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 去年わたしは、渋谷のシアター・オーブにてミュージカル『メリー・ポピンズ』を観た。まあ大変楽しく素晴らしい舞台だったわけだが、その舞台を観る前に、わたしは予習として映画版もきちんと観ておこうと思った。遠い昔に観た映画の内容を完璧忘れていたため、それじゃアカンだろ、と思ったのである。
 幸い、1964年公開の映画版をWOWOWで録画しておいたので、すぐ観ることができたのだが、観てわたしはとても驚いた。歌は改めて聞いてみると、それなりに思い出せるというか、聞き覚えがあって、ああ、これこれ、なーんて気になるのだが、物語というか映像的には、なんだかもう初めて観るかのような気がして、とりわけ実写とアニメーションが融合する演出にびっくりしてしまったのであった。ああ、こりゃ凄い。そしてやっぱり楽しいな!? という感想をもって、舞台版ミュージカルを観に行ったのが去年の話である。
 そして時は過ぎ、ハリウッド映画版の公開から54年が経ち、この度その正統なる続編『MARY POPPINS RETURNS』の公開と相成った。当然わたしとしては、製作が発表になった時からわくわくしていて、公開を待ち望んでいたので、昨日さっそく観てきたのだが、ズバリ感想を一言で言うと、どうも乗れないというか……なんか若干冷めた想い? で映画館を後にしたのである。
 物語のせいではないと思う。キャストのせいでもないだろう。すごい熱演だったし。歌のせい……でもないと思う。そして演出が悪かったとも思えない。なんなんだろうな……この妙なモヤモヤ感は。というわけで以下、少し検証してみようと思う。

