もう何度も書いているが、わたしは宝塚歌劇を愛しており、その中でも、「星組」が一番好きである。それは、そもそものきっかけが、一番初めに観たのが星組の公演で、その時に柚希礼音さん(通称:ちえちゃん)のあまりのカッコ良さに一発KOを食らったからではあるが、あの衝撃的なファーストインパクトから6年経ったけれど、どの組も観るようになった今でも、やっぱりわたしは星組が一番好きである。
 いろいろなところで、星組ジェンヌの皆さんは、「星組は体育会気質がある」的なことを仰っているような気がするけれど、それは間違いなく、LEGENDと呼ばれる柚希礼音さんことちえちゃんの影響であろうと思う。そしてちえちゃんが退団し、新たなTOPスターに就任した北翔海莉さん(通称みっちゃん)の醸し出す空気は、非常にやわらかく、若干お母さん的存在のようにわたしは観ている。強烈なカリスマとして君臨したちえちゃん退団後の星組を温かく包み込むその空気感は、わたしには若干菩薩めいているようにも感じられていて、皆がのびのびと、そしてきっちりとまとまっているわけで、ちえちゃんが去った今でも、わたしの星組推しはやっぱり変わらない。
 何が言いたいかというと、ちえちゃんとはかなりキャラクターの違うみっちゃんさんであるが、見事に星組をまとめているのは間違いなく、わたしは現在のTOPスターの中でダントツに好きだし、実力も歌・芝居・ダンスの三拍子揃ったナンバーワンではなかろうかと思っているのであります。なので、先日既に今年中の退団を発表されているのが悲しくて淋しくて……もうホント、しょんぼりなのです……つらい……。
 というわけで、昨日は愛する星組公演『こうもり』を観てきた。そして結論から言うと、これまでに観た数十本の宝塚歌劇の演目の中で、1位……ではないかもしれないけど、とにかくここ数年では一番面白かったのである。最高でした。

 というわけで、今回の演目は、かの有名な、Johann Strauss IIのウィーン・オペレッタの名作『こうもり』である。わたしは大学・大学院でドイツ演劇を勉強した男であり、当時の友人がこの作品で卒論を書いていたことがあって、その女子と一緒に研究室のビデオでドイツ語原曲Verを観たことがある。非常に懐かしいが、いわゆるドイツ語による「ウィーン・オペレッタ」の代表作であり、とても楽しい作品だ。ストーリー的には、今回の宝塚版はかなり原作とは違っていて、特に、わたしの愛する礼 真琴ちゃん(通称:ことちゃん)の演じたアルフレードの役割というか素性が全然変わってるんじゃないかな? しかし、それでもまったく問題なし。大変笑わせてもらったし、明るく陽気で楽しい物語になっていた。最高です。
 で。各キャストについて、ちょっとまとめておこう。
 ■ファルケ博士
 演じたのはTOPスターの北翔海莉さん(通称みっちゃん)。いやー、本当に歌がうまいし、ダンスもキレがあって、芝居も素晴らしい。最高です。退団してしまうのがわたしは本当に淋しい……今回、ショーの『THE ENTERTAINER』では、ピアノの弾き語りがあるわけですが、その歌詞がですね……なんかさよならショーのような内容で、わたし、もう本当に淋しくなってしまって、たまらなかったです。染みたなあ……。青いバラの花言葉はDream Come Tureですよ。
 もう、これはあれか、退団公演はまたムラ遠征しろってことかもしれないな……チッ……こうなったら一人で行くしかねえかもな……スケジュール調整をして平日行って観よう!! 決めたもう!! 行くぜ!!
 ■アイゼンシュタイン公爵
 演じたのは2番手スター紅ゆずるさん(通称:紅子)。この人ももう、大好きすぎる。特に、高田純次ばりのテキトーな面白小悪党を演じさせたら、この人は確実にナンバーワンだと思うな。大阪人としての持ち前のサービス精神あふれる紅子の演技はいつ観ても楽しい。前作『GUYS & DOLLS』も明るく楽しい作品で素晴らしかったけれど、今回も本当に笑わせていただきました。最高です。ところで、次の星組TOPは紅子がなれるんだよね? 大丈夫だよね?
 ■アルフレード(アイゼンシュタイン公爵家の執事)
 演じたのは、わたしが今イチオシの礼 真琴ちゃん(通称:ことちゃん)。この人はとにかく歌が最強レベルに巧い。そして、素で可愛いんだよな……。わたし、今回、会場でことちゃんのファンクラブの申込書をもらって来ました。タレントのファンクラブに入るのなんて初めてですが、入会させていただくッッッ!! 今回も大変素晴らしかったと思います。ショーでも大変カッコ良かった。最高です。
 しかし、ことちゃんが今後もずっと星組でいられるのか、理由はないけれど、なんか心配でならない。何もなければ、紅子の次にTOPになれるはずだが、若干身長が低いからな……月とか雪に異動になったら、オレ、泣くよ!? 頼むからずっと、星組でいて欲しいのだが……。
 ■アデーレ(アイゼンシュタイン公爵家の侍女)
 演じたのは娘役TOPの妃海 風ちゃん(通称:ふうちゃん)。今回は原曲キーのままで、大変苦労したと先週の「Cafe Break」で仰ってましたが、とても伸びやかな歌声で、まったく問題なしだったと思う。最高です。
 ふうちゃんも、みっちゃんさんと同時退団予定なので、大変残念です……次の星組娘役TOPは誰になるんすかねえ……。いっそ、月から海乃美月ちゃんでも転校してきてくれないかな……。
 ■オルロフスキー(ロシアの皇太子)
 演じたのは、去年専科に異動になった星条海斗さん(通称:マギーさん)。月組時代から何度も拝見していますが、今回はかなりコメディタッチな役を楽しく演じてくれました。そして、ショーでは女性役をやって、恐ろしく美しいおみ足を披露してくれてびっくりしたよ。まあ、とにかくお綺麗でした。最高です。
 ■フランク(刑務所長)
 演じたのは十輝いりすさん(通称:まさこさん)。彼女は今回の公演で退団を発表しており、これまた大変淋しい……。宙組から移籍してきたのがもう4年前か……以来、わたしは彼女のことを「宙から来たでっかい人」としていつも注目していました。ちえちゃんと同期の85期生なんだよね。いつもその長身で存在感たっぷりだったまさこが退団か……悲しいなあ……今回、ショーではマギーさんと共に女性役を披露してくれました。いやあ、やっぱり抜群にお綺麗ですよ。最高です。

