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 ミュージカル『Cats』と言えばファンが多く人気の演目で、日本では劇団四季による専用劇場など、日本でも大変お馴染みなわけだが、わたしは去年の3月に、初めてその劇団四季による舞台を観に行くことができた。
 わたしは、それほどファンがいっぱいいて、超ロングランをしているのだから、そりゃあもう、すげえ感動大作なのだろう、と、わくわくして劇場へ向かったのだが、観終わってみると、たしかにそのパフォーマンスや歌は超すごく、その点では大満足ではあったものの……物語に関しては、ちょっとよく分からないというか……ちょっとびっくりしてしまったのである。ズバリ言うと、物語がないのだ。
 ないってのは言い過ぎかな、ええと、説明すると、猫たちの舞踏会があって、その中から「天上へ昇り新たな生を得る」猫を選ぶ、という大枠があって、数々の猫が、われこそは「ジェリクル・キャット」なり! といういわばプレゼン大会という感じで、一人一人の猫が歌い踊って、自分をアピールしてゆくのである。なんつうか、「猫の紅白歌合戦」的な感じなんだな。
 なので、実はわたしは劇団四季の『Cats』を観ても、それほど感動はしなかったのだが、数々の歌やダンスはもう本当に超一流で、そこには「すげえ!!」という感動があるんだけど……お話自体がなあ……てなことをわたしは感じだのである。
 というわけで、そんな全世界的にファンが大勢いる『Cats』が、この度映画となって登場することとなった。しかも監督は、あのミュージカル『Les Misérables』を完璧な映画として撮りあげたTom Hooper氏である。コイツは絶対観ないとダメだ、というわけで、さっそく観てまいりました。
 まあ、結論から言うと……上から目線で言わせてもらうと、悪くない、とは思うし、非常にハイクオリティな作品だったと思う。物語性も、少し舞台版よりも分かりやすくなっているような気はする。が、やっぱりライブの、生の舞台で観るべき作品なのではなかろうか、と強く思った次第である。なんつうか……スクリーンだと各猫の想いというか、猫たちの心のパワーが弱まるというか、生の舞台の方が強く、ダイレクトに響くような気がするすね。当たり前かもしれないけど。