 というわけで。今回の『リターンズ』はオリジナル版から25年後、あのバンクス家に再びスーパー完璧ナニー(子守)、メリー・ポピンズがやってくる! というお話である。
 既に両親はなくなっていて、あのバンクス家の姉ジェーンと弟マイケルのチビたちがすっかり大人になっていて、バンクス家の屋敷はマイケルが家庭をもって住んでいる。とはいえマイケルは妻に先立たれ、3人の子供たちは淋しく思っており、おまけにマイケルがスットロイ男で、屋敷も借金の抵当に入っていて、いよいよ立ち退きを迫られていた。借金を返すためには、父が残した銀行の株が必要、だけどどこにしまったかまるで分らない。近所に住むジェーンも一緒になって家探しするが、がらくたばかりで大掃除しながら探すも株は見つからない。そしてそのがらくたの中には、あの「凧」もあって(これは前作を観てないと意味が分からんと思う)、もう捨てちまえ、と捨てると、風が吹き、凧は空に舞い上がる。そしてその凧を3人の子供たちが追っていくと……なんと、凧につかまって空から一人の美女が舞い降りくる! とまあ、そんな感じで物語は開幕する。その美女こそ、25年前にジェーンとマイケルが世話になった、伝説の完璧美女、メリー・ポピンズであった! てなわけである。いいすねえ! わたしはこのオープニングに、なんかとてもわくわくして、たぶんメリーが空から舞い降りてくるシーンは、ニヤニヤとしていたように思う。
 というわけで、つかみは超OKだったと思うし、この後の物語の展開もオリジナル版同様とても楽しく、問題なかったと思う。なので物語に問題があったとは思えない。そしてキャスト陣の熱演というか歌も、とても良かった。以下、主要キャラだけメモしておこう。
 ◆メリー・ポピンズ:ご存知凄腕の完璧ナニー。全く説明はなく、当然のようにふるまっているが、いろいろと謎に満ちた女子で、魔法のような謎パワーを持つ。25年経っても美女のままで、そりゃマイケルとしてはびっくりするよな。でも、予告にある通り女性に年齢を聞くなんて失礼なことはしてはならんのですよ。今回メリーを演じたのはEmily Bluntさん35歳。ファッション的にもとても可愛らしく、歌も大変良かったと思う。思うけど、やっぱりどうしてもオリジナル版のJulie Andrewsさんと比べてしまうわけで、Julieさん版のメリーには半歩及ばず、なのかなあ……いや、でも、とても可愛かったのは間違いないのだが……ううむ……Emilyさんが超熱演だったのも間違いないす。
 ◆マイケル・バンクス:オリジナル版のチビもすっかり髭のお父さんとして成長。ただ、どうやらマイケルは本業は画家、だけどそれだけでは生活できず、妻を亡くし、3人の子供を養うために、現在は父の勤務していた銀行でバイト(?)しているそうで、若干生活力はアレな、若干のぼんやりお父さん。演じたのは若き「Q」でお馴染みBen Whishaw氏38歳。前作では、お父さんとメリーの、まるでかみ合わない会話が笑えたのだが、今回はそういう点はほぼなし。そりゃそうだ、マイケルはメリーのことをよく知ってるんだからしょうがないよね。でもそのせいか、マイケルの存在感が薄いというか……ううむ……でもBen君の熱演は間違いないす。彼は何気に歌も良かったすね。なお、前作でのマイケルの「2ペンス」が今回のカギになる展開は、おお、そうきたか、と思ったす。
 ◆ジェーン・バンクス;オリジナル版のおしゃまなチビもすっかり大人の女に。未婚で近所のアパート暮らし、らしい。今回はジャックとイイ仲に(?)。演じたのはEmily Mortimerさん47歳。この方は、わたしは今までそれなりに出演作を観ているようだがほぼ記憶になく、ほぼ知らない方だったのだが、オリジナル版のジェーンの面影があるというか、とてもジェーンお姉ちゃんに似てる!と思ったす。
 ◆ジャック:ロンドンの街のガス灯を管理する点灯人。まあ、要するにオリジナル版の煙突掃除人バートの役と同じと思っていいだろう。バート同様に、ジャックもメリーのことを前から知っている。演じたのは、現代ブロードウェイの天才でお馴染みLin-Manuel Miranda氏39歳。まあ、さすがの歌のパフォーマンスは最高なんだけど、なんつうか……バート的なウキウキ感のような、ノリノリ感は薄かったような……バートの、あの超笑顔というか、ニッコニコの笑顔はなかったすね……そしてバートを50年前に演じたDick Van Dyke氏がラスト登場するのは驚きというか、93歳には見えないステップでカッコ良かったすね。
 ◆トプシー:メリーの遠い親戚だそうで今回の新キャラ。オリジナル版で言う、笑うと体が浮いちゃうアルバートおじさん的役割のキャラ。何でも直せる謎の修理屋さん。演じたのは大女優Meryl Streepさん69歳。Merylさんはまあ楽しそうに演じてましたな。歌もさすがの貫禄で文句なしっす。
 ◆風船売りのおばさん:新キャラで、前作で言うところのハトの餌売りのおばさんに近い役割。演じたのはAngela Lansburyさん93歳! わたし的には、このお方はかつてNHKで放送されてたテレビシリーズ「ジェシカおばさんの事件簿」のジェシカおばさんですな(日本語吹替は森光子さんだったと思う)。映画や舞台で数々の役を演じてきた大ベテラン。出番は少ないけど、印象的でしたね。
 ◆エレン:オリジナル版にも登場していたバンクス家の家政婦の毒舌おばちゃん。そして今回演じたのは、わたし的には『Mamma Mia!』でお馴染みJulie Waltersさん68歳。元気で良かったす。
 ◆銀行の社長:新キャラ。かつて父が勤務していた銀行の現在の社長。要するに悪役。演じたのは英国王でお馴染みColin Firth氏58歳。イヤな奴度は若干控えめというか、真面目に嫌な人でコミカルなところは薄かったような気がする。さらに、今回全体的に1930年代感を感じなかったのだが、それは画面がとてもきれいでリアルだったからのような気がした。小物とかファッションは、きちんと当時のものであったはずなのに、やけにきれいな映像が現代っぽいというか、1930年代であることを何か忘れちゃうような気がしたっす。
 ◆マイケルの子供たち:双子の長男・長女に加え次男、という3人きょうだい。今回の子供たちは最初から結構いい子で、ナニーの出番はあまりないというか、まあここがわたしとしてはポイントで、つまり今回、メリーはこの子供たちのために来たのではなく、あくまでマイケルのために再び現れたってことなんだと思った。
 とまあ、キャラと役者についてはこの辺にしておこう。まとめると、皆さんとても熱演だったし歌も良かったんだけど、どこかオリジナル版にあった、コミカル感、ウキウキ感が若干薄かったかな……という印象であった。なんなんだろう、わからない……曲調の問題なのかな? なんでオリジナルはあんなに楽しくウキウキに感じたのに、今回は若干薄めに感じたのだろう? うーーん……わからん……。
 わからんのだが、ひとつ思い当たるのは、映画館の雰囲気だ。わたしは結構、冒頭から楽しかったし、最初のお風呂から謎のファンタジー世界へ行ってアニメキャラと歌いまくるシーンなんて、超ワクワクしたけれど、そのシーンが終わった時、ミュージカルを愛するわたしとしては、もう拍手をしたくなるわけですよ。でも、なんか、当たり前だけど映画館はシーーーン……としていて、なんというか、妙に冷ややかに感じてしまったように思う。完全に他人のせいにしている自覚はあるけれど、なんか、映画館のシーーーンとしたリアクションは残念に思ったす。まあ、当たり前で仕方ないけれど。ひょっとすると、その余韻を観客に味わわせる演出がオリジナルにはあったのかもしれないな……。わからんけど。
 ところで、本作は最近のディズニー映画では当然の配慮として、日本語吹替え版のキャストが超本気であります。日本語吹替も観てみたいですなあ! 各日本語版キャストをメモしておくと、まず、メリーを演じたのは平原綾香さん! 去年の舞台版でもメリーを見事に演じてくれました。歌の実力はもう言うまでもないでしょう。来週、平原綾香さんの『ラブ・ネバー・ダイ』を日生劇場に観に行くのでとても楽しみです! 歌ってるシーンの動画があるので貼っておこう。

