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 昨日の夜も、WOWOWで録画したはいいけれど、そのままほったらかしで観ていない映画を観ることにした。正直に告白すると、そういう映画が50本ぐらいあって、その中から何を観るか、というのは全く基準がなく、ごくテキトーに選ぶのだが、ひとつ、去年の10月に録画した映画で、気になっていたものを見ることにした。
 日本公開時のタイトルは『パパが遺した物語』。原題を『Fathers & Daughters』というこの作品は、日本では2015年の10月の公開で、わたしとしては主演のAmanda Seyfriedちゃんが大好きなので、公開当時結構気になってはいたもののあっさりと見損なってしまい、そしてWOWOW放送があって録画したものの、すっかり後で観ようリストに入れられてしまった、なぜだか若干縁のない映画なのだが、観てみて、ああ、やっぱりさっさと観とけばよかったぜ……と、相変わらずのわたしの見る目のなさにがっかりすることになったのである。結論から言うと、絶賛というわけではないけれど、とりわけ子役の演技が素晴らしく、そしてカーペンターズの名曲『Close to You』が大変心にしみてグッとくるいいお話であった。あなたのそばにいたい(Close to you)。この歌詞がとてもぴったりな、父と娘の愛があふれた映画で、そういう意味ではおっさん向けといっていいような気がします。

 まあ、大体のところは上記予告のとおりである。ただ、時系列が若干乱れているので、ちょっとだけ物語をまとめておこう。物語は25年前の交通事故から始まる。小説家のジェイクは、娘を「オレの可愛いポテトチップ!」と呼ぶ娘大好きなパパ。そして娘のケイティも、パパが大好きでもう大変な甘えっ子なわけだが、ある日、車で移動中にパパとママはちょっとしたことから口論になってしまい、よそ見運転?で事故を起こしてしまう。その事故でママは死去、パパも脳に重大な障害を受け、命は助かったものの後遺症に悩み、うつも患ってパパは7か月入院することになってしまう。残されたケイティは、ママの姉、すなわちおばさん夫婦の超リッチな家庭で過ごすが、やっと退院してきたパパのもとにダッシュで駆けつけるほど、パパっ子な可愛い娘だった。そしてこれ以降、25年後の現代と、事故以降のパパとの当時の生活が交互に語られる形式になる。
 現代では、大人になったケイティは心理学を学ぶ学生で、ソーシャルワーカーとして、心に傷を負った子供のカウンセラーをしている。そして本人も、大好きなパパを亡くすことで心に深い傷を負い、私が愛する人はみんな死んでしまう、的な思いに囚われ、人を愛せない、けれど心の隙間を埋めるために誰とでもヤるSEX依存症的な状態にある。そして回想では、後遺症が完治せず、苦労しながらも作品を書くが売れず、リッチなおば夫婦がケイティを引き取るとか言い出して裁判になったり金に苦しむ中、ある日、父と娘のお話を書くことにするパパだったがーーてな展開である。
 この映画の見どころは、やはり役者たちの熱演だろうと思う。回想編・現代編ともに、それぞれとてもいい芝居ぶりで、とにかく過去編のパパとケイティ、そして現代編の大人になったケイティと心に傷を負った少女、この4人が大変すばらしいのである。
 まず、過去編の方だが、パパを演じたのは、オスカー俳優Russel Crowe氏である。この人はまあ結構おっかない顔をしていると思うし、実際すぐカッとなる性格のようだが、本作ではもう、娘が好きで好きでたまらないベタ甘パパを大変繊細に演じきっていたと思う。ちなみになんで娘を「ポテトチップ」と呼ぶのか、まったく謎で謂れは説明されません。まあ、愛する人を「蜂蜜(Honey)」だの「甘いの(Sweety)」だのと呼ぶのがメリケン人なので、ポテチはしょっぱいので全く謎ですが、雰囲気は大変よく伝わりました。要するにいつもそばにあってほしい、食べちゃいたいほど大好きなもの、ってことなんでしょうな。ポテトチップ……わたしは大変気に入ったっす。
 そして過去編でそのポテトチップこと愛するケイティを演じたのが、2004年テキサス生まれのKylie Rogersちゃん。この時10歳ぐらいなのかな。まあ、これがまた可愛い娘さんでしてなあ、おっさんなら誰しもがほほを緩める美少女でしたね。あと7~8年もすれば、相当な美女になると思われる逸材ですよ。大変すばらしい演技で、実にお見事でありました。結構順調にキャリアを積んでいるようで、今後も出演作があるみたいですな。名前を憶えておきたいと思う。
 そして現代編で、大人となったケイティを演じたのが、目が大きい美女としておなじみのAmanda Seyfriedちゃんである。まあ、相変わらずの可愛さですな。そして、子役のKylieちゃんが大人になるとこうなる、という面影がすげえ残ってるんすよね。ああ、Amandaちゃんももう31歳か……。しかし、この映画でわたしが唯一、これは……と思ったのは、この現代編でのケイティの設定だ。ズバリ、SEX依存症という設定は必要だったのか……いらなかったような……もうちょっと別の描き方があったような気がしてならない。でも、カウンセラーとして対峙する少女との交流の様は、とてもいい演技でしたね。まるで自分がパパから愛されていた時のようにその少女に愛情をもって接するわけで、それが過去編との対比をもって描かれていて、非常にグッとくるものがあった。自分が自転車に初めて乗れた日、パパが「That's My Girl! Go!Faster!(それでこそオレの娘だ!行け!もっと速く!)」とはしゃいでくれた思い出。その思い出のまま、今度は自分が面倒を見た少女が自転車に乗れて、全く自分も同じことを叫ぶあのシーンは、あの日のパパの気持ちがしっかり理解できた瞬間だろうと思う。あそこのAmandaちゃんのはじける笑顔は実に可愛かったすね。
 そして現代編で、大人ケイティが担当することになった少女を演じたのが、2003年生まれのQuvenzhane Wallisちゃんである。彼女はデビュー作『ハッシュパピー~バスタブの少女』で弱冠9歳にしてアカデミー主演女優賞にノミネートされて注目されたあの子です。その後ミュージカルの名作『ANNIE』でも主役を務め、大変立派なキャリアを築き上げているこれまた逸材だ。今回は、売春婦の母を亡くし、ろくでなしの父親も麻薬の過剰摂取で亡くし、と過酷な目にあって言葉を発しなくなった少女を大変見事に演じていたと思う。この子と大人ケイティの心の交流が大変グッときましたなあ。
 あともう一人だけ。過去編で、作家であるパパのエージェントを演じたのが、なんとお久しぶりのJane Fonda女史であった。わたし的には超久々にスクリーンでお目にかかりましたな。現在79歳だそうで、見た目には全くそんな年には見えず、大変若々しいお姿でした。この映画に出ていることを知らなかったし、観終わってエンドクレジットでその名を見るまで、全く気が付かなかったというか、びっくりしました。

