というわけで、朝イチで上野の森美術館の『ゴッホ展』を観てから、帰ろうと国立西洋美術館の前を通りかかったところ、全く列ができておらず、あれっ!? 空いてるのかな? と思い、すでに買ってあるチケットをかばんからごそごそ出しつつ、入場ゲートに歩を進めたわたしであります。美術展を観るときは、開場30分前現地到着がオレルールとか言っておいて、実はこういうこともたまにします。いわゆるハシゴですな。そして観てきたのがこちらであります。
そうです。現在、上野の国立西洋美術館にて絶賛開催中の『ハプスブルグ展』であります。まあ、宝塚歌劇を愛する歴史好きのわたしとしては、これは観に行くしかない! と決意したのはずいぶん前なのだが、『ゴッホ展』のチケットを事前に買うときに一緒にこちらのチケットを買っておいたいたものの、今日行くつもりはなく、正月休みに行くつもりだったけど……まあ、それほど混んでないようだし……というわけで、国立西洋の入り口をまたいだわけです。
国立西洋の企画展は、たいてい地下から入場するのだが、入場ゲートのガラスを利用したエントランスディスプレイはとてもきれいでした。
あわわ、この写真ではわからないか……まあいいや。
で。今回の『ハプスブルグ展』は、もちろん絵画が中心ではあるけれど、絵画以外の工芸品なども数多く、わたしが一番観たかった「甲冑」も実にかっこよく展示してありました。西洋甲冑は日本の鎧のカッコ良さとはちょっと違う、工業製品的な美しさもありますな。もちろん鎧も大好きですけど。
ちょっとへえ~!? と思ったのは、展示してある甲冑の多くは、右の胸に、なんかフックがついてるんすけど、これはどうやら、「槍」を構えるときに支えになるパーツのようですね。まあ常識なのかもしれないけどわたしは初めて知りました。こういった機能美? のようなものもすごく感じられる一品でありました。手のパーツや足のパーツもすごく細かく分割されていて、動きを損なわない組み立て方になっていて、うおお、こりゃすげえ! とわたしは大興奮ですよ。でも唯一良くわからんのは、眼が開いてないというか、かなり視界が悪そうだなあ? とは感じたっすね。でもそれも、何らかの機能に基づいたデザインなのではなかろうか。すごい、モビルスーツというか、なんかのロボット的で実にカッコ良かったす。あれ、一度でいいから着てみたいなあ。相当重いんだろうなあ……。
しかも、この展覧会のミソは、ほとんどすべてが歴史的人物の絵だったり、愛用品だったりするわけで、歴史ファンとしてはもう大興奮なわけです。甲冑も、意外と背が低いんじゃね?とか、実際に着用した人物への妄想がいろいろ沸くっすね、ああいうのを見ると。これは日本の鎧も同じで、黒田長政は意外とチビだったんだなとか、前田慶次の鎧を米沢で観た時はそのデカさにビビり、うお、慶次はマジでデカかったんだ!? とそれだけで白米3杯イケるっすね。面白いものです。
で。わたしが観たかったのは、甲冑以外にも当然あります。特に、宝塚歌劇ではおなじみの3人の肖像が、非常に観たかったのです。それぞれポストカードを買ってきたので、スキャンして載せときましょうか。
まずはこちら。かのMarie Antoinette王妃の肖像。こちらは、お母さんであるMaria Theresia神聖ローマ帝国皇后に、「お母さん、私は元気にやってるわ」という意味を込めて送ったものだそうです。ご存じの通りAntoinetteはもともとドイツ語を話すハプスブルグ家のお姫様だったところ、『エリザベート』のゾフィー様のセリフでお馴染み「ハプスブルグは結婚で絆を結ぶのです!」政策によってフランス王ルイ16世に14歳で嫁入りしたわけです。フランス語ができないのに。それが1770年のことで、まあとにかくお母さんとしては心配でしょうがなかったんでしょうな。で、この絵は1778年の作だそうで、その年は結婚8年目にしてやっと子供ができた年だそうで、お母さんを安心させるために、この絵を描かせて送ったんですってよ。なお、右上の方においてある胸像はルイ16世だそうです。薔薇を一輪手にしていて、まさしくヴェルサイユのばら、ですな。
おまけにこの絵は、これがまたサイズが超デカい!! そのサイズ、なんと縦273cm×横193.5cmだそうで、ド迫力&強力なオーラにあふれてました。
そしてこちらはもう説明不要でしょう。ミュージカル『エリザベート』の主人公、Elisabeth皇后であります。こちらの作品は1858年制作だそうで、つまり21歳、結婚4年目、かな? ゾフィー様と絶賛大バトル中すね。ちなみに日本に換算すると1858年って明治維新の10年前なわけで、そうか、よく考えると天璋院篤姫様とほぼ同年代なんだな。自分用メモ:篤姫は1836年生まれ(=エリザベートの1歳年上)で1856年に13代将軍家定と結婚、1883年に47歳で亡くなったそうです。
