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 ほぼ1年前のこのBlogにおいても書いたが、わたしの愛するWOWOWは、今年も『トニー賞』授賞式を生放送してくれた。今年で第71回になるトニー賞だが、去年も書いたので今さらトニー賞ってなんぞ? とはもう説明はしません。まあ、素人的には演劇のアカデミー賞的な理解で十分だと思う。詳しくは、WOWOWのWebサイトでも見といてください。http://www.wowow.co.jp/stage/tony/
 さてと。まあ、今年もWOWOWの放送は大変頑張ってくれたわけで、4時間半ぐらいの大ボリュームで楽しませてくれたのだが、わたしは例年、PCのディスプレイの片隅にWOWOWのオンデマンド放送を写しながら、仕事中に観ていたのだが、昨日は若干忙しくて、帰ってからゆっくり録画を観た。
 えーと、どうしようかな、わたしが面白かったポイントをそれぞれ箇条書きにして、コメントを付けていくとするか。思い出した順なので、式の進行と一致しないであろうことをお断りしておく。
 ◆WOWOWの司会&ゲスト
 今年も、メイン進行は八嶋智人氏&宮本亜門氏のコンビで、八嶋氏のちょっとしたボケや亜門氏の熱いトークは毎年大変楽しめますね。亜門氏はホントに大変凄い人なので、日本人はもっと亜門氏をスゲエと思っていいと思うんだ……。そして、今年も歌って盛り上げてくれたのはご存知プリンス井上芳雄氏。もうお馴染みですな。若手ナンバーワンと呼ばれるミュージカル界の実力者。何気に背が非常に高いすねえ。で、今年はもうひとり、最後まで芳雄氏とともに一緒に盛り上げてくれたのが、ジャニーズ界のナンバーワン・ミュージカルアクターとしてもうお馴染みの、V6の坂本昌行氏。今回、冒頭で芳雄氏と坂本氏が、二人で『LA LA LAND』の「City of Stars」と「Another Day of Sun」を歌って踊ってくれました。大変カッコイイ! でも、『LA LA LAND』の曲は男二人じゃなくて、女子と絡んでほしかった……。
 ◆今年の司会は―――Kevin Spacyおじさんだ!
 わたし的にKevin氏の名を聞いて真っ先に思い出すのは、『SEVEN』のあの犯人役かな。最近のTV的には『HOUSE OF CARD』でもお馴染みだろう。ハリウッドが誇るオスカー男優である。そんな映画・映像界の大御所的存在ですが、この人は実は結構歌えるおじさんで、すでに1991年にトニー賞も受賞している実力派だ。まあ、今回の司会振りは、それほど超すごくはなかったけれど、おじさんなりに超大変頑張っているのが伝わってきて、上から目線で大変恐縮だが、なんか好感が持てましたな。

 ↑ これは冒頭の司会者パフォーマンス。Kevinおじさん大活躍で、作品賞ノミネートの各作品のメドレー。オレが司会なんてできるのかなあ?的なストーリーになっていて、歴代司会者が大丈夫だよ、とちらちらと出てくる。とにかく歌を聞いてみてくださいよ。大変イイ感じです。去年のJames Corden氏のような軽妙さ、3年前のHugh Jackman氏の強力なパフォーマンスとはちょっと違う方向の、やや落ち着きのある堅実な司会振りだったと思う。ラストのタップダンスも大変お見事でした。
 ◆そして伝説へ――大御所Bette Midlerおばさま、ブロードウェイに帰還!
 今回のトニー賞で大きな話題となっていたのが、御年71歳の大御所Bette Midlerおばさまが40年ぶりぐらい(?)にブロードウェイの舞台に立って主演した『Hello, Dolly!』だ。もう、各専門家は、Betteおばさまの受賞は当たり前すぎて授賞式要らねえんじゃね?というほどの大絶賛で、連日満員の大変素晴らしいパフォーマンスらしい。まあ、結果、ミュージカル主演女優賞を受賞され、大変うれしそうなおばさまでした。ただ、トニー賞授賞式の一番の特徴は、ミュージカル部門でノミネートされている作品は舞台上でパフォーマンスをしてくれる(=歌ってくれる)のがお約束なんだけど、Betteおばさまの歌が聞けなかったのは大変残念でした。なんでも、現在上演中の『Hello, Dolly!』は、宣材写真とか映像は、1枚のスチル以外は一切なくて、観に来れば分かる、的なプロモーションなんですと。受賞とスピーチの様子は↓こんな感じ。

 スピーチが長くて、音楽がかかって来ても、ちょっと、人がしゃべってるのに音楽流さないでくれる!? とお茶目に喋り続けてましたw
 ◆我が愛しの女神、Cate Blanchett様、ブロードウェイ初見参&トニー賞初ノミネート!
 もうホントお美しい……何度もこのBlogで書いていますが、おそらくわたしは、Cate様を目の前にしたら、全身の力が抜け、自然と額づいてしまうと思うね。しかし! あろうことか! 実に残念なことに! Cate様がブロードウエイ初主演された『The Present』という作品(※ミュージカルではなくストレートプレイ)は、もう上演が終わっているのです。たぶんそのせいだと思うのだが、Cate様は授賞式は欠席でした。はーーーー超残念。また美しいドレスを纏った女神の姿を拝謁できると思ってたのに……。
 ちなみに、トニー賞には、ノミネートも当然そうだし、プレゼンターとしても、ハリウッドスターが数多く登場し、映画オタクのわたしでも大変楽しめるのであります。今年は、例えば演劇部門の主演男優賞を受賞したのはKevin Klein氏(最近では『Beauty and the Beast』のBelleのお父さん役でお馴染み)だし、プレゼンターでは、わたしの大好きなScarlett Johansson嬢やAnna Kendrick嬢といった美女たちも登壇してくれました。そういや、JEDIの騎士ルーク・スカイウォーカーでお馴染みのMark Hamill氏も登壇されてたっすね。
 ◆ミュージカル界の新星登場!
 わたしは当然観ていないので、どんなもんじゃろう?と思っていたのが、今回ミュージカル作品賞にノミネートされ、結果として見事栄冠を手にした作品『Dear Evan Hansen』。この作品で主演し、見事ミュージカル部門主演男優賞を受賞したのがBen Platt君23歳。で、実際に歌を聞いてみたところ、これは本物だ。スゲエ。