 というわけで、わたしとしては大変気に入った作品なのだが、残念ながら世の評価は結構低いようで、RottenTomatoesMetacriticでは残念なポイントになっている。また、興行面でも、US国内でほぼ公開されなかったのかな、全然データがない。ただ、IMDbのレーティングは7.1/10なので、それほど悪くない。これはどういうことなのかよくわからないけど、ほとんどの人が観てない、けど、観た人はそれなりに気に入った、ということなのかもしれないな。まあ確かに、脚本的にちょっと過去と現在が交差する描き方は、悪くはないけれどもう少し整理が必要だったのかもしれないし、現代のケイティのSEX依存もちょっとそぐわなかったのかもしれないすね。

 というわけで、さっさと結論。
 観ようと思ってずっと放置していた『Fathers & Daughters』(邦題:パパの遺した物語)は、観てみたら結構良かった。とにかくパパと娘の愛情たっぷりな作品であり、その愛が強かったゆえに、パパを亡くして心を閉ざしかけた女子が、パパの想いを抱きながら、再び前に歩みだすという、こうして書くとありがちな物語ではあるけれど、なんといっても役者陣の演技は大変すばらしく、わたしは気に入りました。万人にお勧めかというとそれほどでもないけれど、娘を持つおっさんにはアリ、だと思います。わたしに娘はいませんが。以上。

↓ なるほど、Amazonレビューも4つ星か。まずまず、な評価なんすかね、要するに。




 日本における2013年の洋画興行において、おそらく業界関係者が一番驚いた作品は、なんと42.3億もの興行収入を上げた『TED』であろう。わたしも、こういう下ネタ満載のアメリカンギャグ映画が売れるとは全然思ってもみなかった。事実、 公開時は253スクリーンとやや小さめの規模で封切られ、3.2億、3.3億、2.98億と恐ろしく好調な週末興収を稼ぐに至って4週目からは373スクリーンにまで拡大され、その後も順調に興収を重ねたという近年まれに見る「後伸びヒット」をかました作品である。まあ要するに、当初はまったく期待されていなかった作品がグイグイ伸びたという非常に珍しい映画だ。
 監督したのは、Seth MacFarlane。いかにもモテそうにない愉快なおっさんだが、この『TED』はUS国内では2012年の6月公開で2億ドル以上の大ヒットとなり、2013年のアカデミー賞授賞式の司会を務めることとなった。しかし、生来の空気を読まないギャグ体質が残念ながら顰蹙を買い、本人ももう二度とアカデミー賞の司会はやらんと言っているようで、わたしもその年のアカデミー賞授賞式をWOWOWの中継で見たけれど、確かにひどかった。
 ま、そんなSeth MacFaelane氏だが、『TED』の大ヒットを受けて 調子に乗って制作した映画が『A Million Ways to Die in the West』(邦題:荒野はつらいよ~アリゾナより愛をこめて~)である。WOWOW放送を録画しておいた奴を、今日やっと観てみた。

