうしても経験から生まれるので、あと4~5年後に期待します。
 ◆ありルドルフ:超安定・超安心のルドルフでした。
 ◆うみヴィンディッシュ嬢:最高! うみちゃん! あなた最高です!!
 とまあこんな感じです。しかし、やっぱりムラはいいですなあ……テンション上がるっすよね……東京宝塚劇場よりデカイし。東京ももうチョイキャパがあれば、チケットも少しは取れやすく……ならねえか。ホント、もうチョイチケットが買いやすくなるといいのだが……つうかですね、ムラの変身スタジオ、男はお断り!なのは悲しいす。オレ……アンドレ衣装着てみたいんすよ……メイクはいらないので。以上。

↓ おお、今はPrime Videoでも配信しているんですなあ。みりおトートはそのビジュアルは最強レベルだし、だいもんルキーニはもう完璧に男、そしてみっちゃんフランツはわたしとしては歴代最強(特に歌)だと思います。

 はーーー寒し。
 昨日は寒空の中、渋谷のオーチャードホールへ、『エリザベート TAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』 を観に行ってきた。去年の12月に、梅田芸術劇場での大阪公演を観に行った話は以前書いた通りだが、大阪では淋しくぼっち観劇であったけれど、いよいよ東京公演ということで、今回はヅカ友のお姉さんたちとの観劇であったので心強し、である。

 すでに前回の観劇での時に書いた通り、今回の『エリザベート TAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』は、ミュージカル『エリザベート』日本初演20周年を記念したOGたちによるコンサート形式の公演であり、初演キャストバージョン、フルコスチュームバージョン、メモリアルバージョンと3種類の公演があって、昨日わたしが観たのは、「フルコスチュームバージョン」であった。
 大阪で観た「メモリアルバージョン」は、一つの役を複数の演者が入れ替わりながら演じ・歌われたものだったが、今回は(メインの役は)一役一人と固定されている。で、昨日の主なキャストはこんな感じであった。
bunkamura
 というわけで、主に2005年/2009年の月組メンバー中心と言っていいのだろうと思う。なので、2010年1月からヅカを観始めた、ヅカ歴7年のビギナーに過ぎないわたしが現役時代を観て知っている方は、シシィの凪七瑠海さん(通称:カチャ※現役)、ルキーニの龍真咲さん(通称:まさお)、ルドルフの涼紫央さん(通称:とよこさん)、それから大ベテランの磯野千尋さんぐらいだろうか。
 よって、わたしとしては、昨日はとにかく、去年専科へ移動となって、現在も現役ジェンヌとしてバリバリに頑張っているカチャのシシィぶり(何しろカチャは普段は男役なので、女性を演じるのはわたしは初めて観る。ショーではたまに観たことあったけど)と、梅田ではおっそろしく美人できれいなシシィとして登場したまさおの、ノリノリなルキーニを大変楽しみにしていたわけである。
 結論から言うと、カチャのシシィは、なかなか可愛かった。歌も、非常に悪くない。むしろ普段は男役のカチャから考えれば超イイじゃん!と偉そうに思った。あたりまえだけれど、立派?に女子ですよ。そしてやっぱり背が高いですな。実際可愛いと思います。
 そしてまさおの方はというと、梅田でのまさおシシィが超素晴らしかったのは、ホント大阪に行ったかいがあったぜと満足であったわけですが、今回は久しぶりの男役、しかも物語の狂言回しとして重要なルキーニである。しかし全く心配なく、すっかりいつもの、安定のまさお節全開で楽しいルキーニでした。いやあ、シシィの時は完全にまさお節は封印されていたのだけれど、やっぱり男になると、紛れもなくまさおですな。若干信長様も入ってて、わたしとしては大変良かったと思います。やっぱり2幕冒頭の「キッチュ!」のノリは楽しいすね。前回も書いたけれど、まさおはとにかく、素で超美人なので、シシィの時は非常に美しく、そしてルキーニの時はやっぱりイケメンですよ。わたしとしては大変満足でありました。同行のお姉さまたちも、大変満足されていたようだけど、あーん、やっぱり梅田にまさおシシィ観に行けば良かった~~と仰っていたので、だからオレ、行きましょうよってさんざん誘ったのに……と思いつつ、オレは観たもんね~~とプチ自慢してやったのは言うまでもなし、であります。しかしアレですな、今年はないみたいだけれど、今後帝劇版の『エリザベート』が上演される際は、まさおシシィが起用されるんでしょうな、きっと。そしてまたチケットが全然取れないんだろうな……。やれやれです。
 そしてもう一人、わたしは星組イチオシなので、舞台に立つとよこさんも大変ご無沙汰の久しぶりであった。すでに2児の母となったとよこさん。去年二人目が生まれたばっかりだよな? まったくもって体形はわたしの知るとよこさんの、シュッとしたいでたちで、なんというか、すげえな~と感じ入った。そして演じるルドルフは、第2幕からの登場だけど、わたしは青年ルドルフとトート様の「闇が広がる」とか、「皇~帝~ル~ド~ル~フは立ち上がぁ~る~」の場面や、シシィとの「僕はママの~鏡だからママは~」のシーンがかなり好きなので、とよこさんがルドルフを演じるのは大変楽しみにしておりました。そして、やっぱり非常に良かったと思います。なんかとても久しぶりに歌声を聞いたような気がして、大変胸熱でありました。
 しかしアレですな、Bunkamuraオーチャードホールは久しぶりだけど、梅田芸術劇場の方が大きいような気がしますね。梅田は1階の結構前での観劇であったけれど、今回のオーチャードホールは2階席で、まあ、ど真ん中だったので観やすかったけれど、双眼鏡なしではきつかったす。
 そしてやっぱり『エリザベート』は歌が最高ですね。わたしは帝劇版のCDを車でヘビロテで聞いているのですが、2幕で浮気したフランツに絶望したエリザベートに対して、トート様が言うセリフが宝塚版と帝劇版は違うんすよね。
 宝塚版「死ねばいい!」
 帝劇版「それがいい……待っていた!」
 わたしは、帝劇版は城田トート様しか観たことがないのだが、まあ、とにかくここの、「お前がそう言うのを待っていたぞ、フハハハハ!!」的なトート様はおっそろしくカッコ良いと存じます。あと、そういえばストーリーも、性病の話は宝塚版にはほぼなくなってるし、ほんのちょっとだけ、違うんすかね。まあ、わたし的にはどちらも大好きです。
 はーー。やれやれ。実は、2回目ということで、あまり書くことがないのですが、結論としては大変素晴らしかったと思います。わたしはこの観劇後、とあるジェンヌのファンミーティングなるものにぼっち参加し、そちらではすでに退団された同期元ジェンヌがサプライズ乱入したりと、そちらの方が昨日の出来事としては大きく・楽しく・泣けたので、そっちのことを書きたいのだが、Web等での拡散は禁じられているので書けません。そちらももう、本当に大満足の2時間で最高でありました。