 この動画単体ではわからないかもしれないけれど、歌、というか、演技というか、その両方が自然と一体化してるんですな。芳雄氏、坂本氏、亜門氏、八嶋氏揃って大絶賛でしたね。
 ◆おめでとう、ローリー!
 おととしわたしがブロードウェイで観て、大興奮した、Stephen King原作の舞台版『MISERY』。そこでタイトルロールのミザリーを演じたのがLaurie Metcalfさんなのだが、今回、『人形の家Part2』(なんとあのイプセンの名作のその後を描いた続編だって!)という作品で演劇部門の主演女優賞を受賞され、わたし的に大変うれしかったすね。ミザリーもすごいお芝居で、超怖かったす。ずっと前に貼った写真をもう一回貼っとくか。
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 あーあ……またNYCに行きてえなあ……なお、去年の授賞式は会場はセントラルパークの方のだいぶ北にある劇場だったのだが、今年は再びRADIO CITYに戻りました。
RADIOCITY
 でもなあ、NYCは一人で行っても淋しいだけだからなあ……特に夜は……なんか予定をきっちり詰め込んで淋しさを感じる暇がないようにしないと、わたしのようなぼっち野郎にはちょっとキツイ街っす。
 ◆WOWOW恒例ゲスト――『Beautiful』なお二人と『Billy Eliot』の少年二人のお見事なパフォーマンス!
 今回は、ラストにゲストとして、来月から日本で上演が始まる『Beautiful』から、W主演の平原綾香ちゃんと水樹奈々ちゃん、それからもう一つ、『ビリー・エリオット~リトルダンサー』からは二人のちびっ子コンビが登場し、それぞれ歌と踊りを披露してくれた。わたしは両方ともすでにチケットをGetしているので、超楽しみですな! 『Beautiful』の二人は、やっぱり当然歌い方や声が違うわけで、わたしが観に行くのは平原綾香ちゃんVerだけれど、俄然、水樹奈々ちゃんVerも観たくなったすね。そして『ビリー』のちびっ子のまあなんと達者なことよ! 凄いなあ! 1年にわたって超特訓して上演に備えているそうで、まあホントご両親からすれば可愛くてたまらない自慢の息子でしょうな。こちらも、わたしは出演する元宝塚TOPスター柚希礼音さん目当てで観に行くつもりだったけど、ちびっ子たちは相当、強力に、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれそうですよ。コイツは楽しみだぜ!
※追記:東宝が平原綾香ちゃんと水樹奈々ちゃんのWOWOWでのパフォーマンスをUPしてくれたので貼っときます。


 というわけで、もう長いので結論。
 昨日、帰ってから真っ先に観始めた第71回トニー賞授賞式だが、今年も大変大変楽しめた。まあ、はっきり言って同時通訳は例年通りのクオリティで若干アレですが、週末には字幕版も放送されるので、そちらでももう一度楽しみたいと思う。そしてWOWOWのミュージカル推しは大変ありがたく、スタジオゲストもたいへん楽しませてくれた。ホント、WOWOWは分かってますな。大変よろしいかと存じます。そして、ミュージカル好きはWOWOWに加入するのはもはや義務なんじゃねえかしらと思います。以上。

↓ 一応、事前にちゃんと予習しておく予定です。ずっと前にWOWOWで放送されたのを保存してあるはず……。

 今週の月曜日は、アメリカで第70回TONY AWARDの授賞式があった(※現地は日曜夜)。
 TONY賞ってなんぞ? と言う人はいないとは思うが、Wikiからそのまま引用すると、
 <トニー賞は、正式にはアントワネット・ペリー賞と呼ばれる、アメリカン・シアター・ウィングおよび全米劇場プロデューサー連盟により授与される、アメリカ合衆国の演劇及びミュージカルの賞>である。まあ、一般人的には、アメリカの演劇版アカデミー賞、みたいな理解でいいんじゃないかと思う。正確には全然違うけれど。
 このTONY AWARDは、2年前からWOWOWでその授賞式を生放送で観ることができるため、わたしも2年前から観て楽しませてもらっている。2年前の司会はHugh Jackmanだったが、まあ、そのパフォーマンスの凄さは、観てない人にはうちに呼んで観せてやりたいほどだ。本当にカッコ良くて素晴らしかった。そして2年前は、『Aladdin』のパフォーマンスが凄くて、こりゃあ観たいとワクワクしたものだ。そして去年は、我らがKEN WATANABE氏が『The KING and I』でノミネートされ、しかもそのパフォーマンスは恐ろしくカッコ良くて、ああ、オレたちの謙さんはもはや完全に世界のKEN WATANABEになったんだ、と改めて嬉しくなったものである。 
 ところで、さっきから、わたしは何度も「パフォーマンス」と言う言葉を使っているが、ここが映画のアカデミー賞とちょっと違うところで、ミュージカル部門のノミネート作は、劇中歌をステージで1曲か2曲、歌ってくれるんだな。本番の衣装で。そして、司会もめっちゃ歌うわけです。 ミュージカルを愛してやまないわたしのような人間には、それがもうたまらんわけであります。

 ↑これは、今年の司会のJames Corden氏の、オープニングのパフォーマンス。司会者からしてこれだもの。ホント凄いわ。ちなみにこの人は、えーと、分かるように説明すると……そうだなあ、日本では去年公開された映画版の『Into the Woods』のパン屋さんを演じたあの人っすね。US本国では、CBSの深夜番組『The Late Show with James Corden』の司会者としてお馴染みで、歌って踊れる太っちょなおっさんとして有名で、この人自身も、2012年のTONY WINNERです。
 で、↓のこれは今年の大本命『HAMILTON』のパロディを司会者がやる場面。ほんとにもう、芸達者極まりないすな。