 まあ、映画として、CG補正を用いたビジュアルイメージになるのは当然のことだろう。実のことろ、本作は去年既にUS公開されていて、結構ヒドイ批評ばかりで、興行成績も全く振るわず、結論として失敗作という烙印を押されてしまっている。どうもその批評の大半は、ビジュアルイメージの「不気味さ」をあげつらっているようだが、わたしは全く気にならなかった。だって、劇団四季Verで観ているので、最初から「そういうもんだ」と知ってるし、むしろそのCG猫たちの可愛らしさには、すげえ!! と称賛したいぐらいだ。また、物語が「猫たちの紅白歌合戦」であっても、最初から知ってるし、急に歌い出すのはミュージカルなんだから当然で、この点は、普段ミュージカルを見慣れているわたしには全く何ら問題ない。なので、ある意味本作は観客を選ぶかもしれないとは思う、が、だからと言ってダメだなんてことは全く思わない。とにかく、各キャストの「猫」ぶりは見事ですよ。もっふもふで、毛皮の質感はハリウッド最強レベルだと思う。
 しかし、だ。劇団四季Verや舞台Verであった、「劇場に入るところからもうワクワクしてくる」あの感動は、ズバリ、ない。劇団四季の専用劇場は、「ゴミ捨て場」を劇場そのものが表現していて、なんかもう、入った瞬間からドキドキしてくるのである。さらに、真っ暗になって猫の目がいっぱい光り、あの「チャララチャンチャチャン」の曲が始まる時の、あのオープニングの興奮も、残念ながら本作映画版では薄い。そういう意味で、「体験」としての興奮は、どうしても生の劇場で感じるものの方が上手であろうとは思う。こりゃもうしょうがないよな。
 ただ、本作映画版で、わたしが一番良かったと思うのは、観客と同じ目線で、何が起きるんだろう、次の猫はどんな猫なんだろう、と一緒になって物語を追う、ある種の狂言回し的な役割りも担う新入り猫「白猫ヴィクトリア」が超可愛い!!点だ。そしてダンスが超最高!なのです! 
 というわけで、各猫たちをメモして行こう。
 ◆白猫ヴィクトリア:演じたのはFrancheska Haywordさん27歳。超しなやかかつ超キュート! イギリス王立バレエ団でお馴染みThe Royal Balletのプリンシパルダンサー。人間にゴミ捨て場に捨てられて、戸惑っていたところを先輩猫たちに救われて(?)、これから一体何が起こるの? と好奇心旺盛な可愛い顔で物語を追っていく存在。やっぱり、バレエダンサーというのは、ダンサーの中でも完全に別格、その美しさは最強でしょうな。歌も大変お見事でした。とにかく可愛い! と、わたしは思うのだが、まあ、わたしは猫と暮らしているので、猫に対してひいき目はあるとしても、そう思えない人はこの映画を観てもほぼ意味がないと思います。
 ◆手品猫ミスター・ミストフェリーズ:白黒猫で、顔が見事な八割れ君。若干自分に自信なしな感じで、やや大人しいけれど、ヴィクトリアを何かと構う優しい雄猫。演じたのはLaurie Davidson君27歳。彼はバレエの経験とかはないみたいだな……。
 ◆マンカストラップ:猫たちの若きリーダー的存在のキジ猫君。ヴィクトリアを守ってあげる頼れる兄貴。演じたのはRobbie Farichild氏31歳。とても猫でしたな。非常にいいと思います。
 ◆長老猫オールド・デュトロミー:「ジェリクル・オブ・ジェリクル」を選定する長老。舞台Verではおじいちゃんだったと思うけど、本作映画版ではおばあちゃんでした。何気によく歌う。そして本作で演じたのは、イギリスが誇るおばあちゃん、Judi Denchさん85歳。非常にお達者ですなあ。歌も歌えたんすね。お見事です!
 ◆バストファー・ジョーンズ:太鼓腹のセレブ猫。ジェリクル候補。演じたのは、歌えるデブことJames Corden氏41歳。クセが強いんよ……。大変芸達者なお方ですな。
 ◆ジェニエニドッツ:太ったおばちゃん猫。ジェリクル候補。日がな一日寝てばかりだが、夜になるとネズミ隊とゴキブリ隊の調教に大忙し。あの、ネズミとゴキブリまでCGで人間の顔をつけると、やっぱりチョイとキモイすね。演じたのはRebel Wilsonさん39歳。あれっ? 意外と若いな……。ああ、そうか! 『Pitch Prefect』のファット・エイミーか! 全然忘れてた!
 ◆劇場猫ガス:本名アスパラガス、だけどガス、と呼ばれるおじいちゃん猫。ジェリクル候補。演じたのはマグニート、あるいはガンダルフでお馴染みIan McKellan氏80歳。この方も歌えたんすねえ……。なんか、舞台版だともうチョイ元気だったような気がするけど、映画版ではもう相当よぼよぼしてました。
 ◆ラム・タム・タガー:イケメンプレイボーイ猫。ジェリクル候補(?)。ロックンローラー的で、雌猫たちを侍らせる俺様系のニクイ奴。演じたのは歌手というべきなのかな、Jason Derulo氏30歳。若いなコイツも。舞台版では非常に目立つけど、映画版ではパフォーマンスシーンがあるだけでした。
 ◆鉄道猫スキンブルシャックス:列車のマスコット猫として多くの電車に乗ってきた鉄道猫君。ジェリクル候補(?)。その歌はもう最高で、ちょうど先週、WOWOWで井上芳雄氏がスキンブルシャンクスのテーマを歌うのを観ていたので、わたしとしてはもう、足でリズムを取りたくなったすね。タップダンスも超見事でした! ただし本作映画ではラム・タム同様パフォーマンスシーンで目立ってただけかも。演じたのはSteven McRae氏34歳で、どうやらこの方もThe Royal Ballet のプリンシパルのようです。歌もダンスもマジで超最高でした。
 ◆マンゴージェリー&ランペルティーザ:泥棒猫コンビの二人。悪い子ですよこのコンビは。演じたのは、Danny Collins氏とNaomih Morganさんというお二人だが、あまり情報がないので省略。Naomihさんは超美人すね。
 ◆マキャビティ:犯罪猫。悪いヤツ。ジェリクルの座を射止めようと様々な悪さを企む。演じたのはMCUのヘイムダルでお馴染みIdoris Elba氏47歳。ええ、うそ、この人オレより年下かよ! マジか! 非常に存在感のある悪役ですが、ラスト、あそこから君は無事に降りてこられてのかな。可愛い声で、降ろしてニャ~ン! とか泣いてる姿を想像して、ちょっと微笑ましく思ったす。元々Idoris氏はイケボですが、歌も大変結構なお点前でしたな。
 ◆ボンバルリーナ:本作映画版ではマキャビティの手下のセクシー雌猫。この子も悪い子ですよ。舞台Verでは、ディミータという雌猫と仲良しなのだが、映画版ではディミータはその他大勢のうちの一人(?)になってました。わたしが舞台Verで一番気に入ったのはディミータだったんだけどな……。ともあれ、ボンバルリーナを本作で演じたのは、世界の歌姫Taylor Swift嬢30歳で、大変セクシーかつ極上の歌とダンスはさすがでありました。
 ◆グリザベラ:娼婦猫、だけど、本作映画版では娼婦の設定はなくなってたのかも。彼女が、誰もが知ってるあの歌、「メモリー」を超切なく歌う猫ですな。本作で演じたのは、これまた歌姫Jennifer Hudsonさん38歳。いやあ、素晴らしい「メモリー」でしたなあ……! 非常にグッと来たっすね!