 というわけで、結論。
 2回目の観劇となった『エリザベート TAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』は、わたしとしてはやはり、まさおルキーニとカチャシシィを楽しみに劇場へ参上したわけだが、期待通り大変楽しめました。そしていつか、まさおシシィの帝劇版が実現するといいすね。そして宝塚版は……わたしの好み的には、たまきちくんが大きく成長した時、まだちゃぴちゃんが隣にいるなら、その二人でトート様とシシィを演じてほしいなあと思います。もちろん、その時には美弥ちゃんには超ノリノリでルキーニを演じていただきたいですな。フランツじゃなくて。ま、数年のうちにはまたどこかの組で上演されることだと思うので、楽しみにしていたいと思います。以上。

↓ しつこいですが、わたしとしてはみっちゃんのフランツはやっぱり素晴らしいと存じます。みっちゃん……全然チケット獲れないよ……くそう……。
『エリザベート ―愛と死の輪舞―』 [Blu-ray]
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2014-11-06



 

 突然だが、わたしは今、大阪にいる。梅田の北の方の、安くてぼろいビジネスホテルの一室である。予約を取ったのは昨日の23時頃、すなわち直前である。実は直前まで、来るつもりはなかった、が、来ちゃったのである。一人で。何をしに大阪に来たかって? そんなの決まってますよ。こいつを見に来たのである。
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 話せば若干長いのだが、手短に済ますとですね、要するに、間違っちまったのです。
 わたしはこのBlogで何度も書いているとおり、宝塚歌劇が大好きなわけです。で、宝塚の演目の中でも、非常に人気の高い『エリザベート』という作品があって、それが今年、初演から20周年であり、その記念として、主にOGを主体としたコンサート公演が行われているわけです。で、そのチケットは、まあ普通には全然取れないもので、わたしも東京公演を1回やっと取れて喜んでいたわけですが、11月になるちょっと前だったかに、追加席の発売があって、どうせダメなんでしょ?と思いながらチケットぴあを覗いたら、普通にするっと買えてしまって、やった―――!! だったわけです。そして、席はどんな席かなあ、いい席だといいなあ、とかのんきに確認メールを見たらですね……やっちまった―――――!!! 東京じゃなくて、大阪の公演を取っちまった―――!!! オレのバカバカバカ!!! というありさまだったわけです。東京は年明け1月中旬に公演があるのですが、オレ……日付しか目に入ってなかったよ……17日、夕方の回、これだ―!! という勢いで買ってしまい、よく見たら1月17日じゃなくて12月17日、だったのです。ホント、自分に呆れるわ……
 なので、わたしも、周囲のヅカ仲間のお姉さんたちに、やっちまったんですけど、買ってくれませんか……? もしくは一緒に行きませんか…? と散々聞いて回ったのだが、もう皆さん、「あら、やっちゃったわね……まあ、ヅカあるあるよそんなのは。あたしも東京公演取ったつもりで大劇場の公演を取っちゃったなんて何度もあるわ。これであなたも一人前ね」みたいなことを片っ端から言われ、誰も一緒に来てくれないし、あまつさえ、わたしも売ろうと思ったけど全然買い手がつかない!!! ので、ならばオレが一人で行くしかねえ!!! 上等だぜ! とまあ、昨日の夜、決心したわけであります。
 というわけで、わたしは今日の昼に東京駅からのぞみ号をぶっ飛ばして大阪に降り立った次第である。いまだに歩きたばこのおっさんがいることには驚いたが、大阪はかなり久しぶりである。まあ、久しぶりとはいえ、大阪はそれなりに地理感もあるので、まずはホテルに荷物を置いて、さっそく初めての梅田芸術劇場に向かってみた。ロフトのあたりも、なんかだいぶ変わったなあ、とか思いつつ、全く迷うことなく劇場に着いたはいいが、時間は16時、開演まで大分時間があったので、ちょっと街をぶらぶらしてみたが、まあ、特にすることもないのでいかにも大阪な古い喫茶店で時間をつぶし、開演となる17時半を待った。
 そして乗り込んだ梅田芸術劇場は、想像よりもかなり大きかった。天井高が非常に高いような気がします。入る前に、入り口のチケットブースを見てみたら「全公演当日券あります」的なことが書いてあった。おいおい、まじかよ、であるが、まあ、席は非常に遠い3階とかなんでしょうな、きっと。
 で。会場は、男客も結構いたけれど、まあズバリ、わたしのようなおっさん一人客は見かけなかったすね。いいよ、別に。もう慣れてるし。そして2000円の公演パンフを買って、劇場内の喫煙ルームでタバコを吸いながらパラパラ読んでいたところ、これまた典型的な大阪のおばちゃん4人組が、本物大阪トークを飛ばしている様をみかけ、そのトークがまた面白くて、ずっとパンフを読んでいる体を装って、大阪のおばちゃんトークを聞いていました。なにやら、コートが邪魔らしく、「ロッカーどっかにあったやろ?」「奥にあるで」「あたしは持っとるからええわ」「なんで?じゃまやんか」「あたしもべつにええわ」「確か奥やったで、ロッカー」「はよいかんとなくなるで」「なんでやの、いれといたらええやんか」「いらんちゅうねん」、みたいな途切れることのないおばちゃんトークは最高に笑えました。
 で。この公演は、実は3種類のバージョンがあって、初演のキャストで演じられるバージョン、フルコスチュームを着用して演じるバージョン、そして過去『エリザベート』に出演したことのあるOGが大勢出演して演じられるアニヴァーサリーバージョンと構成が違っている。今日、わたしが観たのは、3つ目のアニヴァーサリーバージョンで、キャストはこんな感じでした。
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 そして、上演時間はこんな感じ。
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 わたしはこのタイムスケジュールを見て、なんだよ、20時に終わるなら余裕で帰れたじゃん!! ホテル予約する必要なかった!!! とまたも抜かってしまったことを知った。わたしは、きっと3時間ぐらい、つまり21時近くなるだろうから、多分最終の新幹線に間に合わねえ、もし間に合わなかったら最悪だ、と思ったのに。これなら余裕で間に合ったすね……。やれやれだぜ。