 そして↓これが、授賞式の途中でも流されていた、『HAMILTON』の主役であり、脚本を書き、曲を書いた現代の超天才、Lin-Manuel Miranda氏(=助手席のロン毛の男)と一緒に、マンハッタンを車で流しながら歌いまくる動画です。まずは『HAMILTON』の曲を歌いながら、3分20秒ぐらいに参加してくるほかの3人と『RENT』の「Seasons of Love」や、『Jersey Boys』でお馴染みの「Can't  take my eyes off」、それからラスト、8分20秒ぐらいからは『Le Miserables』の「One Day More」といった、有名な名曲をカラオケで熱唱してくれます。最後のレミゼの歌は、第1幕のラストの、あのすげえ盛り上がる曲なので、ご存知の方も多いでしょう。つか、知ってる人なら、この動画を観たら、マリウスのエポニーヌの扱いに笑えるはずです。ヒドイ扱いで可哀相・・・・・・ww とにかく、すっごいよ。ホントにもう感動的で超必見です。

 これは前述の『The Late Show with James Corden』の、「Carpool Karaoke」という名物コーナっすね。リンク先の、VIDEOってところをクリックすると、他にもいろんな超豪華な、スーパー・アーティストと車の中で歌いまくってる動画がいっぱい見られます。ちゃんと公式サイトなので、違法動画ではないのでご安心を。この企画、絶対日本でも面白いと思うのだが、テレビ東京あたりでパクらないかな……。
 とまあ、こういった動画を観ると、うおー、すげーー、と思うでしょ? え? 思わない? そうすか……残念ながらわたしと友達にはなれそうもないですな。さよなら。

 というわけで、わたしと友達になれそうな方は、以下、続きます。
 今年のこの授賞式の会場は、これまでの「RADIO CITY」から場所を移し、アッパー・ウエストの「Beacon Theater」で行われたそうです。セントラルパークの左っかわの、American Museun of Natural History(アメリカ自然史博物館=映画『ナイト・ミュージアム』の舞台)まで北に行かないあたりのBroad Way沿いみたいすね。位置的には。要するに、Times Squareからかなり北の方ですな。で、WOWOWの放送で言っていたけど、入場料が1,500US$だそうだ。つか、チケット買えば一般人でも入れるってことなのかな? まあ、そうなんだろうな。しかし1,500$って……17万弱だよな。高っけえ。でも、WOWOWの解説によると、キャパが「RADIO CITY」よりかなり小さいので、チケット代も値上がったんですと。
 で。
 結論から言うと、もう既にいろいろなところで報道されている通り、今年は『HAMILTON』が11部門で受賞してミュージカル部門は圧勝だったわけですが、ここで一つちょっと説明しておくと、カテゴリー的には、
 ◆ミュージカル部門
 ◆リバイバル・ミュージカル部門
 ◆演劇部門
 ◆リバイバル演劇賞
 と、4つに分かれていて、それぞれで作品賞が決まり、主演男優/女優、助演男優/女優といった個人賞はミュージカルと演劇と2つのカテゴリーになる。その際、新作でもリバイバルでもどちらでもOK、なんじゃないかな。去年の謙さんは、リバイバル作品での主演男優賞ノミネートだったわけだ。
 で、ですね。わたしが何ゆえここまでTONY AWARDはすげえ、と興奮しているかというと、実は映画ファンが観ても非常に面白いんだな。なぜなら、ハリウッドスターもかなりノミネートされるし、プレゼンターでも出てくるし、とにかく豪華なわけです。今年もですね、ノミネートされたハリウッドスターとしては、演劇主演男優賞にノミネートされたセクシーハゲでお馴染みのMark Strong氏だとか、演劇助演男優賞では、『Man of Steel』のゾット将軍でお馴染みのMichael Shannon氏だとかがノミネートされているし、プレゼンターでは、先日わたしは観たばかりの『SOUTHPAW』で主役を演じたJake Gyllenhaal氏も出てきたし、何よりですね、今現在、わたしが一番好きなハリウッド女優であるCate Blanchett様も出てくるわけですよ。まあ、そりゃあ、Cate様の美しさといったら、本当にもう、たぶんわたしは生で出会ったら失神するだろうね。確実に。
 とにかく、そういったスター勢ぞろいで、おまけに歌のパフォーマンスも素晴らしく、完全にSHOWなわけです。これは、USアカデミー賞の授賞式でも同様で、楽しいわけ。観てるだけで。
 で、観ていて思ったわけです。
 日本の、「日本アカデミー賞」でしたっけ? あの貧相なことと言ったらもう、恥ずかしくなるね、と。なんでアレ、ホテルの広間で、おまけに丸テーブルでやってんだろう? 映画の祭典だったら劇場でやればいいのに。帝劇でも、シアターオーブでもいいと思うんだけど、まあ、なんか事情があるんだろうな……すぐ、席から立てないからダメなのかな……。まったく興味ないからもう最近は観てもいないけれど、ホント、あれじゃあなあ……完全に身内のお疲れ会じゃん……てなことを思ったわけです。おそらくは、一番肝心なのは、司会を出来る役者がいない、ってことなんだろうなと思う。これじゃあ、本当にどんどん邦画はガラパゴス化してしまうというか……それでいいのかねえ……。なんか、邦画の未来は明るくねえなあ、と、TONY AWARD授賞式を観て思ったのでした。

 というわけで、結論。
 実は一番言いたかったのは、Cate Blanchett様が相変わらずお美しく、もうドキドキしながら楽しく観たよ、ってことです。そして、また今年もNYCへ行くべきかもな……という気がしてきた。とにかく、NYCに5~7泊ぐらいして、毎日Broad Wayでミュージカルと芝居を観まくりたいですな。あと、WOWOWの中継はとても素晴らしいと思います。今回はいろいろなゲストが出てくれて素晴らしかったし、オープニングの井上芳雄氏のパフォーマンスも、やっぱりカッコ良かった。芳雄ちゃんは絶対に英語を勉強して、Broad Wayへ進出すべきだと思います。以上。