最後はこちら、『エリザベート』でお馴染みのFranz Joseph I世皇帝陛下であります。この作品は1916年ごろの制作だそうで、つまり、ええと、第1次世界大戦のさなかであり、フランツが亡くなった年か、最晩年68歳ってことかな。愛するElisabeth皇后が亡くなったのが1898年だから、一人寂しく18年過ごしたってことか。激動の人生だったすね、このお方は……。見た目は完全におじいちゃんだけど、最期までその眼力衰えず、って感じすね。つうか、フランツの68歳も今考えると全然若いし、アントワネットもエリザベートも、マジですっごい若いよね。今じゃ考えられないよな、ほんとに。なんつうか、現代社会に生きる我々は、さまざまな技術の進歩によって長寿を得たわけですが、果たしてそれって、いいことなんじゃろうか……と考えちゃいますな。初老を迎えたわたしはホントにもう、髪は薄くなるわ、歯はガタガタになるわでもうガックリなことばかりで、生きる希望が失せかけてます。。。生きてて何かいいことあるのかなあ。。。。
というわけで、これ以上話が脱線する前にもう結論。
観に行こうとは思ってたけど、正月休みあたりにするかと考えていた『ハプスブルグ展』へ、『ゴッホ展』の帰り道で衝動的に行ってまいりました。朝イチじゃないので、少し混雑してましたが、それほど激混み、ではなく、解説がちゃんと読める程度の混雑具合であったす。そして展示されている甲冑や絵画は、おそらくは当時、すごい宮殿に納められていたはずの作品ばかりで、やっぱりその放つオーラはただごとじゃあないすね。非常に見ごたえがあって面白かったというのが結論であります。そして俄然「ハプスブルグ家」について勉強したくなってきたっす。でも、『ゴッホ展』ではAERA特別編集の「完全ガイドブック」が売っていて、非常に出来の良い本だったので買ったんだけど……こちらの『ハプスブルグ展』で売ってたぴあ謹製のガイド本は、まったく出来が悪そうで、知りたいことが載ってなかったので買わなかったす。アレはダメだ。きちんとハプスブルグ家の歴史の流れと、周辺世界の出来事を対比した年表をその起源から滅亡まで載せてくれないとダメだと思うな。ま、別の本を探してみようと存じます。以上。
↓ かなりイマイチな出来だと思うな……全くお勧めしません。
そうです。現在、上野の国立西洋美術館にて絶賛開催中の『ハプスブルグ展』であります。まあ、宝塚歌劇を愛する歴史好きのわたしとしては、これは観に行くしかない! と決意したのはずいぶん前なのだが、『ゴッホ展』のチケットを事前に買うときに一緒にこちらのチケットを買っておいたいたものの、今日行くつもりはなく、正月休みに行くつもりだったけど……まあ、それほど混んでないようだし……というわけで、国立西洋の入り口をまたいだわけです。
国立西洋の企画展は、たいてい地下から入場するのだが、入場ゲートのガラスを利用したエントランスディスプレイはとてもきれいでした。
あわわ、この写真ではわからないか……まあいいや。
で。今回の『ハプスブルグ展』は、もちろん絵画が中心ではあるけれど、絵画以外の工芸品なども数多く、わたしが一番観たかった「甲冑」も実にかっこよく展示してありました。西洋甲冑は日本の鎧のカッコ良さとはちょっと違う、工業製品的な美しさもありますな。もちろん鎧も大好きですけど。
ちょっとへえ~!? と思ったのは、展示してある甲冑の多くは、右の胸に、なんかフックがついてるんすけど、これはどうやら、「槍」を構えるときに支えになるパーツのようですね。まあ常識なのかもしれないけどわたしは初めて知りました。こういった機能美? のようなものもすごく感じられる一品でありました。手のパーツや足のパーツもすごく細かく分割されていて、動きを損なわない組み立て方になっていて、うおお、こりゃすげえ! とわたしは大興奮ですよ。でも唯一良くわからんのは、眼が開いてないというか、かなり視界が悪そうだなあ? とは感じたっすね。でもそれも、何らかの機能に基づいたデザインなのではなかろうか。すごい、モビルスーツというか、なんかのロボット的で実にカッコ良かったす。あれ、一度でいいから着てみたいなあ。相当重いんだろうなあ……。