 とまあ、メインは以上かな。監督は冒頭に書いた通り、Tom Hooper氏なわけだが、『Les Misérables』を撮った時は、歌を別撮りにせず、歌いながらの演技をそのまま撮影したことでも有名だけど、本作もそうだったのかはよくわからんです。でも完璧に口と歌があってたので、今回もそうだったかもしれないすね。これ、日本語吹替版も上映されていて、キャストも豪華でそっちも気になるけれど、どうしても吹替だと口と歌が合わないわけで、その辺はどうなんだろうな……。。

 というわけで、もう結論。

 ミュージカルの名作と呼ばれる『Cats』が映画となって公開されたので、ミュージカル好きなわたしとしては絶対観るべし! というわけでさっそく劇場へ行ってきたのだが、たしかに演者のとても見事なパフォーマンスは感動ものだし、なにかととやかく言われているCG猫たちにも、わたしは全く違和感なく受け入れられたし、むしろとてもかわいいとさえ思った。のだが、やっぱり、比較しちゃあいけないかもしれないけれど、パフォーマンスからあふれ出るパワーのようなものは、生の舞台版の方が上だと思うし、やっぱり、ダイレクト感が比べ物にならんと思うすね。実際のところ、そんなことは当たり前で、映画の企画の当初からそれは誰しもわかっていたことだと思う。それでもなお、映画にしようと思ったのは何故なのか……それはわたしには良く分からんけれど、少なくとも、世間的な低い評価はちょっと不当だと思う。物語的にも、本作映画版はきちんと分かりやすくする努力もしているし、その点では舞台版よりいい点ではなかろうか。まあ、基本的に本作は猫が好きな人じゃないとアカンと思うすね。猫たちは大変可愛く、実際猫でした。わたし的にはこの映画、十分アリ、です。以上。