↓ NYCに行く前に、きっちり予習しておかないと……わたしの英語力では確実についていけない……。しかしこのロゴデザインのセンスも抜群だと思いませんか?
Obc: Hamilton
Original Broadway Cast
Atlantic
2016-01-15

 というわけで、NY滞在のDAY-03の夜に観たのが、『Aladdin』である。
 昼間に『MISERY』を観て、相当テンションが上がっている中、次は、もっとハイテンションの明るく楽しいミュージカル『Aladdin』である。この作品は、去年のTONY賞の授賞式をWOWOWで見て以来、あの主演男優賞(?)を獲得したジーニー役の太っちょのおっさんことJAMES MONROE IGLEHARTさんのパフォーマンスが非常に素晴らしくて、あー、これはすごい。観たいなーと思っていた矢先に、劇団四季から日本語版上演の発表がなされ、マジか!! と興奮した思い出のある作品である。そして劇団四季の公演は今年の5月から始まったのだが、チケット発売開始が3月だったかな、あっという間に今年いっぱいの公演チケット20万枚が完売してしまったそうで、劇団四季の新記録を更新したのだそうだ。わたしは、運よく5月のチケットをゲットすることができて、すでに鑑賞済みである。やっぱり、この作品は、ジーニーのハイテンションぶりがすべてを左右すると言っても過言ではなかろうと思う。まあ、とにかく歌って踊って大騒ぎ、それがまた非常に陽気で楽しいんだな。音楽も超ノリノリで素晴らしく、観ていない人は、絶対に観に行った方がいいですよ。ホントにこれは超おすすめです。

 ↑こちらが劇団四季Ver. ↓こちらがBroadway Ver。

 で。今回NYに行くことになって、真っ先に思ったのは、『Aladdin』が観たい! というものだったので、『WICKED』同様に日本でHISのWebサイトでチケットを手配した。で、あてがわれた席が6列目とまたかなり前だった。けど、またしても右の端っこ付近で、やっぱりどうしてもセットが邪魔で、一応許せる範囲ではあるけど、舞台奥が見えにくいという微妙席であった。なお、客層は昨日の『WICKED』よりも断然ファミリー率が高く、また、日本語で話している日本人客もちらほらと見かけた。
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 なお、お話は基本的にDisneyアニメのまま、ではある(11/23追記:今ちょうどWOWOWでアニメをやっていて改めて見たところ、ごめん、結構違うな、ストーリーも。ミュージカルのほうが明るく陽気だね)。ただ、アニメだと動物のキャラが、ミュージカルでは人間に置き換わっていたりする。わたしが劇団四季版を見て、とにかく大爆笑したのが、悪党のジャファーとその手下のイアーゴのコンビなのだが、イアーゴはアニメではオウムだったので、そういう風にちょっとだけ変わってはいる。
 あと、とにかくすごいのが、「魔法のじゅうたん」で、これ、全く仕掛けが分からない。吊ってるワイヤーは全く見えないし、下から支えてるわけでもない、しかもぐるぐるくねくね、相当自由に空を飛ぶ。実は、劇団四季版を観たときに、なんだアレどうなってんだ!? と度肝を抜かれたので、NYでもう一度、とにかく超・ガン見して見極めてくれるわ!! と思って、実際ずっと見ていたのだけど、やっぱり全然わからなかった。なんなんだ?? どうなってるんでしょう、あれは。今回は端っこ席だから、むしろじゅうたんに注目しやすいかも、と思って、実際すごく近かったにもかかわらず、全くわからない。こいつはマジでMagic Carpetだぜ、とホントにすごいと思った。
 
 まあ、どうしても劇団四季版とBroad Wayどっちが素晴らしかった? と聞かれると思うのだが、そりゃもちろん我々日本人は、劇団四季版を観た方がいいと思う。言葉が分からないと意味ないでしょ。で、今回BroadWayで体験して、やっぱり、だいたいは分かる、けど、とにかくジーニーを筆頭にスーパーマシンガントークでしゃべり倒す、歌いまくる、ので、ギャグなんかはさっぱりわからなかった。
 だけど、さすがオレの認めたジャファー&イアーゴだね。あいつら、何言ってるかわからなくても、その芝居ぶりだけでもとにかく笑える。イアーゴは、劇団四季版ではちょっと背の低い、サルっぽい役者さんだったけど、BroadWayでは太ったおっさんだった、ので、ちょっとイメージが違っていて、アレッ?と思ったのだが、中身は全く一緒で本当におかしな奴で笑わせてくれました。イアーゴはもう出てくるだけで笑える。最高です。で、親分のジャファーに関しては、これはわたしは日本で観た劇団四季版のジャファーの方がわたし好みであった。だって、美声の持ち主というキャラであるわけだけど、日本の役者さんの方が圧倒的に美声だと思った。なんという役者さんだったか、今、手元にデータがないんだよな……。帰ったらまた調べときます。
 そして、ジーニーである。JAMES MONROE IGLEHARTさんはこの役でまさにTONY賞を受賞したわけだけど、やっぱりそのパフォーマンスは圧倒的で、もう素晴らしいの一言に尽きる。TONY WINNERは伊達じゃなかった。そして、劇団四季版でのジーニーももちろん素晴らしかったけど、今回本場を見て、改めて、非常に丁寧にかつ完璧に、JAMES MONROE IGLEHARTさんのジーニーぶりを研究したんだな、ということが良くわかった。わたしは劇団四季版ジーニーにも、もちろん大満足です。
 あと、本来の主人公であるアラジンとジャスミン姫ですが、ま、この二人はいいよね省略で。もちろん、素晴らしいですよ。二人が「魔法のじゅうたん」に乗って「A Whole New World」を歌ってくれるのも、とても良かった。でも、一言だけいらないことを言わせてもらうと、やっぱり私は日本人女性の方が好きですな。ジャスミン姫の衣装は、結構セクシー系で、四季版でも今回でも、ええ、堪能しました、はい。あのですね、わたしがとりわけスケベだから、ではなくてですね、男なら確実に視線がそこに行くのは、もう生物的に、自動的にそういう仕組みになってるので許してください。
 そうだ、昨日『WICKED』で書き忘れたのだけれど、『WICKED』も『Aladdin』も、生オケの生演奏だった。劇団四季は、基本生オケじゃないよね? あれ? わたしの勘違いかな?