 ともあれ。
 わたしはまだ宝塚ファン歴6年11カ月のビギナーなので、実際のところ、今日のキャストで現役時代を観たことがある方は非常に少なく、メイン級では水 夏希さん、霧矢大夢さん、そして夏に卒業されたばかりの龍真咲さん、通称まさおちゃんぐらいしかいない。他の方々は、もちろん名前も顔も知っているが、現役時代を知らない。そんな私がこの公演を楽しめたかというと、実に楽しめたのである。いやー、やっぱり素晴らしかったす。
 水さんはオープニングのトート様だったかな。そして霧矢さんは2幕後半のルキーニ(1幕でちょっとだけフランツもやってたのかな)、そしてまさおちゃんは2幕後半のシシィで、とりわけまさおシシィは、予想よりもずっとずっと素晴らしかった。シシィにしてはデカいけど、歌がですね、きっちり女子ですよ。元々男役のまさおちゃんだけど、抜群に美人だし、実際まさおシシィはとても可愛らしかったですね。まあ、2幕後半の、ずっと黒い服の暗いシシィからの登場だったけれど、歌もいつものまさお節はほとんど感じられない、ストレートに女子でした。つーか、やっぱり本当にこの人は美人だと思う。ラストのトート様を受け入れる純白ドレス姿も素晴らしかったすね。フルコスチュームでないので、ズラではなく髪がまだ短い今のまさおヘアのシシィもとても可愛らしかったですよ。このまさおシシィが観られただけでも、大阪に来てよかったと思いました。
 そのほか、LEGENDクラスのOGたちも、当然のことながら素晴らしかったです。わたしがとても気に入ったのが、ゾフィーを超おっかなく演じた出雲綾さんと、第1幕のシシィをずっと演じた白羽ゆりさんかな。あと、女官長(リヒテンシュタインだっけ?)を演じた紫城るいさんも良かったすね。皆さん、抜群に歌がうまかったです。まあ、あたりまえか。出雲さんは元月組組長で宝塚卒業後、劇団四季にもいたことがあるバリバリのベテランだし、白羽さんも紫城さんも、元TOP娘役だもんな。白羽さんのシシィは特にかわいかったなあ……素晴らしかった。ああ、そうだ、出番は少なかったけど、安蘭けいさんのちびっ子ルドルフもよかったすねえ。大変可愛らしかったです。もちろん、オープニングのルキーニを演じてくれた湖月わたるさんも、2幕冒頭のルキーニを演じてくれた樹里咲穂さんもノリノリで、やっぱりルキーニという役はこうでなくちゃね、という素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。当然、霧矢ルキーニも素晴らしかったです。
 今日の、アニヴァーサリーバージョンは、この通り一つの役を複数の演者が代わる代わる演じていて、まあ、数多くの方々を観て聴くことができたので、わたしとしては大満足である。そして、コンサート、という体裁なので、芝居部分がなく、歌が連続する感じである(※もちろん、歌に入る直前のお芝居はある)。そしてみな、マイクを手に持って歌うので、その辺は通常のミュージカルとは明確に違う。また、このバージョンは衣装は劇中衣装と同じ(全く同じなのか、わからないけれど)で、メイクは抑えめ、そしてズラはほぼなし、という形であった。歌に関しては、わたしはもう帝劇版のCDを車でエンドレスに聞いているので、ほぼ完璧に知っているのでとても楽しめた。これまで知らないOGの皆さんの歌を聞けたのはとても嬉しかったすね。いや、ホントに素晴らしい2時間半でありました。

 というわけで、結論。
 わたしのうっかりミスで取れてしまった、『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』の大阪公演であるが、大変素晴らしく、大阪に来てよかったと心から思う。年明けに、1度だけ再び見る機会があるが、それはフルコスチュームバージョンだったと思うので、今日の公演との違いもまた楽しみにしていたいと思う。まさおシシィは東京では観られないのかな? まさおはやっぱり超美人でありました。そしてやっぱりデカイ! 以上。

↓ はあ……この時にフランツを演じた、愛する北翔海莉さんことみっちゃんにも、ぜひ出演してほしかった……
『エリザベート ―愛と死の輪舞―』 [Blu-ray]
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2014-11-06

 わたしが宝塚歌劇を愛していることはこのBlogで何度も書いているが、実のところ、わたしのファン歴は2010年1月に星組公演を観に行った時から始まっているので、所詮はまだ6年ほどの駆け出しであり、まだまだビギナーの域を超えてはいまいと思う。
 故に、今年、初演から20年経ったかの有名な演目『エリザベート』を初めて見たのは2014年の花組による「みりおトート」であり、その後、去年2015年に帝劇版「城田トート」を観たものの、それをカウントしても2回しか見ていない。
 わたしが思うに、ミュージカル『エリザベート』は、そのタイトルの通り主役は明らかに「エリザベート」、劇中ではシシィと呼ばれる女性であるように感じている。宝塚歌劇は、普通は男役TOPスターが物語の主役であるが、『エリザベート』は珍しく、娘役TOPスターが物語における主役、なのだ。まあ、このことは異論のある方も多いかもしれないが、 わたしはやはり、シシィの物語だと思う。
 というわけで、今年も『エリザベート』が宙組によって上演されることになり、わたしとしては、宙組TOPスター 朝夏まなとさん(通称:まぁ様)よりも、タイトルロールを演じる娘役TOPの実咲凛音さん(通称:みりおん)がどんなシシィを見せてくれるのかを楽しみに劇場へ向かったわけである。
 そして結論から言うと、期待よりもずっと良かったように思う。 既に、次の公演をもって退団することを発表しているみりおん。その渾身の舞台『エリザベート』は、やはりとても素晴らしかった。