 やっぱり平原メリーはいいすねえ! そしてジャックは渋いイケボイスでお馴染みの岸祐二さんだし、トプシーはロビンちゃんでお馴染みの歌ウマ島田歌穂さん、マイケルの次男のジョン君は加藤憲史郎君、など、日本ミュージカル界ではお馴染みの方々を起用していて、とても豪華ですな。島田さんは舞台版ではハトの餌売りのおばちゃんを演じていて、その素晴らしい歌声は実にブラボーでしたな。

 というわけで、結論。
 いや、結論はまだ自分でも出てないんだけど……超期待した『MARY POPPINS RETURNS』は、面白かったし歌も素晴らしかったし、キャスト陣も問題ないとは思うものの、なんだか妙に気分が上がらないというか、ノリノリ感やウキウキ感は感じられず、なぜか冷静に?観終わったのである。その原因がどこにあったのか、自分としても結論は出ていないのだが、あれかな、オレが年を取ったせいかもしれないな……という気もしますね。そして、やっぱり日本語吹替版も観たいですな。きっと1年後ぐらいにWOWOWで放送されるだろうから、それを待とうと思います。お話としては、きっちりと見事な「続編」だったと思う。1年後ぐらいに家でもう一度見て、楽しもうと思います。まるで結論は出ないけど、以上。

↓ 実のところ、わたしはこっちの方が好きです。こちらも平原綾香さんの日本語版は完璧で素晴らしいす。字幕版・日本語版、両方観てほしいすね。





 今日は1日、ファーストデーということで、会社帰りに映画を観て帰るか、という気になった。わたしが今日選んだのは、1年ぐらい前にUS版の予告を観て、おお、こりゃあ面白そうだ、と大変期待していた『A QUIET PLACE』という作品である。どんな映画か、この予告を見てもらった方が早いだろう。

 あーーーこりゃマズイな、相当な予告詐欺だ。わたしが観たのはUS版で、余計なナレーションや、デカデカとした下品な字幕なんかはついてなかったので、もっとスタイリッシュだったのだが……ま、仕方ないか。
 どうやら物語は、何らかの謎の存在がいて、そのために地球は荒廃しているらしい。そしてどうやらその謎の存在は音を感知して襲ってくるらしい。しかもヒロインと思われる女性は妊娠している! これで音を立てないでいられるわけがなく、コイツはヤバいぜ!? とわたしは予告を観て、相当ドキドキしたわけで、日本公開を楽しみにしていたのである。
 で、さっそく観てきたわけだが……結論から言うと、相当ツッコミどころが多く、正直ガッカリというか、なーんだ、これならWOWOW放送を待てばよかったわ、という残念な感想を持つに至った。
 なので、以下、重大なネタバレやネガティブ感想のオンパレードとなる可能性が高いので、まだ観ていない方や、すげえ面白かった! と思った方は、以下は読まず、退場してください。楽しかったと思う気分を台無しにするのは本意ではありませんので。