↓ こちらは舞台版の映像化っすね。でもまあ、とにかく生の劇団四季を観に行くのが一番いいと思います。
キャッツ (字幕版)
ジョン・ミルズ
2013-11-26



 わたしが世界で最も好きな小説家は、ダントツにStephen King大先生である。
 このことはおそらくこのBlogでもう10回以上書いているような気がするけれど、King先生の作品はとにかく面白くてわたしは大好きである。そして、King大先生の『ダーク・タワー』と言えば、書き始めから20年の時を経てようやく完結した長大な物語(最新の角川文庫版では外伝込みで全14冊、しかもそれぞれ分厚い)としても有名なわけだが、誰が何を思ったのか知らないけれど、今般、映画となって公開される日がやってきたのである。しかも、上映時間は95分と短く、一体全体、どんな映画になり果てたんじゃろうか? とわたしは全く想像がつかないまま、今日は劇場へ足を運んだわけである。実のところ、US本国の評判はかなりよろしくなく興行成績もイマイチであったことは既に報じられていたので、わたしもかなり猜疑心に溢れ、またどうしようもないクソ映画なんじゃあないのか……という嫌な予感をひしひしと抱いていたのは事実だ。
 そして実際に観てきた今、結論を先に言うと、まあ、ズバリ言えば「別物」であった、と思う。そもそもあの長大な物語を95分で描けるわけないし。しかし、だ。様々に描かれる、『ダーク・タワー』テイストは観ていて大変好ましく、おまけにKing大先生のファンならばニヤリとできるような、ちょっとした描写も数多くあって、本作は、相当な玄人Kingファン向けの、ファンムービーだったかもな、という気もした。つまり、King大先生のファンで、オレはそこらの素人じゃあなく黒帯ファンですよ、という自覚がある人なら非常に楽しめる、けれど、そうでない人にとっては、普通?なデキ、な映画であったように思う。
 というわけで、以下、そもそもの「ダーク・タワー用語」を解説なしで書いてしまうと思うので、「ダーク・タワー」を読んだことのない人は完全に意味不明だと思います。