 やはり『エリザベート』となると、ベテランのヅカファンのお姉さまたちは、過去の上演と比較したくなるのは当然だろう。わたしも過去は1回しか見ていないが、前回2014年の花組公演Verでは、明日海りおさん(通称:みりお)のトート閣下は抜群のビジュアルだったし、皇帝・フランツ・ヨーゼフ1世は、わたしが現在最も愛する星組TOPスター北翔海莉さん(通称:みっちゃん)で抜群に歌が巧く、また狂言回しのルキーニは、これまた歌が抜群にうまい望海風斗さん(通称:だいもん)だったので、『エリザベート』という作品が大変面白く、とりわけ楽曲が素晴らしいことは分かっているつもりではある。しかし、所詮1回しか見ていないので、比較してどうこう言う資格もあるまいと思うので、観て思ったことをつらつら書きなぐってみたい。
 まず、わたしが今回の公演で一番関心があったのが、冒頭に書いた通り主役「エリザベート」を演じたみりおんこと実咲凛音さんだが、少女時代のシシィ、皇后となるも皇太后ゾフィーとの確執に悩むエリザベート、そして息子ルドルフを亡くして以降のさまよえる姿、どれもみりおんらしいお見事なエリザベートを演じ切ってくれたと思う。とりわけ少女時代は抜群にかわいらしいし、名曲「私だけに」を熱唱するシーンも大変良かった。ラストの夫であるフランツと決定的な別れとなるシーンでの「夜のボート」もとてもグッと来た。
 そう、とにかくやっぱり『エリザベート』という作品は歌がいいんすよね。エリザベートにとっての主題歌「私だけに」という曲は、原題はドイツ語(※本作はもともとドイツ語ミュージカル)で「Ich gehöre nur mir」といい、これは英語でいうと「I belong to me only」という感じかな。辞書的に直訳すると、「わたしは私だけに属している」=「わたしは誰のものでもない」という意味だが、まあ、この曲のシーンが第1幕前半のクライマックスだろう。鳥肌モノですな、やっぱり。みりおんの「私だけに」もとてもよかったと思います。あんなに天真爛漫で可愛かったみりおんシシィが、明確に皇后エリザベートへ変化する重要なシーンで、非常にカッコ良かったよ。わたしは満足でありました。
 で、みりおんの次にわたしが関心を持っていたのが、皇帝フランツを演じる真風涼帆さん(通称:ゆりかちゃん)である。星組イチオシのわたしとしては、ゆりかちゃんはずっと星組で応援してきた思い入れのあるジェンヌだ。去年、当時の星組TOPスター柚木礼音さん(通称:ちえちゃん)の退団を見送ったのちに、宙組へ異動になったゆりかちゃん。抜群のイケメンぶりからビジュアル面でのカッコよさは折り紙付きだが、歌が……歌がもうチョイ上手くなれば完璧なのだが……というのがわたし的ゆりか評だったので、若干どうなるだろうか……という気持ちがあった。こう書くと大変偉そうだが、同行したヅカ歴10年以上で現在ゆりかちゃんファンクラブにも入っている筋金入りのヅカ先輩(ただし年齢はわたしより20歳ぐらい若い、とても可愛い娘さん)のAS嬢も、全く同じことを言っていたので、まあ、世間的評価も同様だったと思う。
 そして、実際のゆりか=フランツだが、これが、驚愕の進化で大変良かった! わたしは宙組で『エリザベート』が上演されると知って、おっと、じゃあ、ゆりかちゃんがルキーニをやるのかしら、そりゃあ超カッコいいぞきっと!! と思っていたところでの、フランツ役だったので、上記のような心配をしたのだが、全く問題なし、というか、ホントに今回は相当な鍛錬を重ねていたのであろうと感じさせる、立派な皇帝フランツを演じてくれて、わたしは本当に満足であった。大変良かったと思います。