 というわけで、結論。
 『Aladdin』も、やはり素晴らしかった。そして、本場を見てあらためて、劇団四季版もすげえな、と思った。負けてないと思うよ。もう一度観に行きたいけれど、次はいつぐらいのチケットが取れるもんなんじゃろか……。

↓ 一応、予習しておくと、より楽しめるかも。でも、圧倒的にミュージカルの方が楽しいと断言できる。

  

 というわけで、NY滞在のDAY-01に、TIMES SQUARE周辺をうろついていて、うおお!? マジか!! と一番驚いた出来事は、2日前に書いた通り、実はこれを見かけたときである。
 ↓これね。
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 わたしの大好きなStephen Kingの『MISERY』が、なんとあのBruce Willis主演で舞台化されていたのである。いや、実際のところ、そういう情報は得ていたのだけれど、まさかホテルから歩いて3分のところにある劇場でやっているとは思わなかった。なので、どうしよう、これは観るべきですよね? と一晩悩んで、DAY-02 に劇場に行き、チケットは買えるのかを聞いてみたところ、DAY-03の昼の回を希望してみたら、「HAHAHA!! 水曜日の昼の回、一人かい? OK、調べてみるよ……おっと、1枚でいいならVery Good Seatがあるよ!! ラッキーだね、Sir !!」なんてことをまくしたてられ、よっしゃ、じゃそいつをもらおうか!! と思わず日本語で言ってしまってから、英語で言い直して買ってみた。
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 席は、E列というから、5列目かなと思っていたけど、実際は、最前列と2列目がAA、BBという列があって、7列目であった。そしてど真ん中の位置である。これは確かにいい席だ、素晴らしい。と劇場に入って初めて分かった。なお、このBROADHURST THEATREは、キャパシティ的にはたぶん1000人は入らないぐらいの中小規模劇場で、2階席は解放していなかったようだ。ま、日本の感覚だと十分にデカいけれど、横に広くて、列数は少ない印象で、非常に芝居向きの劇場だと思う。外観は↓こんな感じ。
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 ちなみに、この劇場の向かい側、すなわちこの写真を撮っているわたしがいる側を30mほど西へ進むと、今年のアカデミー作品賞受賞作でおなじみの『Birdman』で出てくるSt.JAMES Theatreがある。つまり、Michael Keatonがパンイチで歩くあのシーンは、まさに今わたしが立っているあたりだ。で、開場の15分前ぐらいに劇場前に行ったら、意外と行列ができていて驚いた。が、もちろん全席指定なので慌てる必要はなし。ぼんやり撮影などしていたらすぐに開場になって、入場できた。セットは非常にコンパクト。劇場が横に広いとさっき書いたけれど、ステージ自体はそれほど大きくなくて、極端に言うと半円形のような感じになっているわけです。
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 芝居が始まるまで、↑この、アニー・ウィルクスの家の外観がステージにはセットされている。で、場面ごとに、ぐるーっと舞台が回転して、寝室になったり玄関先になったり、キッチンになったりするわけです。簡素な割にはすごくよく考えて作られていました。Kingの『MISERY』を読んだ、映画を観た、という人なら、↓この写真で結構ピンとくるのでは? ポール監禁部屋ですな。これは終演後、みんな撮影してたのでわたしも撮ってみた。
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 ところで、『MISERY』について、一応、ごく簡単にどんなお話か説明しておくと、主人公ポール・シェルダンは人気作家である。人気シリーズ「ミザリー」の完結編が発売になる間近の彼は、すでに新しい別の作品を書き終わり、その原稿を持って、雪の降りしきる中、山道を車でかっ飛ばしていた。が、途中で案の定大事故を起こし、崖下に転落、雪の中に消えてしまう……そして、そんな彼を救ったのが、ポール・シェルダンの世界一の大ファンを名乗る元看護婦の中年女性だった。名をアニー・ウィルクスという彼女は、自宅でポールを介護するのだが、ポールとしてはさっさと病院なりエージェントに連絡してほしいのに、「いやー雪で電話線が切れてるのよねー」みたいなことしか言わない。なんなんだこの女? と思いながらも、そこらじゅうが骨折しているポールは身動きが取れない。そしてその後、「ミザリー」シリーズ完結編が発売になり、発売日に買いに行ったアニーは、さっそく読んで、完結編では主人公ミザリーが死ぬことを知ると、態度が激変する。「よくもわたしのミザリーを殺したわね!! あたしのために、「ミザリー復活」の新作を書きなさい!!!」とイカレた要求をしだすのであった……という、ひじょーーにおっかないお話です。
 基本的に、登場人物は、ポールと、アニーと、保安官ぐらいしか出てこない。そして密室が舞台となるわけで、良く考えたらこれほど演劇に適した小説はないんじゃね? と思うほど、舞台演劇にとって都合のよい物語で、実際、非常に舞台は楽しめました。
 で、わたしがこの芝居で、ちょっと驚いた点や、なるほど、と思ったことがいくつかあったので、以下まとめておこう。正直、非常によく考えられて作られた芝居だったと思うな。
 1)物語の始まり
 ファーストシーンは、うす暗闇の中で、ベッドに横たわる男と、それをかいがいしくいたわる女性である。つまり、もう事故後のアニーの家で、ポールが意識を取り戻すところから芝居は始まる。これはナイスアイディアですね。本当は、ポールが新作を書き終わるところから始まるんだけど、その辺は一切カット。これはアリですな。なお、上演時間は1時間45分の休憩なし。非常に集中した緊張感あふれる芝居でした。
 2)小道具類
 舞台上で火は使うし、ワインは飲むし、火薬も使うしでちょっと驚いた。少なくともわたしは、演劇の舞台上で火を使うのは初めて観たような気がする。『MISERY』を知ってる人なら、火を使うシーンと言ったらピンとくるのでは? ヒントは「原稿」。そう、あのシーンはホントに燃やしちゃって、Bruce Willisが、アチチッ! という顔でちょっと笑っちゃった。火薬は、銃です。銃を使うシーンは……ヒントは「保安官、うしろうしろー」ですな。あのシーンも、いきなりズドンと来て、メリケン客たちは一斉にびくっとしてました。わたしの隣に座ってたおばちゃんはギャッ!! と悲鳴上げました。
 3)マイクはナシ。生声での芝居
 明らかに、マイクはナシだった、と思う。明確に役者の方向から声は聞こえたし、マイクらしきものも見当たらず。全部で20列だったので、マジで生声だったと思うな。
 4)生Bruce Willis
 やっぱカッコイイね、このハゲオヤジ。わたしにとっては永遠のマクレーン刑事なわけだけど、このハゲは声がいい。渋い、いい声だと思う。で、やっぱり顔の表情がすごい豊かな役者だね。今回の芝居では、基本的に寝てるか車いすなんだけど、非常に素晴らしい演技だったと思う。が、それはやっぱり声と顔の表情からくるもんなんじゃなかろうか。
 5)映画版『MISERY』でおなじみの、誰もが「やめてーー!」と思うあのシーン。
 と言えば、わたしがどのシーンのことを言ってるかわかりますよね? ヒントは「ハンマーを振りかぶって…オラァッ!!」。わかりますよね、あの痛そうなシーンです。あれも、今回の舞台では登場する。いきなり、ボキーンとやったので、思わずわたしも、うわっ!? やった、やりおった!! と声を上げてしまった。もちろん、観客騒然。OH!! だの、MY GOD!! だの大変な騒ぎでした。いつの間にか、本人の生足だと思ってたのが、作り物に変わってたわけで、全然気が付かなかった。さすがハリウッドの国ですな。すごいびっくりしたわ。
 とまあこんな感じかな。
 あと、昨日も書きましたが、とにかくメリケン観客はリアクションが騒がしい。とにかくよく笑う。そこ笑うとこじゃねえべ? というようなところでも笑う。なんなんだもう、変な人たち!! 