 さてと。
 もう物語は説明しないが、わたしが思うのは、やっぱり主人公は頭がよく、ピンチになっても対応策をちゃんと考えておいてほしいわけです。そして、きっちり基本的な設定は詰めておいてほしいのです。観ながら、えっ、じゃあ、アレすればいいんじゃね、とか、これってどういうこと? とか、思わせてほしくないのですよ。そういう意味で、設定はかなり穴だらけであったと思うし、残念ながらキャラクターもかなり抜けていて、あまり物語に没頭することができなかったのである。
 まず、そもそも一番の問題点は、その謎の存在に関する設定が、もうツッコミどころ満載な点にある。劇中での説明によると、メキシコだったかな、謎の隕石が落下してきて、そこから謎生物が地球に蔓延し、人類を駆逐?したというものだ。そしてそれから約1年後、が描かれている。
 しかし、ズバリ言えば、現代の地球のテクノロジー及び軍事力をもってすれば、そんなことには100%なり得ないだろう。というのも、その謎生物が意外と弱いし、設定的におかしいからだ。というわけで、劇中で描かれていた謎生物のポイントを列挙しておこう。以下の点は、恐らくは誰だって気になるし、人類ならば遭遇から1カ月もあればその生態?を把握できているはずだと思う。間違いなくサンプル捕獲に成功するだろうし。
 ◆視覚器官をもたない
 ま、そのために音に超敏感だ、という設定である。しかし、敏感とはいえ、上記予告にあるような「音を立てたら即死」では全然ない。だって、普通に極小の足音立てたり、意外と音立てまくってたっすよ? そもそも、理由は不明だが、自然音(川のせせらぎとか風にざわめく木々の音だとか)に関しては、謎生物は全く反応しない。一方で、人間の話し声や、ガラスが割れる音なんかには反応してくるのだが、その音がしてから、むむ、なんだ今の音は? みたいに反応して寄ってくるので、ちっとも即死じゃないし、ごまかして回避することも可能だ。
 そもそも、視覚器官をもたず、聴覚のみで生きる生物がどのくらいいるのか、わたしは全然知識はないが、もしそんな生物がいたら、残念ながら食物連鎖的な頂点には立てないのではなかろうか。ほかの捕食者に余裕で捕まるぞ。いわんや人間をや、である。確実に人類なら対処可能だと思う。わたしはまた、エコーロケーション的な、音響の反射で対象物の位置や形を察知しているのかと思ったが、どうもそうでもなさそう。そんなことでは、音に反応しても、そっちにまっしぐらに行くしかなく、木にぶつかったり、まっすぐ進めないと思うのだが……それに、落とし穴とかも有効だろうし、はっきりいって、いくらでも対応策はありそうだと思う。もし、エコーロケーションや熱源探知的な能力を持っているとするならば、むしろそれを利用した罠も仕掛けられるのではなかろうか。作中では、器用に階段を下りたりしてるけど、どうやって障害物を感知し、よけるのか、という点に関する説明は一切ナシ、であった。アレでいいのかなあ……。
 ◆鎧のような固い外皮に覆われている
 なので、銃などは利かないという設定だったのだろうとは思うが、あのですね、現代テクノロジーと軍事力をなめんなよ! 人類はこんな謎生物に駆逐されるほど弱くないすよ。これは間違いなく断言できる。ラストのケリの付け方も、まるで普通の散弾銃でバーンだもの。散弾銃でやられる生物にUS-ARMYやUS-MARINE CORPS.が負けるわけないと思う。ガッカリしたわ……。わたしだったら……そうだな、音の罠を用意して、ひらけた土地におびき寄せて、10トントラックで100㎞/hぐらい出して、正面から轢き殺すしてぶっ潰すかな。音に寄ってくるんだから、それでイケるんじゃないかしら。
 ◆そもそもどのぐらいの個体数が?
 これは分からない。けど、そこら中にうじゃうじゃ、ではなかったのが意外。人類がやられるとしたら、それこそ人類以上の大多数でやってくる、ということしか考えられないが(=次々とキリがなく駆除が追いつかないなら、人類がやられる可能性はある)、全然そんなことなかった。なので、数がそれほど多くないためか、音を立ててから襲ってくるまでのタイムラグがそれなりに長いので、余裕で対処できるだろうし、罠にもかけられると思う。
 ◆で、謎生物は何のために人間を襲うの?
 正直良くわからないのだが、プレデター的なハンターでもなく、人間を食べるというものでもなさそう。この辺はわたしにはよくわからなかった。しかし、仮に食用だとしたら、人間より先に動物を襲うだろうな……一応、作中では動物はもういないし、1回だけアライグマっぽい動物が襲われるシーンはあったが、捕食している姿は明確に描かれていなかった。なんなの? なんで襲うのか、よくわからん。おまけに、食用として人間をハントしているとしたら、作中の様子では、人間がもうほぼいないんだから、謎生物は餓死するぞ。
 ◆弱点は?
 わたしだったら、音に敏感であることが判明した時点で、スタングレネードを使うだろう。耳が良すぎるなら、音で攻撃してやりゃいいのに。そして一瞬でもスタン状態にさせられれば、いくらでも反撃可能だと思う。一応本作では、高周波? なのかな、可聴音域だったので超音波ではないと思うのだが、とにかく、キーーーンという音で謎生物が悶絶するシーンがあって、まあ、そりゃそうだろうな、と誰でも考え付く弱点を示していたのが、もう驚くというか、笑ってしまった。そこに気が付かないわけがないと思うけどな……。