 次は、本作『エリザベート』におけるキーキャラクター、ルキーニである。ルキーニは、エリザベートを暗殺するイタリア人無政府主義者であり、物語の狂言回し役ということで、極めて重要な役柄だ。わたし的には、花組Verのだいもんや、帝劇Verの山崎育三郎氏など、とにかく歌がカッコ良くておそらく『エリザベート』を観た人なら誰しも、強烈な印象に残っている役柄だと思う。今回、そのルキーニを演じたのが愛月ひかるさん(通称:あいちゃん)。今までそれほど大きな役を演じた印象はないが、もう研9になるのかな? ベテランの域に入ろうとしている、わが市川市民自慢のイケメンジェンヌであり、わたしも大変期待していたのだが、その期待に十分こたえてくれたように思う。今回のあいちゃんルキーニもとてもカッコ良かったし、歌もどんどん上達しているように感じた。もっと声量が豊かになり迫力と貫禄が付くと完璧ですな。これからはもっと応援したいと思います。
 実は、わたしは何度見ても、未だに、物語的にルキーニがエリザベートを暗殺した理由がよくわかっていない。あれって……どういう……ことなんだろう? あの、トート閣下があの短剣をルキーニに渡すシーンの意味が分からないんだよな……(さっき初めてwikiを見て知ったが、あれは短剣じゃなくて「やすり」なんすね)。ここがわたしは分かっていないので、ルキーニってのはいったい何者だったんだ? というのが実は全然わかっていない。トート閣下に操られていたわけでもないし、うーん……この点は未だ謎です。でもまあ、物語としては気にならないというか、後でハタと思う謎、であろうか。ひょっとして、分からないのはオレの頭が悪いだけのような気もするので、これ以上書くのはやめとこう。
 そして最後は、もちろん冥界の王、トート閣下だ。ドイツ語でいうと「Der Tod」。英語でいうならそのものズバリ「The Death」、すなわち「死」である。今回は当然、現在の宙組TOPスターのまぁ様なわけで、実際のところわたしは全く何の心配もしていなかったし、期待通り妖しく堂々たるトート様だったと思う。前回の花組のみりおトート様は銀髪だったが、今回は黒髪で、見かけがちょっと違っていたが、まさしく「闇に溶け込む」黒髪のまぁ様トート閣下も大変良かった。ひとつ、あれっ!? と思ったことは、ネイルなんすよね……宣材ポスターとかで見るトート様独特の「黒ネイル」が、双眼鏡でチェックしたところ、今回は全部の指にはなされておらず、なんかその点だけ、人間感が残ってるような気がして、ちょっと、えーと、これは、これでいいのか? と若干戸惑ったのだが、ま、細かいことはどうでもいいか。歌もダンスも、いつも通り素晴らしかったと思います。
 というわけで、もうこれ以上は長いので、毎度お馴染みの、今回のイケ台詞を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思った台詞のこと。
 「死ねばいい……!!
 『エリザベート』は歌がよすぎて歌の歌詞の中で印象的な言葉が多いのだが、台詞の中で選ぶとしたら、やっぱりこれですね。2幕前半で夫の浮気(?)に絶望したエリザベートに向かって、トート様の言うこの台詞は、2幕後半では「死は逃げ場所ではない!!」と一喝するセリフと対をなしているわけで、どっちなんだよ!! と思わず突っ込みたくなりますが、それでもやっぱり、相当イケてる台詞っすね。最高です。