しかも、この展覧会のミソは、ほとんどすべてが歴史的人物の絵だったり、愛用品だったりするわけで、歴史ファンとしてはもう大興奮なわけです。甲冑も、意外と背が低いんじゃね?とか、実際に着用した人物への妄想がいろいろ沸くっすね、ああいうのを見ると。これは日本の鎧も同じで、黒田長政は意外とチビだったんだなとか、前田慶次の鎧を米沢で観た時はそのデカさにビビり、うお、慶次はマジでデカかったんだ!? とそれだけで白米3杯イケるっすね。面白いものです。
で。わたしが観たかったのは、甲冑以外にも当然あります。特に、宝塚歌劇ではおなじみの3人の肖像が、非常に観たかったのです。それぞれポストカードを買ってきたので、スキャンして載せときましょうか。
まずはこちら。かのMarie Antoinette王妃の肖像。こちらは、お母さんであるMaria Theresia神聖ローマ帝国皇后に、「お母さん、私は元気にやってるわ」という意味を込めて送ったものだそうです。ご存じの通りAntoinetteはもともとドイツ語を話すハプスブルグ家のお姫様だったところ、『エリザベート』のゾフィー様のセリフでお馴染み「ハプスブルグは結婚で絆を結ぶのです!」政策によってフランス王ルイ16世に14歳で嫁入りしたわけです。フランス語ができないのに。それが1770年のことで、まあとにかくお母さんとしては心配でしょうがなかったんでしょうな。で、この絵は1778年の作だそうで、その年は結婚8年目にしてやっと子供ができた年だそうで、お母さんを安心させるために、この絵を描かせて送ったんですってよ。なお、右上の方においてある胸像はルイ16世だそうです。薔薇を一輪手にしていて、まさしくヴェルサイユのばら、ですな。
おまけにこの絵は、これがまたサイズが超デカい!! そのサイズ、なんと縦273cm×横193.5cmだそうで、ド迫力&強力なオーラにあふれてました。
そしてこちらはもう説明不要でしょう。ミュージカル『エリザベート』の主人公、Elisabeth皇后であります。こちらの作品は1858年制作だそうで、つまり21歳、結婚4年目、かな? ゾフィー様と絶賛大バトル中すね。ちなみに日本に換算すると1858年って明治維新の10年前なわけで、そうか、よく考えると天璋院篤姫様とほぼ同年代なんだな。自分用メモ:篤姫は1836年生まれ(=エリザベートの1歳年上)で1856年に13代将軍家定と結婚、1883年に47歳で亡くなったそうです。
最後はこちら、『エリザベート』でお馴染みのFranz Joseph I世皇帝陛下であります。この作品は1916年ごろの制作だそうで、つまり、ええと、第1次世界大戦のさなかであり、フランツが亡くなった年か、最晩年68歳ってことかな。愛するElisabeth皇后が亡くなったのが1898年だから、一人寂しく18年過ごしたってことか。激動の人生だったすね、このお方は……。見た目は完全におじいちゃんだけど、最期までその眼力衰えず、って感じすね。つうか、フランツの68歳も今考えると全然若いし、アントワネットもエリザベートも、マジですっごい若いよね。今じゃ考えられないよな、ほんとに。なんつうか、現代社会に生きる我々は、さまざまな技術の進歩によって長寿を得たわけですが、果たしてそれって、いいことなんじゃろうか……と考えちゃいますな。初老を迎えたわたしはホントにもう、髪は薄くなるわ、歯はガタガタになるわでもうガックリなことばかりで、生きる希望が失せかけてます。。。生きてて何かいいことあるのかなあ。。。。
というわけで、これ以上話が脱線する前にもう結論。
観に行こうとは思ってたけど、正月休みあたりにするかと考えていた『ハプスブルグ展』へ、『ゴッホ展』の帰り道で衝動的に行ってまいりました。朝イチじゃないので、少し混雑してましたが、それほど激混み、ではなく、解説がちゃんと読める程度の混雑具合であったす。そして展示されている甲冑や絵画は、おそらくは当時、すごい宮殿に納められていたはずの作品ばかりで、やっぱりその放つオーラはただごとじゃあないすね。非常に見ごたえがあって面白かったというのが結論であります。そして俄然「ハプスブルグ家」について勉強したくなってきたっす。でも、『ゴッホ展』ではAERA特別編集の「完全ガイドブック」が売っていて、非常に出来の良い本だったので買ったんだけど……こちらの『ハプスブルグ展』で売ってたぴあ謹製のガイド本は、まったく出来が悪そうで、知りたいことが載ってなかったので買わなかったす。アレはダメだ。きちんとハプスブルグ家の歴史の流れと、周辺世界の出来事を対比した年表をその起源から滅亡まで載せてくれないとダメだと思うな。ま、別の本を探してみようと存じます。以上。
↓ かなりイマイチな出来だと思うな……全くお勧めしません。