 というわけで、わたしは観ながら、なんで? どうして? という謎に頭が占められてしまい、おまけにキャラクターたちの、はあ??? という行動に、イライラしっぱなしであったのである。以下、キャラクターと演じた役者を紹介しながら、その行動にツッコミを入れておこうと思う。なお、キャラクターには明確に名前はあったと思うが、全く記憶に残らかなったので、メインの家族のお父さん・お母さん・娘(お姉ちゃん)・息子(弟)としか書きません。
 ◆お父さん:残念ながら一番の愚か者。お父さんの愚かなポイントはもう数多く、その筆頭が、こんな状況で嫁を妊娠させたことに尽きると思う。お父さん、あんたさ、もうちょっと考えてSEXしなよ……本作は、冒頭で87日目に起きた、末っ子の次男を亡くす悲劇が描かれ、すぐに476日後(※87日とか476日はうろ覚えなので、正確には違ってたかも)に時間が飛ぶ描写になっている。何が言いたいかというと、明らかに冒頭の悲劇の後で妊娠したわけで、わたしはもう、何を考えてんだ……出産を無音でできると思ってんのか!? おぎゃー!と泣かない赤ん坊がいるとでも思ってんのかこのおやじは! とあきれるしかなかったすね。ちなみに、本作を観た方しか通じないと思うけれど、わたしが思うお父さんの愚かポイントは、末っ子をちゃんとしつけなかったこと(末っ子が死んだのは父親がちゃんと見てなかったせいだと思う。あんなガキを最後尾に歩かせるのもアウト)、息子に花火を点けさせに派遣したこと(わたしならレッドライト点灯で事態を察し、息子を安全な場所に隠して自分で花火を点けに行くだろうな)、それから水出しっぱなしに気が付かなかったこと(あれはもう気が付かない方が変)、です。地下室は、一応防音ルームという設定だったのだろうか? 子供たちが家の壁に紙を張り付けている描写があったけれど、アレは地下室じゃないよな……ううむ……安心できるシェルターとして、防音ルームは絶対作るだろ……常識的に考えて。そして死にざまも相当残念だったすね。演じたのは、なんと監督脚本も担当し、おまけにお母さんを演じたEmily Blunt嬢の本当の旦那であるJohn Krasinski氏。38歳か、若いんだな……。わたしはこの人の顔見て、あ、コイツ、『13HOURS』の主役のジャックじゃねえか! とすぐ見分けがついた。わたしとしては、「音を立ててはいけない、音を立てたら謎エイリアンが襲ってくる!」というネタは素晴らしいアイディアだと思うけれど、まあ、残念ながら、一発ネタだったようだ。もうチョイ、細かい設定を詰めてからにしてほしかった。キャストも最小限、セットやCGも最小限にして、低予算(1700万ドル≒19億。ハリウッドでは相当低予算)でこのクオリティを作り上げた手腕は称賛したいけれど……脚本がアカンかったと思う。
 ◆お母さん:えーと、お母さんはとりわけ変なところはなかった、と思う。けど……聾唖の娘をほったらかしちゃあ、アカンでしょうな……。わたしは予告を観た時、出産が物語のクライマックスなんだろう、と勝手に想像してたけど、全然違ってました。演じたのは、監督脚本主演のKrasinski氏の本当の奥さんであるEmily Blunt嬢35歳。このお方は美人だけど……いつも思うけど……大変失礼ながら35歳には見えないすなあ……45歳と言われた方がしっくりくるような……。
 ◆娘(お姉ちゃん):お姉ちゃんは、聴覚障害があって補聴器を着用しているので、そもそも音が聞こえないのだが、彼女は勇敢で、物語で一番しっかりして頭もよかったと思う。冒頭で、幼い弟(次男)が襲われたことに責任を感じているため、ずっと表情は険しく、大変な熱演だったと思う。演じたのはMillicent Simmondsちゃんで、なんと彼女は本当に聴覚障害をお持ちだそうで、だからこその熱演だったのだと思うと、賞賛の拍手を送りたいすね。15歳?なのかな。美人に育つのだぞ……!
 ◆息子(弟):この弟は、冒頭で襲われた弟のお兄ちゃんで長男。彼もとりわけ責められる点はなく、お父さんがアレじゃあ、苦労するわな……というけなげに頑張る弟でした。君もおとがめなしです。演じたのはNoah Jupe君。2005年生まれだそうで、君もイケメンに育っておくれ……あ、この彼は『WONDER』にも出てたんすね。観たかったけど見逃したんだよなあ……。。
 とまあ、こんな感じで、要するにわたしはお父さんがアホすぎてイラついてしまったようだ。やっぱり、どう考えても、いろいろとナシ、だと思う……。そしておそらくわたしは、観ながら、オレだったらこんな謎生物にやられはしない! という、ある種の怒りを感じてしまったのだと思う。それが口だけ詐欺なのはもちろん承知しているけれど、でも、やっぱりですね、屈強な軍人たちなら、こんな連中に負ける訳がないと思うな……そういう意味でのリアリティが感じられず、ただ単に、ヤバイ状況だけを設定して、ハラハラさせるだけの映画だったな、とわたしとしては思ったのである。撮影や演出は、実のところかなり上質で、クオリティは高いのは間違いないけれど……まあ、脚本すね、問題アリなのは。