 というわけで、結論。
 『エリザベート』という作品は、おそらく演者にとっては、ぜひ自分もやりたい、と思う一方で、その歴史と数多くのファンという、すさまじいプレッシャーのかかる作品だと思う。そんな重圧の中で演じられた今回の宙組『エリザベート』は、やはりとても素晴らしい作品であった。わたしは、帰りに思わず2014年花組VerのBlu-rayを買ってしまったので、今度上映会を開きましょう。
 ところで、備忘録として記しておくが、9/10(土)11時の公演には、月組のちゃぴちゃんと、たぶんあーさちゃんだと思うが、現役ジェンヌの方々もわたしの4列前で観劇されていた。普段着(?)&普段メイクのちゃぴ&あーさは超可愛かったすね。美穂圭子さんもいらしたようだが、わたしは見えなかったす。あと、トリンドル玲奈さんも来場していて、わたし、幕間に1Fのキャトルで買い物しているとき、トリンドルちゃんにぶつかりそうになって、あ、サーセン、と振り返ったらトリンドルちゃんで、超びっくりしたっす。ほぼすっぴんだったけど、これまた超かわいくてビビったっす。以上。

↓ 今更だけど、買っちゃった……お目当てはみっちゃんです。
『エリザベート ―愛と死の輪舞―』 [Blu-ray]
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2014-11-06

 わたしは正真正銘、男である。中学高校は男子校で過ごし、好きなマンガは何かと聞かれれば、そんなの『北斗の拳』に決まってんだろうが! と答える、おっさんである。
 そして、わたしはかれこれ20年以上、いわゆるエンターテインメント業界、コンテンツ業界に身を置いているわけだが、仕事としてもそうだし、個人的にも、ずっと、「女性ファンをがっちり抱える」コンテンツに非常に興味があった。何でそんなに人気があるんだ? という単純な疑問である。なので、わたしはこれまで、少女マンガを読み漁って勉強してみたり、一時はBLも読んでみたし、ハーレクイーンすら読んだことがある。実際に読んでみて、まずどんなものを知ってみるのが重要だと思うからそうするわけだが、さすがにBLなどはまったく理解の外にあるわけで、そういうときは、実際のファンの女性に話を聞いてみないと、消化できない場合がある。まあ、そういうものは、そもそも最初から、ファンの女性に「どれ読んでみればいいかな? お勧めはどの作品?」と聞いてからはじめるので、いきなり自己流で勉強をしても、埒が明かないものだ。幸い、わたしの周りには仕事柄そういう「熱心なファン」がたくさんいるので、この分野ならあの人に聞いてみるか、みたいな、わたしの脳内にはオタク生息マップが出来ているので、意見を聞く人材には事欠かない状況でもあった。
 