 というわけで、結論。
 ブロードウェー舞台版『MISERY』は1時間45分と短い芝居でしたが、わたしは非常に楽しめた。これは観に行って良かったと思う。アニーを演じた女優は、わたしは知らない人だったけど、なかなかいい感じに狂っていて良かったと思います。しかし、ほんとおっかねえ話ですな。もう一度、小説を読みたくなりました。

 ↓ KINGの密室もの(?)でわたし的に『MISERY』並みにやばいと思うのはこちら。SMプレイ中の、手錠で両手をガッチリとベッドにつながれている女子が主人公。パートナーに、ついイラッとして、このボケが死ね! と蹴っ飛ばしたらホントに死んでしまい、ふーせいせいしたわこのクソが!! と一息ついてふと思う。どうやって帰ればいいのわたし……? その状況から、主人公たった一人の悪夢のような脱出作戦が始まる……という恐ろしいお話です。そんな話、良く思いつくよな……マジ天才ですわ。
ジェラルドのゲーム (文春文庫)
スティーヴン キング
文藝春秋
2002-09

 というわけで、NY_DAY-02の行動を書く前に、今のわたしの感動というかハイテンションを逃さないために、先に、DAY-02 に観たミュージカルを書いてしまおう。今回の旅において、わたしの本場NY Broad Wayでの初観劇となったのは、『WICKED』である。
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 チケットは、日本のHISのWebサイトで予約して、プリントアウトした紙を当日劇場に持って行って、チケットを発券してもらう、という仕組みを利用した。結果、F列という事でかなり舞台に近くて良かったのだが、ちょっと左の端っこの方だったので、舞台の奥は装置が邪魔で見えないというかなり微妙なところだった。それより非常に腹立たしいのは、どうもBroad Wayのチケットは席によって値段がかなりばらつきがあるようで、わたしのあてがわれた席は端っこという事で97ドルの席だったようだ。確か、HISのサイトで108ドル取られたのに。なんだよガッデム。まあ、いいけどさ……。ちなみに、TIMES SQUAREの有名なチケット屋tktsはすげえ行列でした。何を求めて並んでるか知らないけど。ま、安心料として10ドルは許してやってもいいか……。
 そして劇場はTHE GERSHWIN THEATREというところで、ホテルから歩いて10分弱かな、やけにそこらじゅうが工事中で、つかつか歩けない状況なのだが、まあそれでも10分ほどなので余裕であった。ちなみに、最初に書いてしまうけど、帰りは22時近くであったが、TIMES SQUAREはまあ人出が多く、まったくもって怖いところではなかった。まあ、警官だらけだし軍人もいるし、そういう意味ではとりあえず大丈夫な街であろう。
 で。『WICKED』である。
 