 主なメンバーは以上な感じかな。
 とにかく、今回は、オペレッタ原作だけあって歌も多いし、雰囲気もとても楽しく、まさしくタイトル通り、「愉快な」作品でありました。そしてショーの方は、随所に「有難う」というみっちゃんの気持ちがあふれていて、派手なシーンもしっとりしたシーンも、とてもキラキラしていたと思います。みっちゃん……もうちょっと、せめてあと2本ぐらいは大劇場公演して欲しかったなあ……。まあ、とにかく、ラストとなる秋の公演は、絶対にムラ遠征して、さらに東京でも観に行って、この目に北翔海莉という偉大なるTOPスターの雄姿を目に焼き付けようと思います。はーーー。作品はめちゃめちゃ笑える明るい作品だったし、実際まだ先なのに、なんかもう、すげえ淋しいっすわ……。
 というわけで、毎度お馴染みの、今回のイケ台詞の発表です。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思った台詞のこと。
 「さあ、愉快な復讐劇の開幕だ!!! いてて……」
 今回はコメディーなので、カッコイイという意味でのイケてる台詞は少なく、また歌率も高いので悩んだのですが、やっぱり冒頭の、復讐だけど、笑える愉快な復讐をしてやる!! というこの台詞がわたし的には一番気に入りました。「いてて……」はですね、二日酔いで頭が痛いのですw とてもこの作品を象徴していた台詞だと思います。

 というわけで、結論。
 わたしは宝塚歌劇の中で、ダントツに星組が好きである。そして現在公演中の『こうもり』という作品は最高に笑えて最高に楽しい、ここ数年ではナンバーワンに気に入った作品でありました。たぶん、宝塚初体験の方にもおススメできる、物語的に分かりやすく、また歌の巣晴らしい作品だと思います。これは……マジでBlu-rayが出たら買うべきかもな……つか、出るのかな? 前作『GUYS & DOLLS』がやっと出たので先に買おう!!
 えー、業務連絡です――Blu-ray買ったら、うちの4K-TVで上映会をしますので、ぜひお集まりください!!>このBLOGを読んでいるわたしを知っている皆様。以上。

↓ 版権の問題などいろいろあって、やっと6月に発売決定!! やったーーー!! オレは買うぜ!!