 で。
 わたしが2010年から調査を始めて、完全にミイラ取りがミイラになっているカテゴリーがある。それが禁断の王様(女王?)カテゴリーに属する『宝塚歌劇』である。実は、宝塚に至る前に、わたしがはまっていたカテゴリーがあった。それは、いわゆる「2.5次元ミュージカル」と呼ばれるもので、要するに、コミックを原作としたミュージカルで、中でも最大規模を誇り、一番初めの公演から既に10年以上も世の女子を熱狂させているのが『テニスの王子様ミュージカル』、通称『テニミュ』だ。なお、マンガが2次元、そして生身のミュージカルが3次元、ということで、両者が融合しているために「2.5次元ミュージカル」と称されている。
 わたしが『テニミュ』を初めて観たのが2007年。週刊少年ジャンプを30年以上読み続けているわたしは、無論のこと原作である『テニスの王子様』は知っているし、そのミュージカルなるモノがやけに人気だと言うことも知っていた。ならば一度見てみたいものだと、わたしのネットワーク内に存在する『テニミュ』に足しげく通っている女子を探し、今度一緒に連れて行ってくれ、と頼んで、それから数ヵ月後にやっと連れて行ってもらったのが始まりだ。
 結論としては、驚いた。そして面白かった。なんだよ、すげえすげえ、これは面白い、と思った。イケメン学芸会と揶揄されていた当時、実際に観てみると、確かに歌などは、冷静に聞くとこれはひどいwという場合もあるが、キャストの頑張っているさまは、やっぱり生で観ている観客にもしっかり伝わるもので、ははあ、なるほど、これは人気があるのもうなずける、と納得できるものであった。
 なお、わたしを連れて行ってくれた女子によると、「下手なことはもちろん十分に分かっている。けど、なんというか親の気分になるっていうか、頑張れって思えてくるの」という事らしい。なるほど、いわゆる母性本能をくすぐるものと理解していいのかもしれない。というわけで、わたしは『テニミュ』にその後10回ぐらいは行ったと思う(「DREAM LIVE」、通称ドリライ2回含む)。
 このような背景からわたしは、俄然「ミュージカル」というものに興味を持ち、その後いろいろなミュージカルを見るようになるのだが、そこで立ちはだかったのが、誰もがその存在を知っている『宝塚歌劇』という巨人だ。それまでわたしは、wowowでの放送で何度か『宝塚歌劇』の公演を観たことがあったが、正直、ちょっとピンとこなかった。やはり生でないとダメかもな、と思ったわたしは、なんとしても「ヅカ」を一度生で観てみたいと熱望し、これまたわたしのネットワーク内に存在する、ヅカファンのお姉さまたちにコンタクトを取ったのである。「おれ、一度生でヅカを観てみたいんすよね」、と。
 やはり、自分が大好きなものに興味を持ってくれると、誰でも嬉しいものだと思うが、わたしがお願いしたお姉さまは、ごくあっさりチケットを用意してくれ(思えばすげえいい席だった)、わたしのヅカ探求の道は2010年1月に始まったのである。最初の衝撃は今でもはっきり覚えている。わたしのヅカ初体験は、星組公演で、そのときの主役である、いわゆるTOPスター柚希礼音さんに完全にFall in LOVEしてしまったのだ。
 たぶん、わたしが柚希さん(愛称:ちえちゃん)に感じたカッコよさは、ヅカファンのお姉さまたちが感じるものとはちょっと違うんだと思う。わたしは、あくまでちえちゃんを女性として愛しており、ちえちゃんの醸し出す男オーラも、あくまで女性の魅力の一部として受け取っていた。わたしにとってちえちゃんは、あくまでも完全に女子なのだ。

 はっ!? いかん!! ちえちゃんのことを語りだすと96時間ぐらいは必要だから、この辺でとめておこう。ともかく、First Contactから5年ほどが過ぎたが、今ではわたしは、年間7~8公演ぐらい観にいくほどのヅカファンになってしまったわけである。

 で、『エリザベート』だ。


 ファンなら誰でも知っているが、そうでない人はまったく知らないと思うのでちょっとだけ解説しよう。『エリザベート』というミュージカルは、元々ウィーンで初演がなされたドイツ語ミュージカルである。それを日本語化したものなのだが、日本の初演は宝塚歌劇なのである。1996年の初演以降、今のところ8回再演され、公演回数は通算800回、観客動員200万人を突破した、『ベルサイユのバラ』に次ぐ人気タイトルと言っていいだろう。その後、2000年からは男性キャストを交えた東宝ミュージカル版も、何度も再演されており、非常に高い人気を誇るコンテンツとなっている。
  わたしは、ヅカファン暦5年の、まだまだ駆け出しの身分なので、『エリザベート』という作品が高い人気を誇っていることは知ってはいたものの、宝塚版を初めて観たのは、2014年版の花組公演だ。花組の新TOPお披露目となるその公演は、わたしはほかの公演を知らないので、すさまじくカッコよく大満足だったが、どうやらベテランのヅカファンのお姉さまたちから見ると、まあ、みりおちゃんのトート様はかわいかったわね、まあいいんじゃない? 程度の扱いらしい。そうなんだ、マジか、と歴戦のお姉さまたちの厳しい目には、ただただ敬意を表するばかりである。(注:みりおちゃん=明日海りおさんという花組TOP男役、トート様=ドイツ語のDer Tod。英語で言うとDeathの意味。エリザベートの主役たる冥界の王。恐ろしくカッコいい)

