年末年始にかけて、WOWOWで録り貯めた映画をチョイチョイ観ていたのだが、その中で、結構笑えて楽しい(?)というか、意外と豪華な役者と監督で作られた、とんでもないB級作品があったので、そのことを備忘録として記録しておこう。
 WOWOWでの放送タイトルは、『ゾンビ・ガール』 。なかなかセンスのないどうしようもない邦題だが、元の原題は『Burying the Ex』というらしいことを、物語の一番最後に出てくるタイトルコールで知った。意味するところは、「元カノ(あるいは元カレ)を葬り去る」ということで、映画としては文字通り土に埋めて埋葬するのだが、ある日突然死んじゃった彼女が、ゾンビとなって戻ってきてさあ大変! という笑えるコメディーであった。ズバリ、面白かったす。

 この映画が日本でも劇場公開されてたなんて、今この記事を書き始めて調べて初めて知ったのだが、探してみたらちゃんと予告編があったので貼っときます。そして、物語はもう、この予告を観ていただければ分かる通り、そのまんまのお話である。ただ、笑えるポイントとして重要な、主人公の青年とゾンビの彼女の関係についてちょっとだけ補足しておこう。ネタバレもあると思うので、以下は自己責任でお願いします。
 まず、主人公の青年は、ホラーグッズを扱うお店の店員で、ホラー映画が大好き。ただし、店のオーナーの方針で、買い物してくれたお客さんに、Have a nice day~!と言えず、代わりにGo to Hell~と言わなくてはいけないルールなんかがあり、さっさとこんな店を辞めて、自分のお店を開きたいという野望を持っている。基本的にはB級オタであり、ジャンクフードも合成着色料も大好きな、ある意味フツーののんきな青年だ。
 そして一方の彼女は、いわゆる意識高い系で、良くわからない環境NGO的な事務所(?)に勤務していて、好きなものはエコ・オーガニック・リサイクル・ベジタリアンと典型的なスノッブ女子であり、乗っている車も当然TOYOTAのプリウスである。しかも押しが強く、気が強いというか、まあ男目線からすると、ちょっとめんどくさい女子だ。ただし、見た目の美しさは抜群である。
 こんな二人なので、性格や好みが全く合わないというか、いわば正反対なのだが、お互いをパートナーとしたSEXが大好きで、ともに相手の顔と体にメロメロなお熱いカップルなわけです。しかし、とうとう二人が一緒に住もう! ということになって、彼女の方が青年のアパートに引っ越してくる。そして仕事から帰ってきた青年を迎えたのは、スッキリ綺麗に片づけられ、あまつさえ壁も明るいグリーンに塗り替えられちゃったマイルームで、大切にしていたポスターやアイテムも片づけられてしまい、完全に意識高い系の部屋になっている有様であった。
 そしてとうとう主人公は思う。オレ、この女と合わないんじゃね? と。まあ観ている観客からすれば、とうとう、というか、今頃やっと、というか、おせーよ!! とつい突っ込みたくなるわけだが、ともかく、主人公の青年は、もうオレこの女無理、とようやく気付き、別れるしかねえ、という決断を下すことになる。
 主人公は、おっかない彼女になんて言えばいいんだとさんざん悩み、おまけに美女でSEXも最高だし、どうしよう、やっぱり別れるのは無理かも、いやいや、続けることこそ無理だし……とくよくよしながら、ようやく一大決心して別れを告げようと呼び出した、まさに目の前で、彼女は豪快にトラックに跳ね飛ばされ、あの世に直行と相成る。これが予告動画にも入っている映像ですな。
 そして主人公は別れようとしていたといっても、そりゃあ悲しいわけで、しょんぼりしていると……次に、今度は自分の趣味にジャストミートな、ホラー愛好家の可愛い女子と出会っちゃうわけです。しかもやけに積極的で、なんとなくの罪悪感を感じつつも、その新しい彼女に魅かれていく主人公。そんなところに、おっかない元カノが、ゾンビとなってさらに強力にパワーアップして帰って来て、とんでもない事態になる、とまあ、そんなお話であります。サーセン、もう完全ネタバレっすね。そういや、この話の筋道は、だいぶ前に観た『LIFE AFTER BETH』(邦題:ライフ・アフター・ベス)にも似てますな。似てるというか、そのまま、すね、ある意味。

 というわけで、そんな物語なので、バカ話なわけですが、キャストが非常にいいのです。
 まず、主人公の青年を演じたのが、去年不慮の事故で亡くなってしまったAnton Yelchin君。今回は何となく気弱なオタク青年を非常にコミカルに演じていました。とても良かったと存じます。
 そして、おっかないゾンビ元カノを演じたのがAshley Greeneさんという美女で、wikiに載ってる写真はかなり髪も長くて頬がげっそりしているので、相当イメージは違うのですが、この方は、かの『Twilight』シリーズで、吸血鬼一家の長女(だっけ?)のアリスというキャラを演じた方っすね。あの時はショートカットでもうチョイ丸い顔だったけれど、非常に美人&かわいい&スタイルグンバツ女子です。ちょっと検索すれば、そのアリスの時の画像はすぐ出てきますので、相当違うとわたしが言う意味は分かると思います。『Twilight』の野球シーンが超かわいい人です。今回のゾンビぶりも、実に良かったと存じます。
 で、もう一人。主人公が彼女亡きあと付き合いかける、オカルト大衆文化大好きな肉食系女子を演じたのが、Alexandra Dadarioさんという方で、わたしはこの人のことを、その美しい顔よりもですね、大変セクハラで恐縮なのですが、そのデカい豊満な胸の方を覚えておりまして、あれっ!? このデカい胸は知ってる、誰だっけ? と思い、インターネッツ神にお伺いを立てたところ、あっさりその正体は判明しました。そう、この方は去年の夏ごろわたしがWOWOWで見た、『San Andreas』(邦題:カルフォルニア・ダウン:2015年公開)で、THE ROCK様でおなじみのDwayne Johnson氏の娘役を演じていた方でありました。しかも、本作の方が2014年の作品なので古いすね。あ、今、去年の夏にわたしが書いたBlog記事を読んでみたら、その時もデカい胸のことを書いてますね。いや、だって、男なら誰だって無条件で目が行ってしまうと思うのです……。にんげんだもの……。
 そして、最後に、監督のことも書いておきたい。わたしはこの映画を、そのタイトルからしてヤバそうなB級映画だろうな、と、わたしのB級センサーが反応したために録画しておいたわけだが、監督が誰かなんてことはまるでチェックしておらず、映画が終わって、スタッフクレジットを観て初めて知って、非常に驚いた。なんとこの映画の監督は、かのJoe Dante氏ですよ!!!  えっ!?知らない!!? うっそお!! もし知らなかったら、今日限り映画好きの看板は下ろした方がいいと思います。80年代を代表する監督の一人と言っても過言ではないのではなかろうか? かの『Gremlins』や『Innerspace』を撮った方ですよ。この方の映画なんてたぶん20年ぶりぐらいではなかろうか。超久々でびっくりしました。

 というわけで、結論。
 タイトルに魅かれて、どうせつまらねーB級作品だろうな、と思って観た『Burying the Ex』(邦題:ゾンビ・ガール)は、想像以上に大変面白かった。その邦題のセンスは0点だが、映画は役者陣が大変魅力的で、単なるおバカムービーとして片づけるには大変もったいない作品であった。こういう映画、嫌いじゃあないぜ。以上。

↓ すげえ! このパッケージデザインは何ともはや……かなり攻めてますな!
ゾンビ・ガール [Blu-ray]
アントン・イェルチン
松竹
2016-04-06