 まずは最初に、主人公であるローランドについて書いておこう。わたしは10年以上前に、『THE DARK TOWER』のグラフィックノベルを買って読んだことがある。↓これ。
 このグラフィックノベルは、とにかくやけにかっこよく、大満足の一品だった。そして、主人公ローランドの風貌に関しては、わたしとしてはこのグラフィックノベルで描かれるローランドよりも、やっぱりKing先生がイメージしたという、Clint Eastwood氏的な面差しをずっと脳裏に描いていたのだが(とりわけ名作『Pale Rider』でのEastwood氏をわたしは妄想していた)、上記に貼りつけた予告の通り、今回の映画版のローランドを演じるのは、MCUでの門番ヘイムダルでお馴染みのIdris Elba氏だ。ズバリ言うと黒人、である。その点について、一部では文句を言う人もいるらしいが、まあそんな人とは友達にならない方がいいでしょうな。はっきり言って、わたしはもう最初に登場したシーンから、ローランド=Idris氏のイメージが出来ちゃったほど、画面のIdris氏はローランドそのものにしか見えなかった。いやあ、本当にかっこよくて、わたしとしてはこのキャスティングは、超アリ、である。
 で、次に本作、映画版の物語を簡単にまとめておこう。
 舞台は現代NYC。一人の少年ジェイク・チェンバース君は、何やらこのところ、妙な悪夢を見るようになった。それはどうも消防士だった父が亡くなって以降のことらしいが、その悪夢の内容は、「ここではないどこか」の世界で、何やら少年少女が謎の装置に拘束されて、その謎装置から発射されるビームによって「天まで届く暗黒の塔」が破壊されようとしている様子だった。折しも、その夢で「塔」が攻撃されて衝撃が走ると、現世のNYCにも地震が起こり、おまけにどうやら東海岸西海岸とも、そして世界各地、東京などでも地震が相次いでいるらしい。しかし、大好きなお母さんはジェイクの夢を信じてくれないし、クソ野郎の継父は、邪魔なジェイクを追い出そうと施設に入れようと画策している。
 そんなしょんぼりなジェイクの元に、施設の職員を名乗る男女がやって来る。しかしその職員は、ジェイクで夢で見た「人の皮をかぶって偽装している化け物」であるしるしが! 逃げるジェイク。そして夢で見た家がブルックリンに存在していることを知り、その家に行ってみると、謎の装置があった。ジェイクは恐る恐る、その謎装置に夢で見た座標「19-19」を入力。すると起動した装置によって「中間世界」へのゲートが開き、ジェイクは「中間世界」へ。砂漠を彷徨ううちに、これまた夢でみたガンスリンガー、ローランドと出会うのであった……てな展開です。
 そしてローランドが倒そうとする「黒衣の男」ウォルターは、力を持つ少年少女を狙っており、なんとジェイクにはKingファンならおなじみの、強力な「輝き=Shine」能力が備わっており、ウォルターの第1目標となって追われることに……というわけで今、「ガンスリンガー」ローランドと「黒衣の男」ウォルターの熾烈な戦いが中間世界と現世を行き来しながら繰り広げられる! 的なお話です。いかん、ぜんぜんうまくまとめられないわ。
 というわけで、本作、映画版は、小説原作と全く違うと言っていい物語だ。ただ、最初に言った通り、雰囲気は非常によく、たぶん、原作ファンならそれなりに楽しめると思う。
 小道具というかちょっとしたことなのだが、例えば、ジェイクが中間世界へ行く「ポータル」という謎装置なのだが、やけにハイテク装置で驚きだったけれど、わたしが一番うれしくなってしまったのは、座標入力の液晶画面に、「NCP」という会社のロゴが映っているわけですよ。これはもう、ファンなら一発で分かるもので、「ノース・セントラル・ポジトロニクス社」のことだ!とか、わたしはもう、そういうちょっとしたことにいちいち興奮してしまった。
 そして、一番わたしがわくわくしたのは、やっぱり、数々の「知ってる」台詞が登場することだろう。「サンキー・サイ」とか「Long days, Pleasant Nights(=長き昼と快適な夜を) 」といった有名なフレーズを生きたキャラが言うシーンを観られただけでも、わたしとしてはもう大満足である。まあ、エディやスザンナ、オイなどの原作での「カ・テット」が出てこないのはもうしょうがないよね。一応、ちゃんと「ダーク・タワー」だったのは間違いないと思う。なお、パンフレットには、本作の中でチョイチョイ出てくる、King先生ワールドの小ネタが結構詳しく載っているので、ファンは買った方がいいかもしれない。わたしは1/3ぐらいは気が付かなかったので。クリスティーンとか14-08は気づけたけど、まさかリタ・ヘイワースのポスターまで映ってたとは気が付かなかったわ。これで意味が通じない人は、もうこの映画観てもあまり意味がないと思います。そういう人は、ラストで再びジェイクとローランドが入っていった建物のシャッターに描かれた「薔薇の絵」にも、全く何も感じないだろうな。わたしは結構、ここで薔薇が来た!とうれしくなったすね。
 では最後に、各キャラと演じた役者を紹介して終わろう。
 ◆ローランド・デスチェイン:最後のガンスリンガーと呼ばれる物語の主人公。演じたのは前述の通りIdris Elba氏。いやあ、かっこよかったすね。わたしは、さんざん偉そうに書いている割に、実はもう原作の詳細は覚えていないのだが、確か原作でも、ローランドが現世の薬を飲んで、コイツは良く効くな、的なことを言う場面はあったような気もする。今回はばっちりありました。そして、本作では毒?に侵されたローランドがふらふらになって右手が使えなくなるシーンがあるけど、あれは原作2巻の殺人毒毒ロブスターのシーンのオマージュかな? 原作では2巻でもうローランドは殺人毒毒ロブスターとの戦いで指を失っちゃうけど、今回の映画版では、指を失わずに済んでよかったね。それにしても雰囲気はバッチリで、わたしとしてはIdrisローランドはアリ、です。
 ◆ジェイク・チェンバーズ:ローランドと出会って後に「カ・テット」の一員として旅を共にするNYCの少年。演じたのはTom Taylor君16歳。おっと、なんか今はずいぶん成長しちゃってるっぽいな。ジェイクは、原作では一度ローランドに見捨てられるという悲しい出来事があるけれど、映画版ではその辺りはバッサリとカットでした。なので、ジェイクというとわたしはとても悲しい顔をしているイメージがあったけれど、今回は結構アクティブな元気な少年でしたな。なお、ジェイクは原作でも、「タッチ」という人の思考に触れる能力を持っているけれど、今回の映画版では、King用語では有名な「輝き(Shine)」と変更されていた。これはまあアリなんじゃなかろうか。何のことかわからない? 要するに「シャイニング」のことです。King世界では有名な超能力の一種ですな。
 ◆黒衣の男=ウォルター:「塔」を破壊しようとする「クリムゾン・キング」の手下として有名な男で、King世界では様々な形で登場する。原作的には、ローランドが最も許せない不倶戴天の敵。今回の映画版で演じたのはMatthew McConaughey氏で、非常に雰囲気のあるウォルターぶりだったように思う。ただちょっとあっけなかったかな……。今回、恐らく原作と一番違うのが、この闇の勢力の描かれ方で、中間世界と現世を結ぶポータルの謎装置の描写は、わたしは結構気に入った。あんなに自由に行き来するとは、大変興味深いすね。
 と、もう一人わたしの知っている役者が出演していたのでメモしておくか。なんと、ウォルターの手下でNYCのポータルの管理人?をJackey Earle Haley氏が演じていた。彼は、わたしのオールタイムベストに入る大好きな映画『WATCHMEN』の主人公ロールシャッハを演じたお方ですな。
 