 というわけで、もう書いておきたいことがないので結論。
 大変期待して観に行った『A QUIET PLACE』は、かなり期待を下回る、ガッカリ作品であった。予告はとてもいい出来だったのに、残念ながら一発ネタだったようだ。これはいわゆる「ソリッド・シチュエーション」モノに分類できるように思うが、やっぱりですね、状況の設定が甘すぎですよ。端的に言うと、謎生物の生態について、もっとキッチリ決め込んでおいてほしかった。キャラの行動も、なんで? と思わせないでほしい。数多くの「うっかり」が原因でピンチに陥る物語は、どうしても観ていてイライラしてしまうと思う。ホント、ネタとしては大変面白そうなプロットだったのに、実に残念です。ただ、US本国では1億ドル以上稼いだそうだし、全世界配給では3億ドルを超えている大ヒット作品なので、わたしのように感じてしまったのは少数派なのかもしれないす。ま、わたしもその興収に貢献しちゃったわけですが。結論としては、こりゃあWOWOWで十分だったす。以上。

↓ これは観たかったのだが……見逃してしまった……WOWOW待ちっす……。

 おとといの勤労感謝の日、わたしはTOHOシネマズの1か月フリーパスで、『ファンタスティック・ビースト』を観に行く気満々であったのだが、残念ながらフリーパスは「当日の窓口」でないとチケットを発行してもらえない弱点がある。なので、わたしは朝イチの字幕の回を狙っていたのだが、既に家を出る30分前には、朝イチの回も昼の回も夕方の回もほぼ満席となっていることがWebチケット販売の画面で確認できていたので、素直に、ああ、今日はダメだこりゃ、とあきらめた。
 とはいえ、せっかくの休日&せっかくのフリーパスなので、ちょっともったいねえなあ、と思いつつ、他に何かめぼしい映画はないかしら、というわけで、おとといは全く別の作品を観ることにした。結果、わたしが選んだのは『The Girl on the Train』である。どんな映画なのは、一応予告を何度か劇場で観ているので、薄らぼんやりとは承知しているけれど、実際のところは単に主演のEmily Bruntt嬢を眺めに行くか、ぐらいの軽いノリであったのだが、これまた恐ろしく後味悪く、なかなか気分のいい映画ではなかった。ただし、脚本的にはややトリッキーで、前半からは想像していなかった意外な展開は、あ、そういうことなんだ、なるほど、と、ミステリー小説を読んでいるような気分にさせてくれる映画であった。ま、きちんと原作小説のある作品なので当たり前だけど。
 というわけで、以下、ネタバレ全開ですので、自己責任でお願いします(ただしズバリの犯人については書くつもりはありません)。