 上記の動画は、劇団四季Verの公式予告だが、実はわたしは、観たい観たい観たい! とずっと思っていたのに機会をとらえられず、劇団四季Verの『WICKED』を見逃してしまった愚か者だ。さんざん、A嬢には絶対観ろと言われていたのに、だいぶ前に東京公演は終わってしまって大変残念に思っていた。そのリベンジを本場Broad Wayで果たそうというわけである。
 まあ、もう完全にスーパーメジャータイトルなので、もはや説明はいらないだろう。この作品は、2003年初演でもう10年以上ロングランを続けている人気タイトルで、初演時のオリジナルキャストは、主人公のELPHABAを、氷の女王エルサですっかりおなじみとなったIdina Menzel嬢が演じていたことでも有名であろう。今回わたしが観たキャストは、こちらの通りのようだが、やっぱりものすごく上手でぐいぐい作品に引き込まれてしまった。これはやっぱりすごい。今回のELPHABAを演じたRachel Tuckerさんは非常に良かったです。どうやらLONDON公演で最も長くELPHABAを演じた方らしく、まさに今年の9月だか10月からBroad Wayにやってきた歌姫様らしい。圧倒的に素晴らしかった。ちなみに、ちょっと検索してみたところ、どうやらこのRachel Tuckerさんは来年1月に「ニューイヤー・ミュージカル・コンサート2016」というもののメンバーとして来日するみたいですな。既にもう、ミュージカルファンはチェック済みかもしれないね。
 ところで、わたしの英語力でストーリーを理解できたかというと、まあ、だいたい、というぐらいであった。ちゃんとストーリーを予習していったので、特に困ることはなかったつもりなのだが……しかし、やっぱりどうしてもわからんのは、なんでGLINDAとELPHABAは仲良くなれたのか、実際理解に苦しむ。いやだって、GLINDAがすさまじく嫌な女子なんですけど……。とてもじゃないけど、仲良くなる理由が分からん。散々いじめておいて、ちょっとやりすぎたかしら、じゃ、あたしも一緒に踊るわ、のあそこから仲良くなっていくわけだよね? うーん……くそう、やっぱり私の英語力ではダメだったと結論付けるべきか。くそう。
 とにかく、アメリケン人観客どもはホントにリアクションが騒々しくて、しかも、わたしが想像していたよりもGLINDAはコミカルに演じていて、メリケン客はもうゲラゲラ大爆笑。しかも、明るいジョークじゃなくて、ほとんど全部、毒のあるブラックジョークなんだよな。それでドッカンドッカン笑いを取ってて、えーっと、ここ笑うとこ? と、やや唖然とした部分もあった。
 なお、明日書くつもりのDAY-03 に観た(まさに今観て帰ってきたばかりのところなんですけどね)、『Aladdin』もすごかったよ。わたしは劇団四季Verの『アラジン』は既に観ているけれど、とにかくジーニーがすごい。わたしが観たキャストは、去年のTONY賞ウィナーのあの太っちょのおっさんだったので本当に最高でした。もちろん、我々日本人は劇団四季Verのジーニーの方が、言葉が分かる分楽しめるかも。劇団四季の『Aladdin』も本当に素晴らしく、観ていない人は今すぐ予約した方がいいと思う。あと、Bruce Willis主演の『MISERY』も、ものすごかった。こちらも、今の絶対笑うとこじゃないだろ!! というところで観客大爆笑で、こっちはシリアス・サスペンスなので、笑いが起きるのがちょっと変な感じはしたかな。だって、Bruce Willisが、「FUCK'N BITCH!!! DAMM YOU!!」って怒ってるのに、もうみんな大爆笑なんだもの。みんな、Dirty Wordがお好きなのねw  『Aladdin』と『MISERY』について詳しくは明日以降書きます。
 で、話を『WICKED』に戻すと、歌の方も、有名な歌はだいたい予習しておいたので、比較的大丈夫だったが、やっぱり1幕ラストのDefying Gravityは圧巻で、鳥肌ものであった。すごい。これはすごい、と観ながらずーと思ってました。A嬢もこの1幕ラストで大いに感動したとのことであるが、まったくもって同意したい。いやー本当に素晴らしかった。もう、本当に、すごい、素晴らしかった、としか書けないので、以下、写真を並べてお茶を濁して終了します。
P_20151117_181834
 ↑劇場前。客層は比較的高め。基本的に観光客なんでしょうな。
P_20151117_190045
 ↑開演前の舞台の緞帳(?)。席を案内してくれたおばちゃんに、写真撮っていい? って聞いたら。NO,But, YES(ニッコリ)だってさ。
 ↓劇場のトイレの洗面台はdyson製だった。珍しいので撮ってみただけ。
P_20151117_184053

 というわけで、結論。
 『WICKED』は、やはり素晴らしかった。我々日本人は、劇団四季が再演してくれる日を待つしかあるまいが、再演の暁には、今度こそ必ず観に行くことを自分に誓おう。絶対だ!!
 あ、そうだ。自分用備忘録:劇場パンフ25$だった。プチ高いのう。
 ※12/09追記:劇団四季の『Wicked』は、2016年5月から札幌公演が決定しています。ので、来年は北海道旅行確定ですな。楽しみです!!

↓ もはや両方買うしかねえかな……
ウィキッド オリジナル・ブロードウェイ・キャスト
オリジナル・ブロードウェイ・キャスト
ユニバーサル ミュージック クラシック
2007-03-07

ミュージカル「ウィキッド」劇団四季版
劇団四季
UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)
2008-07-23

 8/23付けの記事で書いたとおり、2010年1月の初観劇以来、わたしはすっかり宝塚歌劇にはまっている。そして、その初宝塚のときに観た、当時のTOPスターである柚希礼音さん(愛称:ちえちゃん)に完璧Fall in Love、以降、ほぼ全公演を観に行ったし、お茶会という名のファンミーティングも行ったし、武道館コンサートも行ったりした。そして今年2月の退団公演は、念願のムラ観劇(※宝塚市の宝塚大劇場へ観に行くこと)も果たし、東京公演も当然観に行った。あまつさえ、あろうことか劇場でマジ泣きしてしまうという醜い姿もさらしてしまったキモ男である。なんかさ……ほんとうにちえちゃん退団なんだ……もう会えないんだ……と思ったら、急に猛烈にさみしくなって、泣けてしまったんだよね……。なんなのオレ。まったくもって、われながら気持ち悪い。ほんとサーセン。