 というわけで、なんかもう取り留めないのでさっさと結論。
 わたしが世界一大好きな小説家Stephen King大先生の長大な叙事詩『THE DARK TOWER』が映画化された。それだけでもうわたしには大ニュースなのだが、残念ながらUS本国では散々な評判と興行になってしまい、わたしも、こりゃあ地雷かもな……という危惧を抱いて、劇場へ足を運んでみたところ……確かに、確かにこれは全くの別物だと言わざるを得ない、とは思った。何しろあの長大な作品を95分にまとめられるわけないし。しかし、随所に漂う雰囲気や、そこかしこにちりばめられたKing世界の小道具にはいちいち興奮してしまったのは確かだし、キャラクターたちが話す「知っている台詞」の数々には、もう大興奮であった。要するに、結論としては、わたしはかなり楽しめたのである。ただし、それはわたしがKing大先生の大ファンであるからであって、そうでない人がこの映画を見て楽しめるのか、それは全くわからない。たぶんダメなんじゃないかな……。そういう意味では、本作は完全にKing先生ファン黒帯以上を対象とした、ファンムービーだったように思う。しかし、やっぱりあれだな、もう一度、最初から全巻読み直さないとダメだな。すでに電子書籍では全巻買い直してあるので、よし、今夜から読み始めよっと! 以上。

↓ King先生の作品を映画化したもので、一番好きなのは? というのはKingファンなら一度は議論したことがあると思いますが……わたしは、やっぱりこれかなあ……そういえば、黒衣の男・ウォルターは、小説を読んでいるときのわたしの脳裏にあったのは、この映画の頃の若きChristopher Walken氏でした。この映画はもうホント大好きっす。結末が超悲しい!