 上記予告を観たら、誰しもが、主人公が電車から失踪した女性を見かけたことで、事件に巻き込まれていく話かな、と思いますよね? 少なくともわたしはこの予告を何度か劇場で観て、そう思っていた。しかし、はっきり言うと全くそんなお話じゃあなかった。説明のために、冒頭の20分ぐらいで判明する主なキャラクター像を紹介しておこう。最初に言っておきますが、このキャラクター像は、最終的には全然間違ってます。いわゆるミスリードってやつですな。
 ◆レイチェル
 主人公。アル中。演じたのはEmily Brunt嬢33歳。つか、今回のEmily嬢はアル中でひどい顔をしているので、とても33歳には見えない。もっと老けて見える。全然Girlじゃねえじゃん!というのがわたしの真っ先に抱いた感想。マンハッタンへの通勤電車から見える、元夫とかつて自分が住んでいた家と、その隣の家を眺めて(つーか覗いて)妄想する頭のおかしいサイコ嬢。ぐでんぐでんに酔っぱらっていたため、肝心の事件当日の記憶なし。
 ◆トム
 レイチェルの元夫。演じたのはJustin Therux氏45歳。レイチェルがアル中になったのは、人工授精もうまくいかず子供ができないためだけれど、そのアル中ぶりがひどくて離婚した。ただし自分も女グセの悪いクソ野郎。眉がクドイ。つか顔全体がクドイ。
 ◆アナ
 トムの現在の妻。演じたのはRebecca Ferguson嬢33歳。へえ、この人はスウェーデン人なんですな。実はレイチェルと離婚する前から、トムはアナと不倫していて、トムに離婚しろとたきつけた張本人。さっさと子供を作って、かつてレイチェルとトムが住んでいた家に平気で暮らしている。子供はベビーシッターに任せて、自分はLOHAS生活に余念なし。なかなかの美女。
 ◆メーガン
 トム&アナの隣の家に住む若い女。演じたのはHaley Benett嬢29歳。トム&アナの子供のベビーシッターをしていたが、キャリアアップのため転職。その際、アナに、でめーの子供はテメーが面倒見ろよ、と若干けんか腰で言ってしまってやや気まずい。何やら複雑な過去がありそうな、妙にセクシーな美女。レイチェルはいつも、この女なんて幸せそうなの、イケメンの旦那もいて、いつもいちゃいちゃしていて、と毎朝メーガンのことを電車から眺めていたが、ある日、メーガンと別の男がいちゃついているところをレイチェルは目撃し、その翌日、メーガン失踪のニュースを知ることになる。
 ◆スコット
 メーガンの夫。演じたのは、『The HOBBIT』で弓の達人バルドを演じたことでおなじみのLuke Evans氏37歳。若干やくざっぽい雰囲気だが職業不詳。メーガンとの子作りに余念がなく、SEX依存症なんじゃねえかと心配になるほどヤリまくっているハッスルGUY。若干変態のイケメン野郎。
 