 そんなわたしの愛するちえちゃんは宝塚を卒業してしまったのだが、現状既にLEGENDと呼ばれており、TOP of the TOPであったちえちゃんが、再び我々の前に帰ってきてくれるというニュースが発表されたのは、確か5月か6月あたりだっただろうか? なんと、ブロードウェーミュージカルに挑戦することが発表されたのである。
 もともと、ちえちゃんは、宝塚スターとしてはちょっと珍しい経歴の持ち主である。普通のスターは、元々宝塚のファンで、好きだから自分も挑戦したい、という動機で宝塚音楽学校の入試に挑む場合が多いと思う。が、ちえちゃんは、その宝塚ファン時代がないのだ。どういうことかというと、元々バレエをずっとやっていた彼女は、高校生になって身長が170cmを超えるぐらいに成長してしまい、バレエダンサーとして日本ではちょっと難しい体になってしまったのだ。 わたしはバレエに関してまったく無知なので良く分からないが、確かに女子のバレエダンサーは華奢で、そう背が高いというイメージはない。そういうものなのかどうなのか、実際のところわたしは分かっていないが、とにかく、高校生当時のちえちゃんは悩んだそうだ。どうすべか、と。その時のちえちゃんは、アメリカにバレエ留学したい!! と考えていたらしい。が、知り合いに、こういうのがあるよ、と提示されたのが宝塚だったそうで、じゃあ、挑戦してみようと試験に挑み、無事に第85期生として入学するに至ったのだそうだ。
 なので、 ちえちゃんは宝塚というものを入学してから勉強・稽古・訓練によって学んで行き、TOPに就任してからもずっと自信がなく、それでも不断の努力によって、宝塚の歴史に残る伝説のTOPスターとなったわけである。ちえちゃんは、明らかに努力の人であり、ホント、尊敬できる人間だとわたしは思っている。
 そんなわたしの愛するちえちゃんが、ブロードウェーに挑戦すると聞いて、わたしが冷静でいられるわけがない。高校生のときにあこがれた、夢の舞台。そこに、ちえちゃんが立つ。なんというか、その真っ直ぐな思いと、おそらくはそこに至るまでにこれから始まる努力を思うと、いかん、また泣けてくるわ。当然わたしはチケットのプレオーダーから参戦し、無事に初日2日目のチケットを入手することができた。

 というわけで、今日、わたしが渋谷で観てきた『Prince fo Broadway』は、そんなちえちゃんの、宝塚退団後の初舞台であり、ちえちゃんの舞台人としての第2章開幕の作品である。その場にいられるだけでわたしは嬉しい。

 さて、ここから先はネタバレなので、これから観に行くから知りたくない! という方はここから先は自己責任でお願いしたい。

 ズバリ言うと、既に事前の情報でも分かっていたことだが、ちえちゃんの出番は結構少ない。出ずっぱり、では全然ない。また、この作品を真に楽しむには、かなりの数のミュージカル知識が必要だ。わたしのような、にわか野郎には、この作品の真髄までは理解できていない。詳しくは、公式Webサイトを見ていただいたほうが良いだろう。この作品は、ブロードウェイミュージカル界で最も偉大な功績を成し遂げた男、ハロルド・プリンスの手がけた作品を振り返るものと言えばいいのだろうか? 彼の作品の名シーンが次から次へと現れるもので、実際のところ、明確なストーリーはない、というか薄い。しかし演じる俳優たちが、「本物の」ブロードウェー役者であるので、当たり前だが歌はすさまじく上手く、それを聞くだけでも十分に価値があると思う。しかもスーパー・オールスター集合である。残念ながら、にわかのわたしが明確に知っている曲は『ウエストサイド物語』『キャバレー』『オペラ座の怪人』『エヴィータ』ぐらいなのだが、それでも、知っている曲を生で、しかも本物の歌声で聞ける機会はめったにないので、ちょっと感動ものであった。特に、『オペラ座の怪人』の曲を歌ってくれた二人は、本物のファントムとクリスティーヌ経験者である。知ってる曲だけに、鳥肌ものの素晴らしさだった。

 一方のちえちゃんは、明確なソロで歌ってくれるのは4曲かな? 記憶が間違ってたらサーセン。1幕冒頭近くの『くたばれヤンキース』で1曲ソロで歌うのだが、この時の衣装は超注目だ。以前の記事で書いている通り、わたしはちえちゃんを、あくまでずっと女子として愛しており、この時の衣装は、そんなわたしには失神しそうなぐらいセクシーであった。そして第2幕では3曲歌ってくれるが、そのうちの1曲は日本語の曲で、きっちりファンサービスもしてくれる。当然、バレエダンサーとしての、女性らしいしなやかで美しいダンスも披露してくれて、わたしはとても嬉しかった。とにかく、背中がこんなに華奢だったんだね、というか、肩甲骨周りの、明らかに鍛えられた美しい筋肉に、わたしはもう双眼鏡をずっと手放せず、完全に変態といわれても否定できないほどガン見してしまった。

 そんな作品なので、正直、ちえちゃんファン以外が観て面白かったのかどうか分からない。また、ちえちゃんファンであっても、出番が少ないとか、きっといろいろモノ申したい方も多いのではないかと思う。
 だが、少なくともわたしは、新たな道を歩むちえちゃん、今日のために、おそらくは相当な訓練と不断の努力を続けてきたであろう、美しき「女子」であるちえちゃんを今日、この目で観ることができて、これ以上の喜びはない。大満足です。

 なお、カーテンコールの際に、撮影していいですよという場内表示が出る。なので、皆いっせいにスマホを舞台に向けていた。わたしももちろん、撮ってみた。が、まったくろくな写真が撮れなかったのだが、前から2列目というすごい席が取れた、元同僚のMお姉さまから先ほどメールでこんな写真が送られてきた。
image1
 近っけぇーーー!! くそー!! いいなーこんな席で見られたなんて!! ちなみに今日は、前から3列目に蘭寿とむさんと、とよこさんこと紫央 涼さんも来場していたようだ。ようだ、というのは、わたしは後ろ姿しか見られず、お顔を拝見することができなかったのだが(場内がざわついて「蘭寿とむさんよ!!」という声が聞こえたので、マジか!? とそっちを見たときにはもう席に着こうとされていた)、元同僚のMお姉さまはばっちり目撃したとのことです。くっそう!!

 というわけで、結論。
 わたしは大満足です。しかし、もっと勉強していくべきだった。そうすればもっと楽しめたのだが……。まあ、今後もちえちゃんを応援していきたい所存です。

↓ ちえちゃんファンとしては、コイツは読まざるを得ないな……。

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