 John Favreau氏と言えば、わたしとしては一番馴染みがあるのは『IRONMAN』の監督というよりも、トニー・スタークの忠実な運転手兼ボディガードの「ハッピー」を演じた役者としての顔の方で、まあ、太った気のいいおっさん的な男であるが、監督としても多くの作品を撮っている才能あふれた男である。
 その彼が作り上げた最新作、『The JUNGLE BOOK』は、主演の少年以外全部CGというすさまじい作品で、おとといわたしも劇場で観てきたが、まあとにかく凄かったのである。お話的には、実際のところ別に感動して泣けるというほどではなく(?)、普通に面白かった、というものであるが、とにかく映像が凄い。これをわたしは2D字幕版で見てしまったのだが、これはやはり3Dで観るべきであった、と深く後悔している。くそー。3D字幕版での上映が全然ないんだよな……IMAX3D字幕に行くべきだった……。たぶん、3Dだと、さらにすさまじいんだろうな、と思った。ちなみに、すでに全世界で947M$(=約975億円)稼いでいて、製作費も175M$と高いけれど、十分に黒字なんでしょうな、すげえわ。

 物語は、原作を読んだことがないので未確認ですが、たぶんノーベル文学賞受賞作家、Rudyard Kipling氏の原作の通り、おおむね有名なお話そのままと言っていいと思う。ジャングルで父を亡くした人間の赤ん坊モーグリ。彼は黒ヒョウのバギーラに助けられるが、子育ての出来ないバギーラは、狼の群れにモーグリを託す。そしてすくすくと育ち成長するが、人間に恨みを持つ虎のシア・カーンは、モーグリが気に入らない。もはやシア・カーンの脅威からモーグリを守ることはジャングルの仲間の動物たちには荷が重く、やむなくモーグリを人間の村へ送り届けようとするが、シア・カーンの追跡はしつこく、戦いは不可避に――とまあそんなお話である。
 ちなみに、Kipling氏はイギリス人であり、当時のイギリス領インドで生まれ育ったわけで、この物語で描かれる、いわゆるジャングルは、南米的なジャングルではなく、植生や動物たちからしても明らかにアジアのジャングルなのだと思われる。虎もいるし。決して、ターザン的なアフリカではない。けど、象はアフリカゾウのような気もするのだが、どうなんだろう……あ、なるほど、耳の形とかいろいろ違うわけか。あーこれ、ちゃんと予習して観に行けばはっきりわかったのにな。アフリカゾウは耳が三角、アジアゾウは耳が四角、なんですと。どっちだったかなあ……。そう言われると、ちゃんとアジアゾウだったような気もしますな。その点は抜かりない、か。
 ちなみに、この物語では動物たちも普通にしゃべる。そして、その動物たちはみな、CGによって描かれているわけだが、とにかくまったくもって生きた本物にしか見えないし、なによりも、しゃべるその表情が恐ろしく人間臭いのに動物そのもの、という、どうにも言葉では説明できない素晴らしいもので、その豊かな表情と毛皮の本物感がとにかく仰天モノなのだ。主な動物たちとその声を担当した役者を紹介すると、こんな感じである。
 ◆黒ヒョウの「バギーラ」:声を担当したのはSir Ben Kingsley。 超シブイくてカッコイイ。モーグリをいつも見守る優しい男。毛皮の光沢感や歩き方、鼻の具合など、もう本物そのもの。虎には勝てないので若干弱いけど、男ですよ、この黒ヒョウは。とにかく、シブイ。
 ◆母オオカミの「ラクシャ」:声を担当したのは『SW』のマズ・カナタでお馴染みのLupita Nyongoさん。最近ホントに活躍している女優ですな。わたしはあまり興味なし。ただ、このモーグリの育ての母であるオオカミの表情がもの凄く良くて、びっくりした。怒っている顔、優しい顔、など表情豊か。比較的良く喋る。別れに際して、素晴らしい名言が彼女にはあった。
 No matter where you go or what they may call you, you will always be my son.
 「どこへ行こうと、なんという名になろうと、いつだってお前は、わたしの息子よ」
 この時の表情が、もうオオカミとは思えない慈愛に満ちていてグッと来ます!! 
 ◆クマの「バルー」:声を担当したのはBill Murray氏。このクマさんは……穏やかな性格ではちみつが大好きで、これまた非常に表情豊かで、まさしくクマのPoohさんなわけだが、種類が良くわからない。ヒグマ、かな? 毛色的に。良くわからないけれど、濡れた毛皮なんかも、とにかくこれまた本物の質感そのもの。
 ◆オランウータン(?)の「キング・ルイ」:声を担当したのは、わたしも大好きなChristopher Walken氏。モーグリたちの森からはちょっと離れたところの古代文明(?)の遺跡をねぐらとする親分。あまり物語進行には関係ないけれど、存在感のある怖~いボス。わたしはかなりの声フェチで、Walken氏の声は良く知ってるつもりだが、正直すぐには分からなかった。この人、映画版『Jersey Boys』のエンディングで歌って踊るところを見せてくれたけれど、歌える人なんすね。今回も一曲、歌ってくれます。
 ◆トラの「シア・カーン」:声を担当したのは、Idris Elba氏。『THOR』の門番ヘイムダル役でお馴染みですね。彼は、『ZOOTPIA』でもバッファローの警察署長も演じていて、動物役2連発ですな。あ、そうなんだ、この人、『Finding Dory』でもアシカのフルークというキャラを演じてるんすね。動物役3連発だ。このシア・カーンというトラはかつて人間(=モーグリの父)の使う「火」で痛い目に遭っていて、人間嫌いというわけで、それにしても彼には家族はいなかったんでしょうか……ちょっと気の毒な気はします。とにかく、しつこいですが、このトラも表情が凄いです。非常におっかない。
 ◆大蛇(ニシキヘビ?)の「カー」:声を担当したのは、ハスキーボイスがセクシーなことでお馴染みのScarlett Johansson嬢。相変わらず素晴らしくいい声で、たまらんですな。今回、出番はほんのちょっとしかないのですが……驚いたことにですね、ラストのエンドクレジットで、4曲ぐらいかかる曲の中の一つ「Trust in Me」を歌ってました。わたしは声で、一発で「アレッ!? この声、スカージョじゃね!?」 と大興奮。歌のクレジットはほぼラストにやっと出てくるのだが、ちゃんとPerformed by Scarlett Johanssonと表示されるのを確認しました。そういやこの人、歌手デビューもしてるんだっけと、改めて、歌える人なんだ、と認識しました。超セクシーな美声で最高です。あっ!? ちゃんとDISNEY公式でその歌声がYouTubeにUPされてら。貼っとこう。上手いどうかは微妙……かも。それでもいいの!!