 とまあ、最初の段階ではこんなキャラクター像が観客に提示される。なので、あまりにレイチェルのアル中ぶりがひどくて、残念ながらわたしは全く感情移入ができない。こいつ、人をぶっ殺しておいて、酔っぱらってて憶えてないとでもいうつもりか? みたいな感じであった。実は、この状況は、かなり先までずっと続く。各女性キャラの目線に、カメラの視点は次々移っていくのだが、残念ながらどんどんと、レイチェルがイカレた女にしか思えない展開である。しかし、ラスト30分ぐらいで急に、実はそれは違っていた、というヒントが提示され、そこからはかなり急展開となり、事件はきっちり片が付くわけだが、正直わたしは、やれやれ、なーんだ、で終わってしまった。最後まで、全キャラに対して好意を抱くことができなかったわけだが、わたし的に唯一、この人は可哀想だったね、と思うのは、変態ハッスル野郎のスコットだろうか。彼は今回純粋に妻を殺された被害者であり、犯罪も何一つかかわっていない。大変かわいそうではあると思うが、いかんせん変態なので、あまり同情心は沸きません。なんでまたこの役をLuke Evans氏が引き受けたのか知らないが、うーん、もったいないキャスティングのような気がしてならない。
 キャストとしてはわたしが一番気に入ったのがメーガンを演じたHaley Benett嬢だろう。彼女は、何かフェロモンめいた妙なセクシーさがプンプン漂っているお方で、実になんというか……エロい。男としては、だがそれがいい、わけであって、おまけに恐ろしく幸薄そうな表情も極上であった。大変美しい方だと思います。
 ところで、わたしはクソ映画オタク野郎なので、レイチェルが通勤の時に降りる駅が、明らかにマンハッタンのGrand Central Stationであり、去年見た光景そのままだったので、おお、じゃあ、レイチェルが通勤電車から毎日眺める景色はGoogleMapで探せるのかな? と、さっきいろいろ調べてみた。
 確か、作中でレイチェルが毎日眺めるかつての家は、Ardsley-on-Hudson駅が最寄駅だと言ってたような気がしたので、帰ってから調べてみたところ、確かにその駅はすぐ見つかった。なるほど、やっぱりレイチェルが乗っていた電車は、Grand Centralを起点にしたMetro-North鉄道のHudson線で間違いないようだ。ちなみにディーゼル車なのかな、と思ったけど、だいぶ北の方以外は電化されてるみたいなので、一応「電車」すね。そしてArdsley-on-Hudson駅は、Grand Central Stationから21.7マイル(=34.72Km)ほどらしい。つまり……ええと、東京駅から中央線快速で国立駅までぐらいか。つーと、大体50分ぐらいってことかな。総武線快速だと東京駅から稲毛駅ぐらいか。まあ全然近くはないけど超・遠いってほどじゃない距離感なんだな。
 しかし、MAPで見てみると、どうやらこの路線は、その名の通りハドソン川左岸(※北を上とする普通の地図で言うと右側)をずっと北上する路線なので分かりやすいんだけど、川沿いだから、線路のわきは基本的に防風林のようになっていて、電車から家が見えるポイントがあまりないんだよな……ダメだ、作中に出てくる景色が全然見つからない……分からねえ。もっと北の方なのかな……。それともロケ地は全然別なとこなのかな。ラスト、とある場所からレイチェルがマンハッタンを遠望するショットがあるのだが、あれは明らかに、BROOKLYN方面から見たマンハッタンだったと思う。川(角度的にイーストリバーしかありえない)の向こうにマンハッタンのONE-WORLD Trade Centerが見えたので、たぶん間違いないと思う。
 ところで、なんでこんなことを調べてみようかと思ったかというと、通勤の距離感を知りたかったのが一つ、そしてもう一つは、ズバリ、他に何も書くことがなかったからである。
 たぶん、この作品は、小説で読んだ方が面白いのではないかと、特に根拠はないがそう思う。おそらくは、この小説はそれぞれの女性キャラクターの視点から語られる1人称小説なんじゃないかな。えーと、分かりやすく言うと、湊かなえ先生の『告白』的な作品なのではないかと予想する。つまりキャラクタはーは、自分の行動しか知らないわけで、出来事の真の状況を理解しておらず、自分の目を通しての出来事を語る形で、最後はそれが集約されて全貌が明らかになる、みたいな、そんなお話なんだと思う。なので、それを普通の映画にしてしまった本作は、しつこいけれど、全く根拠はないのだが、おそらくはその本来の味が薄まっちゃってるのではなかろうか。ま、そんなわたしの推論が正しいかどうかは、原作小説を読めば一発で判明することだけど、サーセン。あんまり読みたいとは現状思ってません。なので、もし原作を読んだ方が偶然このBlogを目に留めることがあれば、正解かどうか教えてください。間違ってたら相当恥ずかしいな……ま、いいや。

 というわけで、結論。
 なんとなく時間があったから観た、という全然消極的な動機で観てみた映画『The Girl on the Train』は、いわゆるベストセラーミステリー小説を映画化した作品であり、たぶん、原作小説の方が面白いんじゃないかと勝手に推測する。映画はですね……うーん……正直イマイチっす。なんかキャラクターに共感が持てなくて……わたしの好みには合いませんでした。申し訳ありませんが……。以上。

↓ これが原作っすね。おっと!? あ、そうなんだ、原作はロンドンが舞台なんだ。なるほど。へえ~。


 

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