 残念ながらこの映画は、US本国でも4313万ドルと、『TED』の5分の一程度しか稼げなかったし、日本でもまったく売れなかった作品である。あまりに売れなくてあっという間に公開が終わってしまったのでわたしもすっかり見逃してしまっていたのだが、改めて観てみて、なるほど、こりゃアカンと思った次第である。
 物語は、1882年アリゾナを舞台に、彼女に振られてふてくされて引きこもる羊飼いのまったくイケてないおっさん主人公が、街にやってきた悪党をやっつける話である。脚本的には特に見るところもなく、とにかくストーリーに関係ないギャグがそこらじゅうにちりばめられた、Seth MacFarlaneの、Seth MacFarlaneによる、Seth MacFarlaneのための映画であった。そのノリはまさしく悪ノリであり、ギャグもほぼすべてうんこ、SEX、人種差別的なもので、実に下品きわまる映画であった。別にわたしも下ネタに抵抗があるわけではないし、ギャグはギャグとして十分受け止めることのできる男だと思っているが、いかんせん、やりすぎというか、残念ながらまったく面白くないのが致命的である。
 この作品がWOWOWで放送されたのが1月4日なのだが、その日は放送をわたしは観ていたものの、開始19分で寝てしまい、おとといの夜、また観てみようと思って73分ぐらいのところでまた寝てしまい、ようやく今日、3度目にしてやっと最後までちゃんと見た。まあ、そんな映画です。
 この、Seth MacFarlaneという男は、脚本も書くし声優もやればアニメーター、歌手もこなすなど、恐ろしく才能あふれる男なのだとは思うが、ちょっとね……ちょっと無理です、わたしは。ただまあ、すべて確信犯としてやっているわけで、ファンはきっといるのだろう。実際、『TED』は大ヒットしたわけだし。まあ、去年公開された『TED2』は、US本国で8100万ドルに留まり、前作の半分以下に落ちてしまった。ただ日本では25億も稼いだのかな。それは非常に立派な数字である。ちなみにわたしは『TED』はそれほど面白いとは思っていないので、どうでもいいです。この人は。

 じゃあ、なんでわざわざ録画までして観たかというと、出演者がかなり豪華だからである。まず、主人公を振る元彼女を演じているのは、わたしが大好きな三大ハリウッド美女の一人、Amanda Seyfriedちゃんである。『TED2』でもヒロインを演じた彼女だが本作では、またひどい役で、彼女と言えばその大きな目がチャームポイントだが、「このギョロ目女が!!」とひどい言われようであった。そして主人公と恋に落ちて(?)拳銃のコーチをしてくれる女性を演じたのが、MADMAXのフェリオサでお馴染みのCharlize Theronで、本作でも非常に綺麗な美人さんであった。彼女は非常に良かったです。可愛くてカッコイイ。なんでまた主人公のようなイケてない男に恋に落ちたのかは全く理解できなかったけど。そして悪党を演じたのが、マスター・クワイ=ガン、あるいは戦うお父さん・ブライアン・ミルズこと、Liam Neeson氏である。しかしまた、なんでこの映画に出ることをOKしたんだろうか……と思うぐらいひどい扱いで、ケツ出しで失神するぐらいなら5万歩譲ってよしとしよう、だけど、そのケツにお花をブッ刺されて放置されるって……ここはさすがに笑わせてもらいました。そして、恋敵のイヤミな金持ちをNeil Patrick Harrisが演じていて、彼はブロードウェー・ミュージカルの活躍でも有名で、何度もTONNY賞授賞式の司会をしている男だ(2015年も彼でしたね)。本作では、これはたぶんミュージカルが元ネタなのでは? というギャグも多かったのだが、残念ながらわたしにはよく分からなかった。
 そのほか、カメオ出演でいろいろな有名役者が出ていて、おそらくはSeth MacFarlaneがそれだけUS本国では愛されキャラなんだろうな、ということは察することが出来た。チラッと、Back to the Futureのドク本人も出てくるし、今年公開の『DEAD POOL』でお馴染みのRyan Reynoldsも出てたし、ラストはJamie Foxxも当たり役Djangoの姿で出てくるし。まあ、そういう楽屋落ちめいたワイワイガヤガヤ感も、はっきり言って鼻につくと言うか、一人でよがってろ!! というわけで、わたしとしては冷める一方であった。

 というわけで、結論。
 『A Million Ways to Die in the West』、邦題『荒野はつらいよ~アリゾナより愛をこめて~』は、ちょっと日本人にはかなりのビーンボールで、悪球好きの岩鬼でも手が出せない、相当な大暴投であろうと思う。よって、普通のストライクゾーンの持ち主は、黙って見送るほうがよさそうだと思います。以上。

↓ 『TED』ならまだ普通の人にもかろうじて通じるんですが……。サーセン。『2』は観てないです。
テッド&テッド2 ブルーレイ・パック(初回生産限定) [Blu-ray]
マーク・ウォールバーグ
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2016-01-20

 

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