 とりあえず、『エリザベート』という作品が、非常に曲もよく、ビジュアルイメージもすばらしい作品であることは、2014年に認識した。これは面白い。
 そして2015年、今度は東宝版の再演が始まり、まったく同じ話を、男性キャストを交えたものとしてみる機会を得た。そして昨日行ってきたわけである。

 キャストを見て、わたしは、おお、マジか! と嬉しくなったことがある。
 それは、主役であるエリザベートと、もう一人の主人公、冥界の王トート閣下の二人が、わたしのよく知る役者だったからだ。まず、エリザベートの蘭乃はなさん。彼女は、まさに2014年にわたしが観た花組公演でもエリザベートを演じた女優だ。わたしが見た花組公演は、まさに彼女の退団公演だったのだ。退団後も、持ち前の可愛さとダンス力を武器に、女優として活躍中だが、わたしが非常にお世話になっているヅカファンのお姉さま曰く、まだまだね、今回の公演はWキャストでエリザベートを演じる花總まりさんのほうが断然上よ、とおっしゃっていたので、世間的にはそうなのかもしれない。が、昨日の公演での蘭乃はなさんは、宝塚版とは違う発声で、一部苦戦している部分もあったのは確かだが、宝塚版とはまた別のエリザベートを見事に演じきっていたと思う。十分にすばらしかった。
 そして、トート様である。宝塚版では当然TOP男役の「女性」が演じていたわけだが、今回トート様に扮するのは、城田優という若手俳優である。この男、世間的にはまだ認知が低いかもしれない、が、わたしにとって彼は、『テニミュ』における2代目手塚部長なのだ。わたしは彼が手塚部長を演じた公演を生で観ていないのだが、わたしが『テニミュ』道にはまる前に、指南してくれた女子から「これを観ておいてください。予習として。」と渡されたDVDが何枚もあって、その中で、おお、こいつ、抜群に歌がうまいな、つーかデカイ! そしてカッコいいじゃん! と思っていたのがまさに、城田優だったのである。わたしが観たDVDの中では、2005年の氷帝学園との試合の公演が一番クオリティが高く面白かったが、その時の手塚部長役が、城田優だ。一人だけ抜群に歌がうまく、一人だけ頭ひとつデカイ。城田優はなんと身長190cmもある。とにかく目だってカッコよかったのを鮮明に覚えている。なお、この2005年の公演は、今観てみるとすごい豪華キャストだ。現在すっかり人気俳優となった、斎藤工も出演している(カッコいいが歌は下手なのが残念)し、ライバル校の部長、跡部役は加藤和樹が演じている(彼は歌もうまい)。加藤和樹はその後、仮面ライダーに出たり、現在ではミュージカルにも結構出ている俳優で、知名度はまだ低いかもしれないが、非常に人気は高い。
 そんな、テニミュ時代から抜群に歌のうまかった城田優が、トート様を演じるとなれば、わたしとしてはもう、あれから10年……よく頑張って努力してきたのう……と、もはや孫を愛でるおじいちゃんのように思わざるを得ない。だから、昨日はもう、楽しみで楽しみで仕方なく、勇んで劇場に向かったのでした。
 そして、劇場でキャストを見てみたら、もう一人、テニミュOBを見つけた。エリザベートの息子である、ルドルフ皇太子を演じた古川雄大君。彼もまた、4代目青学メンバーとして、天才不二周助を演じた経験を持ち、わたしは彼の出た公演を生で観ている。
 このように、わたしとしては本当に久しぶりに観るキャストが、今を懸命に、おそらくは不断の努力を続けてきた姿を見ることができて、その意味でも大変感慨深く、とても楽しめたのであった。また、今回は、ルキーニを演じた山崎育三郎という才能あふれる俳優も知ることが出来た。彼もいいね、すごくいい。
 ミュージカルというものは、今の日本では一部の熱心なファンに支えられてはいるものの、メジャーコンテンツと言っていいか微妙な位置にあるエンターテインメントだが、今後、才能あふれる俳優たちがどんどん育ち、もっともっと、メジャーな王道コンテンツになることを祈ってやまない。

 というわけで、結論。
 東宝版『エリザベート』は、すっごい良かったです。
 もう公演は終わってしまうが、また再演の機会があれば、ぜひ、劇場へGO!!


↓ こちらは宝塚版。みりおちゃんは可愛い。そして可愛いは正義ッ!
『エリザベート ―愛と死の輪舞―』 [Blu-ray]
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2014-11-06

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