 というわけで、声の出演は素晴らしいオールスターキャストで、言う事なし、である。そして、唯一の生身の役者として主演した少年モーグリ役のNeel Sethi君は2003年NYC生まれだそうで、非常に達者な芝居ぶりだったと思う。メイキングをいくつか見たけれど、監督のFavreau氏はまさしくクマのPoohさん的にニコニコしながら演出してましたな。しかし、全てグリーンバックでここまでの芝居をするというのは、難易度も高かっただろうに、ホント、モーグリをお見事に演じ切っていたと思う。素晴らしい才能なんでしょうな。

 というわけで、結論。
 この『The JUNGLE BOOK』はDISNEY謹製のちびっ子向け映画ではあるけれど、そのテクノロジーというか映像技術は素晴らしく、実際のところ大人でも十分に楽しめる良作だと思う。だけど、くれぐれも、字幕で、そして出来れば3Dで見た方がいいのではなかろうか。もちろん、日本語版の声を担当した役者たちも一流ぞろいなので、吹替えでもいいけれど、たぶん、動物たちの口の動きのシンクロ具合を考えると、やはり元の英語版の方がいいんじゃないかと思う。機会があれば、わたしももう一度、IMAX3D字幕版に行こうかしら、と思うぐらい、わたし的には大変気に入りました。以上。

↓ 原作はいろんな出版社から出ている名作です。とりあえず、これを貼っとこう。どうせ読むなら、挿絵もあった方がいいと思うな。

  

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